学則変更の趣旨等を記載した書類目次 1. 学則変更(収容定員変更)の内容 ..................................................... 1 (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 ..................................... 1 (2) 都市創造学部都市創造学科 ..................................................... 1 2. 学則変更(収容定員変更)の必要性 ................................................... 1 (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 ..................................... 1 ① 収容定員変更の必要性が生じた背景 ............................................. 3 (2) 都市創造学部都市創造学科 ..................................................... 5 ① 都市創造学部設置の趣旨 ....................................................... 5 ② 都市創造学部設置の社会的背景と必要性 ......................................... 6 ③ 都市創造学部設置の学問上の必要性 ............................................. 8 3. 学則変更(収容定員変更)に伴う教育課程等の変更内容 ................................. 8 (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 ..................................... 8 ① 教育課程の変更内容 ........................................................... 8 ② 教育方法と履修指導方法の変更内容 ............................................. 8 ③ 教員組織の変更内容 ........................................................... 9 (2) 都市創造学部都市創造学科 ..................................................... 9 ① 教育課程の編成の考え方及び特色 ............................................... 9 ア コース制 ..................................................................... 9 (ア)都市コンテンツ履修コース ................................................ 10 (イ)都市デザイン履修コース .................................................. 10 イ 学部共通教育 ................................................................ 11 ウ 実践性と実務家教員 .......................................................... 12 エ アクティブラーニング(演習科目) ............................................ 13 オ 留学と語学教育 .............................................................. 14 (ア)海外留学 ................................................................ 15 (イ)外国語教育 .............................................................. 15 (英語教育) .............................................................. 16 (英語以外の外国語教育) .................................................. 16 ② 教育方法,履修指導方法及び卒業要件 .......................................... 16 ア 授業の内容に応じた授業方法の設定 ............................................ 17 (ア)講義科目 ................................................................ 17 (イ)演習科目 ................................................................ 17 イ 授業方法に適した学生数の設定と配当年次 ...................................... 18 ウ 卒業要件と考え方 ............................................................ 18 エ 養成する人材像と履修モデル .................................................. 20 (ア)都市コンテンツ履修コース ................................................ 20 i) 都市コンテンツプロデューサー(地域コンテンツ型) ...................... 21 ii)一般企業企画担当者 .................................................... 22 iii)社会起業家 ........................................................... 22 (イ)都市デザイン履修コース .................................................. 23 i) 都市デザイナー 23 ii)事業推進マネージャー .................................................. 24 iii)NPO・NGO マネージャー ................................................. 25 (ウ)多様なメディアを利用した授業の取扱い .................................... 25 (エ)履修科目の年間登録上限の考え方 .......................................... 26 (オ)他大学における授業科目の履修等の考え方 .................................. 27 ③ 教員組織の変更内容 .......................................................... 27 ア 設置の趣旨、特色、教育課程を踏まえた教員配置の考え方 ........................ 27 イ 研究対象学問分野に関する教員配置の計画 ...................................... 28 ウ 教育課程における中核的な科目、必修科目に関する教員配置の計画 ................ 28 エ 教員の担当科目数の考え方 .................................................... 29 オ 実務家教員の配置と効果 ...................................................... 29 カ 研究機能を確保する教員配置の計画 ............................................ 29 キ 中心となる研究分野と研究体制 ................................................ 30 ク 教員組織の年齢構成と教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化 .............. 31 ケ 既設学部等からの異動による影響 .............................................. 31 4. 大学全体の施設・設備の変更内容 .................................................... 32 以上 学則の変更の趣旨等を記載した書類 1. 学則変更(収容定員変更)の内容 亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科、都市創造学部都市創造学科は、学則第 4 条第 2 項に定める入学定員及び収容定員を平成 28 年度から以下のとおり変更する。 (学部・学科名) (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 (単位:人) 学部・学科名 変更前 経営学部 変更後 定員増数 入学定員 90 150 60 収容定員 360 600 240 ホスピタリティ・ マネジメント学科 (2) 都市創造学部都市創造学科 (単位:人) 学部・学科名 都市創造学部 都市創造学科 変更前 変更後 定員増数 入学定員 0 145 145 3 年次編入学定員 0 10 10 収容定員 0 600 600 2. 学則変更(収容定員変更)の必要性 (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 本学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科は、観光・ホスピタリティ系大学の中でもマネ ジメント(経営学)をベースとする全国でも数少ない教育組織として、平成 16 年 4 月に経営学部 経営学科ホスピタリティ専攻(定員 40 名)として開設した組織が前身である。開設初年度の志願 者数は 173 名であったが、年々志願者数が増加し、そのニーズに対応するため、平成 21 年 4 月に 新たな展開として、経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科(定員 90 名)として教育体制の 充実を図るに至った。本学科の初年度の志願者数は 606 名、志願倍率は 6.7 倍であった。 本学科は、 「ホテル&ブライダル」 「フードサービス」 「トラベル」 「パッセンジャーサービス」 「メ ンバーシップクラブ」の 5 領域を教育研究対象として平成 21 年にスタートした。育成する人材像 として「マネジメントの基本的考え方を理論的ベースにしたホスピタリティマインドを有する実践 的職業人」を掲げており、将来的にホスピタリティ業界をリードしていく人材を輩出していくこと を目標としている。具体的には、1)企業のトップ・ミドルマネジメントを担う人材を育成、2)豊 富な実践系科目でホスピタリティ・ビジネスの実務遂行能力を育成、3)業界のグローバル化に対 応できる人材を養成していくことを三つの柱としている。 教育の特色として、高度な実務スキルとホスピタリティマインドを育成するために前述した 5 領 域をカバーする「理論・実務融合型教育」を展開している。各学年において、マネジメントとホス ピタリティの知識やスキルに関する「理論系科目」とホスピタリティの研修・インターンシップに 関する「実務系科目」を組み合わせて学習していき、両科目を融合させるために少人数によるゼミ ナール形式の「演習科目」でそれを統合している。資料(ホスピ)1 カリキュラムについては、マネ ジメントとホスピタリティに関する専門科目 84 単位(必修科目 33 単位、選択必修科目 6 単位、選 択科目 45 単位)と大学教養に関する全学共通科目 40 単位(必修科目 16 単位、選択科目 24 単位) から構成されている。特に、ホスピタリティ業界において必須であるコミュニケーション能力を育 成するために、英語を必修科目として 16 単位履修させ、さらには、中国語や手話といった選択科 目を学習するように履修指導している。 また、ホスピタリティ産業をグローバルな視点で捉えており、欧米のホスピタリティ業界では標 準とされている “Welcome to Hospitality ・・・ an Introduction 2nd EDITION” 資料(ホスピ)2に 基づいて、Lodging industry としてのホテル領域、Food service industry としてのフードサービ ス領域、ホテル領域とフードサービス領域の接点であるブライダル領域、Travel and Tourism と してのトラベル領域、Transportation industry としてのパッセンジャーサービス領域、Recreation, Sports, and Entertainment としてのクラブ領域、の五つを教育研究対象とし、これらの各領域へ ホスピタリティマインドを有する実践的職業人を輩出していくことを本学科のミッションとしてい る。 