報 道 資 料 - 東京国立博物館

報 道 資 料
東京国立博物館 平成館特別展示室第 1・2 室
2007 年 1 月 23 日(火) ~3 月 18 日(日)
日本初、マーオリ美術の大規模展覧会を開催します。
南太平洋に浮かぶニュージーランドに、1000年前から暮らすマーオリ人。彼らの先祖は、
すぐれた航海技術で太平洋の大海原を征服し、猛獣のいない豊饒の楽園アオテアロア(ニ
ュージーランドのマーオリ名)にたどり着きました。太平洋の先祖たちの伝統から独自に発展し
たのがマーオリ美術です。
マーオリのイウィ(部族)は、彼らを運んできたワカ(カヌー)、食料や貴重品を入れるパータカ
(高床倉庫)、そして儀式や集会の場になるファレヌイ(集会所)を、アイデンティティの象徴とし
ました。武勇を重んじてさまざまな武器を持ち、ニュージーランド南島で産出するポウナム(軟
玉)の美しい緑の輝きを愛した彼らは、飛ぶことを忘れた美しい鳥の羽を利用して、さまざまな
カフ(外套)を編み、首長を飾りました。
すぐれた木彫には神や先祖の姿を刻み、イウィの絆を表現しています。マーオリ人は金属を
利用しませんでしたが、人物像の眼の表現にアワビの殻の真珠層を用いるなど、独自の工
夫がこらされました。
ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワとの交換展(注)の一環として実現する今
回の展覧会では、マーオリ文化を約120件の名品で体感できることでしょう。
(注)ニュージーランドでは 2006 年 3 月 4 日(土)~5 月 14 日(日)、東京国立
博物館所蔵作品による日本美術の展覧会「日本文化の輝き」展を開催しまし
た。
お問い合わせ先:広報事務局((株)ウィンダム内)
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-28-9 ヤマナシビル4F
tel 03-5642-3765 fax 03-3664-3833
お問い合わせは展覧会広報事務局((株)ウィンダム内)まで tel 03-5642-3765 fax 03-3664-3833
ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ名品展
マーオリ―楽園の神々―
Mauri Ora: Māori Treasures from the Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa
【 会 場 】
東京国立博物館 平成館(台東区上野公園 13-9)
【 会 期 】
2007 年 1 月 23 日(火)~3 月 18 日(日)
【開館時間】
9:30~17:00(入館は閉館の 30 分前まで)
【休 館 日】
月曜日 ただし 2 月 12 日(月・祝)は開館、翌 13 日(火)休館
【 主 催 】
東京国立博物館 ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ
【 後 援 】
ニュージーランド大使館 ニュージーランド政府観光局(www.newzealand.com)
【 協 賛 】
トヨタ輸送株式会社、トヨフジ海運株式会社
【 協 力 】
ニュージーランド航空(www.airnewzealand.com) 松下電工株式会社
【観 覧 料】
当館平常料金で御観覧いただけます。
一般 600 円(500 円)、大学生 400 円(300 円)
*( )内は 20 名以上の団体料金
*高校生以下、満 70 歳以上の方は無料
*障害者とその介護者1名は無料。入館の際に、障害者手帳などをご提示ください。
【 交 通 】
JR 上野駅公園口・鶯谷駅より 徒歩 10 分
東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅、京成電鉄京成上野駅より 徒歩 15 分
【お問合せ】
(一般) ハローダイヤル 03-5777-8600
【ホームページ】 http://www.tnm.jp/
*関連事業*
◆記念講演会
会場:平成館大講堂(事前申込制)
・2007 年 2 月 3 日(土)13:30~15:00
「マーオリはどこから来たか」
国立民族学博物館教授 印東道子
・2007 年 2 月 10 日(土)13:30~15:00
「マーオリの KORU―過去と未来を結ぶものー」
武蔵大学社会学部教授 内藤暁子
「クジラの島の少女の世界」
弘前大学人文学部助教授 澤田真一
◆映画上映「クジラの島の少女(原題:The Whale Rider)」
会場:平成館大講堂(380 名、先着順)
マーオリの少女を主人公とした勇気と感動の物語。中学校の英語の教科書にもとりあげられています。
2007 年 2 月 6 日(火)、7 日(水)、8 日(木)、9 日(金)、11 日(日)、12 日(月・休)
