第16回 議事録 - 電力広域的運営推進機関

第16回 広域系統整備委員会議事録
日時 平成 28 年 8 月 31 日(水)10:00~11:30
場所 電力広域的運営推進機関 豊洲ビルA、B、C会議室
出席者:
<委員>
古城 誠
委員長(上智大学 法学部地球環境法学科 教授)
岩船 由美子 委員(東京大学 生産技術研究所 特任教授)
大橋 弘
委員(東京大学大学院 経済学研究科 教授)
加藤 政一
委員(東京電機大学 工学部電気電子工学科 教授)
工藤 禎子
委員(
(株)三井住友銀行 執行役員 成長産業クラスターユニット長)
大久保 昌利 委員(関西電力(株)電力流通事業本部 副事業本部長)
大村 博之
委員(JXエネルギー(株) 執行役員 リソーシズ&パワーカンパニー 電気事業部長)
鍋田 和宏
委員(中部電力(株)執行役員 グループ経営戦略本部 部長)
松島 聡
委員(日本風力開発(株)常務執行役員)
川﨑 斉司
代理(大阪ガス(株)ガス製造・発電事業部 電力事業推進部 事業戦略チーム 課長)
松崎 功
代理(昭和シェル石油(株) エネルギーソリューション事業本部 電力需給部 副部長)
<オブザーバー>
坂本 邦夫 (東北電力(株)電力ネットワーク本部 電力システム部 技術担当部長)
山本 正紀 (東京電力パワーグリッド(株)経営企画室 技術企画グループ 広域・企画リーダー)
電気供給事業者 9社
欠席者:
伊藤 麻美
委員(日本電鍍工業(株)代表取締役)
田中 誠
委員(政策研究大学院大学 教授)
坂梨 興
委員(大阪ガス(株)ガス製造・発電事業部 電力事業推進部長)
柳生田 稔
委員(昭和シェル石油(株)執行役員 エネルギーソリューション事業本部
電力需給部長)
(以上 敬称略)
配布資料
(資料1)
東北東京間連系線に係わる計画策定プロセスについて
1.東北東京間連系線に係わる計画策定プロセスについて
・事務局から資料1により説明を行った。
・主な議論は以下の通り。
[主な議論]
(古 城 委 員 長)議論を明確にするため全体を 2 部に分割して進める。初めに第1部として電気供給事業
者に直接関係する内容が多い「費用負担割合案の検討の前半 26 ページまで」を議論頂
き、その後 2 部として「27 ページ以降」を議論頂きたい。
1部:Ⅰ.電気供給事業者の応募取り下げ及び応募内容変更(報告)
Ⅱ.実施案及び事業実施主体の評価
Ⅲ.短工期対策の入札状況(報告)
Ⅳ.計画策定プロセスのスケジュール見直し
Ⅴ.費用負担割合案の検討(~26 ページ)
2部:Ⅴ.費用負担割合案の検討(27 ページ~最後)
【1部】
(古 城 委 員 長)まずオブザーバーから意見を頂き、その後、委員の方々からオブザーバーの意見も踏ま
えて質問・意見をお願いしたい。それでは、オブザーバーから意見をどうぞ。
(電気供給事業者オブザーバーA)19 ページの「工期遅延時の取り扱いの方向性」について、工期が決
まっていない中、プロジェクトの収入の予見性が確保できないことが一番の問題であり、
それに伴いプロジェクトに融資を受けることが非常に困難になるということを前回の委員
会で意見させて頂いた。今回、その対応案ということで、二つ目の四角で、
「地域間連系
線利用ルール等に関する検討会にて検討していく」とあるが、この検討した結論が、同意
確認の締め切りまでに示されるのか否かが非常に重要な点と考えている。その点について
どうなるのか。
(事
務
局)スケジュール的には、間に合うようなものではないと思う。
(佐 藤 理 事)結論を出されるのに必要であれば間に合わせる。
(電気供給事業者オブザーバーA)我々の関心は、工期が示されない中で同意確認をしなければならな
いことであり、現状では前回と基本的に状況が変わっていないため、非常に厳しい状況と
認識しているので、質問させて頂いた。
(事
務
局)工期については、7 ページ目に「広域機関としても、広域系統整備計画を進める上で、
東北電力へのサポートを行っていくこと」を記載しており、今後も工期の確実性を高めて
いくことを常に実施していくので、ご理解頂きたい。
(電気供給事業者オブザーバーA)状況については分かった。
(事
務
局)一点、工期が決まっていない前提だと言われたが、工期はあくまでも 10 年 8 か月で実
施していくと決めたいと思っているので、工期が決まっていないという前提ではないこと
は、ご理解頂きたい。
(電気供給事業者オブザーバーA)再確認となるが、私の意見としては、融資が非常に厳しいというの
は工期が 10 年 8 か月とあるけれども、それが例えば 11 年、12 年、13 年になったときに
は収入が得られず、融資の返済もできないということに繋がる。その場合、融資を受ける
