【タッチパネル】超声電子、来月に静電容量式タッチパネル新生産ライン稼働 【タッチハ

2011 年 7 月号
744 号 7 月 1 日
【タッチパネル】超声電子、来月に静電容量式タッチパネル新生産ライン稼働
金融界 2011-6-28
中国地場の大手プリント配線基板メーカーでタッチパネル事業を急拡大している超声電
子は、タッチパネルの新生産ラインを来月にも稼働できる見通しを明らかにしたことか
ら、市場から同社の今年下期の業績躍進への期待が高まっている。
超声電子は、中国最大の携帯電話用ハイレンジビルドアップ基板メーカーであると同時
に静電容量式タッチパネルの生産能力を持つ数少ない中国地場メーカーであり、現在経
営資源を静電容量式タッチパネル事業に集中することで、中国国内有数の静電容量式タ
ッチパネルメーカーを目指している。昨年、約 9 千万元を投じて年産能力 4.5 万平方メ
ートルの静電容量式タッチパネル生産ラインの建設を開始、今年 7 月から正式に稼働さ
せる計画で、稼働直後に設備利用率 80%以上を確保、9 月には稼働率は 100%に達する
見通しだという。
超声電子の小型静電容量式タッチパネルの年産能力は年内に 6 千万枚前後に達する見通
しで、中国地場最大手の莱宝高科技(Laibao)の現有生産能力、南玻(CSG)の拡張後の
生産能力に匹敵する規模となる見通しで、一気に中国国内有数の静電容量式タッチパネ
ルメーカーとなる。製品は主に中国地場の大手携帯電話メーカーである中興(ZTE)、天
宇(Tianyu)、華為(Huawei)等に供給する計画で、年間売上高は 14 億元前後を見込ん
でいる。
超声電子は今年 5 月初めに 8.5 億元の資金調達を行っているが、そのうち 6 億元を静電
容量式タッチパネルの生産拡張に当てる計画で、新たに年産 25 万平方メートルの静電容
量式タッチパネル生産ラインを建設、2012 年 10 月には試験生産を開始、2013 年 1 月に
正式に量産を開始する計画。
【タッチパネル】勝華、アップルの発注量拡大で 3Q 業績は再び成長軌道に
DIGITIMES 29-6-2011
アップルに静電容量式タッチパネルを供給している勝華(Wintek)は、アップルが iPhone
及び iPad の出荷量見通しを上方修正したことから、今年 4-6 月の携帯電話用静電容量気
タッチパネルの出荷量が予想を上回る見通しを明らかにした。また、今年下半期につい
ても、電子書籍リーダーで静電容量式タッチパネルを採用するメーカーが増えているこ
とから、上半期を上回る出荷が見込まれるとしている。
勝華の今年 4 月の売上高は、小型タッチパネルの受注減により 7 億 NTD(約 2400 万米ド
ル)に届かなかったが、アップルが 7-9 月に勝華への発注量を拡大する見通しであること
から、今年 7-9 月の売上高は当初予想に比べ 12-15 億 NTD 増となる見通しを示している。
勝華の今年 4-6 月のアップル向け小型タッチパネル月間出荷量は 240-260 万枚だった。
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2011 年 7 月号
【携帯電話】アップル、9 月に低価格 iPhone 4S 投入 台湾メーカーに恩恵
台湾経済日報 2011.06.29
アップルが iPhone の今年の出荷量見通しを上方修正したこと、また今年 9 月に価格 350
米ドルの低価格 iPhone 4S を新興国市場に投入することから、アップル iPhone のアッセ
ンブリを行う鴻海(Foxconn)、カメラモジュールを供給する大立光電(Largan)、静電容
量式タッチパネルを供給する宸鴻光電(TPK)等が恩恵を受けて業績をさらに伸ばすこと
が期待されている。
低価格機種は携帯電話ブランドメーカーがシェアを拡大する際の最も手っ取り早い手法
として使われており、巨大化したアップルがその手法を選択することはある意味当然予
想されたことともいえる。スマートフォン大手の宏達(HTC)も、4G LTE 及び裸眼 3D 等
のハイスペック機種を投入することと平行して、低価格市場に簡易型の機種を複数投入
している。今般のアップルの低価格市場への参入により、低価格スマートフォン市場の
シェア争いが激化することが懸念されている。
ドイツ証券アナリストの Chris Whitmore 氏は、iPhone 4 を販売する通信キャリアが増
え、ホワイト iPhone 4 の販売も好調であることから、iPhone 4 の販売実績は当初予想
を大幅に上回ると見ており、今年及び来年の iPhone の出荷量を当初の 7100 万台、8500
万台から 7400 万台、9000 万台に上方修正している。iPhone、iOS のグレードアップ、通
信キャリアの開拓進展などの要因も加味すると、iPhone の出荷量はさらに拡大する可能
性もあるとしている。さらに、アップルが今年 9 月に低価格 iPhone 機種を 15 億の人口
を擁するボリュームゾーン市場に本格参入することも考えると、アップル iPhone の出荷
量をさらに上方修正する必要も出てくるとしている。
【ノート PC】三星、ノート PC を和碩/英業達に発注 今年 1800 万台出荷
台湾経済日報 2011.06.29
ノートパソコンブランド大手の三星電子は、ノート PC の今年の出荷目標を前年比 800
万台増の 1800 万台としており、シェア拡大を図ると同時に、収益性確保のため、一部の
低価格ノート PC 製品を ODM 生産することを検討していることが明らかになった。また、
その発注先としてノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)、英業達(Inventec)が有
望視されていることも明らかになった。
市場では、三星電子がノート PC の出荷量が予想以上に急増したことから、当初計画した
自社生産ラインの生産能力を超え始めた、自社で対応できない需要を収益性の観点から
ODM 生産することを検討し始め、一部の低価格ノート PC 製品を台湾の大手ノートパソコ
ン ODM メーカーに生産委託する方向性が固まり、既に商談を開始、近く商談がまとまり、
契約締結になると見られている。
台湾当局傘下の資策會産業情報研究所(MIC)部長の魏傳虔氏も 28 日、三星電子が近く
正式にノート PC を台湾 ODM メーカーに発注することになることを明らかにしている。世
界の 9 割近くのノート PC を生産する台湾の ODM 専門メーカーは、HP、宏碁(ACER)等に
大量の製品を供給していることから、スケールメリットでは三星電子を上回っており、
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2011 年 7 月号
低価格をアピールしてシェアを拡大する際の有効な手段となっている。
三星電子は、ノート PC 市場では後発組で、2009 年に Netbook 市場に参入、携帯電話の
ネットワーク、半導体及び液晶パネル部品の供給能力を活用することで出荷量を拡大、
今年はノート PC の出荷量が大幅に増加している。
IT 市場調査機関によると、三星電子の昨年のノート PC 世界市場シェアは約 5%で、順位
は華碩(Asus)に次ぐ 7 位だったが、今年は昨年の 1029 万台の 2 倍近くの 1800 万台を
出荷する計画で、達成できれば、シェアは華碩及び東芝を抜き 5 位に躍進する可能性が
出ている。
【LED】TCL/創維、液晶 TV 市場減速で LED 実装事業への投資を拡大
2011-6-29 南方都市報
中国地場の大手テレビメーカー、TCL 集団は、台湾の LED 実装大手の宏斉科技(Harvatek)
の 100%子会社 Harvatek (HongKong) Limited と合弁で、広東省恵州市に LED バックラ
イト実装企業を設立することを明らかにした。
ここ数年、中国国内のテレビメーカーは、収益性の低下という課題に直面しており、中
国の主要テレビメーカーの昨年の純利益は、TCL:4.33 億元、長虹 6.71 億元、康佳 0.82
億元、海信 8.35 億元で、白物家電大手の格力電器の 42.76 億元に比べると、その収益性
の低さが際立っていることがうかがえる。
中国地場の市場調査機関、奥維諮詢によると、2011 年の労働節商戦の中国国内のカラー
テレビ販売台数は前年同期比 4.7%減の 158 万台にとどまり、ここ 5 年では初の前年割
れとなっている。業績が悪化し続ける中、大手メーカーは真剣に収益性改善に取り組み
始めており、TCL 集団、創維(Skyworth)、康佳(Konka)は、中国国内の液晶パネル生
産事業に資本参加しているほか、LED バックライト実装事業にも参入する戦略を取って
いる。中でも、創維は 2008 年 4 月に韓国の LGD の広州での液晶モジュール工場に資本参
加、今年 3 月には LGD の広州での 8.5 世代液晶パネル生産事業に資本参加したほか、台
湾最大の LED チップメーカーである晶元(Epistar)の広州 LED エピタキシャルウエハ生
産事業にも資本参加している。康佳も先月、26%出資している瑞豊光電と合弁で LED バ
ックライト実装事業に参入することを明らかにしている。
TCL 集団関係者によると、今回の宏斉科技との合弁事業の LED チップ実装能力は年間 20
億個、年間生産高は 13 億元を見込んでおり、今年 12 月には検査事業を開始、来年 3 月
下旬には実装事業を開始する計画だという。
中国の大手テレビメーカーが LED への投資を拡大する中、台湾の億光(Everlight)、光
宝(Lite-on)等の大手 LED 実装企業が中国内地への生産拠点建設を加速しており、億光
の中国内地での生産能力は中国国内の LED 実装企業上位 4 社の生産能力の合計を上回る
規模に拡大している。台湾の LED 実装企業上位 8 社は既に全てが中国内地に工場を建設
しており、台湾ベンチャー系の緑揚光電(New Chang Green Fly Technology)も広西チ
ワン族自治区南昌ハイテク区に 1 億米ドルを投じて大規模な大容量 LED 実装工場を建設
している。ただ、台湾の LED 実装企業の中国内地進出により、中国内地の一部地場 LED
実装企業は淘汰される危険に晒されている。中国国内には 1500 社に上る LED 実装企業が
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あるといわれるが、年間売上高が 1 億元以上の企業は 40 社余りに過ぎず、台湾の LED
実装企業上位 8 社の年間売上高が平均 10 億元であることに比べると、規模が小さいこと、
スケールメリットの小ささが大きな課題となっている。中国地場の市場調査機関、中投
顧問調査部長の張硯霖氏は、中国国内の LED 実装産業の最大の問題点は規模の小ささに
ある、企業は M&A を通じて規模を拡大することが最優先課題とすべきと指摘している。
【LED】台湾 LED チップ売上高、3Q は 2Q 比 20%増予想 価格も安定
2011-06-29 電子元件技術網
台湾の IT 市場調査機関 Digitimes Research は、台湾の LED チップ産業の今年 4-6 月の
設備利用率は上昇しており、7-8 月頃までその上昇トレンドは続く、今年 7-9 月の売上
高は 4-6 月比 20%以上の増加を予想、そのうち照明用 LED チップの成長率はバックライ
ト用 LED チップの成長率を上回ることがほぼ確実との見通しを明らかにした。
LED チップの発光効率については、Digitimes Research アナリスト兼プロジェクトマネ
ージャーの林芬卉氏は、毎年 15-20%の改善が見込まれ、年内に 300 ルーメン/ワットに
達すると予想。LED チップ面積についても、発光効率の改善に伴って小型化が進展、年
内に 20%の縮小が可能だと予想している。
LED チップの平均価格については、7-9 月は下落幅が 5-10%まで縮小、そのうちハイス
ペックの LED チップ製品価格にははっきりとした下げ止まり感が見られるとしている。
一方、中国内地最大の LED チップメーカーである三安光電が低価格 LED チップの本格的
量産を開始していることから、低価格 LED チップについては、下落幅が拡大すると予想
している。また、韓国 STC の生産能力の大幅拡張により、今年初めには 2 インチウエハ
換算 30 米ドルあったサファイア基板価格が 7-9 月には下げ幅を拡大、同換算 20 米ドル
以下になる可能性があるとしている。
【生産統計】中国の電子情報製品輸出、欧米向け不調で大幅に減速
2011-06-29 中国商務部運行監測協調局
中国の今年 5 月の電子情報製品の輸出額は、前年同月比 8.2%増となったものの、今年 3
月及び 4 月の輸出額の前年同月比増加率に比べると、それぞれ 9.5 ポイント、8.9 ポイ
ント低下した。ただ、今年 1-5 月の電子情報製品の輸出は 2484 億米ドルで前年同期比
17.0%増、輸入は 1833 億米ドルで同 16.4%増、輸出入合計は 4317 億米ドルで中国全体
の 30.8%を占めた。
主要領域別に見ると、今年 5 月の電子材料、通信設備、家電の輸出は、それぞれ前年同
月比 5.4%増、14.9%増、2.3%増で、増加率は 4 月に比べると、それぞれ 30.8 ポイン
ト、15.8 ポイント、10.8 ポイントの大幅低下となった。一方、パソコン、電子素子、電
子部品の輸出は、それぞれ前年同月比 2.5%増、10.0%増、20.2%増で、増加率は 4 月
に比べそれぞれ 6.6 ポイント、4.1 ポイント、8.8 ポイントの小幅な低下にとどまった。
主要製品別では、今年 1-5 月のノートパソコンの輸出は 360 億元で前年同期比 6.6%増、
携帯電話の輸出は 213 億米ドルで同 33.3%増、半導体の輸出は 126 億米ドルで同 10.8%
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増、液晶モニタの輸出は 115 億米ドルで同 11.0%増で、ノートパソコン輸出の減速、携
帯電話輸出の再加速がうかがえる結果となった。
仕向地別では、欧米向けが不調で、今年 5 月の米国向け輸出は 96 億米ドルで前年同月比
3.3%減、そのうち家電は同 14.2%減、電子素子は同 9.2%減、パソコンは同 2.5%減だ
った。またドイツ向けは 23 億米ドルで同 14.7%減、そのうち電子部品が同 19.9%減、
パソコンは同 22.2%減、通信設備は同 1.3%減、英国向けは 9 億米ドルで同 6.9%減、
そのうちパソコンは同 32.3%減、電子材料は同 15.5%減だった。中でも欧州向けパソコ
ン輸出の大幅な減少が大きな懸念となっている。一方、アジア向けは比較的好調で、今
年 1-5 月の日本向けは 174 億米ドルで前年同期比 20.7%増、うちパソコンが同 9.3%増、
家電が同 36.5%増、電子素子が同 20.8%増、台湾向けも 68 億米ドルで同 22.7%増、う
ち電子素子が同 46.1%増、電子部品が同 23.8%増だった。
745 号 7 月 4 日
【タッチパネル】勝華、東莞タッチパネル工場拡張に 1.5 億米ドルを再増資
2011-7-1 東莞日報
アップルに静電容量式タッチパネルを供給する台湾の中小型タッチパネル大手の勝華科
技(Wintek)は、東莞のタッチパネル生産子会社である東莞万士達液晶顕示器有限公司
に昨年の 6000 万米ドル増資に続いて、9000 万米ドルの再増資を行い、タッチパネルの
生産能力を大幅に拡張すると同時に、東莞市松山湖ハイテクパークに設立した子会社、
聯勝顕示器有限公司にも昨年の 3000 万米ドルに続き、新たに 6000 万米ドルの増資を行
うことを明らかにした。勝華科技は、東莞の子会社 2 社に対して、昨年は 9000 万米ドル
の増資を行っているが、今年はその額の 1.5 倍に当たる 1.5 億米ドルの増資を行い、ア
ップル iPhone 及び iPad 用タッチパネルの生産能力を一気に 2 倍以上に拡張する計画を
進めている。
一方、ベトナム工場の稼働については、東莞工場のタッチパネル生産拡張には殆ど影響
がない、東莞工場は今後ハイスペックのタッチパネル製品の生産に集中、ベトナム工場
は低コストの中小型液晶パネルの生産に集中すると説明している。ただ、中国内地の基
本給与が大幅上昇している影響を考慮して、東莞工場への投資を削減し、ベトナム工場
にタッチパネルの後工程モジュール生産ラインを建設することも検討しているという。
勝華科技は、既に最大で 1.5 億米ドルをベトナム北部のバクザン省(北建省)に投じ、
工業団地を建設する計画を明らかにしている。勝華科技広報担当の黄忠傑氏は先日、ベ
トナムの人件費は中国の人件費の 33-40%、勝華科技の売上高に占める人件費の割合は
約 10%であることから、ベトナムでの生産は生産コスト削減という観点では意味がある
としている。
ただ、勝華科技は東莞工場のタッチパネル生産能力については大幅に拡張する計画で、
ベトナム工場には段階的撤退を決めている中小型液晶パネルの生産を移転するとしてい
る。
勝華科技は、東莞松山湖ハイテクパークで進めている聯勝顕示器有限公司の最先端の第
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2011 年 7 月号
3 世代タッチパネル生産ラインの建設のほか、万士達液晶顕示器有限公司の中小型液晶
パネル工場についてもタッチパネル生産へのラインの転換を進めている。
1995 年に稼働した万士達液晶顕示器有限公司は、東莞市でも最も早くから液晶パネル生
産を開始した企業で、ピーク時には 2 万人余りの工員を有し、勝華科技の中国内地にお
ける液晶パネルの主力生産基地となっていた。昨年の万士達液晶顕示器有限公司の売上
高は 40 億元で前年比 2 倍近くの実績を上げている。勝華科技は、アップル向けタッチパ
ネルの供給が急増する中、グループ内の液晶パネル事業の再編を進めており、万士達液
晶顕示器有限公司の液晶パネル生産ラインを全てタッチパネル生産ラインに転換するこ
とを決めている。万士達液晶顕示器有限公司は、今年 4-5 月に 2 度にわたり、大量のタ
ッチパネル生産設備を購買しており、昨年 1 年間にタッチパネル生産設備購買に投じた
資金は 18 億元に上る。タッチパネル生産設備の導入を進めると同時に、万士達液晶顕示
器有限公司は液晶パネル生産設備のベトナム工場への移転を進めており、ベトナム工場
の液晶パネル生産能力は急速に拡張されているという。
勝華科技は、万士達液晶顕示器有限公司の生産ラインの転換はグループ全体の生産活動
に影響が出ないように進められており、万士達液晶顕示器の今年の売上高は前年の 40
億元を 30 億元上回る 70 億元に達する見通しを示している。
万士達液晶顕示器有限公司の生産転換と同時に進められている聯勝顕示器有限公司のタ
ッチパネル事業は、第 1 期の建設がほぼ終わり、今年 10 月には完成、今年年末には試験
生産を開始、来年 1-3 月には量産体制に入る見通し。勝華科技は、東莞の聯勝顕示器有
限公司が液晶パネル生産企業ではなく、タッチパネル生産企業であることを明確にする
ため、企業名を聯勝科技有限公司に変更することも明らかにしている。
勝華科技董事長の黄顕雄によると、聯勝顕示器有限公司が生産するタッチパネルは厚さ
0.7 ミリメートル、重量はわずか 87 グラムの第 3 世代タッチパネルで、世界で初の第 3
世代タッチパネル工場となるとしている。
市場調査大手の Gartner は、昨年の携帯電話世界出荷量は前年比 3 割増の 16 億台である
のに対し、スマートフォンの世界出荷量は前年比 7 割増で、世界全体の携帯電話出荷量
の 19%を占めるまでになっている、また Display Search は、今年の世界のタッチパネ
ル出荷量は 1000 万平方メートルを超え、今年年末には月間生産能力は 3.91 億枚を超え
ると予測、台湾のディスプレイ市場調査機関である拓墣産業研究所は、今年の世界のタ
ブレット型パソコンの出荷量は 5000 万台超、スマートフォンの出荷量は 3.88 億台を超
える見通しで、スマートフォン及びタブレット PC の 2 つの需要ドライブにより、今年の
世界のタッチパネル出荷量は 9.51 億枚に達すると予測している。
中国内地の労働コストが上昇し、工場用地の確保が難しくなる中、中国が世界で最低の
生産コストを誇る時代は終わり、生産コストでは中国内地に比べ優位性を持つベトナム
等の国・地域が台頭し始める中、勝華科技のような低コストを優先すべき製品の生産は
