経済学特殊講義(確率入門) 最低限の数式を用いて、ギャンブ ラーの破産問題、賞金の分配問題、 モンティー・ホール問題等の確率問 題を解く。 講義の概要 • 確率を数式で表わし、少数のルールに従って 処理することにより、さまざまなパラドックスを 解決したり、事象の確率を求めることができ る。 – 途中で勝負を打ち切るときの賞金の分配 問題 – ギャンブラーの破産問題 – モンティ・ホール問題 – ガチャポン商法 • 全く数学を用いない直観的な演算レベルから一 歩進んで、最小限の数学を導入することにより、 さまざまな確率問題を解いてゆく。 • 古典的な問題が、他の様々な問題と実質的に同 じものであり、確率モデルと考えられることも例 証してゆく。 • 確率の計算は間違い易く、直観と食い違うことも しばしばである。時にコイン・サイコロ・カードを使 い、また、さまざまな問題に取り組みながら、数 式と直観の溝を小さくしてゆく。 必要な数学 集合と関数 集合の演算 方程式の解法 確率の記述と定義 順列と組み合わせの数 確率の和のルールと積のルール(条件付き 確率) • 分割のルールとベイズのルール • • • • • • 試験問題 • 論述問題 日本人は確率が嫌いなのか? • 大阪ガスのOBを含む野球部社員が、甲子園 夏の大会を賭けの対象として、野球賭博を 行った。そのうち一人が胴元(Book Maker) と なり、賭け金は一人当たり5000円だった。大 阪ガスは関係した社員の処分を検討すると のこと(2012年8月) • アメリカでは、職場でのフットボール賭博は、 経営者には評判が悪いが、容認されているよ うだ。 2個のサイコロを投げる:日本 • 丁半ばくち(絶滅):客は、2個の目の和が偶 数(丁)か、あるいは、奇数(半)であるかのい ずれかに賭ける。 • 胴元は、丁半の賭け金が等しくなるよう客に 促し、揃ったところでサイコロを振る。 • 胴元は敗者から没収した金額のうち10%を受 け取り、残りの90%を勝者に渡す。 2つのサイコロを投げる:カジノ • クラップス(Craps):客が2個のフェアなサイコロを 振り、合計 n が {7, 11} なら客の勝ち、{2, 3, 12} ならば客の負け、{4, 5, 6, 8, 9, 10} ならば再度2 個サイコロを振り、 n が出たら客の勝ち、7 が出 たら客の負け。それ以外なら、n か 7 が出るま でサイコロを振る。 • クラップスで客が勝つ確率は、244/495 であり、 0.5 をわずかに下回る。 • クラップスの遊び方は様々な進化を遂げている。 日本には、ギャンブルの選択肢が少 なすぎる。 • 宝くじ、公営ギャンブル(競輪、競馬、競艇)では 売上の 40%から75%が賞金に回される。 • 日本では、Book Maker は非合法である。 • カジノのルーレットでは、賭け金の19分の18が賞 金に回される。カジノはどのように賞金を配分し ているのかを当局に報告しなくてはならない、 • 日本にはパチンコがあるが、どのように賞金を 配分しているのかは不明である。 • 日本人が確率に弱いのもこのあたりに理由があ るのかもしれない。 AKB48ガチャポン商法 (別ファイルあり) • CDシングル「桜の花びらたち2008」の劇場限 定期間限定盤に44種類のソロポスターのうち 1つをランダムに1枚付けて販売し、44種類 全部を揃えたら特別イベントに招待するという 企画を立てた。しかし、これが独占禁止法に 触れる可能性があるとして、この企画は没と なった。
© Copyright 2024 Paperzz