24 年度第二回大田支部女性部研修会 報告書 25 年 2 月 17 日開催 「はとバスで行く!ぐるっと東京社会科見学」 この研修会は、新しい試みとして、ツアー開始から 64 年、旅客運輸業である「はとバス」を研究します。 はとバスの歴史のひとつには、女性部として興味深い、バスガイドというキャリアウーマンが築き歩んだ道があ ります。 今回の研修会では、実際に「はとバス」に一般観光客と相乗り乗車し、東京社会科見学を進めながら、はとバス から見た貨物輸送と旅客輸送の違いを研究しました。 はとバスガイドは、走る!兎に角 走る! まず、研修会でわかった事は、はとバスのガイドさんは、とにかく走る!と、いう事です。 日曜日のこの日、観光客でごった返す 東京駅南口はとバス乗り場で、遅刻してくる予約客や、間違ったバスに 乗車してしまうお客さん、文句を言う人たちに振り回され、はとバスガイドさんは、バスが出発する以前からあち らこちらを走り回っていました。定期観光バスである はとバスは、定刻での出発をきっちり守らなくてはいけませ ん。運転士は、すでにバス運転席でスタンバイしていますが、ガイドは乗客の人数がそろったかの確認後、運行 管理者に出発の最終了解を取るようです。しかし、一見の旅行者が集うため、中にはマナーの悪い乗客もいま す。そのため、観光箇所でも、集合時間に現れないお客さんを、探し回るガイドさんの姿に、感心いたしました。 参考のため、走るバスガイドさんを写真に収めようと試みましたが、素早く走り去ってしまう為、シャッターが間に 合いませんでした。 私たち、大田支部女性部でも年一回、30 名程度の参加者を集め、バスをチャーターしての研修見学を行なって います。 「集合時間は、絶対遅れてはいけない!」と、心に誓う女性部メンバーでした。 これから東京駅を出発です。 貨物輸送と旅客輸送の根本的違い さて、私たちのバスもやっと東京駅を出発。新宿都庁に向かうのですが、 東京駅から新宿の短い距離をバスは皇居を半周してから、首都高速に 乗るというのです。 トラック輸送ならば、このような短い距離の場合、なるべく短時間に 安価な方法での走行を考えるものです。 何故わざわざ有料道路を使うのか・・? と不思議に思っていました。 すると、本格的なバスガイドの仕事が始まりました。 内堀通りを走行しながら、皇居の各門の名前や由来を説明し、 バスから見える有名企業のビル名やその歴史などを教えて くれるのです。高速から見える高層ビルの案内は勿論、首都高速に関しても流暢に説明してくれました。 運送事業は、ただ安全にトラックを運転をするだけでなく、輸送する荷物に合った積込みや搬入出技術も重要な 業務ですが、はとバスも安全に旅行者を運ぶだけでなく、旅行者を快適に過ごさせる様々な工夫をしているもの なのだと、理解しました。高速道路を利用するのは、まずは到着時間の安定を一番に、またUターンなどを極力 しないルートを確保するための手段なようです。 同じ緑ナンバーを所有する営業車両ですが、貨物輸送と旅客輸送の根本的な考慮の違いを、身をもって実感い たしました。 都庁で「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を発見! 最初の見学場所は、東京都庁です。展望台ではこの日、まずまずのお天気で、東京スカイツリーや富士山が はっきり確認出来ました。 都庁展望台では、国土交通省が外国人旅行客誘致を目指すために推進している 「ビジット・ジャパンキャンペーン」の一つとして、東京都が行なっている「東京ユビキタス計画」の実験風景を発見 いたしました。 「東京ユビキタス計画」とは、東京都と国土交通省が連携して行なっている事業です。 外国人に、東京の観光を行ないやすくする為の携帯端末を、貸し出すことをしています。この端末を持つことで、 言葉の通じない外国人旅行者は、自由に移動しながら観光スポットの案内を母国語で聞く事ができるのです。 東京ユビキタス計画 とは・・・ まだ実験期間なので、ここで貸し出す機械は、都庁の中だけでしか使えませんが、近い将来には外国の人た ちが困らずに、気軽に日本中を旅できる画期的アイテムになって行くかも知れません。 「ビジット・ジャパンキャンペーン」の努力も、少しずつ身を結んでいるのか、外国人旅行者らしき方がたをお見受 けしました。 私たちが見学している周辺からも、英語や中国語の言葉が飛び交っていました。 PCや情報処理の技術は、日本が世界に誇れるもの。 今後、東京ユビキタス計画が成功するよう祈りながら 私たちは展望台を後にしました。 