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NO.103
2 0 0 6 年2月号
1
大迫弘和
2005年の冬のキャンパスで生徒たちが
お揃いの黒いパーカーを身にまとってい
るのが目につきました。11月19日のイン
ターナショナルフェアーでSIS/OI
Sの保護者の方々が学園の創立15周年を
祝福して作ってくださった15周年記念
パーカーです。なんと500枚を越える枚数
が売れた超ヒット作品となりました。500
枚というのはSISの全校生徒数を越え
る数です!すごい!
「こういうの着てると嬉しい?」
ちょっと生徒に聞いてみました。
「はい、なんかすごく嬉しいです。」
そう答える生徒に「よく似合っている
よ」と言うと生徒はちょっと恥ずかしそ
うな、でもとっても愛らしい笑顔を見せ
てくれました。
制服のある学校では生徒たちが私服を
着て登校することに憧れ(以前『年に一
回の私服デー』を実現するために3年間
奮闘努力したある高校の生徒会活動のド
キュメンタリーを読んだことがありま
す)、逆に制服のないSISのような学
校の生徒が「お揃いのもの」を欲しがる
傾向があったりするように思います。隣
の芝生、ということでしょうか。
今回はこの黒いパーカーをSISの生
徒もOISの生徒も、そして先生方の中
にもそれを着ている方があり、おのずと
ある種の「一体感」がキャンパスに流れ
ています。
◇
今回の15周年記念の黒いパーカーは私
のお気に入りのものとなりましたが、実
は私は別に以前からかなり気に入ってい
るものがひとつあります。それは背中に
「SIS/OIS Badminton」という文字の入っ
た本校のバドミントンチームのユニ
フォームです。
勿論他のスポーツもそれぞれ本校とし
てのユニフォームがありますが、バドミ
ントンの場合、そのユニフォームを着
て、実際ダブルスでSISの生徒とOI
Sの生徒がペアを組んで戦うといったこ
とがよくあり、その背中に書かれた文字
の通り、両校の生徒がひとつになっての
プレーは正に本校ならではの雰囲気を
2
持ったものです。
私自身初めてバドミントンのコートに
入ったのが12歳の時のことなので、いつ
の間にかもう40年間もラケットを握り続
けているといったことになっています。
しかも40年間のうちのかなりの年数はプ
レーヤーとしてあるいはコーチとして年
間300日近く体育館に入っていたりもしま
した。そうなるとやはりその競技に特別
の思い入れがあったりします。コートで
「SIS/OIS Badminton」というユニフォー
ムを着た生徒たちが必死でシャトルコッ
クを追う姿は、私の大好きな光景のひと
つです。
◇
もう少しバドミントンの話を続けさせ
てください。
コーチとしてバドミントンのダブルス
の指導を行うとき、昔から行っているこ
とがあります。それは最後のラリーが終
わり勝負に決着がつきゲームが終了した
時、まず何よりも先にペア同士で握手を
しお互いの健闘を称えあうこと。勝って
も負けても必ずそうすること。勝ち負け
よりそれは大切なことであると。
ダブルスゲームが終わったとき、汗だ
くになった選手は、勝敗の結果にかかわ
らず、お互いの健闘を笑顔で称えあう。
それはSISの生徒同士の握手のことも
あり、OISの生徒同士の握手のことも
あり、そしてSISの生徒とOISの生
徒の握手であることも当然あるわけで
す。
試合後ペア同士の握手、それは私がな
によりも大切にしてきたことです。
◇
SIS/OISの生徒たちはバドミン
トンに限らずどのスポーツを行うときも
お互いの励まし合い、支え合い、称え合
いに本当に優れています。それは本校の
大きな特徴のひとつです。そしてその
時、生徒たちの頭の中にはSISもOI
Sもありません。OSAKA SABERSとして完全
に一つになっています。
「このキャンパスにはお互いを褒め合
う雰囲気が満ちていますね。」というの
は以前このインターカルチュアでご紹介
したある保護者の方のことばです。人を
褒める、ということは大人にとっても決
して簡単なことではないと思うのですが
(親が自分の子どもを褒めるといったこ
となどは特に、かもしれませんね)、S
IS/OISの生徒たちは励ましあうこ
と、支えあうこと、称え合うこと、そし
て褒め合うことを実に自然にしあってい
ます。そのような彼らからたくさんのこ
とを学ばせてもらっている毎日であると
いっても過言ではありません。
出来る限りいろいろなスポーツ競技の
応援に行くようにしています。そして可
能な限りベンチ等選手たちに近いところ
で応援をしています。そうすると例えば
作戦タイムとかセット間とかに生徒たち
が交わしあうことばが聞こえてきます。
「さっきのあのプレー本当に助かった、
ありがと!」
「気にしない、気にしない。全然大丈
夫!」
「絶対負けない!さあ、いくよ、みん
な!」
力を合わせて競技に向かう生徒たちの
励ましあいのことば、支えあいのこと
ば。しかもそれらが正にSIS/OIS
らしく日英両語で交わされていくので
す。
私はそのような生徒たちの姿が大好き
です。
◇
勿論スポーツに限らずSIS/OIS
の生徒たちはいろいろな場面でSISも
OISもなく、一つのキャンパスで共に
学ぶ生徒として励ましあい、支えあい、
称えあっています。
先日無事終了したオールスクールプロ
ダクション。実は私はいつも本番当日の
出来栄えよりもそこに至るまでの過程の
方に強く心を打たれています。
本番ではオーケストラの演奏の中歌唱
が行われますが、練習ではオケの代わり
にピアノの伴奏に合わせ歌の練習が行わ
れます。今年もOISの生徒の弾くピア
ノに合わせ、SISの生徒が歌っていま
した。
また一つ一つの演技について「あそこ
のところはもっとこんな感じでいったら
どうかなぁ」「あ、そうだね。確かにそ
の方がいいね。」といった話し合いが、
伊藤しおり
12月9日、第3回SISプレゼンテーショ
ン大会をシアターで実施しました。今年
は過去1年間の授業の成果の中から、担
当教員の推薦の下、10組のプレゼンテー
ションで13名、レポート・作品展示で5
つの科目から参加があり、生徒、保護
者、職員、教員の聴衆に向けて発表を行
いました。発表に参加した生徒には賞状
と記念品(SISロゴ入りボールペン)
が贈呈されました。
シアター内ではプレゼンテーションソ
フトのパワーポイントや模造紙、OHC、化
学実験などを駆使してのプレゼンテー
ションが行われ、シアター前には、ユ
ニークなテーマのレポート、理想の家模
型の展示なども並び、多くの注目を集め
ました。
プレゼンの内容も実に多様で、この春
から英語を学び始めた7年生による英語
でのプレゼンや、偉人になりきっての発
表、幻想的な化学実験の実施、犯罪や教
育、歴史をテーマにした社会派なものか
ら身近な問題まで、時には真剣に、時に
はユーモアたっぷりに、実に生き生きと
発表してくれました。
日々の授業の中で、授業内だけでこの
発表を終らせてしまうのは惜しいと思う
ような素晴らしいプレゼンや作品との出
会いも少なからずあると思います。この
プレゼン大会は、そんな創意と工夫の成
果に光を当て、授業内のみならず、より
多くの人に見てもらう場を提供していま
す。
SISもOISもなく、ただ当日の成功
のために心を一つにして行われていま
す。
そんな練習風景を見るにつけ、本校の
生徒のすばらしさに、ことばも、国籍
も、文化も、肌の色も、そんなことは何
も関係なくとにかくみなで力をあわせて
進んでいくのだ、ということをごく自然
に実現している本校の生徒のすばらしさ
3回目を迎えた今大会は、他の
発表を見て学ぶことができる場と
しても定着し、互いに刺激を受け
たり、授業への関心を高めること
に一役買っているようです。先生
や生徒の間でも、授業の新しいア
イデアを得たり、発表者の新たな
一面を発見する機会にもなれば幸
いです。
今回はのべ80名程度、少ない時
でも40名程の方が聴きに来てくだ
さいました。笑いあり、喝采あり、どよ
めきあり、質疑応答もありの大変充実し
たプレゼンテーション大会となりまし
た。プレゼンテーションは、発表者と聴
衆とがその場で一緒につくりあげるもの
なのだなあ、とまた奥深さを実感してい
ます。発表する場や聴衆が変わること
で、発表者にとっては授業とは違う難し
さや緊張もあったことと思います。それ
を乗り越えて一生懸命発表して下さった
発表者の皆さんに敬意と拍手を、そして
発表を暖かく見守り、大会を盛り上げて
下さった聴衆の皆さんに、心より感謝い
たします。
に、誇りと感動を覚えるのです。
◇
校長として学園についての説明を行う
とき、「SISとOISが一つになって
いる場面」として「授業・行事・クラブ
活動・生徒会活動」という四つの領域を
いつも挙げています。それはそれで正し
い公式説明なのですが、生徒たちの様子
を見ていると、そのような領域を語る前
に、まずは「心で繋がっていること」、
励ましあい、支えあい、称え合う関係が
成立していることこそ何よりも大切なこ
とであることに気づかされるのです。
まず「心で繋がっていること」、その
ことの中にこそ私たちの学園の国際学校
としての真の発展の大きな鍵があるよう
に思うのです。
3
獅子倉玲奈
私の最初のオールスクールプロダク
ションとの関わりは8年生の時のパー
カッショニストとしてオーケストラピッ
トの中から始まりました。最初の年の感
動を忘れる事ができず、その後毎年参加
するようになりました。ただし、今度は
ステージの上からでした。その後オリ
バー!ではナンシー、魔笛ではパパゲー
ナ、ヨセフではナレーター等々、色々な
役を演じてきました。そして今年は新た
に舞台演出で参加することとなりまし
た。私にとって舞台演出はもちろん初め
ての経験でしかもそれがオペラであるこ
と、ASP始まって以来初めて日本の情
景を日本語で上演するという試みであっ
たので非常に大変な役割となりました。
楽譜を何度も読み返し、歴史考証をしな
がら場面毎の構想を練って舞台イメージ
を紙に描くという作業を繰り返すうち
に、除々に演出の展望が開けてきまし
た。自然で日本的な抱擁をどう表現する
か、効果的な舞台への出入りをどうする
か、といった事を出演者達と何度も話し
合った事が演出に大きく役立った事は言
うまでもありません。今の時代に生きる
私たち若者にとって古き日本人になり
きって演ずる事は非常に難しく、さまざ
まな事を考えさせられ、また所作振舞い
についての練習も何度となく繰り返しま
した。夕鶴の根底に流れる本当の愛やお
金に目を眩ませる人間の弱さを表現する
事はとりわけ難しい課題でした。また、
三日間の公演を通じてダブルキャストで
構成する為、それぞれの配役毎の特徴を
引き出す事も難しい事でした。しかし練
習を通じてお互いが親しくなり、何時間
にも渡ってお互いの演技について話し合
い、助言しあううちに出演者達が役にな
りきっていく様子を目の当たりにする経
験は感動的なものでした。ASPを通じ
て最も大切な事はチームワークであると
いう事を私は改めて実感しました。チー
ムワークは何にでも必要なものですが、
夕鶴においてはなおさらでした。配役の
グループ内はもちろんの事、オーケスト
ラ、バックステージ、音響・照明の担
当、メーク・コスチューム、小道具等々
数多くの仲間の息が一つになって初めて
舞台を完成させる事ができたのです。S
IS・OISの生徒として“他人へのリ
スペクト”とは何か、を学び続けてきて
いる事がこの様な大所帯でのASPを成
功させる原動力になっているのではない
かと感じています。この場をお借りし
て、今年のASPに参加してくださった皆様
に感謝したいと思います。ありがとうご
ざいました。
4
The first time I ever participated in an
ASP was in 8th grade, as a percussionist in
the orchestra. It was such a great
experience, that I decided to join again the
year after, but from a different angle – from
the stage. Since then, it had been my ‘thing’
to perform on stage every year, once as
Nancy for Oliver!, Papagena for The Magic
Flute, etc., but this year, I took myself to
another level, and experienced ASP from a
different perspective – as director. In all
honesty, though, it was challenging.
Although I had been doing theatre for eight
years, I had never directed before, and on
top of that, this year was an opera, and a
traditional Japanese piece that I was not too
familiar with. However, after studying the
score a couple hundred times, researching
traditional Japan, and picturing and
drawing every act out in my head and on
paper, I started to get the hang of it, and
became comfortable in the directing chair. I
also had many discussions with the cast,
discussing how Tsu and Yohyo should
embrace ‘Japanese-ly’, which exits to use
for a sneaky dramatic effect, and other
details. The actors also had a difficult time
to ‘understand’ their characters. As I
mentioned above, not only was Yuzuru a
traditional Japanese piece, it was an opera,
and dramatically difficult to grasp the
mentality of traditional Japanese people
and their lifestyles. It was also a difficult
task to express the themes of “true love” or
human weakness with regards to money
that lie beneath Yuzuru. However, after six
months of hard work, we pulled it off; the
nine actors did an absolutely wonderful
job. Being such a
small cast, we grew
very close as a team,
and spent many
hours discussing and
scrutinizing the
emotional aspects of
the story, and the
‘how-to’s for all the acting and singing. We
each shared techniques, and gave each
other advice; teamwork was definitely the
key. With Yuzuru especially, we had to
have strong teamwork within each acting
group (as separate cast groups), as an
entire cast, with the orchestra, the
backstage, make up and props crew, and
the lights and sounds technicians. Perhaps
maintaining and improving our teamwork
was the most demanding aspect of Yuzuru.
