JAいがほくぶ高齢者福祉事業取組み方針 1.はじめに 社会福祉は

JAいがほくぶ高齢者福祉事業取組み方針
1.はじめに
社会福祉は、現代社会に於いて、人々の自立生活を支援し、その自己実現と社会参加
を促進することを目標に展開されていますが、平成19年9月には65歳以上の高齢者
の人口は2744万人で総人口の21.5%となり、一層のノ-マライゼ-ション思想実
現に向けた取組みが求められています。
当JAは、予測された高齢化に鑑み、老人福祉法に基づいた「社会福祉法人いがほく
ぶ」を平成11年4月に設立、地域高齢者福祉の一端を担っているが、急速に高まる高
齢化傾向が見うけられ、長期構想「彩四季のまち」にも示したように、高齢者の農業従
事・生きがい支援対策を行政と一体となった福祉対策の取り組が重要となってきていま
す。こうした高齢化やJA事業の環境変化を捉え、社会福祉法人いがほくぶを核とした
地域社会への貢献、JA事業の高齢者福祉活動の視点を踏まえつつ、伊賀地域高齢者対
策を更に一歩前進させ、取組みを進めていくものとします。
2.取組みの意義
(1)地域農業を守り、農地を守る
農業基盤が年々減少し、担い手が高齢化していくなかで、JA本来の役割である地域
農業を守っていくためには、様々な担い手を確保していく必要があります。
特に、定年退職あるいは早期退職によって地域農業に戻る農業者は、大切な担い手で
あると評価され、地域営農・集落営農を促進するオペレ-タとして、またJAが設立し
ようとしている農業生産法人の担い手としてとしても活躍が期待されます。
このように、前期高齢者への支援は、この方々が取組む労働力を確保し、農業を守る
一躍を担うということにもなります。
(2)高齢者の経済的、健康的、文化的な自立支援
高齢者自信が安心して生活できる所得を確保するためには、年金による公的制度に依
存するだけでは生計を維持できず、補完収入を得ることが課題であります。
また、老後の生きがいや健康管理対策として土に勤しむ趣味的農業の普及開設や専門
的な指導による農業未来塾の開校、生活文化活動による健康管理啓蒙などの支援も行な
っていかなければなりません。
このことは、高齢者の就業意欲の高いなかで「生きがい、はげみ」となる農業の振興
であり、高齢者対策の展開において極めて重要な課題として、高齢者に適した作物、栽
培技術、作業、流通体制などを図り(地産地消・直販体制(とれたて市等))、就業機会
を作り出す支援活動の一層の取組みが必要となります。
(3)老後を安心して暮らせる地域作り
老後の不安は、生計を営む全ての人にとって切実な問題となっています。
特に要介護の必要な高齢者と高齢者を抱える家族が安心して生活できる体制が必要と
なっています。
そうしたなかで、行政と連携・協調を深めながら中・長期計画の実践対策として当J
Aにおいても高齢者福祉に主体的に取組みを進めることは、組合員等の切実な要求に応
えることであるとともに、介護する側と介護される側がともに安心して生活できるシス
テム作りを支援することであり、JAの地域信頼度を高めることにも繋がるものです。
(4)地域に貢献できるJA事業基盤の強化
JAが高齢化対策に取組むことは、老人福祉に新たな事業展開が可能となり、生活事
業の充実強化を図る上で必要である。
少子高齢化、過疎化、近隣関係の希薄化が指摘されている現在において、相互扶助・
相互支援を強化し、JAの持ち得る協同の力を発揮することが、JAの組織基盤の拡充
を図るうえで重要なこととなります。
3.主な取組み
社会福祉法人いがほくぶ「特別養護老人ホ-ム彩四季」を核として、居宅支援サ-ビス
とともに多くの施設事業を展開、また、高齢者福祉相談室を伊賀市より受託して地域民
生児童委員とともに地域に根ざした取り組みを行っている。組合員の自主的・主体的な
活動として助け合い組織彩の会の活動を行っている。
農業面の取組みとして、元気なお年よりには農作物の栽培支援等営農活動(農業未来
塾)と地域づくり活動と一体的に進めており、生活面の取組みとしては、主体的に地域
からの信頼感を高め得る(専門職による健康教室等)よう活動を強化しています。
また、今後の展開としてJA遊休施設を利用した福祉施設新設・運営についても、社
会福祉法人を核としたJAの総合的な高齢者福祉事業の一環と位置付け取組みを進める
ものとします。
(活動内容)
(1)組合員の協同活動としての健康つくり活動
① 健康管理の学習活動
② 検診活動・予防活動
③ 食生活の見直し活動
(2)ボランティア、助け合い組織など組合員の自主的、主体的活動の育成・支援
① ホ-ムヘルパ-の養成
② 助け合い組織彩の会の活動支援
③ ボランティア活動
④ 家事支援
⑤ 家庭訪問一声運動(お元気ですかの声かけ)
(事業)
(3)信用、共済、経済事業を通じた経済面での支援活動
① 福祉ロ-ン、介護、入院保障の展開
② 住宅改修
(施設)
(4)特別養護老人ホ-ム「彩四季」の運営
① 第一種社会福祉事業
特別養護老人ホ-ム彩四季
60床
(内ユニット型10床)
老人短期入所事業彩四季
28床
(内ユニット型8床)
老人デイサ-ビス事業彩四季
40床
[介護予防含]
② 第二種社会福祉事業
老人ホ-ムヘルプ事業彩四季 [介護予防含]
老人介護支援センタ-彩四季
③ 公益事業
居宅介護支援事業
訪問入浴事業
介護予防支援事業
4.福祉文化の創造
21世紀における社会福祉のありようを方向づけたといえる社会福祉基礎構造改革の
基本理念は、自立支援あるいは自立生活支援である。自立という言葉は、身体的自立、
心理的自立、社会的自立、経済的自立などいろいろな生活の領域と結びつけてもちいら
れ、そこには強さへの期待や憧憬があります。
しかし、この理念が確立される為には、人々の持つ強さと共に弱さに対する配慮が不
可欠であり、高齢者の期待である援助を利用することを前提にした自立(依存的自立)
とともに人々の生活の自立が尊重され、多様な個性を持つ人々が共に生きる社会、共生
社会を実現することにあります。
JAは、自立支援の取組みと共に、高齢者の持つ独自性を十分に尊重しつつ、生甲斐
のある福祉文化の創造に向けて創意工夫を積み重ね地域に貢献してまいります。