ヒトと動物の関係学会 第12回学術大会 2006.3.25 動物介在教育(AAE)を考える 動物介在教育(Animal Assisted Education)の多面性 帝京科学大学 アニマル・サイエンス学科 横山章光 使用する動物 ウサギ、チャボ ハムスター、モルモット、小鳥、虫、魚 犬、猫、馬 1 介在方法 ・学校で飼う 教室で飼う、教室で個々が飼う、学校飼育動物 ・学校に教師などが同伴する ・第三者とともに動物に訪問してもらう 獣医師関係、移動動物園 ・ビデオや本などを使用する ①動物を通して生命・自然を学ぶ(≒ 対:自然=自分) 少子化、機械化、都市化などが進むにつれて体感できなくなってきた ことを動物を通して学んでいく試みである。内容としては生や死、食事 や排便、世話、交尾や出産、臭いなどがある。 ・学ぶというより、感じる ・育てたものを食べるという試みもあった 2 ②動物との付き合い方を学ぶ(≒ 対:動物) 犬による咬傷事故は各国で大きな問題となっている。それは犬とい う動物の特徴を把握していないために起こることが多いため、それを 教育する。 また、様々な動物を飼う際のエンリッチメントや、それぞれの動物 の快・不快のサインを知ることも学習のひとつとなる。それは「相手 の立場に立って考える」ということを学ぶことでもある。 ・感じるというより、学ぶ ・福祉もここ? ③動物との関係性に焦点を当てる。(≒ 対:他人) これは教育というより、保護者や教師からの関わりが必要な部分で ある。 例えばペットが死んだ際の対応によってそれは学習たりえる。子ども の個々の死に対するイメージを作ることにもなり、その動物との関係性 は、人間との関係性につながっていく。また、ペットの虐待が強く持続 的に見られるケースでは、専門家への相談が必要になることもありうる。 ・何かが起こったときの教師・友人・保護者の反応 ・学ぶことも感じることも 3 ④動物を用いて学習効果を狙う(≒ 対:能力) これはむしろ動物介在療法(AAT)に近いものであるが、例えば教育 現場でなんとなく犬や猫を徘徊させておく、つまり教室をぶらぶらさせ る、という取り組みにより、子どもたちはむしろ授業に集中し、問題行動 を減らし、社会・認知的発達を助ける、などのポジティブな結果が出て いる(犬、猫、鳥)。 さらに米国で最近広がっているREAD ( Reading Education Assistance Dogs)というプログラムでは、図書館や学校などに訪問してくる犬に対 して、子どもたちが本を読んであげる。それにより、音読が不得意な子 どもがそれを厭わなくなったり、本を読む楽しみを見つけたりする。しい ては自尊心の向上につながると言われている。 ・どちらかというと大人主体 動物 自然=自分 動物 他人 能力 4 関連する代替補完療法 (Complementary and Alternative Medicine) ・園芸療法 ・森林療法 ・タラソテラピー ・音楽療法 ・アロマ・セラピー ・芸術療法 ・ダンス療法 ・絵画療法 ・プレイセラピー ・光療法 5
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