平成28年度 事 業 計 画 運 営 方 針 湯之里園の処遇の基本理念は、施設内における認知症や入所者の重度化に対応すべ く、専門的機能の充実と、より多様化するニーズに対応できる処遇内容の充実を図り、 入所者に提供する「サービスの質の向上」に努め、生活感覚に応じたものとするため に「運営管理」 「施設設備環境」 「地域との連携」 「専門サービス」 「日常生活援助」 「入 退所及び在宅支援」等の各分野において本人、家族の満足度充実のための体制確立に 努めることである。 (1) 入所者には、選択可能な各分野のサービスの内容を、自らの選択決定により サービスを提供する。ただし、心身状態の理由で、自ら決定できない場合個人 を尊重したケアプランを家族等の協力によって選択し、サービスを提供する。 (2) 入所者の各分野へのサービスの提供は、入所者の自立した生活の実現と積極 的な介護支援のため、より効果的なサービスの利用や生活状況を見守り続ける 援助策として、ケアマネジメント体制を確立し、適切なサービスの提供を継続 的に行う。 (3) 各分野におけるサービスの提供にあたっては、入所者の生活の制限を必要最 小限とし、家庭的雰囲気を重視する。さらに、適切な個別サービスの可能性を 常に、検討し、記録しながら入所者の生活の継続を尊重する。 (4) 介護保険の元、施設サービスと在宅サービスとの連携をはじめとする、保健、 医療、福祉の連携を積極的に進め、名実ともに地域福祉の拠点となるよう各機 関との連携に努め、入所者の社会性を向上させるための努力を行う。 -1- 運 営 ・ 管 理 運 営 ・ 管 理 (1)運営・管理 ① 園の趣旨及び運営理念を全ての職員に浸透させ、運営に十分活かす努力を行い、 趣旨、理念を実現可能なものに置き換え具体化させ、計画⇒実施⇒評価を行う。 ② 入所者が安全で快適な生活の援助のため、職員間の協力と和、各々の意識向上 に努める。 ③ 職員一人一人がホームの役割を把握し、地域の窓口となるよう努める。 ④ 火災等に対する災害事故防止については、入所者の特殊性に鑑み日頃より災害 等の非常事態発生時の対応には、マニュアルに基づき日頃から訓練や安全教育 を実施する。 (別紙・消防計画書) 職 員 へ の 教 育 ・ 研 修 (1)職員への教育・研修 ① 園の趣旨及び運営理念を始め、必要な業務マニュアルに基づき、画一的な研修 計画でなく、職員の技能、技術に応じた内容で適時研修を行う。又新任職員に 対しては集中的、段階的に研修を実施する。 ② 入所者の個々の健康状態等の情報が日々把握され、それに対し携わる職員が同 一の知識と技術レベルで対応できるよう研修プログラムを作成し、教育研修実 施する。 ③ 研修会、勉強会をテーマを決めて、誰でも参加できるよう企画し定期的に実施 する。 ④ 専門的な個別テーマについて研修会、勉強会を継続的に実施する。 ⑤ 活力ある施設を維持するために、全職員を対象に、施設外の研修会、大会学会 等への参加や、研究発表の場を積極的に設ける。又参加後、成果を職員に発表 し、動機付けに向けての利用と、教育費として年間予算計画を立案する。 ⑥ 職員研修や勉強会で、資格取得の重要性を定期的に教育し、取得のための学習 会等を開催する。 -2- 記 録 ・ 調 査 (1)記録 ① 記録は秘密保持につとめ、記録が単に書くための記録にとどまらないよう問題 施行型(POS=problem-oriented system)を導入し、入所者の生活の質(QO L=quality of life)生活の質の向上の一環になるよう重視する。 ② 記録は各職種が専門的立場で入所者を観察、検討するため、経過的変化や対応 状況等について明瞭に記入し処遇の統一化をはかる。 ③ 記入方法、管理方法について、統一的にするために定期的に勉強会、研修会等 を開く。 ④ 記録、日誌等は定期的に上司に報告、提出する。 ⑤ 各種目日誌、ケース記録、排泄記録、食事記録、看護記録、健康チェック表、 献立表、業務日誌、夜警日誌、会議録、研修記録、入所者台帳、リハビリ・各 班活動記録、検食日誌等 (2)調査 ① 入所者の意見や、評価を素直に受け止めるため、調査やアンケートを定期的に 実施し、その結果を前向きに改善していくため、得られたデーターは報告書と してまとめ、記録として整備し入所者の生活全般にわたる意見としての評価を 行い、介護サービス計画等に導入する。 ② 嗜好調査、日常生活動作(ADL=activities of daily living)調査、生活状況調 査、栄養調査、認知スケール等の実施。 プ ラ イ バ シ ー (1)プライバシー ① 入所者を「人」として尊重する教育を施設内で企画、実施し、人権やプライバ シーについて最大限の配慮を行う。 ② 施設内の入所者が目立つ場所にパンフレットを作成し、問題点については、可 及的速やかに改善するよう取り組みを行う。 ③ 入所者の入・退所、生活にかかる記録、資料等に関しては、取扱い要領を作成 し、管理責任者を明確にし、全職員への具体的周知徹底をはかる。 -3- 介 護 サ ー ビ ス 計 画 (1)介護サービス計画 ① 介護保険の導入に伴い直接処遇職員を中心に、ケアマネージメント体制を確立 し入所者のケアプランを策定する。 ② 入所者のケアプランの策定にあたっては、入所者本人、家族の意見を聞いた上 で立案し、立案された目標、対応計画を入所者や家族に文書により、 「ケアの共 有」として示す。 ③ ケアプランは入所者の満足度についても十分反映されるよう、定期的に評価、 検討する。 事 故 発 生 時 の 対 応 「不測の事故」の内容を具体的に事例として取り上げ、それに対する対応策をマ ニュアル化し、定期的に訓練、研修会等を実施する。又全ての安全に対するチェ ックリストを作成し、責任者を配し定期的に点検を行う。又、苦情解決委員会を 活用し、万全の処理体制で取り組む。 カ ン フ ァ レ ン ス ケース会議、処遇検討会、事例研究等を定期的に開催し、入所者に関わる問題に ついて、いろいろな観点で共有化しQOL(生活の質)の改善を図るよう検討し、 その記録はケース記録に記載し、施設長まで報告を行う。 -4- 施 設 設 備 ・ 環 境 施 設 設 備 ・ 環 境 居室は自分の居間であり客室でもある、快適な生活を過ごしていただくために、 清潔で明るい雰囲気、適切な温度調節、入所者が使いやすい身の回り品の配慮、 心身の状態や対人関係を考慮した居室の選択、生活習慣や障害の程度に応じて、 畳の設置やベッド位置、高さを検討し対応する。 (1)施設設備等に対する対応 ① 椅子、テーブル、床、居室等も家庭的雰囲気に配慮し、各所で快適に時間を過 ごせるよう、絵を飾ったり、本を置いたり、廊下の片隅にソファー等を設置す る。 ② 廊下には、障害物を置かないようにする。 ③ トイレの利用、ドアの開閉も車椅子や歩行器で容易に使用できるようにする。 ④ 建物内部は段差を解消し、洗面所、食堂、談話室等も車椅子で利用しやすくす る。 ⑤ 専用のデイルームや談話室を設けたり、喫茶コーナーを設けくつろぐにふさわ しい場所を設置する。 ⑥ ソファーや椅子、テーブル、テレビ、雑誌等を用意し、利用したい時に自由に 利用できるようにする。 ⑦ 車椅子、杖、歩行器、自助具等は複数のタイプを準備し、入所者が自立のため に必要な希望に合ったものを利用できるようにする。 ⑧ 各自専用の私物収納スペースを準備する。 ⑨ 各ベッド及びトイレや浴室やナースコールは週一回、作動チェックを行い常時 職員がコールに対応できるように配慮する。 ⑩ 介護方法の練習をする場所や、入所者との面会する場所を準備する。 -5- (2)施設内環境衛生 ① 定期的な清掃を行い、清潔な環境を整える。 ② 廊下、居室、食堂等はモップで清掃し、責任者を配し各所を毎日チェックする。 ③ 異臭を出さないように職員が一丸となって取り組む。 ④ 危険区域(スロープ、階段等)にはフェンスを配し、照明も入所者に適するよ うに工夫する。 ⑤ 居室の暖房は、温度(サーモスタット)20度に設定し、湿度は60%に保つ ために加湿器を使用する。 ⑥ 居室清掃時、シーツ交換時、オムツ交換後等はこまめに換気を行う。 ⑦ 大掃除・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・年2回(8月、12月) 。 居室(床、床頭台、ベッド回り、洗面台等) ・・ ・・・・・・・・・・毎日。 収納棚、床頭台の中、私物棚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・随時。 床ワックス掛け・・・・・・・・・・・ ・・・・年1回業者委託(12月) 。 窓磨き・・・・・・・・・・・・・・・・ ・年2回(8月、12月) ・随時。 居室以外の清掃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・毎日。 外庭美化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・毎月一回。 害虫駆除・・・・・・・・・・・・・・・・ 年2回(8月、12月) ・随時。 -6- 地 域 連 帯 在 宅 支 援 (1)在宅支援 ① 在宅支援を行うために、デイサービス、ショートステイ、給食サービス、入浴 サービス、在宅介護支援センターを実施する。又、ホームヘルパー派遣事業等 の積極的推進を図る。 ② 地域の寝たきり老人等に対しても、積極的に対応する。施設退所者、家族に対 する訪問活動等を実施し、適切な相談に応じる。 ③ デイサービス、給食サービス、ショートステイ、在宅介護支援センターの在宅 介護事業の内容に関するパンフレットを作成し必要に応じ配布する。 協 力 医 療 機 関 (1)協力医療機関 ① 内科、外科、精神科、歯科、婦人科、皮膚科等の協力医療機関とは協力契約書 を作成し、契約を交わし、必要に応じ往診を依頼する。 ② 入院に関しては、状況を入所者、家族、関係機関等に説明し、合意のもとに対 応する。 ③ 入院後も、入所者、家族のフォローを行い、治療後の療養計画を立てて、対応 する。 