プロジェクトマネージャ 午前 解答と解説

平成 20 年度 秋期
プロジェクトマネージャ
午前 解答と解説
□問 1
ウ
□問 21
イ
□問 41
ア
□問 2
イ
□問 22
エ
□問 42
ア
□問 3
ア
□問 23
エ
□問 43
ア
□問 4
ア
□問 24
ア
□問 44
ア
□問 5
エ
□問 25
ウ
□問 45
イ
□問 6
イ
□問 26
ア
□問 46
ア
□問 7
ウ
□問 27
ウ
□問 47
ウ
□問 8
ア
□問 28
ア
□問 48
ア
□問 9
エ
□問 29
ウ
□問 49
イ
□問 10
ア
□問 30
ウ
□問 50
エ
□問 11
エ
□問 31
イ
□問 51
イ
□問 12
エ
□問 32
イ
□問 52
エ
□問 13
ア
□問 33
ア
□問 53
ウ
□問 14
ア
□問 34
イ
□問 54
ウ
□問 15
エ
□問 35
ア
□問 55
エ
□問 16
エ
□問 36
ウ
□問 17
ア
□問 37
ア
□問 18
イ
□問 38
イ
□問 19
ウ
□問 39
エ
□問 20
ア
□問 40
エ
©2009 Yasuyuki Miyoshi
1
PM-H20 午前解答・解説
* のついた用語は「試験に出る用語集」を参照してください。
問 1:正解ウ
パイプライン制御 * に関する問題。この問題を解くには,公式を覚えておくか,
ある程度図示したうえで推測するかの 2 通りの方法がある。できれば公式を暗記し
ておき,図示して確認するという解答手順が望ましい。それならケアレスミスもな
くなるはずだ。
パイプラインの深さ
(D)
=ステージ数=今回は命令のサイクル数=5
(1ステージ=1サイクルという前提があるため)
パイプラインピッチ
=各ステージの処理時間
=P(秒)
命令数︵I︶= 個
F:フェッチ D:デコード A:アドレス R:オペランド
(命令読出し)
(命令の解読)
計算
読出し
F
20
E:実行
D
A
R
E
F
D
A
R
E
F
D
A
R
E
D = 命令のサイクル数
I = 命令数
P = 各ステージの処理時間
実行時間の公式:( D+I−1)×P
解答プロセス
(1)公式の利用
(5 + 20 − 1)
× P = 24P。したがって(ウ)が正解。
解答プロセス
(2)図示して解答する
上記のような図を描いてみる。今回の場合「すべての命令が 5 サイクル」という
ことで,図のように横に 5 サイクルを描く。問題によっては「パイプラインの深さ」
とか「ステージ数」という表現をしている場合もある。今回は「1 ステージ 1 サイ
クル」ということになっているので,ひとまず,いずれも“5”で考えれば良いだ
ろう。
これに命令数= 20 を加える。パイプライン制御の場合は,図のように 1 サイク
ル完了したら次の命令の 1 サイクル目が実行できるのが特徴になるので,階段型に
図示する。1 命令なら 5,2 命令なら 6,3 命令なら 7 というように,1 命令増える
たびに,実行サイクルは 1 プラスされるので,そのまま数えていっても答えは出て
くるし,それが面倒であれば,
“命令数に 4 加えている”という事実に基づき,24
©2009 Yasuyuki Miyoshi
2
PM-H20 午前解答・解説
を導いても構わない。
問 2:正解イ
コンピュータシステム分野におけるデッドロック * に関する頻出問題。選択肢を
順番に見ていく。
ア:一方のタスクの優先度を高くしても,ほかのタスクの使用している資源を強
制的に解放させることはできないため,デッドロックの可能性はある。
イ:正しい。
ウ:デッドロックの原因である。
エ:(ア)同様,優先度とデッドロックは無関係である。
問 3:正解ア
平成 20 年度から出題された新しい問題。3 台の独立して稼働するサーバがあり,
そこで 6 本のプログラムを分散処理できるという話。条件に沿って 3 台のサーバで
何が稼働しているのかを落ち着いてチェックしていけば容易に解ける。正解は
(ア)のサーバ x になる。
サーバ
起動前
Aを
起動
Bを
起動
Cを
起動
サーバ y
ダウン
サーバの
選択条件
(5) (1)
(2)(1)
(2)(1)
(2) (3)
(問題文
の 1 〜 5)
x
—
A
A
A
A,B
y
—
—
B
B
x
z
—
—
—
C
C
Dを
起動
サーバ y
E を起動
復旧
サーバ z
ダウン
サーバ z
復旧
—
Fを
起動
(1)
—
(1)
(3)
但し,一つずつ
振り分け
A,B
x
C,D
A,B
—
C,D
A,B
E
C,D
A,B A,B,D A,B,D A,B,D
E,C E,C
E,C
E,C
x
x
—
F
問 4:正解ア
垂直分散システム * に関する頻出問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:正しい。
イ:水平分散システム * の説明。
ウ:対等な関係で接続し,データ等の資源を共有とあるので,ピア・ツー・ピア
ネットワークの説明に近い水平分散システムの説明。誤り。
エ:機能分散や,役割分担のシステムである。機能面では水平分散システムになる。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
3
PM-H20 午前解答・解説
問 5:正解エ
M/M/1* の待ち行列理論 * に関する問題。平均サービス時間を含まない,平均待
ち時間だけを算出する公式が問われている。まずは,M/M/1 モデルの基本公式を
しっかりと暗記しておかなければならない。
利用率
平均待ち時間 =
平均サービス時間
ρ
Ts
1−ρ
ここで,問題文の条件
(1)
