高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察

45
総 合 都 市 研 究 第 48号 1993
高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察
1.はじめに
2
. 調査方法の概要
3
. 高齢者の外出特性
4
. シルバーパスの効果の考察
5
. ハンデ、ィキャップ別外出特性
6
. 結論と今後の課題
彦男仁
政哲
田山川
太秋山
要 約
高齢者のモビリティ(移動性)は加齢に伴い減少するが、その理由として身体的制約と経済
的制約が大きな影響要因と考えられる。
本研究においては、モビリティにおいて経済的制約を緩和するシルバーパスに着目し、身体
的制約をも含めた高齢者のパス利用特性を明らかにすることを目的とした。研究の方法は、パ
スを主要な交通手段とする東京都八王子市北西の郊外部(鉄道駅より 4km以上離れた地域)に
住む高齢者に対して①高齢者の外出特性、②パス利用におけるシルバーパスの効果、③外出に
おけるハンテ苦ィキャップの影響の 3点を内容としたアンケート調査を行った。
結論として、シルバーパスという経済的対策は、高齢者に対して「パス」という公共交通の
利用を促進させるという意味で有効であり、ハンディキャップがあるということはパス利用の
際に例えシルバーパスがあっても大きな制約条件となることがわかった。
1.はじめに
である。
経済的制約への対策は利用者と交通事業者に対
高齢者のモビリティ(移動性)は加齢に伴い減
する 2つがあるが、利用者に対するものがその大半
少するが、その理由として身体的制約と経済的制
9
5
0年代の早くから始まっており、その種
を占め、 1
約が大きな影響要因と考えられる。
類も多様である。これに対して交通事業者に対す
身体的制約への対策(交通における物的環境整
る支援対策についてはここ数年ょうやく制度化が
備)は様々な形で実施されてきた。 1) これらは、い
始まったばかりである。初期の段階での高齢者・障
わば利用する際の乗り込みのしやすさからの対策
害者のモビリティ支援対策の主要なものは、経済
*東京都立大学大学院工学研究科修士過程
**東京都立大学都市研究センター・工学部
46
総合都市研究第 48号
的な援助を行うもので、あった。その主なものは公
状況にあって、何らかの評価を必要とする時期に
共交通、自動車、徒歩等のガイド、へルパーを中心
きている。
とするもの、補装具の貸与で、詳細は横浜市の事
(1)研究の目的
業を中心としたものを表に示した。
そこで本研究においては、シルバーパスに着目
し、身体的制約をも含めた高齢者のパス利用特性
表 -1 経済的な移動支援対策
を明らかにすることを目的として、主な内容は以
年度
制度の名称
1
9
5
0
身体障害者運賃割引方(運輸省)
1
9
5
1
心身障害者に対する地下鉄・パスの運賃
割引制度(横浜市)
1
9
6
6
心身障害児・者に対する特別乗車券の交
付(横浜市単独)
(
2
) シルバーパス
1
9
7
3
シルバーパス(東京都)
概要を説明する。
1
9
7
4
敬老特別乗車証(横浜市)
1
9
7
4
老人パス(民営鉄道)
1
9
7
5
福祉タクシー制度(市川市)
1
9
8
3
重度障害車タクシ一助成制度(横浜市)
東京都
1
9
8
4
民営パス回数券の交付(横浜市単独)
③実施概要
1
9
8
9
金沢シーサイドラインの福祉特別乗車券
の交付(横浜市単独)
下の 3点とした。
①高齢者の外出全般についての特性の整理
②、ンルパーパスの効果の考察
③身体的制約(ハンデ、ィキャップ)別外出特性
シルバーパスの概要を東京都を例として以下に
①根拠法令
東京都シルバーパス交付条例(昭和 5
5年条例
第 2
3号)
②実施主体
a
.目的
高齢者に対してシルバーパスを交付するこ
とにより、高齢者の社会参加を促進し、もっ