長期的将来予測として野村総合研究所の「NRI 未来年表 2015-2065」を概観すると、ICT (Information and Communication Technology) のさらなる加速、インバウンド旅行者数の増加、 第 6 次産業の市場規模の拡大及びロボット市場産業規模の増大等がホスピタリティ業界を取り巻く トレンド予測として指摘されている。資料(ホスピ)3 Markets and Markets(2014 年)の報告書 “Service Robotics Market (Professional and Personal)by Application 2020”によると、世界のサ ービスロボット市場は 2020 年に 194 億ドルに達し 2014 年から 2020 年の年平均成長率(CAGR) は 21.5%になると予測している。世界のサービスロボット市場は、アメリカ、ヨーロッパ、日本、 アジア太平洋から構成される四つの主要地域とその他の地域に分類されている。さらに、世界の 5 大企業として Intuitive Surgical Inc. (U.S.), iRobot Corporation (U.S.), Honda Motors Co. Ltd. (Japan), Google Inc. (U.S.), and MAKO Surgical Corporation (U.S.)が挙げられており、日本企業 もその一角をなしている。資料(ホスピ)4 これらのことは、ジョン・ネイスビッツが「メガトレンド」 (1982 年)で予測した高度な科学技 術の進歩という「ハイテク」が、主としてアメリカ、ヨーロッパ、日本、アジア太平洋地域におい て、将来的に継続して進展していくことを裏づけている。 「ハイテク」が進んでいくと人と人とのか かわり合いが希薄になっていくので、このバランスをとるために「ハイタッチ」という情緒的な人 との触れ合いを求めるようになるとネイスビッツは説いている。資料(ホスピ)5 今後継続するであ ろう「ハイテク」の進展に呼応する「ハイタッチ」に対応でき得る人材を社会に輩出していくこと が重要な課題となる。本学科では「ハイタッチ」に対応できるホスピタリティマインドを涵養する カリキュラムで人材を養成しており、今後もこれを継続していくとともに拡大させていくことが本 学科の将来にわたる社会的使命であると考える。 また、中期的な将来を鑑みると、増加していく外国人旅行者をもてなすホスピタリティ業界への 高まる人材需要や近々の国家的ビッグイベントである「2020 年東京オリンピック・パラリンピック 競技大会」の開催成功等に向けた人材育成という社会的な要請に応えるためにも、本学科を量的に も質的にもさらなる整備充実を図ることとなった。 この人材需要への量的な対応として、今回の入学定員の増加を申請している。入学定員が 90 名 から 150 名に増加することで、これまで以上に「ホスピタリティマインドを有する職業人」を毎年 ホスピタリティ業界に輩出することが可能となり、将来的な業界の高まる人材需要に応えていくこ とができることとなる。また、この人材需要への質的な対応としては、「ホテル&ブライダル」「フ ードサービス」「トラベル」「パッセンジャーサービス」「メンバーシップクラブ」の 5 領域におい て、過去 10 年にわたり改善してきた完成度の高い教育課程、教育方法並びに履修指導方法の内容 を変更しない範囲で、さらなる充実を図っていく。その具体的な方策として専門科目担当教員 4 名 (専任教員 3 名並びに非常勤講師 1 名)を増員することで、5 領域についての質的な深耕と展開を 行っていく。 ① 収容定員変更の必要性が生じた背景 「観光は、我が国の力強い経済を取り戻すための極めて重要な成長分野である」として、平成 18 年観光立国推進基本法が成立し、平成 19 年観光立国推進基本計画を閣議決定し、そして平成 20 年 には観光庁が設置された。この観光立国推進基本法に基づき、平成 24 年観光立国推進基本計画が 閣議決定された。この基本計画において、訪日外国人旅行者数を平成 32 年までに 2,500 万人とす ることを念頭に、平成 28 年までに 1,800 万人にするという目標を掲げた。資料(ホスピ)6 こうし た観光振興政策により、平成 25 年には訪日外国人旅行者数が初めて 1,000 万人を突破し 1,036 万 人を記録することとなった。資料(ホスピ)7 平成 25 年 9 月 7 日ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)で、平成 32 年夏季五輪(オリンピック・パラリンピック)の開催都市として東京が選定された。そして、平成 26 年 6 月 23 日、平成 32 年夏季五輪の成功に向けて、東京オリンピック・パラリンピック競技大 会組織委員会と全国の大学が連携しオリンピック教育の推進や大会機運の醸成等の取り組みを進め るために、連携協定を締結した。本学もこの大学連携協定校の一校として、この取り組みを積極的 に進めていく役割を担っている。資料(ホスピ)8 初年度である平成 26 年度の取り組みとしてホス ピタリティ・マネジメント学科において選択科目「ホスピタリティビジネス特講Ⅱ(スポーツ・ホ スピタリティ)」を公開講座として開設し、文部科学省、国土交通省観光庁、東京オリンピック・パ ラリンピック競技大会組織委員会、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会といった 関係機関並びにオリンピアンやパラリンピアンなどの講師を招聘し、オリンピック教育の推進に資 する試みを実施した。資料(ホスピ)9 当該科目は、オリンピック教育及び機運を高揚させるべく、 来年度以降も継続して実施していく予定である。 平成 25 年 9 月の IOC において、東京五輪招致の最終プレゼンテーションで話題となったキーワ ードの一つは「お・も・て・な・し」である。この「おもてなし」に相当する英語表現は「hospitality (ホスピタリティ)」が該当する。スポーツとホスピタリティは、領域として接点がないように思わ れるかもしれない。しかしながら、スポーツの祭典である五輪を国際的なビッグイベントと捉えた 場合、その開催成功に向けて、1)宿泊及び飲食の提供(ホスピタリティ)、2)旅客輸送と観光(ツ ーリズム)、さらに、3)顧客接点での心のこもったおもてなし(ホスピタリティマインド)は不可 欠なものである。このことから、スポーツとホスピタリティ及び観光には密接なつながりを有する ことがわかる。 本学科では、このスポーツに関連する「メンバーシップクラブ」領域において教育活動を行って おり、スポーツ関連業界に対して人材を養成してきている。当該領域の教育活動には、1)スポー ツの産業的側面やマネジメントに関する基本的な知識と理論を学習すること、2)会員制フィット ネスクラブの中でもその会員サービスにおいてホスピタリティマインドに重点を置いているクラブ を選定し、研修並びにインターンシップを実施することで実務的な教育と経験を積み重ねる実習機 会を設けている。この領域の卒業生は、民間フィットネスクラブ、介護予防型フィットネスクラブ、 及びJリーグチーム(フロントスタッフ)に就職しているという実績がある。 我が国における観光分野の人材養成機関としてのホスピタリティ及び観光関連の学部・学科等の ある大学についての推移を見ると、平成 12 年では 10 学部 12 学科であったものが、平成 22 年には 43 大学 48 学科とこの 10 年間で約 4 倍に急増している。資料(ホスピ)10 また、本学科と競合す る都内の観光系学部・学科を有する主な 4 大学(立教大学観光学部、東洋大学国際地域学部国際観 光学科、玉川大学観光学部、桜美林大学ビジネスマネジメント学群)について過去 5 年間の入学志 願状況は、志願倍率を見てみると、過去 5 年にわたり立教大学と東洋大学は 12 倍を超え、玉川大 学が 6 倍以上、桜美林大学は 3.6 倍以上となっている。過去 5 年間のトレンドを見ると、各大学と もおおむね前述した志願倍率を保っていることが読み取れる。定員充足率においても過去 5 年間に わたり 100%以上となっている。資料(ホスピ)11 このことから、高校生のホスピタリティ及び 観光系の領域に対してある一定以上のニーズが存在しているといえよう。 さらに、リクルート進学総研が発行する平成 11 年から平成 24 年までの学科のマーケット・トレ ンドを分析した「リクルートカレッジマネジメント 179(Mar.-Apr.2013)」によると、観光分野は、 募集定員と志願者数が増加しつつある市場の成長期が続き、平成 20 年から平成 24 年では募集定員 の増加がほとんど見られないにもかかわらず志願者数が増加する(10,000 人超)という市場として の成長が加速化していると報告されている。資料(ホスピ)12 また、2014 年 6 月 20 日付けの日本経済新聞(夕刊)によると、日本政府は飲食、宿泊、医療、 介護などのサービス業に特化した経営学コースを新成長戦略に盛り込むと報告している。すなわち、 こうしたサービス業に関する高等教育機関での専門教育を通じた人材育成について、政府が本腰を あげて取り組むことになったと解釈できる。こうした政府の新成長戦略とホスピタリティ・マネジ メント学科での人材育成の方向性は合致することとなり、さらなる追い風として期待することがで きる。資料(ホスピ)13 以上のようなホスピタリティや観光関連の高等教育に対する高校生のニーズに対応するとともに 中長期的にいわゆる「ハイタッチ」に対応した人材育成、国家プロジェクトである「2020 年東京オ リンピック・パラリンピック競技大会」の開催を成功させるために必要な人材育成、さらには政府 のサービス経営に関する専門教育を通じた人材育成戦略という社会的な要請に応えていくことが、 本学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科の教育機関としての社会的使命であると考えてい る。 (2) 都市創造学部都市創造学科 ① 都市創造学部設置の趣旨 亜細亜大学は、「自助協力」の建学の精神に基づき、自由アジアの建設に向け、「アジアでの知の 拠点構築」「産学公連携教育体制確立」「自由闊達で強固な組織文化の形成」を礎石とし、国際通用 性をもった新たな大学へと脱皮するための教育改革に取り組んでいる。今回申請する都市創造学部 は、こうした改革の核を成すものであり、亜細亜大学がこれまで培ってきた社会科学的な教育研究 基盤のうえに、経営学及び都市社会学を基礎にした新たな観点で都市を考察する学部教育を展開す るものである。 亜細亜大学は、経営学部(経営学科、ホスピタリティ・マネジメント学科)、経済学部(経済学科)、 法学部(法律学科)、国際関係学部(国際関係学科、多文化コミュニケーション学科)より成り、さ らに、亜細亜大学短期大学部(経営学科、現代タウンビジネス学科)が併設されている。これらの 学部・学科は、すべて社会科学に属する領域にあるが、平成 2 年に国際関係学部を開設して以来、 学部新設は無い。平成 21 年のホスピタリティ・マネジメント学科、平成 24 年の多文化コミュニケ ーション学科の設置は、既存の学科領域での基礎的な教育研究基盤を応用的に展開したものと位置 づけられるが、これらの応用的展開は、各学部の範疇での展開であり、新たな学科領域への展開は 現状では企図されていない。複雑な人間社会を捉える複眼的な考察の必要性が叫ばれる中、都市創 造学部は、経営学及び都市社会学の観点で人間社会、特に、富を生み出し、人々が暮らす都市を考 察しようとするものである。 都市を考察するうえで重要になることは、都市の実態を把握することである。都市に暮らす生活 者の視点で、都市を観察し、都市の魅力や課題を理解することから都市の研究は始まる。都市創造 学部では、こうした都市の生活者の視点を重視し、学生を都市に赴かせるアクティブラーニングの 手法を多く取り入れる。都市創造学部の学生は、語学の学習(英語及び留学先公用語)を通じて、 都市の住民とのコミュニケーションを実践する。また、インターンシップにより、都市の産業社会 の一端を経験する。これらを通じて学生は研究対象の都市を自ら生活者として考察する契機を得る のである。亜細亜大学としては、都市創造学部の学生の都市での学びを促進するためにも、 「アジア での知の拠点」を構築し、学生の都市考察を支援すべく、都市における「産学公連携教育体制」を 確立する。 「アジアでの知の拠点」は、都市創造学部の学生が留学している各都市の大学(本学の交 流大学)において形成する。留学する都市創造学部生の海外インターンシップの指導に訪問する都 市創造学部専任教員と学生との接点である交流大学内の教室において、知の拠点の核を当初形成す る。将来的には、交流大学との連携を強化し(例えば、交流大学と本学間の教職員交換や事務所交 換を今後協議していく)、拠点化するものである。この拠点を通じて、現地産業社会と本学教職員及 び学生との交流を促進する。学生は、日本を含むアジア諸都市の経験や知恵を理解するとともに、 「自由闊達で強固な組織文化」の中で、本学の設置の理念である「亜細亜融合に新機軸を打ち出す」 学生らしい新しい発想を育む。こうした新しい発想に基づいて、日本を含むアジア諸都市に活気と 心地よさをもたらす人材を育成することを、都市創造学部は設置の趣旨としている。 ② 都市創造学部設置の社会的背景と必要性 社会科学的な見地から人間社会を考察する対象としての都市は、極めて重要な意味を有している。 1950 年には全世界の人口のうち 30%に過ぎなかった都市人口は、2014 年には 54%に増加し過半 数を超えたと見られ、2050 年には 66%を占めるまでになる(United Nations Department of Economic and Social Affairs/Population Division(2014),World Urbanization Prospects : The 2014 Revision Highlights,p.1)。資料(都市)1-1 1 世紀の時を経て、都市人口は比率として倍増 するという予測である。