(2)より,公式はそのまま使えそうだが,条件(3)で
利用者数が 2 支店の合計になっている点に注意しなければならない。両支店の統合
前の利用者数に関する記述がないが,自動支払機の台数が同じであるし,選択肢か
ら判断しても,両支店の利用者数を統合すると 2 倍になると考えて解答する。一般
的に,単位時間あたりの利用者数が 2 倍になると,利用率も 2 倍になる。よって,
上記公式の利用率ρが 2 ρになる。それを表している選択肢は(エ)になる。
問 6:正解イ
この論理回線の多重度を求める問題も頻出問題である。最初に,現状の X − Y
間における最大論理回線数を算出する。そこで,問題の図を見て以下のように整理
していく。
・ X には 10 回線,Y には 12 回線が接続されている。したがって最大 10 回線を
超えることはない。
・ X から出ている論理回線上のボトルネックを探す。
① X − A の 3 回線:X − A − D − Y(1)
,X − A − B − E − D − Y(2)
……3 回線
② X − B の 3 回線:X − B − F − E − Y(2)……2 回線
③ X − C の 4 回線:X − C − F − G − Y(2),X − C − F − E − Y(1)
……3 回線
①を確定だと仮定して考えると,②③のいずれも F に到達するまでに 2 回線減
少し合計 8 回線になる。F と Y の間は十分に回線に余裕があることもわかる。し
たがって,正解は B − F 間もしくは C − F 間のいずれかになるので,選択肢の中
で言うと(イ)になる。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
4
PM-H20 午前解答・解説
問 7:正解ウ
ロードバランサとは負荷分散装置の一種で,大量のクライアントからアクセスが
発生する場合などに使用するネットワーク機器のことである。数多くのクライアン
トからの要求を処理するには,複数のサーバを設置して負荷を分散させる方法がよ
く用いられる。その場合,クライアントからの要求をいったんロードバランサが受
けて,特定のサーバに負荷が集中しないように複数のサーバに振り分ける。
ア:SSL アクセラレータの説明である。ロードバランサ製品の中には,SSL アク
セラレータ機能を持つものもあるが,基本機能ではないため誤り。
イ:これをメインに行うのは帯域制御装置。ロードバランサの基本機能とはいえ
ないため誤り。
ウ:正しい。
エ:リンクアグリゲーション機能の説明である。ロードバランサの基本機能では
ないため誤り。
問 8:正解ア
データマイニング * に関する問題。データマイニングツールとは,膨大な原始デ
ータから経営やマーケティングにとって必要な傾向,パターン,相関関係を導き出
すためのツールである。選択肢(ア)以外は,全てデータウェアハウスに関連する
説明である。
問 9:正解エ
メタデータ * に関する頻出問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:べき集合 * のことではない。
イ:定義域(ドメイン)に関する説明である。
ウ:
「データ管理者が管理する情報である」という記述は正しいが,DBMS のリ
ポジトリに登録すべきものであるから,誤りである。
エ:正しい。
問 10:正解ア
ソフトウェア開発におけるリポジトリとは,設計書などのドキュメント,プログ
©2009 Yasuyuki Miyoshi
5
PM-H20 午前解答・解説
ラム,テストデータなど,開発に必要な情報を格納し,一元管理するためのデータ
ベースのことである。セントラルリポジトリとは,いわば「ドキュメントの中央倉
庫」のようなもので,そこからドキュメントを取り出す(コピーする)ことをチェ
ックアウト,そこに格納することをチェックインという。よって,正解は(ア)と
なる。
問 11:正解エ
再入可能 * プログラムの特徴に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:この説明は再配置可能 * プログラムの特徴である。誤り。
イ:この説明は再帰 * プログラムの特徴である。誤り。
ウ:仮想記憶に関する説明のため,誤り。
エ:この説明が再入可能プログラムの特徴になる。正解。
問 12:正解エ
プログラム言語の Java に関する問題。Java は,米 Sun Microsystems が開発し
たオブジェクト指向のプログラミング言語である。ネットワーク上で実行されるよ
うに最適化されている言語だと言われている。移植性も高く,JavaVM(Java
Virtual Machine)というモジュールが,開発した Java プログラムと OS の間で制
御を行うことによってマルチプラットフォームを実現している。
ア:オブジェクト指向言語ではあるが,多重継承ができないので誤り(C++ は
利用可能)
。
イ:整数や文字は“型”として扱われる。誤り。
ウ:ポインタは使えない(C++ は利用可能)
。
エ:ガーべジコレクション * は Java の特徴の一つである。正解。
問 13:正解ア
オブジェクト指向の性質に関する問題。問題文にある「上位のクラスのデータや
メソッドを下位のクラスで利用できる性質」のことをインヘリタンス(継承)* と
いう。したがって正解は(ア)になる。選択肢のほかの用語の意味は,それぞれ「試
験によく出る用語集」を参照。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
6
PM-H20 午前解答・解説
問 14:正解ア