ことが非常に困難という事態が想定されることをご理解頂きたいと思って発言した。
(古 城 委 員 長)その他いかがか。
(意見なし)
それでは、委員の皆様から質問・意見をお願いする。
(大 久 保 委 員)5 ページ目に今回も 40 万 kW 程度の応募取り下げがあったとあり、今後も取り下げが
出てきて計画自体の見直しが必要となるケースが出てくるかもしれないが、そのような対
応についてどのように考えているのか。
(事
務
局)今回残念ながら応募の取り下げがあった。これから同意確認を行っていく中で、最終的
な判断により、もしかするともう一回考え直す事業者が少しはいるかもしれないが、基本
的には小さい規模の応募取り下げであれば今回の計画を変更せずに実施していくものと考
えている。ただし、大規模な発電所が、検討の結果残念なことになったら、広域系統整備
計画の見直しを行わなければいけなくなるといったところもある。現在、それが顕在化し
ているかというと、そうではないという認識である。
(川 﨑 代 理)19 ページで、辞退した場合に特定負担全額の支払いを求めることになっており、確実に
今回の計画策定プロセスを進めるという意味ではやむを得ないと思うが、地内の電源線に
ついては、仮にプロジェクトを辞めた場合でも、約款どおり実費の支払いだけであること
に特に変わりはないという認識で間違いないか。
(事
務
局)地内の電源線については、今回の計画策定プロセスとは別で、今までと同じく約款どお
りである。
(川 﨑 代 理)もう一点、15 ページの冒頭に「応募取り下げがあると、運用容量の減少等により、特定
負担額の kW 当たりの単価が増加する」と記載されているが、今回上限として示している
9.5 千円/kW は、もし応募の取り下げが発生した場合にその金額水準を大きく超える可能
性がどのくらいあるのかを示した方が発電事業者の意思決定に親切ではないか。例えば、
「10 万 kW、20 万 kW の取り下げがあったら、これくらいになる」というような目安を
提示するのはいかがか。
(事
務
局)取り下げはない方が良いけれども、仮に取り下げがあった場合には運用容量が変化す
る。運用容量は同期安定性で決まっているので取り下げられる電源の場所によって運用容
量が変わってくる。このため、シミュレーションをしても結果が一律にこうなるとは言え
ないことから、15 ページの 5 つ目の四角に書いているとおり、昨年 11 月の応募継続意思
を確認させて頂いた時点で応募者の方々が継続の意思を示された特定負担額の単価である
9.5 千円/kW を閾値として同意確認をさせて頂き、9.5 千円/kW を越えた場合には、残念
ながらもう一回、見直した単価で同意確認を実施させて頂くことを考えている。この事務
局案で良いとなれば、最大 9.5 千円/kW で一旦判断して頂きたい。
(古 城 委 員 長)技術的に難しいので、費用対効果から考えてこれ以上のことは実施しない方向で考えて
いる。
(工 藤 委 員)4 点確認したい。19 ページの工事遅延時の取り扱いについて、先程もお話があったが、
工事を円滑に遂行するためには特定負担を工事着手前に確定させるのは止むを得ないこと
と考える。一方、特定負担を拠出する事業者としては費用を早期から負担することになる
ので、工事遅延に伴う事業見直しの対応として、当該事業から撤退ということがあった時
に権利を譲渡できるようにする仕組みはご検討頂いていると記載があったが、これは検討
していくべきと思っている。また、これも当然ご認識頂いていると思うが、一般送配電事
業者は、工事遅延などによる計画変更の影響を受ける応募者に対してタイムリーに工事状
況に関する情報を提供し、応募者が適切な決断をできるようにするべきと考える。
42 ページではあるが、特定負担に関連することなのでここでコメントさせて頂きたい。
費用負担割合案の同意確認スケジュールとして、9 月 14 日から 10 月 13 日に応募者等へ
費用負担割合案の同意確認を行うとあり、当然この時期を過ぎたら同意したものについて
取り消せないということが発生するので、ここでの同意確認は、リーガル・バインディン
グな契約書に従ってなされるものと理解している。ここでの判断は応募者からすると非常
に大きな判断と思うので、同意書または契約書の内容を作る時には広く応募者からの意見
も聞き、どのような事項を入れるのかを取り入れながら作ることで将来のトラブルを防ぐ
ことができると思う。具体的には、応募者の契約条件や、工期遅延時の対応など可能な限
り明確化して頂くことが必要。先程の「地域間連系線利用ルール等に関する検討会」につ
いてはスケジュール的にかなり短く難しいかもしれないが、本来はその検討結果を出さな