都市に住む人口は、各国・各都市の置かれた状況によって定義される。各 都市の行政区画に住む人口や複数の都市の総体的な人口、首都に住む人口とさまざまであるが(前 掲書 pp.3-5)、資料(都市)1-2 重要なことは、 「都市」という「村落」とは異なる高い人口密度や 第 2 次・第 3 次産業に従事する人口の比率の高い人間社会に属する人口が、2014 年に過半数とな った点にある。すなわち、21 世紀初頭まで非都市人口が大半を占めていた人口分布(比較的人口密 度が低く、第 1 次産業に従事する人口比率の高い社会)が、ここへ来て都市人口が過半数となり、 人間社会のあり方が大転換してきていることを意味するのである。この大転換期にこそ、都市社会 の様相を多角的に捉えることが求められており、その実像を分析することが人類社会に課された課 題であるといえる。特に、亜細亜大学都市創造学部では、都市の活気と心地よさを実現する未来都 市のビジョンについて、都市の産業社会としての側面を経営学から、都市の人間社会としての側面 を都市社会学から、複眼的に分析する。 都市人口の増大は、都市化地域居住者 1,000 万人以上の巨大都市である「メガシティ」の増加と して顕在化している。メガシティは、昭和 45 年の東京、ニューヨークの 2 都市から、平成 26 年に は 28 都市へと拡大している(前掲書 pp.26-27)。資料(都市)1-3 東京*、デリー*、上海*、メキシコシティ、サンパウロ、ムンバイ*、大阪*、北京*、ニ ューヨーク、カイロ、ダッカ*、カラチ*、ブエノスアイレス、コルカタ*、イスタンブール、 重慶*、リオデジャネイロ、マニラ*、ラゴス(ナイジェリア)、ロサンゼルス、モスクワ、 広州*、キンシャサ(コンゴ)、天津*、パリ、深圳*、ロンドン、ジャカルタ* (*:アジアの都市) 特に、東京を始めとするアジアの都市の巨大化には、目を見張るものがある。21 世紀はアジアの 世紀であるといわれているとおり、アジアの経済成長がこれらの都市の巨大化を促したことは間違 いない。都市の巨大化は、そこに住む人々の暮らしの利便性を向上させるという効果をもたらす一 方で、さまざまな課題も他方で発生させる。新興国メガシティでは急成長と引き換えにさまざまな 都市機能を低下させる難問(例えば、環境汚染、渋滞問題、資源・エネルギー問題、インフラ整備 問題、文化・コミュニティの崩壊といった問題)が生じている。途上国メガシティやそれに準ずる クラスの都市においては、農村人口の都市への流入による弊害(例えば、人口過密化、スラム化、 治安悪化など)が顕在化している。東京や大阪がかつて経験した問題である。アジア各国の都市に おける問題は先鋭化し、さらなる成長の足かせになっているのである。 翻って我が国のメガシティを見ると、その競争力は相対的に低下している。高齢化やインフラの 老朽化、市場の縮小という構造的な問題が覆いかぶさり、東京も大阪も活気を失いつつある。そし て「東京一極集中」が問題視され地方都市への資源の分散が図られたにも関わらず、 「日本創生会議」 の推計では、平成 52 年に人口 1 万人を下回る自治体は 523 に上り、全自治体の約半数の 896 の自 治体が消滅の危機に瀕しているという。 都市の活気と心地よさを如何に実現するかという問題は、21 世紀の人間社会に突き付けられた重 要課題なのである。亜細亜大学は都市創造学部の設置を、こうした社会的な背景に関する問題意識 に基づいて申請するものである。特に、亜細亜大学の設置の理念に鑑みるとき、発展著しいアジア の都市の抱える課題を日本の経験にも照らして解決し、同時にアジアの都市の活気に見習い日本の メガシティや地方都市を再生する、アジア融合に新機軸をもたらすような、未来都市のビジョンを 打ち立てる人材の育成が、都市創造学部の設置の趣旨となるのである。 なお、都市創造学部では、アジアのメガシティ・準メガシティ、日本のメガシティ・準メガシテ ィを中心に考察するが、メガシティと相互依存関係にある地方都市の再生も考慮した教育研究を展 開する。メガシティはそれ単独では存在し得ず、その背後にある多くの地方都市とのネットワーク の中に形成される。したがって、メガシティに対する考察は、必然的にこれとネットワークを形成 する地方都市に対する考察も必要とするのである。考察に際しては、世界経済の中心であり、世界 のメガシティをリードしているニューヨーク(都市戦略研究所(2014)、 『世界の都市総合力ランキ ング 2014』において 2011 年まで第 1 位、2012 年から第 2 位)を擁する米国についても視野に入 れる。米国でのメガシティ・準メガシティの形成は、こうしたネットワーク形成の原型であり、ア ジアのメガシティ・準メガシティを考察するモデルとなるものである。 ③ 都市創造学部設置の学問上の必要性 活気と心地よさのある都市の実現という問題は、伝統的には、都市工学や建築工学といった土木 建築工学に属する理工系学部学科が取り扱ってきた問題である。これらの学部学科では、都市の問 題を工学的に捉えるとともに、人文社会科学的な観点からも考察してきた。しかしながら工学とい う学問分野の定義、すなわち「工学とは数学と自然科学を基礎とし、ときには人文社会科学の知見 を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする 学問である」 (工学における教育プログラムに関する検討委員会、1999 年) 『8 大学工学部を中心と した工学における教育プログラムに関する検討パンフレット』http://www.eng.hokudai.ac.jp /jeep/08-10/pdf/pamph01.pdf 資料(都市)2 に見られるように、人文社会科学的な知見を、 「ときに は」必要となる補助的な知識と位置づけている。したがって、都市工学や建築工学などにおいて都 市の問題は、主として数学と自然科学的な知識をもって構築される事物・環境によって解決するこ とに主眼が置かれる。一方で都市の活気や心地よさは、必ずしも公共の安全・健康・福祉には還元 されない複雑な社会状況や経済状況によっても構成されるものであり、社会科学的な考察により理 解される部分も大きいものと考える。都市の問題の考察には、都市という「人」が生活し富を形成 する場の実態を知り、活気や心地よさという状態を社会科学的な観点で理解することも有効である といえる。特に、都市が生み出す富の源である産業社会の側面と都市を構成する人間社会の側面で の実態把握に基づく、活気や心地よさの理解は、重要なことであると考える。都市創造学部では、 このような学問的背景から、都市という人間社会の縮図を、経営学及び都市社会学を中心に考察す る。なお、都市創造学部では、工学的な知見を生み出すことを目的とはしないが、既存の都市工学 や建築工学等で生み出された知見を概観できるように配慮し、経営学的・都市社会学的な都市の実 態の理解と結びつけ、都市の活気と心地よさをもたらす未来都市のビジョンを打ち立てるイノベー タ ー の 育 成 を も っ て 、 学 校 教 育 法 第 83 条 に 掲 げ ら れ る 大 学 の 目 的 を 達 成 す る も の で あ る 。 3. 学則変更(収容定員変更)に伴う教育課程等の変更内容 (1) 経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 ① 教育課程の変更内容 収容定員増に伴う教育課程の変更は予定していない。 ② 教育方法と履修指導方法の変更内容 収容定員増に伴う教育方法と履修指導方法の変更は予定していない。 ③ 教員組織の変更内容 収容定員増に伴い、現行の経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科の専門領域の専任教 員を 8 名から 3 名増員し合計 11 名体制とする。現行においては、本学科カリキュラムの根幹 である必修科目の「基礎演習」「応用演習」、及び「総合演習」は、専任教員 8 名と非常勤教 員 4 名により教員一人当たり約 10 名の少人数教育を行っている。収容定員増後は、専任教員 11 名と非常勤教員 5 名により現行と同等の教員一人当たり約 10 名の少人数教育を継続して 行うことができる。これにより、収容定員増後も質を維持した教育を変わりなく提供するこ とができる教員体制をとることが可能となる。 (2) 都市創造学部都市創造学科 ① ア 教育課程の編成の考え方及び特色 コース制 設置の趣旨及び必要性、特色を考慮して、都市創造学部は、1 学科としながらも、 「都市コンテン ツ履修コース」 「都市デザイン履修コース」の二つのコースを設定する。都市創造学部の教育研究目 的は、活気と心地よさをもたらす未来都市のビジョンを打ち立て、実践する人材の養成にある。 都市の活気は、都市の構成要素(都市コンテンツ=文化・エンターテインメント・地域コンテン ツ)を大切に守りつつも、グローバル化や技術革新の進展によって変化する社会・経済環境にあっ て、ダイナミックに構成要素を発展させるエネルギーを指す。そうした活気は都市の一つの魅力と なり得るものであり、施設や立地を超えて人々を惹きつける力(ソフトパワー)を生み出す。他方、 都市の心地よさ(アメニティ)は、生活者の視点における都市の住みやすさを指す。現代社会は、 高度化・複雑化しており、都市には解決されるべきさまざまな課題が集積している。住みやすい都 市を構築するうえでは、これらの課題が満足いく形で解決されるような構想(都市デザイン=都市 機能のあり方に関するステートメント)を明確にしておくことは重要であろう。 「都市コンテンツ履修コース」では、人々を惹きつけ「住んでみたい」と思わせるソフトパワー を生み出し、都市の競争力を高める都市コンテンツのプロデュース方法を学ぶ。具体的には、後に 説明する都市創造科目・都市コンテンツプロデュース科目群を主として学び、プロデュースのあり 方を中心に学修する。 「都市デザイン履修コース」では、生活者の視点から都市の課題に対する解決策(ソリューショ ン)を考え、 「住みやすい」都市を実現する都市デザインの方法論を学ぶ。具体的には、後に説明す る都市創造科目・都市デザインソリューション科目群を主として学び、ソリューション提案のあり 方を中心に学修する。 なお、学生のコース選択は、1 年次前期終了後とする。学生は入学時にはいずれのコースを選択 すべきか、必ずしも十分な情報を有してはいない。そこで、1 年次前期に履修する必修科目を受講 し、一定の知識を得た後で、コースの選択を行わせる。コース選択は、学生の希望を反映させるも のの、1 年次に配置されている各履修コース必修科目(「都市プロデュース論」「都市ソリューショ ン論」)選択科目(「都市コンテンツ概論」「都市計画論」)の履修状況(成績、単位修得)を考慮し て、コース別の人数に偏りが生じないよう調整する。 (ア) 都市コンテンツ履修コース 都市コンテンツ履修コースでは、都市の競争力を高める都市コンテンツのプロデュース方法を学 ぶ。都市コンテンツとしては、都市のさまざまな構成要素であり、劇場や美術館、公園といった施 設とそこでの展示内容や上演題目などの文化コンテンツ、都市で催される祭りやスポーツイベント、 都市を映し出す映像・メディア、都市の生活スタイルを含むアニメやゲームなどのエンターテイン メントコンテンツ、地域の特産品や地域固有の技術や産業集積といった地域コンテンツを考えてい る。これらの都市コンテンツを活用し、都市の競争力を高めるためには、各々のコンテンツの活用 にかかわる制約条件を充足しなければならない。例えば、公的に運用されている劇場や美術館、公 園などを活かそうとすれば、それらを管理する自治体との調整は不可欠となる。都市の条例や規制 の基本を理解している必要があるだろう。また、都市コンテンツを活用する場合には、そこから一 定の収益を得なければ、実際の運営は不可能となる。都市コンテンツ活用にかかわる企業に対して ビジネスモデルを提案する能力が必要となる。そして、都市コンテンツの活用がそこに住む人々や 訪れる人々に支持されなければならない。都市コンテンツを取り巻く社会環境を理解する必要があ る。これらを知識基盤とし、行政・企業・社会を取りまとめ、都市社会にコンテンツを発信し、都 市に活気を呼び込む都市コンテンツのプロデューサーを育成することが、都市コンテンツ履修コー スの教育研究目的となる。都市コンテンツのプロデューサーは、地域行政が設定する都市の条例・ 規制の基本的な考え方を理解し、都市の産業構造を前提にした政策によって促進される新たな事業 創造をもたらす企業のビジネスモデルについて検討するとともに、地域コミュニティ、情報、環境、 風土といった社会環境の制約条件を考慮することが求められる。そして、都市をプロデュースする アイデアを創造し行政・企業・社会をとりまとめる構想力、産学公連携により行政・企業・社会を 取り持つネットワーク力、メディアや広報手法を駆使し都市コンテンツを都市社会に認知させる情 報発信能力を有することが求められる。都市コンテンツ履修コースでは、これらの能力(構想力・ ネットワーク力・情報発信力)を涵養していく。 (イ) 都市デザイン履修コース 都市デザイン履修コースでは、都市の課題に対するソリューションを考え、都市のビジョンを具 現化する都市デザインの方法論を学ぶ。都市デザインとは、未来都市の理念を具現化する構想であ り、都市の景観・環境・交通・福祉政策など、都市の機能のあり方に関するステートメントである。 都市機能のあり方を示した都市デザインは、都市の顕在的・潜在的な課題を解決するソリューショ ンを要素として組みあげられる。課題とそれに対応したソリューションは、少なくとも次の三つの 観点から分析され評価される必要があるだろう。すなわち、都市の生活者の視点での公共性、異文 化共生を育む国際性、環境・資源・エネルギーの持続可能性である。例えば、都市の景観に関する ソリューションにおいては、そこに住む人々が心地よく生活できることを確保しなければならない のであり、都市の生活者の視点での公共性の確保は重要な分析・評価項目となる。