モジュール分割技法に関する頻出問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:この STS 分割 * の説明は適切であり,誤りはない。これが正解。
イ:TR 分割 * は,
「データ構造に着目した」ものではなく,データの種類に着目
したものなので誤り。
ウ:共通機能分割 * は,
「データ構造に着目した」ものではなく,プログラムの
機能に着目したものなので誤り。
エ:ジ ャクソン法 * は,
「データの流れに着目した」ものではなく,データの構
造に着目したものなので誤り。
問 15:正解エ
モジュール結合度 * に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:共通データ領域とはいえ,すべてのモジュールからではなく関連するモジュ
ールのみからしかアクセスできないようになっている方が望ましい。したが
って誤り。
イ:モジュール分割の良否は,モジュール間の結合度のうちで最も“強い”もの
や“弱い”ものだけの分布で判断するのではなく,全体のバランスを見て判
断すべきである。したがって誤り。
ウ:データの受け渡しを行う場合には,共通領域を利用するよりも引数を利用し
た方が結合度は弱いので望ましい。したがってこれは誤り。
エ:この説明はデータ結合のことである。データの受け渡しを行う場合には引数
としてデータ項目を列挙するため最も結合度が弱い。したがって最も望まし
いことになる。これが正解。
問 16:正解エ
状態遷移図 * を使ったオートマトン * に関する問題。この問題を解くには,一つ
ずつシミュレートして確認していく。そうすると,選択肢(エ)だけが入力が受理
される。
ア:
「山田△」の入力後は「状態 2」になる。ここで“/”を入力すると「状態 1」
に戻る。状態 1 では数字の入力はできないため誤り。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
7
PM-H20 午前解答・解説
イ:
「山田△ 1111-2222」の入力後は「状態 3」になる。ここで“/”を入力すると
「状態 2」に戻る。状態 2 では漢字の入力はできないため誤り。
ウ:
「山田△ 1111-2222 △ //」の入力後は「状態 2」になる。状態 2 では漢字の
入力はできないため誤り。
問 17:正解ア
UML に関する問題。UML2.0 には 13 のダイアグラムが用意されているが大別す
ると,構造図と振る舞い図に分けられる。構造図には,クラス図・パッケージ図・
オブジェクト図・コンポーネント図・コンポジット構造図・配置図の 6 種類が,振
る舞い図には,ユースケース図・アクティビティ図・ステートマシン図・シーケン
ス図・コミュニケーション図・相互作用概要図・タイミング図の 7 種類がある。こ
の問題では,そのうちのアクティビティ図の特徴が問われている。
ア:アクティビティ図の説明。これが正解。
イ:コミュニケーション図(旧コラボレーション図)の説明。誤り。
ウ:クラス図の説明。誤り。
エ:コンポーネント間の関係を記述するのはコンポーネント図で,オブジェクト
やコンポーネントの物理的な配置関係を記述するのは配置図(デプロイメン
ト図)
。いずれにせよ,アクティビティ図の説明ではないので誤り。
問 18:正解イ
テスト手法に関する問題。ホワイトボックステストは,
「内部仕様に基づいたテ
ストケース」を設計し,通常はプログラム作成者が行う単体テストにて使われる技
法である。ホワイトボックステストには,一つの命令に一つのテストケースの「命
令網羅」や,if 文などの条件によってテストケースの数が異なる「条件判定網羅」,
「条件網羅」,
「条件判定/条件網羅」
,
「複数条件網羅」などがある。このうち,最
もテストケースの数が多くなるのは,
「複数条件網羅」で,複数の条件の組合せを
考慮したものになる。選択肢(イ)以外は,ブラックボックステストが含まれてい
るため誤り。
問 19:正解ウ
テストに関する問題。問題文をよく読んで,普通に計算すれば解答できる。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
8
PM-H20 午前解答・解説
問題文には「不具合検出数のテスト完了基準が 7.4 件/ 1,000 行以上」という設
定がある。今回のシステムは A,B 合わせて 200,000 行なので,このテスト完了基
準でいうと 1,480 件でテスト完了基準に達することになる。現在の状況は 1,430 件
なので,残りは 50 件になる。したがって正解は(ウ)になる。
問 20:正解ア
ソフトウェアの再利用に関する問題。ソフトウェアの再利用は,部品化やパッケ
ージ化のことで,具体的にはサブルーチンや関数,クラスなどで実施されている。
このうち想像できるものをイメージしながら選択肢を順番にチェックしていけば
良い。
ア:再利用を意識しなければならない分,そうでない場合に比べて工数がかかる。
したがってこれが正解。
イ:普通に考えて,大きい部品を再利用した方が開発工数の削減効果は大きいの
で誤り。
ウ:一般的に,インセンティブの効果は再利用の効果が不透明な初期の段階で大
きく,時間がたつにつれ再利用の効果が認知されてくるため,低くなってい
く。したがって誤り。
エ:選択肢(イ)と同じ考えだが,部品の再利用時における工数の削減比率は,
部品の大きさに比例する。誤り。
問 21:正解イ
アローダイアグラムに関する問題。最初にクリティカルパスを探しておき,その
後,選択肢を順番に検証していく。クリティカルパスは「①→②→④→⑦→⑨」の
24 日である。
2
6
7
1
6
7
5
5
5
9
4
3
