「心肺蘇生法を実施しないこと」(DNAR)

「心肺蘇生法を実施しないこと」(DNAR)に関する説明書
京都民医連中央病院
心肺停止した人を発見した場合、医療従事者は心肺蘇生法を実施します。しかし、死が差し迫っており、か
つ心肺蘇生法を開始してもその効果がほとんどないと考えられる方が心肺停止した場合には、心肺蘇生法
を実施しないことがあります。この「心肺蘇生法を実施しないこと」を医療現場では DNAR(Do Not Attempt
Resuscitation)といいます。
患者様は、今後遠くない時期に心肺停止に至る可能性が高いと判断しております。そのため、心肺停止時
に心肺蘇生法を実施するかどうか、ご意向を確認しておくべきだと考えております。
以下に、心肺蘇生法と DNAR に関してご説明いたしますが、それを踏まえて心肺蘇生に関する患者様のご
意向をお示しいただければ幸いに存じます。
1 患者様の病状と、推測される今後の経過について
患者様は以下の病状にあり、近いうちに心肺停止状態に陥る可能性があります。
・
2 心肺蘇生法について
心肺停止した場合、当院では原則として心肺蘇生法を実施します。
○手技:心臓マッサージや人工呼吸などを行います。
○効果:心臓と呼吸の動きが再開する可能性があります。一旦は再開する可能性は40%あるといわれ
ています。
○副作用:肋骨や胸骨の骨折が生じる確率が、約30%だといわれています。また肝臓や脾臓の破裂が
起こることもあります。
3 DNAR について
死が差し迫っており、かつ心肺蘇生法を開始してもその効果がほとんどないと考えられる場合には、心肺蘇
生法を実施しないことがあります。この「心肺蘇生法を実施しないこと」を医療現場では「DNAR(Do Not
Attempt Resuscitation)」といいます。
4 DNAR 指示を出すために必要な条件
当院では、以下の三つの条件がそろった場合にのみ、DNAR の指示を出すことを許容しております。
○以下にあげる「DNAR の指示を出すことができる医学的基準」を患者が満たしていると、複数の医師
が判断している。
・最善の治療にもかかわらず、病状の進行によって死が差しせまった状態にある
・心肺停止した場合、仮に心肺蘇生しても短期間で死を迎えると推測される
○看護師を含む、複数の当院スタッフによって指示の妥当性が確認されている
○患者様から、「心肺蘇生法の実施は不要」との意向が示されている
5 DNAR 指示が出された後の対応
DNAR 指示が出されていれば、その後病気が進行して心肺停止に至った場合には、原則として心肺蘇生
法は実施しません。
ただし、想定された理由以外による心肺停止時(たとえば急に食べ物をのどにつめてしまったために生じる
突発的な心肺停止など)には、心肺蘇生法を実施します。
6 DNAR 指示の取り消しについて
「心肺蘇生法の実施は不要」と意向を示された後でも、ご希望が変化すれば、いつでもスタッフにお伝えくだ
さい。その時点で、DNAR 指示は取り消されます。
7 必要な治療やケアは続けます
DNAR 指示は、あくまで心肺停止時の対応に関する指示です。たとえ DNAR 指示が出されたとしても、生
命維持と症状緩和に必要な治療やケアを減らしたり、中止することはありません。
8 心肺停止状態に陥った場合には、患者様のご希望を最大限尊重します
今後、心肺停止し、仮に心肺蘇生しても短期間で死を迎えると推測される状態に陥った場合には、患者様
ご本人の意向を最大限尊重した対応をとります。
たとえば「心肺蘇生を行って欲しくない」というご意向があればそれを尊重いたします。逆に「心肺蘇生を可
能な限り行って欲しい」というご意向をお持ちの場合であれば、たとえ救命困難と考えられても、その御希望
を最大限尊重いたします。
心肺蘇生法を実施しないこと(DNAR)に関する説明確認書
京都民医連中央病院
患者名:
様
医師の確認
□
患者様が現在、心肺蘇生法を開始しない指示(DNAR 指示)を出すことが許容される状態にあると、
医師と
医師が確認しました。
□
看護師を含む当院スタッフが、患者様に DNAR 指示を出すことが妥当だと確認しました。
□
「心肺蘇生法を実施しないこと(DNAR)に関する説明書」に添って、十分な説明を行いました。
□
DNAR 指示を出した後も、通常の医療やケアは今まで通り続けることを説明しました。
□
DNAR 指示が出されていても、状況によっては心肺蘇生を行うことがあることを説明しました。
医師氏名:
看護師の確認
□
医師が行った説明内容を、患者様、ご家族様(または代理人様)が理解されたことを確認しました。
看護師氏名:
患者様の意向表明書
□ 医師から心肺蘇生法と心肺蘇生法を開始しないこと(DNAR)について十分な説明を受け理解しました。
今後、現在の病気の進行の結果、心肺停止状態に陥った場合には、
□心肺蘇生法を、実施しないでください。
□家族や最後を看取ってくれるものが到着するまでは、心肺蘇生法を実施してください。
□できる限り、心肺蘇生法を実施してください。
(上記の選択肢に希望する内容がない場合や、さらに何か希望されることがある場合には、以下に記
入をお願いします。)
年
月
日
患者記入欄
□以上は、十分な説明を受け、それを理解した上での私の意向です。
患者署名(可能であれば):
印
家族(または代理人)記入欄
□以上は、十分な説明を受け、それを理解した上で患者が表明した意向です。
□以上は、患者が意思決定することができないため、家族(または代理人)が患者の意向を推測して記入
したものです。
家族(代理人)署名:
印 続柄