いと、工事遅延時の対応や権利譲渡の明確化がなされない段階での費用負担という大きな
債務は難しいところもあると思うので、そこを確定するのか、将来の議論事項として残す
のか知恵が必要な部分であるが整理しておくことが必要と思っている。
20 ページの「特定負担したことによる権利と第三者への承継等」で空容量については記
載頂いているとおり、特定負担した事業者とのイコールフッティングを考慮して頂きた
い。一つの考えとして、一般負担分は一義的に一般送配電事業者が負担されるので、当該
事業者が当該空容量の権利を利用者に売却して、一般負担額を削減するというやり方も可
能かどうかは分からないが、あるのではないかと思っている。
23 ページの工事費負担金の支払い方法については、
「金融機関の債務保証がある場合
に、分割前払いを東北電力と協議できる」となっている。関係者の皆様のお考えによるけ
れども、もう一つのやり方として保証者の格付けで縛るという方法がある。コストを下げ
ることが重要であれば、信用力のある親会社から保証してもらうことも一つの案だと思っ
ている。金融機関が債務保証すればリスクを軽減できるかという議論は時々あり、そうい
う時は外部格付けで縛っており、外部格付けがある一定以上の人から保証をもらう。万
一、格付けが下がった時には別の保証を差し入れて頂く形で、期間による信用力の変化を
担保することもできるので、必ずしも金融機関に限らないという方法もあると思う。
(事
務
局)ご指摘の点、特にリーガル・バインディングの話はこれから詰めていくところと思って
いるので、その辺を考慮して進めていきたい。また、権利の話は、今できることと、これ
から連系線利用ルール等に関する検討会を進めていく上でできることを整理しながら、ま
とめていくことになると思う。支払方法については、我々として出せるのは方向性であ
り、契約する東北電力の判断もあると思うので今後相談していく。東北電力さんコメント
はないか。
(東北電力オブザーバー)社内で検討していないのでお答えしかねるが、期間が短い中でいろいろと幅
広な形をとると、契約の方まで進めないのではないかという懸念もあるので、あまり現時
点でオプションを広げるのはどうかという感じはある。
(工 藤 委 員)お答え頂いたことについて、応募者が今回の同意確認で同意したら取り下げられないの
であれば、法的拘束力を持つものになるのが普通だと思うが、そうではないのか。
(古 城 委 員 長)法的である。
(事
務
局)今回ご指摘頂いた内容の反映を同意確認の時にどこまでできるのか、非常に大きなポイ
ントと思っている。現時点では 9 月 14 日から同意確認を開始するとピンポイントでスケ
ジュールを示しているが、場合によっては前後するかもしれないので、その際には別途お
知らせさせて頂く。ただ、その結果全体が遅れるのは良くないので、その点はご容赦頂け
ればと思う。
(大 久 保 委 員)関連して、15 ページに記載のある単価試算値については、9.2 千円/kW から 9.5 千円
/kW の間であれば基本的に事業者は応募を取り下げることはできないが、9.5 千円/kW を
越えると、負担が高くなるので取り下げることができると考えれば良いのか。
(事
務
局)事業者が同意するかしないかの意思決定の時は、他事業者の辞退によって負担額が 9.5
千円/kW まで上がったとしても同意するということを前提に意思決定して頂きたい。
(古 城 委 員 長)リーガル・バインディングになるのはいつの時点か。同意確認して少し値段が上がった
としても、手続き上もう一度確認しないで進めるとあるが、最後にもう一度降りると言え
るのか言えないのか。同意確認を単にしないことだけを言っているのか、そうではなく、
降りることができなくなるということか。
(事
務
局)9.5 千円/kW の金額に収まっていれば、降りられないようにして進めたいと思ってい
る。
(大 久 保 委 員)9.5 千円/kW を超えるような状況になった時には、もう一度となるのか。
(事
務
局)現状では、再確認することで考えている。
(岩 船 委 員)そうなった場合、また一から計画し直しとなるのか。予算が超過するリスクは絶対あ
り、そのリスクをいつの時点で誰が取るのかというところ。これは最後まで特定負担者に
負担してもらうという前提で良いのか。そうであれば、例えギリギリであっても 9.5 千円
/kW を超過したらやり直すということにすると、工期が遅れてしまうのではないか。
(古 城 委 員 長)仮に 9.6 千円/kW となった場合に、9.5 千円/kW からは少し上がっているが僅かな差で
あるから仕方ないと皆さんが言えばそのまま進めるし、9.6 千円/kW なら負担できないと
言って多くの事業者が降りてしまうとやり直しになる。
