3 4 8 The Future Depends onan

S E M I 四 半 期 レ ポ ート 2 0 0 7
E X P A N D I N G
M A R K E T S
I M P R O V I N G
No.1
A C C E S S
市 場 拡 大 ・ ア ク セ ス の 向 上
The Future Depends
on anAgileFab
顧客満足度調査
SEMI の活動に対する
評価が明らかに
3
アドボカシー活動
すべての SEMI 会員に
利益をもたらすために
4
情熱と忍耐
スタンダード活動へ
の参加で得たもの
8
未来はファブのアジリティ
(迅速化)
にかかっています
Photo courtesy Applied Materials
INFORM, CONNECT, GROW
Applied Materials 社
ダイナミックに成長する 半導体業界は、
プレジデント兼CEO
新しい大きなチャレンジとともにチャンスも生
してR&Dの投資とアプローチの優先順位を
Mike Splinter 氏
み出しています。その中でおそらく最も重要な
つけようとの呼びかけがありました。それ以
ことは、半導体業界の各企業が共に成長し、
降、数々の劇的な変化が起きました。たとえ
革新的なソリューションを導入して工場の生
ば、大手の企業がR&D共同企業体に参加
産性を大きく向上させ、今後数年にわたって
したり、自社のR&Dを半導体ファウンドリに
産業としての経済発展を維持するということ
委託したりする動きを見せているのです。こ
です。私たちは今、そのことを認識し、強い
こでは、大規模なウェーハ消費に伴うスケー
決意で実行に移さなくてはなりません。
ルメリットが、R&D支出に対する負担と償却
2年前、SEMIが行ったある調査で、私たち
を軽減しています。
皆が感じていることが明らかになりました。そ
こうした状況をバックに、SEMIとISMIは生産
れは、装置サプライヤーとチップメーカーの双
性に関する合同ワーキンググループ(JPWG)
方に研究開発資金の調達ギャップがあり、
を2005年後半に立ち上げました。設立目的
将来の技術に投資できるリソースが限られて
は、状況を分析し、今後進むべき最良の道
いるということでした。この調査では、限られ
筋について結 論を得るというものでした。
た資金のもとでイノベーションを最大化するた
JPWGが検討したのは、どうすれば半導体業
めに、サプライヤーとファブオーナーが共同
界が産業としての経済発展を維持しながら、
「JPWGの分析によれば、これまで装置メーカーや工場の経営陣によって
効果的に対処されなかったところに、生産性を向上させる余地がかなり
技術革新とその導入のペースを保っていけ
るかということでした。
残っているということでした。
」 — Mike Splinter 氏
S E M I 業 界 展 望
次ページへ
SEMI プレジデント兼CEO Stanley T. Myers
半導体技術の向上のためには、技術面だけで
ここで問題なのは、300mmへの移行で費やした
なく経済的側面もまた課題になるというのは、
投資がまだ回収できていないと考えているサプ
のコンセプトは、最初ISMIによって打
mm Prime」
多くの業界人の一致した意見といえます。われ
ライヤーが大半であるという点です。加えて、
ち出され、その定義はまだ定まっていませんが、
われは、デバイススケーリングや材料のための
現在稼働しているファブであれ計画中のファブ
その狙いは300mmウェーハファブに対する業界
投資についての数々の課題に直面していますが、
であれ、300mmファブはまだ十分にその能力を
の今までの投資のリターンを最大化することに
450mmウェーハへの移行についての提案に関し
発揮していないと専門家たちは見ています。そ
あります。このアプローチは、今日の市場の要求
ても新たな論議をかもしています。300mmウェー
ういう時期に450mmに移行することは、300mm
にマッチしたものであるとSEMI では考えてい
ハへの移行コストは、120億ドルに達したと見積
ファブの能力を高めようとする努力を散漫にさ
ます。家電エレクトロニクス製品へのシフトは、
られています。この投資は、1996 年から 2003
するアプローチを支持しています。いわゆる
「300
せてしまうだけでなく、限りあるR&D資金をめ
ファブにとって、短工期、多品種プロダクトミック
年にかけて行われました。450mmへの移行は、
ぐる争いを生じさせることにもなるでしょう。
スへの対応が求められることになります。そのた
市場では、8 年以上の時間と200 億ドルを優に
SEMIを含め半導体業界関連組織の多くは、既存
めには、既存の300mmファブの活用度を高める
超すコストが必要であると見る向きもあります。