また、グローバ ル化が進展する今日の社会においては異文化共生を育む国際性の観点でも妥当性を有する必要があ り、例えば、都市の動脈である交通機関において、各国語で内容を表示することがそうした観点で 高く評価される。そして、地球規模での環境・資源・エネルギー問題が現実の差し迫った課題とし て浮上している。例えば、都市の環境問題の一つとしてごみ処理を考える場合、処理自体にかかる コストのみならず、ごみ処理によって生ずる排ガス対策コスト、ごみ処理に必要なエネルギーコス ト、そして、周辺地域の住民に対する補償コストや都市全体のイメージに与えるダメージも考慮し た、持続可能性という観点から分析・評価される必要がある。ここで、都市の個々の課題に対応す るソリューションを提案する都市デザイナーは、ソリューションそのものを工学的に開発するもの ではない。生活者や環境(国際社会、地球環境)の要請を真摯に聞き、都市のソリューションの実 施を提案・計画するために潜在的・顕在的課題を見出す要求理解力、実際の街づくりや都市の建築・ 景観を考える過程で求められる都市の課題の真因を究明する問題分析力、課題を解決するソリュー ションを都市に関する技術的知見や財政的な知見に基づいて見出し、公共性・国際性・持続可能性 の観点で評価、実現する強力なリーダーシップに裏づけられた実行力が求められる。都市デザイン 履修コースでは、これらの能力(要求理解力・問題分析力・実行力)を涵養していく。 イ 学部共通教育 前述のとおり、都市創造学部においては、都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履修コース に分かれて、学生はその専門性を深めていく。都市創造学部がこれらのコースを学科としてではな く、コースとして設置する理由は、これら二つのコースが相互に補完し、各コースに学ぶ学生間の 相互作用こそが、都市創造学にとっては重要となるからに他ならず、また、いずれのコースで学び 卒業しても、同一の学位、学士(都市創造学)を授与する。 都市コンテンツ履修コースは都市の魅力を、都市の外部環境との関係を考慮しつつその内部に探 求していくミクロな視点を有している。都市デザイン履修コースは都市の課題を、都市内部の条件 を考慮しつつ都市全体をシステムとして捉えたマクロな視点を有している。ミクロとマクロの二つ の視点の相違と共通性に気付くときこそが、学生の成長したときであると考える。そのため、後述 のとおり、1 年次から 3 年次までの演習科目ではこれらのコース別にクラスを編成するのではなく、 むしろ各コースの履修学生が相互に知見をぶつけ合うように工夫されている。 1 年次前期においては、学生はコースの選択をしておらず、選択のための模索が各演習クラスで 展開されることとなる。履修者間でのコース選択に関する考えが相互作用し、二つの履修コースで の学びに関する学生間でのディスカッションが自発的に生ずる。担当教員は、これを促進し、学生 の履修コース選択を援助する。後期の演習科目においては、コースを選択した直後であるため学生 の専門性は高くないが、各々の履修コースを意識した考察が始まる。そこで、各演習クラスでは、 二つのコースの履修者がほぼ同数となるように配慮する。演習においては、各コースの学びの目標 を意識した考察を担当教員は指導し、双方の考察の視点の違いがわかるように配慮するとともに、 異なるコースに所属する学生間のディスカッションを促進する。 2 年次には一定の専門性を有するようになるが、前期に開設する演習科目は学部全員の集合形式 の演習を行う。したがって、各コースの立場で同一の演習を受講することになる。集合形式ではあ るが、学生間の相互作用が可能なようにグループ編成を行う。グループ編成は、1 年次後期の演習 クラスを前提とし、両コースの学生が均衡のとれたグループディスカッションが可能になる。また、 国内インターンシップについてもコース別には指導しない。後期には海外留学先で、海外インター ンシップを演習科目として履修するが、これもコース別の演習とはならない。 3 年次には、教員の専門別に、おおむね経営学系統、都市社会学系統の演習クラスに分かれて指 導を受けることになる。ただし、都市コンテンツ履修コースにおいても、また、都市デザイン履修 コースであっても、経営学及び都市社会学の観点で各々都市コンテンツ、都市ソリューションを考 察するため、コース別の演習とはならない。都市コンテンツ履修コースであれば、都市の課題の解 決に寄与するコンテンツ、例えば、文化施設を有効活用した事業活動といったテーマでは、事業推 進という意味において経営学的な知識を要する一方、地域社会のニーズを十分くみ取ることも必要 となる。その際、地域の福祉や家族構成、地域コミュニティの理解という都市社会学的な知識とと もに行政における福祉政策や条例にも配慮した都市デザインの発想が必要となる。都市デザイン履 修コースであれば、都市の魅力を高めるデザイン、例えば、商店街の振興策の検討といった街づく りに関するテーマでは、地域活性化を住民サイドから都市社会学の観点で考察するため都市社会学 の知識を必要とするとともに、地域商工業者サイドでも考察する必要がある。その際、市場戦略、 人材育成、ファイナンスなどの経営学的な知識と広報コミュニケーションなどの都市コンテンツの 発想が必要となる。こうした発想を獲得するためには、二つのコースの学生が触発し合いながら考 察をする場が必要となるだろう。 講義科目においても、コース別の専門科目(都市創造科目における都市コンテンツプロデュース 科目と都市デザインソリューション科目)と同時に、両コースに共通する知識基盤(専門基盤科目) についてはともに学び、お互いの学術領域をつなぐ共通言語を形成するように努める。 都市創造学部におけるコース制は、各コースに対応した授業科目を都市創造科目に配置するもの の、コースは一種の履修指針であると考えている。したがって、入学から一定期間の学習を経て、 履修するコースを明確化する。コース間の異動は可とするが、コース別に学生が獲得すべき能力を 定めていることから、コースの変更時には、定められた科目を追加的に履修することが必要となり、 一定の努力を要する。このことについては、コース選択前に事前に学生に周知するとともに、コー ス間の異動は 3 年次後期の演習科目履修前までとする。 ウ 実践性と実務家教員 都市創造学部が目指す人材の養成においては、都市を理解するための知識を吸収するばかりでは なく、吸収した知識を用いて都市を理解するための実践が必要となる。そのためのアクティブラー ニングが重要な要素となることは、すでに随所で述べている。こうしたアクティブラーニングの一 つとして、4 年次選択必修科目である「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」では、プロデューサー、デザイ ナーといった実務家を招聘し、直接手ほどきを受ける。また、知識伝授型の授業科目にあっても、 理論的な説明に終始するのではなく、実際の知識の応用がどのように為されているのかを理解させ るために、実務家教員を積極的に配置し、理論と実践が総合されるように配慮する。 エ アクティブラーニング(演習科目) 都市創造学部においては、専門深化型の教育に加えて、実践的な能力の涵養に対応し、次のよう な仕組みで演習科目を設置し、学生が自ら体験し学び取るアクティブラーニングを展開する。 1 年次は、前期必修の「オリエンテーション・ゼミナール」及び後期必修の「基礎ゼミナール」 を配置する。前期必修「オリエンテーション・ゼミナール」では、亜細亜大学経営学部が先駆的に 導入しているインタビュー実践を取り入れ、入学直後の学生が都市の魅力や課題について自治体や 商店主等にインタビューする。後期必修「基礎ゼミナール」では、前期に把握した魅力や課題に焦 点をあてた都市の観察を行い、翌年次以降の問題意識を醸成する。 2 年次は、前期必修の「都市準備研究」で後期の留学の準備を集合教育で行う。海外留学事前研 修、留学先都市事情理解、インターンシップに向けたビジネスマナーの研修、フィールドワークの 方法に関する研修を行う。研修は都市創造学部 2 年次生が一堂に会して行われるが、後に詳細を説 明する通り、学生アシスタント、本学国際交流センター職員、同キャリアセンター職員の協力も仰 ぎ実施する。また、学生については、1 年次後期の「基礎ゼミナール」のクラスを基本にグループ を編成して研修を行う。前期選択の「国内インターンシップ」と後期選択の「海外インターンシッ プ」では、企業等の組織に従事することについての、常識と意義を認識させる。 3 年次は、前期必修の「フィールドワーク(海外又は国内)」で、個々の学生の都市に対する問題 意識(都市の魅力、都市の課題)に基づき、実際に都市を調査する。後期必修の「ゼミナール」で は、3 年次前期の「フィールドワーク」で収集したデータを用いた分析を行う。 4 年次は、前期、後期に連続で開設される選択科目「卒業プロジェクトⅠ」 「卒業プロジェクトⅡ」 「卒業研究Ⅰ」 「卒業研究Ⅱ」 「社会調査実習Ⅰ」 「社会調査実習Ⅱ」で、3 年次までの演習を三つの スタイルでまとめ上げる。 「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」は、都市創造に向けた実際のプロデュース活 動・ソリューション提案活動を展開する。 「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」は、3 年次後期「ゼミナール」での研 究を深化させるため学生自身の考察を促す。 「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」は、特に、社会調査の実施と報 告についてスキルを実践する。 これらの演習科目の配置の特徴は、4 年次前後期の演習科目を除き、基本的に異なる担当者が指 導することにある。さまざまな分野の専門領域の担当教員と接することで、多様な知識源泉に接す るとともに、自らを都市に投影するための仕組み、すなわち 1 年次のインタビュー実践や都市の観 察、2 年次の海外・国内インターンシップ、3 年次のフィールドワーク、を演習科目に備えること で、都市の理解を深めるために学生が自らの学びにおけるイノベーションを創造(異なる専門領域 間の関係性を認識)するように配慮する。 4 年次の演習科目は、前後期を同一の教員が担当し、1 年間を通じての指導を行う。4 年次のみ同 一教員が担当する理由は、3 年次までの学習成果をまとめ上げるために要する指導時間にある。 「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」では、都市創造活動(都市コンテンツのプロデュース、都市デザイ ン実現のためのソリューション提案)を指導するが、これらの活動にかかわる組織や個人の幅は広 い。学生が主体的に実践する都市創造活動であるとはいえ、行政・企業・社会をとりまとめる行為 や現実都市社会の課題解決を目指すソリューションを提案することは、教育活動の一環であっても 都市社会に影響を与える。こうした影響についての調整に要する時間は、利害関係者の幅に比例し て長くなる。 「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」では、都市の魅力や課題についての考察を卒業論文としてまとめるために指 導を行う。卒業論文は、3 年次までに作成するレポートやプレゼンテーションとは異なり、学術成 果を公表する形式に則っている必要がある。また、研究方法についての深い検討が求められるため、 それに応じて指導時間も長くなる。 「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」では、都市の魅力や課題についての社会調査を実践するための指導を行 う。都市に関する調査は、3 年次必修科目である「フィールドワーク」及び「ゼミナール」におい てすでに経験している。しかし、3 年次の調査が学生個々人の問題意識に基づいた個人による調査 であるのに対して、4 年次の調査は、組織的に行われるものであって、本格的な社会調査の入門と いえる。そのため、参加者間の調整や実際の調査期間、調査報告書の作成に要する時間は格段に長 くなる。 これらの 3 種類の演習は、異なる三つの方法で、都市を考察する能力を高めることになるが、都 市の活気と心地よさを理解するという点において、演習の到達点は一致していると考える。 なお、学生に対しては、ガイダンスを通じて三つの 4 年次演習科目のアプローチの相違を理解さ せたうえで、選択させる。 演習科目に配置している授業科目の科目数・単位数は、13 科目 26 単位あり、そのうち 5 科目 10 単位(「オリエンテーション・ゼミナール」 「基礎ゼミナール」 「都市準備研究」 「フィールドワーク」 「ゼミナール」)は必修、「海外インターンシップ」と「国内インターンシップ」はこれらのうち 1 科目 2 単位以上選択必修、「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」 はこれらのうち 2 科目 4 単位選択必修(同一の演習を履修すること)とする。 オ 留学と語学教育 都市創造学部に在籍する学生に対しては、研究対象の都市に赴き都市に学ぶことを必須とする。 研究対象の海外都市は、アジアのメガシティ・準メガシティを中心にした 6 都市、中国(大連、上 海)、韓国(釜山)、インドネシア(ジャカルタ)、タイ(バンコク)、ベトナム(ハノイ)、及び米国 の都市とする。海外留学を必須とすることから、都市創造学部では、語学教育に一定の力点を置い ている。この語学教育(英語及び留学先公用語)の成果を活用し、学生は、留学先都市社会の住民 とのコミュニケーションを実践するとともに、海外インターンシップによって留学先産業社会を体 験的に理解する。 (ア) 海外留学 亜細亜大学は、設立の当初よりグローバル人材の育成に注力し、昭和 29 年には、香港から 96 名 の留学生を受け入れて以来、数多くの外国人留学生が学ぶグローバルなキャンパスとなっている。 