兵庫県医師会報 ’ 10. 8 No.682 康被害は食中毒である。今の精度は PPM よりも 第 4 回女性医師の会フォーラム もっと小さいピコグラム単位まで検出できる。こ 渡 辺 弥 生 のような精度の高い検出法で検出された微量の農 平成22年 6 月12日午後 2 時30分から兵庫県医師 薬や添加物は必ずしも害にはならない。消費者が 会館で第 4 回女性医師の会フォーラムを開催しま 一番信用するのはマスコミで、ワイドショーで放 した。参加者は81名で、多くの先生が参加して下 映されたものはすべて事実と受け止める傾向があ さったことに感謝しています。当日は県医師会館 る。食品安全委員会のリスク分析手法とリスク評 の会議室に託児室を作り、委員の先生の病院から 価の実態を国民に正しく知って頂きたい。 保育士さんに来て頂き、 2 人の子どもさんを預か 第 2 部のシンポジウムは「医療崩壊と勤務医問 りました。 2 時から 2 時30分まで総会を開き、平 題を語ろう」です。 5 人のシンポジストの先生に 成21年度兵庫県女性医師の会会務報告と今期の役 お話を伺いました。座長は女性医師の会副会長、 員選出の件を提起し承認されました。今期は多田 大江与喜子先生です。コメンテーターとして日本 梢先生が会長に選出され、多田会長を中心として 医師会常任理事の保坂シゲリ先生に来ていただき 女性医師の会が運営されます。 ました。最初に保坂先生から日本医師会の女性医 フォーラムの司会は藤原りつ子先生がされまし 師支援について簡単に話して頂きました。 た。 2 時35分から 3 時まで、産婦人科開業医の宮 シンポジストの河田知子先生は、姫路市の小児 本由紀子先生と病院勤務医で産婦人科をされてい 医療の問題点と小児医療の現状を話されました。 る稲垣美恵子先生のフラメンコダンスを鑑賞しま 地域の中核病院の小児科が生き残れるためには、 した。お二人ともアマチュアとは思えないような 一次救急を受け持つ急病センターがあること、重 素晴らしいダンスを披露して下さいました。 症患者を受け入れる病院があること、カルテを共 基調講演は「食品安全に果たす医師の役割」で 有し、主治医不在の時も他の医師が対応出来るシ 内閣府食品安全委員会委員長の小泉直子先生の話 ステムがあることの必要性を話されました。武部 です。先生は昭和43年神戸大学医学部卒業後、神 礼子先生は子育て中の医師の育児短時間勤務制度 戸大学助手、兵庫医科大学教授をされ、その後、 を話されました。先生は神戸市立医療センター西 内閣府食品安全委員会委員を経て委員長になって 市民病院に勤務しておられ、平成21年から医療セ おられます。食品安全委員会とは、国の行政機関 ンターに導入されたこの制度を利用しておられま として2003年 7 月に設置され、食品安全にリスク すが、正規の職員として勤務できるメリットを話 分析とリスク評価を行い、それを国民に伝える委 されました。公的な病院でこの制度が導入される 員会です。先生の話は次の通りです。 のは一つの進展かと思います。真星病院院長の大 食品にはどのような危害物質があるか、体内に 石麻利子先生は、病院経営者として女性医師の勤 入ればどんな障害を起こすか、健康被害を起こす 務について話されました。女性医師は診察が丁寧 量はどれくらいか、動物実験も実施して人が安全 で患者さんの受けがよく、細かいところまで気が に摂取してもいい量をどのようにして決めるかな 付き、手術もして精一杯頑張っておられます。仕 ど、国民にとっては大切な問題である。食品の危 事と家庭の両立をされている先生は、人間の幅が 害要因には細菌やウイルス、自然毒素、食品添加 広がっているようです。休職時の費用負担が発生 物、残留農薬などがある。今、世界中から輸入食 しますが、病院にとって女性医師は必要ですと話 品が来るので、この多い量を調べるのは時間がか されました。 かる。食品中の危険物質で実際に起こっている健 兵庫医科大学教授の飯島尋子先生は女子学生の − 15 − 兵庫県医師会報 ’ 10. 8 No.682 意識について話されました。卒業間近の女子学生 の意見をまとめ、会場からの質問を受け、適切な に聞くと、 1 割は結婚したら辞める、 8 割は結婚 司会進行をして下さいました。先生のファッショ しても働く、 1 割は結婚せずにバリバリ働くと答 ナブルな装いも素敵でした。 えました。女子学生はせっかく医学部に来たのだ 「第 4 回女性医師の会フォーラム」は成功裡に から頑張ろうと思っている学生が多く、男子学生 終わりました。検討しなければならない多くの問 よりも仕事に対する意欲が強いようだと言われま 題が浮き彫りになりました。女性医師の会はこの した。基調講演演者の小泉直子先生は、女性研究 フォーラムで提出された多くの課題に取り組んで 者が少ない現状を説明されました。大江先生は皆 行きたいと思っています。 《加古川市加古郡》 ● 原 稿 募 集 要 項 ● ●原稿締切日は特に設けません。 原則として毎月最終金曜日に編集委員会を開いています。 ●原稿は、なるべく簡潔にお願いします。横書きで、洋数字は 2 字を 1 字(例: 19 99 )とし て下さい。kg、ml、なども 1 字とします。欧文は適当にお書き下さい。なるべく新かな使いを お守り下さい。同時に難解な漢字もご遠慮願います。 ●原稿は、原則としてお返しいたしません。紙上匿名は認めますが、原稿に氏名の明記のないも のはお断りすることがあります。 ●原稿の〆切は特に設定しておりませんが、毎月最終金曜日が編集委員会となっておりますので、 掲載される号は翌々月号となります。 ●執行部個人や会員個人を誹謗した内容とか、その他掲載に支障があると委員会で判断した場合 の原稿は、筆者にご連絡の上にて善処させていただくことがあります。 ●ご投稿以外に、本誌に対するご意見、ご希望、または新しい企画も歓迎いたします。 ●学会、研修会等会議の内容報告は、レポート欄にて取り扱いますので、1,400字以内でお願いい たします。 ●短歌、俳句、川柳はお一人 5 首、 5 句といたします。 ●原則として、長文の紀行文、旅行記、随筆は、現在のところお受けいたしかねます。 ●学術論文、研究論文に属するものは、予め担当理事にご相談願います。 − 16 −
© Copyright 2024 Paperzz