のプラットフォームの効率と耐用年数を最大化
アプローチがより有効なのです。
SEMI 四 半 期 レ ポ ー ト
PAGE 2
The Future Depends on an Agile Fab
いくつかの将来のファブシナリオをJPWGが
詳細に分析した結果、技術ノードごとに進歩
を続ける先端製造技術を導入するペースに
応じて、半導体業界は発展していくことが再
確認されました。このような先端技術の導入
ペースを維持するには、業界全体が、将来
の成長に向けての最良の投資方法につい
て、多少困難ではありますが、しかし必要な
決定を行わなければなりません。
この分析では、今日のファブとファウンドリに
は、生産性の危機といわれるものは存在しな
いと結論づけられました。JPWGの分析によ
れば、これまで装置メーカーや工場の経営
陣によって効果的に対処されなかったところ
に、生産性を向上させる余地がかなり残って
いるということでした。
ファブオペレーションは非常に複雑で、数百
のステップやプロセスループがファブ内の製
品の流れを制約する数多くの要因を生み出
しています。生産性を向上させ、コストから
歩留りに至る主要な製造上のメリットを享受
する鍵は、ファブ内のウェーハをより迅速に、
Materials社で目標にしていることは、最先端
ジョンが、Applied Materials社の今後のビジネ
効率的に動かし、ボトルネックをなくすことに
のプロセス技術を提供するほかに、以下の3
スをドライブすることでしょう。今後ますます多
あります。私たちがこれまでのファブ効率化
つの領域にフォーカスすることによって、顧客
くのファブオーナーや装置メーカーが、この見
で重視してきたことは、サイクルタイムを犠牲に
のサイクルタイムを短縮し操業コストを低下で
解を共有していくと確信しています。
して装置稼働率を上げることでした。その結
きるようにすることです。
これは半導体業界全体にとって大きなチャン
果、工場内ウェーハはその半分以上の時間
を処理待ち時間に費やすまでになっている
のです。装置、歩留り、およびプロセスの信
頼性を向上させて、停滞しているウェーハを
動かすことに目を向ける願ってもない時期の
ように思えます。
ファブ迅速化は、いまだ手がついていない、
業界全体の生産性向上のトレンドを維持する
ために役立つ有力な方法です。これまでは、
ファブにおけるコスト削減の強い要請がサイ
クルタイムに圧 力をかけてきました。また、
最近見られるコンシューマー製品の多様化の
1. より小さい、可変ロットサイズへの移行に
よって、小ロット注文のサイクルタイムを短縮
できるようにする
(これには、ファブをより生
産ラインイメージにする枚葉ウェーハ・ロット
も含まれます)
。
2. 装置の予測性、信頼性、制御可能性を高
め、ウェーハが必要とする装置を必要なと
きに利用できるようにする。
3. 高速でスループットの高い自動化により、
待機している装置やチャンバにウェーハを
迅速に送り込むことができるようにする。
スであり、私たちファブオーナーと装置サプラ
イヤーが共にこの目標に向かって努力し、ファ
ブ迅速化に必要なさまざまな機能と性能を
2年以内に量産ラインに展開できるよう、取り
組むことが望まれます。
JPWGは、材料・装置サプライヤーとファブオー
ナーを連携させ、長年の懸案事項に取り組
むことに成功しました。このJPWGを結集した
SEMIとISMIの働きには、非常に重要な意味
があります。業界全体の優先課題を調整す
ることによって、SEMI会員は、今後のファブ生
産性向上に向けての自社のソリューションを開
高まりは、スピードに対する要求を増すばかり
当社のシミュレーションによれば、これら3つの
発し、自分たちのIP、研究開発、あるいは装
です。同時に、
プロセス技術の複雑化に伴い、
分野に総合的に注力することにより、ファブの
置性能を通じて付加価値を得ることができま
非常に短いレスポンスタイムで是正措置に対
標準的なサイクルタイムを、製品とプロセスの特
す。いったん同じビジョンを共有すると、私た
応することが求められています。ウェーハが工
性に応じて30%∼70%短縮できることが示唆
ちは各自が最も得意とすることに取り組むこと
場内をより早く動くことができるようにファブの
されています。これらのメリットは、当然のこと
ができます。魅力のある技術の開発を競い合
迅速性が向上すると、これらの要件のどちら
ながらさまざまなタイプのファブにおいて実現
い、次の
「キラーアプリケーション」の魅力と成
にも経済的に対処できるようになります。
可能です。
(たとえば、既存ファブのアップグ
長性を高め、エコシステム全体を推進するの
ファブの生産性向上を目指すこの新しいア
レードや新規立地ファブ、ロジックやメモリ、少
です。半導体業界の将来は、このことをきち