But being SIS and OIS students, we were
soon professionals at that. We soon
developed one big family, and were able to
make the All-School Production a real
success. I believe that this year’s Yuzuru
was possible because of every single
person that was involved; thank you very
much.
5
小林鉱石
ホバークラフトという乗り物をご存知でしょうか?聞いたこ
とある人もない人もいると思いますが、この乗り物は水の上に
すべるようにして浮く乗り物(船のようなもの)なのですが、
これは船体の下部に空気を押し込み出して船体を浮かせ水との
摩擦を減らすことによってプロペラ等のもので船体を前に進ま
せています。「エアーホッケー」という遊びを思い出してみて
ください。そう!ボードが下から空気を出し、その上を玉が
すーっと滑るあの感覚です。ホバークラフトとは要するにこの
ことなのです。科学部では一人乗りのホバークラフトを製作し
てインターナショナルフェアで見せられるようにと活動してい
ました。そしてフェアの一日前についに完成したのでありま
す。これから紹介するのはホバークラフトが出来上がるまでの
奮闘を描いた実話の物語であります。
それは、大体1年半前の終わりかけていた夏の頃だった。テ
レビで見た水上を滑るホバークラフトという乗り物の光景は普
通の光景ではなかった。我々科学部を未知なる領域へと引き込
むように気高く滑っていたのだった。船体の下の部分に空気を
押し込み、水との摩擦を減らし、慣性の法則を利用しプロペラ
等で前進をする。それはちょうどエアーホッケーの玉がボード
の上を滑るときのような、アイススケートをしているときのよ
うな摩擦が無くスーッと滑るような感覚である。
部員の一人、
「これは普通の乗り物ではない。地上用のホバークラフトな
ら科学部でもできる。これを作る価値はあるのではないか。」
別の部員、
「そうだな。掃除機やリーフブロワーのモーターで浮かない
だろうか?」
別の部員、
「人を乗せるのにはかなりのエネルギーを必要とするのでは
ないか?しかもホバークラフトを推進させるには浮かせるため
のエネルギーの約3倍が必要だ。それらのエネルギーはどう供
給するのだ。エンジンじゃないと到底無理だぞ。」
別の部員、
「エンジンなんか要らない。計算上掃除機のモーターさえあ
ればできる。浮かせる面積をできるだけ増やしたらなんとかな
る。」
「推進のモーターはどうする。」
「それは仕方が無いからあきらめよう。人の手で押しだそ
う。」
こうして科学部でホバークラフトをつくることになった。
まず始めにとりかかったのが土台の製作だった。木を何本か
組み合わせてきれいな二等辺三角形となるようにつくった。い
すをおく中心部分は全体に人が乗ったときアンバランスになら
ないように三角形の重心においた。三角形の中心に補強をいれ
ていたのでそれは丁度アルファベットの「A」のような形に
なった。次に問題となったのがモーターをどうするか、であっ
た。掃除機はそこら辺の安いものでよかったのだが高い新品の
6
物ばかりだったので例え安いものが見つかったとしても分解し
て中のモーターだけを使う気にはならなかった。そうこうして
いるうちに時間だけが経ったのだが、奇跡はその年のインター
ナショナルフェア当日起きた。そう、10年前の掃除機がフリー
マーケットでなんと500円で売られていたのだった!
部員の一人、
「これは今しかないチャンスだ。これを逃すと後がないかも
しれない。」
こうしてさっそく買った掃除機を解体し、モーターが手に
入った。次に問題になったのが空気を押し入れ込む空間、ス
カートと呼ばれる部分の製作であった。
部員の一人、
「バイクのチューブを使うのはどうだろうか。」
別の部員、
「いいだろう。ふたにはゴミ箱のふたを使おう。」
「ふたとチューブとを接着する接着剤はどうする。」
「シリコンシーラントはどうだろうか。」
シリコンシーラントとは、よく風呂場のタイルとタイルの間
を埋めるのに使われていて、水や空気を全く通さないためよく
防水処理が必要な箇所に使われる接着材である。だがゴミ箱の
ふたとチューブをシリコンシーラントで接着するというのに
使ったというのが後の悪夢を引き起こすことになるのである!
ゴミ箱のふたとバイクのチューブそれぞれ三つずつ買い、早速
貼り合わせて土台と合体させた。つぎにモーターからの空気を
ふたに送り込むホースが必要になった。
「よし、これもシリコンシーラントで止めよう。」
最初の危機はシーラントでいろいろ接着してからしばらく
経ってからのことだった。
「おい、どういうことだ。シーラントがゴミ箱のふたにきち
んと引っ付いていないではないか。しっかり付けたのか。」
「せ、せんぱい。そうじゃないんです!ゴミ箱のふたとシー
ラントはひっつかないんです!」
「なに・・・・。それはとんだ失敗だったな。。。」
そう。接着に使っていたシーラントは好き嫌いがあり、使っ
ていたゴミ箱のふたがつるつるのものだったため、引っ付けた
つもりでもすぐにはがれてしまった。表面を自転車のパンクを
直すときのようにやすりでざらざらにしてはみたものの、思う
ようにうまくいかなかった。
他にも問題は生じていた。バイクのチューブは膨らませると
歪みを生じてしまい、地面につけたときに不均一な隙間が出
来、空気が一方的にもれてしまい、チューブが地面と擦れてし
まう。これでは浮かない。結果、科学部のホバークラフト作り
は、ロボットの大会が近づいていたというのもあって、一時保
留となった。
そして半年後、部員の一人、
「ロボットが終わったし、またホバークラフトやるか。」
別の部員、
「そうだな。今度は計画を変えてやるか。」
「よし。じゃぁ今度のインターナショナルフェアを目標にし
てつくるか。」
こうして科学部のホバークラフト作りが再開した。改善点は
いろいろあった。もちろんシリコンシーラントやバイクの
チューブは使い物にならなかったし、ほかにもゴミ箱のふたは
強度的に問題があったため無理と思われた。このようなことか
ら次回はゴミ箱のふたの代わりにはベニヤ板を使うことにし、
バイクのタイヤのチューブの代わりに浮き輪を使うことにし
た。それらの接着材には単純に両面テープを使うことにした。
そして今回は、掃除機のモーターを使うのをやめてコーナンで
売られている葉っぱなどを飛ばす「リーフブロワー」と呼ばれ
るものを使うことにした。電動のこぎりなどの工具も揃えた。
作業は順調だった。ベニヤ板を浮き輪の大きさに新しく買った
電動のこぎりで切り、それと浮き輪とを分厚い両面テープで空
気が漏れないように丁寧に貼り合わせた。そのベニヤ板と土台
とを直接取り付けた。土台に乗せる椅子については、部員の一
人が自転車のかごを譲ってくれるとのことだったので、かごを
逆さまにして取り付け、補強などをし、さらに上には座り心地
をよくするための座布団を備えた。その下(かごの中)には
2000円で新しく買ったリーフブロワーを入れた。リーフブロ
ワーから送られる空気をホースで3つに分け、それぞれ3つの
ベニヤ板にシリコンシーラントで取り付けた。
そしてインターナショナルフェアの一週間前、
「せんぱい!やっと完成しました!」
「おぉ∼そうか。では早速試そう。」
ウィ∼ン。船体は見事に浮いたと思われた。だがここでも問題
は起きた!
「せんぱい!船体が歪んでいます!」
しまった。とんだ過ちを犯した。使っていた土台の木は薄
かったため構造的に弱すぎた!人が乗ると土台が曲がりそれと
ともにベニヤ板が曲がってしまう!地面と浮き輪との接点の外
側に一方的な隙間ができ、空気が一方的に逃げてしまう。これ
だと計算上100kgは乗せられる船体も50kgしか乗らない!これで
人は乗せられたというのだろうか?目標のインターナショナル
フェアまでは時間が無い!どうする科学部!
「今から土台を作り直すのは時間がかかりすぎる。土台をそ
のまま利用してする方法はないだろうか。」
しばらく悩んだ末、部員の一人、
「それならば、こういうのはどうでしょうか。ベニヤ板の中
心に先が丸まった柱のようなものをとりつけ、土台全体をその
上に乗せる。土台と柱とは接着を行わず、そのまま乗せるだけ
にする。ベニヤ板とベニヤ板とは長い木の棒で合わせてばらば
らにならないようにする。こうすることで土台が曲がってもベ
ニヤ板は平行のままに保たれる。空気が一方的に出ることはな
いのではないか。」
「そうだ!それなら一週間でも簡単にできる!」
こうして急遽突貫工事に走り、不安の中、作戦は見事成功し
て、インターナショナルフェア一日前に完成させることができ
た。これにより、船体を合わせて合計で計算どおり約100kgまで
乗せることができ、フェア当日も問題なく一日中滑って大成功
となった(子供たちにめちゃくちゃ大人気でした)。めでたし
めでたし∼。
このホバークラフト製作は作り始める段階でほとんど計画を
していなくて問題がおきたらその場で次の計画を考えるという
行き当たりばったりの状態だったので予想不可能な状態が多々
起き、様々な困難や危機に直面しました。しかしこれからの人
生にもこういう困難はあるかもしれません。そう考えるとこれ
らの経験は僕たち高校生や中学生にとってめちゃくちゃ貴重な
体験となったし、とてもいい思い出になりました。
あと、化学室の一部を科学部の物置きとして使わしてくだ
さったり、休日なのに学校に来て化学室を使わしてくれたり、
いつも陰で科学部を見てくれていた新見先生、本当にありがと
うございました!
7
High School Holiday Concert
John Secomb
The OIS/SIS High School Wind
Ensemble, SIS Senior• fs Orchestra, High
School String Ensemble, APAC Choir and
High School Chorus, presented a holiday
concert on Tuesday, December 13, 2005 at
Maple Hall in Minoh. The program featured
choral, string and wind literature as well as
appropriate seasonal music.
APAC Music Festival
Miriam B. Factora
The APAC Choral Festival that was
held in Manila, Philippines on November
16-20 was another successful event.
Sixteen of our students were selected to
represent our school. They were: Arie
Moriguchi (OIS-9), Erica Otawara (OIS-9),
Mai Fukui (SIS-10), Sakura Murakami (SIS9), Marina Nishimura (OIS-12), Jyongri Cho
(OIS-12),SandraGathmann(OIS-12),Erika
Kurner(OIS-12),SoniaGathmann(OIS-10),
Mana Kawamoto (SIS-11), Yuri Tamba
(SIS-11),ReinaShishikura(SIS-12),KotaIto
(SIS-10), Jonathan Viswat (OIS-10), Robert
Secomb (OIS-10) and Rihito Asashiba (SIS11). Congratulations to these students for
representing our school remarkably well.
These students had a memorable time
making music with other international
students from Canadian Academy in Kobe,
Philippines, Shanghai, Beijing and Korea
under the direction of a reputable Filipino
conductor, Mr. Jonathan Velasco. Before
the combined choruses’ performance, each
school presented two songs. Our school
sang “Laudate Dominum” from Mozart’s
vespers and a special arrangement of the
popular international musical folk game,
“Janken Hoi.”
On behalf of the APAC Choir students,
I would like to thank the following for their
valuable support and help: Mr. Simon
8
Parker, Mrs. Nakae Osako, OIS and SIS
parents, Ms. Keiko Takada, OIS/SIS
administrators and high school teachers.
John Secomb
The APAC Orchestra Festival was held
at the International School in Beijing.
Students worked with conductor, David
Curtis on a challenging program of works
which allowed many students to shine.
Some eighty students took part and many
of our students were given leadership
opportunities in the various works.
Students performed at a concert on
Saturday night in the school theatre at a
very high level and produced
performances which were both engaging
and musical.
SIS student, Yusuke Fujimori was asked
to be the Leader of the Orchestra and did a
wonderful job.
Congratulations to all students, Yasuko
Tahara, Moeka Sugano, Yusuke Fujimori,
Shihua Wu, Aya Ikejiri, Hiroaki Azumi,
Kouhei Fukada, Chie Asakura, Haruka
Nakamura, Kazumi Terao, Misuzu Sakai,
Noriko Kubo, Kenji Sugano, Momoko
Hamaguchi, Kana Yokoyama who took
part for another rewarding and musical
APAC Orchestra.