©2009 Yasuyuki Miyoshi
4
3
3
4
4
6
9
7
9
8
PM-H20 午前解答・解説
ア:
「①→③」はクリティカルパスではないため,全体の仕事は短縮されない。
イ:
「②→④」を 1 日早く終わると,
「①→②→④→⑦→⑨」は 23 日となる。こ
れでクリティカルパスが変わったかどうかをチェックする。
「①→③→⑥→
⑧→⑨」も 23 日なので,両方がクリティカルパスになるだけで,全体の仕
事は 1 日短縮される。したがって適切である。これが正解。
ウ:
「③→⑤」はクリティカルパスではないため,全体の仕事は短縮されない。
エ:
「⑥→⑧」はクリティカルパスではないため,全体の仕事は短縮されない。
問 22:正解エ
開発期間を算出する問題。全体工数の 40 人月を表 1 で各工程に振り分け,そこ
に表 2 の開発要員数を加味して所用期間を見積もる。すると次表のようになる。開
発はウォータフォールモデルなので各工程は重ならない。したがって各工程の開発
期間を合計した 14 か月が答えになる。正解は(エ)になる。
開発工程
基本設計
詳細設計
コーディング・
単体テスト
結合テスト
総合テスト
工数比率
(%)
(a)
10
20
工数(人月)
(b)
40 人月×工数比率(a)
4
8
開発要員数(人)
(c)
2
4
開発期間(月数)
(b)÷(c)
2
2
30
12
6
2
30
10
12
4
合計期間(月数)
2
2
6
2
14
問 23:正解エ
開発に必要な要員数を算出する問題。総工数の 120 人月と 12 か月間を各工程に
振り分け,そこから各工程に必要な開発要員数を見積もる。すると次表のようにな
るので,プログラム作成工程では 18 人必要になる。したがって正解は(エ)にな
る。
工数比率(%)
工数(人月)
(b)
期間比率(%) 期間(月)
(d)
必要要員数(人)
(a)
120 人月×工数比率(a)
(c)
12 月×期間比率(c) (b)÷(d)
仕様設計
35
42
50
6
7
プログラム作成
45
54
25
3
18
テスト
20
24
25
3
8
開発工程
©2009 Yasuyuki Miyoshi
10
PM-H20 午前解答・解説
問 24:正解ア
システムの運用に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:正しい。
イ:リストアではなく,バックアップの説明。誤り。
ウ:リブートは再起動のことだが,通常は OS を一から起動することを言い,チ
ェックポイントからの再開をリブートとは言わない。誤り。ちなみに,チェ
ックポイントからの再開はチェックポイントリスタートと言う。
エ:データログではなくトランザクションログと言う。誤り。
問 25:正解ウ
ITIL* に関する問題。ITIL のうち SLA の項目ということでサービスレベル管理
の内容になる。選択肢の中から考えれば,
(イ)は開発する側に求められる指標な
ので無関係。
(ア)と(ウ)
,
(エ)が残るが,サービスレベル管理で特に重要なの
は信頼性になる。したがって(ウ)が正解になる。
問 26:正解ア
通信費用(回線費用+通信機器の費用)を求める問題。ただし,回線費用は図に
書かれているため,実質はリース金額の算出方法を知っていれば解答可能。問題文
の「月額料率 2%のリース契約」とは,購入価額の 2%を毎月の支払料とするとい
う意味になる。この例では購入価額は 1 台 300 万円なので,月額リース料は 6 万円
/台になる。
旧ネットワーク= 26 + 30 + 30 = 86(万円)
新ネットワーク= 37 + 15 + 9 +
{2 × (300 × 2% )}= 73(万円)
削減額= 86 − 73 = 13(万円)
問 27:正解ウ
必要要員数を算出する問題。問題文の条件にしたがって,次のプロセスで要員数
を求める。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
11
PM-H20 午前解答・解説
①年間必要総工数を算出
3 人日× 365 日= 1095 人日
②1 人あたりの年間稼働日数
365 − 120 − 20 = 225 日
③要員の総数
1095 ÷ 225 = 4.86……≒ 5 人(小数第 1 位を切り上げ)
問 28:正解ア
ソフトウェア保守に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:正しい。
イ:リバースエンジニアリング * は,ソースコード等がない場合に行うものであ
る。通常のソフトウェア保守は,ソースコードが存在するのでリバースエン
ジニアリングそのものが必要ない。したがって誤り。
ウ:ソフトウェアの一部を変更した場合,その変更部分をテストするだけではな
く,影響の可能性がある周辺部分もテストを行い,機能落ちしていないかど
うかをチェックしなければならない。したがって誤り。
エ:通常は,日々発生する変更要求を一定期間で締め切り,変更管理委員会等で
変更の是非を検討する。その結果変更することになった場合,作業のしやす
さやほかの部分への影響度,担当者の都合など様々な要素を総合的に判断し
てつけた優先順位にしたがって保守作業を行う。したがって要求の発生順で
はないので誤り。
問 29:正解ウ
情報アクセシビリティに関する問題。情報アクセシビリティとは,情報に(誰も
が)アクセスできる度合いのことで,特に高齢者や障害者も十分アクセスできるこ
とを言う。そういう意味で,
“ユーザビリティ(使いやすさ)”よりも“バリアフリ
ー”や“ユニバーサルデザイン”に近い概念になる。それを前提に,選択肢を順番
に見ていく。
