4318 - 神奈川県農林水産情報センター

通し番号
4318
分類番号
19-4A-13-06
(成果情報名)農業技術センター保有のサルスベリの特性
[要約] 当所で保有するサルスベリ62種は、6月下旬より開花し、赤やピンク、紫、白色等
様々な花色の花がみられる。花房・花径の大きさ、花数、うどんこ病罹病性などは品種によ
り様々であり、特にうどんこ病に対する罹病程度は観賞性に大きく影響することから、花木
として導入する時の目安となる。
(実施機関・部名)神奈川県農業技術センター・果樹花き研究部
連絡先
0463-58-0333
[背景・ねらい]
サルスベリは、夏を彩る代表的な花木で、様々な花色や樹形、樹皮のおもしろさから、古くか
ら公共緑化や庭木に用いられている。当所では、旧園芸試験場相模原分場の頃に導入した品種や
当所で育成したうどんこ病に強いディアシリーズなど品種・系統数は62種に及び、国内有数のコ
レクションを保有している。これらについては、近年新設される「花と緑のふれあい拠点(仮
称)」に移植される予定であり、収集、育成してきたサルスベリ品種について特性を把握し、情報
提供の資料とする。
[成果の内容・特徴]
1 樹高は、1.8m以下(低)から3.6m以上(高)の品種まで様々である。
Lagerstroemia amabilis の交配種は、枝垂れ樹形である(表1)。
2 開花は6月下旬より始まり、花期は1~2ヶ月間である(表1)。
3 花色は白、ピンク、赤、紫と様々で、アントシアニン系色素の色を呈している(表1)。
4 花径は2~5cm程度の大きさで、花が小さい品種は開花数が多い傾向がみられた。花房が大
きい品種は、自重により枝が枝垂れるものも多い(表1)。
5 うどんこ病罹病程度が高い品種は、葉および蕾が真っ白となり、観賞性を大きく損なわれる。
Lagerstroemia fauriei の交配種は比較的罹病程度が低く、観賞性に優れる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
1 栽培環境や剪定方法により、花房の大きさや花数、うどんこ病罹病程度は変異することがあ
る。
[具体的データ]
表1 サルスベリの主要な特性
品種名
種Z
樹高Y
樹形
開花X
始め
花色
(JHS NO.)
花径
(cm)
花房
大きさW
アコマ
アパラッチ
ウィーピングピンク
ウィチタ
ウィリアムツービー
ウォーターメロン
大虹
オセージ
春日山
カトウバ
カロライナビューティー
カントリーレッド
コネストガ
コマンチ
サンシャインサマー
紫雲
白
スー
L.i×f
L.i×f
L.i×a
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i×f
枝垂
高
枝垂
高
高
高
中
高
高
中
中
高
高
高
高
高
高
高
7上
7上
7中
7下
7中
7中
7中
7中
7中
7中
7下
未開花
7中
6下
7下
7上
7下
7上
白(-01)
淡紫ピンク(8902)
淡紫ピンク(8902)
鮮紫ピンク(9205)
濃紫ピンク(9713)
鮮紫ピンク(9505)
鮮紅覆輪(0107)
鮮紫ピンク(9505)
鮮紫(8605)
鮮紫(8605)
紫赤(9708)
-
鮮紫ピンク(8904)
鮮紫ピンク(9705)
鮮赤紫(9507)
明紫(8604)
白(-01)
鮮紫ピンク(9504)
3.4
2.4
5.0
3.1
3.7
4.2
3.7
2.1
3.9
3.9
3.9
-
3.7
3.6
4.4
4.0
5.3
3.3
大
小
大
中
中
中
中
大
中
大
小
-
中
大
大
中
中
大
花数V うどんこ病
罹病程度U
中
多
多
多
少
少
少
極多
少
中
少
-
中
多
中
中
少
多
-
-
±
-
+
+
+++
±
++
±
+++
+++
+
-
±
+
±
-
品種名
ズニ
スノーベイビー
タスカローラ
タスキギー
ダラスパープル
ダラスレッド
チェロキー
ディアウィーピング
ディアパープル
ディアルージュ
当園ブルー
東京紅
ドワーフパープル
ドワーフライラック
ドワーフラベンダー
なごり雪
ナチェ
濃桃紅
ハーディピンク
ハーディパープル
花畑1
花畑2
花畑3
花畑4
花畑5
花畑6
花畑7(八重咲)
ビロキシー
ファイヤーバード
フロリバンダロゼア
ペコス
ペタイトオーキッド
ペタイトレッド
ポウハッタン
ポトマック
ホピ
マイアミ
マスコギー
見本園東2
見本園東5
ヤクシマ
USホワイト
ユーマ
ルブラ
Z
Y
種Z
樹高Y
樹形
開花X
始め
花色
(JHS NO.)