ベトナムに移転、東莞など中国内地では高技術を求められる製品への生産転換を進める
やり方が増えることが予想される。
【液晶パネル】京東方、8.5G 本格稼働 国内 TV メーカーに 700 万枚供給
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2011 年 7 月号
2011-7-1 中国 PCB 産業協会
中国地場最大の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)は 6 月 29 日、北京経済技術開発区
に独自設計で建設していた 8.5G 液晶パネル生産ラインを正式に稼働させ、1.8 インチか
ら 55 インチにいたる全てのサイズの主要液晶パネルの国産化が達成されたことを明ら
かにした。
中国国内のディスプレイ市場調査機関、群智諮詢の研究部長、李亜琴氏は、京東方の北
京 8.5G 生産ラインの本格稼働、京東方の合肥 6G 生産ライン及び中電熊猫の南京 6G 生産
ラインの歩留まり改善により、今年 9 月には中国国内の液晶パネルメーカーの出荷規模
は中国国内需要の 3 分の 1 に達する、これにより中国国内のテレビメーカーの台湾メー
カーを含む海外メーカーに対する液晶パネル依存度が下がり、結果的に価格支配力が強
まり、液晶パネル価格の安定化につながると予測。海外の大手液晶パネルメーカーにと
っては、ようやく価格が下げ止まり、主流サイズでは小幅ながら価格が上昇しているも
のの、京東方の 8.5G 生産ライン稼働が再び価格の下落圧力となると警戒している。
京東方の 8.5G 生産ラインは主に 26-55 インチのテレビ用パネルを生産する計画で、生産
能力はガラス基板換算で月産 9 万枚、32 インチ液晶パネル換算では年間 1300 万枚、年
間生産高は 200 億元近くに達する見通し。現在、三星電子、LGD の韓国メーカーの世界
液晶パネル市場シェアは 50%近く、奇美電子(CIC)、友達光電(AUO)を筆頭とする台
湾メーカーの同シェアは 40%前後、シャープを代表格とする日本メーカーの同シェアは
10%前後で、京東方の同シェアは 2.3%に過ぎないが、今般の 8.5G 生産ラインの稼働に
より京東方の同シェアは 8%前後、シェア順位もシェープに次ぐ第 6 位に躍進する見通
し。
京東方は、合肥の 6G 生産ライン、北京の 8.5G 生産ラインと続いた巨額投資に伴う資金
繰り逼迫を乗り越えて両ラインの稼働を実現したことから、これからは刈り入れ、収穫
が期待できるとしている。ただ、群智諮詢の李亜琴氏は、足もとの市場状況を見る限り、
京東方が描いているように収穫が期待できる状態にはないと指摘する。欧州の債務危機、
アメリカ経済の停滞、中国経済の減速といった外部環境の悪化に加え、今年年末までに
TCL が深圳の華星光電 8.5G 生産ラインを稼働させること、中電熊猫の南京 6G 生産ライ
ンの歩留まりが大幅に改善してくることから、液晶パネルの需給バランスが供給過剰に
傾く可能性が高いとしている。中国国内で主流の 32 インチ液晶パネルの直近価格は
148̶150 米ドルで、生産コストを下回る水準にあることから、今後市況が悪化すれば、
京東方の経営に再び赤信号が点滅する可能性が大きいと指摘する。
その一方で、李亜琴氏は、中国国内の液晶テレビメーカーが京東方と人民元で取引でき
るメリットは大きく、為替のリスクがなくなるとともに、3%の輸入関税からも解放され、
京東方がより有利な価格を提示できると指摘する。
京東方執行董事兼総裁の陳炎順氏は、8.5G 生産ラインの製品供給については、既に海爾、
海信、創維、康佳、長虹と長期契約を締結していることを明らかにしている。台湾の世
界最大の液晶モニタ OEM メーカーである冠捷(TPV)とも長期契約を結んでいるが、8.5G
生産ラインで生産される年間 1300 万枚(32 インチ換算)の液晶パネルのうち、冠捷に
供給するのは 300 万台にとどめ、残り 1000 万枚のうち、300 万枚は京東方の自社ブラン
ドテレビのため内部に保留、700 万枚を海爾、海信、創維、康佳、長虹に供給すること
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2011 年 7 月号
を明らかにしている。
【液晶パネル】液晶パネル世界市場は小幅過剰に 価格上昇は当面困難
2011-7-1 中国 PCB 産業協会
台湾当局のシンクタンク、資策会産業情報研究所(MIC)は、最新の市場分析結果として、
主要応用製品である液晶テレビ、液晶モニタ市場に減速傾向が見られること、その一方
で新たな生産能力が稼働し供給が大幅に増えることから、世界の液晶パネルの需給バラ
ンスは小幅な供給過剰に傾き、液晶パネルの価格は当面上昇に転じることは難しく、横
ばい傾向が続くとの見通しを明らかにした。
中国内地では、京東方(BOE)の北京 8.5G 生産ラインが先日稼働したほか、三星電子の
蘇州 7.5G 生産ライン、TCL の華星光電 8.5G 生産ラインが現在建設中で今年 7-9 月には
稼働する予定、友達光電(AUO)の龍飛光電 8.5G 生産ライン、LGD の広州 8.5G 生産ライ
ンも近く建設を開始する予定という状況にあり、5 本の 8.5G 生産ラインが今年後半から
来年前半にかけて稼働することが決まっている。
以上の 5 つの 8.5G 生産ラインがそれぞれ 32 インチ換算で 1500 万枚の液晶パネルを 1
年間に生産するとして計算すると、年間 7500 万枚の液晶パネルが増産されることになる。
また、台湾で 2 本、日本で 3 本、韓国で 3 本の高世代液晶パネル生産ラインが現在建設
されていることから、トータルすると 3 億枚近くの液晶パネルが増産されることになる
見通し。
Display Search の世界 TV 供給調査報告によると、2008 年から 2013 年まで世界のカラー
テレビの年間需要は 2-2.5 億台で安定推移しており、カラーテレビ市場に占める液晶テ
レビの比率が 90%以上に達したとしても、液晶テレビの年間需要は 2 億台前後にとどま
ると見られている。ここで注意すべきは、2 億台前後の年間需要は全てのサイズの液晶
テレビが含まれており、これを 40 インチ及び 42 インチで換算すると、その数は 1.5 億
台前後に低下すること。奇美電子総経理の王志超氏は、世界の第 8 世代以上の生産ライ
ンが計画通りに稼働されれば、2012 年には世界の液晶パネル生産能力は市場需要を 2 割
以上上回ることになると警鐘を鳴らしている。
中国信息科学技術学院、中国電子通信研究院の徐永键博士も、中国国内で来年までに稼
働する 5 本の高世代液晶パネル生産ラインが計画通り稼働すれば、液晶パネルは確実に
供給過剰になると指摘する。Display Search も、2012 年には中国地場企業及び外資企業
の生産ラインが計画通りに量産を開始すれば、液晶パネル市場は確実に供給過剰になる
と予測している。
業界関係者は、世界の液晶パネルの生産能力が過剰になれば、液晶パネル及び液晶テレ
ビの低価格化が加速し、本格的な過当競争が起こり、液晶パネル及び液晶テレビが高収
益製品から低収益製品に変化していくと分析している。
【ノート PC】アップル、来年 Tab 含むノート PC 7500 万台出荷 HP 突き放す
DIGITIMES 1-7-2011
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2011 年 7 月号
iPad でタブレット PC 市場を急成長させているアップルが、タブレット PC をノート PC
として計算した場合、来年に HP に代わってノートパソコン世界最大手となることが確実
な情勢となった。
今年のタブレット PC の世界出荷量は 6000 万台、そのうちアップルが 6 割シェアを有し、
4000 万台を出荷すると見られ、また来年のタブレット PC の世界出荷量は 8000 万台、そ
のうちアップルが 6000 万台を出荷すると見られている。アップルは来年、1500 万台の
MacBook を出荷する計画で、アップルのノート PC とタブレット PC の合計出荷量は 7500
万台、世界のタブレット PC を含めたノート PC 市場全体に占めるシェアは 25-30%に達
する見通し。
一方、HP の今年のノート PC 出荷量は 4000 万台、来年の同出荷量は 4500-5000 万台と見
られており、HP が来年 1000 万台を超えるタブレット PC を出荷することは難しいことか
ら、アップルがタブレット PC を含めたノート PC 市場で HP を大きく引き離して首位とな
ることが確実となっている。
【PCB】鴻海系の臻鼎科技、IC 搭載基板事業に参入 近く台湾で上場
2011-6-30 中国 PCB 産業協会
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)は、傘下のプリント配線基板メーカーである臻鼎科技(旧鴻
勝科技)が、IC 搭載プリント基板の生産を開始すると同時に、今年 8 月に台湾で上場す
る計画を明らかにした。臻鼎科技の株式資本は約 60 億 NTD で、株式資本規模では台湾上
場プリント基板メーカーである欣興電子(Unimicron)、華通(Compeq)に次ぐ企業となる。
【PCB】興森科技、PCB 試作品市場急成長で今年売上高 10 億元予想
2011-6-30 中国 PCB 産業協会
中国国内最大のプリント配線基板(PCB)試作品及び小ロット品専門メーカーである興森
科技は、昨年の売上高が 8 億元を突破、今年は 10 億元を目標としていることを明らかに
した。
PCB 市場調査機関 Prismark は、今後 5 年間の中国国内の PCB 試作品及び小ロット品市場
の年平均成長率は 14.7%で、中国国内の PCB 市場全体の同成長率 9.35%を大幅に上回る
成長が期待できると予測している。
746 号 7 月 6 日
【ノート PC】HP、年末までに重慶工場のノート PC 供給比率を 55%まで拡大
DIGITIMES 30-6-2011
世界最大及び世界第 2 位のノート PC ブランドメーカー、ヒューレット-パッカード(HP)
及び宏碁(ACER)は、今年下期からノートパソコン総出荷量に占める中国重慶工場から
の供給比率を大幅に引き上げることを明らかにした。そのうち、HP は既に ODM メーカー
9
2011 年 7 月号
を含む部品・原材料サプライヤに今年年末までに重慶工場からのノートパソコン供給比
率を一気に 55%まで引き上げるため、生産体制の構築を急ぐよう通知していることが明
らかになった。宏碁も重慶工場からの具体的供給比率については言及していないが、同
様の通知を出しているという。また、ノートパソコン世界第 5 位の華碩(ASUS)が、重
慶に大規模工場を建設し、HP 及び宏碁同様、重慶工場からのノートパソコン供給比率を
一気に拡大することを明らかにしている。
また、HP は 6 月 28 日、重慶市政府と新たな提携契約を調印、重慶市での生産ラインを
ノートパソコンからデスクトップパソコン及び液晶モニタを含む IT 製品全般に拡大す
る計画を明らかにした。HP から通知を受けた ODM パートナーである鴻海(Foxconn)及
び広達(Quanta)は、既に計画を前倒しして HP 向け量産を開始しているほか、宏碁の主
力 ODM パートナーである仁宝(Compal)も当初今年 10-12 月としていた稼働時期を今年
8 月に繰り上げることを明らかにしている。
ただ、中国内陸部の人件費の上昇が、これら内陸部に進出した企業の新たな問題として
出てきているという。現地進出企業によると、重慶及び成都の平均給与は、HP、宏碁、
DELL、聯想(Lenovo)、それらブランドメーカーの ODM パートナーの進出ラッシュにより
一気に上昇、工員の平均給与は 1800 元、技術系人員の平均給与は 2000-4000 元に達して
いると指摘する。
また、人件費の上昇に加えて、熟練ワーカーの不足も大きな課題になっているという。
内陸部に熟練ワーカーが育っていないことは勿論だが、沿海部の熟練ワーカーが内陸部
への異動を拒む傾向があり、そのことが内陸部で熟練工を確保できない大きな要因とな
っていると指摘されている。
また、既に重慶・成都に進出しているノートパソコン ODM メーカーの殆どは、SKD(Semi
Knock Down)方式の生産を取って、上海もしくは昆山の工場からモジュールを重慶・成
都に輸送し組立を行い、完成した製品を欧米などの最終消費地に輸送しているが、ブラ
ンドメーカーは ODM メーカーが今後 CKD(Complete Knock Down)方式に切り替え、重慶・
成都でより多くの工程を行うことを希望しているという課題もあるという。ただ、ODM
メーカー側は、中国内陸部のサプライチェーンは上海や昆山のように整備されていない
として、現状では CKD へのシフトは困難と説明しているという。
製品の国際物流についても、ODM メーカーは難しい環境にあり、重慶・成都の国際物流
が沿海部のように整備されていないことから、物流コストが沿海部に比べ大きくなって
いるという。また、輸送貨物の追跡が難しいことも物流効率を低くしているという問題
があるという。
【ノート PC】華碩、中国事業が好調 今年のノート PC 出荷目標達成可能と
DIGITIMES 30-6-2011
ノートパソコンブランド世界 5 位の華碩(ASUS)の CFO、David Chang 氏は、中国内地で
開催した新製品発表会で、中国内地のノートパソコン需要に言及し、今年 4-6 月は需要
は減退したものの、7-9 月には年末に向けて需要は回復してくるとの認識を示した。た
だ、中国内地のインフレについては、需要に悪影響を及ぼす可能性があるとの認識も同
10
2011 年 7 月号
時に示した。
華碩の中国内地ノートパソコン市場におけるシェアは、昨年は 13%だったが、今年は
15%に上昇する見通しで、市場が今年後半はノートパソコンの需要が弱含んだまま推移
すると予想しているが、ノートパソコンの出荷目標を下方修正する計画はないとしてい
る。華碩は今年前半に 590 万台のノートパソコンを出荷しているが、後半に 800 万台以
上を出荷できる見込みで、通年目標である 1400 万台を達成することは難しくないとして
いる。また、タブレットパソコンについても、今年前半に 40 万台以上の出荷実績を上げ
ており、今年後半は 160 万台の出荷を達成、通年目標 200 万台も達成できる見通しを示
している。
市場の縮小が懸念されているネットブックについては、低価格のネットブック Eee PC
X101 を今月投入、プロセッサはインテル Atom 435、基本ソフトは Windows 7 に比べ 100
米ドル以上安価な MeeGo を採用している。また、9 月には、インテルの最新モデル Cedar
Trail-M 搭載のネットブックも投入する計画で、年間 600 万台のネットブックを出荷す
るという目標を達成したいとしている。
さらに、9 月頃にインテルの Ultrabook コンセプトを採用した 11.6 インチ及び 13 イン
チのノートパソコン UX21 も投入する計画を明らかにしている。UX21 は、アルミ筐体を
採用し、厚さは 2 センチ以下、インテル Core i7 プロセッサ、フ
ラッシュメモリードライブ(SSD)搭載の、アップルの薄型軽量ノ
ートパソコン MacBook Air に近い製品となっている。インテルは
現在開発中の次世代プロセッサ Ivy Bridge、及び消費電力を半分
に抑えた Haswell 等の投入により、Ultrabook の普及を促し、2012
年末にはノートパソコン全体の 40%を Ultrabook に切り替えたい
構想を発表している。
別電として、業績悪化により在庫処分を進めているノートパソコンブランド第 2 位の宏
碁が、欧州市場でノートパソコン製品価格を 5%引き下げたことが明らかになっている。
【タブレット】アップル、iPad3 を 10 月から量産 サプライヤは原材料調達開始
DIGITIMES 1-7-2011
iPhone 5 及び iPad 3 の部品・原材料を受注している台湾のサプライヤは、今年 10 月頃
の iPad 3 量産要請に備えて、既に原材料の調達を開始したことを明らかにした。
アッセンブリを担当している鴻海(Foxconn)、バッテリ供給を担当している新普(Simplo)
及び順達(Dynapack)、タッチパネルモジュールを担当している宸鴻(TPK)及び勝華
(Wintek)、筐体を担当している可成(Catcher)が既に早期の材料調達を開始している
という。なお、バッテリ供給については、新普がアップル製品全体の 65%、順達が 35%
を供給している。
アップルの部材サプライヤによると、アップルは iPad 3 については、今年 8 月から少ロ
ットの生産を開始、9 月もしくは 10 月から本格量産を開始する計画で、供給量について
は、今年 8 月から年末にかけて 1000 万台前後を供給する計画だという。市場では、アッ
プルの今年通年の iPad シリーズ製品の出荷量が 4000 万台を超えると見ている。
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2011 年 7 月号
一方、iPhone 5 の供給量については、今年 7-9 月は 600-700 万台を計画しているという。
なお、今年 7-9 月の iPhone 4 の出荷量は 2400-2500 万台、10-12 月も iPhone 4 の出荷
量は 2500 万台前後に達する見通しであることから、アップルの今年通年の iPhone 4 出
荷量は 8500 万台に達すると見られている。ただ、市場は、アッセンブリを担当する鴻海
の成都工場の爆発事故の影響を受けて、今年 7-9 月のアップル iPhone の供給量が 2000
万台、iPad の供給量は 1100-1200 万台にとどまると見ている。
【タッチパネル】宸鴻、タッチパネル用ガラス生産拡張 10 インチ月産 250 万枚
DIGITIMES 1-7-2011
アップル製品の静電容量式タッチパネルの主力サプライヤである宸鴻光電(TPK)は、タ
ッチパネル用保護ガラスの生産を拡張する計画で、3.5 インチ保護ガラスの月産能力を
500 万枚、10 インチの保護ガラスの月産能力を 250 万枚まで拡張することを明らかにし
た。
旺盛な需要を背景に、同業の正達国際(G-Tech)、中華映管(CPT)
、熒茂(Mildex)も相
次いでタッチパネル用保護ガラスの生産拡張を発表している。
【タッチパネル】iPad 用 9.7 型 IPS パネル不合格品、White-box 企業に流入
DIGITIMES 1-7-2011
iPad 2 のタッチスクリーンでアップル向けとしては不合格ではあるが、汎用 IPS パネル
としては十分使用可能な 9.7 型 IPS パネルが、中国内地の White-box タブレット PC メー
カーに流入していることが明らかになった。
iPad 2 用 9.7 型 IPS パネルの主要サプライヤは LG Display 及び三星電子であるが、ア
ップルの厳しい品質管理もあって相当数の 9.7 型 IPS パネルが不合格となっており、こ
くした背景もあって、今年 4-6 月の iPad 2 世界出荷量は 700-900 万台、7-9 月には
1200-1400 万台だったが、LG Display 及び三星電子の今年 4-6 月の 9.7 型 IPS パネル出
荷量は 1200-1500 万枚に達している。IPS パネルと iPad 2 の出荷量の間のギャップは、
iPad 2 アッセンブリを担当している鴻海(Foxconn)が 7-9 月の大量出荷に備えて発注
を増やした側面もあるが、9.7 型 IPS パネルの良品率が低い
ことも大きな要因となっている。そのため、不合格品となっ
た大量の 9.7 型 IPS パネルの処分先として、中国内地の
White-box タブレット PC メーカーがクローズアップされて
いるという。
一方、中国内地の White-box タブレット PC メーカーは、アップル向けで不合格となった
IPS パネルを活用して、低価格の IPS タブレット PC を大量に生産している。White-box
大手の北京智器(SmartDevices)は、9.7 型 IPS パネル Android 2.2 タブレット PC:T10
を 1900 元(293 米ドル)で市場に投入、昂索(AGSO)、万利達(Wanlida)等も既に 9.7 型