ア:ページレイアウトに table 要素は使わない方が望ましい。よって誤り。
イ:ページごとの個別タイトルの方が望ましいとされている。したがって誤り。
ウ:色や形だけでは,テキスト検索による検索エンジンにもかかりにくいし,音
©2009 Yasuyuki Miyoshi
12
PM-H20 午前解答・解説
声読み上げも不可能になる。したがって正しい。
エ:アクセシビリティとは無関係だが,操作性や使用性を考えればナビゲーショ
ン用のボタンは,どのページでも統一しておいた方がアクセスもしやすい。
一貫性が必要とされるため誤り。
問 30:正解ウ
図やチャートに関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:フローチャートは処理の流れを表現するために使うもの。誤り。
イ:ガントチャート * は作業を時系列に表示するために使うもの。誤り。
ウ:正しい。これが正解。
エ:連関図は,作業の関連を示すために使うもの。誤り。
問 31:正解イ
暗号に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:共通鍵暗号方式は,送信側と受信側で同じ鍵を使う。したがって誤り。
イ:正しい。
ウ:公開鍵暗号方式で暗号通信を行う場合,公開するのは暗号化に使う鍵(受信
者側の公開鍵)で,復号に使う鍵は受信者側で秘密管理しなければならない。
したがって誤り。
エ:公開鍵暗号方式で署名を行う場合,署名に用いるのは本人しか持ち得ない秘
密鍵で,公開してはいけない。したがって誤り。
問 32:正解イ
企業の要求する運用に最適なセキュリティポリシを作成する問題。問題文にある
要件は次の 3 点で,このときの秘密鍵の適切な管理方法が問われている。
①利用者の事故に備えて秘密鍵を復元できること
②セキュリティ管理者の不正防止のための仕組みを確立すること
③鍵の生成はセキュリティ部門が一括して行っている
©2009 Yasuyuki Miyoshi
13
PM-H20 午前解答・解説
ア:セキュリティ管理者の不正防止(②)が防げないので誤り。
イ:正しい。これが正解。
ウ:セキュリティ部門で復元できない(①)ので誤り。
エ:セキュリティ管理者の不正防止(②)が防げないので誤り。
問 33:正解ア
テンペスト技術に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:正しい。
イ:パケットスニファリングと,その対応策に関しての説明。誤り。
ウ:アンチウイルスソフトのパターンマッチングに関する説明。誤り。
エ:ウォードライビングなどによる盗聴とその対策に関する説明。誤り。
問 34:正解イ
リスクマネジメントに関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:リスクマネジメントの一部。リスク処理の説明。誤り。
イ:リスクマネジメント全体の話となると,これが最も近い。正解。
ウ:緊急時対策やコンティンジェンシープランの説明。誤り。
エ:これはリスクマネジメントの一部。リスク処理のための情報収集なので誤り。
問 35:正解ア
変更管理に関する問題。
「テストが不十分にならないか」
,
「要件に合っていない
プログラムが適用されないか」という観点で,選択肢を順番に見ていく。
ア:特に問題はなく,
「要件に合っていないプログラムが適用されない」ように
するには,利用部門によるテストも必須。したがってこれが正解。
イ:開発者だけでテストをした場合,
「要件に合っていないプログラムが適用さ
れる」ことを防ぐのは難しい。また,中身を知っている開発者だけではテス
ト内容が偏ってしまうこともある。通常は,開発者以外のテスターやチーム
リーダ,クロスチェックを行う別担当者などが行ったほうが「テストが不十
分にならず」品質は向上する。それに選択肢(ア)の解説同様,利用部門に
©2009 Yasuyuki Miyoshi
14
PM-H20 午前解答・解説
よるテストも必須。したがって誤り。
ウ:本番環境と分離したテスト環境を用意できればそれは望ましいことだが,必
須ではない。また,テスト環境を用意するにしても,最終的には本番環境で
のテストも必要なので分離しているよりもネットワークで接続されていた方
が良い。よって誤り。
エ:キャパシティ管理は変更管理とは無関係。あるいは,本番環境を用いてテス
トする場合のことを考えると,リソースに余裕を持たせておかなければなら
ないので,それを加味した上でリソース調整を行う必要がある。いずれにせ
よ誤り。
問 36:正解ウ
コンティンジェンシープラン * は,一言で言うと,緊急時対応計画のこと。この
留意点が選択肢のどれになるかを順番に見ていけばいい。
ア:コンティンジェンシープランは,リスク回避等の予防的対応策ではなく,発
生してしまうと不可避の緊急時における事後対策に関する計画のこと。誤り。
イ:抑制・防止対策が適切に取られていることとは別に作成するものである。誤り。
ウ:正しい。
エ:原因はどうあれ,システム停止が発生した場合にどう対応するのかを計画す
るのがコンティンジェンシープランである。したがって誤り。
問 37:正解ア
ISO 9000* に関する問題。ISO 9001:2000 では,経営者は品質マネジメントシス
テムの構築,実施,継続的改善に対するコミットメントの証拠を,顧客要求事項を
満たすことの重要性の周知,品質方針の設定,マネジメントレビューの実施などに
よって示すことが要求されている。
ア:正しい。
イ:経営者自らが品質目標を設定する必要はない。したがって誤り。
ウ:経営者は管理責任者を任命して , 品質マネジメントシステムに必要なプロセ