プローチを、私たちは「300mm Prime」
と呼ん
品種大量と多品種混成の製品境)
んと実行する能力にかかっています。今こそ
でいます。300mm Primeには、業界全体の
ファブの生産性向上を実現するレースにおい
300mm Primeの出番です。
「フードチェーン」
にとってWin-Winの関係に
て、競争力のある操業コストで、サイクルタイム
Applied Materials 社
なりうる大きなチャンスがあります。Applied
を短縮しファブの迅速性を向上させるというビ
プレジデント兼CEO Mike Splinter
2007
PAGE 3
No.1
顧 客 満 足 度 調 査 に よ る と 、S E M I 会 員 の 半 数 近 くが 、総 合 的 に 見 て S E M I の 活 動 内 容 が 1 年 前 よ りも 向 上 し た と 感 じ て い ま す。
反 対 に 、多 少 悪 くな っ て い る と 感 じ て い る の は 8 % で あ る と い う 結 果 が 出 て い ま す。
「 顧 客 満 足 度 調 査 」の 結 果 を 踏 ま え て
S E M I が す ぐ に で き る こと
SEMIの活動が会員のニーズを満たしている
いません。会員は自分たちのビジネスに役立
正確性を向上させるためのプランが、すでに
かを評価するために、SEMIは顧客満足度調
つ情報を求めており、しかもきちんとターゲ
進行しています。
査を毎年実施しています。SEMI製品の品質、
ティングされた情 報 提 供を望んでいます。
貴重なフィードバックをいただき、SEMI会員の
サービス、および会員満足度を向上させる上
SEMIの情報とフィードバックの方法や内容の
皆様に感謝申し上げます。
で不可欠なお客様からのフィードバックをお
願いしています。
昨 年 の SEMIの 活 動 内 容 関 す る 会 員 の 評 価
今回の調査では、世界中から1,800通を超え
改善されている
(46%)
る回答が寄せられ、この調査の重要性が
変わらない(46%)
裏付けられました。この調査の主な目的は、
SEMIに対する満足度を高めることと、満足
悪くなっている
(8%)
度を向上させる上で必要な事項を確認する
ことにありました。各種イベントの運営、市場
調査の報告、その他SEMIの活動に対する
評価のほかに、今回の調査では、戦略的に
優先すべきこと
(たとえば、SEMIはどのような
顧 客 調 査 に よ る SEMI会 員 の 満 足 度
2005 (40%)
ことをすべきか)
についても会員の皆様に回
答をお願いしました。
2006 (62%)
2007年の調査では、展示会、セミナーおよび
カンファレンス、市場調査・統計、そしてSEMI
国際スタンダード活動が、最も価値のあるも
のとして評価され、受け入れられていること
がわかりました。
SEMI NANOFORUM
ナノ か ら S E M I へ 、 S E M I か ら ナノ へ
また、この調査で明らかになったことは、SEMI
米国オハイオ州クリーブランドに拠点があるKeithley Instruments社のナノテクノロジー、研究、教育担
の顧客サービスに対する満足度が大幅に向
当の主席マーケティングエンジニアJonathan L. Tucker氏は、SEMI NanoForumについて次のように述
上しているということです。これまでの調査結
べています。
「SEMI NanoForumは、半導体とナノテク分野で最先端をいく関係者と出会い、業界のリー
果からも、顧客サービスの向上は非常に重
ダーと知り合えるすばらしい場でした。」Tucker 氏は、SEMI ナノテクノロジープログラム委員会
要であると考えられています。組織の変更と
強化、そしてさまざまな改善により、顧客サー
(Nanotechnology Steering Committee)のメンバーでもあります。
SEMI NanoForumは、ナノテクコミュニティとSEMIの会員企業が一堂に会する場を提供することを目的
として2004年に発足しました。このフォーラムは、2つの異なるグループが、共通点とビジネスチャンス
ビスに対するトータルでの満足度が、2006年
を見出すのに役立ちました。すでに多くのナノテク関連展示会があるなか、SEMIとSEMIナノテクノロ
には前年比で22%も向上するという結果が得
ジープログラム委員会は、
『ナノからSEMIへ、SEMIからナノへ』
というアプローチを取り入れてきました。
られました。
SEMIは、イベントの過当競争の中ですでに大きな負担を強いられてる2つのコミュニティを一つにまと
めるのではなく、既存のイベントの中で、ナノテク関連の話題を取り込むことを選択しました。ナノエ
この調査結果に基づいて、SEMIでは、来年改
