3 コーヒー・茶類 - 日本アセアンセンター

C-3. コーヒー・茶類
3 コーヒー・茶類
1. 日本のマーケット事情
(1) 品目の定義
ここでは、コーヒーと茶類を扱う。
【コーヒー】
コーヒーは、コーヒー豆(生豆、焙煎した豆いわゆるレギュラーコーヒー)及びインスタントコーヒー、コーヒーエキス・エッセ
ンスを扱う。生豆とは、コーヒーの実から果肉を剥き、内果皮にしたものを乾燥するなどの精製工程を加えたものをいう。焙
煎した豆(レギュラーコーヒー)とは、生豆を煎ったもので、挽いたものも含む。インスタントコーヒーとは、コーヒー豆から可
溶性固形分を抽出し、乾燥させたものをいう。 コーヒーエキス・エッセンスとは、コーヒー豆からエキス分を抽出し、濃縮さ
せたものをいう。業務用・加工用として缶コーヒー及び菓子類の原料などに使用される。
【茶 類】
ここでいう茶類とは、茶葉を原料とする茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶・包種茶等)及び茶葉以外の植物を原料とするマテ茶
等のハーブティーをいう。茶葉以外の植物を原料とするものは、「茶」という言葉を使ってはいるが、厳密に言えば、本来
「茶」ではない。
茶葉を原料とする茶は、製造方法により不発酵茶、半発酵茶
不発酵茶
緑茶
(部分発酵茶)、発酵茶に分類される。緑茶は不発酵茶、ウーロ
包種茶
ン茶・包種茶等は半発酵茶、紅茶は発酵茶である。(右図参照:
茶
半発酵茶
同じ茶葉でも製造方法により図のように分類される)茶葉以外の
植物を原料としている茶は、植物名と使用している部位(根、葉、
ウーロン茶
花等)や薬効成分の有無等により貿易統計上の分類が異なるの
発酵茶
紅茶
で注意が必要である。例えばハーブティーは貿易統計上のHS
分類で第9類(コーヒー、茶、マテ及び香辛料)、ルイボスティー、ハイビスカスティー等は第12類(採油用の種及び果実、
各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物)に該当する可能性がある。
ここでいうインスタントティーとは、茶又はマテのエキス、エッセンス及び濃縮物並びにこれらをもととした調製品をいい、
エキス・エッセンスとはその中でインスタントティー以外のものをいう。
貿易統計上の分類及びHS番号は以下のとおりである。
品目名
HS番号
0901.11-000、0901.12-000
コーヒー生豆
0901.21-000、0901.22-000
2101.11-210、2101.12-121
2101.11-100, 2101.11-290,
2101.12-110, 2101.12-122
0902.10-000、0902.20-200
レギュラーコーヒー
インスタントコーヒー
0902.30-010, 0902.40-210
0902.30-090, 0902.40-220
紅茶
ウーロン茶・包種茶等の部分発酵茶
0903.00-000
マテ
2101.20-110
2101.20-120
茶又はマテのインスタントティー
茶又はマテのエキス・エッセンス
コーヒーエキス・エッセンス
緑茶
(2) 市場動向
【コーヒー全体】
国際コーヒー機関(ICO)の統計によると、日本は世界のコーヒー輸入国(2004年、生豆)の中で、コーヒーの総消費量
がアメリカ、ドイツに次いで世界第3位となっている。コーヒーは日本の日常生活の飲み物として定着しており、国内消費量
は増加傾向で推移している。総消費量は世界3位であるが、一人当たりの消費量では10位以内には入っていない。日本
の2003年における一人当たり年間杯数は321杯(コーヒー生豆10gを一杯として換算)と、アメリカ(425杯)やヨーロッパ
(500~1000杯)と比較すると個人消費量は少なく、個人消費量が伸びる余地はまだある。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
185
C-3. コーヒー・茶類
近年、日本のコーヒー市場はコーヒーメーカーの普及、本物志向が強まっていること等を背景に、特にレギュラーコーヒ
ーの消費量の増加が目立っている。インスタントコーヒー、コーヒー飲料の消費量も堅調に推移しているが、コーヒー市場
全体が拡大している背景として、従来型の喫茶店は減少しているものの、スターバックス、ドトールをはじめとするコーヒー