地 域 福 祉 (1)地域福祉 ① ボランティアや実習生、研修生の受け入れについては、担当者を配慮し、具体 的な受け入れ計画、指導内容等のマニュアルに基づき、継続的、計画的な対応 を行う。又受け入れは入所者、職員に対し、受け入れの趣旨等の徹底や計画内 容をあきらかにし、一体的に対応できる体制をはかる。 ② 地域の学校等の実習生の受け入れも積極的に行う。必要に応じて、定期的に研 修会等を実施する。 ③ 施設での行事に、家族、地域の参加を呼びかける。又、入所者が周辺地域の行 事への参加を希望した場合は参加できるよう配慮し、地域の町内会、婦人会、 老人会等と連絡をとり、お互いに協力して行事へ対応を行う。 他 機 関 、 他 施 設 と の 連 携 -7- (1)他機関、他施設との連携 ① 市町村、保健所、福祉事務所、町社協等の機関との連携や協力を得るために、 担当者を配慮し、関係機関からの情報の収集や提供にあたる。 ② 必要に応じ病院、診療所、老健施設、他の支援センター、訪問看護ステーショ ン、デイケア等各種施設と連携をとり情報の交換を行う。 ③ 地域自治会等との連携をはかる。 ④ 施設見学(随時)の希望を受け、積極的に施設のイメージアップにつとめる。 社 会 サ ー ビ ス 入所者と家族に対し、個別に話し合いの機会を計画的に持ち、話し合い、相談 内容をケアプランに反映させ、必要に応じ専門家、専門相談機関と連携をとり、 適切に対応できる体制をとる。 (1)社会サービスへの対応 ① 居室別に担当介護職員を配置し、個々の対応に当たる。 ② トラブルがあった場合、担当職員(介護職員、指導員)等が、早く話しを聞き、 不満や訴えのある人と個別に相談室で問題解決に当たる。 ③ インターネットのホームページ活用の為、広報委員会を定め入所者、家族、地 域住民、ボランティア、関係機関等に施設の様子、入所者の状況等を知らせる。 ④ 湯之里園のホームページ([email protected])を利用し広報域を拡大する。 ⑤ 家族等に対しては、家族支援の担当者を置き、入所者の状況に関して家族が必 要とする情報を、必要に応じて個別に、定期的に提供する。 ⑥ 家族関係についての相談や調整は、入所者処遇の重要な課題であり、ケース会 議等の事例として取り上げ、家族関係調査にも意欲的に取り組む。 又必要な時にはいつでも、相談に乗り、調整できる体制を取り、担当者が家庭 訪問等を行い、調査、相談を行う。 ⑦ 入所者や家族等の個別的な相談、話し合いによる、経済的、社会的ニーズに応 じられる体制を作り適切に対応する。 入 ・ 退 所 ( 契 約 ) -8- (1)入所への対応 ① 施設概要及びサービス内容、費用等をわかりやすく記載したパンフレット等を 準備し、必要な時に提供する。又、入所前や休日等でも、施設見学が自由にで き、施設の体験利用にも対応する。 ② 入所順位については施設長、生活相談員、介護支援専門員、介護・看護職員等 施設内の職員のほか市町村及び地域の保健・福祉関係等第三者の委員(3名以 上)により構成される入所検討委員により、入所検討委員会を原則3ヶ月に1 回開催、公正、平等に審議し入所順位を決定する。 ③ 入所に当たっては、質問に的確に答えられる職員を配し、施設利用の方法、入 所者や職員の状況、サービス内容等、生活上必要な事項についての説明を行う。 又将来に向けてのケアを家族と共に話し合う機会を設ける。 ④ 原則として、入所が決定したら、入所前に肥後医院(嘱託医)にて、入所前に 健康診断を受け、疾患、障害の程度を把握し、ケアプランの中に取り入れる。 (2)退所への対応 ① 退所にあたっては、各職種から必要な、個別の書式で詳しく情報の提供を行う。 。 ② 金銭の引継ぎ、衣類等の生活用品の引継ぎ、事務手続に関する諸手続は、マニ ュアルを作成し対応する。 自主防災無断外出捜索体制 -9- 不在確認をした職員は、直に主任に報告し、主任は勤務職員に連絡し捜索体制を作る。 主任は施設長、以下上司に報告し指示を仰ぎ、又、不在の時は指揮をとらなければな らない。 十分な園内点検の結果、不在を確認した場合は園外の捜索を行う。 ①主任は、収集し捜索班の編成をする。 ②主任は、情報収集、連絡係となり、本部に待機、指示を出す。 捜索班・・・・園回りの、近隣の捜索(裏山、土手、側溝など)直ちに連絡のとれ る範囲。 車両捜索班・・行き先の指示を受け、捜索範囲が、かさならないようにする。 ①一次捜索範囲・・・2キロメートルとし、20分間隔で本部と連絡 を取り合う。 ②二次捜索範囲・・・4キロメートルとし、20分間隔で本部と連絡 を取り合う。 その後は、本部の指示に従う。 発見した場合は直ちに本部に連絡、健康状態を報告する。 夜勤の場合、 不在を確認したら、施設長、以下上司に連絡し指示をうける。 夜勤者は、捜索本部をもうけ一人を責任者とし、捜索体制を作る。 ①・・・責任者は本部に待機し、連絡、指示等、状況の把握をする。 ②・・・他の夜勤者は、園外近くの捜索にあたる。 ③・・・責任者は、在宅職員に連絡し従い行動する。 ④・・・在宅職員は、本部の指示に従い行動する。 本部は、職員の数、名簿、捜索場所、時間を把握する。 車両捜索班・・・・・上記と同じとする。 各機関への通報、協力は、施設長の指示により要請する。 - 10 - 専 門 的 処 遇 看 護 ・ 介 護 ・ 健 康 管 理 (目標) 心身ともに予備能力が低下し、状態が変化しやすい、入所者の看護と介護 は密接な関係にあり、その変化を正確にしかも素早く捉える事が大切で、注 意深い観察が必要である。治療が必要となった入所者の家族との対応や精神 的ささえとしての役割も大切である。 (計画) (1)看護・介護・健康管理への対応 ① 定期的な検診、検査を実施し、各職種間の連携を密にする事で疾病の早期発見、 受診、治療等を行う。 ② 嘱託医と常に密に連携をとり、健康状態の変化や、異状は直ちに伝え指示を受 け、適切な対応を行う。 ③ 個人の受診結果等は全職員が把握し、適切な介護に当たる。 ④ 入所者の健康状態の説明を本人及び家族に、分かりやすく説明する機会を設け 理解を得る。又必要に応じ記録の送付を行う。 ⑤ 重篤な状態になった場合の連絡方法等を、予め家族と打ち合わせて連絡をする。 ⑥ 骨折や誤飲等の緊急事故が発生した場合の対応マニュアルを作成し、実技研修 を行い、各職員に周知徹底するよう日頃から訓練を実施する。 ⑦ 感染症対策マニュアルを作成し、計画的に研修を行う。又必要な手洗器、消毒 器などの設備を設置する. ⑧ 体位変換は、必要な人を日々確認し時間を決めて記録、実施を行う。 ⑨ 看護、介護の業務分担、責任者を明確にし、入所者ごとの記録を明細に記載し、 適切に申し送り、引継ぎを行い、各職種ごとの情報交換も適時実施し、必要事 項についてはケース記録等への記載も行う。 ⑩ 入所者の睡眠状況、食事摂取の状況、排泄状況等を適切に記録し、看護、介護 職員への情報伝達を適時実施し、各入所者の看護、介護に適切に反映させる。 ⑪ 各入所者後との服薬チェック、薬歴管理を行い服用毎に配布する。 ⑫ 嘱託医 肥 後 光 春 医 師(肥後病院々長) - 11 - ⑬ 協力医療機関 一般内科・外科 肥 後 病 院(十二町) 22-4148 眼 科 岩下眼科医院(湊) 23-3959 歯 科 北薗歯科医院(大牟礼) 22-6401 皮 膚 科 宇 宿 皮 膚 科(十町) 22-1412 耳 鼻 科 永田耳鼻咽喉科医院(大牟礼) 22-2327 婦 人 科 北薗産婦人科クリニック(大牟礼) 24-3177 整 形 外 科 今林整形外科病院(十町) 22-2710 脳 神 経 外 科 指宿脳神経外科(東方) ⑭ 27-1177 健康診断 定期健康診断 内科・・・・・・・・・・・・年2回(4月・10月) 定期回診 内科・・・・・・・・・・・・・週2回(火・金曜日) 検査等 体重測定(年 4 回)。 検尿(随時)。 洗眼(随時) 。 血圧(月 1 回、入浴日、随時) 検温(毎朝、毎夕、入浴前)。 - 12 - 脈拍(毎朝) 。 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン (目標) 入所者個々の身体状況と認知の程度、リハビリへの意欲、精神状態等を考 慮し、リハビリテーション活動が訓練室のプログラムだけでなく、入所者の 生活の場において「生活の意思を尊重し、心身の状態を考慮したプログラム (内容・時間)を個人別に目標を設定し、日常生活の中でその課題や方法を 明らかにし、意図的なリハビリテーションの援助を行う。又個々の状態にあ った適切な機器等の紹介、居住設備環境改善等についても、相談、助言に応 じ、入所者がそれぞれに適した改造や開発を行うために、積極的な取り組み を行う。 (計画) (1)リハビリテーションへの対応 ① 身体機能の維持、向上、意欲が生きがいにつながり、生活リズムとハリが出る ように日常生活の中でできるリハビリを考え実施する。 ② 計画の作成に当たっては、関連ある担当者でケース検討等を行い、ケース毎に リハビリテーションを立案(評価、目標設定、実施計画)し、計画に従ってリ ハビリテーションを実施、実施状況に応じて計画、課題の見直しを行う。又家 族や入所者の要望により、個別指導、助言も行う。 ③ 医師や看護師等の指導により、適切で安全なリハビリを行う。 ④ 日常生活動作と移動関連器具のチェック(随時)。 (2)運動リハビリ ① 比較的意欲があり、リハビリの目的や内容を理解できる方を対象に計画実施す る。 ② 個別の目標を設定し、こまめに見直し、検討を図る。 ③ 装具や介護器具の使用は、安全に取扱ができるよう個人指導を行う。 ④ 集団リハビリ・・・体操、ゲーム、リズム遊び等を取り入れて実施。 個別リハビリ・・・他運動、自動運動、電気治療、起立訓練、 ホットパック、歩行訓練、輪転器、筋力トレーニング、 平行棒バランス訓練等 - 13 - (3)楽しんで行うリハビリ ① 重度者や認知症のひどい人や、意欲の乏しい人を対象に実施。 ② 本来の方法では、苦痛や重荷になり、かえって心身に負担を与えるため、楽し みながら出来るプログラムを組んで、生活の中で出来るリハビリに心がける。 ③ 少しでもリハビリに興味を示されるような柔軟性を大切にしたプログラムを作 成し実施する。 ④ 音楽クラブの参加や他クラブ、行事等への積極的な参加をうながす。 (4)生活の中で活かすリハビリ ① 入所者全員を対象に衣類の着脱、移動、入浴、排泄、食事等の残存機能を最大 限生かすプログラムの作成と環境を整える。実施に当たっては、直接処遇全員 で取り組む。 ② 食事入浴等の充実を図り、一日数回の離床を行う。 ③ ゆっくりと分かりやすい会話、細やかなスキンシップを通じて入所者の日常生 活にハリを持たせる。 - 14 - 日 常 生 活 の 援 助 食 事 (目標) 楽しく美味しく食事は「健康の素」と言われるように、入所者に喜んでも らえる食事を提供するために、栄養のバランスのとれた内容、各々の嗜好を 大切に、入所者の健康状態に応じた食事形態、適切な介助、家庭的な雰囲気 作り等に配慮し、栄養士や調理員は、適切な栄養管理のもとに衛生的で食べ やすい調理の工夫をし、介助者はそれらを踏まえた上で、お互いに連携をと りながら、充実した食生活の向上につとめる。 (計画) (1)栄養バランス ① 一日平均必要摂取カロリーを1,400Kcalとし、入所者個々に見合った 食品の種類と量を提供する。 ② 骨粗鬆症予防の為にも、小魚、海藻、牛乳、乳製品等から一日必要量、カルシ ュウム600mgの摂取に調理工夫をして提供する。 (2)嗜好 ① 年に二回以上、入所者の嗜好調査を行ない、全体的に献立を見直したり、個人 の嗜好を把握して、個別的に献立を反映させる。 ② 年 6 回、給食会議を開催し、入所者代表と各職種代表による献立や調理につい ての話し合いを行う、又行事食の計画や評価等を行う。 ③ 毎食、当番職員が、入所者の食事の前に検食を行い、検食簿に記入し、献立に 役立てる。 (3)食生活の工夫 ① 材料に似合った器の選択と盛り付けの工夫を行い、保温・保冷配膳車、冷蔵庫 等の活用をはかり、適温給食のため食事直前の配膳を行う。 ② 隠し包丁や魚の骨抜き等、安全で食べやすく、旬の物を多く取り入れ季節感を 出し、多様なメニューで、マンネリ化を防ぎ、繊維質の多い食品の利用と塩分 控えめの味付けに工夫する。 ③ 視力障害者やミキサー食の方には、声かけを行い、安心して食事ができるよう、 又、園内放送や掲示板等を利用し、食事への期待や安心感を与えるようにする。 ④ 食事場所は、心身の状態や本人の希望で食堂、居室等に分かれるが、離床して 食堂で、皆と語らいながらの食事が望ましく、テーブルや椅子の配置は、入所 者の意思によって設置する。 - 15 - ⑤ 行事食(おせち、花見、敬老の日、誕生会等)や、郷土料理の日等を実施し献 立に変化をつける。 ⑥ 禁忌食品については、代替食を準備し、個人の嗜好を大切にする。 ⑦ 食器、スプーン等の適正な選択によって自力での食事摂取を促す。 (食べこぼし が多い方で、体重減少がみられる場合、介助させていただく場合があります。 ) (4)食事形態 ① 各々の状態に合った食事として、主食(御飯、軟飯、粥、ミキサー粥) 、副食(普 通、一口大、荒キザミ、キザミ、ミキサー)、治療食(減塩食、糖尿病等)、鼻 腔・経腸経管栄養食等に分けて提供し、摂取量や栄養の確保に努める。 ② 各職種間で緊密な連携を取り、歯痛、発熱等一時的、突発的な状況等にも必要 に応じての食事の提供を行う。 ③ ミキサー食の工夫として、材料の選択と味付、調理の工夫、汁物にとろみをつ ける等の工夫を行う。 ④ 経管栄養食者には、清潔に心がける。拒食や食欲不振、終末期の入所者への対 応は、嘱託医や各職種との連携を密にし、好物を提供したり、一緒に食べる等 の細やかな対応に心がけ、高カロリー食等で栄養を補給する。 (5)水分摂取 ① 一日に必要な水分量、1,500mlとし、一日三回、夏場麦茶、冬場しょう が湯などを配布し水分補給に当る。特に入浴後や離床後、発熱時、夏等は多く 与え摂取量の少ない人や脱水症への対応に当たる。 (6)給食管理 ① 給食調査(毎食) 、栄養調査、保存食(2週間)等を実施し、記録として残し給 食管理を行う。 ② 食品衛生、食中毒防止の為に、給食関係従業員は月一回(6~9月は月2回) の検便、介護職員、看護職員は年二回の検便と食器(年二回全食器漂白、消毒)、 器具機械の消毒、点検、調理室の清掃(月一回一斉清掃日)等ハサップ管理に よる衛生管理を行う。 ◎栄養管理計画書を3ヶ月に一度作成する。 スクリーニングは3ヶ月毎、または随時(リスクの判定)行う。 アセスメントは、高リスク者は2週間に1回、中リスク者は1ヶ月に1回、低リ スク者は、3ヶ月に1回作成する。 年に1回採血を行い、アルブミン値を測定、栄養管理に反映させ、個人の栄養状 態を把握していきます。 (高リスク者は3ヶ月に1回) - 16 - 入 浴 (目標) 入浴は、全身の血液の循環を良くし、皮膚を清潔にし、皮膚疾患の予防、 床づれ予防、気分転換に効果があり職員とのスキンシップによる、身体の変 化、異常の早期発見に努める。 