浅草で、お土産を散策しつつ駐車問題を考える 一時期は、流行遅れな観光地というイメージもあった浅草。東京スカイツリーの完成により、その周辺近所で 有名な観光スポットとして、最近、賑わいを取り戻していました。国内外から年間 2000 万人を超える観光客があ るそうです。観光バス会社としての浅草の利点は、無料で楽しめる仲見世の散策や浅草寺の参拝が、短い時間 の寄り道として、最適だからだと思われます。 しかし、大型車両である観光バスの駐車場は、明らかに不足していると、今回の研修会で、多いに感じました。 台東区でも日本旅行業協会などに呼び掛け、マナー違反の観光バスを無くすよう要請していますが、駐車場の 土地不足は、マナーで解決できる事ではありません。 浅草寺裏のバス専用駐車場でも、 沢山の「観光バス」で満車状態でした。 また周辺道路にも観光バスが多く停車しています。 交通渋滞や排気ガス等、苦情を招く原因にもなっている様子です。 荷物の配送中における駐車は、私たち運送事業者にも 頭の痛い問題。同じ道路を利用する者として、より良い 方法を考えて行きたいものです。 バスガイドさんも 私たち大田支部女性部の研修目的を知り 協力的に説明をしてくれました。 はとバスは、待機中アイドリングストップを 徹底した、環境に配慮する運行をしていま した。 専門の案内人による説明で、見聞が広がる はとバスで行く ぐるっと東京社会科見学と、名打つだけあり、国会議事堂を見学しました。 国会議事堂・衆議院では、まず荷物検査を済ませ、専門の案内係に従って、歩いて見学します。 建物は鉄骨鉄筋コンクリート造り。中央塔を除く大部分が地上 3 階建て、中央塔が 4 階建てで、塔屋最上部まで 含めれば 9 階建てだそうです。国会議事堂と言えば誰もが形を思い出す、てっぺんの屋根部分は、遠くからは狭 いように見えますが、実際は 50 畳の広さのダンスホールで、進駐軍が使用していたそうですが、今は開かずの 間となっています。 建物内では写真撮影は禁止ですが、国会議事堂の内部は、どれも歴史を感じるモノでした。 大理石の壁、重厚のあるドアに真鍮のノブ・・・ このドアについている鍵は、アメリカ製だそうで、外国の建築法を取り入れながら、日本国産の材料にこだわって 制作していた議事堂だったのですが、当時日本では複製の出来る戸鍵技術が乏しかったために、アメリカ製に なったのだと、案内人が説明してくれました。大正9年から17年間の歳月をかけて、建築されました。 出来たばかりの新党の部屋があることを、確認しました。 各党の控え室が並んだ廊下では、記者が、お目当ての政治家に会えるまで、長時間立って待っているため、壁 は床から 30 ㎝~150 ㎝の高さだけ、ピカピカに磨かれています。 記者たちのスーツで、知らず知らず磨いてしまうのだそうです。そんな生きた説明を、実際に現物を目にしながら 受けることは、誠に面白く まさに「百聞は一見に如かず」と、研修会への開催の意義を感じます。 「本会議場」と呼ばれる大ホールでは、傍聴席に座り、放送による説明を受けました。 3 階までの吹き抜けとなっ ていて、天井はステンドグラスが太陽の光を通していました。議場の構造は、議長席・演壇を中心に扇形に広が り、会派ごとに座るようです。 私たちトラック運送事業者は、燃料高騰や、中型免許問題、放置駐車問題など、法律に絡んだ様々な難問を抱 えています。 この場所で・・衆議院で、こういった問題の解決を導くための話し合いが、多いに行なわれる事を願わずにはいら れませんでした。 天皇陛下の控室である御休所(ごきゅうしょ)をガラス越しに見学したのですが、壁は西陣織・水晶のシャンデリ ア・金箔の天井と、素晴らしいお部屋で 日本人として、誇らしく思いました。 国会議事堂の正面玄関前には、立派な噴水があるのですが、2011 年の東関東震災から水の噴射を取りやめて います。 研修会が終わって・・ この度の研修会は、参加者を大田支部女性部員に絞ったため、8 名の参加予定から、冬の流行疾病の影響も あったのか、緊急の欠席が相次ぎ、結果、少数人数 5 名での開催となってしまいました。 しかし、内容は大変充実し、トラック運送事業者としての学びを深める研修ができました。 今後の女性部活動にも、きっと繋がる事でございましょう。 25 年度の研修会にも、活かして行きたいとの抱負を持ちました。 東京都トラック協会 大田支部女性部幹事会
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