Asia Pacific Activities Conference の略称で、次の学校が加盟し
ています。
<APAC参加校>
北京インターナショナル・ スクール
(I S B : 中国)、上海アメリカン・ ス
クール(S A S : 中国)、ブレント・ イ
ンターナショナル・ スクール・ マニ
ラ(B r e n t :フィリピン)、ソウル・
フォーリン・ スクール(S F S : 韓
国)、カナディアン・ アカデミー
(C A : 神戸)、千里国際学園(S I S /
OIS:大阪)
難波和彦
前々回は、生まれてすぐに二つの言語環境で育っていく子
供、つまりふたつの第一言語(L1)をもつと考えられるバイリン
ガルの話をしました。これは、国際結婚の家庭の子供にはあて
はまる話ですが、帰国生徒、あるいは日本にいながら英語を学
んでいく生徒の場合は、また違います。まず日本語が第一言語
(L1)として確立されていて、後から海外に行ったり、学校で
習ったりして、英語を第二言語(L2)として習得してきたわけで
す。最初のパターンを“同時習得バイリンガリズム”後のパ
ターンを“連続習得バイリンガリズム”とよびます。今回は、
この“連続習得バイリンガリズム”に関してお話をします。
意、これは子供のほうが得意、というのが分かれるようです。
L2の習得がうまくいくかどうかには、L1とL2の距離 (例えばイ
タリア人がスペイン語のような語族の近い言語を学ぶ場合と、
日本人が英語のように語族が離れている言語を学ぶ場合では明
らかに違う), L2のステイタス(日本国内で英語ができること
は、価値が高いと考えられている), 学習者の動機(仕事に必
要、文化に興味がある), 学習者の適性・態度など、年齢以外
に様々な要素が影響してくるので、“臨界期 / 敏感期”だけ
を取り上げて、早くはじめることが、L2の習得にとってよいこ
とだと決めつけることは難しいと考えられます。
海外に一家揃って移住した場合、親が現地の言葉を使うのに
苦労しているのに、子供のほうが早く現地の言葉を使いこなせ
るようになる、だから子供のほうが、大人より言語の学習にお
いては優れているという話はよく聞きます。また今日本では、
小学校の英語教育が話題になっていて、できるだけ早くから英
語を勉強させるといい、という話を聞くこともよくあります。
年齢が若いほうが言語の習得に有利という主張のもとになって
いるのは、アメリカのLennebergという学者が1960年代に提唱し
た“臨界期仮説”です。人間が言語を習得できる年齢には限界
があり、その年齢を過ぎると、言語をうまく習得することがで
きないというのです。例えば、親の虐待を受けて10代になるま
で家に幽閉されていて言葉をしゃべる機会がなかった少女が、
その後どのようにしても、まともに話せるようにならなかった
話などが、その例としてよく引用されます。肝心のその“臨界
期”がいつなのか、ということについては、いろいろ説がある
ようで、思春期あたりという人もいれば、5歳くらいという人
もいます。“臨界期”( critical period)という言葉は、きつ
いイメージがあるので、“敏感期” (sensitive period) とい
う言葉を使う人もいます。この仮説は、もともと動物の成長の
研究から、人間のL1 (第一言語)の習得に応用された考え方であ
り、臨界期 / 敏感期が、子供の成長過程のどこかにありそう
だというのは、説得力があります。しかし、これをそのままL2
(第二言語) の習得にそのままあてはめることができるかどう
かについては、賛否両論があります。L2にも臨界期 / 敏感期
があるとすると、L2の学習を早く始めないと手遅れだというこ
とになります。たしかにネイティブのような外国語なまりのな
い発音を身につけると言うことに関してだけは、ある程度小さ
な年齢からL2にふれ始めたほうがいいと言えそうですが、それ
以外については、年齢が上のほうが有利な点もあります。例え
ば海外で暮らして日本に帰ってきた人の場合、幼児や思春期以
前の子供は、現地の言葉を忘れてしまいやすいのですが、思春
期以降の子供や大人は、現地の言葉を比較的長くおぼえてい
る、という話もあります。さらに詳しく見ると、発音や文法の
中のそれぞれの細かい項目に関して、これは大人のほうが得
Jim Cumminsというカナダの言
語学者は、バイリンガルの子供
の二つの言語と知的発達がどの
ように関係しているかを説明す
るためにいくつかの理論を提唱
しています。まず彼は、二つの
言語がバイリンガルの脳の中で
どのようになっているのかにつ
いて、二つの説を、風船と氷山
を使って説明しています。風船
説というのは、以前から一般的
によくいわれてきたことで、モ
ノリンガルの人は、よくふくら
んだL1の風船が頭のなかにあるようなもので、バイリンガルの
人は、モノリンガルの人の半分の大きさの風船を二つ持ってい
る。L2の風船が大きくなりすぎると、それにおされて、L1の風
船がしぼんでしまうというのです。例えば日本人が、英語を勉
強しすぎると、日本語がだめになってしまうというような考え
方です。この風船説では、片方の言語が発達すると、それがも
う片方の言語の発達によい影響を与えるというようなことはあ
りません。図1は、風船説を図であらわしてみたものです。こ
れに対してCumminsは“氷山説”を主張しました。(図2参照) L1
とL2は表面上、文法も発音も違ったもので、例えば英語で会話
をする能力と、日本語で会話をする能力は、全く別のものです
が、表面上ではわからない部分、つまり水面下では共有部分が
あるというのです。この水面下の部分が共有基底言語能力
(common underlying proficiency)とよばれ、“思考する”こと
に関わる部分だと言われています。風船説との大きな違いは、
氷山説では、“転移”が起こるということです。表面的な部分
ではなく、この共有部分でそれが起こります。片方の言語で
“考える”能力が上達すると、もうひとつの言語にもそれが転
移するというわけです。例えばカナダのイマージョンプログラ
ムで、英語をL1とする子供にL2であるフランス語で授業をしま
すが、フランス語ばかりで授業を受けてきた生徒が、英語の算
9
数や読解のテストで、高得点をあげることができた、という報
告があります。片方の言語で読み書きの能力が発達すれば、も
うひとつの言語にもそれがうつるということにもなります。音
楽を例に出してみると、ピアノをしっかりとひける子供が、ギ
ターを習い始めたときに、演奏の仕方は違っても、音楽とは何
かという部分がわかっているので、上達が早いということにも
似ています。海外に移住した子供の読解力についての調査で
は、ある程度日本語で読み書きができるようになってから英語
圏に入った子供のほうが、幼い年齢で英語圏に入った生徒より
も、英語の読解能力がネイティブに早く近づくという結果が出
ています。また、日本語の読解力と英語の読解力にも強い相関
関係が見られるということです。このCumminsの氷山のモデルに
描かれている言語能力の共有部分で起こるliteracy transfer
(読み書きの力の転移)の話からわかるのは、文法や単語の知識
といった表面的な部分ではもちろんそれぞれの言語特有のもの
があるのですが、文章の流れを読み取る力、文章を読みながら
類推したり、分析したり、評価したりする力は、言語間で転移
するということです。日本語をL1とする子供が、L2例えば英語
を学び始めたときにも、日本語で培ったものが大事だというこ
とです。英語圏に行って、現地校だけでなく、補習校で学ぶこ
とは、単に日本語を忘れないというだけでなく、共有言語能力
を鍛えて、英語の力をのばすことにもプラスになっていること
もいえるでしょう。
Cumminsは、バイリンガルであることと子供の知的発達との関
連性について、フィンランドの学者Skutnabb-Kangasらの学説に
基づいて“しきい理論”Threshold Theory”という説も提唱し
ていました。これは氷山説の水面下の共有部分-知的発達に関
する部分-が、バイリンガルの程度によって、どのように変
わっていくかということを説明するものです。次の図は、しき
い理論を簡単にあらわしたものです。バイリンガルの子供に
は、二つのしきいがあり、そこに到達しているかどうかで、知
的発達への影響を予測します。
例えば、あるバイリンガルの子供が、第一のしきいに到達し
ていない場合は、L1/L2両方の言語において、年齢相応のレベル
に達していない限定的バイリンガル(limited bilingual)であ
10
り、両方の言葉がお互いに足をひっぱりあい、語学力だけでな
く、知的発達の面でもマイナスになっています(semilingual=
セミリンガルという呼び方もあります)。第一のしきいを超え
ると、どちらかの言語だけで、年齢相当の語学力をもっていま
す。部分的バイリンガル(partial bilingual)あるいは支配的バ
イリンガル(dominant bilingual)と呼ばれます。この場合は、
知的発達にプラスでもマイナスでもありません。第二のしきい
をこえると、均衡バイリンガル (balanced bilingual) となり、
L1とL2のどちらでも、年齢相応の語学力をもっており、バイリ
ンガルであることが、知的発達にプラスの影響を与えます。こ
のしきい理論については、いろいろな研究・検証がなされてい
ますが、子供をバイリンガルに育てようとするときに、どちら
の言語も年齢相応なレベルまでいっていないのに、やみくもに
ふたつの言語をつめこみすぎると、知的発達にはマイナスに
なってしまうということです。今子供が、どのレベルにあるか
を認識して、そのレベルにあった学び方を考えることが大事で
しょう。もしまだ限定的バイリンガルのレベルにあるとすれ
ば、まずL1で自分の考えを十分にまとめたり、表現できたりす
ることに力を入れるほうがいいと言えるでしょう。
SISの生徒で、英語が流暢にしゃべれるのに、英語のテストで
は点数がとれなかったり、英語のレベルがあまり高いクラスに
入っていなかったりする場合、逆にあまり英語でコミュニケー
ションをとっていないようにみえるけれど、すばらしいエッセ
イを書いたり、テストで点数がよかったりすることが見受けら
れます。このようなことがあると、一般的には外交的・内向的
という性格で分けたり、話す・聴く・書く・読むという4技能
で分けたりして、なぜこのような現象があらわれるのかを考え
たりします。Cumminsは、言語能力を大きく二つに分けて考える
べきだという説を提唱しました。遊び場の言語と教室で勉強す
るときの言語というわけ方がわかりやすいかもしれません。遊
び場の言語とは、日常の会話に必要な言語能力で、どちらかと
いうと、遊んだりしながら、何回も繰り返して使われる表現を
まるごとおぼえていきます。一方、教室での言語というのは、
考えをまとめたりするときに使われる言語で、学習に必要な言
語能力です。Cumminsは前者をBICS (Basic Interpersonal Communicative Skillそのまま訳すと基本的対人伝達技能)、後者を
CALP(Cognitive Academic Language Proficiency=認知学力言語
能力)と呼び、このふたつの言語能力を分けて考えていくべき
だと言っています。この項の最初で述べたように、いわゆる
“ぺらぺら”なのに、テストのできが悪い生徒は、BICS(会話言
語能力)に比べるとCALP(学習言語能力)が劣っているという説明
ができます。この区別は氷山説の説明にもなっていて、BICSの
ほうは、氷山の水面上の部分、つまりそれぞれの言語の特徴が
現れている部分で、CALPのほうは、水面下の共有部分になりま
す。言語間の“転移”が起こるとき、ひとつの言語での読み書
きの能力がもうひとつの言語の能力に移るというのは、この
CALPの部分の話になってくるわけです。発音・文法・語彙と
いったその言語特有の特徴ではなく、論理的な文の組み立て
や、ある意味や概念を理解できるかどうかといったことが、
CALPにあたる部分です。“ある言語を使える能力がある”とい
う話をするとき、それがBICS / CALPどちらのことについて言っ
文章を創っていかなければならないので、{場面依存度=低、
思考力=高}で、Dのフレームに入ります。AがBICS, DがCALPに
あたると考えてよいでしょう。教師が授業でどのような活動を
するかを考えるときに、生徒の言語能力を考え、CALPを十分に
もっている生徒に対しては、Dの活動から入っても問題はあり
ませんが、そうでない場合は、AからDという流れで、導入をし
ていくほうが適切ということが考えられます。
ているのかに注意をする必要があります。例えば日本人のこど
もが、海外に移住した場合に、日常に必要な会話の言語は2∼3
年でモノリンガルの子供の追いつくと言われていますが、これ
は、BICSについてみた場合です(図4)。 一方学習に必要な
言語能力つまりCALPのほうについてみてみると、5∼7年あるい
はもっとかかるといわれています(図5)。
もちろんここで示している数字は、あくまで平均的なもので
あって、ここにいろいろな条件(動機、態度、適性など)がか
らんできて、個人差もあるので、短期間のうちにモノリンガル
に近いCALPを身につける子供もいますし、BICSについても苦労
をする子供ももちろんいるでしょう。またこれを見ると、BICS
を先に身につけて、CALPが後からついてくるように見えます
が、逆のパターンもありえます。例えばL2(特に英語)で論文を
書いたり討論をしたり、つまりCALPは身につけている学者レベ
ルの人でも、実は日常会話的なこと(BICS)が苦手な場合があり
ます。Cumminsはこの二つの言語能力の要素をさらに細かく分
け、場面に依存するかどうか、思考力が要求されるかどうか、
というふたつの項目を軸にして、次の図6のようなフレーム
ワークを提唱しました。場面に依存というのは、直接その場に
あるものを指差したり、ジェスチャーや表情を使って、コミュ