Android タブレット PC を量産している。北京智器:www.smartdevices.com.cn/
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2011 年 7 月号
【LED】中国 TV メーカーのバックライト自社調達、台湾 LED 企業に恩恵
DIGITIMES 1-7-2011
台湾の大手 LED チップメーカー及び実装メーカーが、中国地場のテレビメーカーから 37
インチを超えるテレビ用 LED バックライトの受注が急増する見通しを明らかにしている。
台湾最大の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)董事長の Lee Biing-jye 氏は、
中国地場の大手テレビメーカーで、従来の液晶パネルメーカーに LED バックライトの調
達を任せる方法から、自社で LED バックライトを調達する方法に切り替える動きが広が
っていることを明らかにしている。
同氏は、業績が悪化している中国内地のテレビメーカーは、液晶テレビの生産コストの
うち 75%を占める液晶パネルと LED バックライトのコスト管理を厳格化している、LED
バックライトの調達を自ら行うこともその一環と分析している。
中国地場の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)が、中国地場メーカーとしては初の 8.5
世代液晶パネル生産ラインを稼働させ、海爾(Haier)、海信(Hisense)、創維(Skyworth)
、
康佳(Konka)、長虹(Changhong)への供給を開始しており、中国地場の液晶テレビメー
カーが低コストの液晶パネルを調達することが可能となっていることから、LED バック
ライトの調達コスト削減が大きな課題となっている。晶元光電などは、中国地場のテレ
ビメーカーとの LED チップ合弁生産を加速しており、晶元光電は既に中国内地に 3 つの
合弁企業を設立、江蘇省常州の工場は今年 9 月に稼働、福建省厦門の工場は来年 9 月に
稼働させる計画である」。
【太陽電池】6 月末時点の世界太陽電池モジュール在庫 8.6GW に達する
2011-07-05 Solarbuzz
最新の Solarbuzz Quarterly 報告は、今年上期の欧州市場の減退により、今年 6 月末時
点の世界の太陽電池モジュールの在庫水準が 8 ギガワットに達したことを明らかにした。
太陽電池メーカーは当初、今年 4-6 月の出荷量を 1-3 月に比べ 12%増と見込んでいたが、
実績は 22%減となる見通し。生産過剰により今年 4-6 月の太陽電池モジュールの欧州向
け出荷価格は 1-3 月比 9%下落、今年初めからの累計下落幅は 16%に達した。
Solarbuzz 総経理の Craig Stevens 氏は、中国内地を中心とするアジアの中堅太陽電池
メーカーが出荷価格を大幅に引き下げたことが業界全体に波及、今年 10-12 月までに下
落は続き、今年通年の累計下落幅は 25%に達すると予測している。
太陽電池産業は今年下期も厳しい外部環境が続く見通しで、今年通年の需要は前年の
19.3 ギガワットに比べ 5%程度の伸び、20.3 ギガワット前後にとどまると見られている。
一方、メーカー側は価格の下落により新たな需要が喚起されるとして、依然生産量を大
幅に拡大しており、今年の生産量は前年比 1.4-1.7 倍に達すると見られている。
【電池】中航、年産 1.2 億 AH のリチウムイオン電池自動化生産ライン稼働
北極星電力網 2011-7-4
13
2011 年 7 月号
中国国内の航空産業を統括する大型国有企業の中国航空工業集団は 6 月 28 日、洛陽に建
設していた中航リチウム電池(洛陽)産業園の第 1 期事業、年産 1.2 億アンペアアワー
大容量リチウムイオン動力電池の自動化生産ラインを完成、正式に稼働させた。
中国航空工業集団総経理の林左鳴氏は、中航リチウム電池(洛陽)産業園は中国河南省
政府、洛陽市政府、中航工業集団の戦略的提携により建設されており、総投資額は 36
億元の大型プロジェクト、2013 年年末に全ての事業が完成する計画で、全ての事業が完
成すれば、リチウムイオン動力電池の年産能力は 12 億アンペアアワー、リチウムイオン
動力電池応用システムの年産能力は 35 万ユニットに達し、中国国内最大のリチウムイオ
ン動力電池生産基地となるとしている。
今回稼働した第 1 期の投資額は 9.6 億元、着工面積は 12 万平方メートル、年産能力は
1.2 億アンペアアワーで、高精度、低消費電力、ネットワーク制御システム搭載のリチ
ウムイオン動力電池自動化生産ラインを導入している。
747 号 7 月 8 日
【EMS】鴻海、三営超精密に増資 iPad 用カメラレンズモジュール生産拡張
台湾経済日報 2011.07.05
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)は 4 日、中国山西省晋城市(下地図)の 100%
子会社である三営超精密に 2600 万米ドルの増資を行い、iPad 用カメラレンズモジュー
ルの生産を拡張することを発表した。
市場では、三営超精密が既にアップル iPad のカメラレンズを供
給しており、台湾で上場する準備を進めていることから、鴻海
董事長の郭台銘(Terry Gou)氏が進めているグループ分割計画
がいよいよ始まるとの見方をしている。
鴻海は、アップル関連製品のアッセンブリメーカーである地位
を活用して、関連部品の供給にも積極的に参入しており、カメラレンズ及びモジュール
の受注はその大きな成果とされている。三営超精密は、アップルのほか、宏達(HTC)、
モトローラ、マイクロソフト、任天堂にもカメラレンズ及びモジュールを供給しており、
その技術力には定評がある。アップル iPad の前方 VGA カメラレンズは、これまで大立光
電(Largan)、玉晶光電(Genius)が独占供給してきたが、今回新たに三営超精密がサプ
ライヤとして起用された。
鴻海は今年 4 月にも三営超精密に対して 2400 万米ドルの増資を行っており、今回の 2600
万米ドルと合わせると出資額は 5000 万米ドルに達する。
郭台銘氏は、鴻海集団のマンモス化に伴う機動力低下等を改善するため、グループ分割
計画を進めており、三営超精密のほか、プリント配線基板事業会社である臻鼎科技(旧
鴻勝科技)を今年 8 月に台湾で上場させる計画である。
【EMS】和碩、アップルから 1500 万台の iPhone 5 アッセンブリを受注
14
2011 年 7 月号
DIGITIMES 5-7-2011
世界第 6 位のノートパソコン ODM メーカーである和碩(Pegatron)は、アップルから 1500
万台の iPhone 5(含む iPhone 4S)を受注し、今年 9 月から出荷を開始することが明らか
になった。
和碩は昨年、CDMA iPhone 4 のアッセンブリ受注に成功し、工場、人員、設備を大幅に
拡張したものの、アップルの CDMA iPhone 4 の今年 1-3 月の売上実績が当初予想を大幅
に下回ったことから、和碩の今年 1-3 月の CDMA iPhone 4 出荷量は 400 万台にとどまっ
ているという。そのため、和碩の同期の設備稼働率も 50%、粗利率は 1.8%に低下して
いるという。
和碩は、これまでアップルからの iPad もしくは Macbook のアッセンブリ獲得に取り組ん
できたが、既存のアッセンブリメーカーである鴻海(Foxconn)のガードは固く、今のと
ころ具体的実績には繋がっていない。ただ、市場では、アップルが来年にはリスク分散
のため、和碩に一部 iPad アッセンブリを発注するとの見方をしている。
かつての親会社である華碩(Asustek)からのノートパソコン ODM が大幅な減少となって
いることから、和碩はノートパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)からの受注拡大に取り
組んでいるが、今年下期の受注量は 200 万台足らず、来年下期までには受注量は 600 万
台以上まで拡大したい考えだという。
ソニーPS3 の出荷減については、ソニーが PS4 の開発に着手したことは明らかになって
いるものの、従来型ゲーム機市場がアップルのタブレット PC により侵食されていること
から、ソニーが PS4 開発ペースは大幅にスローダウンするとの見方が出ている。
【EMS】ノート PC メーカー、調達困難予想から ODM から筐体購買権回収
DIGITIMES 4-7-2011
HP、宏碁(Acer)、Dell、華碩(Asus)といった世界の大手ノート PC ブランドメーカー
が、来年にかけて金属筐体の安定的な調達が困難になるとして、これまでノートパソコ
ン ODM メーカーに付与していた筐体の購買権を回収し、直接筐体メーカーに発注を行い
始めたことが明らかになった。
業界筋では、インテルが超薄型ノートブック Ultrabook の民生用ノートパソコン市場に
おける浸透率 40%達成を目指す中、ノート PC ブランドメーカーは超薄型ノート PC に不
可欠な金属筐体が今後調達困難になることを懸念しており、そのことが今回の筐体購買
権回収の背景にあると指摘する。
ノート PC ブランドメーカーは、CPU、ハードディスク、パネル、バッテリを含む 7 つの
コア部品については、これまで一貫して購買権を ODM メーカーに付与していない方針を
取ってきたが、筐体、放熱モジュール、ヒンジ等の周辺部品については、積極的に権限
を ODM メーカーに付与する方針を取ってきた。しかし、超薄型設計がノートパソコンの
新たなトレンドとなる中、需給逼迫が予想される筐体の購買権を ODM メーカーから回収
し、安定調達を確保することが必要になってきたという。
筐体メーカーによると、ノート PC ブランドメーカーは、筐体メーカーの生産能力を確保
するため、今年年末までの発注にとどまらず、来年上期分についても発注を計画してい
15
2011 年 7 月号
る、何れのノート PC ブランドメーカーも、来年上期以降に金属筐体の需要が急増するこ
とを予想しており、筐体メーカーからダイレクトで集中購買することで生産能力の確保
を有利にしたい考えだという。
大手筐体メーカーの鴻準精密(Foxconn Technology)は、金属筐体の生産能力拡張のた
め、1 万台の CNC(コンピュータ数値制御)工作機械導入を決め、CNC 工作機械台数を現
在の 9000 台から 19000 台にする。金属筐体大手の可成(Catcher)も今年年末までに CNC
工作機械の台数を 13000-15000 台に増やす計画である。
一方、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、英業達(Inventec)等のノー
トパソコン ODM メーカーは、ここ数年の収益性悪化から、筐体を自社生産する戦略を取
っており、需要が高まっている金属筐体の生産能力拡張を急いでいる。
【タブレット】国美、中国国内タブレット市場 1000 万台の 15%シェアを狙う
2011-7-5 中国法制晩報、台湾工商時報
中国の大手家電量販チェーンの国美電器は、中国地場メーカーが製造した自社ブランド
タブレット型パソコン FlyTouch 3 をアップル iPad の 5
分の 1 の 1000 元で市場に投入、販売開始 3 日間の販売台
数が 1 万台を突破したことを明らかにした。
FlyTouch 3 は、国美電器が昨年市場に投入した FlyTouch
の第 3 世代に当たり、グーグル Android 基本ソフト、7 イ
ンチタッチパネル搭載、電子書籍リーダー、デジタルフォ
トフレーム、インターネットブラウザ、ゲーム機などのマ
ルチ機能を有している。
国美電器副総裁の牟貴先氏は、中国国内での市場調査の結果、タブレット PC の価格を
2000 元とした場合、中国国内のタブレット PC 市場は 2000 万台以上に達すると見られて
いる、中国国内のタブレット PC 市場はその 7 割が既にアップルに支配されているが、華
為(Huawei)、中興(ZTE)、聯想(Lenovo)が相次いで低価格のタブレット PC を発表し
ていることから、国美電器は今後中国全土に展開している店舗網を使って地場ブランド
の低価格タブレット PC の普及を促進していく計画だという。
昨年末、国美電器は、第 2 世代 FlyTouch を市場に投入した際、FlyTouch 第 1 世代の昨
年 7 月から昨年年末までの FlyTouch の販売台数が 26 万台だったことを明らかにしてい
る。同時期に国美電器は販売したアップル iPad は 5 万台であるので、FlyTouch が同時
期にアップル iPad を上回る販売実績を上げていたことになる。
国美電器副総裁の牟貴先氏は、2011 年の世界のタブレット PC 出荷台数は 5000 万台、そ
のうち中国国内の出荷台数は 1000 万台に達すると予想、そのうち FlyTouch のシェアを
15%以上確保したい考えを明らかにした。
【液晶パネル】京東方、価格底這いで今年上期赤字 12.5 億元に拡大
2011-7-5 聯合知識庫
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2011 年 7 月号
先日 8.5 世代液晶パネル生産ラインを正式稼働させた中国地場最大の液晶パネルメーカ
ー、京東方(BOE)は、液晶パネル製品価格の底這い等により、今年上期の赤字が 12.5-13.5
億元に膨らむ見通しを明らかにした。
京東方は、過去 6 年間で 4 年間で赤字を計上、昨年の赤字は 20 億元に拡大している。
【タッチパネル】宸鴻/勝華、今月 500 万枚の iPad 2 用タッチパネルを出荷
DIGITIMES 5-7-2011
アップル製品タッチパネルのサプライヤである宸鴻科技(TPK)及び勝華科技(Wintek)
によると、和鑫光電(Sintek)、達虹科技(Cando)、奇美電子(CIC)を含めた今年 7 月の
iPad 2 用タッチパネルの出荷量は合計 500 万枚に達する見通し。
そのうち、宸鴻及び勝華の出荷量はそれぞれ 150 万枚前後、和鑫、達虹、奇美が残り 200
万枚前後を供給するという。
【PCB】信泰電子、西安 PCB 工場竣工 PC メモリモジュール基板供給開始
2011-7-5 陝西日報
韓国のメモリモジュール用プリント配線基板大手の Simmtech 社は、中国西安市ハイテ
ク区に建設していた現地法人、信泰電子(西安)有限公司の PC メモリモジュール基板製
造工場を竣工、近く生産を開始することを明らかにした。
信泰電子(西安)有限公司は、Simmtech 社が海外に建設した初の本格的生産拠点で、総
投資額は 1.01 億米ドル、従業員は 700 名、年間生産高は 2 億米ドルに達する見込み。3
期に分けて建設され、全てが完成すれば、プリント基板の年産能力は 60 万平方メートル、
PC メモリモジュール基板世界シェアは 33%に達する見込み。
西安ハイテク区には、マイクロン、アプライド・マテリアルズ、インフィニオン、華晶
電子などの海外の著名な半導体関連メーカーが進出しており、半導体設計産業の集積が
進んでいる。また、LED 分野でも、台湾最大のケーブルメーカーである華新麗華(Walsin)
は 2 億米ドルを西安ハイテク区に投じて LED チップ生産基地を建設しているほか、陝西
電子信息集団は 70 億元を投じて LED 照明産業基地を建設している。今回の韓国の信泰の
進出により、西安ハイテク区に IC チップ搭載基板の生産能力が形成されることになる。
【PCB】ガラスファイバ 3 社、ビルドアップの需要拡大受けて広東省に進出
2011-7-5 台湾経済日報
台湾上場の電子基板(PCB)用ガラスファイバメーカー、富喬(Fulltech)、建栄(Baotech)、
徳宏(Glotech)は、ビルドアップ基板の旺盛な需要を背景に、3 社とも中国華南地区の
広東省に新たな工場を建設する計画で、そのうち徳宏は来年初めにも広東省の新工場を
稼働する見通し。
徳宏は台湾上場の電子用ガラスファイバメーカーとしては唯一、中国内地に生産拠点を
有しており、江蘇省蘇州でガラスファイバの量産を行っているが、今般新たに広東省に
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2011 年 7 月号
進出している台湾ユーザー向けに恵州市に新工場を建設する計画。第 1 期の投資額は
1150 万米ドルで、近く着工、来年初めに稼働する通し。徳宏は、中国華東地区では PCB
用ガラスファイバの需要が拡大しており、同業大手の台玻(Taiwan Glass)、南亜(Nan Ya)
が既に生産基地を建設していることから、進出を決めたとしている。
一方、建栄、富喬は、それぞれ中国華南地区の中山市、東莞市に新工場を建設する計画
で、そのうち、富喬は既に東莞工場建設に向けて資金調達を開始している。一方、銅箔
張り積層板(CCL)大手の台光(EMC)、台耀(TUC)が進出している中山市に進出するこ
とを決めた建栄は、台湾域内工場の生産拡張を優先しており、中山市での工場建設につ
いては大きな進展はないとしている。
【PCB】台湾上場 PCB メーカー今年 5 月売上高一覧
台湾 TPCA 整理
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2011 年 7 月号
フレキシブル基板メーカー
台湾上場 PCB メーカー月次総売上高推移
年間売上高 100 億 NTD 以上の台湾上場 PCB メーカー月次売上高推移
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2011 年 7 月号
748 号 7 月 11 日
【液晶パネル】TCL、上期 TV 販売量前年比 1 割増 8.5G 試験生産開始
2011-7-8 新京報
中国地場大手テレビメーカーである TCL 集団は、今年上期の業績発表で、今年上期の純
利益が前年同期比 190-240%増の 4.6-5.4 億元、携帯電話等の通信機器の販売量が前年
同期比 38.64%増の 1500 万台余り、液晶テレビの販売量が前年同期比 13.15%増の 327.47
万台であったことを示すとともに、8.5 世代液晶パネル生産ライン生産事業会社である
華星光電が来月試験生産を開始することを明らかにした。
【タッチパネル】宸鴻、2Q 売上高 1Q 比 28%増 4Q は 400 億 NTD も視野
2011-7-8 聯合知識庫
アップル最大の静電容量式タッチパネルサプライヤである宸鴻科技(TPK)は 7 日、今年
6 月の連結売上高が過去最高の 116.27 億 NTD、4-6 月の連結売上高も 325.25 億 NTD で 1-3
月比 28%増、過去最高を更新したことを明らかにした。
今年下期にアップルが iPhone 及び iPad の出荷量を拡大すること、iPhone/iPad のバー
ジョンアップ機種を投入すること、さらに宸鴻がタッチパネル用保護ガラスの生産能力
を大幅に拡張していること、アップル以外のタブレット PC ブランドメーカーからも受注
を獲得していることなどから、宸鴻の今年下期の売上高はほぼ確実に上期を上回る見通
しとなっている。
市場は、宸鴻の今年 7-9 月の売上高が 4-6 月比 8%増の 349 億 NTD、粗利率は 16%、純
利益は 27-28 億 NTD と予想、今年 10-12 月の売上高は 400 億 NTD を突破し 420 億 NTD に
到達、純利益は 35 億 NTD に達する可能性があるとしている。
【タブレット】タブレット出荷量、前年比 2 倍予想 一部ノート PC ユーザー侵食
2011-07-08 電子元件技術網
台湾当局のシンクタンク、資策会(MIC)は、最新の研究報告を発表し、2011 年の世界
の PC 市場が 6.6%成長し全体の出荷量は 3.2 億台を超えるものの、タブレット PC 市場
が前年比 2 倍に成長し出荷量を 4800 万台まで達することから、ノート PC 市場の減速は
避けられないとの見方を明らかにした。
MIC シニア産業アナリストの魏伝虔氏は、2011 年の世界の PC 市場は全体としては昨年を
上回るものの、その原動力は産業用市場の買い替え需要によるもので、民生用市場の需
要は伸び悩んでいると指摘。鴻海(Foxconn)等の大手 EMS メーカーのノートパソコン
ODM への参入により、ノートパソコン ODM の利益率が低下していることから、一部の大
