Points of View SMFG との提携事業のポイント プロミスと三井住友フィナンシャルグループ (SMFG)の業務提携は、三井住友銀行(SMBC)、 アットローン、プロミスの 3 社によるカスケード スキーム事業に結実しました。幅広い金利帯の商 品によって、多様な顧客のニーズを取り込むこと ができるこの事業は、業務提携の象徴ともいえま す。プロミスはカスケードスキーム事業のコーデ ィネーターとして、ローン商品の与信審査、債権 管理・回収などを全面的に支援しています。 SMBC の顧客基盤とブランド力、プロミスの消費 者金融におけるノウハウ――この二つが融合し、 新たな力が生み出されます。 Annual Report 2005 9 Points of View プロミスは、三井住友フィナンシャルグループ (SMFG)との業務・資本提携を、2004 年 6 月に発表しました。同年 9 月に業務提携基本契 約を締結した後、具体的な取り組みを着々と進 め、2005 年 4 月にはカスケードスキーム事業 を開始しました。 市川 泰久 取締役、常務執行役員 提携推進部門管掌 兼 提携推進部、提携事業部、 提携プロジェクト、 プロミスローンセンター担当 業務提携は着実に進展 2004 年 6 月に SMFG との提携を発表した際は、下記の 6 点を具体的な方針として 打ち出しました。 プロミスと SMFG の業務提携内容 ① 8 ∼ 12 %程度の金利商品を三井住友銀行(SMBC)の販売チャネルを通じて提供する。 ② 15 ∼ 18 %の金利商品を提供する消費者金融会社を新たに設立する。 ③ SMFG グループのジャパンネット銀行との包括的な提携を進める。 ④スモール法人マーケットに対するファイナンス事業の共同研究を実施する。 ⑤各階層において人材交流を実施する。 ⑥ SMFG グループの三井住友カード、さくらカードとの業務提携を拡充する。 この進展状況をご報告します。①は、後述のカスケードスキーム事業により既に実現し ています。②は、新たに会社を設立する代替策として、アットローンの株式をプロミスが 50 %超保有することで、インフラは整いました。③は、ジャパンネット銀行の無担保ロ ーン商品の保証業務を、プロミスが行うことで実現しました。④は、具体的な事業として 動き出すのは先ですが、研究は鋭意進めています。例えば、SMBC が財務諸表をもとに 審査する一方で、プロミスが経営者個人を審査し、その情報を組み合わせた与信の有効性 などを探っています。⑤については、カスケードスキーム事業の要となる東京・汐留の受 付センターに、両社の人材が集まっています。⑥は、当初から時間をかけて取り組む課題 としており、現状は大きな動きがありません。 10 Promise Co., Ltd. カスケードスキーム事業の各社商品概要 SMBC アットローン プロミス 商品形態 無担保ローン 無担保ローン 無担保ローン 貸付限度額 300万円 300万円 200万円 貸付年利率 8∼12% 15∼18% 18∼25.55% ACM ACM ACM 有人店舗 電話 郵便 電話 郵便 SMBCおよび アットローン からの紹介等 新規申込 チャネル 郵便 インターネット インターネット等 SMBCからの紹介等 以上のように、プロミスと SMFG の業務提携は、実績を伴って進展しています。今後 もさらなる関係強化を進め、プロミスの業績向上につなげていきます。 業務提携の象徴∼カスケードスキーム事業 プロミスと SMFG の業務提携によって、画期的なカスケードスキーム事業が動き出し ました。カスケード(cascade)とは、“階段状に連続した滝”の意で、この階段に該当 するのが「SMBC、アットローン、プロミス」の 3 社です。 各社はそれぞれの商品を用意しており、お客さまの融資希望額と信用度に応じて 3 社 の商品いずれかを提供することで、幅広いニーズに対応します。また、SMBC のブラン ド力活用による集客効果と SMBC の顧客基盤へのダイレクトマーケティングも大切な要 素です。 これらを通じた申し込みに対し、新しいチャネルとして期待されるのが、SMBC の 400 を超える店舗に設置されたローン契約機(ACM)です。ACM では、3 社の商品そ れぞれへの申込みはもちろん、3 社同時に申し込むこともできます。仮に、SMBC が融 資をお断りするケースがあっても、お客さまの希望により、アットローンやプロミスに紹 ローン契約機 介することができます。貸付金利が低い方から高い方へ流れる“カスケード現象”が生じ るわけです。また、ACM 以外の申込チャネルとして、電話やインターネットも利用して いただけます。 1 人の潜在顧客の融資申し込みを 3 社が受け付け、幅広い金利帯の商品によって 様々なニーズに対応するカスケードスキーム事業こそ、プロミスと SMFG の業務提携の 象徴的な事業といえます。 Annual Report 2005 11 カスケードスキーム事業の概要 8.0% 12.0% SMBC 審査 15.0% 18.0% アットローン 融資 審査 融資 25.55% プロミス 審査 融資 保証 SMBCカードローンプラザ アットローンセンター プロミスローンセンター 東京・汐留の受付センターに集約 約600名の正社員、契約社員を配置。 SMBCカードローンプラザ カスケードスキーム事業の申込受付は、新たに設置した東京・汐留の受付センターが行 います。ここには、SMBC カードローンプラザ、アットローンセンター、プロミスロー ンセンターと呼ばれる、各社の商品の受付センターが同居しています。3 社はそれぞれの 融資申込みに対して審査を行いますが、プロミスが SMBC とアットローンに対する保証 をし、実質的に 3 社の審査を行うことになります。そのため、プロミスは新たな与信シ ステムを開発しました。 新受付センターには約 600 人の人員が配置されていますが、3 社の正社員のほかに、 多数の契約社員を採用しています。電話応対等で顧客との接点が多い業務を任せるために、 事業スタート前から採用し、トレーニングも数ヶ月かけて行いました。顧客にとって窓口 となる人材の育成には、今後も力を入れていきます。 対等なパートナーとして SMFG との提携事業を推進 カスケードスキーム事業は、ACM の SMBC 店舗への設置や銀行の顧客基盤にアクセ スできる点で、画期的な取り組みです。提携前のプロミスはもちろん、広くノンバンク全 体を見渡しても、容易に真似のできない仕組みといえます。また、プロミスと SMFG が 対等のパートナーであるという信頼関係は、何ものにも代え難いと考えています。業務提 携発表の際に強調した、「提携事業によって生じる利益は折半にすること」は、このカス ケードスキーム事業においても貫かれています。 しかし、カスケードスキーム事業がゴールではありません。スモールビジネスローンや クレジットカードなど、まだまだ具体化しなければならない提携事業があります。プロミ スと SMFG は、引き続きお互いの信頼関係を強固にし、業容の拡大に邁進します。 12 Promise Co., Ltd.
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