03~04 - 南国病院

2015 年 7 月発行
第 25 号 (3)
神経内科医としてやっていくつもりでいたのですが、老年病科では循環器医としてしか認められないと1年間考え、大学
とは完全に離れることにしました。高知ではこの頃神経内科医としてやっていけるのは近森病院か県立中央病院くらいで
したので、近森病院の浜重先生に無理やり頼み込んで、循環器と神経内科の両方をやりますと、何とか雇ってもらいまし
た。近森病院では静岡で学んできたこと、特に脳卒中主体に自分なりに自由にやらしてもらいました。人生の中でも一番
ハードで、充実した6年間ではなかったかと考えています。近森病院を辞めたのは、神経内科医が入ってこない事や、こ
のまま急性期の脳卒中をやっていくのには体力的に持たないと感じだした事、上司との考え方の違いなどから、また、そ
の頃いずみの病院が新しくできて、宮崎医大の先輩の脳外科医である清家先生が大学を出て勤務していたこと、回復期リ
ハビリを開くにあたり Dr を探していたことなどのタイミングがあり、そのままいずみの病院でお世話になることになり
ました。この時、人とのつながりなど奇妙な縁について考えさせられました。
いずみの病院の回復期リハビリでは、45床の患者さんの全身管理が主体でしたが、近森病院
では急性期の脳卒中ばかりで、回復期に移った後が解らなかったのですが、いずみの病院で急性
期から回復期、維持期の流れがはっきりとわかり、リハビリの重要性を実感した3年間でした。
結局2年ほどで、また、急性期の脳卒中をやってみたいと気持ちができてきて、tPA という血
栓溶解剤が使用できるようになった年で、急性期の脳卒中診療が大きく変わろうとした時でもあ
り、また高知医療センターができるにあたり、科長となるはずだった K 先生が癌を患い、科長
不在のまま医員となる後輩の葛目 Dr から科長を探しているが見つからないと打診もあり、K 先生からも医療センターが
できるにあたり、一緒にやろうと何度か誘われていたこともあり、なんとなく運命的な感じもして、そのまま流れで、医
療センターで勤務することになりました。
医療センターでは2年間でしたが、予想以上に大変でした。まず脳卒中主体にと考えていったのですが、患者さんが、神
経免疫疾患や変性疾患、認知症、急性期のギラン・バレー症候群や脳炎などと脳卒中を診る科ではないと言って早々に断
念、方向転換しました。脳卒中は脳外科が血管内治療の専門医などもいて充実していたので、逆に任せてしまった方がス
ムーズにいくとの判断もありました。
結局アルツハイマー型認知症やパーキンソン病関連疾患、神経免疫疾患(MS,MG,CIDP など)を一から勉強しなおす状
態で50歳前にして、本格的に神経難病と取り組むきっかけになりました。今もこの頃の患者さんをたくさん経過診てい
ます。この間に一人の研修医が神経内科を専攻してくれたことはうれしい限りでした。しかし、毎日20時過ぎまで病院
で仕事し、帰りは21時近くとなり、土、日もほとんど出ていかないといけない状態で、さすがに長生きできないと感じ、
所事情で3人とも同時に医療センターを去ることになったのは申し訳なかったと思っていますが、この時ほど大学病院が
もっと研修医を育ててくれたらと思ったことがありませんでした。
さて、医療センターの後どうするか、後任が来てくれるかどうかにもかかっていたのですが、難しいとわかった時点で、
患者さんの経過がきちんと診られることと、難病などの入院も診ていける病院ということで、結局いずみの病院へ神経内
科医として戻ることに決めました。2 回目のいずみの病院では、神経変性疾患などを主体に診断、治療してきましたが、
急性期病院のために、だんだん高齢化してくる患者さんを最後まで見られない事、3 年目になり療養病院へ入院しないと
いけない患者さんが徐々に増えたこと、いずみの病院の救急当直外来が負担となり、また緩和ケア病棟の看取り改善など、
再々訴えたが、全く聞いてくれなかったことも重なり、丁度この頃、南国病院では高橋先生が辞めるような話が入ってき
て、なにかの折に中澤院長に行きましょうかと言ったのが、そのまま話が進み、年明けの赴任のはずが、内科の Dr も急
に辞めることになったので早く来れないかとの事で、結局10月という中途半端な時期に南国病院へはお世話になること
になりました。その後早いもので4年半が過ぎました。南国病院でのことは次の機会にでも話せればと思います。
このように振り返ってみると、同じ病院もありますが、3年ほどの周期で11回ほど転々とし
ているのは、やはり少し度が過ぎているか、自分としては行った先々で、それぞれ違うことがで
きたし、その時代に即した診療ができたと感じてもいるので、十分満足しているのですが、今後
も何かのきっかけ、環境変化などの流れで、次の病院へと選択を迫られることがあるかもしれま
せんが、その時も運命と思って身を任せようと考えています。
2015 年 7 月発行
第 25 号 (4)
外来患者満足度調査の結果報告
H27.4月実施
【
は
じ
め
に
】
平成27年4月に100名の外来患者様を対象に満足度調査を実施しました。
ご協力いただいた患者さん、ご家族の皆様にお礼を申し上げます。
皆様からの貴重なご意見をもとに、より一層、改善に努め、地域に愛され、信頼される病院となる様、日々努力してま
いります。
【
調査結果について 】
今回の特徴として、全41の質問項目の内、31の項目で、満足または非常に満足と答えた方の合計が前回調査を上回
りました。全体的な評価は向上したと言えます。特に「院内の清掃は行きとどいていましたか?」
「医師に信頼感がもて
ましたか?」といった項目は前回も高評価でしたが、今回、さらに向上しています。
また、看護職員、検査室、薬局、医療相談室、デイケアの各部門に対しても8割以上が前回を上回る評価を得ることが
できました。そして、
「現在受けている治療に満足していますか?」
「職員は接しやすい雰囲気ですか?」
「当院を他の方
に紹介したいと思われますか?」という全体的な質問全てが高評価で前回を上回っていることは大変嬉しく感じています。
一方、全体的に評価が低かったものは、施設・設備関係(清掃関連を除く)と待ち時間に関するものでした。待ち時間
に関しては「予約時間から診察までの待ち時間はいかがでしたか?」が改善されていましたが依然低水準となっています。
医師の診察時間は高い評価を得ていますので、十分な診察時間を確保しつつ、以降の待ち時間への影響を与えない様にし
なければならず、改善の難しい部分でもありますが、職員一同で患者様に満足いただける対策を考えていかなければなら
ないと感じております。尚、待ち時間については、別途待ち時間調査で詳細にご報告いたします。
全体的な評価は上がっていますが、まだまだ至らない点も数多くあります。今後も継続して皆様に満足していただける
様に努力していきたいと思いますので、日々お気づきの点がございましたら気軽にお声かけ頂きますようお願いします。
統括管理部長
全体的な評価
70%
医師に信頼感がもてましたか?
70%
66.2%
61.8%
60.0%
60%
梅原 浩一
57.3%
56.7%
60%
50%
50%
40%
40%
30%
30%
H23年度
H25年度
H27年度
50.0%
29.2%
28.1%
25.8%
20%
17.5%
16.8%
17.1%
14.5%
15.2% 15.6%
10%
20%
17.5%
14.6%
4.7%
3.6%
2.1%
3.1%
1.1% 0.6%
0%
10.4%
10%
3.1%
4.2%
3.1%
0.0% 0.0%
0.0%
0%
非
常
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