日本小児循環器学会雑誌 10巻3号 341∼346頁(1994年) 〈原 著〉 CATCH 22症候群の心奇形 (平成6年4月7日受付) (平成6年7月1日受理) 東京女子医科大学循環器小児科 門間 和夫 近藤 千里 高尾 篤良 松岡瑠美子 安藤 正彦 九州厚生年金病院小児循環器科 城 尾 邦 隆 key words:CATCH 22症候群, DiGeorge症候群,円錐部動脈幹異常顔貌,染色体異常,ファロー四徴症 要 旨 CATCH 22症候群はDiGeorge症候群と円錐部動脈幹異常顔貌症候群を含み,22番染色体q11.2の部 分欠失により生じる.22番染色体q11.2領域のDNA probeであるOncor社N25を用いたFISH法で22 q11.2領域の欠失を証明した48例の心奇形を報告した.心奇形は39例がファロー四徴症(半数が肺動脈閉 鎖を合併)であった.DiGeorge症候群4例の心奇形は,総動脈幹残遺症1例, B型大動脈弓離断症1例, 肺動脈閉鎖を伴うファロー四徴症2例であった.ファロー四徴症では大部分に,右大動脈弓,鎖骨下動 脈起始異常,異所性動脈管,主要大動脈肺動脈側副血管など,発生初期の4弓と6弓の異常に由来する 大血管奇形が合併していた.CATCH 22の患者16人の親の染色体検査を行い,円錐部動脈幹異常顔貌と 軽度の精神発達遅滞を持つ母親3人に22q11.2の欠失が認められた. 緒 言 報告する. 22番染色体の長腕の微細な一部(q11.2部分)の欠失 対象と方法 がDiGeorge症候群1)2), Shprintzen症候群3),円錐部動 対象は東京女子医科大学心研小児科の入院および外 脈幹異常顔貌症候群4)の原因である事が判明し,これ 来患者39名と母親1名,九州厚生年金病院小児科の患 ら22q11.2の欠失により生じる疾患はCATCH 22症候 者5名と母親2名,札幌医科大学小児科の患者1名で 群と総称されるに至った2).22番染色体のq11.2欠失は ある.いずれもOncor社N25を用いたFISH法で22 高度分染法などの通常の染色体分析では必ずしも認め q11.2の欠失が証明された.この48例は,胸腺欠損,新 られず,この部分のDNA probeを用いた分子遺伝学 生児期の低カルシウム血症を伴うDiGeorge症候群4 の手法(FISH法)で証明出来る5)6).22番染色体q11. 例,円錐部動脈幹奇形と円錐部動脈幹異常顔貌(図1) 2の欠失は出生3,000人乃至4,000人に1人生じ,先天性 により検査された50名中の41名,円錐部動脈幹異常顔 心疾患の約3%に認められることが判明した7).この 貌症候群の患者の母親9人,両親8人を検査した中の, 頻度は先天性心疾患の染色体異常としてDown症候 群に次ぐ頻度であり,極めて重要である.私達は1994 母親で心奇形を合併しない3名である.この母親3人 は円錐部動脈幹異常顔貌を持ち,その2名は軽度の智 年1月より前述の染色体probeを用いて22番染色体 恵遅れを,1名は口蓋裂を合併していた.この48名中 q11.2の欠失を証明出来るようになった.この論文では の40名は1993年12月以前に採血し,細胞株化して保存 22番染色体q11.2の欠失を証明した48症例の心奇形を しておいたリンパ球染色体を検査した.8名は新鮮な リンパ球の染色体検査をおこなった. 別刷請求先:(〒162)東京都新宿区河田町8−1 東京女子医科大学心研小児科 染色体probeはPennsylvania大学のEmanue1教 門間 和夫 授が開発し,Oncor社から発売されているN25を用 Presented by Medical*Online 日小循誌、 10 (3), 1994 342−(4) ぜ ヨ攣 襟 償 講騨 汐 ψ 〉 ざ も . ζ 、 [ ・ 1こ 一“・ s・ノ .. . 2y.M..TF,ARSA,ALPA,AR,TCSD, 3y,F..TF, ARSA,PLPS CATCH 22 SYNDROME 図1 CATCH 22の円錐部動脈幹奇形顔貌.表2中の症例6と8. 表1 染色体22q11欠失に伴う先天性心疾患 囎鮮 (先天性心疾患有り45,無し3) 響冒ーー﹀ 」 ファロー四徴症・肺動脈閉鎖・主要体肺側副動脈 (MAPCA) ファロー四徴症・肺動脈閉鎖・動脈管開存 ,轡 \ 。