善すべき点として二つのことを挙げています。
レクトロニクスは既に世界のSEMICONショーで重要なテーマのひとつになっています。SEMIはまた、
世界中で開催されるナノテクノロジー関連の主要イベントの主催者と提携し、会員企業が、これらのイ
ベントやそこで行われる講演などの情報を把握できるよう努力していきます。
一つは、各種イベント、統計、Webサイトを含
むSEMIの製品とサービスの品質です。製品
の多くはすでに改善が実行されています。品
質をさらに向上させるために、SEMIは総合
的な品質監査を行う予定です。
「各種の製品に対応した当社の計測機器、特に研究、教
育向けの装置は、すでに半導体分野で高く評価されて
います。我々は、ナノテクノロジーは将来高い成長率を
示す分野であると考えており、目の前にある好機はす
改善すべきもう一点として、SEMIによるコミュ
べて逃がさないようにしたいと思っています。その願い
ニケーションが挙げられます。SEMIのコミュ
」
を、これからもSEMIは叶えてくれるでしょう。
ニケーションに対する会員満足度は昨年向
Keithley Instruments社 Jonathan L. Tucker 氏
上したものの、SEMIは十分であるとは考えて
Photo courtesy Keithley Instruments
SEMI 四 半 期 レ ポ ー ト
PAGE 4
T H E S E M I C O N D U C TO R I N D U S T RY A N D
A DV O C A C Y
半 導 体 業 界 と アド ボ カ シ ー
業 界 が ワシントン の 注 目を 必 要とする
ときには 、SEMI は そ の 力となります。
John Kisper t 氏 が
Photo courtesy KLA- Tencor
SEMI の 取 組 み を 説 明します。
SEMI 会員の多くは、SEMIがアドボカ
であるJohn Kispert氏に、SEMIの最近の活
といえば、輸出管理品目リストから半導体
シー活動を行っていることは承知しているも
動成果と2007年の計画について説明をお願
テスタを外せたことでしょう。また、SEMIの
のの、活動に参加している関係者を除くと、
いしました。Kispert氏は、2002∼2005年にか
ロビー活動により、輸出許可の手続きに要し
どういった成果があり、何が課題となってい
けてSEMIの北米地区諮問委員会に在籍
た時間が約25%も削減されました。さらに、
るかは知られていません。
し、2004∼2005年にはSEMI役員会のPublic
年間65,000件が上限のH-1B就労ビザ枠を、
米国におけるSEMIのアドボカシー活動は、
Policy Committee委員長を務めており、この
20,000件追加することにも貢献しています。
今年、新たな課題に直面しています。イラク
件では正に適任者です。現在は、米国議会
追加発給の対象となるのは申請者が、数学、
政策、医療、教育の法案を抱える米国政府
と米政府に対する半導体業界のスポークス
科学、工学の分野で大学院の学位を取得
と議会は、上下院における共和党の絶対過
マンとして活動するとともに、SEMI役員会の
している場合ですが、まさに半導体業界が
半数割れという最近の中間選挙結果に直面
Political Action Committee(PAC)
委員長を
していますが、これは、半導体業界に有利な
務めています。
必要とする人材です。
」
「2007年には数多くの課題が出てくるでしょ
政策を後押しするための議員の教育活動、 「SEMIは米国政府に対し、積極的、効果的
なアドボカシー活動を実行していますが、こ
支援活動にも影響を及ぼすでしょう。
う。議員に半導体産業の重要性を認識して
もらうためのこれまでの活動に加え、政府が
の活動の最近の成果について、会員に広く
抱えている政策や予算の問題の多くについ
こうした課題について会員の皆様に知ってい
紹介してきたとは言えません。これまでSEMI
て、わたしたちのメッセージを伝えるために、
ただくため、KLA-Tencor社の社長兼COO
がアドボカシー活動でおさめた最大の成功
一層の努力が必要になりそうです。
」
「 政 府 が 抱 え て い る 政 策 や 予 算 の 問 題 の 多 くに つ い て 、わ た し た ち の メッ セ ー ジ を 伝 え る た め に 、
一 層 の 努 力 が 必 要 に な り そ う で す。」 — K L A - Te n c o r 社 プ レ ジ デ ント 兼 C E O
2007
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No.1
今 年 S E M I は 、次 の 4 つ の 大 目 標 の 実 現 の た め に
