経済日誌2010年12月 注)1DH(ディルハム)=約 10 円 I.モロッコ国内経済 1. 指標等 ①2011年予算案の成立 1 (1)歳入、歳出 (歳入) (歳出) 2,809 億 DH=約 2.8 兆円 2,930 億 DH=約 2.9 兆円 (内訳) (内訳) 税収 一般財政経費支出 1,519 億 DH 1,594 億 DH (うち人件費 (うち 直接税 669 億 DH 860 億 DH 間接税 676 億 DH 設備・その他経費 269 億 DH 関税 127 億 DH 地方交付金 264 億 DH 予備費 印紙税など 122 億 DH) 26 億 DH) 専売・国営企業収益 102 億 DH 借款・国債等 特別会計収入 一般財政投資支出 542 億 DH 538 億 DH 519 億 DH 等 利息支払 182 億 DH 国債償還 183 億 DH 特別会計支出 481 億 DH 等 (2)税制改正など (1)小規模企業(年間売上高300万DH以下)に対し法人税率15%を適用。ただし 2011 年 1 月1 日から 2012 年 12 月31日までの適用。インフォーマルセクターから法人化への誘致策。 (2)カサブランカのAnfa空港跡地に建設予定「CFC:カサブランカ・ファイナンスシティー」へ進出 する輸出サービス企業は法人税を5年間免除、その後は8.75%の法人税を適用。また、同企業 における海外駐在員とモロッコ人の所得税は一律20%の税率を適用(モロッコ人にも適用)。 (3)ハイブリッド車輸入関税を 2.5%へ。 1 経済・財政省ホームページ(www.finances.gov.ma)Bulletin Officiel(12月30日) 1 (4)小麦の輸入関税撤廃を2011年4月30日まで延長。 (5)グルテン輸入関税を49%から2.5%へ減税。 (6)投資支援基金(Fonds pour le soutien des investissements)の創立:民営化収入の半分(額は 未定)を充当し、海外からの直接投資を促すのが目的。 ②民営化収入の推移(2001年~2009年:単位DH) 2 1993 年から現在までの民営化収入は 1010 億DH。ここ二年間は民営化なし。 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 233億 7800 万 141億 88億 137億 46億 60億 0 0 2001年はモロッコテレコムの株35%の放出、2003年はたばこ公社の株80%の放出。 2008年~2009年は民営化なし。今後の民営化予定には Maroc Télécom(株30%は国が保 有),Société des sels de Mohammedia, Marsa Maroc, Sococharb などの企業が挙げられてい る。 2. 建設・公共事業・インフラ等 ①ウジダ・アンガッド空港新ターミナルの完成 3 ウジダ・アンガッド空港の新ターミナルが完成。 旧ターミナルが敷地面積4500m2であったのに対し、新ターミナルは28000m2で3000メ ートルの滑走路を備える。年間乗客受け容れキャパシティーは300万人。 ②タンジェ港を改修し観光文化都市へ 4 62億DHを充当し、タンジェ港を中心とした地域を観光文化都市として開発する。工期は2011 年3月から2016年末までで、大型客船、ヨット、対岸スペイン Tarifa までのスピードフェリーなどが 入港できる。2016年の観光客数30万人、2020年には75万人を見込む。 3. 農業・漁業 ①タコ禁漁 5 モロッコ農業・漁業省はタコ資源保全のため12月は禁漁を決定。 ②EU-モロッコ間農産・水産品自由化交渉 6 2 3 4 5 6 エコノミスト(12月13日) ル・マタン(12月11日) エコノミスト(12月16日)、オジョドゥイ・ル・マロック(12月10日) エコノミスト(12月2日) オジョドゥイ・ル・マロック(12月15日) 2 13 日、ブリュッセルにおいてモロッコ・アフヌッシュ農業・漁業大臣とEU議長国であるベルギ ーのステファン・ファンアッケレー・副首相兼外務大臣が、農産・水産品自由化に向けた譲歩 案に署名した。これは欧州議会で採択される前の最終議案となる。 【農業】 (1) モロッコからEUへの輸出 発効直後から、モロッコからヨーロッパへの輸出については、重要農産品目である6種(トマ ト、瓜、きゅうり、にんにく、みかん、いちご)を除く農産品は自由化。6種に関しては輸出枠を設 定(段階的に拡大中)。その他の農産品に関しては価格、量など自由設定。ただし、アンティ チョーク、オレンジは輸出価格を設定。ぶどう、アプリコット、もも、すももは一定輸出価格を維 持(WTO規定価格より30%減価格)、その他WTOに輸入価格が規定するものはWTO価格 で輸出。 (2) EUからモロッコへの輸出 ヨーロッパからモロッコの輸出は農産加工品などについて10年間かけて段階的に自由化。 3グループに分割。①発効直後に自由化するのは畜産用動物の輸入、じゃがいもなどの種。 ②発効後 5 年間かけてモロッコ国内農業保護に問題がないと認められた農産品を自由化。③ 発効後 10 年間かけて 19 品目を除く主に農産加工品(乳製品、卵、製菓)、その他一部の野菜 を自由化。19品目とはモロッコ国内農業保護、衛生面などの観点から選択された品目で小麦、 オリーブオイル、りんご、ロングライフ牛乳など。ただし、モロッコ国内競争力を高めるためにも 一定の量は輸入される予定。 【漁業】 (1)モロッコからEUへの輸出 現状維持(全面自由化済み) (2)EUからモロッコへの輸出 農業と同様3グループに分割:①発効後すぐ自由化されるのはにしん、冷凍まぐろ(thons a nageoires jaunes),サケ類、にしん、キャビア、缶詰用代用甘味料、②発効後 5 年かけてモロ ッコ国内水産業に影響を与えないと判断されるもの:さば・鰯(生、冷凍)、たら・おひょう(塩漬 け、干し)などを自由化。③発効後10年かけて魚の缶詰、魚粉などを自由化。 4. 産業・エネルギー ①OCPがブラジルに支店設立 7 13日、OCP(モロッコ燐鉱石公社)のブラジル支店「OCP do Brasil Ltda 社」が正式オープンし た。OCPは燐鉱石産出量を倍増、肥料生産を3倍するのに70億ドルを充当する計画を発表して おり、ブラジルをはじめとし海外への輸出を強化する。ブラジルを拠点とし、南アメリカのマーケット を狙う考え。 7 エコノマップ(12月16日)、経済日誌 2009 年11月 3 ②Taza風力発電所建設計画についての関心表明企業 8 Tanger 2(150MW)、Tetouan(300MW)、Taza(150MW)、Laayoune(300MW)、Boujdour (100MW)の5カ所の風力発電建設のうち、いち早く Taza 風力発電所建設計画についての関心表 明の受付が開始されたが、Théolia 社、Enercon 社、三井、AES 社、International Power 社など26 企業が関心表明を提出した。第一選考(PQ)通過企業は数週間後に発表される予定。入札は20 11年第二四半期に実施される見込み。総工費は2億2500万ユーロ。風力発電計画は官民共同 プロジェクトでモロッコ側はモロッコ電力公社(ONE),エネルギー投資会社(Société d’investissement énergétique)、ハッサン二世社会開発基金が参画。ONEはTaza風力発電所から の電力を20年間購入。 ③モロッコ国立エネルギー・原子力科学技術センターの新戦略 9 14日、モロッコ国立エネルギー・原子力科学技術センター(CNESTEN: Le Centre National de l’energie, des sciences et des techniques nucléaires)の第12回政策協議が開催され、同協議の議 長はベンハドラ・エネルギー・鉱山・水利・環境大臣が務めた。 2015年までの同センターの新戦略(人材・インフラの向上、財政面での自立)が採択されるとと もに、2011年行動計画について協議。行動計画は原子力研究センター(CENIV1:Centre d’etudes Nucléaire de la Mâamora)のインフラ整備と特に原子炉の開発が中心。 5. その他 ①モロッコの非正規雇用者(インフォーマルセクター)の状況(2007年の数字) 10 モロッコでの非正規雇用者は200万人で年間2800億DHの売上高を創出。2007年におけるG DP比は14%にまで及んでいる。1999年から2007年まで年間6.5%の割合で増加、今も増加傾 向にある。行商人、古着販売店など非正規セクターに従事する人は多く、最低労働賃金以下で働 いているのが実情。このような社会制度を改善するため、また、法人税の徴収の面からもインフォー マルセクターからフォーマルセクターへの移行を促進することが急務。 ②2011年から輸入業者登録の義務化 11 インターネットでの電子取引が普及するに伴い、輸入業者の数が17,256業者(2007年)、19, 239業者(2008年)、22,070業者(2009年)とここ数年増加。法人登録をしていない、(または法 人税を支払っていない)輸入業者は2011年2月7日から貿易省で事前登録することが義務づけさ れる。 8 エコノミスト(12月14日) エコノマップ(12月15日) 10 エコノミスト(12月9日) 11 エコノミスト(12月3日) 9 4 ③金融政策バーゼルIII実施にかかる費用 12 諮問機関の調査によると、2015年までの金融政策バーゼル III 実施にかかる費用は2億7100万 DH。