襟ー 霧拳 ファロー四徴症 (小 計) 16 (39) 大動脈弓離断症(B型) 総動脈幹残遺症(1型) 無名動脈(腕頭動脈)孤立症2°) 両大血管右室起始症 (大動脈下心室中隔欠損,肺動脈狭窄) 心室中隔欠損症(膜性部小欠損) CATCH 22 22qlldeletion(FlsH) 心奇形無し(患者の母親) 図2 FISH法による22q11.2欠失の証明.22番染色体 の/本は正常で4個(1個は薄い)の螢光点(A)を 呈するが残り1本は22q11.2の欠失により2個の螢 光点(B)を呈する. 22q1L2欠失を有する48例の先天性心疾患の病型を 表1に示す. い,FISH法(Flu〔〕rescence In Situ Hybridization) 肺動脈閉鎖の病型を含めると各種のファロー四徴症 を行った.ここに報告する48名では,図2に示す如く が39例で,心奇形合併例(45例)の87%を占めた.肺 染色体22番の1本で,qlL2の螢光点が欠如している事 動脈閉鎖を合併するファロー四徴症の中では,動脈管 により,22q11.2欠失と診断された.なおこの検査で22 を欠如し,主要体肺側副血管(MAPCA)を合併する q11.2の欠失無しと診断された先天性心疾患の症例は 病型が多かった. 60{列ある. 2.CATCH 22症候群に合併するファロー四徴症の 患者の母親3名を除き,先天性心疾患は心エコー図 特徴 と心臓カテーテル・造影検査により診断を確定した. 肺動脈閉鎖ではないファロー四徴症16例の心臓血管 結 果 奇形を表2に示した.この表で明らかな如く,CATCH 1.CATCH 22症候群の心奇形 22症候群に合併するファロー四徴症には大動脈弓奇形 Presented by Medical*Online 平成6年10月1口 343−(5) が高率に合併していた.即ち右側大動脈弓(5例),右 心奇形以外の合併疾患は表に示す如くで,口蓋裂(3 側大動脈弓に合併する左鎖骨下動脈起始異常(1例), 例),中耳炎(1例),顔面神経麻痺(2例),その他が 右鎖骨下動脈起始異常(4例),主要体肺側副血管 (MAPCA)(4例),異常動脈管(3例,内1例は右鎖 認められた. 3.DiGeorge症候群の症例 骨下動脈の孤立性,2例は左肺動脈の動脈管起始),動 表3に示す如く胸腺が欠損したDiGeorge症候群が 脈管開存(1例),異常に高い鎖骨に達する大動脈弓(4 4例に認められた.その心奇形と心臓以外の疾患を表 例)が合併していた.そのほかに大動脈弁閉鎖不全(5 3に示した. 例),円錐部中隔全欠損(4例),左上大静脈遺残(4 4.親子例 例),心房中隔欠損(1例),卵円孔開存(3例)が合 表4に示す如く,親子例が3組に認められた.いず 併していた. れも発端者はファロー四徴症で,2例では肺動脈閉鎖 円錐部動脈幹異常顔貌が16例全てに認められた.ま を合併していた.それぞれの母親に円錐部動脈幹異常 た軽度の精神発達遅滞が全ての例で認められた.IQを 顔貌(3例),軽度の精神発達遅滞(2例),口蓋裂(1 測定した例は10例で,50乃至90であった. 例)が認められた. 表2 ファロー四徴症16例の合併心臓血管奇形,及び心臓以外の奇形と合併症 症例 年齢 性 特異 顔貌 精神発 達遅滞 十 男 1 6 2 12 男 3 17 女 十 4 24 5 8 女 十 6 2 7 7 8 3 9 3 10 6 11 3 12 15 十 十 ヰ 十 十 男 TF, RAA, High AA, MAPCA、 PLSVC 左顔面神経麻痺 TF, RAA, PFO, cleft MV 左顔面神経麻痺 中耳炎,潜伏睾丸 十 十 TF, RAA, MAPCA, TCSD, ALPA TF, ARSA, TCSD, ALPA, AR 十 男 男 TF, ARSA, High AA 十 TF, ARSA, PLPS, PFO 十 十 十 TF, MAPCA, ARSA 十 十 十 TF, PDA, PFO, AR 先天性白内症 TF, AR, TR 粘膜下口蓋裂 胸腺低形成 TF, PLSVC、 TCSD, ASD 躁鶴病 TF 口蓋裂,脳梁欠損 男 16 1 十 十 6 十 十 15 十 女 十 7 男 男 12 粘膜下口蓋裂 TF, IRSA, PFO, AR 十 十 男 男 男 男 13 14 合併症 TF, RAA, MAPCA, ALSA 十 十 心臓以外の奇形と TF, RAA, ILSA 十 十 女 心臓血管奇形 十 TF, TCSD, High AA、 AR, PLSVC 十 TF, High AA, PLsVC 咽頭下垂二分裂 略語.ALPA:左肺動脈近位部欠損(左肺動脈動脈管起始),AR:大動脈弁閉鎖不全, ALSA: 左鎖骨下動脈起始異常,ARsA:右鎖骨下動脈起始異常, High AA:高位大動脈弓, IRSA (ILSA):右(左)鎖骨下動脈孤立, MAPCA:主要大動脈肺動脈側副動脈, PDA:動脈管開存, PFO :卵円孔開存, PLPS二左肺動脈末梢狭窄, PLSVC:左上大動脈遺残, RAA:右側大動脈 弓,TF:ファロー四徴症, TR:三尖弁閉鎖不全, TCSD:円錐部中隔全欠損, TR:三尖弁閉 鎖不全. 