スの確立,実施及び維持にかかわる責任と権限を与えなくてはならない。し
たがって誤り。
エ:不具合または不満足な状態に陥ったとき,後工程への進行を止めるか否かは
©2009 Yasuyuki Miyoshi
15
PM-H20 午前解答・解説
発見された不具合の影響に応じて判断すべきである。したがって誤り。
問 38:正解イ
SLCP-JCF 2007 に関する頻出問題。SLCP-JCF 2007(旧 SLCP-JCF 98 含む)の
過去問題には,典型的なキーワードが入っている。最も多いパターンが「購入者と
供給者の共通の物差し」というもの。その他「ISO を参考にした日本国内の規格」,
「プロジェクト特性に応じてプロセスやアクティビティを組み合わせて使う」など。
それを前提に選択肢を確認する。すると,最も標準的なパターンの(イ)が見つけ
られたので,これを正解とする。
ア:提案責任や管理責任を明確にすることが目的ではない。
ウ:違法複製行為や違法複製品などの使用防止にはならない。これは「ソフトウ
ェア管理ガイドライン」の説明。誤り。
エ:特定の業種やシステム形態,開発方法論に依存しないよう配慮されている点,
受発注契約自体をスムーズに遂行する点は正しいが,部門間での取引でも利
用できる。それを除くものではないため誤り。
問 39:正解エ
JIS Q 27002:2006 に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:この選択肢の表現では不明瞭な部分もあって,このことを言っているのかど
うかわからないが,高い安全性が確認されている暗号技術の国際規格として
ISO/IEC 18033 がある。いずれにせよ誤りである。
イ:ISO/IEC15408(JIS X 5070)の説明。したがって誤り。
ウ:
「情報セキュリティマネジメントシステムの要求事項」となっているので,
これは JIS Q 27001 である。よって誤りである。
エ:
「情報セキュリティマネジメントの実践のための規範」となっているので,
これが JIS Q 27002:2006 である。正解。
問 40:正解エ
UCS-2(Universal multi-octet Character Set 2)とは,国際文字集合(ISO/IEC
10646-1)として定められた国際文字集合の部分集合で,すべての文字は 2 バイト
©2009 Yasuyuki Miyoshi
16
PM-H20 午前解答・解説
で表現される。そのため,多くの国の文字体系に対応できる。従って,正解は(エ)
となる。
ア:シフト JIS コード * の説明。誤り。
イ:UNIX で主として使われているのは EUC コード *。漢字 2 バイトを使った
ものは,特に日本語 EUC や EUC-JP などと言う。
ウ:す べ て を 1 バ イ ト で 表 現 す る 文 字 コ ー ド に は ASCII*(7 ビ ッ ト ) や
EBCDIC,JIS X 0201 などがある。いずれにせよ誤り。
エ:正しい。これが UCS-2 の説明になる。
問 41:正解ア
バランススコアカード * に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:正しい。
イ:
「強み,弱み,機会,脅威の四つに分類」するのは SWOT 分析 * についての
説明である。
ウ:
「導入期,成長期,成熟期,衰退期に分類」するのは製品ライフサイクル戦
略である。
エ:
「問題児,花形,金のなる木,負け犬の四つに分類」するのは PPM* につい
ての説明である。
問 42:正解ア
収穫戦略 * に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:
「コスト削減,キャッシュフローの増大」は収穫戦略である。これが正解。
イ:
「
(成功した)事業を分社化し,売却する」のは事業売却戦略である。
ウ:
「新規事業に進出することによって成長を目指す」のは,多角化戦略になる。
エ:
「シェアの拡大を図る」のはシェア拡大戦略である。
問 43:正解ア
分析技法に関する問題。分析する対象物を,類似した特徴を持つグループ(クラ
スタ)に分類して分析する手法をクラスタ分析という。したがって正解は(ア)に
©2009 Yasuyuki Miyoshi
17
PM-H20 午前解答・解説
なる。
イ:指数平滑法とは,時系列データを平準化し,傾向(トレンド)を予測する手
法。過去の売上データなどの時系列データから需要予測を行うときなどに用
いられる。
ウ:デルファイ法は未来を予測する手法の一つで,現在の動向から未来を予測す
るだけでなく,システム分析に使用することもできる予測手法である。専門
的知識や経験を有する人の直感や推量を生かし,アンケート調査を繰り返す
ことによって,意見を収束させる。
エ:モンテカルロ法は問題解決技法の一つで,単純に解析するだけでは解けない
複雑な問題に対して,ランダムな実験を多数回繰り返し,その結果から近似
的に答を求める方法。
問 44:正解ア
問題解決能力の育成方法に関する問題。問題文の「問題を多数提示して」
,
「一定
時間内に判断し処理させる」方法は,
(ア)のインバスケットを指している。した
がって正解は(ア)になる。
イ:ケーススタディは,実際の事象に近いケースを題材にしてその事象について
いろいろ考えるやり方になる。したがって誤り。
ウ:親和図法は,問題解決能力の育成方法ではなく問題解決手法の一つになる。
問題点をブレーンストーミングで自由に発散させ,それらを最終的に組み立
てて整理していく手法で,KJ 法とほぼ同じ手法である。物事の相互の親和