花径
(cm)
花房
大きさW
花数V うどんこ病
罹病程度U
L.i×f
L.i
L.i×f
L.i×f
L.i
L.i
L.i×f
L.sp
L.i×f
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i×a
L.i
L.i
L.i×f
L.i
L.i
L.i×f
L.i
L.i
L.i
L.i
L.i×f
L.i×f
L.i×f
L.i
L.i
L.f
L.i
L.i×f
L.i
高
中
高
高
高
高
高
枝垂
高
中
高
低
低
低
低
低
高
高
中
高
高
高
高
高
枝垂
枝垂
枝垂
高
高
高
高
中
高
中
高
高
高
高
高
高
高
高
高
高
7上
6下
7下
7下
8中
7下
7中
6下
7中
7上
7上
7上
未開花
7中
7中
7上
6下
7中
7中
7中
7下
7上
7下
7下
7下
7中
7下
7上
未開花
7上
7上
6下
7下
7上
7下
6下
7下
7上
7中
7下
7上
7中
6下
7下
明赤味紫(8905)
紫白(8901)
明紫赤(9706)
鮮紫ピンク(9505)
鮮赤味紫(8906)
明赤紫(9506)
紫赤(9708)
鮮赤紫(9507)
明赤味紫(8905)
鮮赤(0407)
浅紫(8603)
明紫赤(9706)
-
浅紫(8603)
浅紫(8603)
淡紫ピンク(9502)
白(-01)
明赤紫(9206)
鮮紫ピンク(9204)
鮮赤味紫(8906)
白(-01)
浅紫(8603)
明紫赤(9706)
白(-01)
淡紫ピンク(8902)
淡紫ピンク(9502)
明赤紫(9506)
紫ピンク(9203)
-
鮮紫ピンク(9204)
鮮紫ピンク(9205)
明紫(8604)
鮮紫ピンク(9204)
浅紫(8603)
鮮紫ピンク(9204)
明紫赤(9706)
明赤紫(9506)
紫ピンク(8903)
鮮紫ピンク(8904)
紫ピンク(8903)
白(-01)
白(-01)
紫ピンク(8903)
鮮紫ピンク(9505)
3.1
3.1
4.0
3.8
3.3
4.5
4.2
4.0
5.3
3.8
4.4
3.4
-
4.2
5.1
3.7
2.7
3.7
4.4
3.8
4.6
4.1
4.3
4.9
2.5
3.9
3.1
2.4
-
3.9
2.8
3.4
4.0
4.7
4.1
2.9
3.4
3.0
5.2
3.8
1.7
4.5
3.5
3.8
中
中
中
小
小
小
中
極大
極大
中
大
中
-
極大
大
小
極大
小
大
小
小
中
小
中
中
大
中
大
-
大
中
中
小
中
中
大
中
大
大
極大
大
大
大
中
多
少
中
少
少
少
中
中
中
中
中
中
-
中
中
少
極多
少
中
少
少
少
少
少
極多
中
少
極多
-
中
多
少
少
中
中
中
中
極多
中
多
極多
少
多
少
++
±
-
-
++
++
±
±
-
-
±
+
+
±
±
+
-
+
+
++
±
+
+
±
+
+
++
±
+++
++
-
++
+
±
+
±
-
-
±
-
-
+
±
++
L.i:Lagerstroemia indica L.f:Lagerstroemia fauriei L.sp:雑種
L.i×f:Lagerstroemia indica×fauriei L.i×a:Lagerstroemia indica×amabilis
低:1.8m以下 中:1.8~3.6m 高3.6m以上 枝垂:枝垂れ樹形
月および旬
W
花房長+花房幅 小:30cm以下 中:30~45cm 大:45~60cm 極大:60cm以上
V
1花房当たりの花数 少:150個以下 中:150~300個 多:300~450個 極多:450個以上
U
-:なし ±:微 +:少 ++:中 +++:多
[資料名] 平成19年度試験研究成績書(花き・観賞樹)
[研究課題名] 観賞樹品種の特性検定
[研究期間] 平成19年度(昭和58年~)
[研究者担当名] 原 靖英
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