表3 DiGeorge症侯群の合併奇形 症例 年齢 女 十 十十 十 精神発 達遅滞 十十十十 特異 顔貌 男男女 331ユ1 7 Ω∪ 0∨ 01 1 1 り乙 性 心臓血管奇形 総動脈幹残遺症,PLSVC, AR 心臓以外の奇形と 合併症 口蓋裂 大動脈弓離断症(B),心室中隔欠損 TF, PA, MAPCA, RAA, high AA 癒着性中耳炎 TF, PA, MAPCA, RAA, PDA 肺炎,肺血症 略語.PA:肺動脈閉鎖.その他は表2と同じ. Presented by Medical*Online 日本小児循環器学会雑誌 第10巻 第3号 344−(6) 表4 親子の22q11.2欠失例 21 17 女 1 6 母親 *⑳ 十 *一 十 22 十 十 女 母親 精神発 達遅滞 十 16 男 母親 特異 顔貌 十 性 十 年齢 十 症例 寸 十 十 心臓血管奇形 心臓以外の奇形と 合併症 TF, PA、 RAA, R−PDA, PLSVC, PFO 無し TF, high AA, PLSVC 咽頭下垂二分裂 無し high AA 粘膜下口蓋裂 慢性中耳炎 無し 口蓋裂 TF, PA, MAPCA, RAA, ASD, TCSD, この母親は知能正常と思われるが,知能テストは行われていない. cardio−facial syndrome(Shprintzen)の22q11.2欠失 考 察 従来ファロー四徴症の一部における特異な顔貌が高 の頻度は76%と報告されている3). 尾らにより円錐部動脈幹異常顔貌8)として認識され, 表2に示した如く,CATCH 22に合併するファロー この症候群とDiGeorge症候群,神経堤細胞との関係 四徴症には大動脈弓と動脈管の奇形,即ち発生初期の が1980年代に明らかになった9).1992∼3年に至り, 大動脈4弓と6弓の異常による奇形が16例中13例, DiGeorge症候群,円錐部動脈幹異常顔貌症候群が染 81%に合併していた.このように大動脈奇形が高率に 色体22q11.2の欠失により生じている事が明らかに 合併する理由はCATCH 22がGiGeorge症候群と重 なった1)一一4).わが国でも22q11.2欠失検査が出来るよう 複する症候群であり,発生初期の神経堤細胞の異常に になり,CATCH 22症候群の臨床像が明確になりつつ より生じている事と関係していると思われる.神経堤 ある. 細胞は心臓大血管の発生初期に円錐部動脈幹の形成上 CATCH 22症候群のCはCardiac defects, Aは 極めて重要であり,その異常により各種の円錐部動脈 Abnormal faces, TはThymic hypoplasia, CはCleft 幹奇形と顔貌異常を生じる’3).また臨床上,ここに報告 palate, HはHypocalcemia,22は22番染色体の部分欠 した大動脈弓と動脈管の奇形を合併するファロー四徴 失を意味する2). 症では,CATCH 22を疑って22q11.2の検索を行うべき CATCH 22症候群の頻度については, Burnは出生 である.CATCH 22のファロー四徴症には大動脈弁閉 3,000∼4,000に1人,先天性心疾患の約3%と発表し 鎖不全の合併もしばしば認められ,発生初期には神経 た7). 堤細胞が大動脈弁まで遊走し分布する事14)から興味が 各疾患,症候群に於ける染色体22q11の欠失の頻度 ある. 表2には心臓以外の奇形と疾患が列記されている. について,現在急速に解明されつつある. 特異な顔貌と円錐部動脈幹奇形の組み合わせを私達 その中で注目されるのは,軽度の精神発達遅滞が全て は円錐部動脈幹異常顔貌症候群1°)と呼んできた.この の例に認められた点である.IQ, DQを調べた例では, 顔貌は顔が縦に細長く,目が細く,鼻の下が短く,口 50乃至90であり,100を超えた例は無かった.知能に関 が小さい.この症候群はファロー四徴症の13%を占め 係する遺伝子は恐らく多数あり,22qll.2の欠失で知能 る3).私達が臨床的に典型的な円錐部動脈幹異常顔貌 に関係する遺伝子が欠失しているものと思われる. と診断した5症例はBurnが血液を英国に持ち帰り検 表2には口蓋裂の合併が3例含まれているが,恐ら 査した結果,全例に22qll2欠失を証明した4)ll).またこ くこの研究での口蓋裂の合併率は過少評価であり,診 こに報告した22qll.2欠失症例は,ほぼ全て典型的な円 断されていない粘膜下口蓋裂を合併する例があると推 錐部動脈幹異常顔貌を具えていた.