(岩 船 委 員)そうなると工期が遅れてしまう。そのやり方で収束するのか心配になるが、どうなの
か。
(事
務
局)計画自体を見直すことになれば再度同意を頂くことが難航するかもしれない。上がり方
によるかと思うが多少上がった程度の時には比較的同意を得られるのではないかと思って
いる。今は応募者への費用負担割合案の同意確認を 10 月 13 日締め切りで実施し、その後
一般送配電事業者に同意確認することとしているが、応募者へ同意の再確認が必要となっ
た場合に、例えば応募者の再確認と一般送配電事業者の同意確認を並行的に実施するなど
状況に応じて工夫し、できる限り着工までの期間が長くならないようにしたい。
(古 城 委 員 長)岩船委員の言われるとおりリスクがあるけれども、そこは避けられないのではないか。
(岩 船 委 員)そうですね。ただ、お話を伺っていると、常にここまでの事態にはならないだろうとい
う見通しの元で話が進んできており、今は何とか進んでいるかもしれないけど、こういう
やり方だと上手く収束しないリスクも大きいと思う。この計画に関しては上手くいくかも
しれないが、今後同じように決めていかねばならない場合に、今まではある程度一般送配
電事業者だけで物事を決めることができていたので合意が取りやすかったのかもしれない
が、今後はプレーヤーが増えて難しくなってくることを考えると、仕組みをきちんとして
おかないと話し合いだけでは上手くいかない気がする。今回は時間もないし、今度の 4 月
着工に向けて頑張って調整し続けるしかないと思うが、今後長い目で見た場合、今回のや
り方では上手くいかないのではないかという気がしているので、ご検討頂きたいと思う。
(大 村 委 員)19 ページの内容についての意見。東北電力、東京電力パワーグリッドとで検討し今回工
期を 10 年 8 か月と決定したとしても、工事完了が遅れるリスクは必ず内包されるため、
それを承知して経営判断せざるを得ないと思う。危険だと考える発電事業者がいるのであ
れば、ここに書いている特定負担をリスクマネージメントしておけば良いだけだと認識し
ている。つまり、途中で辞めることになれば 9.5 千円/kW 掛ける kW が何十億になるかも
しれないが、そこが経営判断になると思う。今回提案している方向で進まないと、いつに
なっても進まないと感じている。
(寺 島 理 事)今の大村委員の話も含め、工藤委員、岩船委員、オブザーバーからのご発言、ご意見を
踏まえてお話させて頂きたい。現行の連系線利用ルールは、先着優先となっており、これ
は発電所なのか小売事業者なのか、何かアイデンティティーをもって特定しないといけな
いところから始まっているので、今のような話が出てきてしまう。冒頭、本委員会の中で
「連系線の利用ルールの検討を開始する」と言って意味するものは、先程佐藤理事が「必
要があれば結論を早く出す」と言いましたが、そのものというのは、この連系線を利用す
ることに対するいろいろな価値について、今度はアイデンティティーを特定していく形で
はなくて、価値そのものを評価していこうではないかということである。そのことをしっ
かり実施していくことは、工期が遅延した時にでもリスク軽減する措置を作ることもでき
るし、事業者が困った時にはその事業者が価値を認めた他の事業者に譲渡することもでき
るし、いろいろな措置ができることになると考えている。そのことを踏まえて電気供給事
業者の方にはご判断頂きたい。現在の先着優先ルールの下では、ある特定負担に対して辞
退する事業者がいたら、次々と辞めてしまうこともあり、先着優先のルールだから今これ
だけ連系線の空容量が少なくなってきたところでもある。もう、先着優先というものが立
ち行かなくなってきているところであり、アイデンティティーを特定するのではなくて、
経済的価値を特定する形で連系線の利用にもっていこうという方向に動いていけば、ない
しは動いていくという結論の方向性をしっかり出していけば、ご心配の相当程度は払拭で
きると思っている。それは、単に連系線プロセスのルールだけではない、将来のいろいろ
なルールに反映したいと思っているし、それを踏まえて電気供給事業者の方にもお考え頂
きたい。それが、工藤委員の冒頭の二点への私からの別な意味でのお答えと思っている。
(古 城 委 員 長)工藤委員が言われたように、特定負担者の負担と得られる権利は今のままでは均衡して
いないので、それを埋めるように検討する方向ということである。
(工 藤 委 員)それは良く理解しているが、結論が出ない中で同意しても抜けられないことをリーガ
ル・バインディングにすることが、どこまで出来るのかというのはあると思う。方向性は
示して頂いているので、そこは理解している。