昭和 33 年には、香港中文大学新亜書院と交換留学協定を締結し、日本人の海外留学の促進にも力 を入れている。昭和 63 年からは、翌年に「亜細亜大学アメリカプログラム(Asia University America Program= AUAP)」として正式発足する 5 ヵ月間のアメリカ留学プログラムのパイロットプログラ ムを開始し、これまでに 1 万 2 千人を超える学生が、AUAP によりアメリカに留学している。その 後も数多くの海外大学との交流協定・覚書を締結し、活発な国際交流活動を展開し、平成 16 年に は、5 ヵ月間の中国留学プログラム(Asia University China Program=AUCP)」を開始した。 都市創造学部では、これらの亜細亜大学における海外留学プログラムの運営ノウハウを活かし、 アジアを中心とした諸都市への約 5 ヵ月間の海外留学を必須の教育プログラムとして実施する。学 生を派遣する大学は、すでに学術文化交流協定・交換留学協定を締結している、中国(大連) ・大連 外国語大学、中国(上海) ・華東師範大学、韓国(釜山) ・東西大学校、インドネシア(ジャカルタ)・ インドネシア大学、タイ(バンコク)・バンコク大学、ベトナム(ハノイ)・ハノイ大学を当初は考 える。これらの大学を中心に学生は、英語の学習と現地語の学習に取り組むとともに、各都市の課 題や魅力を実体験として把握する。また、3 週間程度のインターンシップを現地で経験し、世界の 産業社会を肌で実感させるとともに、企業において働くことの基本を身に付けさせる。なお、学生 を派遣する大学については、順次拡大し、多様なアジアの発展を補足できるように対応する。また、 米国については、先述の AUAP に参加し、このプログラムのオプションとしてインターンシップを 経験する。 海外留学は全員を対象とする。留学費用(半年間の留学で、アジア各都市約 60 万円、米国 120 万円、留学先都市によって変動、なお、航空券代や宿舎費用等を含むが、授業料については亜細亜 大学に納入された授業料で賄うため含まれていない)を入学から 2 年次前期までの 3 セメスターに 分割して納入させるなどの工夫で負担感を軽減する。ただし、留学前に退学した場合には、所定の 手続きに則り返還する。 (イ) 外国語教育 都市創造学部の学生に対しては、全ての学生に英語を学習させる。また、留学予定都市における 公用語を英語以外の外国語として学習させる。英語については、留学時に一定程度語学以外の授業 科目が受講できる水準に到達することを目標に、1 年次及び 2 年次前期に学習させる。帰国後も、 学習を継続させ、卒業時には TOEIC®730 点以上を目指すように促す。英語以外の外国語である留 学予定都市公用語については、留学時の生活上の困難が生じない程度の水準を目標とする。帰国後 も一定の期間継続することを促し、卒業時には日常会話に対応できる程度を目指す。 英語が公用語である都市(米国)への留学に際しては、入学時に TOEIC®スコア 500 点以上、留 学前同 600 点以上を原則とし、英語に特化した一段上の語学学習を促し、卒業時には TOEIC®スコ ア 800 点以上を目指す。米国留学を目指す場合、英語以外の外国語は履修せず、英語のみを履修し、 所定の単位を修得する。 なお、外国語教育は全学共通科目として設定している以下に説明する諸科目を履修するが、英語 科目については都市創造学部の設置に伴う学生数の増加に応じてクラスを増設し、他学部の学生の 学修には影響を与えない。また、既存学部の履修状況から見て、英語以外の外国語科目についても、 履修者数が比較的多いと考えられる中国語においては、都市創造学部設置に伴うクラス増設により 他学部への影響を与えないよう配慮している。中国語以外の科目については、履修者数が少ないと 考えられるため、都市創造学部の学生が履修した場合でも与える影響は小さい。 (英語教育) 英語教育は、亜細亜大学の全学共通教育必修科目である、「英語Ⅰ・Ⅱ(各 2 単位)」において、 英語ネイティブ教員から会話を中心に学ぶ。加えて、全学共通科目「総合英語Ⅰ・Ⅱ(各 1 単位)」 を必修とする。また、亜細亜大学の全学共通教育においては、ネイティブスピーカーが講義を行う 「英語コミュニケーションⅠ~Ⅷ(各 1 単位)」、テレビを代表とするメディアにおける英語を学ぶ 「放送英語Ⅰ・Ⅱ」を配置している。都市創造学部では、学生の能力や志向に合わせてこれらの英 語科目の中から、6 単位以上を選択必修で学習する。海外留学期間中には、受け入れ先大学におけ る外国人向け英語教育を受講し、これについては主として「英語コミュニケーションⅤ~Ⅷ(各 1 単位)」で認定する。 (英語以外の外国語教育) 全学共通科目においては、中国語、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語といったアジ ア地域言語を教育(外国人留学生対象の日本語も開設)する「外国語初級Ⅰ~Ⅳ」 「外国語中級Ⅰ~ Ⅳ」 (各 1 単位)が開設されている。学生は留学予定都市における公用語についてこれらの科目を 1 年次前期から学習する。これらの中から 8 単位以上を選択必修で修得させる。海外留学期間中にも、 留学先公用語の学習は継続し 2 年次後期に履修する「外国語中級Ⅱ・Ⅳ」に振り替えるとともに、 語学学習の成果に応じて「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ(各 1 単位)」として認定する。なお、米国留学を 予定している学生にあっては、英語以外の外国語の選択必修 8 単位分を英語科目の学修によって修 得する。 ② 教育方法,履修指導方法及び卒業要件 都市創造学部に開設される授業科目には、講義科目と演習科目の二種類を計画している。講義科 目は知識の伝授を目的とするものであり、演習科目は伝授された知識を応用し一定の解を得ること を目的としている。ただし、知識伝授型の講義科目であっても学生が自ら知識を求める動機づけを 与え、また、知識応用型の演習科目においても指導者のもつノウハウや勘といった深い知識を体験 的に伝授するよう腐心する。 ア 授業の内容に応じた授業方法の設定 都市創造学部の新設に伴い、使用する教室数は増加するが、同一キャンパスに学校法人亜細亜学 園が設置している亜細亜大学短期大学部が平成 28 年 4 月に学生募集を停止すること(平成 27 年 3 月学生募集停止報告済み)から、教室利用率の影響は緩和される。また、現状の教室数の状況から、 講義用教室、演習用教室ともに、他学部の教育課程や時間割に影響を与えることはない。 (ア) 講義科目 講義科目の目的は、学生に都市創造学にかかわる学問的知識を伝授することにある。かつての大 学教育においては、こうした知識伝授は担当教員の解説を中心に実施されてきた。初学者を対象に した場合には、解説中心の授業運営も一定の効果をもつが、学年次が上がるにつれて、知識の一方 的な伝達に対して学生は動機づけを得られなくなる。そこで、都市創造学部の講義科目では、基本 科目においては比較的解説中心に運営し、発展科目においては学生の能動的な知識獲得を強調する。 都市創造学部の教員組織の一つの特色は、専任、兼任を問わず、実務に携わる教員を多く配置して いることである。実務家教員の強みは、各学問領域の知識が現実にどのように活かされているのか を経験的に熟知していることにある。こうした強みを発揮するように、基本科目においては、実務 において知識がどのように活用されているのかを軸に知識を解説し理解させる。発展科目において は、実務上の問題を学生に投げかけるように授業を運営し、学生が自ら考える学習パターンを構築 する。専門研究者が講義科目を担当する場合においても、可能な限り実証的な研究の裏づけに基づ く授業を計画し、基本科目においては、当該学科領域の知識の体系を解説するとともに実証的な研 究成果を紹介していく。発展科目においては、現実の研究課題を中心に解説し、学生の当該学科領 域への関心を高める工夫をする。なお、実務家教員、専門研究者のいずれが担当する場合にも、知 識伝授の効果を測定するための試験、発表、レポートについては厳格に実施・評価し、また、成績 評価基準をシラバスにおいて提示する。 (イ) 演習科目 演習科目の目的は、伝授された当該学科領域の知識を応用し一定の解を得ることにある。解を得 るための考察は学生が主体的に担うものであり、担当教員は考察過程について助言するものである。 したがって、学生が能動的に考察を開始しなければ、演習の目的は達成されないが、都市創造学部 では、1 年次前期より演習科目を実施するため、こうした準備が学生においては不足していること が当然予想される。そこで、1 年次の演習科目「オリエンテーション・ゼミナール」 「基礎ゼミナー ル」においては、担当教員が考察目的の設定、考察過程の手引きをし、2 年次演習科目「都市準備 研究」 「国内・海外インターンシップ」では、担当教員が考察目的の設定までを行う。3 年次演習科 目「フィールドワーク」 「ゼミナール」では、学生が主体的に考察目的の設定と考察過程の計画を行 い、担当教員はこれらに助言を与える立場で関与する。また、伝統的には論文やレポートの形で提 出された文書によって、演習科目は評価されてきたが、現代的には、プレゼンテーションによる直 接的な情報発信やインターネットによって間接的ではあるが広く情報発信することが求められる。 都市創造学部の演習科目では、こうした時代的な要請に鑑み、各演習科目で、プレゼンテーション やインターネットによる作品等の公開を実施する。 イ 授業方法に適した学生数の設定と配当年次 都市創造学部の入学定員は 145 名(別途 3 年次編入学定員 10 名)を計画している。したがって、 講義科目については、1・2 年次に配当される基本科目、3・4 年次に配当される発展科目、それぞ れ最大 300 人程度の受講者が考えられるが、実際には選択科目においては履修が分散するため、多 い場合でもおおむね 150 名から 200 名の履修者になるものと推測している。ただし、必修科目につ いては、再履修者も想定されることから、前期開講クラスと後期開講クラスの 2 クラスを設定し、 履修者数がおおむね 200 名以下となるようにする。演習科目については 1 年次より配当するが、以 下のとおり専任教員を配置し、おおむね 1 クラス 10 名前後となるようにする。ただし、 「都市準備 研究」については、集合形式の演習としているため担当者は 1 名となる。「都市準備研究」では、 続く 2 年次後期の海外留学の準備のための問題意識形成が主たる演習目的となる。そのため、留学 先各都市の魅力や課題に関する情報収集とインターンシップのための社会スキルの獲得を行いつつ、 最終的には各自の留学目標を設定させる。特に、インターンシップのための社会スキル獲得につい ては、上級年次生(初年度入学者に対しては他学部学生)をアシスタントとして配置し、指導体制 を充実するとともに、適切なゲストスピーカーを招聘して有効な情報を獲得する。こうした形式で 展開されることから、「都市準備研究」の担当者は 1 名としている。 ウ 卒業要件と考え方 都市創造学部の卒業要件単位数は、大学設置基準第 32 条が定めるところにより、124 単位以上 とする。ただし、専門教育科目及び全学共通科目について、以下のとおり定め、これらの要件を充 足することとする。なお、外国語科目以外の全学共通科目については 6 領域を設定し、これらの 6 領域から幅広く履修するよう指導することで、学士としての幅広い教養を獲得させる。このことに より、特定領域への履修が集中することもなくなり、他学部学生の全学共通科目の履修には影響を 与えないように配慮している。また、全学共通科目において外国語科目以外で必修科目としている 「アジアを知る 12 章」については、2 クラスを開設する予定でおり、都市創造学部の学生を十分収 容できると考える。 科目区分別卒業要件単位数 科目区分 卒業要件単位数 72 単位以上 専 門 教 育 科 目 専門教育科目又は全学共通科目 (オリエンテーション・ゼミナール含む) から 16 単位以上 36 単位以上 全 学 共 通 科 目 (オリエンテーション・ゼミナール除く) 124 単位以上 合計 また、養成する人材像に関係づけられる能力に対応して、以下のとおり科目を設定し、対応する 科目数を履修することについて指導する。構想力・ネットワーク力・情報発信力については都市コ ンテンツ履修コースを履修する学生、要求理解力・問題分析力・実行力については都市デザイン履 修コースを履修する学生、ビジネス推進能力、社会調査能力、データ分析能力については全学生が 履修すべきものとして指導する。 区分 能力 コース共 通 ビジネス推進能力 社 会 調 査 能 力 データ分析能力 都 市コ ン テ ン ツ 履 修コ ー ス 構 想 力 対応科目 産業社会と企業経営(必修)、産業政策と産業構造、経営情報論、マーケティング、 グローバル市場戦略論、会計学、簿記論から必修科目を含む 3 科目以上履修する ことを指導 社会調査概論(必修)、社会調査法、フィールドワークとデータ分析、社会調査の 統計学、量的データ解析、質的データ解析から必修科目を含む 3 科目以上履修す ることを指導 ビッグデータ活用概論(必修)、ビッグデータ活用法、ビッグデータ活用の実際、 データマイニングの基礎、ビッグデータの収集技術、ビッグデータ活用演習、デ ータマイニング演習から必修科目を含む 3 科目以上履修することを指導 都市プロデュース論(必修)、都市コンテンツ概論、アイデア創造技法から必修科 目を含む 2 科目以上履修することを指導 都市デザイン 履 修コ ー ス ネットワーク力 産学公連携プロデュース論、地域コンテンツプロデュース論、コンテンツ産業論 から 2 科目以上履修することを指導 情 報 発 信 力 メディア論、プレゼンテーション論、広報コミュニケーション論から 2 科目以上 履修することを指導 要 求 理 解 力 都市ソリューション論(必修)、都市計画論、グローバル都市の政策、都市の福祉 政策から必修科目を含む 2 科目以上履修することを指導 問 題 分 析 力 街づくり論、都市・建築デザイン論、都市景観論、リスクマネジメントから 2 科 目以上履修することを指導 実 リーダーシップ論、都市と技術、PPP/PFI と都市開発、スマートシティ開発の実 務から 2 科目以上履修することを指導 行 力 この結果、科目区分別の卒業要件単位数は、以下のとおりとなる。