〒105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー12F TEL:03-5408-1129 FAX:03-5408-1126 www.astareal.co.jp ニュースリリース 7月吉日 ―ウエルナー症候群患者への投与で判明― アスタリール®アスタキサンチンがNAFLD・脂肪肝の抑制に期待 アスタリール®アスタキサンチンが、千葉大学大学院 医学研究院 細胞治療内科学講座 (横手幸太郎教授)の臨床研究により、早老症として知られるウエルナー症候群患者の NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)を著しく改善したことが、米国老年学会誌Journal of American Geriatrics Society (JAGS:June 2015, Vol. 63, No.6, 1271-1273)で発表 されましたので、お知らせいたします。 ウェルナー症候群とは ウエルナー症候群は、早老症とも呼ばれ、稀にしか発生しない劣性遺伝病であり、患者の臨床的 特徴としては「一般に老化の指標とされている症状」が若年期に現れることで知られています。例え ば、典型的なウエルナー症患者では、老人に特有の白髪や脱毛並びに白内障が20歳代で起こり、老化 と関連した心臓疾患や2型糖尿病、骨粗鬆症、動脈硬化のリスクが増大、これが次々に若年・中年期 に発生し、患者の平均寿命は50歳程度です。 遺伝子研究の結果、原因はDNAの修復に働くヘリカーゼという酵素が十分に働かないために未修復 のDNAが蓄積したり、テロメアが標準より早く短縮するため特定の組織の細胞が早く死を迎え、減少 するからであると想定されています。 栄養補助食品「アスタリールACT」を投与した結果 千葉大学病院に来院したウエルナー症候群の患者さんは、糖尿病を患っており、画像診(CT)で 肝臓の様子を調べたところ、肝臓細胞中に多量の脂肪滴が存在することから、重篤な脂肪肝がある NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)であることが判りました。 主治医の竹本稔医師や横手教授らは、この患者さんの肝臓が、活性酸素による酸化ストレスを受け ているのではないかと考え、患者さんと相談のうえ、活性酸素を消去する作用を有するアスタキサン チンの服用を試してみることにしました。アスタキサンチン試料としては、富士化学工業グループの アスタリール社(代表取締役社長 西田光德)が、バイオ技術でヘマトコッカス藻から抽出・精製して 「栄養補助食品」として販売しているアスタリールACT(天然型アスタキサンチンを1粒中6mgを 含む)を使い、毎日2粒(アスタキサンチン12mg/日)を患者さんに服用してもらいました。 その結果、服用3か月後に撮った肝臓のCT断層写真では、肝臓中の脂肪滴が著しく減少している ことが確認されました。患者さんの希望もあり、さらに3か月間アスタキサンチン12mg/日を続け たところ、肝臓のCT像は、脂肪滴がさらに一層減少していました。 血液検査からは、ASTやALTなどの肝炎マーカー値も改善され、患者さんの肝臓の機能は正常に戻 ったことが確認されました。この6か月間の服用の好成績に元気づけられ、患者さんはその後2年近 く服用を続けていますが、NAFLDに戻ることもなく、長期服用による副作用も見られていません。 〒105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー12F TEL:03-5408-1129 FAX:03-5408-1126 www.astareal.co.jp ニュースリリース 考 察 ウエルナー症候群の患者さんは、とかく内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性になりがちであり、 このほかミトコンドリア不全のために活性酸素の発生率が高いうえに、活性酸素を消去する酵素群の 働きが低いことが知られています。これらの原因により、長期的に酸化ストレスを受け易いために肝臓 はNAFLDになったと考えられます。 一方、アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、多くの基礎研究から、細胞膜を安定化したり、 ミトコンドリアの機能を向上させたりすると共に、DNAの損傷や炎症反応を抑える作用があることが 判っています。実際、糖尿病モデルマウスの実験から、アスタキサンチンが肝臓内でのERストレスや 炎症を緩和することが確認されていますので、そのような複合的な効果により今回の治療効果が得られ たと考えられます。 アスタキサンチンがNASHに効果が有望であることは、先に金沢大学・脳肝インタフェースメディシ ン研究センターの太田嗣人准教授らにより行われたNASHモデルマウスによる実験結果から期待されて いましたが(平成26年4月8日産経新聞・健康欄)、ヒトを対象に行われた臨床研究の報告は本件が世界 で最初となりました。今回のこの結果は、稀少遺伝病の1名の患者さんから得られたものですが、疾病 原因や医療歴のはっきりしている患者さんから得られた症例報告だけに、非常に貴重です。 これらの臨床研究の経過や詳しいデータについては、今年9月26日に開催される第62回老年医学会・ 関東甲信越地方会で発表される予定です。 PubMed http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26096415 <参考: NAFLDについて> これまで肝硬変や肝炎は、過度の飲酒や肝炎ウイルスの感染が原因とされ、この予防や治療のため には、飲酒を制限したり、抗ウイルス薬によりウイルスを根絶することが有効と考えられ、期待の効果 を納めていました。しかしながら最近、飲酒歴やウイルス感染が無くても肝炎の原因となるNAFLDと いう症状が多々あることが判明し、克服しなければならない大きな問題となってきました。 NAFLDは、一般人でも肥満に伴って起こる病状で、メタボリック症候群とも重なり、脂肪肝の原因 となります。わが国では、このNAFLD の状態の人が多く、1,000万人もの多数の保因者がいることが 判りました。このうち10~20%(100~200万人)が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へ進展し、 これが肝硬変や肝がんの原因になることから、NAFLDを予防する食生活の改善やNASHを予防・抑制 する医薬品や健康食品の探索が喫緊の問題となっています。 本件に関するお問い合わせ アスタリール株式会社 総務部 広報担当 03-5408-1129 2015004
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