ロビー 活 動 を 展 開 する 計 画 で す
研究開発の財政的支援と税額控除:
SEMIの目標は、全米科学財団
(NSF)
と科学技術政策研究所
(NIST)
の研究開発予算を
中国における
アドボカシー活動
7年間で倍増させることです。この提案は、特に各種技術革新関係で、すでに上下院共
に議員の幅広い支持を集めているものの、現下の緊縮財政と、議会の新主流派が策定
世界中の SEMI 会員のビジネスを支援するために、
した財政的支援のルールによって、先行きは厳しいでしょう。
SEMIは中国でもアドボカシー活動を行うべきだと会
員の多くは考えています。2005年後半に開催された
エグゼクティブ会議の場で、中国における以下の課
対中国輸出管理の緩和:
題が取り上げられ、これらに対処するための計画が
この活動には二つの取り組みがあります。一つは、事前承認された顧客、いわゆる検証
策定されました。
済み需要者(validated end-user)
を認める新規則を成立させることです。この承認が一旦
与えられた顧客に対しては、個々の輸出許可は必要とされず、迅速に出荷できるようになり
• ビジネス環境:ロジスティック
ます。中国における半導体ファブ数はさほど多くないので、これらのファブを検証済み需要
• 人的資源
者として登録できれば、米国に本社あるいは子会社を有するSEMI会員すべてにとっての
• 中国RoHS
利益になります。二つ目の取り組みは、新しく提案されている管理品目リストに含まれる半
• 輸出管理
導体プロセス装置を減らし、できればなくすことです。
• 知的財産保護
• 米国行きビザ発給
• 国内装置製造
サーベンス・オクスリー法(企業改革法)
:
サーベンス・オクスリー法が求める報告に要する費用があまりに低く見積もられていたことが
SEMI Chinaでは、これらの課題を改善する総合的
明らかとなり、2年目以降にかかる費用も、当初の見通しに反して期待されたほど下がって
な計画を策定しました。地区委員会組織を複数設
いません。企業規模が小さくなるにつれて不均衡な影響を受けるため、費用便益比率を
立して、問題の定義、分析、および解決策の提案を
リスクの大きさと対応させる必要があります。コンプライアンス費用を軽減できれば、その分
行っています。SEMIとSEMI 会員は必要に応じて、
を技術革新や研究開発に回せるので、SEMI会員にとって利益となります。
中国政府や政治指導者との会合にも参加し、ディス
米国証券取引委員会(SEC)
は、サーベンス・オクスリー法の実施方法についてのガイダン
カッションに助言をしています。
ス改訂案を発表しています。SEMIは会員企業のエグゼクティブグループを組織して、特に
リスク評価方法と企業規模に応じた柔軟な対応について、意見を提出しています。上場
すでに実行に移されている活動としては、保税品の
会社会計監視審議会からも新しい監査基準が提案されていますが、SEMIはこれらの提
通関手続きの改善などがあります。この改善により、
案や意見募集の段階で、業界の利益を主張していきます。
物品を中国国内に持ち込んだり持ち出したりするこ
とが容易になり、事務手続きも簡素化されました。
この結果、SEMI会員は顧客の要望に迅速に対応で
SEMIのPAC:
SEMIのPolitical Action Committeeが活性化すると、議員の半導体産業の重要性認識を
高めていくために、資金もさらに必要になるでしょう。産業の知名度を上げるにはお金がか
かりますが、効果的に資金を投入するにはPACの活動が最善の方法です。
きるとともに、在庫を減らしながら全体の収益性を
高めることができます。また、中国RoHSについても
中国政府と対話をしており、施行方法の情報をSEMI
会員に実用的な形で提供しています。
SEMIはまた、中国にあるSEMI会員企業の従業員が
上述に挙げられているのが、目標のすべてではありません。2007年のSEMIポリシーの優
米国のビザを取得できるようにする課題にも取り組
先事項には、ほかに移民改革法や研究開発費控除の拡大などがあります。米国における
んでいます。そうなれば、米国でトレーニングを受
アドボカシー活動にとって今年は挑戦の年になりそうですが、SEMIの活動はすべての
けたり購入デシジョンをしたりすることも可能にな
SEMI会員および半導体業界に利益をもたらします。詳細についてお知りになりたい方や活
ります。SEMI Chinaは中国出入国管理官と、SEMI会
動に参加ご希望の方は、SEMIのワシントンDCオフィス)
電話番号:202-289-0440、メール
員企業に米国訪問ビザを取得する最良の手続きを
アドレス:[email protected])
にお問い合わせください。
教示してもらうための取り決めをしました。教示さ
れる手続きに従えば、ビザ申請の長く予測不可能な
