熱抵抗と電気抵抗 電源用の I C やパワーアンプを使う機器を設計する場合、デバイ ところで、同図で、横軸を電流に、縦軸を電圧降下に置き換える と、図中の直線の傾斜は電気抵抗を表していることになります。 スメーカの推奨回路や回路シミュレータが充実してきたことで、 このことから、電気抵抗と熱抵抗の置き換えができることに気づ 使用する回路やデバイスは比較的簡単に決定できるようになりま くはずです。つまり、 した。ところが、実装を考える段になると、熱の問題を考慮しな ければならず、普段パワーデバイスを扱うことがない技術者の場 合、手が止まってしまうことがあるようです。 パワー回路の熱設計では、デバイスの損失(発熱量)とジャンク ション、ケース、周囲など各部の温度、そしてデバイスやヒート シンクの放熱特性を元に設計を進めます。この際に、放熱の特性 を表す量として「熱抵抗」という名のパラメータが登場します。 熱抵抗は、電気量ではありませんが、電子技術者の場合は、熱抵 抗を理解することで、熱の問題を電気回路に置き換えて考えるこ 電圧降下 = 電気抵抗 × 回路電流 (オームの法則) 温度上昇 = 熱 抵 抗 × 電力損失 という対応関係が成り立ちます。電力損失という表現では電気 の問題と混同しやすいと思うならば、発生熱量と言い換えれば良 いでしょう。ちなみに、技術者のセンスとして、オームの法則を、 I = E / R と理解するか E = I R と理解するかは時と場合によりま すが、覚える関係はひとつです。温度上昇・電力損失・熱抵抗 3 者の関係も同じことが言えます。 とができるというメリットがあります。 熱抵抗と電気抵抗 熱抵抗とは、1 W の電力で温度が何度上がるかを示した量です。 したがって、熱抵抗が小さいとは、放熱性が良く電力を加えてて もあまり温度が上がらないことを意味し、反対に熱抵抗が大きい とは、少しの電力ですぐに温度が上がってしまうことを意味します。 例えば、無限大の放熱板の熱抵抗はゼロです。また、小さなパッ ケージに入ったデバイスの熱抵抗は大きくなります。この関係を 示したのが右の図です。図中の線の傾きが熱抵抗を表しています。 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。 ︵ 電 圧 降 下 [ V ] ︶ 温 度 上 昇 [ ˚C ] 高抵抗 低抵抗 電力損失[W] (電流[A]) サーマル・レギュレーション装備、 モノリシック・リニアL i-Ionバッテリチャージャ 1 セル Li-Ion 用の完全なリニアチャージャ * 過熱の恐れなく最大充電レートを実現(サーマル ・ レギュレーション) 外付けの MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング ・ ダイオード不要 最大 1.5 A の充電電流 ガス・ゲージに有用な充電電流モニタ * C/ 10 充電電流検出出力 L T C ® 1 7 3 3 は、L i - Ion バッテリ用スタンドアロン定電流/定 電圧リニアチャージャです。サーマル・フィードバックによって 高電力動作時や高周囲温度条件下で、チップの温度を制限 しながら高い電流で充電可能です。MOSF E T 内蔵で外付 けの電 流センス抵 抗やブロッキング・ダイオードが 不 要です。 充電電流と充電時間は、1 個の抵抗とコンデンサでそれぞれ 外部設定でき、N T C 温度検知、C/10 検出回路、A C 検出 ロジック、4.1 V/4.2 Vピン選択、バッテリ低下時の充電調節 (トリクル充電 )などの機能も搭載しています。 VIN = 5V 8 2 SEL VCC 4.7µF BAT IBAT = 1A 9 4.2V LTC1733 4 TIMER PROG GND NTC 5 6 0.1µF 7 1-CELL Li-Ion BATTERY* 1.5k 1% *U.S.Patent No.6,522,118 ▲ スタンドアローン Li - I o n バッテリチャージャ SOT- 23、サーマル・レギュレーション機能付き スタンドアローンリニアL i-Ionバッテリチャージャ プログラマブル充電電流:800 m A 最大 外付け MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング・ダイオード不要 1 セル Li-Ion バッテリ向けの ThinSOT ™ パッケージ 過熱のリスクなしに最大充電レートを実現(サーマル・レギュレーション) VIN USB ポートから直接 1 セル Li-Ion バッテリを充電 4.5V TO 6.5V トリクル充電なし( LTC 4054 X ) 1µF L T C 4 0 5 4は、1 セルの L i - Ion バッテリ用の完全な定電流/ 定電圧リニアチャージャです。