(古 城 委 員 長)あと、いかがか。
(意見なし)
では、委員の質疑を踏まえて、改めてオブザーバーから意見があればどうぞ。
(東北電力オブザーバー)26 ページの三つ目の四角「本広域系統整備の費用負担割合算出における諸
元」のところで、括弧に「増強により拡大する運用容量」とあるが、今後、例えば電源の
取り下げ等があって運用容量が変わる可能性もあるけれども、どのように考えているの
か。
(事
務
局)この先工事期間が 10 年ぐらいあるけれども、
「増強により拡大する運用容量」の部分に
ついても、先程の費用負担割合を決定する 12 月時点の値によって固定して進めていきた
い。電気供給事業者の予見性も確保すべきといったところで、そのように考えている。
(東北電力オブザーバー)仮に大規模な事業者の方が辞退されたら、その時は別途ということになるの
か。
(事
務
局)大規模な事業者の方が辞退された場合に、計画の見直しがあれば変わってくる。
【2部】
(古 城 委 員 長)本日委員会として費用負担割合案の結論を出す必要があるので、結論に向けての議論を
して頂きたい。まずは、費用負担候補者である一般送配電事業者および電気供給事業者の
オブザーバーから意見を頂きたい。
(電気供給事業者オブザーバーB)意見聴取でも計算の根拠を出して欲しいとの意見を出させて頂いて
いるが、例えば、電源の抑制量を算出する際には最大の抑制量と最小の抑制量との中央値
を使って算出し、一方で運用容量を算出する時には仮想の電源を一番信頼度的に厳しいと
ころに設定して運用容量を算出している。一個一個の考え方は分かるが、全体を一気通貫
して見た時に考え方のトーンが取れているかどうか細部を広域機関で見て頂いて、極端に
不公平感がないようにして頂きたい。26 ページのように固定化して頂けるのは、意思決定
もしやすくなるためありがたい話なので、固定化する際には、横並び等も見て頂いて、ト
ーンを取る必要があるかどうかも含めて確認頂くようお願いする。
(事
務
局)今でも見てはいるが、ご意見頂いたので、再度事務局で確認したいと思う。
(東北電力オブザーバー)27 ページ「供給信頼度等の向上による受益」で、弊社としては、連系線の増
強により確かに送電側の供給信頼度は上がるというところはそのとおりかと思うが、それ
により受電エリアは安定した電気を受けられるところもあるのではないか、送電側のメリ
ットだけではないのではないかと主張させて頂いたところ。また、28 ページの常磐幹線南
側事故では、シミュレーション上大規模な停電が発生するので、東京エリアも含めいろい
ろな影響もあるのではないかと主張させて頂いたところである。あとは本日の事務局の資
料に基づき、委員会で議論して頂き、その結果を踏まえて、検討していきたいと考えてい
る。
(古 城 委 員 長)他にいかがか。
(意見なし)
それでは、委員の皆様からご意見を受け付けたいと思う。オブザーバーからの意見に対
するものも含め意見・質問はあるか。
(鍋 田 委 員)本日は結論の方向性を出すということであったが、結論の方向性はこれで良いと思う。
本内容については、一般送配電事業者の中でもいろいろな考え方があった。資料に記載頂
いているが、27 ページの相馬双葉幹線ルート断時の受益がどちらにあるのか。それから、
空容量をどうするのか、その辺が一番大きな問題であった。
相馬双葉幹線ルート断時の電源の出力抑制については、東北エリアで出力を絞って、東
京エリアは何もしないということから東北エリアの受益だという意見と、一方で電源を出
力抑制すれば、その分東京エリアで少しでも焚き増すのであれば東京側にも受益があるの
ではないかという意見があった。今回は、東北エリアで出力抑制すれば、東京エリアは対
応がいらないということから、東北の受益ということになっている。
もう一つ、空容量だが、今回電気の流れが南向きなので、このような結論になっている
が、最終的には空容量は誰が使うのか分からない。その分からない段階で、負担者を決め
ることは本当に難しい問題だということを改めて知らされた。特に、今回は潮流が南向き
だが、場合によってはどちらか分からない場合もあるので、今回の考え方で固定すること
なく、いろいろな系統状況やケースによって、その時その時で最善の方法を検討していく
ことが必要ではないかと考える。
(事
務
局)電源を絞るのが東北側であったとしても、東京側も出力を上げないといけないという考
え方があるという点では、お考え頂いたとおりである。今回、系統の同期安定性という意
味で、東北側を強制的に電源解列するという話と、東京側で出力を増やすというのは、同
じインパクトかというと議論があると思う。今回は、あくまでも費用負担ガイドラインに