手ノートパソコン ODM メーカーが、売上高確保のため、液晶テレビやスマートフォン、
タブレット PC の ODM 事業に参入する動きが広がっている。
このほか、ノート PC を巡るプラットフォームの競争も過熱しており、マイクロソフトが
20
2011 年 7 月号
ARM 対応の Windows 8 を投入することから、インテル X86-Microsoft と ARM-Microsoft
の競争が激化する見通し。これらの動きを加速させている大きな要因となっているのが、
クラウドコンピューティングの普及であり、それによってユーザー端末のこれまで以上
の軽量化が可能となっている。この変化に台湾企業はどう対応すべきか。MIC シニア産
業顧問兼主任である沉挙三氏は、ノートパソコン市場は標準型が世界を席捲した時代が
終わり、カスタマイズ型が主流となる時代に入ってきた、台湾企業がカスタマイズ型で
も最高のサプライヤとなれるかが問われていると指摘する。また、タブレット PC がノー
ト PC 市場を侵食していることについては、タブレット PC の使用パターン実態調査によ
ると、タブレット PC の使用時間 100 分のうち、半分は映像鑑賞、3 分の 1 は睡眠前のイ
ンターネットブラウザが占めており、ノート PC の従来型の使い方とは異なることから、
ノート PC が全てタブレット PC に代わるという見方は間違っている、ただ、映像鑑賞/
インタネットブラウザに特化した目的ではタブレット PC を選ぶ消費者が多いことも事
実で、ノート PC 市場がこれまでのような高成長を持続することは難しいとしている。
【タブレット】モトローラ、在庫懸念からタブレット Xoom 価格を 1 割以上値下げ
DIGITIMES 8-7-2011
米国の携帯電話大手のモトローラは、32 ギガバイト Wi-Fi 対応 Xoom タブレット PC の販
売価格を 600 米ドルから 500 米ドルに引き下げることを発表した。台湾のノートパソコ
ン大手の華碩(Asus)が Eee Pad Transformer タブレット PC を 400 米ドルで米国市場に
投入したことへの対応策と見られている。
タブレット PC ブランドメーカーには、アップルの第 3 世代 iPad 及びグーグルの新基本
ソフト Ice Cream Sandwich 搭載タブレット PC が投入される前に既存製品の在庫を極力
減らしておきたいとの思惑が働いており、販売価格の大幅引き下げにつながっていると
いう。
市場では、ノートパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)も、年内の出荷目標 250 万台達成
のため、来月にもタブレット機種 Iconia の値下げに追い込まれると見ている。宏碁が今
春に投入した Iconia の 6 月末までの出荷量は 30 万台にとどまっており、今年下期に 220
万台を達成するのは至難の業と見られている。また、東芝も Android 3.0 採用の AT100
タブレットの値下げを計画しているという。
【スマホ】華為、今年のスマホ出荷目標を 1500 万台から 2 千万台に拡大
2011-7-8 台湾工商時報
世界第 2 位、中国最大の移動通信設備メーカーである華為(Huawei)は、今年の Android
スマートフォンの出荷量を 4 月時点の 1200-1500 万台から一気に 2000 万台に拡大するこ
とを発表、端末機事業を大幅に拡張する計画を明らかにした。
華為の端末機事業営業本部長である徐昕泉氏は、今年上期の華為傘下の Android スマー
トフォンの中国国内における販売実績は当初予想を大幅に上回ったことから、今年通年
のスマートフォン出荷量目標を 2000 万台に引き上げることを決めた、通信端末機事業の
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2011 年 7 月号
売上高も前年比 40%増の 60 億米ドルに達する見通しを明らかにした。
華為の昨年の Android スマートフォンの出荷量はわずか 330 万台で、Android スマート
フォン世界市場におけるシェア順位は 5 位にとどまっている。また、華為の昨年のグル
ープ全体の売上高は約 280 億米ドルであるが、そのうち端末機事業の売上高は 17%に過
ぎない。
移動通信設備から事業を開始した華為は、近年、端末機事業への投資を急速に拡大して
おり、携帯電話 ODM 事業に参入しているほか、今秋には英国で自社ブランドの Android
スマートフォンを投入、また自社ブランドのタブレットパソコン MediaPad も発表してい
る。徐昕泉氏は、華為の中期目標は出荷量で世界 3 位の自社ブランド携帯電話メーカー
になることとしている。
【スマホ】聯発、3G でクアルコム、2G/2.5G で展訊の台頭でスマホ市場参入
2011-7-8 中国半導体産業協会
携帯電話チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、かつて中国内地で生産される White-box
を含む低価格 2G 携帯電話チップ市場では、世界大手のクアルコム(Qualcomm)、テキサス
インスツルメンツ(TI)でさえ対抗することができない圧倒的なシェアを誇ったが、3G 携
帯電話チップではクアルコムの台頭、2G/2.5G 携帯電話チップでも中国地場の展訊
(Spreadtrum)の追い上げにより業績が急速に悪化していることから、売上高確保のた
め、新コンセプトのスマートフォン市場に参入することを明らかにした。
聯発科技が投入するスマートフォンは、従来型の機能性携帯電話と低価格スマートフォ
ンの中間に位置するポジショニングを取っており、3G 機能はなく、Android にも対応し
ていないスペックで低コストを実現しているが、チップの処理速度が 400MHz 未満である
ことから、3D ゲームや高解像度の映像を処理することができないという欠点もある。
市場は、聯発科技がこの種のスマートフォンを投入するのは単に売上高を確保するため
の一時的対応策で、投入されるスマートフォンは低価格スマートフォンよりも安価な超
低価格スマートフォンになるものの、市場からは、中国内地の TCL、中興(ZTE)等の大
手ブランドメーカーが既に 1000 元以下の低価格 3G スマートフォンを投入していること
から、聯発科技の超低価格スマートフォンの市場性には疑問が出ている。
【スマホ】光洋、iPhone5 用 IGZO ターゲット材受注 生産能力 5 倍に拡張
2011-7-8 聯合知識庫
スパッタリング法で薄膜を形成する際の原料となるターゲット材料大手の光洋応用材料
は、アップル iPhone 5 タッチパネル用高価格 IGZO ターゲット材料を受注したことを明
らかにした。また、光洋応用材料が開発した NB205 ターゲット材料でも、三星から液晶
テレビ用パネルのターゲット材料を独占受注したことを明らかにした。
同社の IGZO ターゲット材料を使ったタッチパネルは、移動時にもクリアな画像を再現で
きることから、スマートフォンに適した製品として注目されている。
光洋応用材料は、タッチパネルの需要が急増する中、月産能力を 2 トンまで拡張したが、
22
2011 年 7 月号
それでも需要に対応できないことから、月産能力を現在の 2 トンから 10 トンに 5 倍に拡
張することを決めている。来年年末までに月産能力を 15 トンまで拡張、2013 年には月
産能力を 30 トンとすることで、世界 3 位以内の ITO ターゲット材メーカーとなることを
目指している。
【電子紙】元太、6 月売上高 5 月比 14%増 上期売上高前年比 7 割増
2011-7-8 聯合知識庫
電子書籍リーダー用電子ペーパー最大手の元太科技(Prime View)の今年 6 月の連結売
上高が 23.75 億 NTD で、5 月比 13.87%増、昨年同期比 40%増、1-6 月の累計連結売上高
は 170.12 億 NTD で前年同期比 67%増となった。
元太董事長の劉思誠氏は、殆どの市場調査機関が今年の世界の電子書籍リーダー市場が
前年比 2 倍に成長すると予測しており、タブレット PC の影響は小さい、両者の関係は潰
しあうものではなく、逆にシナジーを生み出す関係にあるとの見方を示した。
【LED】鴻海、鑫 晶鑽/兆晶合併でサファイア基板世界生産シェア 3 位に
台湾経済日報 2011.07.08
EMS 最大手の鴻海集団(Foxconn)は 7 日、LED 事業の強化策として、傘下のサファイア
基板材料製造の鑫晶鑽(ACTC)と兆晶(TXT)を合併、合併後の新会社は同業の中美晶(SAS)、
越峰(ACME)を抜いて台湾最大、世界 3 位のサファイア基板メーカーとなることを明ら
かにした。
兆晶は 2 年前にサファイア基板事業に参入したものの、原料を海外大手の Rubincon に過
度に依存していたため、サファイアインゴットを生産する鑫晶鑽を設立、原料の安定調
達を図ってきた。兆晶は主に 2 インチサファイア基板を生産しているが、4 インチ、6
インチ製品のカスタマイズも行っている。製品の約 8 割は台湾域内で販売している。
【太陽電池】晶龍、独自技術の高性能準単結晶シリコン電池の量産開始
中国化工報 2011-7-8
世界最大の太陽電池メーカーである晶龍集団晶澳(JA Solar)は、100%独自に開発した
エネルギー転換効率 17.5%の高性能多結晶シリコン太陽電池、晶楓(Maple)の量産を
開始したことを明らかにした。
晶澳は、欧州諸国が太陽光発電に対する補助金をカットする政策を打ち出す中、シリコ
ン生産コストの削減が大きな課題となる中、今年 3 月に大口径の準単結晶(擬似単結晶)
シリコンインゴット技術の開発に成功、低コストで高エネルギー転換効率を実現。
晶楓ブランドの高性能多結晶シリコン電池を使えば、60 枚のモジュールで出力は 250 ワ
ット、72 枚のモジュールで出力は 300 ワット以上となる。モジュールのエネルギー転換
効率は 15%以上に達しており、単結晶シリコン製品に近い性能を発揮している。
23
2011 年 7 月号
【PCB】滬士電子、香港先創から昆山先創利電子の 100%持分を取得
2011-7-6 中国 PCB 産業協会
台湾のプリント配線基板メーカー、楠梓電子傘下の滬士電子股份有限公司は 4 日、先創
香港から昆山先創利電子有限公司の 100%の持分を約 4200 万元で取得したことを明らか
にした。
【半導体】富霖集団、ハルピンに 4.3 億米ドル投じ半導体産業基地建設
2011-7-8 中国半導体産業協会
台湾のベンチャーキャピタル、富霖国際集団は、中国黒龍江省ハルピン市のハイテク区
に 4.3 億米ドルを投じて半導体産業基地を建設することで同区と正式に契約を締結した。
749 号 7 月 13 日
【タブレット】アップル、iPad のアッセンブリを広達/和碩に分散することを検討
DIGITIMES 11-7-2011
来年には HP を抜いて世界最大のノート PC/タブレット PC メーカーとなることがほぼ確
実なアップルは、これまで発注を鴻海(Foxconn)に限定してきた iPad のアッセンブリ
をノートパソコン ODM 最大手の広達(Quanta)、同業第 6 位の和碩(Pegatron)に分散さ
せることを検討していることが明らかになった。このうち、和碩については、既にアッ
プルの iPhone 5 のアッセンブリを受注していることから、iPad のアッセンブリ受注確
立が高いと見られている。
アップルは、鴻海が成都工場で死者 3 人を出す爆発事故を起こしたことから、アッセン
ブリを複数企業に分散発注する方針を固め、新たなパートナー選定を開始しているとい
う。今年 9 月に市場に投入する iPad 2 plus は、iPad 2 に比べ薄型となり、最新のパネ
ルも搭載すると見られている。アップル iPad シリーズの累計出荷量は今年 9 月末には
1300 万台に達する見通し。
【タッチパネル】奇美、6 月の iPad タッチパネル出荷量 40-50 万枚に達する
DIGITIMES 8-7-2011
世界第 4 位の大型液晶パネルメーカーである台湾の奇美電子(Chimei Innolux)は、今
年 6 月の iPad 2 用タッチパネルの出荷量が 40-50 万枚に達したことから、4-6 月の業績
は 1-3 月に比べ大幅に改善するとの見通しを明らかにした。
なお、今年 6 月の台湾メーカーの iPad 2 用タッチパネル出荷量は合わせて約 500 万枚に
達し、内訳は、宸鴻(TPK)が 140-150 万枚、勝華(Wintek)が 140-150 万枚、達虹(Cando)
が 100-110 万枚、和鑫(Sintek)が 40-50 万枚、奇美が 40-50 万枚だった。
24
2011 年 7 月号
【ノート PC】広達、重慶に物流センター建設 緯創も重慶工場建設を前倒し
DIGITIMES 11-7-2011
ノートパソコン ODM 世界最大手の広達(Quanta)の今年 6 月のノート PC 出荷量は前月比
6.38%増の 500 万台、同業第 3 位の緯創(Wistron)のノート PC 出荷量は同 14.29%増の
280 万台に達した。
また、広達は、HP/宏碁 2 社が進出する中国重慶市に 100 万米ドルを投じ、物流センター
を建設することを決め、緯創も重慶工場の建設資金を含む 5.5 億米ドルの資金調達を行
い、重慶工場の建設を前倒しすることを決めている。
【ノート PC】英業達、HP 向けタブレット出荷増で 6 月売上高前月比 22%増
DIGITIMES 8-7-2011
ノートパソコン ODM 世界第 4 位の英業達(Inventec)は、HP 向けタブレット PC の出荷
量が伸びたことから、今年 6 月の売上高が 321.7 億 NTD(11.2 億米ドル)となり、前年同
月比では依然 7.4%減とはなっているものの、前月比 22.3%増まで業績が回復したと発
表。1-6 月の売上高も 1599.4 億 NTD で前年同期比 4.7%増、6 月のタブレット PC を含め
たノートパソコンの出荷量は 140-150 万台だった。
【携帯電話】中興/華為/聯想、中国移動の 3G 機種 1000 万台を受注
DIGITIMES 8-7-2011
中国地場の大手携帯電話メーカーである中興(ZTE)、華為(Huawei)、聯想(Lenovo)は、
中国最大の移動通信キャリアである中国移動の TD-SCDMA 3G 機種 1000 万台を受注したこ
とを明らかにした。単価は約 1000 元(152 米ドル)と見られている。
【太陽電池】深圳 浩徳、滁 州市に 55 億元投じ薄膜太陽電池工場建設
2011-7-11 中国半導体産業協会
中国深圳市の新エネルギー開発企業である浩徳集団傘下
の浩徳新能源有限公司は 6 日、安徽省滁州市の産業移転モ
デルパークに 55 億元を投じ、第 3 世代 CIGS 薄膜太陽電
池生産基地を建設することで、正式に同区管理委員会と
契約を調印した。
CIGS 薄膜太陽電池は、各種薄膜太陽電池の中でもエネル
ギー転換効率が最も高い技術といわれ、中国内地でも投
資が積極的に行われている。深圳浩徳新能源有限公司の
滁州市の CIGS 薄膜太陽電池生産基地は、完成すれば、年
間 60 億元の生産高を見込んでいる。
深圳市浩徳集団は、2002 年に設立、傘下の 100%子会社には深圳市浩徳環保技術有限公
25
2011 年 7 月号
司、深圳市浩徳輸出入有限公司、深圳市巨鍵機械設備有限公司、寧夏浩徳環保工程有限
公司があり、経営支配権を保有する企業には深圳市金兆典当有限公司があり、複合企業
と称されている。深圳浩徳集団:www.szhaode.com/
【太陽電池】陽光能源、青海省ゴルムド太陽光発電所向け 20MW 受注
2011-7-12 中国半導体産業協会
中国遼寧省錦州市の太陽電池材料メーカーである陽光能源(Solargiga)は、青海省ゴル
ムド市の年間出力 20 メガワットの太陽光発電所向け太陽電池を受注したことを明らか
にした。
また、陽光能源傘下の錦州錦懋光伏科技が、青海黄河水電が青海省ゴルムド市に建設し
ている年間出力 250 メガワットの太陽光発電所向け太陽電池モジュールを受注したこと
も明らかにした。
【LED】億光、中国内地に 2 つの自社ブランド LED 照明製品を同時投入
DIGITIMES 11-7-2011
台湾最大の LED 実装メーカーである億光電子(Everlight)は、中華圏向けブランド
Everlight 及び欧米向けブランド Zenaro の 2 つの自社ブランドの LED 照明製品を同時に
中国内地市場に投入することを明らかにした。
億光電子董事長の Robert Yeh 氏は、福島原発事故を契機に LED 照明の需要が回復してい
る、台湾当局は LED 照明に対して助成金などの積極財政策を打ち出して台湾企業が LED
照明製品でも世界をリードすることができる環境づくりをすべきとの考えを示した。
【LED】LED メーカー、LED テレビ/照明需要伸び悩みで計画を下方修正
台湾経済日報 2011.07.10
LED バックライト液晶テレビの需要が当初予想したほど伸びていないことから、液晶テ
レビメーカー各社は今年の液晶テレビの LED バックライト浸透率は予想した水準には達
しないとしており、LED チップの在庫水準が急上昇、生産能力の拡張が続いているサフ
ァイア基板の価格下落が加速している。
市場では、サファイア基板価格が 7-9 月に 15-20%下落、10-12 月にさらに 10-15%下落
すると予測されており、関連するサファイアインゴットメーカーがサファイア在庫の減
損処理を余儀なくされると見ている。
台湾の大手サファイア基板メーカーである越峰(ACME)、兆遠(Crystalwise)、鑫晶鑽
(Alphaxtal)、合晶(Wafer Works)等は、下半期は稼働率が大幅に低下するとしており、
生産拡張を減速する方向に方針を転換することを明らかにしている。
晶元(Epistar)、璨圓(Forepi)等の LED チップメーカー及びウエハメーカーも、メー
カーにより状況に差異はあるものの、LED 需要の伸び悩みに伴う在庫の増加、価格の低
下に敏感になっているという。
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2011 年 7 月号
LED 業界は当初、LED バックライトと冷陰極管(CCFL)バックライトの価格差が縮まれば、
CCFL テレビの LED テレビへの買い替えが進むと予想していたが、実態は CCFL から LED
への転換はそれほど進まんていないという。その原因として、CCFL と LED の価格差の縮
小が思ったほど進まなかったこと、また予想以上に欧米経済の停滞が長引きそうである
こと、中国経済も減速し始めていることなどが響いているという。さらに、当初有望と
見られていた LED 照明についても、建築及び家庭の購入意欲が当初予想したよりも低く、
販売が伸び悩んでいるという。
LED 産業会は、今年の LED テレビの浸透率は 47%、LED 照明の浸透率は 6%と予想、生産
高はそれぞれ 650 億 NTD、493 億 NTD、前年比増加率はそれぞれ 20%、52%と予想してい
たが、直近の実績から、LED テレビの浸透率は 38%、生産高は 336 億 NTD、増加率は 6%
程度にとどまると見られている。
業界では、今年 7-9 月の LED 生産高は前月を下回る可能性があり、需要の停滞は来年前
半まで続くと見ており、その結果として価格の大幅な下落が避けられないとしている。
また、販売価格のもう一段の下落がなければ、新たな需要が喚起されないとしている。
【LED】台湾 LED メーカー、市場獲得狙った中国内地への投資を拡大
DIGITIMES 8-7-2011
ここ数年、台湾の LED チップメーカーの中国内地への投資が急増していることから、台
湾の LED 関連メーカーの対中国投資額が累計で 400 億 NTD(13.9 億米ドル)に達したこと
が明らかになった。
数年前まで台湾 LED メーカーの中国内地進出は実装が主で、その目的の多くは安い労働
力を求めたものであったが、ここ数年の中国内地進出は市場開拓を目的とした投資が増
えている。中国政府の MOCVD 設備 1 台当たり 1 千万元という手厚い助成金制度も手伝っ
て、晶元(Epistar)、璨圓(Formosa Epitaxy)といった台湾の大手 LED チップメーカー
が相次いで中国内地のテレビメーカーとの合弁を発表しているほか、億光(Everlight)、