なお、都市コンテンツ履修コ ース履修者は都市コンテンツプロデュース科目群について必修科目 2 単位含む 16 単位以上を、都 市デザイン履修コースの履修者は都市デザインソリューション科目群について必修科目 2 単位含む 16 単位以上をそれぞれ修得するものとする。 専 科 専 基 科 門 門 盤 目 教 科 目 都 市 創 造 科 目 育 専 目 群 卒業要件単位数 演 習 科 目 ( オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ ゼ ミ ナ ー ル 含 む ) 都市社会学科目群 産 業 社 会 科 目 群 ICTスキル科目群 都 市 コ ン テ ン ツ プロデュース科目群 都 市 デ ザ イ ン ソリューション科目群 門 教 育 10 単位以上(うち 6 単位必修) 6 単位以上(うち 2 単位必修) 4 単位以上(うち 2 単位必修) 都市コンテンツ 1 6 単 位 以 上 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修) 都 市 デ ザ イ ン 2 単 位 以 上 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修) 都市コンテンツ 2 単 位 以 上 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修) 都 市 デ ザ イ ン 1 6 単 位 以 上 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修) 科 目 小 計 全 学 共 通 科 目 ( オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ ゼ ミ ナ ー ル 除 く ) 中 資 格 関 連 科 目 計 群 ( 合 エ 自 16 単位以上 (うち 10 単位必修) 28 単位以上 (うち 10 単位必修) 28 単位以上 (うち 4 単位必修) 72 単位以上 36 単位以上 (うち 8 単位必修) 108 単位以上 由 科 目 ) 計 16 単位 を専門 教育科 目又は 全学共 通科目 から選 択 16 単位 0 単位 (卒業要件単位数に算入せず) 124 単位以上 養成する人材像と履修モデル 都市創造学部は、経営学及び都市社会学の観点で都市を考察し、活気と心地よさをもたらす未来 都市のビジョンを打ち立て、実践する人材、すなわち都市創造人材を、二つのコースに合わせて以 下のとおりに養成する。 都市コンテンツ履修コースでは、都市創造人材を、都市の競争力を高めるソフトパワーの構成要 素であるコンテンツ(都市の文化コンテンツ(博物館、美術館、動物園等の文化施設とその展示内 容等)やエンターテインメントコンテンツ(イベントや映像・メディア、アニメやゲーム等)、地域 コンテンツ(地域特産品、地域固有技術、地域産業集積等)等)を活用して、行政(条例・規制)・ 企業(ビジネスモデル) ・社会(社会環境)をまとめて、都市の魅力を創りだす(プロデュースする) 人材として養成する。 都市デザイン履修コースでは、都市創造人材を、未来都市のデザインを実現するうえでの顕在的・ 潜在的課題(都市の景観や建造物、自治体の制度や計画、都市開発)を生活者の視点でくみ取り、 その実現のためのソリューションを、公共性(生活者の視点)・国際性(異文化共生)・持続可能性 (環境・資源・エネルギー)の観点で提案する人材として養成する。 (ア) 都市コンテンツ履修コース 都市コンテンツ履修コースでの学びでは、都市創造学部で共通して養成するビジネス推進力・社 会調査力・データ分析力に加えて、構想力・ネットワーク力・情報発信力の養成が目標となる。こ れらの能力を用いて、都市コンテンツを活用するプロデューサーを育成するが、都市コンテンツ履 修コースで学んだ学生の卒業後の将来像として、都市のコンテンツを活用して都市の魅力を創り出 す都市コンテンツプロデューサー(都市に新たな産業を創造する活動に従事する者、例えば、自治 体の産業振興部門、地域金融機関等の融資部門、ベンチャーキャピタリスト等)、プロデューサーに 求められる能力を一般企業等で展開する一般企業企画担当者(新製品・サービス企画、新事業企画 等)、社会変革を自ら生み出す社会起業家(都市の魅力を維持・強化する活動を自ら事業化する者) として活躍することが期待される。各人材像別の学年進行に沿った履修モデルを別に提示する。 資料(都市)3~5 以下に、履修モデルの考え方を提示する。 i) 都市コンテンツプロデューサー(地域コンテンツ型) 都市コンテンツプロデューサーは、都市の魅力となり得るコンテンツを見出し、強化し、社会に 発信していく人材であり、都市に新たな産業を創造する活動に従事する。自治体の産業振興部門、 地域金融機関等の融資部門、ベンチャーキャピタリスト等が考えられる。都市の魅力となるコンテ ンツ(都市コンテンツ)には、文化コンテンツ(劇場や美術館、公園といった施設とそこでの展示 内容や上演題目など)、エンターテインメントコンテンツ(都市で催される祭りやスポーツイベント、 都市を映し出す映像・メディア、都市の生活スタイルを含むアニメやゲームなど)、地域コンテンツ (地域の特産品や地域固有の技術や産業集積)といったものが考えられる。例えば、地域の特産品 や地域固有の技術、産業集積である地域コンテンツを都市の魅力となるコンテンツとして捉え、そ の優位性を強化し、世界に発信していく人材である。各地域には、そこに住む人々には周知である が、地域外の人々には認識されていない、優れた特産品や特異な産業クラスターが形成されている ことがある。これらの特産品やクラスターは、それが見出され、意図的に強化され、広く情報発信 されなければ埋もれてしまうものが多い。こうした地域コンテンツのプロデューサーは、地域コン テンツを都市の魅力として活かす活動(特産品を事業化する企業を誘致し、そのための規制の緩和 を行政に働きかける活動、産業クラスターの優位性を行政を通じて発信しこれを活用する企業と結 びつける活動等)を推進する者であり、自治体の立場(産業振興部門)から特産品や産業クラスタ ーを地域外に紹介する役割、金融機関の立場(融資部門)から特産品生産業者の支援や産業クラス ター進出企業への資金を供給する役割、ベンチャーキャピタリストの立場でこうした企業等に投資 を行う役割を担う。 そのために履修すべき科目は、都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履修コースそれぞれで の能力開発に必要な科目も含めて、以下の科目を修得しておく必要があると考えられる。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目と社会調査力にかかわる科目の他、都市 の魅力を理解するための科目と地域と行政とのかかわりを理解する科目を選択する。産業社会科目 群では、必修科目とビジネス推進力にかかわる科目の他、都市コンテンツを事業として成立させる ための知識を核とする科目を選択する。ICT スキル科目群では、必修科目とデータ分析力にかかわ る科目を中心に応用的な範囲まで選択する。 都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザインソリ ューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目とプロデュ ーサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目の他、さまざまな都市のコ ンテンツに触れる科目を選択する。都市デザインソリューション科目群では、必修科目に加えて、 都市コンテンツプロデュース活動を牽引するリーダーシップとリスクの取り扱いに関する科目を選 択している。全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、コンテンツプロデュースに 関する考察を触発すると思われる科目を、幅広く選択するが、ここではややソフトなコンテンツを 想定して「表現と芸術」領域を重視した科目を選択する。資料(都市)3 ii) 一般企業企画担当者 一般企業企画担当者は、企業の内部にあって、製品・サービスや事業の開発に関与し、その初期 段階でのコンセプト創造、及び実行計画の策定を推進する人材である。都市創造学部で学ぶ、ビジ ネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力は、コンセプト創造において重要な役割を果たすで あろう。また、都市コンテンツ履修コースで学ぶ、構想力・ネットワーク力・情報発信力は、製品・ サービスや事業の開発の源泉となる。つまり、都市コンテンツ履修コースでの学びは、都市コンテ ンツに限らず、例えば、一般企業の製品・サービスや事業の開発に焦点をあてた場合にも有効であ ると考えられる。製品・サービスや事業開発においては、社会でのニーズを把握し、これに対する 顧客の反応を理解するための知識が求められる。同時に製品・サービスの販売や事業としての収益 性といった問題にも対処しなければならない。これらを勘案して履修モデルを検討する。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目に加え、社会調査力にかかわる科目はニ ーズ把握との関係で力点を置く。また、社会的なニーズの背景や顧客の行動を理解する科目も選択 する。産業社会科目群では、必修科目に加え、ビジネス推進力にかかわる科目を、事業収益の理解 も含めて履修する。ICT スキル科目群では、必修科目とデータ分析力にかかわる科目を選択するが、 近年、事業活動へのビッグデータの活用が注目されていることを考慮し、やや力点を置く。 都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザインソリ ューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目とプロデュ ーサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目の他、イノベーションの理 解を促進する科目を選択する。製品・サービスや事業の開発にはイノベーションが必須となること を認識するためである。都市デザインソリューション科目群では、必修科目に加えて、都市コンテ ンツを見出す領域の一例として、資源・エネルギー・環境分野を想定しているが、これは学生の志 向によって変わってくる。また、プロデュース活動のリスクを認識するための科目も選択している。 全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、社会動向を大きく捉えることに関係する と思われる科目を、幅広く選択する。資料(都市)4 iii) 社会起業家 社会起業家は、都市の文化コンテンツや地域の特産品等のコンテンツを、自ら活用し事業化する 人材である。都市創造学部で学ぶ、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力は、事業化 する際の基本的な情報を得ることに役立ち、また、事業化後の運営を支えるであろう。また、都市 コンテンツ履修コースで学ぶ、構想力・ネットワーク力・情報発信力は、事業化のアイデアを生み 出し、実現に向けた資源の確保と事業の広報に寄与する。したがって、都市コンテンツ履修コース での学びは、起業家育成にも適したカリキュラムであるといえる。都市にあるさまざまなコンテン ツの事業化においては、コンテンツのもつ魅力を理解し、これを社会のニーズに結びつけ、今まで にない事業を構想することが基本となる。そのためには、イノベーションの原理を理解することも 必要となる。また、事業としての永続性が求められることから、一定の財務管理知識を有すること が必要となる。これらを勘案して履修モデルを検討する。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目に加え、起業家としてのグローバルな視 野を養う科目を履修する。グローバルな視野で日本及びアジアの市場を捉えることのできるスケー ルの大きな人材を目指す。産業社会科目群では、必修科目に加え、ビジネス推進力にかかわる科目 を、財務管理に一定の力点を置いて履修する。ICT スキル科目群では、必修科目の他に事業活動の 効率化という観点を養う。 都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザインソリ ューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目とプロデュ ーサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目の他、都市のさまざまなコ ンテンツに関する知識を涵養する。また、イノベーションの原理を理解するための科目を履修する。 都市デザインソリューション科目群では、必修科目に加えて、事業活動を牽引するリーダーシップ や事業活動のリスクを認識するための科目も選択する。全学共通科目(語学科目を除く)では、必 修科目に加え、起業家としての豊かな人間性や倫理の涵養に重きを置きながら、幅広く選択する。 資料(都市)5 (イ) 都市デザイン履修コース 都市デザイン履修コースでの学びでは、都市創造学部で共通して養成するビジネス推進力・社会 調査力・データ分析力に加えて、要求理解力・問題分析力・実行力の養成が目標となる。