沿った考え方で整理させて頂いたということでご理解頂きたいと思う。空容量に関して
は、今回特定負担として始まった計画策定プロセスなのでこのような議論になったが、違
う形で始まる計画策定プロセスにおいて使い方としていろいろな観点を考えていくという
ことであれば、当然今回の方向がそのまま適用されるものではないと思う。今回はこの考
え方で一定の合理性はあると思っている。
(加 藤 委 員)一番基本的なところであるが、41 ページの配分に関して、オブザーバーの東京電力パワ
ーグリッド、東北電力の方から発言がなかったが、これで合意されているということでよ
ろしいか。まず、そこをお伺いしたい。
(東北電力オブザーバー)まだ特定負担が最終決定されていないこともあり、その数字によって一般負
担の配分が変わってくるので、この数値で合意しているわけではない。
(古 城 委 員 長)特定負担が仮にこのとおりだとすると納得されているのか。
(東北電力オブザーバー)納得しているわけではなく、数値を見た上で、別途経営的な判断が必要と考
えている。
(東京電力パワーグリッドオブザーバー)本内容で合意しているというわけではないが、意見は、弊社
への意見聴取や、前回の委員会でお話させて頂いたとおりである。本日、その内容も踏ま
えて広域機関から案が提出されていると理解しているので、これを持ってご議論頂いた結
果を持ち帰って判断したいと思っている。
(加 藤 委 員)今のことを前提に話させて頂きたいが、以前から申し上げているように特定負担と一般
負担を配分する費用負担ガイドラインと一般送配電事業者間の負担を決めることは基本的
に考え方が違う。ただ、その特定負担、一般負担を分ける考え方で進めてきたのでこのよ
うな結果になったと思っている。極端なことを言うと、一般送配電事業者のどちらか一方
が、今回の設備を作ることはビジネス的なメリットがあるから全額負担するという考え方
も当然ある。あるいは半々にするという考え方もある。ただ残念ながら、両社が折り合わ
なかったので、特定負担、一般負担の配分を今回の考え方とした結果、これなら仕方ない
ということで現在に至っていると認識している。コメントとしては、今後の連系線の負担
の配分という問題が起こった時に、今回を前例として踏襲するのか、あるいは、先程鍋田
委員からもご発言があったが、技術的に考えた場合には違う考え方が当然出てくるので、
そういうものをベースに考えるべきなのか。今後のことを考えると、はっきり決めておい
た方が良いと思う。
(古 城 委 員 長)この点は他の委員の意見もお伺いしたいところであるが、いかがか。今回を機会に立法
する。もう一つはケースバイケースで凡例を積み上げていくことでルールを作っていく。
二通りの方向がある。
(加 藤 委 員)今回の場合、私はこのやり方が正しいとは思えない。先程言ったように、当事者が合意
すれば良い話。合意しない場合にどうするかという話になるので、そういった意味で今回
のやり方は適当だと思わない。だから、今回のやり方はあくまでも特例であって、今後の
ことを考えた方針を決めておいた方が良いのではないか。逆に今回このように決まったの
で、今後も踏襲するということはしないとした方が良いのではないか。
(大 橋 委 員)今の意見、私も思うところがあるが、ただ今回まとめないといけないので、一回理事会
等でまとめて頂いた時点で、今回の計画策定プロセスを振り返る場を設けて頂いて、その
中で加藤委員の件も含めていろいろな意見があると思うので、今回実施してどうだったの
かを今後に向けて検証するということが一番生産的だと思う。
(寺 島 理 事)加藤委員、大橋委員の話、その前にあった話も含めて申し上げたい。昨年の 11 月に費
用負担ガイドラインが制定され、特定負担、一般負担の区分についてはそのガイドライン
に従って決めている。また、一般負担の両エリア間の配分についても、費用負担ガイドラ
インが制定されたことから、同ガイドラインに準拠した形で空容量、信頼度向上、設備更
新について算出し、決めさせて頂きたいということに対して、これは「間違っている」な
どとは決して申すつもりはない。費用負担ガイドラインに従うものは従い、準拠するもの
は準拠して決めているものであるからこそ、一般送配電事業者の最終的な経営判断を踏ま
えて負担して頂くにふさわしい、今時点での考え方だと思っている。ただ、将来何がなん
でも全部これだということを今ここで決めることもまた違うと思っている。今は、これが
正しいと思っており、将来も同じ場所で、同じようなケースで、同じ議論があって、費用
負担ガイドラインが今のままであれば、同じようにすることになるだろうし、場所が違え
ば鍋田委員が言われたように同じ費用負担ガイドラインの下でも違う答えになる場合もあ