東貝(Unity Opto)、光宝(Lite-On)、広鎵(Huga)、艾笛森(Edison)等の大手 LED 実
装メーカーも、これまでの単独投資とは異なる、中国内地企業との合弁を通じた中国内
地市場の開拓を積極的に行い始めている。
ただ、中国政府の手厚い助成金政策は、中国地場メーカーの無計画な投資を増やす結果
にもなっており、バブルに陥っているという指摘もある。今年 6 月末現在の中国地場メ
ーカーの MOCVD 設備保有台数は世界全体の 15%を占めるまでに急増、2009 年末時点では
同比率は 3%であったので、わずか 1 年半で 5 倍以上に増えたことになる。
こうした LED 事業を行っている中国地場メーカーは、国内では獲得することが難しい LED
エピタキシャル生産技術を台湾企業のエンジニアを通じて獲得しようとしており、高い
給与で引き抜くケースが増えている。
世界第 4 位の LED チップメーカーである晶元(Epistar)董事長の Lee Biing-Jye 氏は、
中国地場メーカーは、エンジニアの定着率が低いため、技術改善が進まないという問題
を抱えていると指摘、他方、璨圓の董事長の Frank Chien 氏は、中国地場メーカーは高
賃金で台湾人のエンジニアを獲得しようとしているが、獲得できたとしても、台湾人の
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2011 年 7 月号
エンジニアが中国地場メーカーで台湾企業で働いていたように働くことは簡単ではない
と指摘する。
【半導体】展訊通信、中国移動の TD-SCDMA チップ 400 万枚を受注
2011-7-12 中国半導体産業協会
中国地場最大の携帯電話チップ設計メーカーである上海展訊通信(Spreadtrum)は、中
国移動の 400 万枚の TD-SCDMA チップを受注した。
展訊通信の今年 6 月の TD-SCDMA チップ出荷量は予想を大幅に上回る見通しで、GSM チッ
プも含めた 6 月の総出荷量は 1700 万枚に達する見通し。
【電池】鴻海、原瑞電池に 1800 万米ドル出資 リチウム電池事業に参入
2011-07-08 中国新聞網、台湾工商時報
世界最大の EMS 企業である台湾の鴻海集団(Foxconn)董事長の郭台銘氏は、世界最大の
ノートパソコン PC 用バッテリモジュールメーカーである新普科技(Simplo)への資本参
加に続いて、リチウム電池メーカーである原瑞電池に 1800 万米ドルの資本参加を行うこ
とを明らかにした。
750 号 7 月 15 日
【タブレット】アップル、鴻海への発注量を拡大 3Q 出荷量を上方修正
2011-7-12 台湾工商時報
アップルが、iPhone/iPad アッセンブリパートナーである鴻海(Foxconn)への発注量を
拡大、7-9 月の iPhone 出荷量を 1800 万台から 2500 万台に拡大、7-9 月の iPad 出荷量を
1200 万台から 1800 万台、10-12 月の iPad 出荷量は 1300 万台から 1800 万台に拡大した
と見られている。これにより、鴻海のアップル向け売上高は同社の総売上高の 50%近く
を占めることになるという。
アップル製品の出荷が伸びていることで、鴻海の今年 6 月の売上高は 2280 億 NTD、前月
比 14%増、前年同月比 16%増と大幅増を達成している。
鴻海はここ数年、投資家からの収益性が低下しているとの指摘を受けて、利益率の低い
アッセンブリを受けない方針を取っており、今年 6 月のアップル製品以外の製品の売上
高は前年比減となっている。そのため、アップル製品の売上高が鴻海の売上高全体に占
める割合は、今年 10-12 月には 45%に達すると見られている。
また、鴻海は、アップル製品の ODM 価格の引き上げにも成功、さらに iPad アッセンブリ
の歩留まりの改善、筐体からカメラモジュール、カメラレンズ、コネクタに至る部材の
自社生産により、収益率を上げている。iPad アッセンブリの営業利益率は、昨年はマイ
ナスだったが、今年は 2.5-3%に改善、iPhone アッセンブリの同比率も 4%に達する見
通し。
28
2011 年 7 月号
【タブレット】RIM、7 型タブレット販売不振で 10 型投入凍結 部材に影響
2011-7-13 中国半導体産業協会
スマートフォン大手のカナダ RIM が、タブレットパソコン Playbook の 7 インチ機種の販
売が不調を理由に、当初計画していた 10 インチ機種の投入を凍結していることが明らか
になった。
RIM の 7 インチ PlayBook の今年 3-5 月の出荷量は予想を大幅に下回る 50 万台程度にと
どまっているという。PlayBook のアッセンブリを行っているノートパソコン ODM 最大手
の広達(Quanta)、コネクタを供給している正崴(FOXLINK)および矽瑪(SIMULA)、フレ
キシブル基板(FPC)を供給している嘉聯益(Career)および毅嘉(ICHIA)等が、10 イ
ンチ機種の投入凍結の影響受けると見られている。
タブレット PC のアッセンブリは、RIM が広達、アップルが鴻海(Foxconn)、Dell が仁宝
(Compal)および緯創(Wistron)、宏碁(Acer)が仁宝、ソニーが今年秋に投入する Sony
Tablet は広達、HP の TouchPad は英業達(Inventec)に委託している。
一方、中国内地では White-box タブレット PC 市場が勢力を急速に拡大しており、ここ 3
ヶ月の出荷量は 200 万台を超えている。White-box メーカーも急速に生産能力を拡張し
ており、創意電子(Global Unichip)、聯発(Mediatek)、聯陽(ITE)、義隆(ELAN)
、威
盛(VIA)等の台湾の主要 IC 設計メーカーが White-box タブレット用チップ市場に参入
を表明している。
White-box タブレット PC 市場に参入しているのは、IC 設計メーカーにとどまらず、ノー
トパソコン及びマザーボートを生産している技嘉(Gigabyte)、精英(ECS)、大衆(FIC)
等の ODM メーカー、タッチパネルの富晶通(TRANSTOUCH)
、全台晶像(Emerging Display
Technologies:EDT)、牧東光電(Mutto Optronics)は、White-box タブレット PC の ODM
市場に参入している。
【タブレット】和碩、鴻海攻勢で年内 iPad 3 アッセンブリ受注は難しい情勢
DIGITIMES 13-7-2011
ノートパソコン ODM 世界第 6 位の和碩
(Pegatron)は、アップル iPhone 5(あるいは iPhone
4S)アッセンブリ 1000 万台以上を受注できる見通しだが、期待された iPad については
鴻海(Foxconn)の激しい値下げ攻勢により年内受注は困難であることが明らかになった。
ただ、来年以降の第 4 世代 iPad もしくは MacBook の受注については可能性があるととし
ている。
【タッチパネル】静電容量式タッチパネルメーカー、年末に 60 社超える見通し
2011-7-14 中国半導体産業協会
大手市場調査機関 DisplaySearch によると、今年の世界のタッチパネル生産高は 134 億
米ドルで前年比 90%の成長となる見通し。ただ、新規参入ラッシュにより、今年年末に
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2011 年 7 月号
は世界の静電容量式タッチパネルメーカーの数は 60 社を超えると見られており、価格の
下落が加速することが予想されている。また、DisplaySearch ディスプレイ技術アナリ
スト Jennifer Colegrove 氏は、タッチパネルの大量生産、それに伴う価格の低下により、
タッチパネルの応用領域はデスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、家庭用ゲーム
機に拡大していくと予想している。
アップル iPhone/iPad で普及が進んでいる静電容量式タッチパネルの出荷量は爆発的に
増えており、今年は前年比 2 倍に達し、タッチパネル生産高全体に占める割合も 70%に
達する見通し。
タッチパネル市場を応用領域別に見ると、今年の携帯電話向けタッチパネル出荷量は前
年比 68%増の 8.68 億枚に達し、タッチパネル出荷量全体の 7 割近くを占めると見られ
ている。また、タブレット PC 向けは昨年 2600 万枚に達したが、今年はその 3 倍近くの
7200 万枚に達すると見られている。
【EMS】鴻海、iPad 2 出荷好調で 2Q 売上高が 1Q 比 11%増となる
2011-7-11 台湾钜亨網
世界最大の EMS メーカー、鴻海(Foxconn)は、アップル iPhone、iPad 2 等の製品の出
荷が好調だったことから、今年 6 月の売上高が 2284 億 NTD で、前月比 13.88%増となっ
た。上半期の売上高も、伝統的閑散期とされる 4-6 月の売上高が 1-3 月比 11%増の 6339
億 NTD に達したため、前年同期比 28%増の 27.831.18 兆 NTD となった。
業界では、和碩(Pegatron)が今後アップル製品の ODM を増やす見通しで、鴻海の業績
に少なからず影響すると見られているが、和碩の受注量が 100 万台前後であれば、鴻海
の業績への影響は小さいと見ている。
鴻海集団は、今年の経営目標として、カメラ、タッチパネル等の重要部品の自社生産を
開始するほか、流通小売事業を積極的に進めており、広宇およびその傘下の賽博数碼を
通じて、中国内地に販売網を展開している。また、台北のインフォメーションパークに
38 億 NTD を投じて 12 階建てのビルを建設しており、1-7 階を商業用スペース、残り 5
階を鴻海集団の開発、製造、販売、管理部門の研修センターとして使用することを明ら
かにしている。
【ノート PC】広達/仁宝、上期出荷量は目標を達成するも売上高未達
2011-7-12 台湾経済日報
ノートパソコン ODM の主要メーカーの今年上半期のノートパソコン出荷量は、業界首位
の広達(Quanta)が 2740 万台、業界 2 位の仁宝(Compal)が 2100 万台で、ほぼ当初予
想通りの実績となったが、広達、仁宝の今年上半期の売上高はどちらも昨年同期を下回
り、仁宝の上半期売上高は 3331.25 億 NTD で前年同期比 24%減、広達の今年上半期の売
上高は 5181.7 億 NTD で同 3.3%減となった。
今年 6 月の売上高については、大手各社とも 5 月を上回り、中でも業界第 4 位の英業達
(Inventec)の 6 月の売上高は HP のタブレットパソコン出荷開始により前月比 22%増、
30
2011 年 7 月号
業界第 3 位の緯創も今年 4-6 月の連結売上高が 1-3 月比 16%増となった。また、広達の
6 月のノートパソコン出荷量は 500 万台の大台を突破し、5 月の 470 万台に比べ 6.3%増、
売上高も 889.8 億 NTD で前月比 3%増となったが、前年同月比では 11.2%減にとどまっ
ている。仁宝の 6 月のタブレットを含むノートパソコンの出荷量は 360-370 万台で 5 月
とほぼ同水準、売上高も 570.3 億 NTD で前月比 2.8%増だったが、前年同月比では 23%減
となっている。
また、広達の 4-6 月の出荷量は 1430 万台、1-3 月の 1310 万台に比べ 9.1%増、4-6 月の
連結売上高は 2669 億 NTD、1-3 月比 6%増で、ほぼ当初予想どおりの実績となった。仁
宝の今年 4-6 月のタブレットパソコンを含むノートパソコン出荷量は 1080 万台で、1-3
月の 1020 万台に比べ 5.8%増となり、当初予想の 5%増を上回り、4-6 月の売上高は 1693
億 NTD で 1-3 月比 3.2%増だった。緯創の 4-6 月のノートパソコン出荷量は 745 万台、
1-3 月比 12.8%増だった。
各社の 7-9 月の見通しは、広達はアップルの MacBook の出荷がけん引するとして出荷量
は 4-6 月比 5-10%増、仁宝は宏碁および聯想向けタブレットパソコン出荷増により同
5-10%増になるとしている。また、緯創はデルの企業向け機種の出荷増により 1-3 月比
10%増を見込んでいるという。
【パソコン】宏碁、余剰在庫問題で 2Q 売上高がリーマンショック後の水準に
台湾経済日報 2011.07.12
ノートパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)は、欧州市場の余剰在庫処理に追われたこと
から、今年 4-6 月の単体売上高が 960.69 億 NTD で、1-3 月比 5.9%減となり、2009 年 1-3
月以降では初めて単体売上高が 1000 億 NTD を割り込んだことを明らかにした。
宏碁の 6 月の単体売上高は 319.39 億 NTD で、5 月比 10.63%減、昨年同期比では 28.09%
の大幅減となり、台湾の 5 大電子メーカーの中で唯一 6 月の売上高が前月を下回った。
上半期の売上高は 1982 億 NTD で前年同期比 27.06%減だった。
4-6 月の純利益については、欧州市場の余剰在庫処理に伴って 1.5 億米ドルの損失を計
上したことから、赤字になることを明らかにしている。
宏碁董事長の王振堂氏は、4-6 月のパソコン出荷量が 1-3 月を下回ること、7-9 月も余剰
在庫の処理が続くことから、4-6 月とほぼ変わらない業績となるとしており、業績が好
転するのは早くとも今年 10-12 月以降になるとしている。
タブレット PC の出荷量目標 250-300 万台についても、市場から楽観的過ぎる、良くても
100 万台程度との指摘がされている。宏碁の本格的業績回復は、マイクロソフトの
Windows 8 投入以降になる可能性も出ている。
【パソコン】聯想、2Q パソコン出荷量 23%増 宏碁抜き出荷量順位 3 位に
2011-7-14 DJ 財経済知識庫
大手市場調査機関 IDC は 13 日、今年 4-6 月のパソコン市場調査結果を明らかにし、宏碁
31
2011 年 7 月号
(Acer)の出荷量が前年同期比 10.1%減となったことから、出荷量を同 22.9%伸ばした
聯想(Lenovo)に抜かれ、出荷量順位が 4 位に転落したことを明らかにした。一方、華
碩(Asustek)の出荷量は前年同期比 6.0%増となり、東芝を抜いて出荷量順位 5 位に躍
進した。
なお、今年 4-6 月の世界全体のパソコン出荷量は 8441.3 万台で前年同期比 2.6%増にと
どまった。今年 4-6 月の主要パソコンブランドメーカー5 社の出荷量(単位:千台)順
位は以下の通り。
順位 メーカー
2Q 出荷量 シェア 前年同期比
1
HP
15,263
18.1%
3.0%
2
Dell
10,927
12.9%
2.8%
3
Lenovo
10,276
12.2%
22.9%
4
Acer Group
9,160
10.9%
-10.1%
5
ASUS
4,468
5.3%
6.0%
【太陽電池】賽維、ムーディーズから投資リスク上昇企業にリストアップされる
2011-7-13 中国半導体産業協会
中国地場の大手太陽電池用シリコンウエハメーカーである江西賽維 LDK は、大手格付け
会社であるムーディーズから、資金繰りが悪化していることから投資リスクが上昇して
いる米国上場企業にリストアップされたことが明らかになった。
米国に上場している浙江省の昱輝陽光(Rene Solar)も、シリコンウエハ価格の下落、
太陽電池モジュール価格の下落により、今年 4-6 月の業績予想を下方修正することを発
表、出荷量予想を当初の 330-350 メガワットから 290-300 メガワットに、売上高予想も
当初の 2.8-3.0 億米ドルから 2.35-2.45 億米ドルに下方修正している。粗利率も 25-27%
から 17-19%に下がるとしている。同業大手の中電光伏も 4-6 月の出荷量および粗利率
を下方修正している。
市場では、中国地場の太陽電池メーカーが販売を欧州市場に過度に依存していることか
ら、緊縮財政に伴う欧州市場の縮小に伴って、一部のメーカーが債務不履行に陥る可能
性があると指摘している。
751 号 7 月 20 日
【液晶パネル】LGD、広州市の第 8 世代 LCD 生産ライン建設を年内開始
2011-7-15 一財網
世界第 2 位の大型液晶パネルメーカー、LG Display は、液晶パネル市場が今年下期には
好転するとして、今年 3 月に建設を凍結した広州市の第 8 世代 LCD 生産ラインを年内に
着工、2012 年末には正式稼働する計画を明らかにした。
LG Display の広州市での第 8 世代 LCD 生産ラインは、2009 年の契約では、投資総額は
40 億米ドル、年産能力はガラス基板換算 12 万枚、主に 50 インチ液晶テレビ用パネルを
32
2011 年 7 月号
生産するとされている。
【液晶パネル】天馬、厦門に 70 億元投じ LTPS 5.5 世代 LCD 工場建設
2011-7-18 中国半導体産業協会
中国地場の中小型液晶パネルメーカーである天馬微電子は、今年 2 月の NEC の液晶パネ
ル事業買収に続いて、中国福建省厦門市に 70 億元を投じて有機 EL パネル用 5.5 世代 LTPS
(低温ポリシリコン)液晶パネル工場を建設することを発表した。
有機 EL パネルの大型化は、原材料が高価格であるとともに、歩留まりの改善が難しいこ
とから低コスト化、大量生産が進んでおらず、製品の普及も進んでいない。アップル
iPhone が有機 EL パネルではなく、IPS 液晶パネルを採用しているのも、その最大の理由
は有機 EL パネルの供給が不安定であるためといわれている。
ただ、IPS 液晶パネル、有機 EL パネルいずれも、ベースとなっているのは LTPS パネル
であることから、高解像度を求められるスマートフォンにとっては、LTPS パネル需要は
今後も確実に拡大し続けると見られている。
DisplaySearch は、スマートフォンの普及に伴って、LTPS パネルの需給がタイトになっ
ている、このタイトな状況は 2013 年頃まで続くとしている。また、下落基調にある中小
型パネル市場において、中小型 LTPS パネルだけは価格が上昇しているという。
また、天馬微電子は、上海天馬に月産能力がガラス基板換算 1000 枚の 4.5 世代有機 EL
パネル試験生産ラインを完成させている。
【液晶パネル】鴻海、シャープと折半で液晶パネル合弁 部材を共同で調達
2011-7-18 中国半導体産業協会
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)が日本のシャープと折半出資で年内に台湾域
内に合弁企業を設立、共同でテレビ用液晶パネルに必要なガラス基板、カラーフィルタ
等の部品・原材料の調達を行い、コスト削減及び技術提携を図ることが明らかになった。
DisplaySearch によると、昨年のシャープと鴻海傘下の奇美(Chimei Innolux)の大型
液晶パネル世界市場シェアは合わせて 24.5%であるので、両社が合併すれば、世界最大
の三星電子に肉薄する大型液晶パネルメーカーになる。
なお、両社は先般、円高の影響を受けない奇美電子が過当競争が激化している 20-40 イ
ンチ液晶パネルをシャープに供給、シャープは生産効率が求められる 60 インチ以上の超
大型パネルを奇美電子に供給する関係を構築している。
【液晶パネル】青雅、合肥に 3 億米ドル投じ低世代 LCD 生産ライン建設
2011-7-19 中国半導体産業協会
中国広東省の液晶モジュール生産・販売会社である河源青雅電子科技有限公司は、香港
の子会社、香港青雅有限公司を通じて、中国安徽省合肥市に 2.95 億米ドルを投じて、2.5
世代/3.5 世代液晶パネル生産ラインを建設、小型液晶パネルを生産することを明らかに
33
2011 年 7 月号
した。
香港青雅有限公司は、安徽省合肥市に事業会社として藍雅(合肥)科技有限公司を設立、
1 年後には稼働する計画で、2.5 世代生産ライン、3.5 世代生産ラインの月産量はそれぞ
れ 2.9 万枚、2.8 万枚としている。年間に出荷される各種小型液晶パネルは 6 千万枚、
年間売上高は 5 億元に達する見込み。
【タブレット】華碩、Transformer の今年通年 200 万台出荷は十分可能
DIGITIMES 15-7-2011