入浴は週2回(原則)実施し、入浴できない日には、清拭を行う。ただし 皮膚疾患患者等で必要な場合は毎日入浴を実施する。皮膚疾患の予防として、 浴槽に入浴剤等を使用する。入浴介助に必要な職員を配置し、事故防止等に 心がける、又入所者の状況に合わせた介護用品を備え対応する。 (計 画) (1) 普通浴 自力で入浴できる方を対象とし、入浴日以外でも、希望があれば入 浴、シャワー、夜間入浴も実施する。 (2) 中間浴 一部介助を必要とする方を対象に、入浴の自立を援助することを目 的に実施する。 (3) 特殊浴 自力で入浴できない方を対象とし、普通浴対象者であっても、その 時の状態に応じて対応する。 (4) 清 拭 入浴できない時には、状態に応じて全身又は部分的な清拭を、皮膚 の清潔、細菌感染の予防、褥創予防、気分転換、食欲増進を目的に、 各々の状態に応じた清拭の回数、方法によって日中の暖かい時間に、 プライバシーの保持に配慮し実施する。 (5)入浴の対応 ① 浴室は、入口をカーテンで仕切り、着脱は必ず浴室内の脱衣室にて行い、各々 にプライバシーが守られるように工夫する。 ② 入浴は、性別に配慮し、タオル、バスタオルは、一人で何枚でも使用できるよ う浴室内に備えつけて置く。 ③ 室温、換気の調節に気をつけ、器具類の保守点検と安全確認、湯温(38度~ 42度) 、浴室、脱衣所の事前の準備を行う。 ④ 入浴嫌いな人や、認知症老人への対応として、原因を把握し、各々に応じた誘 いかけや工夫を行う、無理に入浴させるのは、かえって逆効果であり自ら進ん で入る気持ちにさせることが大切で、入浴中は不安感や嫌悪感を起こさないよ う声かけを行う。 ⑤ 入浴後は、牛乳やお茶等で水分補給を行い同時に状態の様子観察を行う。 - 17 - 排 泄 (目標) 排泄は、健康のバロメーターであるが、入所者の不安や羞恥心をなくすよ うプライバシーの保持に工夫し、各々の状態に合った介助、衣類、排泄用具、 容器を選択し、離床前等早めに排泄を誘導し、陰部の清潔保持と、排泄物の チェックを行い異常がないかの確認を行う、又介助者の清潔に心がける。 (計画) (1)トイレ ① トイレでの排泄をできるだけ長く維持できるよう、個々に応じた介助誘導、工 夫を行う。 ② 失敗に対する工夫、不安を和らげる等細かい介助を行う。 ③ トイレは常に清潔にし、水分等で床が濡れないようにする。 ④ 全てのトイレにはカーテンを取り付け、プライバシーの保持に努める。 (2)尿器・お廁 ① 尿感はあるが、起き上がれない人を対象とするが使用時にはベッドを20度~ 30度に起こし、漏れや痛みの防止に心がける。 ② カバーや布を当てて皮膚の保護をはかる。 ③ 長時間の使用は苦痛を与えるのでこまめに対応し、使用後は速やかに後始末を し、消臭に心がける。 (3)ポータブルトイレ ① 尿意の訴えから、排泄までの時間が短い人や、歩行困難で座位のできる人歩行 困難で頻尿の人を対象とする。 ② 状態に応じたポータブルの選択と調整に心がけ、入所者が使いやすく安全な位 置に、移動バー等を設置し転倒防止のためにスベリ止めマット等を使用し安全 に心がける。 ③ プライバシーの保護、下半身の保温の工夫をする。 ④ 寝たきりの人でも座位可能で尿意、便意のある場合は、できるだけポータブル を使用、夜間や冬場等トイレに間に合わない場合は必要に応じて使用する。 ⑤ 着脱しやすい下着の選択に心がける。 (4)オムツ ① 尿意、便意が戻らない場合の最後の手段として考える。 汚れたらすぐ取り替える、随時交換を実施し尿感の維持や回復につながるよう 心がける、又清掃、乾燥の保持、臭気の防止にも注意する。 ② 個々に応じた使用方法や対応を実施し、漏れたらすぐ替える随時交換を基本と する。 - 18 - (5)排泄記録表 ① 排泄に関する正確な把握と、健康チェックのため記録表を作成する。失禁予防、 排泄間隔の遠い人にはこまめに水分補給等、健康管理に活用し、必要に応じ医 療スタッフと連携し、排尿、排便を促す方法を検討したり、栄養士とも連携し、 食事面の配慮も行い、排泄の自立に向けて効果的な対応をはかる。 離 床 (目標) 入所者の残存機能を維持し、日常生活自立を高めるため、相手のペースに 合わせた声かけや介助により、安心感を持たせた、個々の障害の程度に応じ た離床の方法、工夫を行う。 (計画) (1)離床の方法 ① 日常起床時は着替えるようにし、日常着も障害に合わせてリフォームする等の 工夫をし、着替えが自立している人には、取り出しやすい場所に、衣類を収納 し着替えやすいよう配慮する。 ② 日中は布団をたたみベッドにカバー等を掛け休養程度の臥床にする。 ③ 日中はグループ活動や、行事等を設定し離床する機会、時間を延ばすことが出 来るよう工夫し、車椅子へ移乗出来ない人でも、ギャッジベッドの活用をはか る。 自 立 援 助 (目標) 入所者の主体性を尊重し、各々の状態を考慮し、日常生活全般における一 人一人の自己実現可能な自立への目標を設定し実施する。 (計画) (1)自立援助の方法 ① 日常生活動作の全てが、入所者が出来るだけ自分で取り組めるように、残存機 能と現在の能力を評価し、自立への目標をプログラム化し、設備や環境を整え、 入所者の動機づけに配慮し実施する。 ② ADL(日常生活動作)調査表の定期的な見直しと、他職種との連携等により、 より正確な評価を行う。又各種調査の実施とデーターの分析により、自らの取 り組みへの動きかけを行う。 ③ 入所者の障害の程度を正確に把握し、個々のレベルに応じた自助具や補装具を 準備し、それぞれのレベルでの自立生活援助を行い、定期的に個々の障害レベ ルについて検討会を開き、自助具や補装具の見直しを行い、概存の物だけでな く、入所者を観察したり、入所者と話し合って、独自の自助具を考案する等の 工夫を行う。 - 19 - 外 出 ① 入所者面会の段階で、家族に対し外出、外泊について説明し、協力を依頼する。 ② 外出、外泊をしたがらない入所者に対しても、個別に働きかけ、日常生活の中 で個別に散歩の機会を設ける。必要に応じては、ボランティア等に呼びかけて 対応する。 ③ 生活場面、面接等を通して入所者の希望を把握し、年間、月間行事計画の中で 外出の機会を多く設置する。 会 話 ① 日常生活の各場面でボランティアのみにとらわれず、トーキングサービスの重 要性を認識し、言葉かけを行い、失語症等により会話が不可能な入所者には、 個別にコミュニケーションの方法を考える。 ② 会話に対するマニュアルを作成し、職員の意識の高揚に努め、日常的にその検 討がなされるよう検討委員を設ける。 グ ル ー プ ワ ー ク (目標) グループワーク・レクレーション等のプログラムは、日常生活援助の中で 活動に対する動機づけに充分配慮し、個々の身体状況や目標を考慮した、活 動しやすい時間帯を設定し入所者の特性を充分に把握し入所者個々の趣味や 興味等に応じ、それぞれが選択出来るように、多くの活動を準備し、継続性 のあるクラブ活動やレクリェーション活動を設ける。月単位の諸活動や、年 間の行事計画に、入所者間の主体的な参加、活動を促し、入所者が企画、運 営に参加出来るよう工夫する。又家族やボランティアの方々にも事前に計画 を明らかにし、種々の通信手段を利用して参加を呼びかけ、家族やボランテ ィアにも企画から参加出来るよう工夫する。 (計画) (1)グループワーク(クラブ活動) ① 入所者同士や職員とのコミュニケーションの場として、入所者の趣味や興味、 希望を生かし、各々の状態に応じての細やかな対応に心がけ、自分から進んで 参加する意欲を持たせ、生活にリズムとハリを持てるよう、又リハビリ効果の あるクラブ活動を実施する。 ② 練習、作品等の成果を発表出来る場を作る。又全職員が何らかのクラブに関わ り、各クラブに担当職員と責任者を置く。 ③ クラブ日誌をつけ、入所者の変化や内容の検討等、細やかに記録する。 ④ クラブ活動計画表(別紙) - 20 - (2)行事・レクリェーション ① 生活に楽しみとハリをもち、社会の一員としての自覚や喜びと友達づくりを、 入所者を中心に、各々の状態に合った内容、時間を設定しプロブラムを作成、 準備の段階から入所者に参加を促す。 ② 行事内容に合った服装、雰囲気作りを行う。 ③ 行事への参加前後の健康チェックを行い、参加は個人の意思を尊重する。 ④ 参加されない入所者に対する配慮も忘れてはならない。 ⑤ 年間行事計画表(別紙) - 21 - ク ラ ブ 活 動 計 画 表 曜 日 午 前 午 後 指 導 者 月 火 マッサージ 上原信明 MT 石澤かおる 水 マッサージ 上原信明 木 マッサージ 上原信明 金 MT 石澤かおる 土 毎日 生け花 各班 * PT = physical therapy MT = music therapy レクリェーション・リハビリ等 理学療法 音楽療法 OT = occupational therapy 作業療法 - 22 - 平成28年度 月 大 行 事 4月 事 健康診断(職員) 湯之里園夏祭り 防災訓練・体重測定・嗜好調査 盆法要・インフルエンザ予防接種案内 全館害虫駆除 8月 敬老文化祭 10月 彼岸法要 ADL調査・HDS調査 インフルエンザ予防注射 健康診断(入所者・職員) ・体重測定 全体職員会議・防災訓練 11月 12月 行 健康診断(入所者) 採血アルブミン値測定 防災訓練・全館害虫駆除 全体職員会議 6月 9月 小 ADL調査・HDS調査・体重測定(毎月) 5月 7月 施設事業計画 クリスマス会 大掃除 1月 新年会・映画会 2月 節分・嗜好調査 3月 ひな祭り・彼岸法要・防災訓練 ・職 員 会 議(毎月) ・主 任 会 議 (毎月) ・日程調整連絡会議(毎月) ・誕生会(毎月) ・在庫調査(毎月) ・カンファレンス(随時) ・担当者会議(随時) ・給食会議(2ヶ月毎) ・入所検討委員会(3ヶ月毎) 23 入 所 者 日 課 表(A氏の一日の生活 月曜日) 午 前(6:00~12:00) 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 午 後(12:00~21:00) 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 - 24 - 認 知 症 ケ ア (目標) 認知症老人に対しては、自立した生活を目指す中でも、機能のみを重視するので はなく、能力を正確に評価し、あらゆる場面での支持的援助を重視し、独自の自立 生活への配慮と介助においても食事、入浴、排泄の状況や水分補給等に特に気を配 ると共に、保清に関する気配りも忘れてはならない。 