逆に円錐部動脈幹 定される.1978年にShprintzenがVelo・cardio−facial 異常顔貌を疑って検査した中に数例の22ql12正常例 syndromeを記載した発端者は主に口蓋裂の患者で がいたので,疑い例を入れると,円錐部動脈幹異常顔 あった’5).本症候群は通常鼻声であり,鼻咽頭腔閉鎖不 貌症候群の80∼90%に22q11.2の欠失が証明されたこ 全があり,その為に耳管の閉塞と中耳炎を合併し易い とになる.従って,ファロー四徴症の約10%は と思われる.従って中耳炎についても,恐らく頻度は CATCH 22症候群に属すると思われる.文献上Velo一 もっと高いと思われる.本邦でも木村18)は耳鼻咽喉科 Presented by Medical*Online 平成6年10月1日 345−(7) の立場から同様の症例32例を報告した18). genetic etiology for DiGeorge syndrome:Con− 表3に示したDiGeorge症候群は,手術時に胸腺欠 sistent deletons and microdeletions of 22q11. 損が認められた症例である.DiGeorge症候群で22q!1. 2検査を行ったのはこの3例であり,その全てに22ql1. 2の欠失が認められた.文献上もDiGeorge症候群の 88%に22q1L2の欠失が証明されている1・3). CATCH Am J IIum Genet 1992;501924 933 2)Wilson DI, Burn J, Scambler P, Goodship J: DiGeorge sylldrome:Part of CATCH 22. J Med Genet 1993;30:852−856 3)Driscoll DA, Salvin J, Sellinger B, Budarf M, 22症候群に於いては一方の22番染色体にq11.2の部分 McDonald−McGinn DM, Zackai EH, Emanuel 欠失がある.文献上,CATCH 22症候群の親子の検査 BS:Prevalence of 22qll microdeletions in では,90%以上の親は正常3)なので,この部分欠失は配 偶子が減数分裂で出来る際に生じたと推定されてい DiGeoge and velocardiofacial syndromes二 Implications for genetic councelling and pre− natal diagnosis. J Med Genet 1993;30:813 817 る.しかし少数ではあるが親から遺伝している場合が 4)Burn J, Takao A, Wilson D, Cross I, Momma K, ある.即ちDriscollは76組中5組の親子に22qll.2の欠 Wadey R, Scambler P, Goodship J:Conotrun− 失を証明した3).その3例が父親,2例が母親からの遺 cal anomaIy face syndrome is associated with a 伝で,これらの親は5例とも軽度の精神発達遅滞を合 併していた3).一方英国からは先天性心疾患の子供3 deletion within chromosome 22q11. J Med Genet]993;30:822 824 5)Roberts R, Towbin J: Principles and techno・ 人と心奇形の無い母親に22qlL2の欠失を証明した家 ques of molecular biologies, in Roberts R(ed): 族発生例が報告されている’6).また同じく英国からの Molecular Basis of Cardiology. Blackwell 研究では9組の先天性心疾患の家族発生例中の5組に Scientific Publications Oxford,1993, ppユ5−112 22q11.2の欠失が証明された.私達の16組の発端者とそ 6)池田宗一:cDNAと遺伝子をクローニングする, in矢崎義雄,永井良三編集:Focus循環器4:分 の親の検索では,2組(共に母親)に22ql1.2の欠失を 子生物学入門,永井書店,東京,1993,pp18−26 証明したが,これらの母親は円錐部動脈幹異常顔貌と 7)Burn J, Takao A, Wilson DI, Cross IE, Scamb− 鼻声,軽度の精神発達遅滞を合併していた.