ショップの増加が要因の一つに挙げられる。しかし、缶入りコーヒー飲料に限ると、2000年以降、消費量が減少している。
(⇒図表1)
近年、規模は小さいものの「フェアトレード」「有機栽培」など、従来のコーヒー市場とは差別化された市場も確立されつつ
ある。日本でもフェアトレード製品に注目する小売業者が増えている。スターバックス、小川珈琲、共和食品等の高級コー
ヒー販売業者や小売のイオングループも扱っており、コーヒーショップのタリーズコーヒーもキャンペーンを行った。また、健
康志向の流れから健康に配慮したコーヒーも販売されている。味の素ゼネラルフーヅ(AGF)では抗酸化作用等があるとさ
れるポリフェノールの含有量を増量させた製品や整腸効果のあるオリゴ糖を配合した製品を投入している。
【レギュラーコーヒー】
2004年の国内のコーヒー市場業態別消費量内訳(「コーヒー関係統計」(社)全日本コーヒー協会)によると、レギュラー
コーヒーのうち、工業用(缶コーヒー、液体ボトル、製菓用等の主に液体製品)が40.5%、家庭用(小売市場)が37%、業務
用(喫茶店・食堂・レストラン等の外食産業、職場・学校のオフィス・コーヒー・サービスや自動販売機)のいわゆる家庭外消
費が22.4%となっている。
工業用の中で需要の中心は缶コーヒーであり、工業用の60%以上を占めている。近年、缶コーヒーは頭打ちの状況に
あるものの、コーヒー飲料全体の生産量は、清涼飲料市場の中で依然トップの座を占めている。
家庭用需要では、ソフトパックと言われるやわらかいタイプの真空パックが伸びており、最大のボリュームゾーンとなって
いる。簡易レギュラーコーヒー(一杯ずつレギュラーコーヒーが楽しめる使い捨てタイプ)市場は、個食化、ギフト需要の増
加により好調な伸びを示している。他にもティーバックタイプのレギュラーコーヒーも商品化されており、UCC上島珈琲はイ
ンスタントコーヒーを混ぜたタイプのティーバッグ式レギュラーコーヒーを2006年9月に発売した。
業務用市場では、景気の低迷や喫茶店の減少等により頭打ちの状況が続いているが、都心型カフェが郊外へ店舗を拡
大していることから、喫茶店の減少を補う形となっている。また、ファストフード業界では店舗へのドリップマシンの導入や本
格志向を打ち出すために豆を変更するなど、コーヒーの質を高める戦略を展開している。
【インスタントコーヒー】
インスタントコーヒーの消費量は、レギュラーコーヒーの30%にも満たないが、堅調に推移している。インスタントコーヒー
のうち、80%以上が家庭用需要である。10%が工業用、6%程度が業務用である。インスタントコーヒーの中心である家庭
用インスタントコーヒーは、近年、袋入りが伸長し、2005年度にはインスタントコーヒー市場全体の約25%を占めるまでに
拡大している。これは、消費者の環境意識の高まりや買い物時の利便性(従来の重い、割れそう)といった不満の解消に
対応し、容器の軟包材化を図ったことによるものである。他にも、従来製品のリニューアル等で消費者への浸透を図ってい
る。
【コーヒー飲料】
コーヒー飲料は、毎年伸長している清涼飲料市場において生産量が最も多い品目である。2005年には、コーヒー飲料
の生産は対前年比106.6%と堅調に増加したものの、ここ数年、緑茶飲料の急伸により、コーヒー飲料と緑茶飲料との生産
量の差は年々縮小している。(⇒図表3)
清涼飲料全体が多様化する中で、コーヒー飲料も従来製品との差別化を図る動きが出ている。2005年秋、サントリーが
スターバックスブランドでチルド(冷蔵)カップコーヒー(製造から販売まで凍結しない程度に冷やした状態で管理され、プラ
スチック容器のふたにストローを挿して飲むコーヒー)市場に新規参入し、チルドコーヒー市場が急成長した。コンビニでは
コーヒー関連の商品としては缶コーヒーに次ぐ2番手に位置するほどになった。コーヒー飲料の主力である缶コーヒーの消
費は男性が中心であるが、近年のカフェブームを背景に女性もコーヒーを日常的に楽しむスタイルが浸透し、チルドカップ
コーヒーは特に10代~20代の若い女性に支持されている。コーヒー飲料市場に女性消費者を取り込むことに成功してい
る。
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図表1 コーヒーのタイプ別国内消費量の推移
