臨床研究 1.課題名: 【SACURA Trial】StageⅡ大腸癌に対する術後補助化学療法に関する研 究(第Ⅲ相臨床試験) 2.担当科: 外科 申請者名 米沢圭 宮下正 3.調査期間: 承認後(平成 19 年 12 月)から平成 22 年 9 月 30 日まで 4.調査の背景: 大腸癌においては手術療法がもっとも有効な治療法であるが、治癒切 除例でもなお約 17%に再発が起こる。進行度(Stage)別再発率は、StageⅠは 4%、Stage Ⅱは 13%、StageⅢは 30%である。すでに StageⅢ結腸癌にはランダム化比較試験(RCT) により手術単独療法に対し手術後の化学療法の有用性が確認されているが、StageⅡ結腸癌 に対する術後補助化学療法の有用性はいまだに一定の見解を得るにいたっていない。 5.意義・目的: そのために StageⅡ結腸癌のみを対象とした質の高い大規模な RCT が 必要と考えられ、当臨床研究が計画されるに至った。目標症例数は 2000 例であり、当院か らは 6 例の登録を目標としている。 6.調査方法: StageⅡ結腸癌の登録症例を「対照群」 ・ 「試験治療群」の 2 群にランダム に割り付し、 「対照群」は手術単独、 「試験治療群」は手術後 UFT(テガフール・ウラシル 配合剤)の内服を 1 年間行う。最終症例登録の 5 年後まで追跡調査を行い、主要評価項目 として全生存期間、副次的評価項目として無再発生存期間・無病生存期間を評価し、2群 間で比較を行い統計的に UFT による術後補助化学療法の効果の有無を判定する。 付随研究として StageⅡ結腸癌の予後因子の同定と UFT 補助化学療法の感受性規定因子の 同定を目的に、腫瘍組織から①UFT の代謝に関連する酵素の発現、癌の転移進展に関連す る物質の発現の測定、②マイクロサテライト不安定性、染色体不安定性の測定 ③病理組 織学的検索を行う。 7.研究主体: 財団法人 先端医療振興財団 8.個人情報保護:個人情報保護法に基づき、被験者となられる患者様の個人情報を厳格 に保護する。データの集積・分析の際は被験者識別コードを用い、外部のものが被験者を 特定できる情報は登録されない。 9.平成 19 年 11 月 30 日 静岡市立静岡病院 医療倫理委員会にて当臨床研究に対し審査 が行われ、同年 12 月 7 日に承認を得た。
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