ノートパソコン世界第 5 位の華碩(Asustek)は、タブレット機種 Eee Pad Transformer
のタッチパネルサプライヤに対して今年 7-9 月の月間出荷量を 40-50 万枚で要請してい
ることが明らかになり、華碩が同機種の今年通年の出荷量目標 200 万台達成は射程圏内
に入ったと見られている。
また、華碩が Transformer のアッセンブリパートナーとしている和碩(Pegatron)に対
して今年下期分として 400 万台の Transformer を発注したとの情報も伝えられている。
和碩の今年 6 月の売上高は、Transformer 出荷増により前月比 51.7%増の 456.4 億
NTD(15.8 億米ドル)に達している。
【タブレット】華碩、Bluetooth キーボード搭載の Transformer が米国で好評
台湾経済日報 2011.07.15
ノートパソコン世界第 5 位の華碩(Asustek)のタブレット機種
Transformer が米国市場で好評を博しており、年間出荷量目標 200
万台は十分達成できると見る向きが強まってきた。
華碩の Transformer は、16GB 版で 400 米ドル、アップル iPad の
同規格製品に比べ 100 米ドル安価となっており、三星電子の
Galaxy Tab 10.1 型、モトローラ Xoom に比べても低価格を実現し
ている。
これまで、アップル iPad に対抗できる Android タブレットは、宏碁(Acer)の ICONIA A500
と見られていたが、華碩 Transformer が独特の Bluetooth キーボード設計、分離状態で
の 6 時間使用を可能にしたハイスペック機種でありながら、低価格を実現していること
から、市場性は宏碁 ICONIA A500 を上回るとの評価を受けている。
【タブレット】アマゾン、9 月に 100 万台のタブレット PC を一気に市場投入か
2011-7-14 台湾経済日報
電子書籍リーダー最大手のアマゾン(Amazon)は、今年 9 月に投入を予定しているタブ
レット型パソコンを 9 月単月だけで 100 万台を投入する計画を進めている可能性が明ら
かになった。計画通りに販売が進めば、販売量は三星、HP、華碩(Asustek)を上回り、
アップルに次ぐタブレット PC ブランドメーカーとなる可能性が出てきた。
34
2011 年 7 月号
アマゾンがタブレット PC を大量出荷する計画を進めていることは、その関連部品及び製
品アッセンブリを担当している台湾メーカーにとっては朗報で、製品アッセンブリの広
達(Quanta)、広視野角パネルを供給する元太(Prime View)傘下の Hydis、静電容量式
タッチパネルの勝華(Wintek)、ドライバ IC の奕力(Ilitek)等が恩恵を受けると見ら
れている。このほか、静電容量式タッチパネルの宸鴻(TPK)、和鑫(Sintek)も先日、
アマゾンから認証を獲得したことが伝えられている。
【スマホ】中国の今年のスマホ出荷量、前年比 5 割増の 5 千万台強予想
DIGITIMES 15-7-2011
IT 市場調査機関大手の iSuppli は、中国内地の 2011 年のスマートフォン出荷量が前年
比 53%増の 5410 万台に達する可能性が大きい、そのうち 2500 万台前後は中国地場の大
手携帯電話メーカーである中興(ZTE)及び華為(Huawei)が占めるとの最新の調査報告
を明らかにした。
iSuppli は、2015 年には、中国地場メーカーのスマートフォン出荷量は 1 億 1160 万台に
達する、2010 年からの年平均増加率は 25.9%に達すると予想、同期の世界全体市場の年
平均増加率 20.7%を 5 ポイント以上も上回ると予測している。
iSuppli 中国電子バリューチェーン調査部長の Kevin Wang 氏は、中国国内のスマートフ
ォン市場は、今年に入ってから、端末機の価格下落、3G サービス料金の低下、モバイル
インターネットのアプリケーションの充実といった追い風を受けて、急速に成長してい
ると分析。そのうち、スマートフォン端末機の価格は、今年に入って既に 5%近く下落、
300 米ドル以下になっているという。
一方、White-box スマートフォン市場については、政府の取り締まりが強化されており、
縮小傾向にあるとし、世界の White-box 携帯電話市場は、今年は 2 億 5500 万台まで伸ば
すが、来年は 2 億 1300 万台に縮小、その後も徐々に市場規模を縮小させていくとしてい
る。こうした世界の White-box 携帯電話市場の縮小に伴って、今年 4-6 月に White-box
携帯電話メーカーが密集している中国広東省深圳市周辺で、相当数の携帯電話メーカー
が閉鎖に追い込まれていることが明らかになっている。
【携帯電話】中興、今年携帯電話 8 千万台出荷 英で自社製品を投入
2011-7-15 中国 PCB 産業協会
世界第 5 位の携帯電話ブランドメーカー、中興通訊(ZTE)は、米国の携帯電話流通大手
の Brightpoint 傘下の欧州子会社と提携し、今年年末までに英国で自社ブランド携帯電
話の販売を開始することを明らかにした。
中興通訊は、今年の携帯電話出荷量目標を前年比 2000 万台増の 8000 万台ととしている。
【デジカメ】パナソニック、一部デジタルカメラ生産を今年下期から鴻海に委託
DIGITIMES 19-7-2011
35
2011 年 7 月号
デジタルカメラ大手のパナソニックは、製品価格の下落、為替変動、スマートフォンの
台頭により収益を確保することが難しくなってきたことから、今年下期から一部低価格
デジタルカメラ製品を EMS 最大手の鴻海(Foxconn)に生産委託していることが明らかに
なった。
パナソニックはこれまでデジタルカメラの 100%自社生産を堅持してきたが、低価格競
争の激化、円高基調、低価格の一眼レフデジタルカメラの普及、カメラ機能を盛ったス
マートフォンの普及により 100%自社生産を続けていくことは難しくなってきたとして
いる。
一方、同業大手のキャノンは、依然デジタルカメラ製品の 100%自社生産を続けている
ものの、海外生産比率が右肩上がりで上昇しているとともに、セル生産方式による徹底
したコスト管理を行っているという。
【電子書籍】漢王、価格の 4 割近い下落で今年上期 2 億元近い赤字に
DIGITIMES 18-7-2011
中国国内最大の電子書籍リーダーメーカーである漢王(Hanvon)は、製品価格の 40%近
い下落に伴う売上高の減少と在庫価値の減損処理により、今年上半期が最終的に
1.65-1.75 億元(2550-2700 万米ドル)の赤字になる見通しを明らかにした。
【LED】東貝、欧州 LED 照明大手から総額 1 千万米ドル LED 照明受注
台湾経済日報 2011.07.15
LED バックライト大手の東貝(Unity Opto)は 14 日、欧州の LED 照明大手ブランドメー
カーから総額 1 千万米ドルの LED 照明を受注し、今年 8 月から出荷することから、今年
の LED 照明事業の売上高は 30 億 NTD を突破し、前年比 2 倍になる見通しを明らかにした。
【太陽電池】中国の太陽電池世界生産シェア、今年 48%に達する見通し
2011-7-18 中国半導体産業協会
太陽電池市場調査機関 Photon International は、2011 年 7-9 月の世界の太陽電池生産
統計から、2011 年の中国内地の太陽電池生産量は 13 ギガワットで世界シェア 47.8%、
台湾の同生産量は 3.5 ギガワットで世界シェア 12.7%で、中台合わせると世界シェアは
60.5%に達し、2010 年の同シェア 50.2%を 10 ポイント上回る見通しを発表した。
また、日本、韓国、マレーシアの今年の太陽電池世界生産シェアはそれぞれ 8.5%、5.2%、
3.2%に達し、その他アジアの国・地域の同シェア 4.9%を加えた、アジア全体の太陽電
池世界生産シェアが初めて 8 割を超える見通しも示した。
【PCB】志超、広東中山市の祥豊電子の資本金 4800 万米ドルに拡充
2011-7-16 台湾経済日報
36
2011 年 7 月号
液晶パネル用プリント基板大手の志超科技(TPT)は、完全買収した中国広東省中山市の
祥豊電子に対して 1202 万米ドルの追加出資を行い、祥豊電子の資本金を 4798 万米ドル
に拡充したことを明らかにした。
【PCB】四海、広西自治区梧州市に年産 15 万平米の PCB 生産基地
中国覆銅板信息網 2011-7-14
中国広東省鶴山市のプリント配線基板メーカー、四海電路板有限公司
は、広西チワン族自治区梧州市(右地図)に年産 15 万平方メートル
のプリント配線基板生産基地を正式に建設し始めたことを発表した。
【PCB】欣興、江蘇省南通市に続き山東省済寧市にも新工場を建設
慧聡電子網 2011-7-18 14:30:10
プリント配線基板大手の欣興電子(Unimicron)は、山東省済寧市のハイテク産業開発区
にプリント配線基板生産工場を建設することを明らかにした。既に同開発区管理委員会
と契約を締結済みだという。
欣興電子は、江蘇省南通市の経済技術開発区での新工場建設、今般の山東省済寧市での
新工場建設など、今年に入って中国内地での投資を急拡大させている。欣興電子の中国
内地の子会社には、深圳聯能、昆山欣興同泰、昆山鼎鑫、蘇州群策があり,今年上半期
末時点での中国内地及び台湾を合わせたプリント基板月産能力は 235 万平方フィート,
ビルドアップ基盤月産能力は 226 万平方フィートに達している。
【CCL】聯茂、湖北省仙桃市の第 1 期建設開始 月産能力 30 万枚
PCB 制造網 2011-7-14
プリント配線基板(PCB)の主要原材料の 1 つ、銅箔張り積層板(CCL)メーカーである聯
茂電子(ITEQ)は、PCB 大手の健鼎科技(Tripod)が湖北省仙桃市に進出することから随伴
進出を決めており、その第 1 期として月産能力 30 万枚の工場建設を開始したことを明ら
かにした。なお、健鼎科技は、湖北省仙桃市の PCB 全工程工場を 2012 年 7-9 月には稼働
させる計画である。
聯茂電子の台湾および中国内地の CCL 生産能力は月産 300 万枚、今年 6 月の連結売上高
は 15.75 億 NTD で前月比 8.7%減、昨年同月比 16.4%減と低調、2011 年 1-6 月の連結売
上高は 101.28 億 NTD で昨年同期比 1%増まで低下している。
752 号 7 月 22 日
【EMS】華為、鴻海集団から 2 年間で 20 億米ドル相当の機器を調達
2011-07-20 C114
37
2011 年 7 月号
世界第 2 位、中国最大の移動通信設備メーカーである華為(Huawei)は 19 日、EMS 最大
手の鴻海集団(Foxconn)から 2013 年年末までの約 2 年間に総額 20 億米ドルの通信機器、
プリント基板等を調達することで覚書(MOU)を締結したことを明らかにした。
また、華為は、台湾の OEM メーカーである百一電子から今後 3 年間に総額 4 億米ドルの
セットトップボックス(STB)及び WiMAX を調達する契約を締結したことも明らかにした。
華為副総裁の呉昆紅氏によると、2010 年に華為が台湾の OEM メーカー100 社余りから電
子機器を調達、その金額は 995 億 NTD に達したこと、今年の購買金額は前年比 10%以上
増えて 1100 億 NTD に達する見込みだという。
【EMS】鴻海、中国内地の小売業拡大策で精英科技の買収を検討か
DIGITIMES 19-7-2011
EMS 最大手の鴻海集団(Foxconn)が、中国内地での小売事業拡大策の一環で、マザーボ
ード大手の精英科技(Elitegroup Computer Systems:ECS)傘下の中国内地の小売企業、
訊宜電子(Orbbit)を獲得しようとしており、精英科技の買収を検討していることが明
らかになった。
中国内地の小売業に詳しい関係者は、訊宜電子は本社を北京に置く、主にDIYユーザー向
けパソコン部品の小売及びアフターサービスを展開している企業で、中国内地に展開し
ている数少ない台湾系の小売企業であるが、中国地場の同業企業に比べると市場シェア
は依然小さく、鴻海集団が訊宜電子を買収しても、中国内地の小売事業を大幅に拡張す
ることは難しいと指摘する。
また、マザーボード業界関係者からは、精英科技の親会社である大同集団が資金繰りに
苦しんでいる状況はなく、精英科技を急いで売却した状況にもない、一方、IT 事業から
の段階的撤退を進めている宝成集団(Pouchen)は、保有している精英科技の株式を鴻海
集団に売却する可能性はあるとの見方をしている。
【ノート PC】仁宝、Dell ノート PC ODM 拡大で鴻海 R&D チームを引き抜き
2011-7-20 台湾経済日報
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)は、最大のユーザーである宏碁(Acer)
が不良在庫の整理に追われる中、今年のノートパソコン出荷量目標を既に 5500 万台から
4800 万台に下方修正しているが、修正後の 4800 万台についても達成が困難な情勢とな
っていることから、シェアを伸ばしている Dell 及び聯想(Lenovo)からの受注拡大に注
力、鴻海(Foxconn)の Dell ノートパソコン機種 R&D チームを引き抜き大口受注を獲得
したほか、聯想(Lenovo)との関係強化に特化した特別チームを設置することで聯想か
らの大口受注獲得にも成功したことが明らかになった。
大和証券テクノロジー産業アナリストの黄文尭氏は、仁宝は Dell への攻勢で大成功を収
めるだろう、複数の商用ノートパソコン機種を受注することがほぼ確実視されているこ
とを明らかにした。また、仁宝が引き抜いた鴻海のノートパソコン R&D チームは購買担
当者を含めると総勢 200 名前後に達するチームで、鴻海が一昨年 Dell の商用ノートパソ
38
2011 年 7 月号
コン ODM 獲得のため、業界最大手の広達(Quanta)から引き抜いたチームだという。た
だ、鴻海に引き抜かれた直後から、鴻海の製造部門との連携がうまく行かず、鴻海経営
陣との確執も指摘されていた。
仁宝の今後のノートパソコン出荷量については、Dell、聯想からの大口受注獲得により
急速に回復する見通しで、来年のノートパソコン出荷量は前年比 12%増となると見られ
ている。中でもドイツの Medion を買収するなど、Dell に迫る勢いを見せている聯想か
らの受注拡大も業績回復のけん引役となる見通し。
【タッチパネル】奇美、iPad タッチパネル受注拡大 TPK/勝華の寡占に一石
2011-7-21 聯合知識庫
静電容量式タッチパネル大手の勝華科技(Wintek)は、アップルのタッチパネル受注競
争の激化、タッチパネル製品の学習曲線の短縮、大型液晶パネル大手の奇美電子が iPad
タッチパネルの 20%を受注することがほぼ確実であることなどから、これまでの売上高
の急拡大に陰りが出てくる可能性が出てきた。
証券筋は、勝華の値下げ戦略は、短期的に売上高を大幅に拡大する点では大きな成果を
上げたが、収益性を大幅に悪化させる結果も同時に生んでいる、粗利率が最大で 10 ポイ
ント前後低下する可能性があると指摘している。
市場は、iPad 2 用タッチパネルの価格はここ数ヶ月で大幅に下落している、その最大の
要因となっているのが、iPad 2 のタッチパネルが第 1 世代 iPad とスペックで大きな差
異がないためで、近く投入が計画されてている iPad 3 用タッチパネルについても、アッ
プルがスペックを大幅に変更する計画がないため、iPad タッチパネルの学習曲線は急速
に短縮、歩留まりも大幅に改善しているという。その恩恵を最大に受けているのが奇美
電子で、中型静電容量式タッチパネルの歩留まりを大幅に改善させているという。奇美
電子は、アップルのタッチパネル受注獲得のため、大幅な値下げで販売攻勢をかけてい
ることから、勝華科技にとっては大きな脅威となる可能性がある。
【液晶パネル】元太、華映に広視野角パネル技術供与 共同生産を開始
2011-7-20 聯合知識庫
電子書籍用電子ペーパー最大手の元太科技(Prime View)は 19 日、液晶パネル大手の中
華映管(CPT)に資本参加し、仁宝に次ぐ大株主となるとともに、華映に広視野角パネル
技術を供与し、双方が共同で広視野角パネルを生産することを明らかにした。
元太科技は、既に華映の競合企業である奇美電子との提携を発表していることから、今
回の華映との提携が、奇美電子と元太科技の関係に変化を及ぼすかについて、元太董事
長の劉思誠氏は、華映との提携は、奇美電子との提携関係(元太が奇美電子の第 5 世代
液晶パネル生産ラインを活用するというもの)を補完するものであり、影響はないとし
ている。また、元太が E Ink を買収してから、昨年の電子ペーパーの出荷量は 1000 万枚
を超え、今年の同出荷量は 2000-3000 万枚に達する見通しで、電子ペーパー用液晶基板
の調達が困難になっている、華映の第 6 世代液晶パネルを活用することで、電子ペーパ
39
2011 年 7 月号
ー用液晶基板の安定調達を実現できるとしている。
同氏は、今後の電子ペーパー市場に対して楽観的な見方をしており、生産拡張を計画を
前倒しで行っている、華映との提携で生産する広視野角パネルはタブレット型パソコン
に搭載するもので、生産量は少量にとどまるとしている。
また、華映総経理の林盛昌氏は、第 6 世代液晶パネル生産ラインの月産能力 10 万枚を、
元太の電子ペーパー及び広視野角パネルの生産に割り当てることになる、10.1 インチパ
ネルは今年 8 月から量産、7 インチパネルは今年 9 月から量産を開始することになると
している。華映は現在、大型パネル事業を段階的に縮小していることから、今年年末に
は総出荷量に占める中小型パネルの比率は 75%に達する見通し。
【タブレット】鴻海、iPad アッセンブリ独占維持で生産効率の改善を徹底
DIGITIMES 21-7-2011
ESM 最大手、ノートパソコン ODM 世界第 5 位の鴻海(Foxconn)は、同 6 位の和碩(Pegatron)
と、アップルの次世代 iPhone のアッセンブリをシェアすることになったことから、これ
まで以上に生産効率を高めることを通じて、iPad のアッセンブリについては独占を維持
しようとしていることが明らかになった。
鴻海は、アップルへの強い働きかけにも拘らず、次世代 iPhone のアッセンブリの一部を
和碩に譲ることになったことに強い危機感を示しているという。ただ、鴻海とアップル
との関係に具体的変化が出てくるかどうかは、和碩の今後の iPhone アッセンブリのパフ
ォーマンス次第と見られている。
【タブレット】和碩、iPad アッセンブリ受注に粘り見せる 鴻海が強い警戒感
台湾経済日報 2011.07.21
アップルの次世代 iPhone 及び iPad のアッセンブリ ODM 争奪戦が激化している。1500 万
台の次世代 iPhone を受注した和碩(Pegatron)が、iPad 受注に依然意欲を示しており、
鴻海(Foxconn)のダブル i アッセンブリ独占が打破される可能性が出ている。
次世代 iPad は正式名称は明らかにされていないが、市場から既に iPad 3、iPad 2 plus、
iPad HD、iPad 2 Pro と称され、年末商戦前には投入されると見られている。台湾の関
連部品メーカーは、今年 10 月から部品の出荷を開始することから、今年 11 月からアッ
センブリが始まるとしている。
アップルの今年 4-6 月の iPad 出荷量が 925 万台で、当初予想 800 万台を大幅に上回った
ことから、7-9 月の iPad 出荷量は 1200-1300 万台に達すると見られており、アッセンブ
リの争奪戦は今後も続く可能性が高い。
【タブレット】iPad 売上高、初めて Mac 売上高上回る ポスト PC 時代到来
2011-7-20 鉅亨網
アップルの直近の四半期報告によると、同社のタブレット型パソコン iPad の売上高が初
40
2011 年 7 月号
めて同社の中核パソコン機種 Mac の売上高を上回った。iPad 事業は、販売開始からわず
か 15 か月でアップル内の事業部で iPhone に次ぐ売上高を上げる事業部門となった。こ
れは、アップル CEO のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が示しているポスト PC 時代の
到来を証明するものともいえる。
