【資料4-2】参考となる経営指標

参考となる経営指標
資料4-2
『下水道経営改善ガイドライン(案)』で挙げた、下水道経営の現状と課題に対する経営指
標は以下の通りである。
下水道経営の課題
評価指標
①資本費が高い(元利
償還費が多い)
債務償還年数
(年)
②人口減少による既存
経費回収率(%)
整備区域の収入減少
③水洗化率の低迷
水洗化率(%)
算定式(単位)
意義
地方債残高 + 借入金残高
業務活動によるキャッシュフロー
地方債残高が適正
か
使用料収入
×100
汚水処理費
経費回収率が適正
か
現在水洗便所設置済人口
×100
現在処理委区域内人口
水洗化率が適正か
基準外繰入金を除
いた収益力が適正
か
④一般会計基準外繰
入金に依存した経営
独立採算率(%)
基準外繰入前利益
×100
総収益+他会計補助金(資本的収入)
⑤維持管理費が高い
有収水量当たり
の維持管理費
(円/㎥)
汚水処理費(維持管理費)
年間有収水量
維持管理費が適正
か
⑥施設効率が低い
施設利用率(%)
現在晴天時平均処理水量(㎥/日)
×100
現在処理能力(晴天時)(㎥/日)
施設効率が適切か
補足事項
上記の経営指標に関して、分母、分子に用いる数値は、総務省の地方公営企業年鑑及び
決算統計のデータから抽出する。
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資料4-2
参考となる経営指標
①課題:資本費が高い(元利償還費が多い)
債務償還年数(年) =
地方債残高+借入金残高
(↓)
業務活動によるキャッシュフロー
指標の説明
債務償還年数は、事業投資のために必要となる地方債などが、使用料収入などの営業収入で
獲得するキャッシュ・フロー能力の何倍(何年分)かをはかる指標である。
この指標により、地方債などの返済能力を把握するとともに、借金が収入に見合ったものである
ことを判断することになる。
指標の目標値
通常、資本費平準化債を用いることにより、地方債の償還期間を45年まで繰延できることから、下水道施設の
平均耐用年数である45年を目標値とすることとする。
モデル都市の経費回収率と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公
共下水道
秋田県潟上市
20年
新潟県糸魚川市
30年
佐賀県唐津市
31年
全国加重平均値
24年
35年
16年
58年
37年
算定式の説明
分母の業務活動によるキャッシュ・フローとは、本業で獲得する正味の現金の増加額(マイナスなら減少額)のことである。固定資
産の取得に要する支出、国庫補助金による収入、及び地方債の起債による収入などは含まれない。
○法非適用事業者:総収益-総費用+他会計補助金(資本的収入)-基準外繰入金
○法適用事業者:総収益-総費用+他会計補助金(資本的収入)-基準外繰入金+減価償却費
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資料4-2
参考となる経営指標
②課題:人口減少による既整備区域の収入減少
経費回収率(%) =
使用料収入
×100(↑)
汚水処理費※
※分母の汚水処理費は、分流式下水道等に要する経費を控除した後の値を用いる。
指標の説明
人口減少による既整備区域の収入減少は、下水道事業単独で対応できる課題ではないた
め、使用料収入不足という課題に置き換え、適切な使用料水準をはかるための指標として経
費回収率を設定した。経費回収率は、使用料収入で汚水処理費(使用料対象経費)の何
パーセントを賄えているかを表す指標である。
指標の目標値
本来、汚水対象経費は使用料で賄う必要があることから、経費回収率は100%であること
が望ましいが、全ての事業者が経費回収率100%を目標値とすることは現実として厳しい。
このため、下水道事業の経営状況に応じてAとBのランクに分け、それぞれの目標経費回収
率を設定することとした。
Aランク(原則としてすべての事業者が目標とすべきランク)・・・100%
Bランク(Aランクの目標値がすぐに達成困難な場合に暫定的に目標とすべきランク)・・・80%
モデル都市の経費回収率と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公共
下水道
秋田県潟上市
75.2%
新潟県糸魚川市
51.6%
佐賀県唐津市
59.3%
全国加重平均値
91.2%
77.3%
54.8%
47.0%
58.5%
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資料4-2
