原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀入港に抗議し、原子力空母の横須賀母 港化の撤回を強く要求する抗議文(案) 米海軍第 7 艦隊司令官 在日米海軍司令官 米海軍横須賀基地司令官 ジョセフ・P・アーコイン中将 マシュー・カーター少将 殿 ジェフリー・キム 大佐 殿 殿 2016 年 11 月 25 日 日本共産党神奈川県委員会 委員長 田母神悟 日本共産党神奈川県会議員団 団長 井坂新哉 日本共産党横須賀市会議員団 団長 大村洋子 11 月 21 日午前、原子力空母ロナルド・レーガンが 2016 年後半の作戦航海を 終え横須賀港に入港した。今回の作戦航海は、①9 月 12 日~23 日のグアム沖で の米陸空海兵隊による大規模な実動演習「バリアント・シールド」、②10 月 10 日~15 日の黄海と済州島沖での米韓合同演習、③日米共同訓練「キーン・ソー ド 2016」を終えての入港である。とりわけ今回の日米共同実動演習は日米両国 の参加部隊の規模からみてもかつてない規模であり、実動演習に名を借りた事 実上の「武力による威嚇」ともいうべきものである。我々は今回の原子力空母 ロナルド・レーガンの横須賀入港が基地機能のいっそうの強化と空母の母港化 を半永久的に押し付けるものであり、県民の平和的生存権を脅かすものとして 強く抗議するものである。 第 1 に、今回の原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀入港は、東アジアに おける軍事的緊張を高める米韓、日米の実動演習を終えての入港である。この ことは、アフガン・イラク戦争でも見た通り、横須賀をアメリカが世界で引き 起こす戦争の出撃拠点とするものであり、断じて認めることはできない。 第 2 に、横須賀の米空母の存在そのものが県民の平穏な生活を脅かす根本原 因になっていることである。厚木基地第 4 次爆音訴訟の横浜地裁や東京高裁の 判決において爆音が県民の健康に被害を与えていることをはっきりと認めてい るように、空母が存在することにより空母艦載機による耐え難い爆音被害や、 米軍機墜落事故、落下物事故、さらには空母乗組員による凶悪犯罪、事故など が繰り返されている。 第 3 に、原子力艦船による原子炉事故の危険である。二つの原子炉を搭載す る原子力空母には日本の法令の適用はなく、米原子力艦船の原子炉の安全性は 機密のベールに包まれたままである。日米の原子炉事故対策も極めて杜撰なも のであり、まともな原子力事故防災対策もない状況である。巨大地震の発生す る危険が年々高まっている中、首都圏 3000 万人の住民を原子力事故の危険にさ らす原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀入港・母港化を容認することはで きない。 第 4 に、昨年の 9 月強行された安保法制と相俟って、米海軍と海上自衛隊の 一体化が一層強化される危険である。昨年策定された新ガイドラインでは、平 時から米軍と自衛隊の統合部隊化が図られており、米海軍制服組のトップは、 海上自衛隊を空母打撃軍やミサイル防衛に統合することが可能になり、あらゆ る局面で一つの部隊として作戦できる、と語っている。すでに 2014 年から米第 7 艦隊の旗艦ブルーリッジには海上自衛隊の幹部が常時連絡係として配置され ている。 第 5 に、軍需産業の集積地でもある神奈川における横須賀基地の機能強化は、 県民の平和的生存権に深刻な影響を与えるものとなる。2012 年度の防衛省の装 備品契約上位 20 社には三菱重工業、日本電気、三菱電機、富士通、東芝、IHI など県内に本社や工場を有する企業が集中しており、神奈川県は日本でも有数 の軍需産業集積地となっている。日本の自衛隊が今回の安保法制によって集団 的自衛権を行使すれば、県内の米軍基地のみならず、軍需産業集積地の神奈川 県は恰好の攻撃対象になるのは明白である。 第 6 に、そもそも、1973 年 10 月に横須賀に初めて空母ミッドウェーが配備さ れた当時、日本政府は国会答弁で、 「(配備は)概ね3年」 「新たな施設の建設は 求めない」 「空母艦載機の離着陸訓練はしない」という3つの約束をした。にも かかわらず、今日まで3つの約束を米側は全て反故にしているではないか。米 海軍は 2015 年 10 月から原子力空母ロナルド・レーガンを交代配備させたが、 この原子力空母の交代は、横須賀での原子力空母の永久母港化につながるもの である。また、米海軍が 2017 年までに計画しているイージス艦3隻の追加配備 は、更なる基地機能の強化に繋がるものであり断じて容認することはできない。 以上の理由により我々は今回の原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀入港 に断固抗議するとともに、横須賀の空母母港の撤回を強く求めるものである。 以上
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