個別に認知症老人への援助指針とケアプランを策定する。 (計画) (1) ① 余暇活動においては、情緒的に訴えるプログラムを作成し、他職種と連携のもとに定 期的な援助の見直しを検討する。 ② 認知症の行動(BPSD)の呈する方には、一定期間の観察と記録を行い、それを分析し、 認知症の行動の原因や行動パターン、危険性等を職員が共通認識し、認知症の行動を 抑制せず、環境を整えたり、受容的態度で行動を受け止める。 ③ 行動範囲がなるべく減少しないよう、抑制や拘束は行わず、センター等の設備や環境 面に充分工夫をし事故の防止をはかる。 ④ 医療スタッフ等と連携をとり、より細かな分析を行い、必要に応じてボランティア等 の活用により、個別の対応をより深める。 ⑤ 四季折々の単発的な活動を計画し、日中の活動的な生活を工夫し、入所者個々の特性 に合わせ、個人やグループで継続的に行える活動を考えたり、MT(音楽療法)等の 訓練も実施する。 ⑥ 日課の中に散歩等を組み入れ、 個別活動の困難な入所者に対しても個別の活動的生活 の援助を重視し、入所者が無理なく楽しく活動できるメニューを工夫し実施する。 ⑦ 居室、トイレ等場所が分かりやすい表示をし、ベッドの周囲には、写真や個々の好み の物を飾る等の工夫をする。 ⑧ 安全性だけを重視するのでなく、観葉植物や生き物等を飼う等の心の潤いに通じる環 境整備を行う。 ⑨ 共有スペースにはくつろげる家具等を置き、 問題行動の著しい認知症老人と一般老人 の分離処遇を行う。 ⑩ 残存能力を大切に、決まった役割を持つことで職員との信頼関係を築くために、軽作 業等の手伝いを考え実施する。 ⑪ 観察を細やかにし、 問題行動が起きる前に対応し必要に応じて精神科医の診断を受け る。 - 25 - く つ ろ ぎ ( 余 暇 ) (目標) 集団生活の中では、つい個人の時間を忘れてしまいがちになる為、入所者一人一 人の趣味や興味、要望を素早くキャッチし、自由な時間を充実させる事でより家庭 的な生活に近づけるようにする。又離床嫌いの入所者に対しても効果的な誘いかけ を工夫し、入所者が無理なく楽しめるような内容・環境を整える。 (計画) (1)酒・タバコ ① 酒・タバコは原則禁止、やむおえなき時は他の入所者の迷惑にならないよう喫煙場所 を設置する。 ② やむおえない時、環境整備の工夫やモラルが守られる働きかけをし、自由に楽しめる ように工夫する。 (2)新聞・雑誌・図書・テレビ・カラオケ等 ① テレビ・ビデオの機材を各フロアーに設置し、希望があれば自由に楽しめるようにす る。 ② 新聞・雑誌・図書を皆で自由に利用できる閲覧コーナーを設ける。 ③ 心身機能の状況により、 自分で読む事が困難な方には、ボランティア等の導入により、 朗読のサービスを提供する。 (3)服装・髪型 ① 入所者の好みで自由に選択ができるように、服装は好みの色、柄等を尊重し、身だし なみの介助が必要な方でも、介助しやすくする為の一様な服装、髪型でなく常に好み を聞いて希望どおりにする。 ② 理・美容室への外出の機会や、理・美容師の施設内への導入(アジアンヘアー)を定 期的に実施する。又日常的に買物の機会を設けるようにする。 (4)電話・FAX・手紙 ① 電話・手紙が自分で出来ない人に対しては、職員がプライバシーを守る配慮をし、代 行して外部と通信できるようにする。 ② 施設内の売店で、便箋、封筒、切手等が自由に購入でき、又自由に投函できる設備を 設ける。 ③ 入所者用の電話機を設置し、自由に電話できるようにする。 (5)金銭の自己管理 ① 多額の現金は所持せず、個人口座は原則として家族で管理するが、小遣い銭を自己管 理しやすいように工夫する。 ② 個々のベッドの周囲か床頭台等に、個人で管理するための環境を整備する。 ③ 入所者と職員が共同して小遣い帳をつける等して、自己管理しやすいようにする。 ④ 自己管理が少し困難になってきた人に対しても、全面的に園で管理せず、小銭等小遣 い程度は自己管理できるようにする。 - 26 - (6)施設外団体への参加 ① 入所者もなかなか適したグループ活動の見つからない人には、積極的に外部の団体等 を利用し、参加できるようにする。 ② 自分で外出できる入所者には、 職員やボランティア等が付き添って行ったり団体の人 に訪問してもらう。 - 27 -
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