これらの 能力を用いてソリューションを提案する人材を育成するが、都市デザイン履修コースで学んだ学生 の卒業後の将来像として、都市計画や都市の景観を対象とした都市のデザイナー(自治体や開発業 者において都市計画や都市の景観を考える者)、デザイナーの能力を一般企業で展開する事業推進マ ネージャー(一般企業等において新事業を推進する者)、都市の課題を解決する NPO・NGO のマ ネージャー(民間人として都市の課題の克服に取り組む者)として活躍することが期待される。各 人材像別の履修モデルを別紙に提示する。以下に、履修モデルの考え方を提示する。 資料(都市)6~8 i) 都市デザイナー 都市デザイン履修コースで育成する都市デザイナーは、工学的なアプローチではなく、経営学と 都市社会学的なアプローチで都市を見つめ、そこに住む人々の思いや願いをくみ取り、活気あふれ る心地よい都市を作る基本的な考え方を提示し、実践する人材である。都市創造学部で学ぶ、社会 調査能力とデータ分析能力を駆使して住民の心を読み、都市デザイン履修コースで学ぶ、要求理解 力、問題分析力を用いて、住民の望みに画期的なソリューションを探索する。提案したソリューシ ョンを実践するうえでは実行力が必要となり、経済的に持続していくためにはビジネス推進力が求 められる。そのために、以下の科目を修得する必要があると考える。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査力にかかわる科目の他、 都市に存在する課題を深く掘り下げるための科目(ここでは家族や高齢化に焦点をあてた例を示す) や住民の心を探る科目を選択する。産業社会科目群では、必修科目とビジネス推進力にかかわる科 目を中心に選択する。ICT スキル科目群では、ソリューションを見出す方針を定めるうえで重要な 都市の活動に関するビッグデータの活用について学ぶ。 都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、関係する都市コンテンツプロ デュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、必修科目と要求 理解力、問題分析力、実行力にかかわる科目の他、都市のさまざまなソリューションのレパートリ ーに触れる。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目に加えて都市デザインの社会的な 影響を理解する科目を選択する。 全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、都市デザイナーとして備えておきたい 表現力や必要となる倫理性に重きを置きつつ、幅広く選択する。資料(都市)6 ii) 事業推進マネージャー 都市デザイン履修コースの学びで涵養する能力である、要求理解力・問題分析力・実行力は、都 市に限らず幅広い応用を考えることができる。要求理解力の基本は、対話相手の声をよく聞くこと にあり、一般企業等においては、顧客の声に耳を傾けることに相当する。問題分析力は、現実の課 題を深く洞察することに基礎を置くものであり、事業展開上の障害を克服することに通ずる。実行 力は、共有された目的を設定し組織構成員の総力を目的達成に仕向ける能力であるため、一般企業 等においても重要な能力とみなされる。都市デザイン履修コースでは、未来都市のデザインの実現 に立ちはだかる課題に対応したソリューションを提案する人材の養成のための教育を行う。そこで 学び体験するソリューション提案は、さまざまな課題の解決においても応用可能なノウハウとして 学生に蓄積される。一般企業においては、特に、新事業を推進する場合に、これまでにない課題に 直面するが、学生に蓄積されたノウハウは、こうしたビジネス上の課題にも適用可能であると考え る。都市創造学部で養う、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力と都市デザイン履修 コースの学びを連結することで、新規事業推進を担う管理者としての素養を身に付けることが可能 となる。そのために、以下の科目を修得する必要があると考える。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査力にかかわる科目の他、 社会のトレンドを鋭く見抜くための科目を選択し、社会的な課題に対する感覚を磨く。産業社会科 目群では、必修科目とビジネス推進力にかかわる科目を中心に履修し、事業推進者の基礎を築く。 ICT スキル科目群では、さまざまな情報を収集し処理する能力の獲得に腐心する。 都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、関係する都市コンテンツプロ デュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、必修科目と要求 理解力・問題分析力・実行力にかかわる科目の他、都市のさまざまなソリューションのレパートリ ーに触れる。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目に加えて社会的なイノベーション の論理を理解する。 全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、事業推進者が身に付けるべき教養を修 得するため、幅広く選択する。資料(都市)7 iii) NPO・NGO マネージャー NPO・NGO が取り組む社会的な課題の解決に参画し、これを牽引する人材には、現実の社会を 真正面から見つめ、課題解決のためのソリューションを探索し、実践的にソリューションを適用す ることが求められる。都市創造学部で学ぶ社会調査能力やデータ分析能力は、社会の課題を捉える うえで有効な能力といえる。また、ソリューションの実践においては、ビジネス推進能力が寄与す る。さらに、都市デザイン履修コースで学ぶ要求理解力は、社会調査能力やデータ分析能力で捉え るべき課題の領域を把握する基礎となり、問題分析力はソリューションを探索する領域を指し示す 能力でもある。また、実行力は、ビジネス推進能力と複合し、強力に組織を動かす能力となる。NPO・ NGO に参画する人材においては、さらに、倫理観の涵養も不可欠となる。そのために、以下の科 目を修得する必要があると考える。 まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査能力にかかわる科目の 他、都市を中心とした課題の理解を図る科目を選択する。産業社会科目群では、必修科目とビジネ ス推進能力にかかわる科目を中心に選択する。ICT スキル科目群では、必修科目とデータ分析能力 にかかわる科目を中心に学ぶ。 都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、必要な都市コンテンツプロデ ュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、必修科目と要求理 解力・問題分析力・実行力にかかわる科目の他、都市の課題に対応するソリューションを理解する。 都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目と NPO・NGO の広報について学ぶ。 全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、NPO・NGO マネージャーが身に付け るべき教養を修得するため、幅広く選択する。資料(都市)8 (ウ) 多様なメディアを利用した授業の取扱い 都市創造学部では、学生が海外都市に留学している期間について、情報通信技術を活用し指導を 行う。具体的には、 「海外インターンシップ」 「フィールドワーク(留学継続者)」の履修者に対する 指導を、Skype 等での複数人コミュニケーションを利用して実施する。海外留学中の学生が履修す る「海外インターンシップ」「フィールドワーク(留学継続者)」の指導は基本的に対面によるもの である。各都市に配置されている担当教員が現地に赴き、学生に直接指導をするが、日常的な指導 において Skype 等での複数人コミュニケーションを補助的に活用する。活用方法としては、「海外 インターンシップ」において 1 週間に 1 度提出を求める「業務日誌」の記載方法指導及び学生がイ ンターンとして勤務していくうえでの課題の把握を考えている。また、学生が 3 年次前期に留学を 継続する場合には、 「フィールドワーク」を現地で履修することとなる。調査実施に際しての日常的 な課題の把握と対処については、国内に居る担当教員と Skype 等での複数人コミュニケーションを 利用してコミュニケーションを図りながら実践していく。なお、文部科学省告示(平成 19 年第 114 号)にあるように、 「当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやかにインタ ーネットその他の適切な方法を利用することにより、設問解答、添削指導、質疑応答等による十分 な指導を併せ行うものであって、かつ、当該授業に関する学生等の意見の交換の機会が確保」され るように実施する。具体的には Facebook や微信を活用し、履修者間の意見交換を行う。 なお、亜細亜大学では、教室のほとんどにプロジェクターとパソコンを配備し、実物投影機や DVD プレーヤー等の AV 機器を備えた AV 教室も数多く設置している。また、貸し出し用のプロジ ェクターとパソコンも一定数用意しているため、多様なメディアを活用した創意工夫のある授業運 営を可能にしている。都市創造学部の開設する科目についても、これらの機器を利用し、学生の学 びにとって効果的な授業を展開することが可能な環境を整えている。 (エ) 履修科目の年間登録上限の考え方 大学設置基準第 21 条 2 及び同(1)によると、授業科目の単位数は 45 時間の学修をもって 1 単 位とすることが定められている。亜細亜大学においては、1 学期の授業を 15 週にわたって実施して いることから、1 単位の学修は週 3 時間の学修に相当する。1 日あたり 12 時間(週 6 日で 72 時間) を学修に充てる場合、1 学期で 24 単位が修得可能となる。したがって、1 年間での最大修得単位数 は 48 単位となる。そこで都市創造学部では 1 年間の履修科目の年間登録上限単位数を 48 単位とし、 学期毎の登録上限単位数は 24 単位を目途とする。ただし、授業科目の開講時期との関係で、1 学期 に登録する単位数が 24 単位を上回ることもあるため、年間 48 単位を上限として前期、後期、それ ぞれ最大 28 単位(週 6 日 1 日 14 時間学修)まで登録可能とする。 長期休暇期間中に開講される集中講義(授業内容に応じて 5 時限 3 日間、4 時限 4 日間、3 時限 5 日間で実施)については実習要素を多分に含む科目を配置し、単位修得に必要な学習時間数は通 常の授業科目と同様 1 単位当たり 45 時間とする。集中講義については、授業時間以外の予復習等 に必要な時間数を確保できるように日程を調整し、予復習等を促すための課題を課す。集中講義の 履修単位数は、前期後期の登録上限単位数に含めて計算する。 なお、3 年次編入学生においては、前期、後期最大 28 単位まで、年間最大 50 単位まで登録でき ることとする。 年間登録上限単位数 前期登録上限単位数 後期登録上限単位数 生 48 単位 28 単位 28 単位 3 年次編入学生 50 単位 28 単位 28 単位 一 般 学 (オ) 他大学における授業科目の履修等の考え方 亜細亜大学学則第 24 条及び同条 2 において、他大学又は短期大学の授業科目を履修し、修得し た単位については、40 単位を限度に卒業要件単位として認めることとしている。都市創造学部にお いても、学則に定めるとおり、40 単位を限度に卒業要件単位として認める。 ③ 教員組織の変更内容 都市創造学部都市創造学科の入学定員は 145 名(別途 3 年次編入学定員 10 名)、収容定員 600 名を計画している。学位の種類は経済学関係(経営学を含む)及び社会学・社会福祉学関係(都市 社会学を含む)に属するものであり、大学設置基準別表第一によれば、収容定員 600 名に対して必 要となる専任教員数は 14 名以上と定められている。また、大学全体の収容定員についても 600 名 増加するため、これにかかわる専任教員数は、同基準別表第二によれば、5 名(600×3 名÷400 名 =4.5 名、四捨五入)増員となるが、亜細亜大学においてはすでにこれを充足する人数の教員を擁 している。 亜細亜大学においては、別表第一により定められる専任教員を専門教育を主として担当する教員 として配置し、別表第二により定められる専任教員を全学共通教育を主として担当する教員として 配置している。前述のとおり、収容定員増加に対応した別表第二の定める人数の教員を、亜細亜大 学ではすでに擁していることから、都市創造学部の専任教員組織は専門教育を主として担当する別 表第一の定める教員によって構成される。したがって、ここでは、別表第一に基づき配置される主 として専門教育を担当する専任教員の組織編成について説明する。 ア 設置の趣旨、特色、教育課程を踏まえた教員配置の考え方 都市創造学部の設置の趣旨及び必要性、特色を再度提示すれば以下のとおりとなる。 【趣旨】 社会学(都市社会学)の観点での都市の考察 経営学の観点での都市の考察 アクティブラーニング 【必要性】 アジア諸都市の考察 メガシティの考察 地方都市再生 イノベーター教育 【特色】 コース制 学部共通教育 実践性と実務家教員 アクティブラーニング 留学と語学教育 これらの事項を踏まえた場合、専任教員組織には以下の事柄が要請される。 