ニケーションできるということです。例えば日常会話的な言語
使用では、どんな表現を使うかは、その場面からわかります
し、自分で新たな表現を考え出すのではなく、決まり文句がよ
く使われます。これは {場面依存度=高、思考力=低}でAのフ
レームに入ります。一方タイトルを与えられてエッセーを書く
場合などは、場面から得られる情報はなく、自分で思考をして
今回は、第二言語習得の分野でのバイリンガリズムの話題に
ついて、主にJim Cumminsの提唱してきた理論-氷山説・しきい
理論・BICS(会話言語能力)とCALP(学習言語能力)を紹介しまし
た。年齢だけでなく、様々な要因が第二言語の習得には関わっ
ていて、大事なことは日常会話ができるということだけではな
く、二つの言語に共通する考える力をのばすという部分だとい
うことです。年齢に相応した読み書きの力をのばせるように、
日本語での勉強もおろそかにしてはいけない、literacy transfer (読み書きの力の転移)が起こるので、日本語で伸ばした学
力は英語にも転移するということです。数年でネイティブに近
づくといわれる会話言語能力に比べると、学習言語能力はその
倍以上の年数がかかるということなので、均衡バイリンガル
(balanced bilingual)に到達するには、かなり長い時間をかけ
なければいけないようです。バイリンガルになるには、ただ英
語環境に放り込まれるだけでいいわけではなく、今回紹介した
ような理論のことも知ったうえで、どういった子供には、どの
ような教育環境を与えていくのかを、注意深く考えていく必要
があるでしょう。
東照二 (2000) バイリンガリズム : 講談社現代新書
エレン・ビアリストク&ハクタ・ケンジ 重野純訳 (2000)
外国語はなぜなかなか身につかないか ? 第二言語学習のな
ぞを解く: 新曜社
コリン・ベーカー 岡秀夫訳 (1996) バイリンガル教育と第
二言語習得 : 大修館
中島和子 (2000) バイリンガル教育の方法 アルク
11
学年だより
12345678901234567890123456789012123456789012
12345678901234567890123456789012123456789012
12345678901234567890123456789012123456789012
12345678901234567890123456789012123456789012
●中等部1年生(7年生)
井藤眞由美
秋学期後半に学年で取り組んだ活動、
ミルク募金。SISでは7年生の活動として
毎年恒例となっていますが、当の7年生
にとっては初めての募金活動。そして初
めての、全員の力の集結が必要とされた
活動でした。10月最終週、事前学習で栗
原先生のお話を聞き、マザーテレサのビ
デオを見、こんなことを感じつつスター
トしました。
* マザーテレサの生き方から教えられるこ
と
「人はみんな何か目的が、自分に何か
するべきことがあって生まれてきた」
「5つのリスペクトの『他人を大切に』
困っている人がいたら全力で助ける」
「どんなにつらくても笑顔で仕事をする
こと」 「お金では買えない、得られな
いことがあるということ」
「今の日本ではイジメというものがあ
ります。マザーテレサとは何も関係のな
いことじゃないかと思う人もいるので
しょうが、私はとても関係深いことだと
思います。いじめられる人も心の病にか
かっています。・・・マザーテレサの
言っていた「愛を持って触れなさい」とい
う言葉は現地で活動しているシスターだ
けに向けられた言葉ではなく、全世界の
千里国際学園では、自分の行動
に責任を持ち、よい人間関係を維
持していく能力が、生徒各自に備
わっていると信じます。この考え
にもとづいて、次のような行動の
目安がつくられています。
<5つのリスペクト>
自分を大切にする
他の人を大切にする
学習を大切にする
環境を大切にする
リーダーシップを大切にする
12
人々に向けられた言葉なのではないで
しょうか。・・・・・だれにでも自分に
合わない人はいるでしょうが、でも、そ
の人たちにも違う形の愛を向けることで
とてもうれしく感じられるはずだと思い
ます。」
11月2日。マザーテレサの生き方に衝
撃を受け、マザーの残した施設への募金
活動に全員で取り組もうと、心を一つに
した学年集会。
「幸せで心が晴れの状態、これを世界
中の人に分け与えてあげたい。お金では
かえないものを」(タイトルにも使用)
全員が、二つずつの仕事を担いました。
ポスターづくり、募金箱作りと管理、ア
ナウンスメント、送金、全体のまとめ
役・・・。インターナショナルフェアで
の活動は希望者のみ参加のボランタリー
な行動。
2週間の募金期間を終えて11月30日の
学年集会で集計。募金総額は105,239円と
なりました。「金額は、一円でいいので
す。たくさんの人に協力してもらえたら
うれしいです。」そんなお願いが通じた
結果、本当にたくさんの人に協力してい
ただけたことを実感し感謝した学年集
会。
* 活動を終えての感想
「マザーテレサに対する私たちの気持
ちに共感して募金してくれたたくさんの
人たちに ありがとう といいたいで
す。本当にうれしいです。」「インドの貧
しい人々に私たちが集めたお金が送ら
れ、届き、そこの医療費、食料費、その
他いろいろなものに使ってもらえると思
うと、すごくいいことをした気持ちにな
ります。」
「みんなが協力し合ったからこそ、こ
んなにもお金がたまったのだと思いま
す。募金は大切なことだと思うし、みん
なで取り組むことにより、さらにみんな
のチームワークが良くなったと思いま
す。」「学年の人が団結できて、とても
楽しかったし良かった」「協力したのは、
学年はもちろん、学校の人々や先生方、
親、その他、いろいろな方々です。その
ことを覚えておきたいです。」
「12年生のクラスにアナウンスに行っ
たとき、いっぱいお金を入れてくれて、
『頑張ってね』と言ってもらえて、とて
もやりがいを感じました。そして募金箱
を初めて設置した日にOISの人が、10円を
入れてくれてとてもうれしかったで
す。」
「忙しいときも募金箱を回収に行った
り、習い事があって、募金箱を回収した
あとにバス停まで走ったり・・・苦労は
たくさんしましたがその壁を期末テスト
と一緒に良くぞ乗り越えることができ
た、とつくづく思います。」
「私たちがビデオで見たマザーテレサ
の施設は、私たちの学校の人々が一円一
円にこめてくれた気持ちを考えながら
使ってくれると思います。」「この金で
たくさんの人が救われると思うとうれし
いです。いったい何人の人が助かってい
るのか知りたいです」「できれば、どん
な風にお金が使われたのかを聞いてみた
い。そしてアセンブリーなどで発表した
い」
「わたしは、みんなと同じ場所に立っ
て、同じ目で見ながら苦しんでいる人た
ちに優しく手を差し伸べてあげられる人
になりたいです。」
「一円玉はとても軽いですが、この一円
玉一枚だけでも、多くの人を救うことが
できるということがよくわかりました。
また、金額ではなくて気持ちが大切だと
いうことがわかりました。」
学年担任団として一番印象的なのは、
61人がみごとにそれぞれの力を発揮して
上手に協力し合えたこと。時に日々の任
務をうっかり忘れた人もいましたが、き
ちんとそれをリカバーできました。そん
なみんなの動きをみている私たちの心も
「晴れ」になりました。
そして最後に担任団としても、協力し
てくださったひとりひとりの皆様へ あ
りがとうございました。
注:文中の「 」内は、すべて生徒た
ちの生の表現です。
●中等部2年生(8年生)
Mark Avery
Sometimes a topic comes up many times
in a week and I would like to say a few
words about after school pursuits, a topic
that has come up a lot recently.
The grade eights are heavily involved in
a whole range of activities outside of
school hours. Some are going off to sports
clubs, others to cultural clubs and many are
working at home on hobbies. It is great to
know that this level of activity exists
amongst our students and it got me
thinking about their life outside school and
their level of achievement.
Studies completed by Reginald Clark
in1983 revealed a set of behaviours
amongst achieving students that "affect
the beliefs, abilities and values of children
who are successful in school and,
ultimately, in life" (Middle Web, http://
www.middleweb.com/johnston.html).
Here are four of the eight behaviours he
listed.
1. Achievers spend more time in
conversation with adults.
2. Achievers receive explicit
achievement training such as music
lessons, sports coaching, skill, craft or
hobby instruction.
3. Achievers have a regular pattern of
behavior; they can count on certain
routines in their lives regarding after school
activity
4. Later research (Johnston, 1992) found
that Achievers describe themselves as
doing something 'important' or 'special' in
their homes, families and communities,
such as taking care of a younger sibling,
preparing family meals, helping with chores
or helping in a family business or other
activity.
Many of the students here are actively
engaged in activities such as this during
what Clark calls the "3 to 9pm Curriculum of
Achievement" I hope we can all work
together to further the students'
participation in activities that will enhance
their overall development to help the
students to reach their full potential.
●中等部3年生(9年生)
となって企画したクリスマスキャンプ
…。それらの中で、確実に皆さんは成長
していったように思います。率先して
リーダーシップをとってくれた人もいれ
ば、縁の下の力持ちとなって動いてくれ
た人もいました。ダンスやイラストな
ど、自分の得意分野を生かして活躍して
くれた人、学年旅行等で出し物を披露し
て、みんなを楽しませてくれた人もいま
した。また、日常生活の中の友人関係
や、グループワークなどを通して、周囲
への思いやりや責任感を育てていってく
れた人もたくさんいます。学年全体とし
て注意を受けることも多かった一年でし
たが、何気ない言動の中にそういった成
長が多く見られるようになったことを、
嬉しく思っています。
冬学期が始まってすぐ、大きな節目の
一つである卒業を控えて、9年生は教頭
先生からのお話を聞きました。今はまだ
真っ白な状態であるこれからの生活の中
で、みなさんはどのような未来を描いて
いきますか、というお話でした。それぞ
れが、熱心に学習やスポーツに打ち込ん
でいる姿、友達と毎日を楽しんでいる姿
など、「高校を卒業する頃にはこんな風
になっていたい!」という自分の理想の
姿を思い浮かべたことと思います。
とはいっても、理想的な未来は突然ど
こかから舞い降りてきてくれるものでは
ありません。未来は、現在の私たちの
日々の延長線上にしか無いのです。も
し、自分の中学校生活に悔いを感じてい
る人がいれば、今からでも遅くありませ
ん。「どうせあと一ヶ月しかない」など
と思わずに、今日から思い切り真剣に目
の前にある物事に取組んでみてくださ
い。今のあなたの姿の延長線上にあるの
が、未来のあなたです。少しでも多くの
充実感を胸に卒業できるよう、そして自
分の思い描く理想の高校生に近づいてい
けるよう、残り少ない中学校生活を精一
杯楽しんでほしいと思います。
岡本茉莉
●高等部1年生(10年生)
いよいよ中学校生活も残りわずかと
なってきました。悔いの残らないような
充実した毎日を送れているでしょうか。
この一年間だけを振り返ってみても、
多くの行事がありました。学園祭、ス
ポーツデー、学年旅行、生徒たちが中心
馬場博史
冬学期は少しずつ保護者の方との面談
をさせていただいています。秋学期まで
の成績や、学校生活全般、進路のことな
どをお話しています。私たち教員と保護
者の方とが協力しあうことによって、生
徒のみなさんの成長をしっかり見守りた