て高齢者福祉の向上を図る。
公共交通の割引制度の類するものとして 3つの流
れがある。第一は、 1
9
5
0年代の鉄道の戦後の傷演軍
b
.交付対象者
1)無料分ノ〈ス
人を中心とする対策で、身体障害車運賃割引制度
7
0歳以上の者で本人の前年の所得がある
から始まったものである。これは後の地下鉄、パ
基準以下であり、かっ配偶者または扶養義
ス、飛行機へと拡大していった。
務者の前年の所得がある基準以下の者。
第二は、 1
9
7
0
年代の前半の 7
0
歳以上の高齢者に対
2
)有料分ノくス
するシルバーパスである。これは高齢者のモビリ
7
0歳以上の者で、「無料」の要件に該当し
ティ確保には画期的な対策であると共に、結果と
ない者であっても、規則で定める額を支払
して赤字に悩むノ〈ス事業に対する隠れた補助対策
うことによりパスの交付を受けることがで
としても価値ある対策として機能している。
きる。
第三は、 1970年代の中頃から始まった福祉タク
nd一
nu-
Aせ -
0
間一 O
なく、今後支援対象者の相当な増加が見込まれる
ム
これら経済的制約の対策は、実施後の見直しも
F
o
1 nu一
交付に要する費用
円
ぺU - -
握していないが全国の 3
0
0
近くの自治体で既に実施
がなされている。
14 一 ウt
パスの通周期間
ハ
U-'
40-50枚支給するもの)である。この制度は数は把
ω 一円
表 2 有料分パスの費用
nu--i
H
n一
シー制度(タクシー初乗り料金相当のクーポンを
※但し、 H
0
4
.
0
4
.
0
1以降にパスの交付を受ける場合
750円
は
、 8,
4
7
太田・秋山・山川:高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察
b
.交付枚数
c
.実地規模 (
3年度予算)
表 -5 交付枚数
表 -3 実地規模
対象者数
区分
無料分パス
運賃保証人員
有料分ノ号ス
無料分ノ号ス
5
6
9
.
0
5
4
5
4
0
.
6
0
1
S
6
0
4
8
9
.1
6
4
31
.215
有料分ノ守ス
4
6
.
8
0
0
4
6
.
8
0
0
S
6
1
5
0
7
.
6
8
1
3
3
.8
7
9
6
1
5
.8
5
4
5
8
7
.
4
0
1
S
6
2
5
2
3
.9
3
7
3
6
.2
4
0
※運賃保証人員とはこの人数分の補助金しか出し
ていない、ということ
S
6
3
5
3
4
.7
8
5
3
8
.9
4
3
H
0
1
5
41
.757
.532
41
計
d
.利用できる交通機関
c.3年度予算
1)区部及び多摩地区居住者
都電・都営地下鉄・都パス及び都内を走
2社である。
行する民営パス 1
表 -6 3年度予算
(千円)
無料分パス
2
)島諸居住者
有料分ノぞス
8
2
2
.
6
2
7
9
.
7
0
1
.
3
7
3
都電・都営地下鉄・都パス・東海内船パ
ス・八丈町営ノ〈ス及び、三宅村営ノ〈スで、ある。
④利用の手続き
区市町村の高齢者福祉担当課へ申請する。
2
.調査方法の概要
⑤事業の推移
a
.制度の推移
(1)調査対象地区
昭和 4
8年にはじめて導入され、その後制度の
調査対象地区は、大量輸送交通機関のうち路線
拡大と所得制限が行われただけである。(表 4)
パスを主要交通手段とする東京都八王子市北西の
英国ではシルバーパスをピーク時は有料とする
郊外部で、八王子駅から 5-15km
の地域で、所要時
ことがスター卜した。わが国も本格的な高齢社
0
分-1時間の地域である。(図-1
)
間にして約 3
会到来に備えきちんとした計算に基づいた制度
(
2
)調査対象者
5
歳以上を高齢者と定義し、その調査
本調査では 6
の再検討が望まれる。
対象を以下の 2つのグループとした。
表 -4 制度の推移
年度
内
廿
n-
都営交通機関のみで
S
4
8
.
