今別れの時 心から「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」を伝える

発行責任者 知多市立旭東小学校
校長
青木 延己
平成28年3月発行 第12号
<TEL> 0569-43-5715
<HP>www.medias.ne.jp/~kyokutou
今別れの時
<紅梅>
心から「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」を伝える
卒業式,そして修了式が間近です。子どもたちの門出を祝うように紅白の梅が今盛りです。先
日,登校中の6年生の女の子たち数人と紅梅を愛でながら,「鮮やかな紅色。かぐわしい香りです
ね。」と談笑し楽しく時間を共有することができました。これが最後になるかもしれないと思い,
「あと少しで卒業するあなたたちと大好きな梅の花の話ができてうれしかった。ありがとう。」と,
素直に気持ちを伝えました。すると,「こちらのほうこそありがとうございます。校長先生とお話
ができてとても楽しい時間になりました。うれしかったです。」と,子どもたちは感謝の言葉を述
べ,丁寧に礼をして教室に戻っていきました。その立ち振る舞いは大人でもなかなかできないも
のでした。ご家庭での躾が行き届いているおかげだと感心しました。
校長室での6年生との給食会でも,子どもたちはとても礼儀正しく自分のことを語り,私にも
生き方を問う深く良い質問をしてきます。1時間ずつというわずかな時間ではありましたが,節
目を迎える子どもたちと心ふれあうとても貴重な時間になりました。
その後の朝会で,「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」という言葉をお世話になった方々や
先生,自分を支えてくれた友達や家族に伝えましょうと呼びかけました。真剣に話を聞く子ども
たちの立派な姿勢。目と耳と心で聞く子どもたち。その姿に,この1年の大きな成長を感じます。
この3つの言葉は,人が生きていく上で大切なことを日々私たちに気付かせてくれるはずです。
○「ありがとう」という言葉は,発する言葉の数だけ,人は優しくなると言われています。心
から「ありがとう」という言葉を相手に表すことで,人は相手の優しさを謙虚に受け止める
ようになり,感謝の気持ちをもって振る舞うこともできるようにもなるのです。
○「ごめんなさい」という言葉は,発する言葉の数だけ,人は賢くなると言われています。人
は人間ですから,幾つになっても過ちや失敗をおかしてしまいます。そんなとき,心から
「ごめんなさい」「申し訳ありませんでした」と謝ることで,許しを請い,折り合いをつけ,
人と仲直りをすることや人間関係を取り戻すことを覚えます。その度,人は人とのよりよい
関わり方や身の処し方についての知恵や知識を身に付けることができるようになるのです。
○「さようなら」という言葉は,発する言葉の数だけ,人は人の愛を知ると言われています。
別れを繰り返す中で,人は人の愛を知り,その体験を通して人に愛情をもって接することが
できるようになるのです。
別れの時が近づいてきました。この1年,教室で,部活で,委員会,クラブ,ペア活動で,自
分を支え,励ましてくれた友達や上級生,慕ってくれた下級生,厳しくも温かくご指導いただい
た先生方,地域の方々との別れを迎えます。今だからこそ,一人一人が心を込めて伝えてほしい
のです。なかなか伝えられない「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」という言葉を。
最後になりましたが,保護者の皆様,地域の皆様,そして学校をご支援いただいている知多市
役所,教育委員会はじめ関係機関の皆様,この1年本当にお世話になりました。お陰様で,旭東
小は,子どもも教師も笑顔あふれる充実した1年となりました。心より感謝申し上げます。あり
がとうございました。
<感謝の会 お世話になった地域の方と6年生に感謝を込めて>
6年生「卒業を前に伝えたい思い」
「颯太くんがチームに帰ってきた」
6年 竹内 頼将さん
僕が入っている野球チームには,6年生がぼく
と颯太くんしかいない。最初は4人いた仲間もそ
れぞれが違う目標をもち,一人やめ,二人やめと
去っていった。そして,颯太くんが病気のため,
あまり来れなくなってしまい,とうとう僕は一人
になってしまった。
春,夏,秋,冬と時間は過ぎて行き,この2年
間ずっと僕の学年は僕一人だけだった。ぼくはチ
ームを支えるため,6年一人でもキャプテンとし
てがんばった。今まで何度も挫折しそうになった
けれど,颯太くんが帰ってくると信じて乗り切っ
てきた。
6年最後の大会「卒団旗争奪戦」。とうとう颯
太君がチームに帰って来た。信じていたから,気
力が上がってきた。「颯太くん。待っていたよ。
お帰り。帰ってきてくれてありがとう。」
最後の最後に,颯太君と一緒に試合に出場でき,
戦えたことがぼくは何よりもうれしい。
「世界中に笑顔を送りたい」
6年 西脇 柚季さん
「中指だけでなく人差し指も立ててご覧。それ
だけで世界は平和でしょう。」という,単純だけ
れど心に響く,ある先生の言葉。私たち6年生
は自分たちでできる社会貢献に取り組んでいま
すが,実は私は最初あまり乗り気ではありませ
んでした。
ところが,実際その言葉通りに指を動かして
考えてみると,「この指で作ったピース『平和』
が世界に行ったら,世界は笑顔になる」気がし
てきました。指二本で笑顔ができるなら,私に
も何かできる,何か笑顔にできることはないか
と前向きに考えるようになりました。
私たち6年生は,東日本大震災で被災された
方々が笑顔になってほしいと,3月11日に向け
心を込めて灯籠の絵を描き送りました。一人で
生活して頑張ってみえる方には,お正月に年賀
はがきが届くように送りました。
被災地の方やネパールから返事が届きました。
受け取ったみんなはきっと笑顔になり,うれし
「悠莉さんにありがとうを伝えたい」
い返事も来ていました。
6年 上田 恋菜さん
手紙やはがきはなかなか届けられないけれど,
「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉を伝え 何か悲しいことがあって,あなたの笑顔が消え
たい人がいます。それは悠莉さんです。
てしまったら,中指だけでなく人差し指を立て
出会いは1年生のときでした。他の保育園の子 てみてください。きっと笑顔になれますよ。
と友達になれるかなと不安だったとき,優しく話
しかけてくれたのです。友達になりましたが,小
<6年生 愛校作業をありがとう>
さいときはまだ相手の気持ちも十分考えられず,
よくけんかになってしまいました。今の私なら受
け止められることも,あの時はまだ幼すぎて,心
や気持ちをうまく受け止めることができませんで
した。今になってだけれど,そのときはごめんね
と伝えたいです。
6年になって私は今すごくこのクラスが楽しい
です。悠莉さんとまた一緒のクラスになり,違う
クラスだった子たちとも,悠莉さんを通して仲良
くなれました。そして,友達みんなで毎日ワイワ
イ言って笑って過ごし,つらいときは助け合って
います。心優しい友達に恵まれ幸せです。
悠莉さん, ありがとう。お陰で小学校生活は楽
しく充実していました。悠莉さんは中学校でクラ
6年生のおかげで,日頃は手が行き届かない
スが離れてもずっと親友でいたい,心の友です。
ところ,目には見えないところがきれいになり,
使いやすくなりました。ありがとう!6年生!
<サッカー部
冬季市内大会3位入賞おめでとう>
<旭南中生と6年生の語る会>
旭南中の2年生が授業や部活動について説
明。中学校生活への期待が高まる6年生。