いと思っています。
さて、4・5時間目の間に20分のフ
レックスタイムが設けられて2学期目に
入りました。果たして有効に使われてい
るでしょうか。以前、本校の時間割は、
カフェテリアの混雑を避けるため4・5
時間目のどちらかを昼食時間にすること
を前提として、昼休みなしの7時間の枠
になっていました。フレックスタイムは
授業選択の都合で昼食時間のとれないご
く少数の人たちのために作られたシステ
ムでしたが、この時間ができたことで安
心してこれをはさむ4・5時間目に続け
て授業を受ける人が増えたように思いま
す。
少し前のことになりますが「昼寝15分
で成績アップ?高校で調査『能率上が
る』」という新聞記事がありました。福
岡県の大学がある高校で実験をして得ら
れた結果だそうです。その記事による
と、「昼休みに15分間昼寝をすると成績
が上がるかも…。高校で実際に『昼寝タ
イム』を設けて効果を調べたところ、昼
寝した生徒は午後の授業に集中でき、勉
強の能率も上がるという傾向があること
がわかった。」というもので、調査をし
た大学の先生は、「予想以上に昼寝の効
果が明らかになった。昼寝が否定的にと
らえられる風潮があるが、研究を通じて
学校などに広めたい」と話しているそう
です。
数学者本田欣哉さん(立教大学名誉教
授・理博)が雑誌「数学セミナー」1965
年5月号の中で「頭脳明敏の法」として
「もし昼間ねむくなったら、気軽にひる
ねをしてください。コペンハーゲン大学
の数学教室では、各教授の研究室にベッ
現授業時間帯
08:30-08:45
SHR
08:45-09:40
1
09:40-10:35
2
10:35-11:30
3
11:30-12:25 4(Lunch)
12:25-12:45 Flex Time
12:45-13:40 5(Lunch)
13:40-14:35
6
14:35-15:30
7
15:30-15:40 7-8年SHR
13
ドと枕がおいてあります。みな同じ規格
の品でしたから、大学としてそうした設
備をしたのでしょう。アメリカでも
『ベッドのない事務所は事務所とはいえ
ない』ということわざがあるそうです。
ひるねをしますと、心身がフレッシュに
なり、1日を2日に生きる効果を生じま
す。」と述べておられたことを最近知り
ました。つまり昼寝の効用というのは昔
からすでに知られていることなんです
ね。
というわけで、フレックスタイムを昼
寝の時間にするというのもひとつの方法
ではないでしょうか。これからは授業時
間をうまくはずして、恥ずかしがらずに
堂々と昼寝をしましょう。残念ながら、
SIS数学科の研究室は狭すぎて、ベッドと
枕を置くスペースはないようです。
●高等部2年生(11年生)
木村典子
12月現在、11年生は89名(うち留学生3
名)です。5クラスあるのですが、相変
わらず全クラス一緒に動いています。先
日、焼き芋大会をしました。LHR委員たち
が前日の芋の買い出し、当日の朝の準
備、翌日の片付けまで、実に良く動いて
くれました。それも教員が指示したので
はなく、自分たちの判断で動いてくれた
ことに、成長を感じました。
11年生は今、進路のことを徐々に、
個々に考え出しているところです。まだ
時間は十分にあります。今は実力をつけ
る時です。コテ先だけの知識吸収や技術
に走っていては、伸びるものも伸びませ
ん。じっくり腰をすえて進路に挑戦して
ください。
その前に楽しい学年旅行です。行き先
は沖縄方面に決まり、旅行委員を中心に
着々と計画を進めています。その中にタ
クシープランというものがあります。グ
ループで行動して自分たちで見聞を深
め、研修するプランです。そのグループ
分けがあったのですが、くじ引きにした
ために、必ずしも親しいものたちだけで
グループを作らなかったのです。それに
対して、不満を言うかなと思っていた
ら、ある生徒が言いました。「学年旅行
やからそれでいいねん。親しいもので行
きたかったら個人旅行したらいいか
14
ら。」この言葉には感動しました。本当
に成長していると思いました。5つのリ
スペクトが身についています。
こんなふうに成長している11年生で
す。もちろん個人差はありますが、それ
ぞれの成長を担任団5人は頼もしく見て
います。
●高等部3年生(12年生)
新見眞人
12月16日(2005年最後の登校日)朝、
玄関ホールでの美しいクリスマス曲のバ
ンド演奏の音を聞きながら、これを書い
ています。9月からの約3ヶ月半の間、
多くの3年生の皆さん一人一人から進路
に関する相談を受け、個々に適切な情報
を提供したり、帰国生入試・AO入試・
指定校推薦入試・公募制推薦入試・自己
推薦入試等々に提出するために考え抜い
て何度も推敲した志望理由書や学習計画
書を読ませてもらったり、面接試験の練
習を行なったり、受験(個人面接・集団
面接・小論文・口頭試問・事実上の筆記
試験など多様な形式)終了報告を受けた
り、そして緊張の合格発表日に合格の喜
びと不合格の悔しさを共に分かち合った
り、・・・とあなたがたと時間を一緒に
過ごすことが多かったですね。その一連
の過程の中で皆さんが目覚しい内面の成
長振り発揮していく様子を見せてもらえ
たことは大きな喜びでした。
生徒本人は無論のことわれわれ教師に
もどうしても納得がいかない合否結果も
あり、大学等は何を基準に合否判断をし
ているのか理解に苦しむことも多くあり
ました。しかし、残念ながら一度発表さ
れた入学試験の合否結果を覆すことは不
可能なことです。たくさんの涙と一緒に
悔しさを心の内からなんとか流し出すよ
うに努め、次の受験作戦に進めるように
と、一大奮起を促しましたね。物事が上
手く行ったときには、その人に“本当に
おめでとう!”と言ってあげれば良いの
ですが、逆の場合には、どのように声を
かけて励ましたらその人が元気付いてく
れるのか、言葉選びがなかなか難しいこ
とでした。
何か困難に直面したときに、その人の
本当の姿が見えてきます。自分の弱さが
出てしまうのも当たり前です。しかし、
そんな時にこそ、あなたの気力を振り
絞ってあなた自身を信じ、前向きに歩み
出してほしいと願っています。精一杯努
力をすれば良いのです。結果を恐れず
に。
82名の皆さんの中には自分自身とご家
庭でしっかりと進路を決定し、最適な準
備と行動を取り、その勇気ある重大な人
生の決断の結果報告をわれわれ担任団と
情報室にもたらしてくれた生徒たちもい
ました。さらに、これから来年の大学入
試センター試験そしてそれに続く二次試
験また一般入試に向けての最終受験準備
に追われていて、しばしクリスマスもお
正月もお預けの生徒たち、また、海外の
大学へApplication Form, Essay, Personal
Statement 等の書類を送る準備に忙しい生
徒たちと、実にさまざまです。このとき
SIS=千里≪国際≫学園 だなあと実感して
います。
トラスコット徳子
学年
07
07
08
09
11
氏名
大倉-朴 敬太郎
宮原毎佳
江坂英佑
坂本侑実子
南浦みり
Last First
Okura-Pak, Keitaro
Miyahara Kirara
Esaka Eisuke
Sakamoto Yumiko
Minamiura Miri
在留国
アメリカ
シンガポール
カナダ
イギリス
ニュージーランド
水口 香
2005年12月までに報告があった英検合
格者数をお知らせいたします。今回の試
験で、7年生のプリティー梨佐さん、8
年生の青木ゆりさん、9年生の中尾優衣
さんがみごと1級に合格しました。健闘
をたたえるとともに、さらなる発展に
エールを送りたいと思います。
1級 3名 準1級 2名
2級 8名
準2級 6名
3級 2名
水口 香
Ralf Ibald, 桂木 忍
11年3組大川誠治君が「第5回立命館懸賞論文」において大
賞を受賞しました。論文のタイトルは"Unwrap Culture Through
Rap Music"です。unwrapとrapをかけたユニークなタイトルに彼
の鋭いセンスが光ります。エッセーの中で大川君は、「ラップ
音楽はもともとアフロアメリカンの文化から生まれたものだ
が、白人がむしろ自分たちの文化にしてしまうほどで、今では
どちらが先だったのかわからなくなるほどだ。それは白人が
ラップの音楽性の高さを評価するとともに、その音楽の背景に
ある人種差別という暗い歴史に向き合おうとする姿勢の表れで
もある。」と論じています。ポピュラーカルチャーをアメリカ
社会を説く鍵として、地道な情報収集と彼独自の視点で書き上
げたすばらしい論文です。
受賞おめでとうございました。
立命館鳳凰エッセーコンテストは中学生から高校生まで、英
語、日本語どちらの言語でも応募することができます。例年
春、応募の案内が届きます。興味のある方は英語科までご連絡
ください。
井藤眞由美
今年も、英語の授業を通じて、または個人で、セイコーイン
スツル主催の第二回全国中学校・高等学校 電子辞書洋楽翻訳
選手権に多くの人が応募しました。今年は、中学の部、高校の
部のそれぞれで一名が佳作に入選しました。
《中学の部佳作》
奥井まみさん(7年)課題曲 Marty BalinのHearts
7・8年のH+Englishのクラスでの春学期のテーマは「バイリンガ
リズム」でした。二つの言語の心がわかる・・・その力を試すべく
11月26日(祝)に全国で行われたドイツ語検定にSISの
ドイツ語受講生から次の3名が合格しましたので、紙面
をかりてご報告します。
3級合格 早瀬麻衣(12年生)
手木マリア(11年生)
4級合格 横山可奈(11年生)
日頃の勉強の成果ですね、おめでとう!
高等部2年生の亀井拓君が、2005年11月に実施された
第57回中国語検定試験において、2級に合格されまし
た。おめでとうございます。
挑戦した歌詞翻訳です。
受賞者の言葉:佳作に選ばれるなんて思っていなかったので
びっくりしました。表彰式に行ってとてもいい経験でした。こ
れからも英語と日本語両方をがんばりたいと思います。
《高校の部佳作》
中尾紀子さん(11年生でしたが、9月より American School in
Japan に転校) 選択曲 Marty BalinのHearts
Focus on Form(a)のクラスで。授業で扱う、文法に重点を置
いた英文の翻訳からしばし離れ、それぞれの言語での自然な言
葉・表現を選ぶ練習として挑戦した歌詞翻訳。
受賞者の言葉:英語の授業で翻訳した作品が佳作に選ばれて
驚きましたが、同時に世間に認められるような翻訳ができたこ
とを嬉しく思いました。
15
青山比呂乃
これは、1995年1月17日の朝の千里国際
学園図書館の写真です。そう、あの阪神
淡路大震災の時、学校に来てみたらこう
いう状態になっていたのです。この後、
学内で待機していた先生方が働いてくだ
さって、本はあっという間に本棚へ戻す
ことが出来ました。しかし神戸方面の状
態があまりに大変で、箕面のあたりの被
害(大型テレビが飛んできた、食器棚が倒
れて中身が全てこなごなになったなど)は
それほど報道もされず、記録も余り残っ
ていないと思います。今の生徒の皆さん
は、この震災の時には、日本にいなかっ
たり、いたとしても小さかったので良く
覚えていないのではないでしょうか。
当時「関西では地震はありませんか
ら」という業者のちょっと無責任な認識
もあって、本棚は床に固定されてもおら
ず、後ろの書庫の本や新聞が乗せてあっ
た棚は倒れ、表の書架でもかなりの本が
この写真のように下に落ちていました。
もしもこれが昼間で、本棚の間に誰かい
るときだったら、と思うとぞっとしま
す。その後、倒れていた書架は、しっか
り床にボルト止めされました。しかし、
地震で大きくゆれた時、本が飛び出して
くるのは止められません。
日本は一説には地震の活動期に入った
といわれます。自分の命を守るには、ま
ず一人一人の自覚が必要です。緊急の際
に、どのように行動するべきかを知って
いるだけでも違うと思うので、次のこと
をいつも避難訓練時に実行するようにし
て地震に備えてください。
1. 地震、と思ったら、すぐに机の下に潜
る。
弥永千穂
今回は女の子にぜひ読んでほしいと思います。(男の子も
勉強してくれるとうれしいな。)
Q1.生理って何?
生理のある女性の体は赤ちゃんを産める体といえます。生
理が終わると、子宮では女性ホルモンの助けをかりて赤ちゃ
んのためのベッド作りが行われています。生理が始まった日
から約2週間(28日周期の場合)で排卵がおこり、卵子が精
子と出会えば受精して着床(子宮のベッドに赤ちゃんが落ち
着きます)。これが妊娠。妊娠しなければ赤ちゃんのための
ベッド(子宮内膜)は必要なくなるのではがれ落ちます。こ
れが生理です。そして生理が終わると新たなベッドの準備が
始まります。毎月これが体の中で繰り返されていきます。
Q2.生理周期、生理の長さ、量は?
月経周期は25日から38日、日数は3∼10日くらいが一般的
です。生理が始まってしばらくは周期も整わず、ストレスや
不規則な生活習慣、食習慣によっても乱れることがありま
す。健康管理として生理の始まった日を手帳などにつけま
しょう。次の生理の目安がつき、体の変化と共に排卵や妊娠
などある程度予測できるようになります。
Q3.生理痛どうしたらいいの?
お腹、下半身が冷えないように温かくしましょう。貼るタ
イプのカイロもおすすめ。毎回ひどい痛みの人は早めに痛み
16
― 本が飛んできてもぶつからないよう
に。
― 万一窓ガラスが割れ、本棚が倒れてき
ても、あたらないように。
2. ゆれた時、本棚の間にいたら、すぐに
出て机の下へ。本棚の間には常に座り込
まない習慣をつける。
3. ゆれた時、ドアや窓は開けたままにし
ておく。
4. ゆれが一旦収まったら、おしゃべりを
一切せず速やかに避難する。
― 放送を聞いて避難経路に火事がない
か確認する。
止めを使うことも効果的です。
Q4.注意が必要な生理は?
生理痛が毎月ひどくなっていく、痛み止めが効かない、
生理が3ヶ月以上来ない、生理が3週間以上続くなどの場
合は保健室に相談に来るか、産婦人科でみてもらいましょ
う。
Q5.妊娠したかも、させたかも・・どうすればよいの?