アップルによると、今年上期のタブレット型パソコンの売上高は 60 億米ドルに達し、デ
スクトップ型及びノート型パソコンを合わせた Mac の売上高 50 億米ドを 10 億米ドル上
回った。
アップルは、今年 4-6 月に前年同期比 2.4 倍の 930 万台の iPad を出荷、アップル COO
の Tim Cook 氏は 19 日、iPad の急成長は Mac の成長に影響を与えているものの、その最
大の影響を受けているのはマイクロソフト Windows 搭載のノートパソコンであろうとし
ている。
【携帯電話】iPhone 5 投入前倒し、中国内地タッチパネルメーカーにも恩恵
2011-7-19 中財網
アップルの新世代 iphone 5 スマートフォンが、当初予想よりも早く市場に投入される見
通しで、英国では 8 月中旬に投入されると見られており、同製品タッチパネルを巡る争
奪戦が既に水面下で激化している。
2009 年には携帯電話用タッチパネルの 7 割は抵抗膜式タッチパネルが占めていたが、
2010 年には同比率は 3 割、今年はほぼゼロパーセントになると見られている。CMIC(中
国市場情報センター)の調査によると、2010 年初めから、静電容量式タッチパネルメー
カーは二極化が進展、2 大メーカーである宸鴻(TPK)と勝華(Wintek)が安定した歩留
まりを確保しているという技術的優位性でマジョリティを保有しているのに対し、抵抗
膜式タッチパネルを生産してきた従来型のタッチパネルメーカーは歩留まりの確保が
遅々として進んでおらず、シェアの拡大も進まない状況となっている。
中国内地でも 2010 年からタッチパネル産業が勃興し始め、静電容量式タッチパネルの生
産設備が導入されると同時に、ITO 導電膜ガラス、保護ガラス、ドライバ IC 等の自社生
産も始まるようになっている。中国内地の有望タッチパネルメーカーとしては、莱宝
(Laibao)、長信科技(Token)、宇順電子(Success)、超声電子(Chaosheng)があるが、
有象無象のタッチパネルメーカーが 100 社余り乱立していることから、統合再編が不可
避の状況となっている。
台湾の大手市場調査機関、拓璞産業研究所は、2011 年のタブレット型パソコン出荷量は
5000 万台、スマートフォン出荷量は 4 億台近くに達するとしており、この 2 つの成長エ
ンジンにより、2010 年には 7 億枚だったタッチパネル需要は 2011 年には 10 億枚近くに
拡大、出荷額は 85 億米ドルに達すると予測している。また、従来型携帯電話市場 8 億台
のうち、タッチパネル採用比率が既に 30%を超えているとしている。
こうした情勢下、莱宝は 1 億元を投じて年産能力 400 万枚の中大型静電容量式タッチパ
ネルの生産ラインを建設することを明らかにしている。2011 年 10-12 月には完成する予
定だという。
41
2011 年 7 月号
【太陽電池】賽維 LDK、ドイツ juwi Solar から 15MW ソーラーモジュール受注
2011-7-21 中国半導体産業協会
中国地場の大手多結晶シリコンメーカーである赛維 LDK は、ドイツの太陽電池メーカー
juwiSolar から 15 メガワット相当のソーラーモジュールを受注したことを明らかにした。
今年 8 月から 11 月に juwiSolar に対して 15 メガワットのソーラーモジュールを供給す
る。
753 号 7 月 25 日
【タッチパネル】介面、湖南省工場今年 9 月稼働 3 千名の工員採用開始
2011-7-21 中国触摸屏網
世界第 5 位のタッチパネルメーカー、介面光電(J Touch)は、ノキア、HTC、三星、ソ
ニー、モトローラ、LG、シャープ、NEC、ACER、ASUS、天宇朗通、宇龍酷派、聯想などの
世界の有名ブランドメーカーに抵抗膜式及び静電容量式タッチパネルを供給しているが、
需要の拡大に対応するため、長沙国家生物産業基地に介面光電(湖南)有限公司を設立、
敷地面積 15 万平方メートルの工場を今年 9 月に正式に稼働させることを明らかにしてい
る。
既に中間管理職人員の採用を完了し、台湾本社で研修を進めているほか、3000 名余りの
工員の採用も開始、既に定員を上回る申し込みを受領しているという。湖南工場は完成
すれば、年間売上高は 80 億元に達する見込み。
【携帯電話】ノキア、中国内地市場の売上激減 2Q 出荷量 1Q 比 5 割減
新浪科技 2011-7-22
かつては世界の携帯電話市場でシェア 4 割を誇ったノキアが、アップルの台頭を契機に
携帯電話世界市場シェアが後退し続けており、特に世界最大の携帯電話市場である中国
内地での売上が激減していることが明らかになった。
ノキアの今年 4-6 月の中国内地市場での携帯電話出荷量は 1130 万台で、今年 1-3 月比で
は 5 割減、昨年同期比では 41%減となった。欧州での同期の出荷量も前年同期比 30%減
となったことから、ノキアの今年 4-6 月の世界出荷量は前年同期比 20%減となり、市場
予想を大幅に下回るものとなった。
フィンランド投資銀行 FIM Bank アナリストの Michael Schroeder 氏は、ノキア CEO の
Stephen Elop 氏が今年年末までに Windows Phone 携帯電話を投入しようとしているが、
Android 携帯電話価格が 100 ユーロ(144 米ドル)以下まで下がったことから、ノキアの
Symbian 機能型携帯電話の出荷が落ち込んでいる、特に中国内地市場での出荷量が激減
していると指摘する。
ノキア CEO の Elop 氏は今週、あらゆる手段を取って中国内地の販売代理店の不良在庫処
理に当たってきたが、処理は思うように進展していないことを明らかにしている。Nordea
42
2011 年 7 月号
Bank アナリストの Sami Sarkamies 氏は、ノキアの中国内地の販売網の不良在庫は 500
万台に達していると指摘する。ノキアは、既に中国市場担当部長を更迭し、グローバル
営業部長の Colin Giles 氏が中国市場担当部長を兼任する人事を行っているという。
Colin Giles 氏は 48 歳、ノキアでのキャリアは 15 年、中国事業を統括した経歴を持つ
という。ノキアは、Windows Phone 携帯電話を市場に投入するまでの移行期に 1.5 億台
の Symbian 携帯電話を販売するという目標を設定していたが、その目標の達成も難しく
なっている。
米国の IT 市場調査機関 Gartner は、ノキアの今年 1-3 月の中国市場における販売シェア
は、かつての 40%近いシェアのほぼ半分、19.1%まで低下している、昨年同期の 23.5%
に比べても 4 ポイント以上低下していることを明らかにしている。
今年 6 月末時点の中国移動(China Mobile)の獲得ユーザー数は 6.17 億に達しており、
ユーザー数世界最大の移動通信キャリアとなっているが、ノキアはこの巨大キャリアの
競争入札案件でも、端末機事業を拡大している通信設備大手の華為(Huawei)、中興(ZTE)
に敗れるケースが増えている。
また、中国内地に安価な機能型携帯電話を生産する企業が数十社に増えていること、一
部企業は Android 携帯電話を生産できる能力を持っていることから、これら中国地場メ
ーカーの安価な機能型及び Android 携帯電話がノキアの機能型携帯電話の販売を阻害し
ていると見られている。
一方、Gartner アナリストの Carolina Milanesi 氏は、ノキアの優位性は中国全土に張
り巡らされた販売代理店のネットワークであったが、そのネットワークの不良在庫がノ
キアを苦しめる結果を生んでいる、ただ、在庫処理が進展すれば、このネットワークを
使ってシェアを挽回することは可能としている。
ノキアが今週発表した今年 4-6 月の業績は、損失が 3.68 億ユーロ(約 5.3 億米ドル)に上
り、市場予想を大幅に下回る内容となり、ノキアの株価は年初比すでに 46%も下落して
いる。
Gartner は、Android 携帯電話は、三星電子等の支持により出荷量が今年 1-3 月には
Symbian 携帯電話を上回り、世界で最も歓迎されるスマートフォン基本ソフトとなって
いる。Gartner アナリストの Sandy Shen 氏は、Android 携帯電話は 2015 年には世界のス
マートフォン市場の 50%シェアを獲得すると予測している。
【スマホ】アップル、2Q の iPhone/iPad 出荷量前年同期比 2.4 倍/2.8 倍
2011-7-20 巨亨網
アップルの今年 4-6 月の iPhone の出荷量は 2034 万台で前年同期比 2.4 倍、
売上高は 133
億米ドルで同 2.5 倍、同期の iPad の出荷量は 925 万台で同 2.8 倍、売上高は 60 億米ド
ルで同 2.8 倍を記録した。
一方、同期の Mac パソコンの出荷量は 395 万台で同 14%増、売上高は 51 億米ドルで同
16%増にとどまった。そのうち、デスクトップ型の出荷量は 116 万台で同 15%増、売上
高 16 億米ドルで 21%増、ノート型の出荷量が 279 万台で同 13%増、売上高 35 億米ドル
で同 14%増だった。また、同期の iPod の出荷量は 754 万台で同 20%減、売上高も 13
43
2011 年 7 月号
億米ドルで 14%減となった。
【液晶 TV】液晶テレビ EMS/ODM 出荷量、2015 年には 2 倍の 1.3 億台
2011/7/22 電子工程世界
IHS iSuppli の液晶テレビ EMS/ODM 調査報告によると、価格の下落、利益率の低下によ
り、多くの液晶テレビブランドメーカーが EMS/ODM メーカーへの外注に依存せざるを得
ない状況となっており、2015 年には世界の液晶テレビ外注生産量は昨年比 2 倍に増大す
る見通し。
外注生産には、アッセンブリ(組立)を行う EMS、設計からアッセンブリまでを行う ODM
があるが、2010 年には 6510 万台だった液晶テレビの EMS/ODM 生産量は、2015 年には約
2 倍の 1.279 億台に達し、液晶テレビ総生
産量に占める EMS/ODM 生産の比率は 2010
年の 36.2%から 43.0%に上昇すると予測
している。特に円高定着で競争力が低下
している日本メーカーの外注生産が急増
している(右上グラフ)。
ここ数年、液晶テレビの世界出荷量は高
い成長率で増え続けてきたにも拘らず、
液晶テレビの生産能力の拡張がそれを上
回るペースで行われたことから、液晶テ
レビの価格は下落しおり、収益を確保で
きない低価格機種の外注生産が増えてい
る。
液晶テレビは今後も薄型テレビ市場の主
流として薄型テレビ市場をけん引してい
くことは確実で、2010-2015 年の液晶テレ
ビ出荷量の年平均増加率は 10.6%、年間出荷量は 1.8 億台から 3 億台に増える見通し。
一方、プラズマテレビの出荷量は同期に 1960 万台から 860 万台に減少することが予想さ
れている(右下グラフ)。
【液晶 TV】インド液晶 TV 市場が来年テイクオフ 世界の液晶 TV 市場牽引
2011-7-22 中国半導体産業協会
IT 市場調査機関 IHS iSuppli のテレビ市場追跡報告によると、2012 年に世界最大の CRT
アナログテレビ市場であるインドの液晶テレビ市場がテイクオフし、出荷量は 990 万台
に達する見通し。
2011 年のインドの CRT テレビ出荷量は前年比 30%減の 1650 万台となる見通しであるの
に対し、液晶テレビの出荷量は前年比 90%増の 630 万台となる見通し。さらに、2012
年にはインドの液晶テレビの出荷量は 1000 万台前後に達し、初めて CRT テレビの出荷量
44
2011 年 7 月号
を上回ると見られている。その後、CRT テレビの出荷量は年率 20%前後で減少し続け、
2015 年には 480 万台まで減るのに対し、液晶テレビの出荷量は 2015 年には 2030 万台に
達すると見られている。
インドは中国に次ぐ 11 億の人口を有する国であるが、インドのテレビ普及率は依然低く、
テレビを持たない家庭が 1.2 億世帯もあるという。そのため、CRT テレビの需要は当分
消失することはないものの、液晶テレビ市場が爆発的成長を開始したことから、今後 CRT
テレビ市場が再び回復軌道に戻ることはないと見られている。
インドの液晶テレビ市場は過去 4 年間で 2 倍に成長したが、2015 年までの今後 5 年間は
年率 34%で成長し、市場規模は 3 倍になると見られている。IHS iSuppli は、2015 年に
はインドの液晶テレビ売上高は 100 億米ドルを超え、テレビ売上高全体の 80%を占める
としている。
インドの液晶テレビ市場では、32 インチが全体の 4 割を占め主流となっているが、出荷
量が最も伸びているのは 44 インチだという。また、1080p フルハイビジョンが 2010 年
の液晶テレビ出荷量の 31%、LED バックライト液晶テレビの同比率は 28%とされている。
Videocon 等のインド地場の大手テレビメーカーが、今後液晶テレビの生産量を大幅に増
やしてくるとともに、中国でも見られたように、大手液晶パネルメーカーとのテレビ用
液晶パネルモジュール(LCM)合弁生産が増えてくることが予想される。
【EMS】富士康国際、今年上期業績改善するも黒字転換実現できず
2011-7-22 中国半導体産業協会
EMS 最大手の鴻海集団(Foxconn)傘下の香港上場の富士康国際は、今年 1-6 月の業績が
改善はするものの、黒字転換達成は難しく依然赤字状態が続くことを明らかにした。
富士康国際の昨年 1-6 月の業績は 1.42 億米ドル(約 9.16 億元)の赤字を計上、赤字幅は
2009 年 1-6 月の 1870 万米ドル(約 1.21 億元)の 7 倍に拡大している。昨年通年の業績も
2.18 億米ドル(約 14.06 億元)の赤字となったが、業績の大幅後退をタイムリーに市場に
公開しなかったことから香港証券取引所から警告注意を受けている。
【PCB】欣興、湖南省子会社に 5 億米ドルを投じ生産能力を大幅拡張
DIGITIMES 22-7-2011
プリント配線基板(PCB)大手の欣興電子(Unimicron)
が中国湖南省湘譚市に設立した全創科技(Trendtronic
Technology)は、主にノートパソコン及びテレビコント
ローラ用 PCB を生産しているが、需要の拡大に対応するため、5 億米
ドルを投じ拡張第 2 期の建設を開始したことを明らかにした。
拡張第 2 期のフロア面積は 6 万平方メートル、オフィスビル、宿舎も
併設する計画で、完成後の年間売上高は 30 億元に達する見通し。
ノートパソコン用 PCB 最大手の瀚宇博徳(HannStar Board)のほか、
瀚宇博徳傘下の精成科技(GBM)、液晶パネル用 PCB 大手の志超科技
45
2011 年 7 月号
(TPT)も、中国内地の内陸部での生産拡張を加速しており、そのうち精成科技の重慶の
新工場は、月産能力 60 万平方フィートの第 1 期を来年 2 月に稼働させる。全創科技:
www.trendtronic.com.cn/
【半導体】晨星、超低価格チップ好評 聯発/展訊を含めた 3 社の混戦に
2011-7-22 中国半導体産業協会
中国内地の White-box 2G 携帯電話市場は、聯発科技(Mediatek)、展訊(Spreadtrum)
に続いて、晨星(MSI)が超低価格チップ MSW8532 の大量出荷を開始、低価格を徹底追求
し差別化を図ったことから、既に中国内地の携帯電話設計大手の聞泰(Wingtech)、天宇
朗通(Tianyu)等から受注を獲得しており、今年下半期の中国内地 2G チップ市場のダー
クホースとなる可能性がある。
晨星は今年初めに営業部長特別補佐の何雲湘氏が突然離職した影響から、組織の建て直
しに追われていたが、新しい組織のスタートとともに MSW8532 の投入により再び勢いを
回復している。
MSW8532 は、聯発科技の 2G 主力チップ MTK6252、展訊の超低価格新チップ SC6620 と競合
するポジションにあるが、業界関係者は、晨星の MSW8532 が中国内地の聞泰の支持を取
り付けていること、晨誉通信技術、天宇朗通、菲尼科通訊といった十数社の大手携帯電
話設計企業及びブランドユーザーが MSW8532 チップ採用に意欲を見せていることから、
今年下期の中国内地の 2G チップ市場は晨星を含めた 3 社の混戦状態になると見られてい
る。
晨星は、MSW8532 の出荷量を増やすとともに、TD チップの出荷も既に開始しているほか、
重点施策として進めている中国内地以外の新興国市場の開拓の成果として、インド地場
の携帯電話ブランドメーカーである MICROMAX、KARBONN、ZEN、VIDEOCON、IMO、VENERA
から相次いで受注を獲得していることを明らかにしている。
754 号 7 月 27 日
【タブレット】タブレット PC 市場 Android 比率、30%に上昇 iPad 比率 61%
2011-7-22 台湾経済日報
三星、宏碁(Acer)、華碩(Asus)、モトローラ、宏達(HTC)の Android タブレット PC
投入により、Android タブレット PC 市場が急成長しており、タブレット PC 市場全体に
占める Android 比率は 30%に上昇、アップルのシェアは 33 ポイント減少し 61%となっ
た。
市場調査機関 Strategy Analytics が 21 日明らかにしたところによると、今年 4-6 月の
世界のタブレット PC 出荷量は前年同期比 331%増の 1510 万台、そのうちアップル iPad
のシェアは昨年同期の 94.3%から 61.3%に 33 ポイント低下した。
一方、同期の Android 基本ソフト搭載のタブレット PC 出荷量は 460 万台に達し、シェア
は昨年同期の 2.9%から 30.1%に上昇した。また、マイクロソフト Windows 7 搭載のタ
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2011 年 7 月号
ブレット PC の同期の出荷量は 70 万台で、シェアは 4.6%だった。マイクロソフト Windows
7 搭載タブレット PC には、富士通が今年 4 月に販売開始した商業用タブレット PC、Q550
がある。
【スマホ】ノキアのスマートフォン出荷量激減でアップルがノキアに代わって首位に
2011-7-22 新浪科技
右グラフのように今年 4-6 月のアップル
iPhone 出荷量が初めてノキアのスマート
フォンの出荷量を上回り、アップルがノキ
アに代わって初めてスマートフォン世界
販売シェア首位となった。
ノキアの今年 4-6 月のスマートフォン出
荷量は 1670 万台、アップルの同期 iPhone
出荷量は 2030 万台だった。
ノキアはスマートフォン市場で、アップル
iPhone、Android スマートフォン、中国
White-box スマートフォンの 3 勢力の拡大で出荷量を大幅に減少させている。
ノキア CEO の Stephen Elop 氏は、今年年末に投入するマイクロソフト Windows Phone
搭載スマートフォンで反転攻勢をかけるとしているが、同機種投入までは Symbian 搭載
端末機の在庫整理に追われることを認めている。
【スマホ】三星電子、2Q スマートフォン出荷量がアップルを上回る可能性大
台湾経済日報 2011.07.26
IT 市場調査機関 Strategy Analytics アナリストの Neil Mawston 氏は、韓国の三星電子
の今年 4-6 月のスマートフォン出荷量が、Android 搭載スマートフォンの販売好調によ
り、ノキアのみならず、アップルも抜いて世界最大のスマートフォンメーカーとなる可
能性があることを明らかにした。
同氏は、今年 4-6 月の三星電子のスマートフォン世界出荷量は 1800-2100 万台に達する
見込みで、仮に 2100 万台に達すれば、ノキアの 1670 万台、アップル iPhone の 2030 万
台を超えることになる。ノキア、RIM のスマートフォン出荷量については、上回ること
が確実と見られている。
三星電子は今年のスマートフォン出荷量を前年比 2 倍にする計画を明らかにしており、
市場では、今後のスマートフォン市場は、アップル、ノキア、三星電子 3 強時代となる
と見ている。三星電子の今年のスマートフォン及び従来型携帯電話を合わせた市場シェ
アは 20%に達すると見られており、ノキアの同シェアが 26%まで低下することから、両