現在バーゼル II 実施中のモロッコであるが次のステップに向け準備中。 ④観光開発計画「Vision 2020」の発表 13 11月30日、マラケッシュに於いてモハメッド6世国王臨席の下、ゼナギ観光大臣による「観光開 発計画 Vision 2020 が発表された。 本計画では、観光の地方分化推進や環境に配慮した持続可能な開発を柱とし、(1)世界観光 客数ランキングにおいて、向こう10年で20位以内へランキングすること(世界観光機構によるランク で、2009年には26位。なお同年日本は35位。)、(2)8つの観光リゾートを開発して、モロッコ全 土で20万床のベッドを増設し、海外からの観光客数を現在の2倍、国内観光客数を3倍とすること、 (3)観光収入について、2020年において1400億DH(現在約600億DH)、向こう10年における 合計を1兆DHとすること、などを目指す。 また、新規直接雇用創出47万人を達成し、同分野での雇用総数を100万人に伸ばすことを目指 し、それに向けてホテル業界で若年労働者13万人を育成。専門技術を教えるためのモデル校を1, 2校開設し、将来的には各観光エリアにおいても開設される。 また、官民で中央には観光開発計画策定・実施を統括する「観光開発機関」を創立し、各地域 には実施機関として「観光開発局」を発足させる。2011年末に決定される地域ごとの観光開発計 画を骨子とし各地域の予算、計画を策定する。 投資面では(1)今回モロッコ観光開発基金を設立し、政府とハッサン二世社会開発基金が150 億DHを充当。また、各ドナー国から1000億DHの融資を見込む、(2)地方開発資金として補助 金を交付予定(金額未発表)、(3)銀行団から240億DHの融資が行われる予定。 本計画の実施向けて、6つの観光開発プログラムを策定。 (1)Azur 2020 計画(Plan Azur の延長計画) (2)歴史文化財開発計画(Programme Patrimoine et Heritage) (3)エコツーリズム開発計画(Programme Eco & Green) (4)娯楽レジャー開発計画(Programme Animation et Loisirs) (5)ニッチ分野開発プログラム (6)Biladi 計画(モロッコ人向け7箇所海水浴場開発計画) また、計画実施に伴う官民共同パートナーシップとして10の協定が締結された。 12 エコノミスト(12月14日) エコノマップ(12月1日、2日)、エコノミスト(12月1日、2日)、オジョドゥイ・ル・マロック(12月2日)、観光省プレス コミュニケ http://www.tourism.gov.ma “Communique de press”(12月9日) 13 5 (1)「Vision 2020」(関係省庁間でプログラム契約を締結) (2)伝統フェスティバル基金の創立 (3)ワルザザートを2015年までにアフリカで最初のゼロカーボン都市とする (4)モロッコ観光開発基金の創立 (5)「Vision 2020」観光計画のための投資提携 (6)2020年に向けた戦略計画実施への銀行融資 (7)Ksours とカスバの価値向上のための企業の設立 (8)世界観光機構の基準に合わせ、宿泊施設のサービス向上 (9)観光・ホテル経営スクールの創設(ロザンヌのホテル学校と提携) (10)持続的観光開発研究センターの設立 6 II.諸外国等との関係 1. 外国政府との関係 ①タンジェーカサブランカTGV敷設計画における借款、無償援助 14 タンジェーカサブランカTGV敷設計画工期は2011年半ばから2014年末まで、2015年末にサ ービス開始予定。モロッコ鉄道公社は、2035年までに総延長1500キロのTGV網設置を予定。タ ンジェ-カサブランカ間路線に続き,同線のマラケシュ、アガディールへの延長、及びカサブランカ -フェズ-ウジダへの支線開設を予定。本支線については、マグレブ高速鉄道構想により、アルジ ェ、チュニス、トリポリまでの延長も検討。 タンジェーカサブランカTGV敷設計画にかかる総工費は200億DH(事前調査費、車両購入費、 幹線鉄道整備費含む)。現在の資金調達見込み等は次のとおり。 モロッコ: 政府48億DH、ハッサン二世社会開発基金10億DH。 借款: 金利は1.2%~3.16%。グレースピリオドは5年~20年。 (1)サウジアラビア開発基金:15億8500万DH (2)クウェート開発基金:11億DH (3)アブダビ基金:7億7000万DH (4)アラブ経済開発基金:6億2600万DH (5)フランス国庫およびフランス商業銀行グループ(フランス貿易保険会社 Coface 保証付 き):68億7500万DH (6)フランス開発庁:24億2000万DH 無償:フランス政府:8.25億DH 契約:ONCFがフランス Alstom 社から14セットの二階建て高速車両(一車両は8車両、乗客数5 33名)を購入:44億DH(本契約は、2007年10月に締結されたモロッコ-フランス間協定に基づ くが、近年フランスないしヨーロッパで行われた類似の契約と比較して同程度に有利な条件で結ば れた。) ②モロッコ-ブルガリア産業面での協力関係を強化 15 12月6日、シャミ産工業・新技術大臣とアンゲロフ ブルガリア経済・エネルギー・観光副大臣は、 両国の産業協力に関する協定に署名。内容は中小企業の競争力強化、産業関連インフラ、新技 術センター、工業所有権等に関するもの。 ③モロッコ-ドイツ 有機農業に関する協定 16 14 15 16 エコノマップ(12月13日)、エコノミスト(12月13日)、オジョドゥイ・ル・マロック(12月13日) オジョドゥイ・ル・マロック(12月8日) オジョドゥイ・ル・マロック(12月13日) 7 12月9日、アフヌッシュ農業・漁業大臣と在モロッコドイツ大使が署名。ドイツの経験に基づき、 有機農業の法制度整備に重点をおいての協力が行われる。 ④モロッコ-日本 太陽エネルギー分野における協力協定を締結 17 12月11日、12日にチュニスで開催された第2回日アラブ経済フォーラムにおいて、日本の 経 済産業省、NEDOと、モロッコのエネルギー・鉱山省、MASEN、ONEとの間で、太陽エネルギー 分野における協力覚書(MOC)を締結。本覚書では、太陽エネルギー分野における両国間の包 括的な協力を推進していくことに合意。NEDOは、基幹プロジェクトとして、太陽エネルギー発電を 大量導入する際に必要となる系統安定化技術等に関する共同プロジェクトを進めていく予定。本 MOCは、大畠経済産業大臣、NEDO村田理事長、ベンハドラ エネルギー・鉱山・水利・環境大 臣、バクリ MASEN長官、ファシ・フィフリ ONE/ONEP総裁との間で合意され、日本とアラブ 地域との協力を象徴する案件として、第2回日アラブ経済フォーラムで発表された。 ⑤ジェトロ林理事長等訪問 18 12月9日、林ジェトロ理事長、大下ジェトロ・パリ事務所所長らジェトロのメンバーが、2010年に 派遣されたモロッコ投資ミッションのフォローアップのためモロッコを訪問。モロッコ投資開発庁(A MDI)のシジルマシ長官らと会見。 タンジール、ラバト、ケニトラ、カサブランカ周辺における、自 動車産業、農産物、製鉄、化学などの各分野での投資について話し合われた。 2. 外国企業との関係 ①フランステレコムのトップブランド「Orange」の販売開始予定 19 モロッコ100%の電信電話会社 Meditel 株の40%を購入したフランステレコムは 2011 年1月から 同社のトップブランド「Orange」をモロッコで販売する。携帯電話市場に食い込む考え。 ②Attijariwafa銀行とフランス郵政銀行が協力協定 20 Attijariwafa 銀行とフランス郵政銀行は地中海諸国での顧客拡大に向けた協力協定を締結した。 Attijariwafa 銀行は現在、海外22カ国(顧客430万人)に事業を展開。フランス郵政銀行はフランス 国内のみで展開している地元密着型。二行のノウハウをうまく有効活用する。 ③日本たばこ、英米たばこのモロッコ進出 21 17 18 19 20 21 マップ(12月12日)、ル・マタン(12月13日) エコノマップ(12月15日) エコノミスト(12月3日) ル・マタン(12月13日)、エコノマップ(12月14日) エコノミスト(12月13日) 8 2010年12月で Imperial Tabacco-Altadis 社のたばこ独占販売が終わり、2011年1月1日から外 国企業もたばこ販売市場に進出する。具体的には日本たばこ、英米たばこ(British American Tobacco)が進出。日本たばこは Winston などを販売、Imperial Tabacco-Altadis 社の競合相手とな る。モロッコにおけるたばこ取り扱い販売店は現在2万店。 ④ジョルフ・ラスファー石炭火力発電所拡張計画に韓国・日本が共同落札 22 三井物産と韓国の大宇建設が共同で応札していたジョーフィラスファー石炭火力発電所建設に 関するEPC(設計,調達,建設)契約を、IPP(独立系発電事業)事業者となるJLEC(Jorf Lasfer Energy Company.アブダビ国営エネルギー公社(TAQA)の子会社)との間で正式に締結した。 同社は2014年までにジョルフ・ラスファー石炭火力発電所の5号基と6号基(それぞれ350M W)を完成させる。 ⑤太陽エネルギー発電統合プロジェクト(ワルザザート)入札企業の一次選考結果の発表 23 24日、太陽エネルギー発電統合プロジェクト(ワルザザート)入札企業の一次選考結果が発表さ れた。一次選考には 19 グループが参加していたが、うち4グループが通過。日系企業では4社(三 井物産,三菱商事,丸紅,日揮)が,それぞれに別グループで参加していたが、そのうち三井物産 を含むコンソーシアム(三井物産,アベンゴア・ソーラー,アブダビ国営電力会社(TAQA))が残っ た。今後上記4グループに対して、2011年1月末頃に提案依頼書を送付する。 今回一次選考が実施されたワルザザートプロジェクトの第1フェーズは,パラボラ・トラフ型の太 陽熱発電(CSP)により実施されるものである。ワルザザートにおける500MWの発電設備を2015 年までに実現するため,2011年から2012年の終わりまでに後続フェーズを開始する。 後続のフェーズのうち一つは太陽光発電(PV)に,もう一つはタワー型の太陽熱発電(CSP)に より実施されることになる。 (当館注:Masenが当初発表していたスケジュールでは,11月17日までに選考結果を発表し,11 月中に提案依頼を行うとしていたが,その後12月2日発表に延期され,結局24日付で発表された もの。結果入札スケジュールは約2ヶ月遅れとなっている。) ⑥Attijariwafa銀行とBanque Populaire銀行のコンソーシアムがモーリタニアBNP Paribas銀行 株を購入 24 Attijariwafa 銀行(67%)と Banque Populaire 銀行(33%)からなるコンソーシアムがモーリタニア BNP Paribas 銀行株80%を購入。 22 23 24 エコノミスト(12月28日) MASEN プレスリリース(12月24日) エコノマップ(12月13日)、オジョドゥイ・ル・マロック(12月13日) 9 ⑦アメリカの自動車部品会社ビステオン(Visteon) テトワンに工場建設 25 タンジェのメルーサで建設が進められているルノー工場へ部品を供給するため、同工場近郊に 投資額1億7000DH、敷地面積12000㎡の工場を建設の見込み。従業員数は500名となる見込 み。 ⑧アメリカのメンター・グラフィクス(Mentor Graphics) ラバトテクノポリスに進出 26 アメリカに本部を置き、48カ国に事業展開している、電子設計自動化のソフトウエア開発・販売大 手である同社にとって、マグレブ地域で最初の進出となる。 ⑨日野自動車のトラック Toyota Maroc より販売 27 ベラシッド県のSoriac社で組み立てられ、トヨタ・モロッコにより販売される。2011年200台、20 12年350台、2013年500台の販売を目標とする。 3. 経済協力 ①サウジアラビア開発基金よりモロッコへ2億DHの借款 28 サウジアラビア開発基金(FSD=Le Fonds Saoudien pour le développement)アルバッサム総裁とメ ズアー経済・財政大臣が署名。新都市開発中の Tamesna と Tamensourt における24の小・中・高 等学校の建築および同校の設備に充当される。 ②日本による草の根無償資金協力 29 ウルベン集落飲料水供給計画に対し、63万2000DHの無償資金協力に署名。シュトカ ア イトバハ県アウグンズ村周辺の1200人に対する飲料水供給が可能になる見込み。日本政府は19 81年以来モロッコで321件の草の根無償資金協力を実施し、援助総額は1億4060万DH。 ③AFD(フランス開発庁)による借款 30 AFDより道路資金公庫(CFR=Caisse pour le financement routier)に対し、第二次地方国道計 画(PNRR2)完成のため6000万ユーロの借款。 ④世界銀行による借款 31 25 26 27 28 29 30 31 エコノミスト(12月21日) エコノマップ(12月10日) ル・マタン(12月22日) ル・マタン(12月10日) オピニオン(12月7日) エコノマップ(12月22日) オジョドゥイ・ル・マロック(12月22日) 10 市町村における固形廃棄物管理を改善するための第二次プロジェクトに対して1億3800万ドル の借款。 ⑤EUによる借款 32 農業政策支援プログラムの資金として7億7000万DHの借款。 ⑥アフリカ開発銀行による借款 33 タンジェ・マラケシュ間鉄道の効率改善による輸送力向上のため3億ユーロの借款。 32 33 エコノマップ(12月20日) エコノマップ(12月23日) 11
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