0
1
S
4
9
.0
1
S
5
4
.1
0
S
5
5
.1
0
「東京都都電・都パス・都営地下鉄
無料乗車券Jとして発足
(所得制限なし)
民営ノ fスに拡大し、
「東京都敬老乗車証Jとなる。
対象者の資格要件に国の老人医療費
支給制度(及び老齢福祉年金制度)
と同ーの所得制限を導入し、
「東京都敬老パス」となる。
上記所得制限を越える者についても
有料でパスを交付し、所得制限以下
の者に交付する無料ノ号スと合わせて
「東京都シルバーパス」となる。
(
7
0
歳以上)
7
0歳 未
②シルバーパスを持っていない高齢者 (
①シルバーパスを持っている高齢者
満)
(
3
) サンプリングと回収率(表
7
)
調査対象地区に住む調査対象者の住民台帳から
.8
9
8人に対
ランダムサンプリングにより母集団 2
8
%(
1.
6
8
9
票)の抽出を行い、郵送アンケート
して 5
調査によって 6
8
%(
1
,
1
3
3
票)の回収率を得た。詳細
は表 -1に示した。高い回収率を得ることができた
のは、八王子市の協力を得られたためと考えられ
る
。
4
8
総合都市研究第 48号
図 -1 調査対象地区
表 -7 サンプリングと回収率
女性
男性
メ
c弘
、
l
十
自
8
5
3
人
1
6
6
9人
回収数
5
6
0人
5
7
3
人
1
1
3
3人
回収率
68.6%
67.2%
67.9%
劇
回収数/母集団
phu
8
1
6人
良U
配布数
A3
58.3%
a
u
59.9%
n
u
56.7%
iz
抽出率
句
4
1
6
8
9人
98
8
6
5人
7
8
2
4人
ト制
抽出数
ヮ
・
2
8
9
8人
4
1
4
4
5
人
AU
1
4
5
3
人
7
母集団
図-2 年齢別平均外出回数
39.1%
3
.高齢者の外出特性
まずはじめに高齢者の外出についての整理を行
う。これについては以下の 3点(外出頻度、外出目
的、利用交通手段)に留意して年齢別に傾向をみ
た。(1)外出頻度(図-2)
75-79
7 0ー 7 4
8 5ー
80-84
年齢(歳〉
図-3 外出目的
高齢者の主要な 3つの目的(買物、散歩、通院)
図 -2年齢別平均外出日数
5
年齢別にみた 1ヶ月における平均外出回数は、 6
についてそれぞれが全目的に占める割合の年齢別
の変化についてみた。買物は加齢とともに減少、散
-74
歳までの 1
4日から、 7
5
歳以上の 1
2日へと、歳を
5
歳-84
歩は加齢とともに増加し、通院に関しては 7
とるほど減少傾向にある。
歳の後期高齢で最大(約 3
0
覧)となっている。
(
2
)外出目的(図
3)
4
9
太田・秋山・山)
1
1:高齢者の交通行動とシルバーノ fスに関する考察
する 7
0歳以上になってもほとんど変わらないが(変
(
3
) 利用交通手段(図-4
)
図 -4は高齢者の主要な交通手段の全体に占める
8
%
)、パス利用率に限ると、シルバーパス取
化率 9
4
4
%
、全体の 2
割増
得により増加している(変化率 1
割合を示したものである。
まず高齢者の交通手段の利用率を見ると、
加
)
。
パス>乗せてもらう車>自分で運転する車
の順になっているが、各年代で割合の変化はある。
表 -8 外出頻度とバス利用率
年齢別に主要な交通手段利用率を見てみると、自
分で運転する車の利用率は加齢に伴い減少、乗せ
てもらう車の利用率は加齢に伴い増加する。パス
の利用率は加齢に伴い減少するが、 7
0歳で取得可能
になるシルバーパスによって一時上昇してから、そ
パス利用率(%)
外出頻度(日/月〕
の後ゆるやかな減少が見られる。
;
割 合(%)
J
う-
車
車る
b 転トむト
ス
﹂p
-lr で 使 -
パ一一口運↓ゎ↓
自
平和分
100
80
60
40
20
80-84
年齢(歳〉
図-4 年齢別利用交通手段
<3章 の ま と め >
(
2
) 意識調査による効果の測定(図-6)
パス取得前
パス取得後
コ
仁
三E
亡互コ+ヒ主コ
①外出頻度は歳をとるほど減少する。
②各目的の占める割合では、買物は減少、散歩
は増加する。
パス利用率
。%
d!1%
パス取得前一一-A~.....
