ⅱ.各授業報告 インターネットを使った国際理解 英語科 樋口 正次 1.はじめに 現代の国際理解教育を考える時、事実上国際標準語になっている英語の運用能力を身につ けることが急務であるといえる。 そしてその英語力を駆使してインターネットを自由に使いこな すことも必要不可欠になってきている。実際インターネット上で使われている言語は84%が英 語である(参考文献1)と言われている。幸い私の担当教科が英語なので、英語とインターネッ トを使って、国際理解教育をするには何が適当かを考えた末、海外のホームページのペンパル紹 介サイトで外国のメール友だち(key pal)を見つけて、お互いの文化情報を交換する授業を思 いついた。 2.授業内容 1校時・・・まず私のホームページ( http://www.ikeda.osaka-kyoiku.ac.jp/~higuchim/index-j.html) に、下のようなページを作って、インターネット上にあるペンパル紹介サイトを10個 提示した。 1. Penpal Central (http://www.angelfire.com/ok/PenpalCentral/) 2. A Penpal World (http://www.apenpalworld.com/) 3. Baks Penpal Page (今はなくなっている) 4. High School Cyberpals (http://cyberpals.studentcenter.org/cyberpals2.php?id=1) 5. Between Friends (http://www.nordicfolks.com/friends/friends.asp) 6. ExChange 3 (http://deil2.lang.uiuc.edu/ExChange3/pp.html) 7. Interpals Pen Pal Net (http://www.interpals.net/) 8. The Pen-Pal Center (http://www.bplace.com/penpal.shtml) 9. Sycrawler (http://www.saydar.org/sycrawler/) 10. Dave's ESL Email Connection (http://www.pacificnet.net/~sperling/student.html) これらのサイトには、 世界各国の人たちが書き込んでいるペンパル募集記事が載っている。 そして、自分の情報を書き込めば、その場で自分のペンパル募集記事も載せてもらえる というものである。 ① これらの募集記事から、生徒各自が自分の興味のある国の相手を見つけて、メ ールを英語で書いて送る。 ② そしてそのページに自分のペンパル募集記事を載せる。 というのが、この時間の課題であった。そして、それぞれ一つずつでは返事が返ってく る可能性が低いため、できる限りたくさんの相手にメールを送り、できるだけ多くのペ ンパル募集サイトに自分の記事を載せるように要求した。 2校時・・・前の時間にメールを送った相手から返事がきているかどうかを確認し、返事がきてい れば、その相手に自分が興味を持っている日本の文化を相手に紹介し、同時に相手の国の 独特の文化を紹介してもらうように依頼する、というのがこの時間の課題であった。 3 校時・・・相手の国の特徴的な文化を紹介したメールを受け取る、というのがこの時間の目標で あった。 3.生徒のレポート 最後の授業の時に次のようなレポートを書いてもらった。 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1年 総合学習 インターネットを使った国際理解(樋口担当分) まとめのレポート ①メールを出した相手人数 ②その相手国 1. 2. 3. 4. 5. ③自分の宣伝を貼り付けたサイ ト数 ⑤相手に紹介した日本文化 ⑥紹介したかった理由 ⑦相手から紹介してもらったそ の国の文化 ⑧それに対するあなたの感想 ⑨この授業で学んだことや感想 など ( )組 ( )番 氏名( ) -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------4.おわりに 3 回という授業数の少なさと、隔週の授業だったので、メールのやり取りが十分できなかった 生徒もいて残念であった。上のレポートによると、誰からもメールが返ってこなかった生徒が、 1 組は 11 人、2 組は 7 人、3 組は 5 人、4 組は 10 人いた。生徒個人のインターネットに対する 慣れの差もあるし、運も左右しているだろう。しかし、生徒の感想を読んでいると、 「こんなに簡 単に世界の人とメールをやり取りできるのに驚いた」 「英語が世界語であることを実感した。これ からますます英語をしっかり勉強していきたい」という意見が多かった。生徒はインターネット によって世界の人達とコミュニケーションをとることが大変簡単になったこと、英語が本当に国 際語になったことを肌で感じてくれたことと思う。また機会があれば、こういう授業を続けてい きたい。 5.参考文献 1.「インターネット英和辞典」阿部 一著(研究社) 2.「人文社会科学とコンピュータ」杉田米行編(成文社)
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