今さら聞けない! 正しい 「ブーツの履き方」 足を入れる前に! 1 ステップ 最初のステップは、足を入れる前にインナーブ ーツがしっかり収まっているかを確認すること。 インナーブーツとシェルとの間に隙間があると、 バックルをどんなキツく締めてもその効果はゼ ロに近い。インナーブーツとシェルが隙間なく しっかりフィットしていることが第一条件です。 長年愛用している人などは、カカトの部分にほ こりが溜まり、シェルとの間に感覚ではわから ない空間ができていることもあるのでしっかり チェックしましょう! ブーツに足を入れる 5ステップで カンタン解説! 協力=株式会社ネーヴェ モデル=山口拓也(株式会社ネーヴェ) 解説=三木謙治郎(GULAUX代表) しょうか? そこで今回は知っている ようで、実はきちんと理解していない 皆さん、ブーツの履き方って知って ますか?「そんなの知ってるよぉ!」 ゲレンデで滑ることでレベルアップを 図るのはもちろんですが、正しく履き ブーツの正しい履き方を紹介します。 そうですが、 「正しい履き方は?」 と聞 こなせればそれだけで技術アップも可 歩でしょ!」 。 なーんて声が聞こえてき かれると「ちょっととまどってしまう 5 ステップ バックルまですべて締め終えたら、最後はベル トです。ベルトをしっかりと締めて最後の調整を する人もいるかもしれませんが、それは大きなま ちがいです。ベルトを強く締めた方がブーツの 性能が生きると思っている人がいるかもしれませ んが、それでは逆にブーツのフレックスが出にく くなってしまいます。ベルトをバックルよりもキツ く締める必要はありません。どうしてもベルトを キツく締めてしまいがちな人はベルトを取ってし まうのもひとつの手です。 能です。 今さら 「ブーツの履き方なんて ベルトは キツく締め過ぎないように! 人」 や 「アタッたり、違和感がなければ 4 ステップ Message 三木謙治郎 聞けないよ」 と思った方、 こっそりここ 一カ所だけを締め過ぎたりせず、なるべく同じ圧で! バックルを締めるときのひとつのポイントがタン グを押さえながら締めること。右足のブーツを 履く際には、左手でタングをしっかり押さえな がら履くことで、足首の収まり&フィット感が良 くなります。もうひとつのポイントがバックルの 圧を統一するということ。下から上まで同じ圧 で締めることでバランス良く締め上げることが できます。また、かならずということではありま せんが、バックルは下から締めていくことをお勧 めします。靴紐と同じように下から締めていくほ うが作業も行ないやすいので、とくにこだわり がなければ下から順に締め上げていきましょう。 良いわけでしょ?」 と思い、 自信を持っ 3 ステップ ブーツに足を入れたらかならず行なってほしいこ とが、足をブーツ内にフィットさせること。イン ナーブーツを引っぱりながら足を入れるとよりカ カトが収まりやすいと思います。シェルのなか でのインナーブーツの収まりとインナーブーツの なかでの足の収まりを確認します。最近のブー スキーブーツの履き方が悪い ツはタイトで細身のものが増えてきているので、 人は、インナーンナーブーツが 薄くなり、底の部分に気付か 足を滑り入れるだけではカカトの部分の収まり ない「しわ」ができていたりす が悪く、実際はつま先よりに足が収まってしま ることもあります。膝を前に倒 っているケースがあります。ブーツに足を入れた し、深く踏み込むことで、イン らかならずこの動作を行ない、足にブーツをし ナーブーツの底のしわをしっか り伸ばしましょう。 っかりとフィットさせましょう。 で勉強しちゃいましょう! インナーブーツを引っぱりながら、フィット感を確認! て回答できる人は少ないのではないで タンを内側に引っ張ることで 足を入れるスペースが確保で きます。もちろん足を入れたあ とはタンをしっかりと元の位置 に戻すことを忘れずに! 「ブーツの履き方なんて滑る以前の初 2 ステップ ブーツに足を入れるときは座った状態ではなく、 しっかりと立った状態で足を入れましょう。ポイ ントは、タンを内側にねじること。ほとんどの 人がベロを前方に出して足を入れようとしてい ますが、それでは実際は足を入れるスペースが 生まれず、足を入れにくいはずです。とくに最新 のブーツや競技用のブーツはタイトなものが多 いので、ロアシェルを押さえながら、タンを内 側にねじることで、足を入れるスペースがしっ かり確保できます。 神戸の「GULAUX」の代表としてチューンナップを手 がけてきたブーツのプロ。現在は、元ワールドカップ レーサーの岡部哲也(株式会社ネーヴェ代表取締役) とともにブーツに対する研究も手がける。豊富な知識 と経験を活かした「的確でわかりやすい」解説で、初 級者から上級者までの足元を支えている 正しく履けば、滑りが変わる! ブーツの性能がいくら向上しても正しく履きこなせなければ、その効果 を得ることはできません。ブーツを履くということは「初歩中の初歩」の 段階のことかもしれませんが、実際は上級者の方でも「正しい履き方が できていない」というのが正直な感想です。正しい履き方を理解してい ないのは、きちんと理論立てて説明されたことがないということもあるで しょう。 スキーの技術を磨くにはスクールで習ったり、雪上で滑ることは重要 です。しかし、スキーは道具を使うスポーツ。いくら最新のマテリアルを 手に入れても、理にかなった使い方をしなければ効果も期待できません。 今まで正しく履けていなかった人は、 今回紹介した方法で 「正しい履き方」 を実践するだけで、滑りに変化が現われてくることでしょう。今シーズン ぜひ雪上でその効果、違いを実感してみてください。 50
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