パス取得後 τす-A 一一~..B:-::'"
③高齢者の交通手段利用率の順位は以下の様に
なる。
パス>乗せてもらう車>自分で運転する車
④パス・自分で運転する車を使う割合は加齢に
伴い減少、乗せてもらう車の割合は加齢に伴
し、増加。
100%
100%
パス利用率
A:パス取得に関係なくパスを使う人
B:パス取得によりパス利用が増えた人
図 -6 模式図
パス利用率は全交通手段の 4
5
%
であったが、シル
ノ〈ーパスを取得した時点で 2割増加している。更
4
.シ ル バ ー パ ス の 効 果 の 考 察
に、パスを主要交通手段とする人の中で、「シル
バーパスによって外出が増えた(=B)J という人
)
(1)外出特性の整理(図-5
表 -8にシ jレ
ノ
《
ー
ノ fス取得前と取得後の外出率と
パス利用率を示した。
1ヶ月の外出頻度についてはシルバーノ守スを取得
を調べてみると、全体として 2割近くの該当者がみ
られた。故に、「シルバーパスの効果がある Jと考
えられる。
(
3
) 数量化理論による効果の考察
5
0
総合都市研究第 48号
シルバーパスが交通手段選択に影響しているこ
表 -9に詳細は示したが、第 I
軸での判別は免許
とが推測される。そこで、経済的制約への対策に
の有無の影響がレンジ、偏相関係数ともに突出し
着目するため、対象を加齢による身体的ハンディ
て大きく、その他の要因はあまり影響しない。す
5-74
歳ま
キャップの有意差がみられないような、 6
なわち、免許を持っている人はほとんど自分で運
でにしぼり、数量化理論 E類を使って交通手段選
転する車を使い、免許を持っていない人は、パス
択の要因を分析した。
か誰かに乗せてもらう車を使う。これは常識に一
致する。
② E軸(パスと乗せてもらう車)の判別
2
φ
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
泣2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
包2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1+
2
2
2
2
2
2
2
包2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
*
2
2
2
包2
2
1
2
巳豆コ
(+)
図 -9 第 E軸ての判別
ー
ー
ー
ー
一
1
ーー一+ーーーーー'一
ーー+ーーーーーーーーーーーー+ー
1
2
ーーーー一ー+ー
3
4
①外出頻度はシルバーパスの影響を受けないが、
パス利用率はシルバーパス取得によって増加す
D
I
M
1
る
。
図 -7 判別領域図
結果は、図
a
一ーーー+ーーー,ー一ーーー一-
J
2
第 E軸においては車の保有の有無が最も大きく
影に無一性パパう
が主有バ
o 入 刈い
無をのルる大村と
有車有シれまゆる
のう保にさ九,、い
スら車次目崎北て
パもでの註一日パパつ
JB持
一てのそがバ
パせるずいと怯引を
ル乗あ
こをコ
シ で で い U J唱の川使沫
に家難然しパをカる
次い咽当てくス方れ
の無カましょぺのわ
そのな釧響れが人思>
、車沙る事志方るとめ
h
vし と
り。むすかのの
おるは響無性人て返ま
ていと影有男のつ一塁の
してこ番のは満使の章
響しう一スで不をと
4
影響使がパ別ススこ<
一m
mm
m
ω 抑 制mn 抑 制 抑 制 沼 紛 抑 制 抑 制mm