手続きが改善されるでしょう。
John Kispert氏
SEMI 四 半 期 レ ポ ー ト
PAGE 6
氏名・肩書
Nicholas Leonardi
セールス&マーケティング担当副社長
会社名
CMC Interconnect Technologies
CMCが国際的に
Tempe, AZ 85284
(アリゾナ州立大学リサーチパーク)
確かな地位を築く上で、
SEMI が大きな助けになると
取扱製品
電子配線材料とプロセス分野を専門とし、企業
がビジネス戦略を立てる上でのテクニカルサー
考えています。
ビスとサーポートを提供。
Photo courtesy CMC Interconnect Technologies
顧客の業種
大手の半導体メーカーをはじめ、パッケージン
グと組立てを行う請負業者、先端材料メーカー
など。現在のプロジェクトに基づく継続的な成
長とともに、新規顧客開拓を進める。
SEMI会 員 登 録 年
2006年
SEMI会 員 紹 介
SEMI MEMBER PROFILE
CMC Interconnect Technologies社は、広く
会員企業になっており、当社にとってSEMI
とになりました。エレクトロニクス実装分野の材
世界のエレクトロニクス業界に優れた技術と
会員になることが、グローバルに新規顧客と
料技術について、フォーラムでプレゼンテー
ビジネスソリューションを提 供しています。
のビジネスチャンスを得ることになりました。
ションを行い、実装と組立てのロードマップ関
2004年の創立以来、CMCの電子配線と先
CMCの事業プロジェクトの範囲は、電子配
連のセッションで議長を務めたのです。CMC
端材料のビジネスは増大しており、顧客も、
線に関わる諸問題に対応するテクニカルサ
は、台湾や中国などで開催されるSEMICON
地域・国単位からグローバルなレベルに拡大
ポートやプロセス開発から、マーケティングプ
ショーのような、グローバルなイベントに参加し
しています。このような成長に伴い、CMCに
ランやビジネス戦略の策定にまで及んでいま
たいと考えています。
とって世界的規模で情報提供をしてくれる組
す。SEMIに参加することで、CMCは、SEMI
CMCの経営陣は、SEMIが提供するテクニカ
織と、すぐにでも連携することが必要になって
会員企業の意思決定者すべてとコンタクトで
ル、ビジネス両面のリソースを活用し、事業
きました。アジア地域や中国において、当社
きるようになりました。
を成長させていきたいと思っています。CMC
のプロジェクトは勢いを増しています。そのた
CMCの技術スタッフは、先端材料と電子配
はアジア地域でサービスを拡大しています。
め、国際的に確かな地位を築くことが、非常
線プロセス技術の分野で数十年間の経験と
そのため、SEMIの世界規模の展開と組織
に重要になってきているのです。先端技術分
専門的知識を有しています。当社のプロジェ
力には大変期待をよせています。
野における当社の既存および新規の顧客と
クトの対象範囲は、デバイス、パッケージ、基
の関係において、SEMIは当社の情報リソー
板、システムレベルの技術的な解析とコンサル
CMCについては、Webサイトをご参照ください。
www.cmcinterconnect.com
スになっています。
ティングから、ビジネス市場の調査まで及んで
CMCの顧客は、エレクトロニクス業界のあら
います。SEMI会員になったことで、CMCは、
ゆる分野に及び、半導体、電気通信、オプト
広く業界の顧客そして見込み客と接すること
問合せ先:
エレクトロニクス、医療、高輝度LED、軍事、
ができるようになりました。
Nicholas Leonardi
航空宇宙、民生品などが含まれています。こ
2006 年 の 初 めに SEMI 会 員になってすぐ、
Tel: 1.602.820.7844
れらの分野に属する企業はすでにSEMIの
CMCはSEMICON West 2006に参加するこ
Email: [email protected]
SEMIスケジュール(2007年4月–7月)
4月11日-14日
Global FPD Partners Conference (GFPC)
長崎
www.semi.org/gfpc
4月23日-25日
Strategic Business Conference (SBC)
カリフォルニア
www.semi.org/sbc
5月8日-10日
SEMICON Singapore
シンガポール
www.semi.org/semiconsingapore
6月11日-12日
ASMC
イタリア
www.semi.org/asmc
6月18日-19日
SEMI FORUM JAPAN
大阪
www.semi.org/sfj
7月 4日- 6日
FPD Expo Taiwan
台北