レギュラーコーヒ- (t)
インスタントコーヒ- (t)
コーヒー飲料 (千kl) 左のうち缶入りコーヒ- (千kl)
年
1990
数量
114,900
指数
100
数量
39,697
指数
100
数量
2,270
指数
100
数量
2,158
指数
100
2000
148,450
129
39,791
100
2,610
115
2,063
96
2001
153,682
134
41,928
106
2,688
118
2,061
96
2002
158,600
138
40,650
102
2,757
121
2,015
93
2003
153,227
133
42,517
107
2,743
121
2,039
94
2004
169,063
147
41,648
105
2,717
120
2,005
93
基準年: 1990年
資料:農林水産省調べ、(社)全国清涼飲料工業会
出所:(社)全日本コーヒー協会「コーヒー関係統計2005年10月」
【茶類全体】
茶類のうち、主要品目である緑茶、紅茶、ウーロン茶、マテ茶の市場規模を消費量の推移で見ると、品目別構成では、
緑茶が70~75%、紅茶が10%、ウーロン茶が15%強とほぼ一定の割合となっている。マテ茶は、消費量がごくわずかなた
め構成比ではほぼ0%である。実際の消費量で見ると、緑茶は10万トン前後と安定しており、紅茶は1万5千~1万6千トン
で推移している。ウーロン茶の消費量はこの5年間で漸減しており、2001年には2万7千トンであったが、2005年は2万トン
と減少した。マテ茶の2005年の消費量はわずかに21トンである。(⇒図表2)
【緑茶】
日本では茶と言えば緑茶を指しており、茶生産のほぼ100%は緑茶である。緑茶は、日本の伝統的な飲料として愛飲さ
れており、国内消費量は毎年10万トンと安定している。総務省家計調査によると、緑茶の1世帯当たりの年間購入量は、こ
こ数年、1100g台と安定しており、一人当たりに換算すると350g程度となる。紅茶とウーロン茶の一人当たり年間合計購入
量(約80g)と比較しても4倍以上の水準であり、日常的に飲まれていることがわかる。
緑茶の用途別消費量(日刊経済通信社調べ)は、2003年には全体の約80%を占めていたリーフで飲まれる包装茶
(ティーバッグ含む)の割合が、2005年には74%に減少し、飲料向けが26%となった。近年、飲料向けの消費量が伸びて
いるのが特徴である。
清涼飲料市場を見ても緑茶飲料の伸びは著しく、2005年の生産量(2648千kl)は2001年の倍近くまで増加している。
(⇒図表3)これだけ生産量が増加した清涼飲料は他にはない。2003年以降、飛躍的に伸びた緑茶飲料ではあるが、ここ
にきて、やや飽和状態となっている。2005年は「緑茶戦争」と呼ばれるほど、大手飲料メーカーの緑茶市場における競争
は激しいものがあった。2004年~2005年にかけて大手メーカーは次々に新製品を投入し、販促合戦が繰り広げられた。
その反動からか、2006年の大手清涼飲料メーカーの事業計画では、従来製品のリニューアル品で対応するとしており、や
や沈静化の動きが見られる。緑茶業界最大手の伊藤園では、2006年の緑茶飲料はここ数年の2桁成長のようにはならず、
5%程度の伸びに鈍化すると予想している。
【紅茶】
日本では、紅茶は地場消費用としてわずかに生産されているだけで、国内需要のほとんどは輸入に頼っている。紅茶の
消費量は、茶類のうち1割程度を占めており、占有率は長期間変わっていない。一人当たりの消費量(「紅茶統計」日本紅
茶協会)は、ここ数年120g程度である。1997年のピーク時には一人当たり消費量が157gであったが、現在まで減少傾向
は続いている。紅茶全体の消費量は、過去5年間、ほぼ横ばいの1万5千トン前後で推移している。(⇒図表2)
紅茶を種類別に分けると、工業用リーフティーと包装紅茶(リーフティー、ティーバッグ)とに大別できる。2005年における
種類別消費量(日刊経済通信社調べ)は、工業用リーフティーが49.1%を占め、包装紅茶ティーバッグが36.3%、包装紅
茶リーフティーが14.7%となっている。2002年までは、包装紅茶(リーフティー、ティーバッグとも)の消費量は増加傾向に
あったが、2003年以降は両者とも漸減傾向にある。工業用は2002年に底を打った後、順調に消費量を伸ばしている。