参考となる経営指標
③課題:水洗化率の低迷
水洗化率(%) =
現在水洗便所設置済人口
×100(↑)
現在処理委区域内人口
指標の説明
水洗化率は、下水道を利用できる地区、つまり現在処理区域における水洗化されている割
合を示す指標である。水洗化率を上げることは、使用料収入の確保に繋がるため、水洗化率
が低い事業者は水洗化率を上げていく必要がある。
指標の目標値
水洗化率が全国加重平均値に達していない事業者は、全国加重平均値の水準に近付ける
ことを目標とする必要がある。
モデル都市の水洗化率と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公
共下水道
秋田県潟上市
89.1%
新潟県糸魚川市
91.8%
佐賀県唐津市
87.5%
全国加重平均値
94.0%
64.9%
98.4%
75.3%
77.6%
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資料4-2
参考となる経営指標
④課題:一般会計基準外繰入金に依存した経営
独立採算率=
基準外繰入前損益
×100(%)(↑)
総収益+他会計補助金(資本的収入)
指標の説明
独立採算率は、基準外繰入金を除いた収益力を表す指標である。
指標の目標値
全国加重平均値を下回っている場合、基準外繰入への依存度合いが高いと考えられるた
め、全国加重平均値の水準に近付けることを目標とする必要がある。
モデル都市の独立採算率と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公
共下水道
秋田県潟上市
42%
新潟県糸魚川市
31%
佐賀県唐津市
45%
全国加重平均値
40%
39%
29%
33%
38%
算定式の解説
基準外繰入前損益は、使用料収入や基準内繰入などの収益から、使用料対象経費及び基準外繰入金
を差し引いた損益である。以下の式で算定される。
○法非適用事業者:基準外繰入前損益=(総収益-総費用)+他会計補助金(資本的収入)-基準外繰
入金
○法適用事業者:基準外繰入前損益=(総収益-総費用+減価償却費)+他会計補助金(資本的収入)
-基準外繰入金
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資料4-2
参考となる経営指標
⑤課題:維持管理費が高い
有収水量当たりの維持管理費(円/㎥) =
汚水処理費(維持管理費)
(↓)
年間有収水量
指標の説明
有収水量当たりの維持管理費は、年間有収水量に対する維持管理費の水準が適正であ
るかをはかる指標である。
指標の目標値
全国加重平均値の水準に近付けることを目標とする必要がある。
モデル都市の有収水量当たりの維持管理費と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公
共下水道
秋田県潟上市
98.8円/㎥
新潟県糸魚川市
110.1円/㎥
佐賀県唐津市
95.7円/㎥
全国加重平均値
65.8円/㎥
108.2円/㎥
160.5円/㎥
151.7円/㎥
134.4円/㎥
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資料4-2
参考となる経営指標
⑥課題:施設効率が低い
施設利用率(%) =
現在晴天時平均処理水量(㎥/日)
×100(↑)
現在処理能力(晴天時)(㎥/日)
指標の説明
施設利用率は、施設効率が適正かをはかる指標である。事業の進捗率がある程度進ん
でいるにも関わらず、施設利用率が低い場合、施設効率が低いものと考えられる。
指標の目標値
施設利用率の目標値は、各事業者ごとの(日平均汚水量/日最大汚水量)の比率、若しく
は70%とする。
施設利用率は、処理能力に対する日平均処理水量をはかっており、通常100%になること
は想定されていない。一般的に日平均汚水量/日最大水量の値は、上水道使用実績から
推定できる場合があるが、それができない場合には、70~80%を用いるものとされている。
また、処理場の整備は、流入水量に応じて段階的に行われることもあるため、その増設工
事・供用開始の前後で施設利用率は大きく変動することにも留意が必要である。
モデル都市の施設利用率と全国加重平均値
事業
公共下水道
特定環境保全公
共下水道
秋田県潟上市
-(流域関連)
新潟県糸魚川市
51.0%
佐賀県唐津市
51.2%
全国加重平均値
64.0%
-(流域関連)
34.7%
42.2%
34.9%
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