5.不法就労 日本では外国人の不法就労が問題になっているようです。10 年位前はイラン人やパキスタン人が注目されていました が、最近は中国人が注目を集めているようです。 最近では、不正入国や不法滞在と会わせて不法就労も取り上げられているようです。 バンコクの日本人の間で最近、VISA の取得が難しくなったとの噂があります。確かに、観光 VISA で入出国を繰り返して いる人達への発給は厳しくなったようです。一般の観光客には全く関係の無い話です。 本来、観光 VISA で入国した人は、働いてはいけない事になっているのですから、毎朝、ホテルのロビーで作業服を着 て迎えの車を待っている等と云う光景の方が変なのです。 タイで仕事をする為には、ワークパーミットと云う物が必要です。日本を出るとき、ビジネス VISA を取ってきたからと言う 人もいますが、ワークパーミットがなければダメです。 観光 VISA で入った人は 30 日間滞在する事が出来ますが、もちろん観光のためで仕事は出来ません。 多くの日本人は「出張だから」とか「「タイで収入、給料を貰うのではないから」と云う事で、問題ないと勘違いしている人や 会社が多いのです。この「仕事」と云うのは、報酬とか雇用とかには関係なく、日本からの出張やタイの工場や企業に監 査に来たりする事、事務所で商談をする事も含まれます。基本的には、1 日でもワークパーミットが必要ですが 15 日以内 の場合は届出だけで済むようにはなっています。ですから 2 週間以上滞在して、仕事をする場合はワークパーミットが必 要になります。 ワークパーミットを取得しないで観光 VISA で出入りを繰り返して仕事をしている人には、VISA の取得が難しくなったと思 われているようです。 バンコクには、日本語のタウン情報誌やフリーペーパーがたくさん発行されています。多くの日本人はフリーペーパー から情報を得ている事が多いようです。このフリーペーパーの編集に携わる人達の多くが、ワークパーミットを持たずに仕 事をしているらしく、観光 VISA での入出国が厳しくチェックされるようになった事を自分たちが「違法行為」をしている事を 認識せず、タイ政府が悪いような事を書き立てています。 不法滞在や不法就労をしている日本人が多いので、私達のように正規の手続きで仕事をしている者も住み難くなって います。 日本の一流と言われている企業はもとより、普通の多くの企業が日本の国内出張のつもりで、不法就労をさせています。 日本で不法就労している中国人は、悪徳ブローカーが間に入り、暴力団の資金源になっているとも報道されています。タ イに進出している日本企業の多くが、悪徳ブローカーや暴力団と同じ様に、タイ国内での日本人の不法就労の手引きを しているようです。 実際に不法就労している日本の出張者に聞くと、自分が違法行為をしている自覚は全く無く、会社からの指示で来てい るだけのようです。会社の指示でも、逮捕されるのは、「本人」である事を理解しておかなければならないのではないでし ょうか。 最近では、会社をクビになったタイ人が、雇用事務所に密告して「手入れ」を受ける事もあるようです。 観光VISA で仕事をしに来た日本人が、ノートパソコンを持ち込んで会社の事務所で使っていたりすると、「手入れ」があ った時、不法就労だけでなく、「密輸」の罪になる事も覚えておく必要があります。 平日の昼間、会社の事務所で、作業服を着た日本人が、パソコンで報告書を作っている所を見られて、「観光旅行の最 中です」と言い張って、タイの警察を納得させる事が出来れば、全く問題はないのですが…..。 タイに入国した時に「入国カード」と云う物を書きます。この中に、90 日以上滞在する場合は、届出が必要であると書か れています。 以前、タイの日本領事館で、「90 日の届出」について聞いたら、対応してくれた女性の担当者がにこやかに、「特に関係 ありません」と言ってくれました。VISA の延長の時、入国管理局でキッチリ罰金を取られました。 外務省の人は、どこの国であれ、その国の決まりを守るように説明すべきではないでしょうか。 ワークパーミットを持っている人でも、「90 日の届出」をやっていない人がかなりいるようです。最近では初回の VISA 延 長時にパスポートにその旨を書いた紙をホチキスで止めてくれます。 日本人が政府や会社ぐるみで不法就労をさせている事を日本人はもっと自覚すべきでしょう。 日本人が海外で行っている不法就労は問題なく、国内での外国人の不法就労を問題視するのは、「身勝手」のような気 がします。 緑のパスポートを持っている人には、関係のないタイの規則なのかも知れませんが、赤や青のパスポートで規則を守っ ている日本人もいるのですから、緑のパスポートを持っている人達は、日本人の不法就労についてもっときちんと説明す べきだと思っています。
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