www.semi.org/fpdtaiwan
7月16日-20日
SEMICON West
サンフランシスコ
www.semi.org/semiconwest
2007
PAGE 7
No.1
COUNTERING THE
C O U N TE RFEIT S
S E M I 、グ ロ ー バ ル な I P 支 援 プ ロ グ ラ ム を ス タ ー ト
知的財産(IP)
をいかに守るかは、マイクロエ
問題の認知度向上、対応策の推奨などが
レクトロニクス関連産業の一員であるSEMI
その狙いです。
会員企業にとって大きな問題です。グローバ
リゼーションが進行し、次世代技術への転
さらに、グローバルIP管理コースを開発して
換が速まるにつれ、この問題は産業の成長
米国でまず実施し、次いで世界各地に展開
と収益性に対する重大な脅威となっていま
することも計画中です。この教育コースは2日
す。SEMIはこうした懸念に対処するため、世
間に及び、初日のIP資産管理、2日目のIP権
界中の会員企業のIPの価値を高め権利を
利行使と国際展開で構成されています。
強化するプログラムをスタートしました。
本年中には、インターネットベースのIPオンラ
2006年にSEMIが実施した調査では、回答
インセミナーも開催し、認知度向上、グロー
者の47%がIP問題を
「非常に重大なビジネス
バルな課題とアクションアイテムの明確化を計
上の課題」
、35%が「いくらか重要」
と位置付
ります。他にも、半導体産業にとっての課題
けています。約4分の3の回答者が、IP問題
と解決に必要な次のステップを論じるため
がすでに自社の営業に悪影響を及ぼしてい
に、各地域の政府機関担当者と連絡をとっ
ると答えました。IP侵害による損失額につい
ていくことなどを検討しています。SEMIは、
ては、複数の回答者が、シェア低下、低品
多彩なアプローチ
関係工業会や米国反偽造および著作権侵
質のコピー部品およびコピーシステムによるブ
半導体産業におけるIP問題に包括的に対
害同盟(CACP)
などの地域組織とも協力し、
ランドダメージによって、巨額の損失があった
処するため、SEMIは数々の支援プログラム
協力関係を話し合う予定です。
と見積もっています。
を企画し、昨年、そのいくつかを実行に移し
ました。IPワーキンググループの設立、IP
知的財産権とその保護は、今後も困難な課
この調査によると、IP侵害で最も多いのは、
Best Practicesの発行、Webサイト上でのIP情
題であり続けるでしょう。しかし、SEMI会員
主力製品や技術の特許侵害で、その次に、
報の掲載開始などが挙げられます。
企業と関連組織がうまく力を合わせることが
スペアパーツ、部品、主力製品の模倣被害
できれば、半導体業界は被害を最小限に抑
が挙げられています。企業秘密盗難と雇用
また、2007年秋にIP白書を発行することも計
え、価値の高い知的財産を創造するための
関係の問題についても、複数の回答者が言
画されています。IP侵害の経済影響の定量
健全で協力的な環境を最大限に押し広げ
及していました。
化、事実に基づいたIP問題の要旨説明、IP
ることが可能となるのです。
SEMIの EHS活 動 が
Photo courtesy Rhetech, Inc.
会員を成功へ導く
「SEMI EHSディビジョンが組織した会員のワーキンググループ中国RoHSは、業界が中国
の新規制に対応するうえで非常に役立っています。特に、SEMIがアレンジした中国情報
産業部との会合は、2007年3月1日の中国RoHSデッドラインに向けた当社の対応をまと
める際に大きな助けとなりました。この会合がなければ、実際的で効率的なプランを実
行することはできなかったでしょう。
」
Rhetech 社 プレジデント Vince McGinty 氏
会 員 向 け S E M I レ ポ ート
発行者: Jonathan Davis • [email protected] • Tel: 650.943.6937
編集ディレクター: Thomas Morrow • [email protected] • Tel: 650.943.7948
アートディレクター: William Moeller • [email protected] • Tel: 408.943.6900
デザイン: Kenneth Associates • [email protected] • Tel: 650.964.9602
ライター: Steve Buehler • [email protected] • 408.943.7049
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All photos courtesy of SEMI unless otherwise noted.
