今後の株価・金利見通しについて (株式) 10月の株式市場は、欧州大手金融機関デクシアの破綻や債務問題解決に向けた欧州各国の足並みの乱れが 懸念され、一時8,382円まで売られたものの、26日の欧州首脳会談で、ギリシャ支援について一定の対策が打ち出 されたことが好感され買戻しが入り、2か月ぶりに9,000円台を回復する場面もあった。 11月については、欧州債務問題の最大の懸念であったギリシャへの対応策が一段落したことで、徐々に下値を 固めていく展開が想定される。ただし、1~2日に開催されるFOMCにおいて更なる量的緩和が決定して、円高が進 行した場合や、タイの洪水被害が拡大・長期化した場合には上値が抑えられることから、株式相場は狭いレンジで 推移する可能性も考えられよう。 今月の材料としては、海外ではスペイン・イタリア等の債務問題や格下げの動向が、国内では15~16日に行わ れる日銀政策決定会合で追加の緩和策等が発表されるかどうかに注目が集まろう。 (債券) 10月の債券市場は、欧州債務問題に関する不透明感、米国のQE3への思惑等から投機的な資金が入りにくく なったこともあり、10年金利は、終値ベースで0.97%~1.04%の狭いレンジで推移した。 11月については、日銀の金融緩和政策の維持、または更なる強化も想定されるため、短中期金利は引き続き低 位安定、あるいは若干の低下余地もあると考えられる。一方、長期金利については、景気や物価等の状況を考え ると、持続的な金利上昇(価格下落)圧力はさほど強くないと考えられるが、株式相場の地合好転の影響等により、 一時的に金利が上昇することを考慮する必要はあろう。 (円) 1.国内株価と長期金利 (%) 1.7 12000 日経平均 長期金利(10年) 11000 1.6 1.5 1.4 10000 1.3 9000 1.2 1.1 8000 1.0 7000 0.9 0.8 6000 2010/10/28 2011/1/28 2011/4/28 2011/7/28 2011/10/28 参考レンジ 11月 レンジ 月末値 無担保コールO/N 0.10 0.10 5年国債利回り 0.30-0.45 0.35 10年国債利回り 0.95-1.15 1.05 日経平均株価 8,500-9,750 9,250 TOPIX(参考) 750-860 820 ○当面の材料 11 月1-2 日 米FOMC 11 月4 日 米10月雇用統計 11 月14 日 7-9月期GDP速報 11 月15-16 日日銀金融政策決定会合 11 月15 日 米10月消費者物価指数 11 月16 日 米10月鉱工業生産 11 月17 日 米10月住宅着工 11 月23 日 米10月耐久財受注 11 月29 日 10月失業率 11 月30 日 10月鉱工業生産、住宅着工件数 (ドル) 2.米国株価と長期金利 13000 (%) 4.0 12000 3.5 11000 3.0 10000 2.5 2.0 9000 8000 ダウ 長期金利(10年) 1.5 1.0 7000 2010/10/28 2011/1/28 2011/4/28 2011/7/28 2011/10/28 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。ここに記載されているデータ、意見などはしんきん信託銀行が信頼に足り、且つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、当社はその正確性、確実 性を保証するものではあり ません。ここに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当資料に記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。投資の最終決定は投資家御自身の判断でな されるよう、また必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などにご相談のうえでお取り扱い下さいますよう お願いいたします。また、当資料の著作権はしんきん信託銀行に属し、その目的を問わず無断で引用または複製することを禁じます。
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