るとは思う。そこについては、この場で将来に亘って必ずこのとおりにするとか、しない
とかを決めるものではないと思っている。この時点でこの考え方で整理することは、今与
えられている時間と、これまでの関係者のご意見も踏まえた判断としては、正しいものだ
と考えている。
(加 藤 委 員)この結果が間違っているという意味ではなく、今回の考え方が前例となって後々も全く
同じ考え方で続けられるのか、そうではないのではないかという意味である。先程、大橋
委員からあったように、だからこそもう一回振り返って、しっかりと検証した方が良いの
ではないかということに繋がると思う。今回の考え方を否定するわけではないということ
だけは理解して頂きたい。
(古 城 委 員 長)いろいろと皆さんが言われるように、今までの経緯とか時間の制約とかを考えると、前
例として拘束するような決定になるということはないのではないか。次の機会に参考とし
て扱っていくという意味では、全く今回限りということもない。50%ぐらい尊重してもら
うという存在として、理解することでよろしいのではないか。
(加 藤 委 員)私も全く無視しろと言わないし、これを 100%使えとも言えないという意味では、今の
委員長のとおりだと考える。
(大 橋 委 員)前回、事業者間精算の質問をさせて頂いたが、今回資料に記載頂いていることに感謝申
し上げる。十分に理解した。
一点目、33 ページで、空容量の初期費用を東京エリアが負担することについて、東京管
内から西に流れることもあるのではないか、そうした場合に受益と負担の関係が整合しな
いのではないかという懸念に対して、適切な精算方法を検討することを前提として書かれ
ているので、この方向で良いと思う。全てを東京が負担するのはどうか、現実問題として
ほとんど東京が受益することになるかもしれないが、精算の形はきちんとしておいた方が
憂いはないと思う。
二点目、単なる机上の話だけで杞憂に過ぎないかもしれないが、今回の事業実施主体は
手を挙げて頂いた東北電力に決まる方向だと理解している。通常、自社の供給エリアで一
般負担として工事費を回収する場合は、工事実施者と負担者が一致するので、工事をでき
るだけ安く抑えるインセンティブが働く余地があると思うが、全体の一般負担の 10 分の
1 であれ、他エリアの一般負担から回収するとなると、先程のインセンティブも若干ずれ
るかと思う。まさに机上の理論ではあるがそのように感じる。ここは、本委員会の場もあ
るので、工事の適正な実施について、東京電力さんも含めて発言できる形を取って頂くこ
とが重要なことだと思う。
(事
務
局)一点目の精算方法は、今後検討を進めていって対応させて頂きたい。二点目の工事実施
主体と負担者が違うという意見については、FCの時も同様な状況であり、同じような方
法かどうかは別としても、しっかりと委員会に報告していくことを考えている。
(川 﨑 代 理)41 ページの試算結果と 26 ページの費用負担割合の固定との関連について確認させて頂
きたい。今回、取り下げもなく全応募者から同意が取れた場合は、41 ページの金額で一旦
フィックスになるという理解でよろしいか。
(事
務
局)電気供給事業者への同意確認によって、9 社が同意した場合は、このままとなる。仮に
取り下げが一部あったとしたら単価が変動するが、先程の 9,500 円/kW 上限までは今回の
同意確認の中で確認する。
(川 﨑 代 理)9 社同意となった時は、この 9,171 円/kW が特定負担の金額としてセットされ、そこを
上限額として、事業者に認識しなさいということになるのか。
(事
務
局)同意確認の時の上限額として認識して頂くのは、9,500 円/kW である。
(川 﨑 代 理)それは、同意確認が終わった後も 9,500 円/kW が上限ということになるのか。同意確認
の前に一旦 9,500 円/kW で電気供給事業者にヒアリングしていくのは理解したが、全応募
者の同意が取れた後は、特定負担額はこの 9,171 円/kW に下がるのか、9,500 円/kW のま
まセットされるのか。先程の話とも関連するが、どの金額がリーガル・バインディングさ
れる金額なのかを今後整理して頂きたい。
(事
務
局)今後、検討させて頂く。
(大 村 委 員)42 ページの応募者への同意確認のスケジュールだが、明日から 9 月 1 日となるがその
スケジュール感は前々から応募者へこのような形で進めていくことは伝えてあったという
理解でよろしいか。
(事
務
局)前回の委員会でも 9 月中旬頃から 10 月上旬頃と示させて頂いているし、元々計画策定
プロセスをスタートした時に費用負担割合の決定に向けたスケジュールは出している。
(古 城 委 員 長)他いかがか。
(意見なし)