超小型の ThinSOT パッケー ジで外付け部品が少ないので、LT C 4054 は特に携帯アプリ ケーションに適しています。さらに、L T C 4 0 5 4 は U S B 電源 規 格の中で動 作 するように設 計されています。他の機 能と して充 電 電 流モニタ、低 電 圧ロックアウト、自動 再 充 電 、そ してステータスピンによる充電終了と入力電圧ありの表示が あります。 4 VCC BAT LTC4054-4.2 PROG 3 600mA 5 GND 4.2V Li-Ion BATTERY 1.65k 2 ▲ 600mA 1 セル Li-Ion チャージャ T hinSOTの終了機能付き リニアL i-Ionバッテリチャージャ プログラム可能な充電終了タイマ センス抵抗やブロッキング・ダイオードが不要 USB 電源からの充電に適合 プログラム可能な充電電流:200 mA ∼ 700 mA 過電流/過熱に対する自己保護機能 バッテリ低下時の充電調節(トリクル充電) PCB ソリューションの総面積( 700 mA ):わずか 75 mm 2 VIN 4.5V TO 6.5V L T C 4 0 5 6 は、プログラム可 能な終了タイマを搭 載した、低 コストの定電流/定電圧 1 セルL i - Ion バッテリチャージャで、 数個の外付け部品を使用するだけです。充電電流と充電時 間は 1 本の抵抗とコンデンサでそれぞれ外部設定できます。 シャットダウン・モードとスリープ・モードのどちらでもバッテリ から流出する電流はほぼゼロです。バッテリ低下時の充電調 節(トリクル充電) 、低電圧充電電流制限、自動再充電、充電 状態出力などの機能も搭載しています。 1 8 CHARGE STATUS 7 1µF 1µF 5 1.3k LTC4056 VCC ISENSE CHRG DRIVE TIMER/SHDN BAT 2 700mA 3 ZXT1M322 6 + PROG GND ▲ LT C 4056-4.2 標準的応用例 データシートと評価サンプルについては、当社Webサイトまたは販売代理店にお問い合わせください。 1-CELL 4.2V Li-Ion サーマル・レギュレーション装備、 USB互換 L i-Ionバッテリチャージャ 1 セル Li-Ion バッテリを USB ポートから直接充電 外付け MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング・ダイオードが不要 プログラム可能な充電終了タイマ USB PORT 1 % 精度のプリセット充電電圧 4.35V TO 5.5V C/ 10 充電電流検出出力 熱特性が改善された小型 10 ピン MSOP パッケージ 2 VCC BAT 9 + LTC4053-4.2 4 LTC4053 は、パワー MOSFETを内蔵し、外付けセンス抵抗 やブロッキング・ダイオードが不要です。サーマル・レギュレー ションによって充電電流を自動調整し、中断なしに最大レート で充電できます。充電電流と時間は 1 個の抵抗とコンデンサ で外部設定できます。入力電源を取り外すと自動的に低電流 のスリープ・モードになり、流出電流は 5 µA 以下になります。 N T C 温度検知、C/10 検出回路、A Cアダプタ検出ロジック、 トリクル充電などの機能も搭載しています。 4.7µF TIMER SHDN 8 GND NTC PROG 5 6 7 0.1µF SYSTEM LOAD Li-Ion BATTERY SUSPEND 3.74k USB CONTROL µC 100mA/ 500mA 15k ▲ USB 給電スタンドアローン Li-Ion チャージャ 4 A、高効率、スタンドアローン・バッテリチャージャ Li-Ion 2 ∼ 4 セル( LTC 4006 )、3 ∼ 4 セル( LTC 4007 )、汎用( LTC 4008 ) 高い変換効率:最大 96 % 充電電圧精度:± 0.8 % 、プログラム可能な充電電流 A C アダプタ電流制限により、最大充電レートを実現 広い入力電圧範囲:6 V ∼ 28 V 細型 SSOP:16 ピン( LTC 4006 ) 、24 ピン( LTC 4007 ) 、20 ピン( LTC 4008 ) LTC4006 ・ LTC4007は、2セル、 3 セルまたは 4 セルL i - Ion バッ DCIN 0V TO 28V テリ用、L T C 4 0 0 8 は汎用の完 3A 全な定電流/定電圧チャージャ・ VLOGIC コントローラです。