また円錐 ler pJ, Goodship J: Clinical genetics and 部動脈幹異常顔貌を具えていない親には,22qll.2の欠 22qll deletin, in Clark EB, MarkwaId RR, 失が無かった.親にこの染色体異常がある場合には子 Takao A(eds):Etiology and Morphogenesis of 供に50%の確率で同じ異常が生じるので,遺伝相談が 必要である.Philadelphiaでは羊水穿刺により得た胎 児の細胞を用いて胎児診断まで始めている3). 尚,最近大阪大学の倉橋らはヒト22番染色体から多 数のコスミッドマーカーを単離して座位を決定し,そ の1つcHKAD−26がDiGeorge症候群に関係した領 域に相当し,2例のDiGeorge症候群で欠失していた と報告した19). Congenital Heart Disease:Inborn Heart Dis− ease and Developmental Mechanisms. Futura, Mt. Kisco,1994(in printing) 8)木内晶子:円錐動脈幹奇形に伴う特有顔貌に関す る研究.円錐動脈幹顔貌.東京女子医大誌 1980; 50:396−409 9)高尾篤良:DiGeorge症候群,円錐部動脈幹異常顔 貌症候群とその周辺と22−q11欠失.杉本恒明,松 本昭彦,杉下晴郎,門間和夫(編集):Annual Review循環器,1994, ppl97−201 結 語 10)Takao A, Ando M, Cho K, Kinouchi A, Mura− 22番染色体q11.2の欠失による先天性心疾患の発見 kami Y:Etiologic categorization of common は,約40年前にDown症候群の染色体異常が確定した 際のimpactに匹敵するような重要性を持つ.基礎的 congenital heart disease, in Van Praagh R, Takao A(eds):Etiology and Morphogenesis of Congenital Heart Disease. Futura, Mount な研究により,22q11.2に含まれる遺伝子が同定され, Kisco,1980, pp253 270 心奇形や顔貌異常,その他の責任遺伝子が解明される 11)門間和夫:家族性心疾患の分子生物学.日小循誌 1993;9:247−253 事が期待される.22q11.2の欠失部分の大きさに差があ り,DiGeorge症候群や円錐部動脈幹異常顔貌症候群 の合併奇形に差を生じている可能性もある.これらの 12)Moes CAF, Freedom RM:Rings, slings, and other things:Vascular structures contributing to a neonatal noose, in Freedom RM, Benson 問題の解明が期待される. LN, Smallhorn JF;Neonatal Heart Disease. 文 献 Springer Verlag, London,1992, pp731−750 1)Driscoll DA, Budarf ML, Emanuel BS:A 13)Kirby ML:Cardiac morphogenesis、 Recent Presented by Medical*Online 日本小児循環器学会雑誌 第10巻 第3号 346 (8) research advances. Pediatr Res 1987;21:219 − 14) 15) 16) 224 isolated aortic coarctatiorl and isolated ventricular septal defect in three sibs with a Kirby ML:Apreview of the molecular basis 22qユ1 deletion of maternal origin. Br Heart J for neural contribution to heart development, in 1991;66 308 312 Clark EB, Markwald RR, Takao A(eds): 18)木村 照:[蓋裂を伴わない鼻咽喉不全症32症例 Etiology and Morphogenesis of Congenital の治療経験.