すぐにこっそり保健室でもしくは正しい知識をもつ大人
に相談しましょう。中高生にはあって欲しくないことです
が生理があれば起こりえます。避妊しなかったもしくは失
敗した(避妊具が破れた、レイプされたなど)場合、緊急
避妊薬「モーニングアフターピル」(性交後72時間以内
に飲めば妊娠をおこさせないようにする薬)という薬があ
ります。本当に万が一の時に飲むお薬です。まずは産婦人
科へ電話で処方してもらえるか確認して受診しましょう。
また、セックスした後次の生理が遅れた場合、1週間過ぎ
たら市販の妊娠検査薬で検査できます。生理不順だからと
長い間放置せず2週間くらいを目安にしましょう。その後
はしっかり生理、妊娠、避妊について勉強しましょう。妊
娠の話となると、関係ないと思う人もいるかもしれません
が生理があれば妊娠のことも知っておく必要があります。
学校を卒業すれば性教育を受けることはありません。自分
の体、命を大切にするために学校で性に関する正しい知識
を学んでおきましょうね。 Sabers off to strong start; bring home first-ever championship trophy
PeterHeimer
The Sabers men’s basketball team is off
to its best start ever. The varsity team is
currently sporting a 7 – 1 won-loss record
and has outscored opponents by over 30
points a game. The junior varsity team is
undefeated and is looking very strong.
Coming up in January are two tournaments,
a JV tournament in Yokohama and the
Saber Invitational tournament here at SIS/
OIS. Both Saber teams have their sights on
winning those tournaments. Then, in
February, SIS/OIS hosts the APAC boys
basketball tournament. Lots of action
coming up.
On December 2 and 3, the Sabers played
in the Marist Invitational basketball
tournament at Marist International School
in Suma, Kobe. The Sabers played four
games, winning all of them comfortably,
including the championship game against
E.J. King High School from Sasebo. This
was the first tournament championship in
the history of the Sabers men’s basketball
program.
The Sabers not only won the
tournament, they did so in convincing
fashion, trouncing each opponent by an
average of 21 points. The closest game was
an 8-point victory over friendly rival
Canadian Academy in the first game of
pool play. In the second game, the Sabers
beat a traditionally strong M.C. Perry
military base high school by 18 points. That
victory put the team through to the
semifinals where the team saw little
resistance from the Marist Bulldogs,
winning by 44 points and setting up a
championship match-up against the other
military base school, E.J. King. The Sabers
narrowly lost to the King Cobras last year
and were eager for a rematch. The final
victory was anti-climactic as the Sabers
built a comfortable 20-point lead by the end
of the 3rd quarter and finished with a
surprisingly easy 16-point win.
The Sabers were clearly the class of the
tournament, displaying the most cohesive
and organized play amongst the
six teams. A lethal mixture of
zone traps and man-to-man
pressure defense kept the
opposing teams to low scores.
An up-tempo offensive
combination of fast breaks and
half-court ball movement led to
many easy baskets. The team
received many compliments
from opposing coaches, deservedly so.
When asked by reporters if this was the
best he had seen a Sabers team play, head
coach Peter Heimer replied, “That’s a big
10-4. It was a thing of beauty.”
Sean Neill won two awards, the 3-point
contest (in a sudden-death shoot-off) and
the team’s most valuable player award.
Neill came off the bench to spark the team
with his lightning speed and high energy
output. All Sabers starting members –
Istvan Viczian, Evan Shore, Takuma
Kozaiwa, Kay Aoki, and Hero Dohma –
played exceptionally well, showing great
leadership and team unity. Other substitute
players – Ryo Nishikimi, Seiji Okawa, Jim
Willcox, Sho Sugihara, Hayato Takami, and
Matthew Kellett – all contributed valuable
minutes on the court and gained vital
tournament experience. With two
tournaments in January and the APAC
tournament in February, the Sabers know
they have much more to accomplish.
Special thanks goes to Activities
Director Simon Parker for helping with
tournament arrangements. And extra
special thanks goes to two team managers,
Kokoro Ikkai and Mai Hayase, who
accompanied the team overnight in the
Marist school building. Two other
managers, Yui Bessho and Sakurako
Sakaiya, also deserve thanks for their help
this season. Finally, a few players have not
yet reimbursed Coach Heimer for the
Marist futon fee; he knows where you live.
My name's Philip McNally and I am a teacher of
English as a Foreign Language. I'm from England, and got
my honours degree from the University of Manchester.
After becoming qualified and working as teacher in
England I came to Japan in 1998 and worked in Tokyo as
well as studying for my Masters degree in English
Language Teaching. I moved to Kansai three years ago
and started studying again, this time for a doctorate in
Education with Temple University in Japan.
I really like Japan and consider it my home. In particular I love the food and the
differences between Japanese and British culture. I also genuinely like the
Japanese a lot, and it goes without saying that people from Kansai are friendlier
and more down to earth than in the capital!
I'm very glad to be working at Senri International School and my short time
here has already been enjoyable and rewarding. I look forward to the future and
continuing to work as a member of the teaching staff at SIS.
17
馬場博史
11月11-12日にグアムで開催されまし
た。この大会は今年で2回目。初日は5
kmマラソン、2日目は駅伝で、個人・団
体のタイトルを争いました。初回の2004
年はAPACの1校を含む11校が参加しまし
たが、2005年はさらに参加校が13校に増
え、150名以上のランナーが集結しまし
た。本校は初参加でしたが、男子個人の
部で上位入賞するなど健闘しました。結
果は次の通りです。詳細は次のサイトを
ご覧ください。
http://www.senri.ed.jp/clubs/triathlon/
APIXC/2005
5km XC <Team> Boys: 4th of 11 teams,
Girls: 8th of 11 teams <Awarded> Boys: 5th
Yuta Nagata (SIS11) 7th Terumune
Hanamitsu (SIS10), Girls: 15th Emily
Koyama (SIS11) <Other Finishers> Boys:
Yu Ozawa (SIS9) Yuki Furuoka (SIS10)
Mitsuru Haruna (SIS9), Girls: Yuka
Matsubara (SIS10) Fumie Watashiba
(SIS10) Mana Kawamoto (SIS11) Marie
Tsudaka (SIS9), Ekiden: 8th or 9th of 12
teams.
5km Road Race <Awarded> Male
Overall: 2nd Yuta Nagata (SIS11) prize
$250!!, Male 14-29 years: 2nd Terumune
Hanamitsu (SIS10) 3rd Yu Ozawa (SIS9),
Male 40-49 years: 2nd Hiroshi Baba
(Faculty) <Other Finishers> Male: Yuki
Furuoka (SIS10) Mitsuru Haruna (SIS9),
Female: Emily Koyama (SIS11) Yuka
18
Matsubara (SIS10) Fumie Watashiba
(SIS10) Mana Kawamoto (SIS11) Marie
Tsudaka (SIS9) Kelly Welch (Faculty)
12月18日(日)大阪市の舞洲スポーツ
アイランドで開催され、大学生や社会人
を含む64チームが参加した中で総合3位
に入賞しました。5km×4名の記録は次
の通り。1区佐藤直仁(コーチ)16'12"、
2区永田悠太(SIS11)16'44"、3区小澤悠
(SIS9)18'10"、4区花光照宗(SIS10)
17'26"、総合1:08'32"
1月9日(祝)に万博公園で開催さ
れ、本学園から3チームが参加、小学生
900m×4名、中学生以上4km×4名を全
員が完走しました。
<結果>小学男子17位 1 Jonathan Junqua
(OIS6), 2 Kento Saito-Baba (OIS7), 3
James Trew (OIS6), 4 Samuel Junqua
(OIS4)。中学男子14位 1小澤悠(SIS9)、
2高橋直人(SIS8)、3春名暢(SIS9)、4三
木氣吹、5阪上孟志(以上SIS7)。高校男
子1位 1永田悠太(SIS11)、2花光照宗、
3古岡祐輝、4中島徳市(以上SIS10)、5
真砂健土(SIS11)<記録係>Raymond
Terhune (OIS10)、長田大毅(SIS11)
吉積 彩
参加メンバー:11年:永田悠太、小山エ
ミリ、河本真菜、10年:花光照宗、古岡
祐輝、松原由佳、渡場文恵、9年:小澤
悠、春名暢、津高毬絵
私たちTriathlon Clubは、11月10日から
13日の4日間、Guamで開催された Asia Pacific Invitation Cross Country (APIXC)
に、馬場先生とLibraryのWelch先生の引率
により、総勢13人で行って来ました。海
外での大会は初参加でした。
Guamは常夏なので、大会は早朝の涼し
いうちに開催されました。大体午前6時
ごろに全部の大会は開催されるので、毎
日3時起き!という結構きつい状況でし
たが、そんな中でも選手の皆はがんばっ
て走っていました。
大会初日の11日はジョージワシントン
ハイスクールの広大な敷地内で5Kmを走
りました。結果は男子の部で永田君が5
位、花光君が7位、女子の部では小山さ
んが15位という成績で入賞しました。
そして2日目の12日は男女混合駅伝で
9位という結果でした。
最後の13日は私たちが泊まったPacific
Island Club(PIC)での賞金レースに参加
しました。
933人(5 ㎞の部)という参加者にも関
わらず、永田君が全体の2位でなんと
$250を獲得しました。そのほかでは14歳
から29歳の部では花光君が2位、小澤君
が3位、40歳から49歳の部では馬場先生
が2位という好成績でした。
最後は現地学校の主催で参加した学校
全体でバーベキュー大会をしました。強
い風や雨が降っていましたが、他校の生
徒や現地の人たちと話ができて、とても
楽しかったです。
帰りはものすごい大雨だったり、みん
なの座席がばらばらだったりということ
がありましたが、無事に帰ってくること
ができました。
悠太先輩、てる、エミリちゃん、悠
君、馬場先生入賞おめでとうございま
す。他の皆も賞は取れなかったけども、
その努力はその後の自分たちの自信にな
ると思います。これからも頑張っていき
ましょう!
最後になりましたが、マネージャーと
してみんなと一緒に行けたこと、引率の
先生、大会へ行かせてくれた両親に感謝
しています。そしてメンバーの皆さん、
お疲れ様でした。
OIS 6th graders & ARK
LynMelville-Rea
For the past 8 years, OIS 6th graders have been helping to
support Animal Refuge Kansai (ARK) in Nose through selling
calendars and fund-raising activities. ARK began around the
same time as SOIS. The founder, Elizabeth Oliver, was appalled by
the inhumane treatment shown to abandoned animals in Japan
and sought ways to help. Today, ARK employs 30 staff to care for
the animals and to increase awareness about animal rights. They
receive no financial support from the government so they are
totally dependent on individual donations.
Here are some student comments following their recent visit to
ARK:
Today we went to ARK and we experienced the life of animals
that have been abandoned. There are 300 dogs, 200 cats,
chickens, rabbits and a silver fox. The pets at ARK only cost
15,000 yen. They have all had their shots. If you adopt a pet from
ARK, they will look after it when you go on vacation. (Madeline,
Nobuko, Yuko)
One of the dogs thought my finger was some dog food. There
was a dog that liked Hideto and chased him around. I felt like I
wanted to adopt them. (James)
Mrs. Oliver talked about why she doesn’t like pet shops
馬場博史
2006年1月7日(土)8日(日)、初雪の舞い散る寒い日で
したが、高校生14名・教員4名で、京都大学理学部数学教室主
催「数学のひろがりとたのしみ」第3回新春特別講義に参加し
てきました。内容:7日「ユークリッド幾何学から非ユーク
リッド幾何学へ」上野健爾(京都大),小平邦彦「幾何への誘
い」DVD上映,8日「複素数と幾何学」徳永浩雄(首都大学東
京),「ダイヤモンドはなぜ美しい」砂田利一(明治大)
参加者の一人の感想を紹介します。
(Dasom)
She also explained about the costs of ARK (Hiroki, Hideto)
She told us some stories about how the dogs and cats came to
ARK and about injured dogs and cats. (Min Joon, Ricky, Anna)
The thing we liked best was the puppies. We held them, played
with them, and cuddled the warm balls of fur. The energetic fur
balls were the highlight of the field trip. (Lou, Jonathon)
If you would like to donate money to ARK
If you would like to volunteer your time at ARK
If you would like to give a dog or cat a new home
http://www.arkbark.net
が、少なくとも非常に面白い内容であったことは間違いな
い・・・はず。講義が終わったあと何人かの生徒で「お茶の
会」と呼ばれる大学の先生たちとのお話タイムに出席した。私
は、大学の先生といえばすごい硬い、怖い、厳しい(いかめし
い)等のイメージを持っていたのだが、なんのそのまったくそ
んな事はなく気軽に話しかけることができ、大学入試の話や将
来のついての重要なアドバイスを直に得ることができました。
残念ながらこのセミナーは今回が最後だったのですが、大学の
先生に教えてもらうのはすごく面白かったので、またこういう
機会があれば参加してみたいと思います!