m 一 明 明 閣 制 閣 お 羽 お 羽 ね 幻 お お お お お お 犯 おm
m 一 抑 制 問 抑 制 問 問 問 問 問 問mm問 問 問 問 欄 間m
m 一 羽 抑 制mmmm 羽mmmmmmmmm制 抑 制 間
mmmmmmmmmmmmmmmmmmm
制一m
m 一 抑 制 抑 制 抑 制mmm 抑 制 抑 制m 抑 制 抑 制mm
mm
一m 抑 制 抑 制 抑 制
mmmmmmm 抑 制mmm
mm
一m
mmmmmmmmmmmmmmmmm 湖
沼一 mM犯 拘 お お 犯 お お お 幻 幻 羽 羽 幻 お お 泊 お お 抑
mmm 抑 制 抑 制mm 抑 制 抑 制 抑 制mmmm
制一如
一m 抑 制 抑 制
mm 抑 制 抑 制 抑 制 抑 制 サ ねμMl
mm
一+ーーーー一
乗吾モもらヲ草
②意識データの分析からも、シルバーパスによっ
7に示す判別領域図からわかるよう
に第 I軸が自分で運転する車とパス、乗せてもら
う車の判別、第 E軸がノ〈スと乗せてもらう車の判
て 2割近くのパス利用率が増加している。
③以上の点から、シルバーパスの効果があること
が確認できた。
別を行っている。
① I軸(自分で運転する車とパス・乗せてもらう
5
.ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 別 外 出 特 性
車の判別)
本研究において、ハンディキャップの有無の区
分を以下のように定義した。
ヨ
14
目
、
‘
,
ノ
一る一い
一運一
(一)
=rA-
│乗せてもらう車│
一
で
一
仁三日
r
・ハンテ ィキャップ無し:r
小走りができる」
・ハンデ、ィキャップあり: 小走りができない J
E
十「無理すればできる」
図 -8 第 I軸での判別
十「できるが息切れがする J
太田・秋山・山)
11:高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察
5
1
表 -9 数量化 E類(第 I斡)
7
イT
A
免許
小走り
性別
車
外出
頻度
(/月)
パス
パス停
までの
距離
(分)
パスに
H
J
'ト
有り
なし
できない
無理すれば
息切れ
楽にできる
男
女
カテゴリー数量
!f~7' "
'
性
性
レンジ
順位
(偏相関係数)
2
.
0
3
9
8
3
1)
(
0
.
7
1
1
74
) (
1
5
6
4
2
9
1
.4
9
5
8
7
0
.
5
4
3
9
5
4
4
7
2
9
4
3
7
5
0
.
1
7
8
1
5
0
.
2
1
9
5
0
0
.
0
3
0
7
1
0
.
0
5
5
3
5
0
.
2
7
4
8
5 2
(
0
.
1
3
8
6
3
) (2)
0
.
1
2
1
1
2
0
.
1
0
6
7
1
0
.
2
2
7
8
3 3
(
0
.
1
2
9
7
2
) (3)
0
.
0
3
8
4
2
0
.
1
3
3
1
5
0
.
1
7
1
5
7 4
(
0
.
0
9
2
7
8
) (4)
2
7
4
3
1
1
四
L
有り
なし
4
5
4
1
3
1
5
1
0
1
0
1
5
1
5
-
1
0
8
1
5
3
1
8
4
1
4
0
0
.
0
4
5
7
0
0
.
0
4
2
9
7
0
.
0
4
5
7
6
0
.
0
7
1
8
5
0
.
1
1
7
6
1 5
5)
) (
(
0
.