各日 2 回 10:30~、14:30~
無料(ただし当日の入館料が必要です。)
お問い合わせ先:広報事務局((株)ウィンダム内)〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-28-9 ヤマナシビル4F tel 03-5642-3765 fax 03-3664-3833
古代の至宝
伝承によると、マーオリ人はふるさとハワイキからカヌーに乗ってニュージーランドに移住しました。
ニュージーランドにマーオリ人が定住して以来の初期の作品には、太平洋の先祖たちの伝統を
垣間見させるような一面があります。
トキ(手斧の刃)や石製ペンダント、クジラの歯のペンダントなどは、太平洋の熱帯地域の出土
品とも似ています。しかし、ガララ(トカゲ)のペンダントに見られるように、熱帯地域では見られなか
ったような顔の表現はマーオリの独自性のあらわれであり、これはその後さらに発展していきます。
古代の宝にマーオリ美術の始まりをみてみましょう。
1 マゴー・タニファ(サメの歯のネックレス)
ホホジロザメの歯を加工した希少な品。きれ
いに並ぶよう根元が細工されています。ホホジ
ロザメは海の神タガロアの子孫として、強さ、速
さ、獰猛さのゆえに畏敬されています。
2 ガララ(トカゲ)のペンダント
クジラの骨で作られています。動物をかたどっ
た装飾品には動物のマウリ(霊性)がやどっている
と考えたマーオリ人はガララ(トカゲ)をお守りとし
たのでしょう。動物形の装身具はニュージーラン
ドでも熱帯地域でも珍しいものです。
お問い合わせ先:展覧会広報事務局 ((株)ウィンダム内) tel 03-5642-3765 fax 03-3664-3833
カヌー、倉庫、集会所
マーオリ人は、海からやってきたという彼らの来歴を示すとともに、生業の道具でもあるカヌー、
食料や貴重品を納めたパータカ(高床倉庫)、そして儀式や会議のためのファレヌイ(集会所)を、
イウィ(部族)のアイデンティティの象徴と考えました。
それらを渦巻文で飾り、先祖の姿を彫り出して部族の絆を表現しました。目を見開き、舌を出した
人物像は、マーオリ美術のあらゆるところに見られます。人物像の目にアワビの貝殻を用いる独
特の工夫もしています。
貴重品を入れるためのワカフイア(宝箱)、来航したヨーロッパ人を驚嘆させたター・モコ(入れ
墨)も見逃せません。
また、古い楽器を展示し、会場にその音色を流します。天の父ラギヌイがメロディを、地なる母パ
パツーアーヌクがリズムを作ったというマーオリの調べもお楽しみください。
3 タウイフ(カヌーのへさき)
ふたつの渦巻は天の神ラギヌイと地の神
パパツーアーヌクを意味しています。マー
オリの各イウィ(部族)は、先祖がニュージ
ーランドに着いたときに乗っていたワカ(カ
ヌー)の名を伝承しています。
4 ポウトコマナワ(中央柱に刻まれた人物像)
ポウトコマナワとは建物の中央の柱です。その根元に
彫り出された人物像は、部族にとって重要な先祖の姿
です。男性像は生殖力を、女性像は生命を生み出し
保つことを表します。装身具の使い方や入れ墨なども
見てとれます。
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パータカ(高床倉庫)
食料や貴重品を納めたパータ
カには、細かな彫りが施され、
先祖との結びつきを示していま
す。会場ではパータカとともにフ
ァレヌイ(集会所)を実物さなが
らに組み立てます。
その大きさと精巧な浮き彫りを
ご堪能ください。
6 トキ・ポウタガタ(儀式用の手斧)
ニュージーランド南島で産出するポウナム(軟玉)を用いた
儀式用の手斧です。木製の柄がついており、実際の使用方
法がわかります。柄にも舌を出した先祖の像が表されていま
す。重要な建物を建てるとき、木材を切る最初の儀式に用
いたのでしょう。
7 マタウ(釣針)
いくつかの部品を組み合わせて作っています。アワビの殻の真
珠層を用いているので、海中でキラキラと輝き、疑似餌の役割
を果たします。アワビを利用したのは真珠貝が取れないニュー
ジーランドでの独自の工夫です。
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武
器
マーオリ人は武勇を重んじました。マーオリの伝説にはイウィ(部族)の間の抗争が語られ、来航し
たヨーロッパ人とも果敢に戦いました。その勇敢な民族性はラグビーの世界最強チーム、オールブ
ラックスにまで受け継がれていると言ってよいでしょう。
接近戦で勝利することを武勇の証しとしたマーオリ人は、メレやパツのような短い棍棒で戦うことが
多く、卑怯な飛び道具は用いませんでした。
展示作品の中には、それを所持した首長の名がわかるものもあり、イウィの歴史にとって欠かせな