福田浩平
初めて足を踏み入れた京大でのセミナーの内容は小学生でも
分かるものから高校生でもさっぱりなものまであったけど、特
に三角形の九点円の定理や、複素数の世界では楕円・放物線・
双曲線(砂時計の真ん中部分みたいなやつ)が同じものとして
見れることとかが不思議で印象に残った。後者の話に出てくる
ものは高校生にも馴染み深いものも多かったので講義の前半は
やっとこさ理解していたが後半はちんぷんかんぷんだった。
19
保護者会だより
ました。
保護者会の活動を次の通り報告いたしま
す。
・第6回定例会 11月10日(木)13:30∼
3階会議室 学校から大迫校長先生のお
話と各委員会からの活動報告。インター
ナショナルフェア開催が近づいていたの
で最終確認等がありました。
・第7回定例会 12月1日(木)13:30∼
3階会議室 学校から大迫校長先生のお
話と各委員会からの活動報告。
・12月7日茶話会 13:30∼15:003階会
議室 栗原先生と廣田先生を囲んで。
・12月11日 OIS・SISとのポットラック
パーティ 12:00∼15:00カフェテリア
・06年2月22日(水)講演会 近藤紘子
さん(予定)
今後の定例会の予定 06年1月12日、
2月2日、3月2日 いずれも木曜日、
3階会議室で13:30から行います。定例
会は保護者の方ならどなたでも参加でき
る場です。皆様のご参加をお待ちしてい
ます。
「学園創立15周年記念 2005 SIS/OISイ
ンターナショナルフェア」
∼Happy 15th Two Schools Together !∼
ご協力本当にありがとうございました。
去る11月19日(土)に行われました『学
園創立15周年記念 SIS/OIS インターナ
ショナルフェア』では、大迫校長先生、
カフィン校長先生をはじめ、学園の教職
員の皆様には準備段階からあらゆるとこ
ろで多大なるご協力を頂き、誠にありが
とうございました。
また、両校の保護者の皆様方におかれま
しては、年に一度の保護者主催のお祭と
して楽しんで頂けましたでしょうか。出
店、出演下さった方々のみならず、いた
るところでのボランティアの皆様のご協
力の賜物として、当日の和やかな賑わい
と総額153万7000円という金額の寄付を学
園にさせて頂くことができました。SIS/
OISインターナショナルフェア委員会一
同、ここに改めまして心より感謝申し上
げます。ご協力本当にありがとうござい
20
・12/2・3 ASPのティーサービス
を計3回行う。
・12/13 メイプルホールにて冬季コン
サートのティーサービス。
・1/27・28 セイバー招待試合(男子
バスケットボール)のコーチへのランチ
サービス。
・2/9・10・11 APAC男子バス
ケットボールのコーチへのランチサービ
スとパーティの食事サービス。
各地域の親睦会の報告書をHPに載せる為
Public Relationsに原稿記載の依頼。また
地域親睦会の開催状況を調べました。順
調に開催されています。
『新旧地域リーダー会のご案内、新リー
ダー報告のお願い』を作成、印刷、郵
送。
11月インターカルチュア102号発行。12月
「ホームページ ユーザー名・パスワー
ドのお知らせ」を冬学期編入生保護者宛
に発送。2月インターカルチュア103号発
行。期間を通して、インターカルチュア
編集・校正・特集記事編集作業。ホーム
ページ運営。メールマガジン配信
2 0 0 5 年のインターナショナルフェアが、1 1 月1 9 日、晴天の中にぎやかに開
催されました。初めて参加した方、がんばった方、今年もゆっくり回れな
かった方、しっかり楽しんだ方、あなたにとって今年のフェアは、どんな
フェアでしたか?今年のインターナショナルフェアに関する、みんなに聞
いてもらいたい“いい話”を集めてみました。心のカイロでほっこり温
ま っ て く だ さ い ね 。
・私も この学校は長いのですが 今年初めてフェア委員をやらせていただき ほんとにその年、
その年のフェア委員さんの苦労がしみじみわかりました。確かに学生みたいに学校に通う毎日でし
たが やりがいのある委員会です。次年度、皆さん、どうぞ、やるならフェア委員!!(8年 M .
O さん)
・主人が駐車場当番をしました。ぽかぽかと暖かい駐車場でのんびりと、1 2 年生の先輩お父様と父
親同士のお話ができました。また、一緒にお当番をしてくださった学校の方と、小学校の先輩後輩
であったことがわかり、話が盛り上がったそうです。「 今年一番楽しかったのは駐車場当番だった
な。」 主人の一言でした。( 7年 S . Y さん)
・空き缶を拾っている人を見ました。簡単な事だけどこれって結構できないんだよな...(9年
まろんさん) ・高い所のポスターはがすのを気軽に手伝ってくれた男子生徒3 名名前はわからないけれど、めちゃ
めちゃ感謝してます。ありがとうね☆ (9年 Y.Hさん) ・フェアに携わった全ての方々からいろんなパワーを頂きました。OISとSISが心地イイ関係
を保てたと感じる場面があり、終わった時ほんとうに充実した気持ちでした。そしてお互いを思い
やる気持ちの大切さを改めて感じました。多くの方のお心遣いに感謝します。 (9年 Y.Hさ
ん)
・フェアも終わろうとする頃、プールの前に、使用した机がおかれたままになっていました。気が
ついたお母様達4人で3階まで持って上がる事にしたのですが、1往復だけでも大変。フーフーい
いながら運んでいると、高校生の男子2人が「僕達が運びます」と引き受けてくれて、 残りの机
を軽々と運んでくれました。あの時は本当に助かりました。あらためて あ・り・が・と・う。
(9年 S.T さん)
続きのエピソードは、S I S P Aホームページでどうぞ! h t t p : / / w w w . s i s p a . j p
Public Relations Committeeでは、開校15年目にちなんで、「学校(SIS)を取り巻く人たち」(4回シリーズ)というテー
マで特集記事を組むことにしました。第3回は、SISでは当たり前とも言える「英語教育」について、英語科の先生の
お話や保護者からの寄稿をとりまぜてご紹介して行きたいと思います。 (第三回担当:PR 安積)
今回のシリーズ「学校を取り巻く人た
ち」は、英語科主任の難波先生に原稿を
お願いいたしました。SISにおいて英
語の教育は、特に生きた英語を習得する
べく工夫され、他に類を見ない方法が実
現されていると思います。私たち保護者
の立場からも、次世代を担う子ども達
が、SISで“使える生きた英語”を学
んでくれることを期待しているところで
はないでしょうか。それでは、難波先生
の原稿と、保護者からの寄稿として、PR
委員長の吉積さんの原稿を続けてご紹介
していきましょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
難波和彦
SIS英語科
私は大阪の府立高校で10年間英語を教
え(二つの学校で5年ずつ)、その後SISで
教え始めて10年になります。公立の学校
との比較もしながら、SISの英語教育の特
徴を書いてみようと思います。SISの英語
の授業を構成する要素として、教員・生
徒・授業という3つのものが考えられま
す。今回はその中の “教員”の部分につ
いて書いてみようと思います
SIS英語科のオフィスは、玄関を入っ
て、カフェテリアのほうに向かうと、半
分地下にうもれたような場所にありま
す。ここに、4人の日本人教員と、7人
のネイティブ教員、さらに2人のOISの教
員もいます。公立や他の学校の場合は、
ネイティブ教員が一名から数名いる場
合、各学校を順番に回ってくる場合もあ
り、英語科を構成するのは、日本人の教
員がほとんどです。つまり、SISの英語科
では、日本人教員のほうが、minority つ
まり少数派になっています。当たり前の
ことですが、教科内での会議、授業の打
ち合わせなど、この部屋の中では基本的
に英語が使われます。生徒もこの部屋に
一歩入ると、必ず英語で話をしなければ
ならないことになっています。例えばあ
る生徒が、担任の教員と廊下や他の場所
では、日本語で話をしていても、一歩英
語科に入ると、英語に切り替えないとい
けないわけです。教員間の会話は、日本
人同士であれば、日本語ですし、ネイ
ティブ教員と日本人教員のあいだでは、
トピックによって日本語と英語を切り替
える(コードスイッチング)こともあり
ます。例えば、教科の話をしているとき
は、英語で担任の生徒の話をしていると
きは日本語、といった感じです。このよ
うな2言語併用(バイリンガル)環境にい
ることは、とても興味深いことです。日
本人教員とネイティブ教員は、常に協力
しあっていて、例えば我々日本人教員
が、ある英語の表現がネイティブの目か
ら見て自然な表現かどうかをたずね、逆
にネイティブ教員は、ある日本語の表現
が日本人の目から見て自然な表現かたず
ねます。私自身、この学校にきてから、
日本語のことをよく考えるようになりま
した。ネイティブの先生たちの国籍は、
オーストラリア(2名)、ニュージーラ
ンド(2名)、イギリス(2名)、アメ
リカ(3名)とバランスよく分かれてい
て、授業のことに限らず、学校のいろい
ろなことを話すときに、様々な違った視
点からの考え方を知ることができて、勉
強になります。違う国の人と意見が違う
ときに、cultural difference つまり文化
が違うからしかたがない、と言ってわり
きってしまうことが多いのですが、教科
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
の中で話をしていると、小さな違いは
あっても、きちんと常識をもって考える
と、国が違っても、共通のまともな考え
方にいきつくものだということを実感し
ます。
ネイティブ教員と日本人教員の授業での
役割について、もう少し詳しく見てみま
しょう。
ネイティブ教員は、海外あるいは日本の
他の学校での教員経験があります。SISの
使命のひとつとも言える、帰国生徒の英
語力保持ということを考えるときに、海
外の中学・高校で教えているのと同じ内
容の授業(例えば文学作品を読む授業)を
提供できるということは、とても重要な
部分です。先生たちは、様々な国、バッ
クグラウンドからきているので、本校の
選択授業では、とても幅広い種類の授業
を提供することができます。ネイティブ
の先生は公立のようにAssistantではない
ので、それぞれが授業をひとりで受け持
つだけでなく、担任・分掌・クラブ活動
なども受け持ちます。これは生徒にとっ
ては、授業の内外で英語を使う機会が、
さまざまにあるということです。他の学
校の場合なら、学校に一人しかネイティ
ブの先生がいなくて、放課後の英会話ク
ラブなどに顔を出さないと、なかなか話
をする機会に恵まれない場合があります
が、本校では授業以外に、例えば、学年
の担任の先生の中にネイティブの先生が
いると、ホームルーム活動で、英語を使
う機会もあるということです。
日本人教員はほとんどが、日本のカリ
キュラムの中で大学を卒業して、海外の
大学院で、応用言語学などの専門的な勉
強をしてきました。日本の他の学校での
教員経験のある者もいます。自分自身が
英語を外国語として学んできたので、生
徒の立場にたつことができるのが、日本
人教員の強みです。どのような部分が日
本人生徒が英語を学ぶときに難しく感じ
るのか、どのような学び方が日本人生徒
にあっているのか、といったことが、経
験からわかっています。例えば発音につ
いて言うと、ネイティブの先生は、実際
の音を出して、“本物の”発音を聞かせ
ることができますが、日本人教員は、例
えば、“l”と“r”のちがい、“th”で
は、舌と前歯の位置がどうなっているの
か、といったことを説明できます。文法
面からのアプローチも得意とします。日
本語と英語の両方を使えるということ
で、翻訳・通訳にフォーカスをあてるこ
ともできますし、日本の大学受験に適応
した授業も提供することができます。
言語を習得していく重要な条件として、
1) 本物の英語にふれることと
2) 英語を実際に使ってみる機会があるこ
と
3) 生徒が学んだ英語を使ってみようとす
るモチベーションをもつこと
21
の3つが不可欠だと言われています。
これは子供が第1言語を学んでいくときに
も言えることですが、生徒が英語を第2言
語として学んでいくときには、さらに
4) なぜそのようになっているのか文法な
どについての説明を受けること
も大事だとしています。他の一般の学
校の場合は、4)については提供できます
が、必須条件の1),2), 3)については、
十分に与えることができない場合が多い
です。SISの場合は、ネイティブ教員と日
本人教員の両方がいることにより、1)か
ら4)をバランスよく、提供することがで
きます。これがSISの英語教育の強みだと
いえるでしょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
吉積須美子
インターカルチュアを毎号楽しみに読ん
でおります。
子供たちがさまざまな分野で活躍する様
子を読み、感激します。そして最後は毎
回落ち込みます。「こんなに優秀な子供
たちが大勢いるのに、うちの子たち
は、、、。」
“読むことが、楽しく苦しいインターカ
ルチュア”
親が苦悩するその横で、G10,G7の娘たち
は毎日楽しく学校に通っております。
G10の娘。自分が喋るより喋っている人を
見るほうが好き、という娘ゆえ、G9の
コミュニケーションの授業の点数は悲惨
でした。「ディスカッションに参加しま
しょう。」というコメントを何度読んだ
ことか!
