平成22年01月(Vol.20) - 中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)

平成22年 1月
発行人:日本環境安全事業株式会社 大阪事業所
大 阪 P C B 廃 棄 物 処 理 事 業 だ よ り (No.20) ◎ PCB廃棄物の受入状況について
近畿2府4県のPCB廃棄物の受入状況は、操業運転開始の平成18年10月から平成21年12月末
現在でトランス類が972台、コンデンサ類は16,563台、PCB油が234缶です。大阪市内保管
中のPCB廃棄物に対しては、トランス類が約56%、コンデンサ類が約84%を受入れました(対早期
登録等データ比)。
◎ トラブル報告について
弊社は、安全・確実な処理を第一として取り組んでいるところですが、10月から12月にかけ2度に
わたりトラブルを発生させました。いずれもオイルパンや防油堤といったセーフティネット内にとどま
り、施設外への影響はありませんでしたが、今後はこのようなことのないよう、再発防止に万全を期しま
すので、ご理解の程をお願い申し上げます。
(1)オイル漏れについて
漏洩検知器
10月17日(土)、西棟の真空加熱分離装置の部品(オイルポンプのメカニ
カルシール)の交換時に、ポンプのネジ(ドレンプラグ)が緩みPCB回収溶媒
約2リットル(PCB濃度約17%)が漏れ、オイルパン内の漏洩検知器が作動
しました。ただちに漏れを止めるとともに、局所排気装置を設置して除染作業を
行いました。なお作業場内のPCBを測定したところ、環境への影響はありませ
んでした。今後は、保守点検時の安全教育・監視の徹底を図り、再発防止に取り オイルパン
組んでまいります。
(2)塩酸の漏洩について
12月6日(日)、東棟1階の第1塩酸回収塔の塩酸の漏えいがありました。
PCBの分解反応を終えて生成した塩化水素は水で吸収され塩酸となり回収され
ますが、その回収装置(塩酸回収塔)の下部から塩酸が漏洩して防液堤内に留ま
り、直ちに回収しました(ドラム缶5本分)。原因は、塩酸回収塔下部の配管接
続部(フランジ部)から微量の塩酸漏れがあり、その影響により下部のボルトが
オイルパン
腐食して緩んだためと推察されます。漏えいした塩酸中にはPCBが検出され
ず、環境への影響はありませんでした。今後再発防止対策として腐食の恐れのあ
る部分は、定期的な点検・検査・パトロールの強化を図っています。
◎ 大阪市の立入検査状況について
大阪市環境局による月に1度の立入検査が行われています。立入時には、
まず書類審査として運転日報等の備え付け帳簿類を確認の後、処理施設内の
現場確認が行われます。12月は、今回発生させたトラブルの東棟の第1塩
酸回収塔の塩酸漏洩現場を中心に3回の現場検査が行われました。また、同
◎ について
市建設局により、下水道法に基づいた排水設備の確認と排水のサンプリング
検査が11月17日(火)に行われました。
PCB廃棄物処理施設の紹介シリーズ
~③ 解体設備(大型・小型室)編~
小型トランス
解体(切削)の様子
抜油・洗浄されたトランスは、解体室に搬入されます。
解体室では、トランスの外板(鉄板)を帯ノコ(バンドソー)や切削盤(N
Cフライス盤)で細かく切断し、次工程の洗浄かごに入る大きさにします。
※ポイント※
1:解体室内では、トランスはできるだけ遠隔操作で室外から解体しま
す。作業者が解体室内に入室するときは、化学防護服に全面体マスクを
使用して作業安全衛生の確保に努めています。
2:外板(鉄)は、ガス切断機等で切ると簡単ですが、この作業で火気
は使用できないため、すべて帯ノコ等の金属切断機を使用して切断しま
す。大型トランスの場合は、解体だけで1週間ほどの期間を要します。
◎ 保管事業者説明会の開催について
PCB廃棄物の処理対象地域が昨年11月から近畿2府4県に拡大し、保管事業者説明会を順次開催し
ています。11月からは2府4県の2巡目の説明会を開催しており、適正処理推進に向けた取り組みを
行っています。
◎ 緊急時対応訓練について
緊急時対応訓練は、毎月1回、訓練のテーマを決めて実施していま
す。11月は、屋内タンク内で作業者が倒れたとの想定での救出訓練
と火災が発生したとの想定のもとに屋内消火設備の放水訓練を実施し
ました。
◎ 排出源モニタリング(前期)結果について
排出源モニタリング測定(排気・排水)は、外部分析機関により年
1~2回実施しています。第1回目の測定結果は、一部のアセトアル
デヒド(悪臭物質)を除いて自主管理目標値未満でした。なお、アセト
アルデヒド対策としては、排気処理装置の活性炭の種類の変更等を行
い、改善を図りました。
◎ 情報公開設備と見学者について
西棟1階情報公開ルーム内の中央に「環境ゲームコーナー」があり
ます。子どもから大人までゲーム感覚でPCB処理の内容を楽しみな
がらご理解いただけるようにパソコン画面で操作していただけます。
①PCB分解ゲーム:PCB分解をタッチパネル上の画面操作で
塩素と水素を置きかえ、取得した点数の成績により昇進してい
くゲーム。
②PCB処理ゲーム:分解、洗浄などの各処理工程で何を処理す
るかを楽しみ、理解するゲーム。
③環境クイズ :PCB及び環境に関する知識をクイズ形式
で楽しめるゲーム。
◎ 労働衛生奨励賞受賞について
①
②
③
11月19日(木)、弊社の運転会社((株)エコクリエイト大阪)が
(社)西野田労働基準協会から労働衛生に功績があったとして、平成21
年度西野田地区安全衛生大会の席上で「労働衛生奨励賞」の表彰を受けま
した。今後も運転会社と一体となって、労働安全衛生の高揚に努めてまい
ります。
☆大阪PCB廃棄物処理施設見学方法☆
弊社のホームページを参照または総務課へご連絡下さい。
・自由見学・1階情報公開ルーム(月~金曜日の午前10時から午後4時まで)
・予約見学・1階情報公開ルーム、見学者ホールなど
毎週火、木曜日(午前10時から・午後2時から)
【問い合わせ】 日本環境安全事業(株)大阪事業所
TEL:06-6468-0575
洲男(しまお)
舞子(まいこ)
ホームページ:http://www.jesconet.co.jp
☆編集後記☆
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。当事業所は操
業して4年目に入りますが、その間、皆様方にはPCB廃棄物処理に関して、ご指導、
ご理解を賜り厚くお礼を申し上げます。現在は近畿2府4県に地域を拡大してPCB廃
棄物(トランス・コンデンサ等)を処理していますが、昨年の10~12月にかけて2
件のトラブルを発生させましたことは、誠に申し訳ございませんでした。本年は初心に
戻り、一つ一つ安全・確実に処理を進めてまいりますので、よろしくお願いいたしま
す。
☆べん蔵☆
【発 行】 日本環境安全事業株式会社
大阪事業所総務課/安全対策課/運転管理課 06-6468-0575
〃 営業課(弁天事務所)
06-6575-5575