今までの議論をとおして、オブザーバーから再度何かご意見ないか。
(東京電力パワーグリッドオブザーバー)今回、弊社が前回の委員会で主張させて頂いた空容量の初期
費用負担について、受け入れて頂けなかったことについては、大変残念に思っている。た
だ一方で送配電等業務指針に記載のとおり最終的には広域機関が決定するということも理
解している。その上で、今回事務局からご提案頂いた案は、費用回収が適切にできること
を前提として頂いているので、この前提条件が変わった場合には再協議と認識している。
広域機関さんとしても、今後引き続き適切な費用回収の実現に向けてよろしくお願いした
い。
また、本日議論頂いた結果については、大変厳しいものであるが、真摯に受け止めて社
内に持ち帰り、同意確認時に最終的な弊社の回答をさせて頂きたいと思っている。
(東北電力オブザーバー)今回、事務局の案が委員会で議論をされた結果ということであれば、弊社も
その結果を踏まえて、今後進めていきたいと考えている。ただ、最終的な金額に対する同
意については、別途、経営的な判断が必要だと考えている。
(古 城 委 員 長)計画策定プロセスの決定に向けて時間が限られている中で、いろいろ自由に議論できる
状態にないことは、委員の皆様も十分了解頂いており、非常に抑えた議論をして頂いたと
理解している。本日の議論によって事務局から提案した東北東京間連系線の計画策定プロ
セスの実施案、費用負担割合案について、提案内容を了解して頂いたので、今後、事務局
にて、評議員会、理事会へ付議し最終決定していく。
(寺 島 理 事)本日、東北東京間連系線の計画策定プロセスの実施案、費用負担割合案について、非常
に難しい問題であったが、第 13 回委員会から 4 回、中立者委員の皆様にここまで審議い
ただき御礼を申し上げる。本当にありがとうございました。
この東北東京間連系線の計画策定プロセスについては、広域機関発足直後に電気供給事
業者の提起者さんからお話を頂き、募集したところ他の応募者が多く集まったことで動き
出したことはご存知のとおりだが、それ以前のESCJの時代から、この東北東京間につ
いては既に長期的な空容量がなく、どうにかしないといけないと議論されてきたことだと
思っている。更には、長期エネルギー需給見通しにおいて、再生可能エネルギーのポテン
シャルが非常に高い東北エリアに、政策的な観点からもこの連系線の整備が必要ではない
かということは、電気供給事業者からの提起があろうがなかろうが、ポテンシャルとして
あったことだと思っている。広域機関としては、長期的なネットワーク整備の中でもしっ
かりやっていかなければいけないことだと思っており、それについては、昨年 9 月の基本
要件で確認させて頂いた内容を改めて感じているところである。
そのような中、今回、実施案を確認させて頂いたところだが、当然のことながら工期、
工事費については現時点の計画段階ということで、このような形にまとめさせて頂いた。
これについては、先程からご意見頂いた電気供給事業者の事業展開上の確実性、予見可能
性という意味では何より重要な問題だと認識しており、広域機関としては事業実施主体の
東北電力と連携して、コストダウンはもちろんのこと、工事運開時期の確実性を高めるた
めの諸施策について、積極的に動くつもりである。更には、もし工期が遅れた時の電気供
給事業者のリスク軽減策はどうするのか、万一事業者としてその権利を転売したい時にど
うするのかということについては、広域機関としても地域間連系線利用ルール等に関する
検討会の中で、しっかりと検討していかなければ、この広域的な連系線の活用は上手くい
かないと思っている。そこについてもしっかり対応していくので、その点、電気供給事業
者の方にはご理解頂き、その上で、今回のご判断を頂きたいと思っている。
最後に皆様に御礼方々、お願いも含めて話をさせて頂いた。ありがとうございました。
2.閉会
(古 城 委 員 長)これにて、本日の議事は全て終了となったので、第 16 回広域系統整備委員会を閉会す
る。議論にご協力いただきありがとうございました。事務局から連絡事項はあるか。
(事
務
局)本日議論頂いた内容で、今後、評議員会で実施案、費用負担割合案の審議を頂いた上
で、理事会にて決定させて頂きたいと思う。応募者への費用負担割合案の同意は、本日の
議論を踏まえて少し内容を検討させて頂くので、スケジュールが少し変わるかもしれない
がご了承頂きたいと思う。ありがとうございました。
本日の委員会議事録は、事務局で作成して委員の皆様にご確認頂いた後ホームページで
公表させて頂きたいと思う。次回の委員会は、9 月 28 日水曜日 15 時からとなるので、よ
ろしくお願いしたい。本日はありがとうございました。
-了-