熱気球の安全対策について

係留ロープはゴンドラ上部のカ
熱気球の安全対策について
ラビナに連結されており、基本的
1.エジプト・ルクソールの事故について
にはガスの配管とは交わらない
ルクソールの事故における詳細な報告は数ヶ月後になる為、推測となりますが、報道から流れてくる情報では、 構造になっている
飛行中、ガス漏れしたプロパンガスに引火し火災を引き起こしたものと考えられます。
ガスバーナー
2.事故の原因になったプロパンガス(ボンベ)について
熱気球のプロパンボンベのバルブは一般家庭で使われるボンベのバルブと異なる構造をしております。海外では一つずつ削
りだしによって、ハンドメイド製作されたものが多く出回っており、しっかり閉まらなかったり、ガス漏れするものが多く
見られるのが現状で、特に、ルクソールは、これらボンベを含めて管理が不十分であったことが、熱気球の専門家の間では
指摘されておりました。
ガスの配管はこのフ
3.今回実施している試運航での安全対策
(1)日本気球連盟の基準
まず、これまで、日本では死亡事故等は、一切発生しておりません。これは日本気球連盟の定める定期的な機材の点検、
気球部分の引っぱり強度試験など他国よりも厳しい基準をクリアしていることによるものです。
(2)今回の試運航で使用している機材と安全対策
①プロパンガス(ボンベ)
ルクソールの事故原因となったボンベに関しては、今回の係留事業の為に、特殊なバルブをイギリスのキャメロン社(大
手気球メーカー)から純正品を取り寄せて使用していると共に、充分な点検を行い、少しでも劣化しているものは純正新
品に交換しております。
②バルブ等に使用されるオーリング
ゴム製のパッキンであるオーリングの劣化は、プロパンガスの漏れにつながります。このオーリングに関しては、今回
レームのカバーで包
むため、管がむき出し
になるのはごく一部
ガスボンベ(2~3 本)
です。
ゴンドラ内側壁面に
固定収納
係留用ロープ
の試運航に際し、すべて新品のものを使用しております。①の対策を含め、このようなメンテナンスを行った場合、
燃料系統にガス漏れが生じることは、想定されません。
③その他安全対策
今回の試運航は、上空に飛び立つことなく、陸上に係留し、上空約 30m 程度までの範囲で上昇する係留方式を採
用し、全般の安全を確保しております。また、係留用ロープが決して切れることが無いように、新規にオーダーメ
ードで係留ロープを用意致しました。通常の 18mmφのロープの破断強度は 2.8t 程度ですが、今回用意したロープ
は同じ径で 6.7t の破断強度を持つ特注品です。さらに、このロープの両端に取り付けるカラビナ(連結金具)も
国産品(2t)ではなく、オーストラリアで大型気球に使われている6t、デッセンジャーリングも(金具)4.5t 使用している
の強度のものをオーストラリアより直接輸入して使用しております。
カラビナ
その他、各種消耗品は、規定の使用制限時間に関わらず交換しております。特に、燃料系統の消耗品は、今回
の係留飛行毎に交換しており、充分安心して搭乗頂ける装備で実施しております。
今回の試運航では、2 月初旬からこれまでに、約 2000 人の地域住民や観光客等がご搭乗され、好評を頂いており
ます。
竹富町役場
使用しているキャメロン社製のバルブ(左メス、右オス)
企画財政課
使用している係留用ロープ