紅茶の2005年における市場別需要量(日刊経済通信社調べ)は、ほぼ半数が加工用で占められ、40%が量販用、8%
が業務用、2%が贈答用となっている。
加工用は、インスタントティーや紅茶飲料に加工される原料市場である。1997年をピークに、2001年まで紅茶飲料需要
は減少し続けていたが、2002年からは徐々に増加し、やや盛り返しを見せている。
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187
C-3. コーヒー・茶類
量販用は、スーパー、小売店を中心とした市場で、かつては紅茶市場全体の50%以上を占めていたが、近年の加工用
市場の増加によりシェアは40%に減少している。量販市場は全国的な流通チャネルを持つナショナルブランド(リプトン、ト
ワイニング、日東、ブルックボンド)が圧倒的なシェアを占めている。
業務用は、外食産業、ホテル、レストラン、喫茶店向けの市場で、かつてはレストランパックなどが主流であったが、近年
はフレーバーティーや生産国の産地別等と多様化している。しかし、需要量はほぼ一定しており、大きな変化はない市場
である。
贈答用は、百貨店、高級専門店等の市場であり、1990年には8%のシェアがあったものの、近年は2%程度にまで低下し
ている。贈答用としての目新しさが薄れてきていることや紅茶が家庭に今ひとつ浸透していないこと、贈答用品の多様化
等が背景にあると考えられている。贈答用のブランドとしては、紅茶の本場である英国系が主流であるが、近年は他の国
のものやウェッジウッド等の陶器メーカーブランドも参入し、多様化している。
【ウーロン茶等の半発酵茶】
半発酵の代表的な茶であるウーロン茶は、世界的にみても生産量は少ない。中国福建省、広東省、台湾で限定的に生
産されている。日本では、ほぼ全量を輸入に頼っているが、その95%は中国からである。ウーロン茶は中国でも茶全体の
5%しか生産されていない。
ウーロン茶は、国内では過去2度のブームがあった。2度目のブームは1984年に起こり、1986年以降は沈静化し始め、
以後、安定成長期に入っている。ウーロン茶の消費量のピークは、2001年の約2万7千トンで茶類全体の18%を占めたが、
それ以降は緑茶消費に押される形で減少し、2005年の消費量は約2万トンで茶類全体の14%に低下した。
ウーロン茶は、第2次ブーム時には缶ドリンクとして、従来の健康イメージと無糖飲料としての需要から急成長した。その
後、ペットボトルの登場で定番の飲料になったが、緑茶飲料の台頭で頭打ちの状態となっている。ウーロン茶と競合する茶
系飲料は緑茶だけでなく、他の茶葉の飲料も競合相手である。例えば、玄米茶、杜仲茶、はと麦茶、どくだみ茶等であり、
それらをブレンドした飲料も含まれる。茶系飲料の多様化でウーロン茶の健康茶としてのポジションは薄れてきている。
2004年には花王が「ヘルシア烏龍茶」を発売する等の動きもあって、消費量は一旦回復したものの、2005年には再び
減少に転じた。2006年5月、サントリーはウーロン茶の巻き返しを図るため、中性脂肪の吸収を抑える効果があるとして「特
定保健用食品」の許可を得たウーロン茶「黒烏龍茶」を発売したが、年間販売計画を当初の予定から上方修正し、好調な
売れ行きとなっている。健康茶としてのウーロン茶ブームの再燃へと注目されている。
ウーロン茶以外では、台湾の包種茶、中国茶の一つであるプーアール茶等が挙げられるが、特に中国茶は消費者の関
心を集めており、中国茶専門店も出現している。
【マテ茶などのハーブティー】
ハーブとは薬草・香草のことで、代表的なものにラベンダー、カモミール、ミント等がある。最近ではローズヒップ(実)、ハ
イビスカス(花)等の葉以外の部分を使ったものも注目されている。ハーブティーはファッショナブルで健康によく、リラックス
できるお茶として女性を中心に人気がある。
マテ茶はマテという潅木の葉を軽く火にあぶってから乾燥させ、砕いて茶のようにしたものである。マテはハーブの一つ
で、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの南米が生産地である。コーヒー、紅茶と並んで世界の3大飲料の一つとされ、豊
富なミネラルとビタミン類が含まれている。健康茶として注目されているが、日本における輸入量はわずかで、シェアとして
