プラズマによる医療・バイオ材料の低温プロセス技術 近年、プラズマを用いた医療・バイオ材料プロセス技術が注目されてい 研究の背景と目的 永津 雅章 ます。本研究では、低圧および大気圧放電プラズマを用いたポリマー表 面のプラズマ化学修飾技術、あるいはプラズマを用いたバイオハザード 物質あるいは毒性タンパク質の不活化などの安全・安心社会を目指した 医療・バイオ材料プロセス技術の開発を目的としています。 創造科学技術大学院 教授 荻野 明久 本研究では、低圧力および大気圧放電プラズマの医療・バイオ分野への産 業応用を目標として、これまで低圧力マイクロ波放電プラズマあるいは大気 工学研究科 准教授 ・ プラズマ ・ 医療・バイオ材料 本研究ではそれらの研究成果をさらに、医療用ポリマー材料あるいはタンパ 研究の概要 ■ キーワード 圧誘電体バリア放電を用いた医療滅菌技術に関する研究を進めてきました。 ク質などに対するプラズマ処理に適用し、たんぱく質の変性あるいは毒性物 質の不活化に関する基礎的研究を行う共同研究先を希望します。 ◎研究段階・・・( 着想 ・ 基礎 ・ 応用 ・ 開発 ) ・ 低温処理 ・ 表面改質 ・ 毒物質不活化 ・ 特筆すべき研究ポイント: プラズマの化学的、物理的性質を利用した低温ドライプロセス技術の 特長を有する。 大気圧プラズマの利用により、その応用分野が広い。 ■ 技術相談に応じられる関連分野 ・ 各種低圧力および大気圧プ ・ 低圧力および大気圧プラズマ を用いた低温殺菌・滅菌技術。 ・ 低圧力および大気圧プラズマ を用いたポリマー表面改質、機 セールスポイント ラズマ生成装置の開発。 ・ 新規研究要素: (世界初あるいは日本初など) プラズマのバイオ材料分野への応用研究は未踏開発の研究領域であ り、我が国では初の研究事例と考えている。世界的にもあまり報告例が ないが、今後研究開発に凌ぎが削られるものと予想している。 ・ 能化。 従来技術との差別化要素・優位性: 従来の技術にはない新規技術の開発を目指す。 ・ 特許等出願状況: プラズマ生成技術に関する特許出願 3 件(うち 1 件特許査定済み) プラズマ滅菌に関する特許出願 4件(うち 1 件特許査定済み) 安全・安心社会を目指した産業イノベーションの創出 イメージ図 プラズマ 滅菌技術 医療材料 プロセス技術 バイオ材料 プロセス技術 医療機器滅菌、 空気浄化、 液体浄化など 親水性、撥水性、 表面化学修飾、 表面機能化など 毒物質不活化、 タンパク質改質、 ナノ分子など 低温プラズマを用いるバイオ材料プロセス技術の開発 応用、企業化 ・対象分野: 医療関係、ライフサイエンス製品一般、飲料・食料品関係、機械製造関係 今後の展望 ・企業化または商品化のイメージ: 健康食品、医療製品の製造工程への導入 高分子材料部品の表面改質への適用 自動車や建築物などの環境保全用品の開発、など ・企業貢献度と内容: 毒性物質を用いないプラズマ処理により、環境にやさしく、低コストでの製品開発に期待。 毒性物質のプラズマによる無害化に寄与。 ■ その他の研究紹介 ・ メートルサイズ大容量マイクロ波プラズマ装置の開発 ・ プラズマナノテクノロジーを駆使したカーボンナノチューブの微細化技術とナノサイズ電子源の開発 ・ マイクロ波プラズマを用いた医療用低温滅菌 ・ 大気圧放電プラズマを用いた低温滅菌 ・ 大気圧放電プラズマを用いた表面処理技術の開発 ・ プラズマ CVD を用いたナノ結晶ダイヤモンド薄膜の合成 ・ 高分子材料表面のプラズマ化学修飾による新機能性発現 ・ レーザーアブレーション法を用いたナノ構造材料の作製 ・ プラズマを用いた生体高分子材料の機能制御
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