I N F O R M , C O N N E C T, G R O W
passion
情 熱と
忍耐
PERSEVERANCE
真白すぴか氏
が S E M I ス タ ン ダ ー ド に も た ら し た も の 、そ し て 得 た も の
SEMI日本地区スタンダード委員の真白すぴ
け入れることができるものである必要があり
か氏は、スタンダード活動に「情熱と忍耐」で
ました。近年重要さを増しているEHS活動の
は、デバイスメーカーが特にファクトリーオート
臨んでいると評価されてきました。SEMIの国
推進には、彼女の意欲と判断は大変役立ち
メーション分野において、どのようなことに関
際スタンダードプログラムに参加してきたこの
ました。EHS国際技術委員会幹事会(GCS:
心を持ち、どのようなことに懸念を示している
10年間で、彼女を際立たせたのはまさにこの
Global Coordination Subcommittee)
のメン
かよくわかるようになりました。ここで得られた
気 質 です。また、この「 情 熱と忍 耐 」が 、
バーとして、現在、真白氏は新設の台湾EHS
経験は、私が新しいUHVCVDシステムの開
SEMIスタンダード活動への真白氏の数々の
委員会をサポートしています。その主な活動
発に携わったときに非常に役立ちました。重
業績に対し、昨年、カレル・アーバネック記念
内容は、合同ミーティングと、スタンダード関連
要な業界情報は、スタンダード活動に積極的
賞
(Karel Urbanek Memorial Award)
が授与
プログラムへの参画です。真白氏は2004年
にかかわることによってのみ得られることが数
された主な理由でもありました。
から、標準化プロセスのさまざまな改善活動
多くあるのです」
。
現在キヤノンアネルバ社に勤務する真白氏が
に関与しています。その中には、
「SEMIスタン
また、スタンダード活動に参加することは、業
「SEMIスタンダード活動に参加してから、私
半導体業界に携わったのは、応用化学の学
ダード運営規約(Regulation)
」および「SEMI
務上のメリットだけでなく、個人的にも報われ
士号を取得して1983年に山形大学を卒業し
スタンダード 作 成 手 順ガイド( P r o c e d u r e
ることがあります。
「専門技術や文化的な背
たときからです。彼女は、
ドライエッチングプロ
Guide)」に関する改訂提案に対処すべく
景が異なる世界中のさまざまな人々と接する
セス開発や他のプログラムに長年取り組ん
日本地区スタンダード委員会(JRSC)
の委員
ことで、私は、数多くの友情を育むことがで
できました。その真白氏がSEMIスタンダード
長から権限を委任された、Standardization
きました」
。
にかかわるようになったのは、シランとその関
Process Integration( SPI)
タスクフォースの
カレル・アーバネック記念賞は、優れたスタン
連ガスの安全な取扱いに関連して、SEMI
リーダーの役なども含まれています。真白氏
ダード活動を行ったメンバーに対し、SEMIが
ジャパンのスタンダード部会から委員への参
がAudit & Review小委員会による手続審査
授与する最高の賞です。その賞が真白氏に
画要請を受けてからです。
を合理的かつ公平に行うことができるよう、
与えられました。このことは真白氏に、半導
ツールとしてのテンプレートを提案したのは、
体業界における世界的な栄誉をもたらすこと
他のボランティアメンバーと一緒に活動に打ち
JRSC代表者としての立場においてでした。
になりました。受賞の知らせを受けたときの
込むことができたのは、マネージメントのサポー
一方、SEMIスタンダード活動によって真白氏
印象を尋ねられると、真白氏は落ち着いた
トのおかげです」
と真白氏は述べています。
「スタンダード委員会のミーティングに参加し、
が得たものもあります。それは、業界が直面
口調でこう答えました。
「 私も年を取ったとい
「業界標準化の活動はそれほどまでに重要
している諸問題や課題に対しての、より広
うことでしょうか。それでも、この受賞を大変
なことなのです。半導体業界が安定成長を
いバランスのとれた物の見方や考え方です。
名誉なことだと思っています」
。
続けるためには、効果的なコラボレーションと
リソースの適正な配分が欠かせません。スタ
ンダード活動に関係者の皆さんが参加される
「スタンダード委員会のミーティングに
と、最新で実務的なスタンダード化が促進さ
参加し、他のボランティアメンバーと
れ、その結果、技術と製品の面でいっそう費
一緒に活動に打ち込むことができた
用効果の高い開発が可能になります」
。
真白氏がSEMIスタンダードに参加したときか
ら、焦点は「真にインターナショナルな」安全
ガイドラインを策定することでした。そのガイド
のは、マネージメントのサポートのお
かげです。
」
キヤノンアネルバ株式会社 真白 すぴか氏
ラインは、世界中の半導体業界とその関連
業界にとって有用であるとともに、業界が受
※本稿は、SEMI本部
(米国)
の真白氏へのインタビュー記事を翻訳したものです。