社のシェア差はわずか 6 ポイントとなる。
三星電子の今年 1-3 月のスマートフォン市場シェアは、ノキア、アップル、RIM に次ぐ
第 4 位だったが、今年 2 月に投入した Android 搭載 Galaxy S 2 の販売が好調で、シェア
47
2011 年 7 月号
を大幅に伸ばしている。
一方、ノキアは、Android 基本ソフトに対する対応の遅れ、Symbian 基本ソフトの衰退が
業績を直撃しており、シェアを大幅に落とす結果となっている。市場調查機関は、今年
の世界のスマートフォン出荷量は前年比 55%増の 4.72 億台に達するが、そのうち
Android 基本ソフト搭載スマートフォンの比率は 4 割に達すると予測している。
【タッチパネル】鴻海、成都の鑫 成科技でアップル iPad タッチモジュールを量産
2011-7-26 聨合知識庫
世界最大の EMS メーカーである鴻海集団(Foxconn)は、主要ユーザーであるアップル及
びシャープ向けアッセンブリで大量のタッチパネルを調達する必要があることから、タ
ッチパネルの自社生産プロジェクトを進めており、奇美電子(CIC)から移籍した曽建瑜
氏を董事長兼 CEO として成都市に資本金 10 億元で鑫成科技を設立、曽建瑜氏が同プロジ
ェクトの陣頭指揮を取っていることが明らかになった。
鑫成科技は、売上高 1 兆 NTD を超える世界最大のタッチパネルモジュールメーカーを目
指すとしており、年間出荷量が 2-3 年後には 7000 万枚を超えるとされるアップル iPad
用タッチパネルモジュールを自社生産する計画。将来的にはタッチパネルのセル生産も
行う計画だという。
また、鑫成科技が位置する鴻海光電園区には、タッチパネルモジュールに必要なプラス
チック筐体、バックライトモジュール、強化ガラス等の生産工場も建設されており、鴻
海集団はほぼ全ての中核部材を隣接地で自社生産しようとしている。
【ノート PC】宏碁、方正 PC 事業買収で 2Q アジアパシフィック市場シェア 2 位
2011-7-21 台湾経済日報
IT 市場調査機関大手の IDC は 20 日、今年 4-6 月のアジアパシフィック地区(日本を除
く)パソコン市場調査報告を発表、宏碁が中国地場の方正(Founder)合併に伴って、ア
ジアパシフィック地区でのシェアを 4 位から 2 位に上げたことを明らかにした。また、
華碩はシェア 5 位を維持した。
IDC アジアパシフィック地区パソコン市場アナリストの Bryan Ma 氏は、宏碁は方正の PC
事業買収により今年 4-6 月の同市場シェアが 1-3 月の 10.2%から 11.9%に上昇し、順位
を 2 位に上げたとしている。
宏碁は、これまで同市場でシェア 2 位だった HP、3 位だった DELL を押さえて 2 位になっ
たものの、1 位の聯想の 22.5%のシェア差は依然大きい。また、華碩の同シェアは 1-3
月の 6.3%から 5.8%に低下したものの、昨年同期に比べると 26%増となっている。な
お、アジアパシフィック地区の 4-6 月のパソコン総販売台数は 3010 万台で 1-3 月比 10%
増だった。
【ガラス】コーニング、中国内地に初の R&D 機関設置 熱電変換材料開発
48
2011 年 7 月号
2011-7-22 中国工業報
ガラス基板大手の米コーニングは、上海市嘉定に位置する中国科学院上海硅酸塩研究所
と共同で新材料 R&D 実験室を設置したことを明らかにした。コーニングが中国内地に研
究開発機関を設置するのは今回が初めて。
コーニング中国研究開発センター主任の施友純博士は、共同 R&D 実験室の最初の研究課
題は、高性能の熱電変換材料の開発、中でも自動車の余熱を効率よく電気に変換できる
材料を作ることであることを明らかにしている。
また、コーニングが、既に高性能の薄膜太陽電池用ガラス基板を開発しており、近く中
国内地の薄膜太陽電池メーカー向けに供給を開始することも明らかにした。
【太陽電池】超日太陽能、天華陽光と合弁で太陽光発電事業に参入
2011-7-25 中国半導体産業協会
中国上海の太陽電池メーカー、超日太陽能科技股份(Chaori Solar)は、太陽光発電施
設の建設工事等を行うエンジニアリング企業、天華陽光新能源と合弁で北京に超日天華
新能源工程有限公司を設立、太陽光発電事業に投資を行うことを明らかにした。
合弁企業の登録資本は 1 億元、そのうち超日太陽能が 7000 万元、天華陽光が 3 千万元を
出資する。
【太陽電池】合肥海潤、年内に 10 本の太陽電池セル生産ラインを稼働
2011-7-25 合肥日報
中国安徽省合肥市の太陽電池用シリコンウエハメーカー、海潤光伏(Hareon Solar)は、
10 本の生産ラインからなる太陽電池セル生産事業第 1 期のうち 2 本の生産ラインの量産
を開始したことを明らかにした。日産能力は多結晶シリコン太陽電池セル 7 万枚、歩留
まりは 98%を確保しているという。今年 9 月には新たに 8 本の生産ラインを完成、量産
を開始する計画。
海潤光伏の第 1 期の総投資額は 24.3 億元で、計 40 本の生産ラインを建設、全ての生産
ラインが完成すれば、年産能力は 1300 メガワットに達する。
【PCB】志聖、2Q 売上高が過去最高更新 税前利益は 1Q 比 2.5 倍
2011-7-25 聯合知識庫
プリント基板ドライ工程装置大手の志聖工業(Csun)は、今年 4-6 月の連結売上高が 15.36
億 NTD に達し、過去最高を更新したことを明らかにした。同期の単体税前利益は 1-3 月
比 146%増、1-6 月の単体税前利益は 2.53 億 NTD で昨年同期比 20%増となった。
今年年初以来、プリント基板メーカーのビルドアップ基板、IC 搭載基板の生産拡張が続
いており、志聖の業績を押し上げる大きな要因となっている。
49
2011 年 7 月号
【PCB】富鼎精密、鄭州工場の生産能力を拡張 年間生産高 60 億元
2011-7-25 PCB 網城
世界最大の EMS メーカーである鴻海富士康(Foxconn)傘下のパソコン用コネクタメーカ
ーである富鼎精密は、中国河南省鄭州市中牟県に設立した富鼎精密工業鄭州有限公司の
生産能力を大幅に拡張することを明らかにした。
拡張後の年間生産高は 60 億元、5-10 万人の雇用創出効果があるとしている。
【PCB】NOK 台湾法人、成都市に 1 億米ドル投じ PCB 生産基地建設
2011-7-25 PCB 網城
フレキシブル基板大手の日本 NOK の台湾法人である旗勝科技は、EMS 最大手の富士康
(Foxconn)の要請を受けて、成都市崇州コンシューマーエレクトロニクス産業園に 1
億米ドルを投じてフレキシブル基板生産基地を建設することを明らかにした。成都には、
既に DELL、聯想(Lenovo)、インテル等の大手ブランドメーカーのほか、富士康、仁宝
(Compal)、緯創(Wistron)等の大手 EMS/ODM メーカーが進出している。
旗勝科技:www.mektec.com.tw/
【半導体】国民技術、上期売上高前年比 2 割減 モバイル支払チップ低調
2011-7-26 上海証券報
中国地場の半導体チップメーカー、国民技術(Nationz Technologies)は、今年上期の
売上高が 3.12 億元で前年同期比 19%減、純利益は 5892 万元で同 44%減となったことを
発表した。
投資家が注目している 2.4 ギガヘルツモバイル支払用 RFID チップの売上高が伸び悩んだ
こと、研究開発費用が膨らんだことが、減収減益の要因としている。一方、粗利率につ
いては 44.37%を維持している。
755 号 7 月 29 日
【スマホ】長虹、富士康と合弁で綿陽にスマホ生産基地 年産 5 千万台
2011-7-28 南方都市報
中国地場の大手テレビメーカーである長虹集団(Changhong)は、傘下の携帯電話メーカ
ーである国虹通訊を通じて、EMS 最大手の富士康(Foxconn)と合弁で、四川省綿陽市に
スマートフォン生産基地を建設することを明らかにした。全ての事業が完成すれば、年
産能力は 5000 万台に達する見込み。国虹通訊の昨年の携帯電話出荷量は 800 万台に上る。
【液晶 TV】緯創/友達の合弁、来月ソニー向け液晶テレビ ODM 供給開始
50
2011 年 7 月号
2011-7-28 電子時報
液晶テレビ ODM 大手の緯創(Wistron)は、大型液晶パネル世界第 3 位の友達(AUO)と
の合弁である広東省中山光電園区に設立した友智光電(出資比率は友達 51%、緯創 49%)
を来月にも稼働する予定で、ソニー向け液晶テレビ ODM 供給を開始することを明らかに
した。
緯創はここ数年、液晶テレビの ODM 事業を強化しており、今年の液晶テレビ出荷量は 1000
万台超、そのうち 3-4 割を LED バックライト機種が占めると見られている。
【携帯電話】White-box 携帯電話市場、2Q の出荷量が前年比マイナスに
2011-7-26 北京晨報
中国地場の IT 市場調査機関、易観国際のモニタリングデータによると、ここ数ヶ月、中
国の White-box 携帯電話市場に縮小傾向が見られ、今年 4-6 月の White-box 携帯電話の
出荷量は前年同期比 1.2%減となった。易観国際アナリストの路理彬氏は、昨年から
White-box 携帯電話の出荷量の伸びに減速が見られたが、前年同期を下回るのはここ数
年では今年 2Q が初めてだという。
White-box 携帯電話メーカーが密集する深圳市では、今年年初から White-box メーカー
の撤退ラッシュが起きており、路理彬は、中国内地で 3G サービスが開始されてから、通
信キャリアのキャッシュバック等の販売促進により、1000 元クラスのスマートフォンが
急速に普及していること、中国政府が White-box 携帯電話に対する取締りを強化したこ
となどから、White-box 携帯電話市場が成長を続ける余地はなくなりつつある、今後は
White-box 携帯電話市場は徐々に政府主導で整理統合されるだろうと指摘する。
深圳の White-box 携帯電話メーカーは、2G 時代には、十数人で携帯電話生産企業を設立
し、数年で大金を手にすることができたが、3G 時代に入った今は、参入ハードルは高く
なっただけでなく、企業の経営を維持していくだけで大変な苦労がある、多くの同業者
は撤退を余儀なくされており、一部の資金力がある者だけがブランドメーカーへの転身
を試みていると話す。
2G チップで一世を風靡した聯発科技(Mediatek)董事長の蔡明介氏は、3G チップでは、
スマートフォンがこれほど急速に普及することは想定していなかった、3G スマートフォ
ンへの対応が後手後手となって、結果的に関連製品の投入も大幅に遅れた、そのことが
現在のシェア低迷の最大の要因としている。
通信分野シニアアナリストの士付亮氏は、3G 時代に White-box 端末機が衰退するのは当
然の成り行き、通信キャリアのキャッシュバック等により、White-box 端末機の競争力
は明らかに低下している、価格面での優位性は既になくなったと指摘する。
【タッチパネル】洋華、中型タッチパネル出荷比率伸び悩む 10%は達成困難
2011-7-26 DJ 財経知識在庫
アップル以外のブランドのタブレット PC が大量出荷される中、静電容量式への対応が遅
れたタッチパネル大手の洋華光電(Young Fast)は、市場全体の需要は旺盛で携帯電話
51
2011 年 7 月号
用小型タッチパネルの受注は伸びているものの、タブレット PC 用中型静電容量式タッチ
パネルの受注は依然低迷したままで、今年の中型タッチパネル出荷量比率 10-20%とし
た当初見通しを 10%以内に下方修正することを明らかにした。
今年 4-6 月の静電容量式タッチパネル出荷量比率は 60%を超え、抵抗膜式タッチパネル
の出荷量比率は 40%まで低下したが、低価格機種向けが主で、業績を大幅に押し上げる
には至らないとしている。
洋華の現在の小型タッチパネル月産能力は 1500 万枚、中型タッチパネルの月産能力は
50 万枚であるが、受注の伸び悩みから年内に生産能力を大幅に拡張する計画はないとし
ている。
【液晶パネル】京東方/華星 8.5G、歩留まり低迷で量産開始時期を延期
2011-7-27 中時電子報
中国地場の TCL が深圳に建設している深圳華星光電(China Star)が、8.5 世代液晶パ
ネル生産ラインでクリーンルーム施工上の瑕疵により歩留まりが低迷しているため、量
産開始時期が来年にずれ込むことが明らかになったほか、中国地場の京東方(BOE)が北
京に建設している 8.5 世代液晶パネル生産ラインでも、歩留まりが底這い状態で、量産
体制が整うのは今年年末になる見通しであることが明らかになった。ただ、業界関係者
は、この 2 つの生産ラインの量産時期が遅れることは、液晶パネル市場の供給過剰圧力
を緩和するという点ではプラスだとと指摘する。
大型液晶パネル世界第 3 位の友達(AUO)、同業第 4 位の奇美電子(CIC)が、同業第 2
位の韓国 LGD が本業の液晶パネル事業で 3 四半期連続赤字となったことから、今年 4-6
月の最終損失が数十億 NTD に達すると予想されているほか、下期の見通しについても、
不透明感が拭えないことから、業績の本格回復は期待できず、低迷が続くと見られてい
る。韓国の LGD は、既に今年通年の液晶テレビ出荷量見通しを下方修正している。
こうした市場環境の中、今年 9 月頃に量産を予定していた京東方、華星光電の計 2 本の
8.5 世代生産ラインが予定通り量産を開始すれば、市場は深刻な供給過剰に陥ると見ら
れていたが、両社が歩留まりを理由に量産を延期したことで深刻な供給過剰は回避でき
るとの安堵が広がっている。両社は、歩留まりを理由に量産を延期したものの、実際の
ところは市況悪化を食い止めるため、意図的に作業を遅らせているとの指摘もされてい
る。華星は、8.5 世代ラインの量産時期を延期とともに、生産能力を月間 8 万枚(ガラ
ス基板換算)から 3 万枚に削減している。
このほか、台湾の友達光電、韓国の三星、LGD も、中国内地での投資のテンポを減速さ
せており、LGD は広州での 8.5 世代ラインの建設を延期、三星は蘇州での 7.5 世代ライ
ンの建設を減速すると同時に生産能力を半減することを明らかにしている。友達は、昆
山の 8.5 世代ラインを 2013 年には量産を開始する計画だが、実際の量産開始は今後の市
況次第では延期される可能性があることを強調している。
【液晶パネル】凱鑫 森、19 本の TFT-LCD 光学フィルム生産ラインを建設
52
2011 年 7 月号
2011-7-27 鉅亨網
中国地場の液晶パネル用光学フィルムメーカーである凱鑫森(上海)功能性薄膜産業有限
公司は、中国国内最大の機能性薄膜産業基地第 2 期のうち、投資額 1.3 億元の TFT-LCD
光学フィルム生生産ライン 6 本を既に稼働したことを明らかにした。また、2.2 億元を
投じて新たに 19 本の TFT-LCD 光学フィルム生産ラインの建設を開始し、2012 年 6 月に
完成させることを明らかにした。
第 2 期 25 本の TFT-LCD 光学フィルム生産ライン全てが完成すれば、拡散フィルム、プリ
ズムフィルム、高反射フィルム、複合フィルム等の年産能力は 7440 万平方メートルに達
し、世界第 4 位になるという。
同産業基地第 1 期は 2010 年 1 月に着工、2010 年 10 月から稼働し、三星、康佳(Konka)
、
長虹(Changhong)系列の翰博凱華科技(北京)有限公司、深圳帝光電子有限公司、広州理
想信息産業有限公司、江蘇毅昌科技有限公司、帝豪電子(揚州)有限公司に製品の供給を
行っている。
【タッチパネル】中華映管、元太を通じアマゾン Tablet 用タッチセンサを受注
DIGITIMES 27-7-2011
中小型液晶パネル大手の中華映管(Chunghwa Picture Tubes)は、電子書籍リーダー大
手のアマゾンが近く販売を開始する 7 型タブレット型パソコンのタッチセンサを受注し
たことを明らかにした。
アマゾンのタブレット型パソコンのアッセンブリは、ノートパソコン ODM 最大手の広達
(Quanta)が受注、また同タブレット型パソコンの ITO タッチパネルモジュールは勝華
(Wintek)及び介面(J Touch)が受注しているため、中華映管は介面向けにタッチセン
サを供給することになるという。なお、勝華、介面は、9 月末までに 200-400 万台のタ
ッチパネルを出荷する必要があり、そのうち Wintek が 70-75%、介面が 25-30%を占め
ているという。
中華映管は、アマゾン Tablet のタッチセンサを受注できた最大の要因として、電子書籍
リーダー用電子ペーパー最大手の E Ink を傘下に置く元太科技(Prime View)が中華映
管の第 6 世代液晶パネルラインをタッチセンサ用に確保したかったためとしている。元
太科技は、その一環で中華映管の株式を引き受け、株主にもなっている。
なお、アマゾンは、タブレット PC のタッチパネルベース基板に液晶パネル方式ではなく、
E Ink の電子ペーパー技術を採用することを決めている。また、アマゾン Tablet の主要
部材ベンダーは以下の通りで、台湾の IC 設計メーカーが IC チップの供給を独占してい
ることが明らかになっている。
部材
主なベンダー
タッチパネル
勝華、介面、中華映管
CPU
Nvidia
タッチコントローラ IC
奕力科技(Ilitek)
LCD ドライバ IC
聯詠科技(Novatek)
照度センサ
凌耀科技(Capella)、矽創電子(Sitronix)
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2011 年 7 月号
パワーサプライ IC
立錡科技(Richtek)、致新科技(GMT)
重力センサ
矽創電子(Sitronix)
【有機 EL】アップル、テレビ事業で LGD から 55 インチ有機 EL パネルを調達
2011-7-26 新浪科技
大型液晶パネル世界第 2 位の LG Display は、2012 年末から 55 インチテレビ用有機 EL
パネルを少量生産する計画を明らかにしたが、その供給先がアップルであることが明ら
かになった。LGD は、iPod Touch、iPhone 向けで Retina パネルを生産、アップルは 2009
年には 27 インチパネルの安定調達のため、LGD に 5 億米ドルの投資を行っている。
ソニーも有機 EL パネルを生産しているが、ソニーとアップルの関係は良くないといわれ
る。また、有機 EL パネル最大手の三星電子もアップルと特許権で係争中であることから、
業界では、アップルが有機 EL テレビ事業に参入するとすれば、LGD からの調達が最も可
能性が大きいとしている。
【太陽電池】孚日、年産 30MW の CIS 薄膜太陽電池モジュール工場稼働
証券時報網 2011-7-27
中国山東省の太陽電池メーカー、孚日集団(Sunvim)は、建設
していた年産能力 60 メガワットの CIS 薄膜太陽電池モジュール
生産事業のうち、年産 30 メガワットの生産ラインの試運転を完了、正式に稼働させたこ
とを明らかにした。生産するモジュールのエネルギー転換効率は 10.5%に達していると
う。
【PCB】台湾 PCB メーカー、株主総会承認の資金調達総額 70 億 NTD 超
PCB 信息網 2011-7-27
スマートフォン及びタブレット PC ブームを背景に、台湾のプリント配線基板(PCB)及
びその関連部材メーカーのフレキシブル基板(FPC)及びビルドアップ基板(HDI)の生
産拡張ラッシュが続いており、今年 6 月の株主総会で承認された台湾 PCB メーカーの資
金調達の総額は 70 億 NTD を超えた。
【半導体】アップル、台湾 IC メーカー 4 社を iPad 3 用 IC サプライヤに採用
2011/7/27 搜狐 IT
アップルは、タブレット PC 市場の独占状態が崩れ始める中、iPad の生産コストの削減
に取り組んでおり、近く投入する iPad 3 用 IC サプライヤとして台湾の IC メーカー4 社
を採用したことが明らかになった。今般採用された 4 社は、LCD ドライバ IC の聯咏科技
(Novatek)、バックライトセンサの立錡科技(Richtek)、パワーサプライコントローラ
IC の凌耀科技(Capella)、LCD 用 IC の安恩科技(iML)。
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