い名品ばかりです。
8 タイアハ・クラ(首長の槍)
「テ・ロゴタケタケ」
タイアハはマーオリの最も格式の高い武器のひとつで
す。和平の記念に交換されることがあります。「テ・ロゴタ
ケタケ」と命名されたこのタイアハ・クラも、1819 年ごろ
にガー・プヒ族の首長に、そして 1847 年ごろに植民地警
察隊の高官に贈られました。
9 メレ・ポウナム(軟玉製棍棒)
「タフィト・フェヌア」
ポウナム(軟玉)で作られた、やや扁平な棍棒です。「タフィト・フ
ェヌア」と名付けられ、最初、ガーツィ・イラ族の首長テ・ケケレグ
が所持していました。彼と母はガーツィ・トア族の首長テ・ラギハエ
アタによって処刑されそうになりましたが、母の辞世の歌に心打た
れたテ・ラギハエアタが 2 人の命を救うと、テ・ケケレグは感謝の印
としてこの「タフィト・フェヌア」をテ・ラギハエアタに譲りました。
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衣装と織物
マーオリ人の先祖たちは、太平洋の熱帯の島々で裸で生活していましたが、寒冷なニュージー
ランドではそうもいきません。マーオリ人はムカ(亜麻の繊維)をやわらかくして編み、カフ(マント)を
作って羽織りました。さらに、ニュージーランド特有の色とりどりの飛べない鳥の羽を編みこんで衣
装を飾りました。
これらの伝統技術はヨーロッパ人の来航以後も新たなスタイルを確立して展開しました。今回展
示するバッグなどもその一例です。
このほか、ムカを叩くパツ・ムカなどの道具も展示します。
10 カフ・クリー(イヌ皮のマント)
クリーとはイヌのことをいいます。イヌは太平洋の長い
旅路以来、マーオリ人の先祖とともに過ごした唯一の
哺乳類でした。このマントでは、イヌの皮はハラケケ(マ
オラン)の丈夫な下地に縫いつけられています。
マントはラガツィラタガ(権力)を、マントを贈ることは
カイツィアキタガ(保護)を意味しました。
11 カフ・フルフル(鳥の羽のマント)
ジグザグの縞模様に見えますが、それぞれ
異なる色の鳥の羽を編みこんでいます。実物
を間近で見れば、その美しい光沢と豊かな質
感に圧倒されることでしょう。
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装 身 具
装身具は、身につける人のマナ(威信)や精神の力に関わるもので、頭や首など、体の中でも神
聖な部位につけました。
金属を使わなかったマーオリ人にとって、ニュージーランド南島でのポウナム(軟玉)の発見は、彼
らの美術に大きな影響を与えました。透明感のある緑の輝きは、マーオリ人の体を飾るために加工さ
れました。
このほか、クジラの骨や蛇紋石、木材も用いられ、アワビの殻の真珠層はここでも大いに活用され
ました。
これらの装身具は、精巧なタ・モコ(入れ墨)とともにマーオリ人の体を美しく飾ったのです。
12 ヘイ・ツィキ(ペンダント)
首をかしげて目を見開き、舌を出した姿がユーモラス
なツィキは、マーオリ美術の定番キャラ。眼にはやはりア
ワビの殻の真珠層が用いられています。
13 ヘル(櫛)
マーオリ人にとって、頭は人体の中でも最も神聖な部分
です。ヨーロッパ人が来航したころ、マーオリの男性は長
髪を編んで髻にし、ヘルで飾りました。ここでも小さな人物
像が彫り出され、やはりアワビの殻が眼の表現に用いられ
ています。
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「マーオリ ―楽園の神々―」広報事務局行き
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1 本展を記事・番組でご紹介いただけるでしょうか?
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月
日ごろ確定)
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*写真には、記載されているキャプション(作品名)を必ず明記してください。
*ご使用後は、広報事務局までご返却くださいますよう、お願いいたします。
写真番号
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□ いいえ
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務局まで FAX にてお送りください。
◆お忙しいところ、誠にありがとうございました。なお、ご掲載いただいた場合は掲載紙・誌、または録画テー
プ・DVD 等を各1部広報事務局あてにお送りくださいますよう、お願い申し上げます。
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