そんな娘が昨夏、3週間カナダでホーム
ステイをしてきました。必要なコミュニ
ケーションはスムーズにとれたそうで
す。
口数が少なく一般生で入学した娘でも、
4年間のSIS生活で英語が体に染み込んで
いたということでしょうか?!必ず英語
をしゃべり、使わないことには過ごせな
いSISの環境のおかげで、彼女は楽しくカ
ナダのホームステイを過ごすことができ
ました。立派な成績やインターカルチュ
アを飾る功績を持たない娘ですが、海外
でスムーズに過ごせた経験が自分に自信
を持たせ、そして英語を好きにさせたよ
うです。
22
栗原先生がおっしゃってました。「成功体
験の積み重ねが子供の自信につながる。」
と。
英語が上手になるには積極性が必要だと
思います。SISには、オールスクールプロ
ダクション,スポーツ、音楽etc. いろいろなチャレンジが出来、成果を認
めてくれる、そんなチャンスがたくさん
あると思います。出来ることに出来る範
囲で参加する、そして自信を育ててくれ
る、こんな環境の中なら、英語の上達の
カギは子供自身の中にあると思います。
この冬、娘はオールスクールプロダク
ションに裏方として初めて参加しまし
た。遅咲きの花のように少しずつです
が、やっと動き始めました。インターカ
ルチュアを読んでは落ち込む生活はこの
先も続くでしょうが、きっと子供はSISの
6年間の生活の中で、確かな何かを身に
つけてくれると信じています。
<追記>G7の娘。姉と違っておしゃべ
りが大好き。OISに友達を作っては“大阪
弁の輪”を広げています。さて、彼女は
どういう成長をとげるのか?!ひやひや
楽しみな毎日です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私事ですが、私は、小規模ながら、幼
稚園から中学生までの子供たちに英語を
教えております。そのため、どのような
方法で子ども達に教えるのが効果的かを
いつも考えております。
公立の中学校で初めて英語を習う子ど
も達は、文法の習得が先行していきま
す。そうすると、全く未知の英語がなん
だか難しい学問のように受け取られ、拒
絶反応が起こるようです。公立の中学生
の英語を見ていると、正しい発音で文章
を読むことをあまり重視しないで、単語
を覚えるときにも、そのままローマ字読
みをすることに徹しているのです。(も
ちろん学校がそう勧めているわけではな
く、本人が覚えやすいと思ってしている
のですが・・・)単語を正しく発音する
と、かえって分からず、「ちゃんと(=ス
ペルが分かるようにローマ字読みで)
言って∼」なんて言うのです。それでも、
学校の英語の点数はかなり良いというこ
とは、要求されていることは「スペルを
正しく書く」ということに限定されてい
るのだろうと納得させられます。そんな
様子を見るとき、実際に“生きた英語”
に出会ったときに通用するのか心配にな
ります。
それに対して、SISで子ども達が受けて
いる英語教育は、“生きた英語”そのも
のであることが、何よりもの強みです
ね。特に、体育の授業も英語が使われて
いるということは、脳に酸素が送られに
くい状態でも、英語を理解し体を反応さ
せるという、まさに「生きた英語」なの
だろうと思います。そのような環境で、
英語を「勉強する」というよりも「身に
つけていく」子供たちがうらやましいで
す。
余談ですが、今回、実は生徒たちの英
語に関する意識調査もしたいと思い、全
校生にアンケートを実施する段取りをし
ていました。生徒たちが、SISで受けた英
語教育で、どのような意識があるもの
か、いろいろな期待を持って探ろうと考
えたわけですが、残念ながら、学校から
許可がおりず、断念いたしました。その
理由は、おおよそ次のようなことでし
た。SISが始まって間もないころに、ここ
の英語教育は、いろいろなところからの
注目を集めていたので、頻繁にアンケー
トを採ることがあったようです。生徒か
ら「まるでモルモットのよう」との批判が
あがり、問題となったそうです。学校と
しても、生徒の落ち着いた環境づくりに
徹するため、そして、アンケートの結果
次第では、いろいろな誤解をも招きかね
ないリスクも考えて、今では、アンケー
トは採らないことになっているのだそう
です。お話をお聞きして、学校も本当に
ひとつひとつのことに対して、生徒たち
への影響などを丁寧に考えていただいて
いることを、改めて感じました。
Public Relations Committee 安積
★★★★★SISPA
SISPA INFORMATION★★★
SISPA
INFORMATION
★ 11月号のMIMIコーナーでご紹介した
11年の深井瑛子さんのお母さんで、写真
家の深井美貴子さんの写真詩集「たから
もの」が、SSCで販売されています。
まだご覧になっていない方は是非一度ご
覧ください!
★★★★★★★★★★★★★★★★★
去る12月7日(水)午後1時半より、
「栗原先生と廣田先生との茶話会」が3階
会議室にて行われました。私たちが知らな
い「子供たちの悩み」を受け止めていただ
いている先生方より、カウンセリングルー
ムの様子や子供たちとの接し方をお話いた
だきました。PR委員のメモからの抜粋で
ご紹介します。
栗原先生
開校当時100名弱であったこの学園も、現
在は約450名。担当1名体制では無理があ
り体調を崩したときもあったが、2004年9
月からは廣田先生を加え2人体制となり、
現在に至っている。
廣田先生
10年前、女子高の家庭科教師であったこ
ろ、1年で半数近くの生徒が退学してしま
う荒れた学校の生活指導部にいた。荒れた
女子高生をなんとか退学から救いたい、そ
のためにはどうしたらいいか・・・と考
え、心理学を学ぶことに。今春からはSIS
の他に二つの公立中学校で月2回カウンセ
リングもおこなっている。その中で、最近
の子供には、失敗したら一人になるという
思いがあることを感じている。
SISでのカウンセリングは、部屋や時間
的に守られた空間が確保でき、現実世界か
ら離れられる。カウンセリングについて
は、子供たちには現実面に即したアドバイ
スを行っている。10年生になると、周囲か
らの期待・それと自分とのギャップを感じ
悩むようになる。そのときは、親も一緒に
悩んであげてほしい。
栗原先生
・自学力(校長先生がよく言う。この学校
にいる間に見につけて欲しいもの)
・自発力
・自制力
・自認力(自分を認める力)
・自救力(いろいろな困難に対して自分を
救う力)
・自持力(自分に対して待つ力。=ゆと
り。これがない子“きれる”)
どの子もこの中のどれかを必ず持ってい
る。自分の子どもがどの力を持っているか
考え、それを子どもに伝える。そして今後
の成長のため、足りないものを“1つだ
け”探す。
カウンセリングの時は、その子供との接点
を探す。まず、その子自身を受け止め、
ジャッジはしない。
思春期とは、親にとって難しい時期だが、
親子喧嘩のとき、(心の)ドアを開けてお
くのは親の方である。子供がどんなに喧嘩
を吹っかけてきても、親と喧嘩できる子供
は幸せ。親は完璧でなくていい。自分を見
つめる、そして誠実に対応していく。子供
を多面的に見ることが大切。
子供から大人になっていく時、現実がわ
かってきてする事は、あきらめる事。これ
は仏教でもとても大切なことと考えられて
いる(自救力)。親も子供に対して“あき
らめる事”が大切。つまり、そのことがそ
の子のあるがままを受け入れる事となる。
しかしながら、家族ほど難しいものはな
い。子供にとって家族の存在はとても大切
なもの。どうありたいか?
自信・・・最初からあるものではない。経
験の積み重ね。親が子供の自信をなくす様
な接し方をしない。たとえば、感情に任せ
てネガティブな言葉をかけると、子供たち
は細かいことにこだわったり脅迫的になる
し、自分に自信がないので傷つき、その結
果、引きこもり退却してしまう。
むしろ、自信をつける言葉をかける・成功
体験の積み重ねをつくってあげることが大
切。
(質問コーナー:一部抜粋)
(Q1)子供は楽しく学校に通っている
が、勉学には興味が湧かないのがとても不
安。中学でももっと好奇心を引き出すプロ
グラムを考えてもらえないか。
(A)受験生活を送った子は、中学1,2
年までゆっくりしたいと思っているかもし
れない。
目には見えないが、興味は育っているかも
しれない。この学校は他校と比べて知的好
奇心を引き出すプログラムは多いと思う。
(Q2)お手紙を渡さない。学校のことを
話さない。
(A)お手紙を渡さないのは、それで子供が
困らないから。子供に必要性がないから。
その必要性を親がゆっくりと説明する。ま
た、どの子もかなり忙しい生活なので、
うっかり忘れている可能性もある。帰って
から、声掛けをしてみる。学校のことを話
さないのは、もう“子供の世界”として親
は干渉しないこと。
(Q3)子供の成績が悪い。ほかの面で成
長していると言われても、勉強だけを評価
して見てしまう。
(A)成績は変わらなく見えても、必ず、
子供は成長している。
(A)今出来ていることを受け入れるとこ
ろから始める。親の自持力
最後に、先生方よりメッセージです。
「気になることがあれば、カウンセリング
にお越しください。情報源は秘密にして学
校側と対処していきます」
栗原先生・・・水曜以外出勤
廣田先生・・・火水木出勤
ということで、2時間弱にわたる茶話会は
終了しました。
難しい時期の子供を持つ親として、先生方
のお話で自分たちもカウンセリングを受け
たような気持ちになりました。先生方、お
忙しい中本当にありがとうございました。
開校
1 5 周年記念講演会 近藤紘子さんをお招きします!
開校1
2月
日 午後4時より(予定)シアターにて
2月22 22日 午後4時より(予定)シアターにて
近藤紘子さんプロフィール:1944年生まれ。広島大学教育学部修士研究生。「国際養子縁組」世話係。「財団法人チルドレン・アズ・
ザ・ピースメーカーズ」国際関係相談役。著書「ヒロシマ、
著書「ヒロシマ、60
60年の記憶」
著書「ヒロシマ、
60
年の記憶」
SIS/OISの開校間もない頃、「ヒロシマ」の悲しみと苦しみ、またそれを超えた『平和の祈り』を子供たちに教えてくださった近藤紘
子さん。今もなお語り継がれるその感動が、15年の歳月を経て私たちの元に帰って来ます。『わたしをあなたの平和の道具にしてく
ださい。憎しみのあるところに、愛をもたらすことができますように…』 たくさんのご来場をお待ちしています。 Board
Board
23
2∼3月行事予定
月 日 曜
2 2 木
8∼12
10 金
15 水
16 木
17 金
22∼26
3 1 水
1∼3
2 木
4 土
15 水
冬季リサイタル 午後4:00
APAC 男子バスケットボール(SIS/OIS)女子バスケットボール(CA)
高等部入学選考・午後休校
高等部生徒会選挙
中等部冬季コンサート 午後4:00
高等部コンチェルトコンサート 午後4:00
APAC演劇の部 (北京)・APAC音楽祭バンドの部 (ソウル)
SIS/OIS高等部生徒会主催大掃除
模擬国連(マリスト)
編入選考
高等部卒業式
中等部卒業式・冬学期終了
岩見 馨
土曜学校では、 ①英語と日本語両方ができ、英語で
のコミュニケーションに問題がない人 ②子供に接す
ることが好きな人 ③1年間を通して8割出勤ができ
る人を募集しています!年間32回の土曜日に午前8:30
∼午後4:00まで勤務して頂きます。詳しくは1Fスペ
シャルプログラム事務局072-727-5060まで。
★2006年4月からSISの新10年生に該当する人から応募
することが可能です。
編集後記
京都大学の数学公開講座(P.19参照)は、過去最高の14名の生徒が参加しました。小説「博士の愛した数式」がヒット
し、映画も公開されました。巷はちょっとした数学ブームかも知れません。冬学期「数学講読」という授業では教科書
にないおもしろい数学の話題をリサーチ・発表しています。地味ですがまた次回もプレゼンテーション大会(P.3参照)
に展示で参加したいと思っています。(馬場博史)
1月17日、OIS卒業生、伊藤正裕君が、本校のシアターで講演をしてくれました。将来の夢とその実現について、先輩の
貴重なお話を在校生は真剣に聴いていました。まだまだ若い学校だと思っていましたが、卒業生がいろいろな方面で活
躍しているということを改めて実感すると共に、卒業生が在校生に色々なことを伝え、残して行くことができるのは素
敵なことだと思いました。伊藤君、どうもありがとう。(志垣満理)
インターカルチュアへの記事・ご感想等は、e-mail で [email protected] までお送り下さい。インターカルチュアはバッ
クナンバーも含めて本学園ホームページ www.senri.ed.jp/interculture でもご覧いただけます。また広報センター担当の
学園ホームページにつきましてのご意見・ご感想などもお待ちしています。
春学期
5 月 号 ( 上 旬 ) 卒業式、入学式、大学等合格状況
期5
6 月 号 ( 中 旬 ) 学園祭、教育実習
秋学期
( 上旬
) 夏の宿泊行事、夏の諸活動報告
期11 0 月号
月号(
上旬)
1 1 月号
( 中旬
) 運動会、玄関コンサート
月号(
中旬)
冬 学 期 2 月 号 ( 上 旬 ) オールスクールプロダクション
3 月 号 ( 中 旬 ) 入試結果、卒業生へ贈る言葉
他に留学報告、スポーツ結果、各種表彰、授業紹介、生徒会・クラブ活動等
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