0
7
1
64
なし
有り
4
0
0
1
8
5
0
.
0
3
3
3
8
0
.
0
7
2
1
8
0
.
1
0
5
5
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(
0
.
0
6
5
5
2
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5
1
0
1
0
1
5
1
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-
1
3
0
1
1
5
1
6
5
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.
0
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0
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0
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.
1
0
6
5
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7)
(
0
.
0
6
1
2
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) (
満足
不満
4
1
9
1
6
5
0
.
0
1
2
5
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0
.
0
3
1
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0
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(
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.
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2
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6
0
5
1
)
(相関比=O
自
(
ー
)
巴
ヨ
(一)
5
2
総合都市研究第 48号
表 -10 数量化 E類(第 E軸)
7HA
t
j
J
'ー
リ
~ï7'
カテゴリー数量
,
t
J
レンジ
順位
(偏相関係数)
車
有り
なし
4
5
4 0
.
4
1
4
2
4
1
3
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.4
3
5
6
0
パス
なし
有り
.
2
4
1
7
9
4
0
0 0
0
.
5
2
2
7
9
1
8
5 -
性別
男 性
女 性
2
7
4
3
1
1
5 1
0
10-15
15-
.
0
1
3
1
8
1
0
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.
3
0
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.
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.
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1
1
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4 0
.
0
2
0
5
7
3
7
5 -
外出
頻度
(/月)
小走り
パス停
までの
距離
(分)
相
できない
無理すれば
息切れ
楽にできる
国
0
.
3
2
1
9
6
0
.
2
8
3
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6
円
L8
4
9
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(
0
.
2
5
5
6
5
)
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(1)
0
.
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(
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.
1
2
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2
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.
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2
(
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.
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1
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)
3
(3)
口
0
.
5
6
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(
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.
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5
(4)
口
0
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6
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.
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(5)
仁
E
5-10
10-15
15-
.
1
6
3
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0
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満足
不満
.
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.
0
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)
7
(7)
免許
有り
なし
1
5
6 ー0
.
1
3
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0
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.
0
