第60回大島レース Tictac 参戦記 ISPA修了者チーム「Tictac」号 初外洋レースでORCクラス優勝の快挙 記:岡田豪三 このレースは「花の大島レース」と称されるほど外洋レーサーに愛されている長距離レース(85マイル)。今年で 60回大会と言う節目のレース。第1回は1951年に開催され、コースは今回と同じ葉山→初島→大島→葉山(各 島は反時計回りで回航)。葉山港にアンカリングしていた参加艇が、レーティングに応じて時間差をつけてアンカー を揚げ、スタートするものだった。15艇が参加して6艇が完走した。歴史と伝統のある外洋レースである。 これに佐島マリーナを基地として活動するTictac(チックタック、First 31.7)が外洋レース初チャレンジだ。メン バーを紹介しよう。Tictacチームは全員ISPA修了者の集まりであり、現在コーチを含めて15名が参画している。 オーナーは庄野栄一(05年4月修了)、クルーは三坂洋(05年4月修了、オーナーと同期)、土肥豊丸(06年10月 修了)、宮本洋子(08年3月終了)、塘内文義(08年9月修了)、菅雅博(06年10月カナダスクール修了)。いずれ もスクールを受講してからヨットを始めた人ばかり。それにコーチの伊東淳一、と私の計8名が乗船。 天気予報は、5月22日(土)快晴、日中は晴れて夕方から曇り、夜中には雨、風はあまり期待できない。23日 (日)は1日中雨、北東風と言ったところ。長丁場のレースを覚悟する。Tictacは0900佐島マリーナを出港。北から 10ノットの風が吹いている。この風もスタートの1100ころにはなくなり変わるだろう。 参加艇は22艇。クラスはIRCとORCに別れ、ダブルエントリーすることができるのでTictacは両方にエントリー。 周りはグランプリレーサーがずらりと並ぶ。日本を代表するEsmeralda(Swan NY 42)、それに負けじと同型艇 のEsprit、それに進水したばかりのKarasu(King 40)。この3艇がファーストホームを狙い、上位を独占すること が予想される。ContessaⅩⅢ(First 40)には石原慎太郎東京都都知事の顔も見える。Tictacは一番小さくレー ティングも最小である。みんなに何とか着いていけば勝てる可能性はある。ターゲットをレーティング値が近いAppl e(Sydney 32)、Gefion(Baltic 35)、Raia(Youn 99 MOD)に絞っていつも視界内におくようにする。 スタート直前に風は東に変わり、スタートと同時に南西に振れる。アウター側が有利と判断して、大混戦のアウタ ーに入って行く。ポートタックのスタートとなる。風は2ノット、フレッシュウインドを求めて南(沖側)にタック。そのまま 茅ヶ崎方面に伸ばす艇団と南の風を求めていく沖組みに分かれる。2タック分南に寄せて亀城礁くらいまで南下し てタック、ヘディングは真鶴半島。1200には風は8ノットまで上がり走りやすくなってくる。KarasuとAppleはさらに 南に長く伸ばしていく。2時間もするとKarasuは我々の視界から消えてしまう。1400南西風が南にシフト、初島が 正面になるが視界が悪く見えない。 1600過ぎ初島に取り付く。前方に6艇、後方に6艇が視認できる。しかし、風がなくなってくる。トップ艇が初島を 回航して南に上っていくのが見える。初島のブランケットに捕まり、スピンを上げたり下ろしたり。スピンでAppleとミ ート、すぐそばにFellows(Yamaha 33S)、Quetefeek(X35OD)がいる。しばらく行くとようやく南西風を捉え走 り始める。AppleとQuetefeekは伊豆半島側に寄せたので高さ分損をする。このあたりで暗くなり夜を迎える。 初島から大島へのアプローチは伊豆半島に沿ってタックを繰り返して上っていくのがセオリーである。沖に出すと 潮に流されて後退してしまう。後方にいくつかの航海等が見える。後で分かったことだが、Contessa、Lukylady Ⅷ、Quetefeekなどはスタート後岸に寄せて大きく後退したと思われる。2000ころ門脇埼手前で凪に捕まる。1時 間もすると風が吹いてくるも定まらず。南東、東、北、北西、北、東とめまぐるしく変わる。そのたびにスピンを上げた り下ろしたり。