はほとんどゼロに近い。
マテ茶の他、近年、注目されている茶類の一つにルイボスティーがある。ルイボスティーは南アフリカ共和国に自生する
針葉樹の葉を発酵させたもので、ミネラルが豊富でアレルギーの改善に効果があると言われている。その他にも甜茶等、
近年、アレルギー改善によいとされる茶類に人気がある。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
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C-3. コーヒー・茶類
図表2 日本における茶類の消費量の推移
2001
2002
2003
2004
2005
緑茶
数量
106,940
構成比
71%
数量
95,228
構成比
71%
数量
101,382
構成比
73%
数量
116,823
構成比
75%
数量
114,091
構成比
76%
紅茶
16,500
11%
15,029
11%
15,500
11%
16,299
10%
15,445
10%
ウーロン茶
27,136
18%
24,668
18%
21,389
15%
22,903
15%
20,730
14%
58
0%
54
0%
21
0%
28
0%
21
0%
マテ茶
150,634
100%
134,979
100%
138,292
100%
156,053
100%
150,287
100%
全体
( 注)緑茶は国内供給量(国内生産量+輸入量- 輸出量)を、紅茶及びウーロン茶、マテ茶は輸出量が区分けできないため輸入数量をそれぞれ消費量とした。
単位:トン
出所:日本茶業中央会「茶関係資料」、財務省「貿易統計」
図表3 清涼飲料の品目別生産量の推移
3,500
生産量
(千kl)
(千kl)
3,000
緑茶飲料
2,500
ウーロン茶飲料
ブレンド茶飲料
2,000
紅茶飲料
1,500
むぎ茶飲料
その他茶系飲料
1,000
コーヒー飲料等
500
0
2001
2001
2002
2002
2003
2003
2004
2004
2005
2005
(年)
前年比
一人当たり
消費量
構成比
販売金額
茶系飲料(計)
4,828
4,798
4,959
5,511
5,585
101
31
44
972,990
緑茶飲料
1,421
1,568
1,783
2,365
2,648
112
15
21
472,770
147,188
ウーロン茶飲料
1,398
1,217
1,174
1,089
1,030
95
6
8
ブレンド茶飲料
804
776
854
876
743
85
4
6
148,593
紅茶飲料
781
743
795
789
850
108
5
7
164,241
むぎ茶飲料
257
232
219
238
204
86
1
2
23,689
167
262
134
154
110
71
1
1
16,509
コーヒー飲料等
2,688
2,757
2,743
2,717
2,896
107
16
23
924,101
炭酸飲料
2,649
2,608
2,575
2,754
2,734
99
15
21
538,453
果実飲料等
2,025
2,090
1,562
1,765
1,828
104
10
14
376,439
ミネラルウォーター類
1,021
1,075
1,133
1,296
1,428
110
8
11
114,503
スポーツドリンク
1,499
1,540
1,439
1,380
1,650
120
9
13
289,880
1,149
15,859
1,299
16,167
1,751
16,162
1,786
17,209
1,725
17,846
97
10
100
14
140
379,948
3,596,314
102
102
100
107
104
104
104
100
その他茶系飲料
その他の清涼飲料
合計 前年比
単位:生産量=千kl、一人当たり消費量=l、販売金額=百万円、前年比、構成比=%
注:合計は四捨五入の関係で一致しない場合がある
出所:(社)全国清涼飲料工業会「清涼飲料関係統計資料」
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189
C-3. コーヒー・茶類
(3)日本の流通・取引慣行
1) コーヒーの流通経路
