日時計の科学 1.太陽の日周運動と日時計 私たちの時間の基本は1日である。これは太陽が時々刻々西に運動しもとに戻るまで周期で、この運動を太 陽の日周運動といい、正確には太陽が南中してから次回南中するまでとされる。また太陽が1周する時間を24 等分して1時間が作られている。次に時刻であるが、昼に日にちかかわるのは不都合なので、太陽が南中する 12時間前を0時としそこから数えることにしている。太陽の日周運動をもとに時刻を数値化するもっとも昔からあ る道具が日時計である。 2.日時計の種類と原理 (1)赤道式日時計 中央の棒(ノーモン)が自転軸と平行になるように設置すると周囲の目盛りが赤道になる。太陽が1時間に15 度ずつ動くので、自身の位置の自転軸の反対側に影を落とすので15度刻みに付けた目盛りで時刻が読める。 (2)コマ形日時計 これもノーモンを自転軸と平行になるように設置すると、棒に垂直な面は赤道面となる(目盛りは15度刻みに つけてある)。太陽は自身の位置の自転軸の反対側に棒の影を落とすので時刻が読める。 (3)平板型日時計 コマ型日時計の赤道面にあたる板を水平にしたのが平板型日時計である。これもノーモンは自転軸に平行に 設置する。また工作の容易さからノーモンを板にすることが多い。1時間間隔の線は15度刻みでなく12時から 離れるほど間隔が大きくなる。影の方向は以下の式で与えられる。 (4)垂直棒日時計 もっとも簡単な日時計である。しかし季節により同じ時刻でも影の方向が異なるので時刻を示す方向板が複雑 になる。 3.実際の太陽との差 (1)偏角 作成した日時計を設置する際、12時の方向を正確に北(または南)に向ける必要がある。この際方位磁石を使 う場合が多いと思われるが、磁石は正確には南北方向を向かないので補正する必要がある。なお埼玉は磁北 が真北に対し7度西にずれている。 (2)日本標準時 太陽が真南に来た時をもって、昼の12時とするのが一般であるが。日本でこれに当てはまるのは東経135度 の地点(兵庫県明石市)である。そこで埼玉では読んだ時刻から16分引く必要がある。 (3)均時差 今までの説明では太陽は地球の周りを一定の速さで動くという前提で話を進めて生きた。しかし正確には太陽 は楕円軌道を運行すること、およびその軌道上を一定の速度では動かない(近日点で早い)ため、太陽の動きを 基にする1日は季節によって長さが異なる。これでは不便なことが多いので天球上を一定の速さで動く仮想の平 均太陽を考えこれが南中した時を12時と考えている。すると平均太陽が南中した時と実際の太陽が南中するの には時間差が生じるがこれを均時差という。その値は下図のようになる。
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