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.
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.
0
2
3
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5
)
8
(8)
(相関比 =
0
.
1
1
8
37
)
→│乗せてもらう車
(ー)囚←
(
+)
5
3
太田・秋山・山J
I
I
:高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察
(1)ハンディキャップ出現率(図ー 1
0
)
パーパスを取得して直後は減少し、以後加齢
既往の研究からハンデ、ィキャップの出現率と年
に伴って微増する。
齢との聞に強い相関があることがわかっているお。
②ハンディキャップのある人の利用交通手段で
今回の調査において「小走りができない」割合を
は、パスの利用率はシルバーパスによって少
年齢別にみてみると、相関が強いことが確認でき
た
。
し増加するが7
9
歳までは年齢による差はなく、
8
0歳以上では加齢に伴い減少する。また、乗
せてもらう車の利用率についても 7
9
歳までは
小走りが「できなし、」割合(%)
1
0
0
8
0← 一 一 ← 一 一 一
年齢による差はなく、以後加齢に伴い増加し
ている。
一
③ハンディキャップのある人の割合は、 6
9
歳まで
6
0
4
0
の l割から 8
5
歳以上の 4割へと単調に増加する
ことを考慮にいれでも、「加齢による利用交通
手段の変化は、ハンディキャップのある人の
影響である j ということがわかる。
り一えて
一
ツ一れソ一}-
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プ一リ乗
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図-10 ハンディキャップ出現率
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年齢(歳)
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5
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テ一日ン
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7
5
一
、②
7
0
(
2
) ハンテ'ィキャップ別外出頻度(図 -11)
ハンディキャップのある人の方が、ハンテeィキ
ャップのない人より平均外出日数にして 2日-5日
少ない。ハンディキャップのない人の外出日数は
1
8
図-12 ハンディキャップ別利用交通手段
(
4
)ハンデ‘ィキャッフ。別ノ〈スへの不満指摘率
経済的制約がなくなった高齢者にとって、パス
1
0
を利用する・しないの決定要国として何が強く影
8
_69
7 5ー 7 9
70-74
8 5ー
80-84
年齢(歳〉
図ー 1
1 ハンディキャップ別外出頻度
(
3
)ハンディキャップ別利用交通手段(図 1
2
)
ハンディキャップ別の利用交通手段について、パ
5
0
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鎚
2
0
1
0
捜ス
減少せず、乗せてもらう車の利用率はシル
6
0
属
。
、
得して増加し、以後加齢に伴ってもほとんど
訓合【'"
且停
ついては、パスの利用率はシルバーパスを取
率を調べた。
引ト
スと乗せてもらう車についてみることにする。
①ハンテ。ィキャップのない人の利用交通手段に
響するのかの指標として、パスに対する不満指摘
不規則
本数
利便性イ
図ー 13 パスの不満指摘率
5
8
齢
年
n
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-
90
8
イ
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Qνnυ
77
67
加齢には左右されず、減少がほとんどない。
平均外出回数/月
5
4
総合都市研究第 48号
全体的には「バス停Ji
利便性」に関する高齢者
③ハンディキャップが重いほど、パスの乗降口の
に限らない一般的な不満についての指摘率が高い。
ステップをはじめとする不満の指摘率が高くな
「車内」に関する不満では平均して指摘率が低い
る
。
座席に
が、「パスの乗降口のステップがきつい Ji
座れない」などの、ハンディキャップに関わる不
6
.結論と今後の課題
満指摘率がやはり高い。
ハンデ、ィキャップのレベル別に不満指摘率を見
てみると、ハンテ守ィキャップの重い人の方がハン
(1)結論
①シルバーパスという経済的対策は高齢者に対
テ守ィキャップの軽い人よりもパスへの不満指摘率
して「パス Jという公共交通の利用を促進さ
は全体的に高い。特に、不満の強い要素が顕著に
せる、という意味で有効である。
現れているのが「パスの乗降口のステップ」であ
1
4
)
る。(図 -
②ハンデ‘ィキャップは外出頻度や交通手段の選
択などに強い影響を与えている。
パスへの不満指摘から身体的制約に対する対策
が必要であると確認できた。同時に、バス停にお
(
2
)今後の課題
①今回は、鉄道の影響を排除した地域での調査
いて風雨を避けるなどの全天候型の対策や、特に
であったが、鉄道の影響も考慮した調査も今
ハンテ。ィキャップ者への配慮として車両の乗降口
後必要である。
のステップを改善することなどが必要と思われる。
②また、本調査と同じ様な交通条件におけるシ
なお、凡例は「小走りができますか ?
J という聞
ルパーパスを持っていない 7
0歳以上の高齢者
に対する回答別である。
との比較も挙げられる。
③更に、パスと乗せてもらう車の判別の要因の
割合(%)
再検討が必要である。
6
0
5
0
0最後に、本調査に協力していただいた八王子市
福祉課の三浦氏、相川氏に厚く御礼申し上げます。
参考文献
1
)中村実男:スウェーデンにおける福祉と交通、運輸
と経済、 1991年 5月号
図-14 ハンディ別パスへの不満指摘率
2
)太田勝敏:高齢者に対する交通政策の現状とアプ
<5章のまとめ>
ローチ、国際交通安全学会誌V
ol
.9N
o
.
5、
①ハンディキャップがあると、健康な人に比べ月
8年1
2月
昭和 5
に 2日-5日外出日数が少ない。
3
)秋山哲男:高齢者のハンテーィキャップと外出特性に
②ハンディキャップが重いほど、乗せてもらう車
の利用割合が増える。
関する考察、日本都市計画学術研究論文
o
.2
2、昭和田年
集
、N
Kev Words (キー・ワード)
高齢者 C
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太田・秋山・山JlI
:高齢者の交通行動とシルバーパスに関する考察
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