社会学、特に、都市社会学を専門とする教員の配置 社会科学、特に、経営学を専門とする教員の配置(経済学、法学、国際関係論等については、 全学共通科目として開設しているため) アジアの諸都市について洞察を行っている教員の配置 メガシティ及び地方都市について洞察を行っている教員の配置 イノベーションの視点をもつ教員の配置 都市コンテンツ・都市デザインに関する実務家教員の配置 外国人教員の配置(留学や語学教育に資する目的) 同時に各教員に対しては、アクティブラーニング及び高大連携の実践に参画することが求められ る。 イ 研究対象学問分野に関する教員配置の計画 都市創造学部が極めようとする学問分野は、人々の活気や心地よさを都市という人間社会の実態 の中で知るとともに、こうした活気や心地よさのプロデュースや、実現に向けた課題に対するソリ ューションの提案を目指す新たな学科領域である。都市創造学部では、こうした学部の目指す学問 分野の目的を実現するため、都市社会学、経営学、建築学といった個別の学問分野の知見を踏まえ た総合的な能力を有する人材を教員として配置し、都市のビジョンの創造を目指す。特に、実際の 都市コンテンツのプロデュース活動や都市デザインのソリューション活動を通じて培われた実践的 な能力を豊富に有する実務家教員を中核的な人材として配置し、理論と実践を架橋する専任教員組 織を編成するものである。 ウ 教育課程における中核的な科目、必修科目に関する教員配置の計画 教育課程の中核をなす授業科目は、いうまでもなく必修科目となる。必修科目については、原則、 専任教員を配置する。都市創造学部における必修科目は、次のとおりである(全学共通科目を除く)。 講義科目 都市社会学Ⅰ・Ⅱ、社会調査概論、産業社会と企業経営、ビッグデータ活用概論、 都市プロデュース論、都市ソリューション論 演習科目 オリエンテーション・ゼミナール、基礎ゼミナール、都市準備研究、フィールド ワーク、ゼミナール これらの必修科目には、専任教員を配置する。ただし、演習科目のうち、 「都市準備研究」は専任 教員が担当しながら、都市の実態や留学の手引きなどについてゲストスピーカーを招聘した授業を 展開する。ゲストスピーカーは、留学に関する知識をもつ本学国際交流センター職員やインターン シップ事前研修でのビジネスマナー等の知識を有する本学キャリアセンター職員、都市の課題や魅 力に関して話題を提供する都市研究者に依頼する。 「ゼミナール」については、学生のフィールドワ ーク対象となった都市(国内・海外)の専門家をゲストアドバイザーとして招聘する。ゲストアド バイザーは、都市の新しい状況を熟知する人材に、学生の研究の進行上の要所において、都市の課 題や魅力という観点から助言を与える役割を担う。専任教員の専門性での研究指導とゲストアドバ イザーの都市での経験知識によって、学生のフィールドワークデータの活用を有効化しようとする ものである。都市の専門家は、株式会社日経 BP との連携、インターンシップ協賛企業の連携によ り派遣を受ける。なお、選択必修科目の演習科目(「卒業プロジェクトⅠ」「卒業プロジェクトⅡ」 「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」「社会調査実習Ⅰ」「社会調査実習Ⅱ」)についても、原則、専任教員 を配置する。 エ 教員の担当科目数の考え方 亜細亜大学においては、特任教員、助教、客員教員等を除く専任教員については、週 12 時間(2 時間×6 科目)を基本としている。現実にはさまざまな理由からこれを上回る、あるいは下回るこ ともあるが、特殊な要因(大学院担当等)による例外を除けば、最低週 6 時間から最高週 20 時間 の範囲に分布している。 オ 実務家教員の配置と効果 都市創造学部の一つの特色は実践性と実務家教員にある。実践性を特色とする理由は、都市の魅 力や課題という都市創造学部の考察対象が流動的であることに由来する。都市創造学部は経営学及 び都市社会学を中心となる学問分野として理論的な基盤を与える。これらを応用して都市の魅力や 課題を考察するが、考察対象が流動的であるため、理論構築の努力に注力すると同時に、実践の中 から考察対象を理解することも有効であると考える。また、流動的な都市の魅力や課題の「今」を 認識させる。都市創造学部では、第一線に居る実務家専任教員を多数配置し、都市の魅力の現実の プロデュースや都市の課題の実際的なソリューション提案活動について、直接手ほどきを受ける。 また、兼任講師においても、大学教員に求められる資格を考慮したうえで実務家教員を多数招聘し、 各科目において、現実の都市の魅力や課題を認識させる。 カ 研究機能を確保する教員配置の計画 都市創造学部が教育研究対象とする中心的学問分野は、都市という富を生み出し人々が生活する 場の実態を捉えるための経営学及び都市社会学である。方法的には、ICT を駆使して収集されるビ ッグデータを対象に統計学的な知識に基づき分析していくため、統計学、ICT スキル、ビッグデー タアナリシスの各学問領域も関連してくる。したがって、都市創造学部における研究機能を確保す るためには、経営学、社会学、統計学、ICT スキル、ビッグデータアナリシスを専門とする教員を 配置する必要がある。ただし、統計学、ICT スキル、ビッグデータアナリシスについては、経営学、 社会学の研究を遂行するための手法であり、これら自体を研究対象とする側面は強くない。そこで、 都市創造学部においては、統計的な実証分析、ICT を活用した情報収集、ビッグデータアナリシス を用いた考察を、経営学研究、社会学研究において行っている研究者を配置するとともに、実務的 に都市コンテンツのプロデュース、都市デザインのソリューションに携わる人材を配置し、これら の研究者と実務家の連携により、都市創造学の深耕を図る。こうした基本計画に基づき編成する都 市創造学部の教員組織を構成する専任教員 20 名の専門分野は、以下のとおりの配置となっている。 都市デザイン ( 実 務 家 ) 都市コンテンツ ( 実 務 家 ) ビッグデータ ア ナ リ シ ス I C T 活 用 情 報 収 集 キ 統計的実証分析 教授 赤羽裕 教授 有末賢 教授 安登利幸 教授 伊藤善夫 教授 岡村久和 教授 木嶋豊 教授 後藤康浩 教授 齋藤昭宏 教授 鈴木信幸 教授 張相秀 教授 林聖子 教授 范云涛 教授 松岡拓公雄 教授(特任) 森祐治 准教授 新井健一郎 准教授 三好出 准教授 渡邊貴士 講師 石田幸生 講師 平安山英成 助教 高玲 人数 社会学(都市社 会 学 含 む ) 氏名 経 営 学 (経済学含む) 職位 専門分野等 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 7 〇 〇 〇 〇 14 4 2 1 3 3 中心となる研究分野と研究体制 都市創造学部における研究活動の基盤は、経営学と都市社会学にある。これらの基盤的な学問分 野の深耕も重要な要素であるが、都市創造学部ではこれらの基盤的な知識を、都市の魅力を創り出 すコンテンツのプロデュースや都市デザインの実現に向けた課題を解決するソリューションの提案 へ応用することに重点を置く。したがって、研究の内容は、極めて実際的なものとなり、産業界や 自治体等との連携を要するものとなる。そこで都市創造学部は、大学内に閉じない開放的な学会組 織を設立し、産学公連携の推進母体とする計画である。都市創造学部自体においても、産学公連携 を推進していくが、この場合の連携は、複数の組織間での公式な契約に基づく連携であり機動性に 欠ける。そこで、産学公連携に基づく研究活動を推進するため、学会組織に連携する組織から役員 を派遣し、学会活動として常に連携を密にしていくことを計画している。亜細亜大学においてすで に産学公連携を推進する学会組織として、大学院アジア・国際経営戦略研究科を母体とした学会、 アジア・国際経営戦略学会を設立している。都市創造学部においては、これを活用していくことも 視野に入れ、研究活動を推進していくものである。 ク 教員組織の年齢構成と教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化 都市創造学部の専任教員の年齢構成は、設置予定の平成 28 年 4 月 1 日時点で、以下のとおりと なる。 都市創造学部専任教員年齢層別人数(平成 28 年 4 月 1 日現在) 年 齢 層 人 35~ 数 40~ 45~ 50~ 55~ 60~ 65~ 39 44 49 54 59 64 69 3 0 3 3 4 7 0 合計 20 30 歳代 3 名、40 歳代 3 名、50 歳代 7 名、60 歳代 7 名という構成であり、比較的バランスのと れた年齢構成であり、かつ 65 歳以上がいないため設置から 7 年間は定年退職年齢 70 歳に達せず安 定的な組織が編成されている。定年退職者が生ずるまでの 7 年間に年齢構成上空白となっている 40 歳から 44 歳(平成 28 年 4 月 1 日時点)の人材と 34 歳までの若手を順次採用し、常にバランスの とれた組織を編成していく計画である。また、専任教員 20 名のうち、女性は 2 名、外国人は 2 名 (韓国籍 1 名、中国籍 1 名)となっている。組織の多様性という観点からは、補充人事を検討する 場合には女性及び外国人の採用を念頭に置く。年齢構成のバランス、組織の多様性という観点から、 都市創造学部専任教員組織の教育研究の活性化は十分であると考えられる。 一方、職位別の構成は以下のとおりである(特任教授 1 名を含む)。 都市創造学部専任教員職位別人数(平成 28 年 4 月 1 日現在) 職 位 教授 准教授 専任講師 助教 助手 合計 人 数 14 3 2 1 0 20 都市創造学部の基幹的な講義科目である、 「都市社会学Ⅰ・Ⅱ」 「社会調査概論」 「産業社会と企業 経営」 「ビッグデータ活用概論」 「都市プロデュース論」 「都市ソリューション論」については、教授 がこれを担当するため、教育の水準は維持されているものと考える。 ケ 既設学部等からの異動による影響 都市創造学部の教員組織の編成にあたっては、既設の経営学部から 4 名(平成 28 年 4 月就任予 定)及び亜細亜学園が設置している亜細亜大学短期大学部から 3 名(平成 29 年 4 月就任予定)の 異動を伴う。亜細亜大学短期大学部は、平成 28 年 4 月入学生の募集を停止し、平成 29 年 3 月末に は廃止する予定である。したがって、この 3 名の教員の異動は影響を及ぼさない。経営学部から異 動する 4 名については、主として亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科の開設科目を担当 しており、経営学部の開設科目については半期科目の 1 科目から 2 科目の担当に止まっており、後 任を補充し対応するので、この 4 名の異動によっても経営学部の授業科目の配置には影響を及ぼさ ない。 4. 大学全体の施設・設備の変更内容 亜細亜大学では、平成 23 年 5 月開催の理事会第 3 号議案「武蔵野キャンパス再開発について」 において承認された「武蔵野キャンパス再開発計画」に基づき、平成 25 年 8 月に新教室棟 5 号館 (地下 1 階地上 6 階建て、総床面積 10,386.79 ㎡)を竣工し、平成 27 年 3 月中旬には学生食堂を 含む複合施設「ASIA PLAZA」(地下 1 階地上 4 階建、総床面積 5,412 ㎡)を竣工した。 特に、平成 27 年 4 月から稼働する「ASIA PLAZA」は、座席数の拡充(建替前 629 席→建替後 1,385 席)や快適性の向上などの要望に応え、現代の大学施設に求められる多様な学習環境を提供 する。概要は、学生が快適に食事を楽しむことができる≪カフェ&ダイニング≫、食事をしながら グループ学習やアクティブ・ラーニングができる≪ラーニング・コモンズ≫、学会や学生の成果報 告会などの会場として学生と教職員がより多くの人と出会い学ぶための≪多目的イベントホール≫ などを併設した複合施設である。 さらに、旧 5 号館の解体跡地に既存の 1 号館(地下 1 階地上 6 階建て、総床面積 8,195.74 ㎡) と総合研究館(地下 1 階地上 10 階建て、総床面積 5,444.60 ㎡)の 2 棟を統合する新研究・事務棟 「新 1 号館(仮称)」(地上 15 階建て、総床面積約 15,600 ㎡を想定)の建設計画を検討している。 この計画は、上記の「武蔵野キャンパス再開発計画」の一環として基本計画が承認されており、 各建物の具体的な建替計画については、別途個別に理事会へ上程することが定められている。 申請時点(平成 27 年 3 月)における新 1 号館(仮称)の建替計画(案)は、基本計画が確定し 基本設計が検討されているものの建物の平面図や金額等の詳細については確定しておらず、平成 27 年 9 月の理事会に上程し、正式な承認を得る予定である。(当該計画案に関する資料等は、「2.校地 校舎の図面」の平面図の最後に添付する。) この新 1 号館(仮称)は、既存の 2 棟を合わせた床面積の 13,640.34 ㎡から約 1,959 ㎡増加し、 総床面積約 15,600 ㎡とする見込みであり、個人研究室 1 室当りの面積は現状の約 1.46 倍の約 25 ㎡ となり、研究環境は格段に向上することとなる。また、個人研究室の数は、現状 188 室(うち申請 時点でも 32 室は空室)から 194 室へ拡充する予定である。 なお、建設工事や解体工事においては、授業運営や学生指導の障害とならないよう万全を期し、 さらに、竣工後の引越期間を平成 30 年 8 月初旬から 9 月中旬までの夏季休暇期間とすることで、 授業運営や学生指導の障害とならないよう万全を期す。 以上のとおり、教室棟、学生食堂、研究・事務棟の建設のほか、緑化、歩道、屋外広場といった 外構整備を年次計画に基づき段階的に進めることにより、教育研究施設・設備の一層の充実を図り、 より安全で快適なキャンパスの実現に向けて取り組んでいる。 以上
© Copyright 2024 Paperzz