親と先生の支援で進学実現 外国人学生が経験語る

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DAICHI OKAYASU
読売新聞東京本社生活情報部記者。1972年3月埼玉県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業
後、1995年4月に読売新聞東京本社入社。秋田支局、生活情報部、浜松支局などを経て、2010
年11月から現職。日系ブラジル人をめぐる話題や共生への課題を取材している。
親と先生の支援で進学実現
外国人学生が経験語る
ブ
ラジルからの「移住
第2世代」といえる
子どもたちの中で大
学に進学するケースはまだ少な
い。いま大学で学んでいる外国
籍の学生は、どんなサポートを
受けて進学を果たしたのか。当
事者の学生が経験を話すフォー
ラムが6月、浜松市の静岡文化
芸術大で開かれ、学校や家庭の
支援が大切だと訴えた。
日本にいる日系ブラジル
人労働者の子どもたちには、ブ
ラジル生まれで教育の一部をブ
ラジルで受けた子どもと、日本
生まれか学校に入学する前に来
日した子どもがいる。どちらの
場合も、日本の学校になじめ
ず、15歳になる前に働き始め
たり、若いうちに子どもを産ん
だりする子が目立つという。先
生が丁寧に指導しなかったり、
親が進学よりも働くことを求め
たりするためらしい。
池上重弘・静岡文化芸術
大教授は今年6月、ブラジル人
の多い静岡県西部の8大学に、
定住外国人の学生の在籍状況を
きいた。教員が個別に把握して
いる場合を含めて、少なくとも
27人が在籍していることがわ
かったが、まだ少数だ。
フォーラムでは、静岡文化芸術大に在籍
するブラジル国籍などの学生ら7人が、大学進
学にはどんなサポートが必要か、自分たちの経
験を踏まえて語った。
2年生の女子学生サントス・ダニエリさ
んは4歳で来日した。静岡県内のブラジル人
学校に通った後、9歳で日本の公立小学校に
編入した。ほかの外国人児童と一緒に、別の
教室で、漢字やかけ算を一生懸命勉強した。
英語が得意になり、静岡文化芸術大に英語の
推薦枠で入学した。
家計を考えて高校卒業後は働くつもりだ
ったという。しかし、工場で働く父親が「自分
たちみたいになっていけない」と、進学をすす
めてくれた。高校の先生も進学を後押しし、奨
学金や教育ローンの仕組みを調べてくれた。
「両親や先生のサポートがあったから、
いまの私がある」と振り返る。4か国語が話せ
ることをいかして、将来は世界を飛び回る仕事
をしたいと目を輝かせる。
ダニエリさんらは、外国籍の子どもの教育
支援策として、3つのことを提案した。①日本
語や学校のルールについて集中的に教える研修
を行う②教員に対する異文化理解講座を開く③
進学するよりもお金を稼いだ方がいいと考える
親に対して教育の大切さを伝える場を設ける。
池上教授は、ブラジル国籍の学生が、小
学校入学を控えた子どものいるブラジル人家庭
を訪問し、日本の公立学校の特徴やルールを説
明する構想を温めている。「学生たちが、ブラ
ジル人の子どもたちにとっていいお手本になっ
てくれれば」と期待している。