性を統合して図式化することからこの名前が付いた。新 QC7 つ道具の一つ。
エ:ロールプレイは,ケーススタディ等の中で,受講生にある“役割”を与えて,
その役になりきって演じることで疑似体験をするという育成方法。したがっ
て誤り。
問 45:正解イ
業務モデル作成に関する問題。業務モデル策定手順は,①ビジネスプロセスの定
義,②データクラスの定義,③ビジネスプロセスとデータクラスの関連付けという
ようになっている。
この中のビジネスプロセスとは「企業が行う様々な活動」のことで,業務レベル
©2009 Yasuyuki Miyoshi
18
PM-H20 午前解答・解説
の活動だけではなく,意思決定活動や計画活動も含んだものである。また,データ
クラスとはビジネスプロセスで使用される“データ”を,IT(情報技術,情報処理)
の視点でまとめたもの。したがって(イ)が正解になる。
ア:業務モデル作成プロセスでは,データクラスに含まれるデータ項目まで詳細
にしておく必要はない。誤り。
イ:正しい。
ウ:全社レベルの業務モデルを作成するときには,既存の現行プロセスに固執す
ることなく,
“あるべき姿”を表現すべきである。したがって誤り。
エ:データクラスはエンティティのことを指す。それを前提に,データクラス間で
の重複があった場合それを解消しておかなければならない。したがって誤り。
問 46:正解ア
ソフトウェアの会計基準に関する問題。ソフトウェアの会計基準については,企
業会計審議会が 1998 年 3 月に取り決めた「研究開発費等に係る会計基準」などで
定められている。それによると,市場販売目的(パッケージ)のソフトウェア取引
では,図に示したように開発のフェーズによって,大きく①試験研究費,②無形固
定資産,③棚卸資産の三つにわけている。
製品になる不確実性が
高いため,発生時に費
用計上する
技術的実施可能性の確立後に
発生した開発費は,無形固定資
産として資産計上(米国基準)
出荷開始
改造
バージョン1完成
バージョン0完成
改造
β 版完成
テスト
開発
設計
企画
開発に着手
試験研究費
マスタコピー後は,棚卸
資産として計上される
無形固定 棚卸資産
資産
試験研究費 → 無形固定資産への変化
具体的には,最初の製品マスターの完成
ちなみに,製品マスターの完成とは……
①仕様が固まり,機能評価版(ベータ版)でのデバッグが終了した状態のソフトウエア
②製品番号が付くなどして製品ラインアップに加わったソフトウエア
③製品カタログに掲載されたソフトウエアなど
完成以後の機能強化にかかったコストは……
①資産価値を高める投資(機能や価値などを高める投資)
=無形固定資産に追加計上
②資産価値を高めることになるが,著しい改良の場合=
(次バージョンの)試験研究費に計上
③資産価値を高めない投資(機能維持)
=修繕費に計上
©2009 Yasuyuki Miyoshi
19
PM-H20 午前解答・解説
この図からも明白だが,問題文にある「市場販売を目的としたソフトウェアの研
究開発が終了した時点」とは,研究段階が終わり“
(販売の)技術的実施可能性”
が確定した段階であり,具体的には,バージョン 0 が完成した時点のことである。
この時点以後に要した開発費は①無形固定資産,②修繕費,③試験研究費及び④
棚卸資産のいずれかになるので,どれに該当するのかをチェックしていけば良い。
ア:
「著しい改良ではない」改良なので,単に資産価値が高まるだけ。自宅の建
て増しイメージ。これが無形固定資産として計上するもの。正しいのでこれ
が正解。
イ:
「著しい改良」なので,試験研究費に計上する。改良ではあるものの実質新
規開発であり,不確実性(この問題なら,市場での競争力が高まるかどうか
という不確実性)が存在するためだ。自宅の改築例でいうところの,柱だけ
を残したリフォームのようなイメージ。したがって誤り。
ウ:機能維持で資産価値向上が認められていないものは修繕費になる。
エ:これは棚卸資産として計上する。
問 47:正解ウ
財務会計に関する問題。税効果会計について問われている。税効果会計とは,P/
L および B/S に表されている「税務会計上の当期純利益」を,
「財務会計上の当期
純利益」に修正(調整)して表す会計処理方法である。国際会計基準で採用されて
いるもので,投資家に対して正確な会計上の利益を示したり,不良債権処理を促進
させたりすると期待され,国内でも公開企業などには強制適用されている。
ア:連結納税制度の説明。誤り
イ:固定資産の減損会計の説明。誤り。
ウ:これが税効果会計の説明。正しい。
エ:税務調整の説明。誤り。
問 48:正解ア
損益分岐点 * 分析に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:A 社の限界利益率(1 −変動費/売上高)は 50%で,B 社の限界利益率は
20%である。よって売上高の増加が大きな利益に結びつくのは A 社の方で
©2009 Yasuyuki Miyoshi
20
PM-H20 午前解答・解説
あり,これが正解になる。
イ:
(ア)にあるように A 社の方が限界利益率は高い。
ウ:損益分岐点(固定費/限界利益率)は,A 社 800 億円,B 社 500 億円で,A
社の方が高い。
エ:売上高の減少は損益分岐点,固定費のいずれもが高い A 社の方が大きな損
失につながる。不況抵抗力は弱い。
問 49:正解イ
確率(期待値)に関する問題。問題文の条件を一つずつ丁寧にチェックしていけ
ば解ける。それをまとめたのが以下の表である。四捨五入すると 66 分になるので,
正解は(イ)になる。
高速道路の真の状態
高速道路
交通情報
実際にどちらを通るか?