このPWMコン CHG トローラは同期整流式、準固定 ACP 周波数、一定オフタイム・アーキテ CHARGING CURRENT MONITOR クチャを採用しており、セラミック・ コンデンサを使用した場合でも THERMISTOR 可聴ノイズを生成しません。充電 10k NTC 電流は1 本のセンス抵抗とプログ ラミング抵抗を使用してプログラ ムできます。外付け抵抗でプロ グラムされるタイマによって総充 電時間を設定します。 INPUT SWITCH 0.1µF 5k 32.4k 309k TIMING RESISTOR (~2 HOURS) CHG CLP ACP/SHDN CLN IMON TGATE NTC BGATE ITH 6k 0.033Ω 15nF 20µF 10µH 0.025Ω BATTERY PGND RT 0.0047µF 0.47µF INFET DCIN 100k LTC4006 20µF CSP BAT GND 0.12µF ▲ 4A Li-Ion バッテリ T hinSOTのUSBパワー・マネージャ USB 周辺機器とバッテリチャージャ間の総電力を管理 最小の電圧降下( 500 mA で 100 mV ) 超低バッテリ流失:1 µ A 逆電流ブロッキング・ダイオードが不要 弊社リニア・バッテリチャージャとの互換性 高さの低い( 1 mm )ThinSOT パッケージ L T C 4 4 1 0 は、U S B ポートに接続されているU S B 1 . 0 および 2.0 準拠の携帯機器を動作させたまま、そのバッテリを充電 することが可能です。L T C 4 4 1 0 は U S B 周辺負荷の増加に 比例してバッテリ充電電流を低減し、MOD Eピンの状態に 応じて、総電流を500mAまたは 100mA 以下に抑えることが できます。逆電流防止、サーマル・シャットダウン、U S B 一時 停止モードによる低消費電流( 500mA モードで 80µA)があり ます。 100mA 500mA 4.35V TO 5.5V FROM USB VIN 4.7µF GND 4.7µF LTC4410 CHP USBP IRLML6401 1Ω OFF ON SYSTEM POWER SUPPLY VOUT MODE 3.4k 1% SHDN PROG VCC TIMER 1M BAT NTC LTC4053 GND 1-CELL Li-Ion 0.1µF USB LTC4410 MODE MODE 500mA 1 100mA 0 SUSPEND 1 LTC4053 SHDN 1 1 0 ▲ USB 給電バッテリチャージャおよびパワー・マネージャ www. linear -tech.co. jp/ TIMELY NEWS ここに掲載した技術情報は一部です。 リスト内の情報や製品のデータシート、その他の技術資料は、すべて当社のWebサイトよりご覧いただけます。 www. l i near - tech.co. j p/ DN 320 USBからのバッテリチャージを簡単にする 新しいIC DN 283 Li-Ionリニアチャージャによる、PC DN 250 実装面積と外付部品点数が少ない低コスト SOT-23 Li-Ion バッテリチャージャ DN 242 PWMスイッチャにインタフェースする Li-Ion 充電終了 IC DN 239 Li-Ion バッテリ用 超小型低損失バッテリチャージャ ボードの温度を85˚Cに制限した高速、全電流充電 Linear Technology Chronicle 2003 年 6月 Vol. 12 No.6 ハンドヘルド・アプリケーション向け パワーマネージメントおよびワイヤレス・ソリューション Linear Technology Chronicle 2003 年 3月 Vol. 12 No.2 バッテリチャージャ Linear Technology Magazine 2002 年 12月 Vol. 12 No.4 英語 理想ダイオードコントローラが電力ORアプリケーションで ダイオードのエネルギー損失を解消 Linear Technology Magazine 2002 年 5月 Vol. 12 No.2 英語 LTC1733:サーマル・レギュレーションによる オーバヒートの心配がない最大レート でのLi-Ion 充電
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