本船を避けながらのスピンワークは神経をすり減らすばかりだ。日付が変わるころ大島元町の西まで 進む。0100千波埼で3回目の凪に。大島岸いっぱいに寄せて走る船が5艇、我艇より沖を走るのが3艇いる。わ ずかな風を拾って大島の南端を目指す。スピードが命だ。 0300北東から12ノットの風が入る。タックタックを繰り返して竜王崎を交わし波浮港沖へ。どんより曇った空から 雨が降り始め、少しづつ明るくなってくる。大島の東側は波が悪い。北東風8ノット、風を十分に取り込んで走らない とスピードがつかないし、のぼり角度も悪い。周りに5艇の船が見える。タックを繰り返して0500ようやく安定して走 れるようになる。風方は20度から30度で安定してきた。ここからはひたすらスピードをつけて三浦半島を目指す。0 800ころには15ノットまで上がるのでNO2ジブに交換。城ヶ島南西10マイルでタックして城ヶ島に向ける。1000 Contessaとミート、その後ろにAppleを確認。城ヶ島に2マイルでタックして一気にフィニッシュラインに向う。風は 徐々に東に振れていき、ロスすることなく葉山沖へ。1238フィニッシュ。 結構回りに船がいたので成績はそんなに悪いことはないだろうと話し合いながら雨の中佐島に向う。クルーはほ とんど眠ることなく船を走らせる。1時間くらい横になってもそう簡単には眠れるものではない。雨の中、後片付けを し、佐島マリーナのお風呂に入って、反省会。ミスもなく十分力を発揮できたのではないか。外洋レースを十分に楽 しめたと締めくくってお開きとなった。 帰宅して夕食を取ってすぐにバタンキューと1800眠りに着く。2200ごろトイレに起きたら女房からオーナーから 電話があったよと言う。これは何かいい知らせかなと思いながらも睡魔にはかてず眠ってしまう。朝起きて、パソコ ンを見たら、な・なんとORCクラス優勝、IRCクラス5位とある。今までの疲れが一気に吹っ飛んだ瞬間であった。 初の外洋長距離レース、オーバーナイトレースに挑み、初挑戦で優勝。とても信じられない快挙を成し遂げてしま ったTictacチーム。素人でもやればできることを証明したことは確かだ。 <完> 2010年5月22日(土)~23日(日) 第60回大島レース 全22艇参加 IRC16艇 ORC10艇(ダブルエントリー4艇) 22日11:00スタート 23日12:38:21フィニッシュ ORCクラス優勝 IRCクラス5位 スタート時ポジション ヘルム:岡田、メイン:庄野、ジブ:宮本、ピット:菅、マスト:土肥、バウ:塘内、タクティシャン:伊東 ◇8時15分佐島集合、調達した食料・水等を積み込み、9時ドックアウトにてレース海面へ向かう。 ◇朝から北東(70°前後)だった風がスタート直前に南東(100°)に変わり、アウター側は大混乱であったがアウターからスタート。 アウターぎりぎりで風上側のスパンクに「入れてあげるよー」と言いつつ、はじき出すことなく笑いながら入れてあげる。(目の前 にはStbのO&Sとラッキーレディが居て冷や汗ものであったが・・・。) ◇スタート後南を目指す組と陸側を目指す組の2手に別れ、我々は南を選択してヘッダーが来た所でラムラインへ返す。 アップル他はそのまま南を伸ばし、初島レグは陸側が全くダメであり、我々のコース選択はかなり良いものだった様子。 ◇初島アプローチまではかなり前方に居たが、最終アプローチでブランケに捕まり、フェローズ・アップル・ケットフィーク(?)と共に地獄の初 島回航となる。 初島で風は南西~北西~北~南東と振れ、スピンを上げて脱出。 ウィンデックスが正しい方向を指さない為、 マストへ上って修理。 <以下、未完> (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Hokkaido Chizu Co., Ltd 2006 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007 (c) Garmin Ltd. or its subsidiaries 2003-2007. (c) Japan Hydrographic Association 2007
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