その時の状態による所要時間
全体の割合 期待値となる
(%)
所要時間
“渋滞”
(0.9)
一般道路を利用(80 分)
36
“順調”
(0.1)
高速道路を利用(100 分)
4
4
(0.2)
混雑していない “渋滞”
(0.6)
“順調”
(0.8)
一般道路を利用(80 分)
12
9.6
混雑している
(0.4)
高速道路を利用(50 分)
28.8
48
24
100
66.4
①問題文に「高速道路の混雑具合の確率」がある。
②同じく問題文に,高速道路の真の状態のときにどのような交通情報が流される
のか,その割合が示されている。
③①と②を掛け合わせると四つの状態の発生確率が明確になる。
④③の割合に,個々の所要時間を掛け合わせて合算すると期待値が求められる。
問 50:正解エ
在庫の年間保管費用を求める問題。問題に沿って順次計算していけば解答できる。
(1)1 回の発注量を 40 個とする場合
年間仕入費用= 400 × 5 万円= 2000 万円 ……①
年間発注回数= 400 ÷ 40 = 10 回
年間発注費用は,2 万円× 10 回= 20 万円 ……②
在庫がなくなると同時に入荷するということは,最大在庫量は 40 個になる。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
21
PM-H20 午前解答・解説
それであれば年間の平均在庫は,40 / 2 で 20 個になる。よって,
年間在庫保管費用は 20 個× 1 万円= 20 万円 ……③
①+②+③で 2040 万円
(2)1 回の発注量を 100 個とする場合
年間仕入費用= 400 × 5 万円= 2000 万円
但し 10%割引なので 1800 万円 ……①
年間発注回数= 400 ÷ 100 = 4 回
年間発注費用は,2 万円× 4 回= 8 万円 ……②
在庫がなくなると同時に入荷するということは,最大在庫量は 100 個になる。
それであれば年間の平均在庫は,100 / 2 で 50 個になる。よって,
年間在庫保管費用は 50 個× 1 万円= 50 万円 ……③
但し,
①+②+③で 1858 万円
(3)2040 − 1858 = 182 万円高くなり,正解は(エ)になる。
問 51:正解イ
RFID に関する問題。RFID(Radio Frequency Identification)は,小さな無線
チップを利用してモノや人を識別する仕組み,技術のこと。
ア:電子マネーの説明。誤り。
イ:正しい。
ウ:QR コード(二次元バーコード)の説明。誤り。
エ:バイオメトリクス技術の説明。誤り。
問 52:正解エ
著作権に関する問題。プログラムだけでなく Web ページなども当然,著作権の
保護対象となる。URL にコメントをつけたリンク集は,コメントそのものが書評
と同じく著作物と解されるので保護対象となる。なお,Web ページ上に URL を掲
載してリンクを貼る行為だけならば,原則的には著作権侵害にならないと考えられ
ている。よって正解は(エ)になる。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
22
PM-H20 午前解答・解説
ア:個人の Web ページであっても,Web ページに著作物を掲載する行為は「公
衆送信権(送信可能化)
」として著作権法による規制の対象となる。よって
誤り。
イ:フリーウェアは無償で提供されるが作者が著作権を放棄しているわけではな
いため誤り。
ウ:シェアウェアを使って作成したデータは,シェアウェアの作者ではなくデー
タの作成者の著作物になるため,誤り。
問 53:正解ウ
請負契約に関する問題。ソフトウェアの請負契約においては,その検収基準に成
果物を明記しておくのはもちろんのこと,
「納品後**日以内」というように期限
についても明示しておく必要がある。そうしなければ,
(成果物の明記がないこと
で)納品物件の追加要求が発生したり,
(検収期間の制限がないことで)成果物確
認作業が必要以上に長引いたりする問題が発生する。したがって(ウ)が正解。
ア:この問題が発生するのは,契約書に(検収基準ではなく)瑕疵担保期間が記
載されていない場合に起こる。但し,契約書に明記されていない場合は,商
法で 6 か月,民法で 1 年間であるので,納品後数年経過している場合は瑕疵
担保責任を問われない。
イ:機能仕様があいまいな場合に発生する問題である。請負契約の場合は,契約
段階で,必ず必要機能を明確にしておかなければ,このように仕様範囲外な
のか瑕疵責任の範囲なのかの認識が統一されない。
エ:機能仕様及び SLA に関する合意がされていない場合に発生する問題。
問 54:正解ウ
電子署名法に関する問題。電子署名法とは,2000(平成 12)年 5 月 31 日に公布
され,翌(平成 13)年 4 月 1 日に施行された法律で,電子署名と認めるものと認
証機関に関する規定が記されている。公文書は対象外で私文書に限り,電磁的記録
の情報に本人による一定の電子署名が行われている場合,真正に成立したものとす
る。以上の内容を念頭に,選択肢を順番に見ていく。
ア:電子署名技術は(現在は公開鍵暗号技術が主流になっているものの)特定し
ていない。したがって誤り。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
23
PM-H20 午前解答・解説
イ:電子署名は電磁的記録に対して行うもの。したがって誤り。
ウ:これを認めるために制定された法律。正しい。
エ:実際に民営の認証局が存在していることからもわかるとおり,政府運営の認
証局だけではない。電子署名法では,認証局を認定するスキーマを規定して
いるだけで,認証局そのものを定義しているわけではない。したがって誤り。
問 55:正解エ
行政手続きオンライン化法に関する問題。申請や届出などの行政手続きをインタ
ーネットで実現させる電子申請は,行政手続きオンライン化法によって可能になっ
た部分が多い。したがって,行政手続きオンライン化法を念頭に置きながら選択肢
を順番に見ていく。
ア:第 3 条には「行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの
記録がされた時に」到達した(提出された)とみなすとしている。したがっ
て誤り。
イ:従来の申請と同じく代理人が可能なものは原則,代理人の申請が可能。税務
関連や社会保険,労務関係などで,税理士や社会保険労務士が代理申請する
ことは普通に行われている。
ウ:特にクレジットカードに限定されていない。誤り。
エ:正しい。
©2009 Yasuyuki Miyoshi
24
PM-H20 午前解答・解説