生豆はほぼ全量輸入されており、輸入商社を通じて用途別(レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー)にそれぞれのメ
ーカーまたはグリーンコーヒー業者に渡り、加工される。
レギュラーコーヒーは工業用を除く業務用と家庭用市場では大手メーカー3社が半分以上を占めており、メーカーが生
産国に独自の栽培農場を持ち、生豆を直輸入している。その他、多くの小規模のメーカー(焙煎業者)は、グリーンコーヒ
ー業者経由で生豆を購入し、業務用は焙煎業者が生豆を焙煎して地域内のコーヒーショップやホテルやレストランなどに
配達している。家庭用は問屋経由が主流であり、メーカーから加工食品卸売業者を通じて、スーパー、百貨店、専門店、
コーヒーショップ等で販売される。最近では、インターネットを通じたオンライン・ショッピングも盛んである。
インスタントコーヒーは製造が特殊で莫大な設備投資が必要なため、生豆原料から自社で生産しているメーカーは大手
3社(ネスレ、AGF、高砂珈琲)だけで、その他のメーカーは海外からパウダーをバルクで輸入して国内で袋詰めするか、
または完成品を輸入している。その後、代理店や特約店を通じ、二次問屋を経て、量販店や小売店に販売される。
コーヒーエキス・エッセンスは商社からメーカーに納入・加工された後、問屋を経由して小売店に販売されている。
図表4 コーヒーの流通経路
生 豆 生 産 国
輸 入 商 社
メーカー
(インスタントコーヒー)
一次問屋
メーカー
(レギュラーコーヒー)
生豆業者
食品メーカー
自動販売機業者など
二次問屋
一次問屋
メーカー代理店
食品メーカー
二次問屋
小売店
家庭用
インスタントコーヒー
業務用
小売店
飲食店
量販店
コンビニエンスストア
デパート
その他食料品店
ファーストフード店
レストラン
ホテル
喫茶店など
家庭用
業務用
加工品
レギュラーコーヒー
2) 茶類の流通経路
【緑茶(国産)の流通経路】
国産の茶類(緑茶)の流通経路は産地(県)によって若干異なるが、静岡県を例に挙げると下記の図のようになる。
茶の流通は、原料である生葉取引、半製品である荒茶取引、商品である仕上げ茶取引に大別される。生葉取引は、原
料生産者(農家)と荒茶加工業者との間の取引である。荒茶加工施設は多額な投資を必要とするため、小規模農家単独
で設備することは難しいことなどから、生葉生産者と荒茶加工業者が分業化しているところもある。荒茶取引は、荒茶生産
者と仕上げ加工業者間の取引で、一般に複雑多岐となっている。斡旋業者の介在、農協による共同販売、茶市場取引な
どがある。仕上げ茶取引は、産地問屋間と消費地販売業者との取引である。特に仕上げ加工業者は集荷・分荷機能だけ
でなく、取引の斡旋、金融、保管、需給調節、商品化等、流通経路に果たす役割も大きい。
近年は、量販店、コンビニ、産地直販、通信販売、インターネットを利用した販売等、流通経路が多様化している。
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190
C-3. コーヒー・茶類
図表5 緑茶の流通経路(国産、静岡県の場合)
農
家
県外茶
荒茶製造(自園自製、買葉、共同、茶農協、総合農協、会社)
斡旋商・仲買商、その他
農 協
茶市場
茶市場
斡旋商・仲買商
仕上げ加工・卸売(茶商、農協、農家、その他)
小売(茶小売、スーパー・コンビニ、デパート、自家小売、通販・直販、その他)
消費者
【輸入茶類の流通経路】
茶類の輸入販売経路は品目により若干異なるが、およそ下記のような経路となっている。
紅茶に関しては、日本の紅茶メーカーはほとんどが外国ブランド資本との間に代理店契約を結んでいる。商標、意匠の
使用権、リパック権、販売権に関して提携している。
中核を占めるのは、大手3社(三井農林、ユニリーバ・ジャパン、片岡物産)で外国メーカーから原茶を輸入し、国内でリ
パックしてリーフやティーバッグに、またドリンク製品に加工して販売している。
中国のウーロン茶の輸出は、福建省の他にも広東省、湖南省等4省に輸出許可を与えている。日本は、福建省以外で
は広東省産が輸入されている。
ウーロン茶等の中国茶は、ペットボトルや缶飲料の原料としての工業用需要が多く、総合商社や専門商社によって輸入
され、パッカーと呼ばれるブランドオーナーで加工されてから、各飲料メーカーに納入される。
