FAX受信・カラーコピー代の削減

FAX受信・カラーコピー代の削減
竹川病院
医事課
中尾
恒司
テーマ選定の理由
今回の活動のコンセプトをコスト削減と決め、テーマの候補として、「業務の効率
化による残業時間の削減」、
「物品購入の見直し」、
「不要FAX受信の出力削減」
、
「光
熱費の削減」
、「カラーコピー代の削減」を挙げました。
上記 5 候補の中から、
「不要FAX受信の出力削減」、
「カラーコピー代の削減」の
2 つを選定しました。
「不要FAX受信の出力削減」については、以前は一般的なFAX機で受信してい
た為、営業目的のチラシなども全て出力されていました。その後、複合機でのFAX
送受信導入後も、設定について見直しをしていませんでした。
「カラーコピー代の削減」については、コピー料金全体に占めるカラーの料金が非
常に高いので、カラーの必要のないプリント・コピーをモノクロに変える事でコスト
削減を目指し、コスト意識を高める事を目的としました。
<不要FAX受信の出力>
現状把握
現状の複合機の設定ではFAX受信後全て自動出力になっている。特に宛先不明の
営業目的のFAX受信が非常に多いため、配布に時間がかかり、コピー用紙の無駄に
もなっている。
1ヶ月総受信枚数:約 600 枚
1ヶ月カウンター料金:約 1,800 円
また、職員、患者様の名前の入った情報も受信したタイミングで出力されている為、
事務所に出入りする不特定多数の職員の人目に付き、個人情報漏洩の可能性があり
セキュリティ対策が甘い。
<不要FAX受信の出力>
目標設定
自動出力から、必要なFAXのみを出力する選択出力に設定を変更し、コピー用紙
の無駄を削減する。
出力枚数とカウンター料金を現状から50%削減する。
<不要FAX受信の出力>
要因分析・検証
問題点
→(なぜ)→
受信後全て自動出力の設
定
原
因
複合機を使用することによ 従来は FAX 専用機を使用して
って、PC で事前に確認で いた
きる事を知らなかった
受信出力済みの文書がた 振り分ける部署が不明なも
くさん放置されている
のが多数ある
営業用のチラシが多い
多数の職員が事務所内に出 受信したタイミングで出力さ
個人情報に該当するもの 入りしている
れ、気づいた事務職員が各担当
が不特定多数に人に見ら
部署 BOX に振り分けている
れている
見ても気に留めないで、そ 個人情報に関する認識が甘い
のままにして置く
<不要FAX受信の出力>
対策立案・実施
9 月より検討、10 月より実施
*“受信分を全て自動出力”の設定を“PCで事前に確認し必要と思われる情報の
み選択出力”に変更する。
*閲覧用ソフトを導入し、パスワードを設定、FAXを取り出せる人間を特定する。
FAX出力マニュアルを作成し、担当者へ配布する。
*FAXを出力したらすぐに各部署の BOX へ振り分ける。
<不要FAX受信の出力>
効果の確認
*不要FAX受信の出力枚数が、80%・コピー用紙では 500 枚/月も削減された。
1 ヶ月
カウンター料金 1,500 円+コピー用紙 250 円=1,750 円削減
*FAXを取り出す担当者を決め、PCで確認してから出力するため、個人情報の書
類なども人目に触れる前に迅速に各部署へ配布できるようになった。
<カラーコピー・プリント代>
現状把握
カラーで出力する必要がないもの、また私用のものを“きれいだから”“モノクロ
じゃつまらないから”と大量にカラーで出力してみたり、また、出力だけして、コピ
ー機に放置してあることが多いなど、職員のコスト意識が低い。
その為、モノクロ 1 枚=3円、カラー1枚=30円と単価の差が大きい枚数はモノ
クロに比べると少ないが、金額は倍近くになってしまっている。
<月平均枚数・金額>
: 3,025 枚
85,832 円
モノクロ:17,063 枚
49,995 円
カラー
合
計
:20,088 枚 135,827 円
<カラーコピー・プリント代>
目標設定
カラーの必要があるもののみをカラーでコピー・プリントするように職員に協力を求
め、コピー代を削減する。
カラーコピー代の10%削減を目指す。
<カラーコピー・プリント代>
要因分析・検証
問題点
→(なぜ)→
原
因
使用枚数だとカラーは全 単価の差(モノクロ1枚3円、カ コスト意識が低い
体の約 15%に過ぎない ラー1枚30円)を知らない
が、金額では約 63%とカ
ラーのほうがモノクロを
上回っている
カラーの必要がないのに カラーのほうがきれいだからとり コスト意識が低い
カラーでプリントする
あえずカラーで出力
出力だけしてコピー機に すぐに取りに行かず、出力した事 特に出力する必要がな
放置してある
<カラーコピー・プリント代>
を忘れてしまう
かった
対策立案・実施
9 月より検討、11 月 20 日~12 月 21 日実施
*「カラーコピー・プリント使用記録用紙」を作成し使用状況・枚数を測定する。
*朝礼及びミルフィールにて用紙記入のお願い、また、モノクロとカラーの単価の差
についても説明し、協力を求める。
<カラーコピー・プリント代>
効果の確認
*表の使用、職員のコスト意識の向上により、平均に比べ、1 ヶ月で 934 枚 25,284
ほどの削減。カラーコピー代が30%削減に成功。
その分モノクロの枚数は増えたが、合計しても全体で10%削減されている。
*職員もカラーとモノクロの単価の差を知り、コスト意識が高まった。
改善前
改善後
モノクロ
37%
モノクロ
50%
カラー
63%
カラー
50%
合計金額
千円
140
120
モノクロ
100
モノクロ
80
60
カラー
40
カラー
20
0
改善前
改善後
今後の計画
*この活動を通して、職員全体のコスト意識が高まった。
*今後もこのまま継続してゆくと、1年間で約20万円の削減が見込まれる。
*今回の結果に満足せず、今後も継続してコスト削減を進めていく。