耳鼻臨床 1977;70:597−621 Heart Disease:Inborn Heart Disease, Develop− 19)Kurahashi H, Akagi K, Karakawa K, Na・ mental Mechanisms. Futura, Moulユt Kisco,1994 kamura T, Dumanski JP, Sano T, Okada S, (in printing) Takai S, Nishisho I:Isolation and mapping of Shprintzen RJ, Goldberg RB, Lewin ML, Sidoti EJ, Berkman MD, Argamaso RV, Young D:A cosmid markers on human chromosome 22, including one within the submicroscopically new syndrome involving cleft palate, cardiac deleted region of DiGeorge syndrome. Human anomalies, typical facies, and learning disabil− Genet 1994;93:248 254 ities:Velo−cardio−facial syndrome.Cleft Palate 20)関 公平,富田 英,池田和男,千葉峻三:右腕頭 J 1978;5:56−62 動脈分離と右側動脈管開存の合併により肺動脈に Wilson DI, Cross IE, Goodship JA, Coulthard S, 還流する動静脈奇形を呈した心臓顔症候群の1 Carey AH, Scambler PJ, Bain HH, Hunter AS, f列. 日小循i誌 1993;9:110 Carter PE, Burn J: DiGeorge syndrome with Cardiovascular Anomalies associated with CATCH 22 Kazuo Mommal), Chizato Kondol), Atsuyoshi Takao1), Masahiko Ando1), Rumiko Matsuokai)and Kunitaka Joh2) 1}Department of Pediatric Cardiology, Tokyo Women’s Medical College, Tokyo 2}Department of Pediatric Cardiology Kyushu Koseinenkin Hospital, Kitakyushu’shi Deletion of chromosome 22q11.2causes CATCH 22 syndrome, including DiGeorge syndrome and conotruncal anomaly face syndrome. We report 48 cases with CATCH 22 and deleted 22 q11.2proven with FISH and Oncor N25.Cases with CATCH 22 included 39 cases with tetralogy of Fallot,2cases with ventricular septal defect,1case with truncus arteriosus,1case with interrupted aortic arch type B, one case with isolated brachiocephalic artery, and one case with double−outlet right ventricle. Three mothers of probands had conotruncal anomaly face, mild mental retardation, normal heart, and deleted 22qll.2. Tetralogy of Fallot in CATCH22 was commonly associated with aortic arch anomalies,such as right aortic arch, anomalous origin of the subclavian artery, anomalous ductus arteriosus causing isolation of the subclavian artry or isolation of one pulmonary artery, and major aorto−pulmonary collateral arteries. Presented by Medical*Online
© Copyright 2024 Paperzz