紅茶以外の茶系飲料の容器別シェアは、ペットボトルがいずれも80%以上(「清涼飲料関係統計資料」(社)全国清涼飲
料工業会)を占めており、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストア等が主な販売経路となっている。
図表6 輸入茶類の流通経路
生産地
輸入業者
海外のブランドメーカー
リーフ製品
飲料製品用、インスタントティ
パッカー(ブランドオーナー)
飲料メーカー、食品メーカー
二次問屋
外食産業、自動販売機
一次問屋
百貨店、スーパー、コンビニ、食料品店、その他小売店
消費者
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
191
C-3. コーヒー・茶類
2. 貿易動向
(1) 日本の輸入動向
【コーヒー】
コーヒーは日本では生産されていないため、コーヒー豆はすべて輸入に依存している。コーヒーの輸入量のうち、9割以
上は生豆として輸入されている。国内で焙煎して、用途に応じてブレンドした上で粉砕して出荷されるため、レギュラーコ
ーヒー、インスタントコーヒー、コーヒーエキス・エッセンスの輸入量はわずかである。
コーヒーの生豆の輸入は数量、金額とも増加しており、2005年は数量ベースで41万3千トンと過去最高を記録した。
2005年は金額ベースで対前年比146.6%、数量ベースで103.1%と増加している。数量に比べ金額が伸びているのは、平
均単価が上昇したためである。コーヒー豆の価格は、ニューヨーク市場の先物価格が国際指標となっており、産地や銘柄
により価格は異なる。ニューヨーク市場が上がると、世界中のコーヒー豆の価格も影響を受ける。特に2004年秋以降、ニュ
ーヨーク市場での相場が上昇し、最大の生産国であるブラジルの作柄が悪化するとの見方が広がったこともあり、2005年
春にかけて相場は急上昇した。そのため、2006年3月には、国内の大手メーカーが相次いで家庭用レギュラーコーヒーの
出荷価格を引き上げることを表明し、スーパー等の店頭価格も値上がりするケースが出ている。 1999年以来、コーヒー生
豆の価格は低水準で推移してきたため、本格的な価格の引き上げは約11年ぶりのこととなる。
レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、エキス・エッセンスの輸入数量の構成比はいずれも数%とごくわずかであるが、
2005年はいずれも数量、金額とも前年より増加した。特にレギュラーコーヒーは、4,776トンとこの5年間で最高となった。
(⇒図表7、8)
図表7 コーヒーの輸入の推移
【輸入総額の推移】
【品目別輸入金額の推移】
(百万円)
(百万円)
140,000
120,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
80,000
20,000
0
20,000
100,000
コーヒー生豆
60,000
40,000
インスタントコーヒー
0
2001
2002
2003
2001
66,028
3,894
7,531
5,794
83,247
コーヒー生豆
レギュラーコーヒー
インスタントコーヒー
コーヒーエキス・エッセンス
合 計
単位:金額=百万円、数量=トン
2004
2002
66,125
4,294
7,773
5,144
83,337
2005(年)
金 額
2003
62,593
4,142
7,629
4,101
78,465
2001
2004
68,952
3,848
5,964
4,290
83,054
2005
101,052
4,507
7,227
5,214
118,000
2002
2001
381,745
3,630
8,387
16,034
409,797
2003
2002
400,771
4,070
8,465
14,379
427,685
2004
数 量
2003
377,647
4,292
9,057
11,566
402,563
2005
(年)
2004
400,977
4,150
7,633
12,137
424,897
2005
413,264
4,776
7,778
13,398
439,217
出所:財務省「貿易統計」
図表8 2005年における品目別輸入動向(コーヒー)
金額ベース
コーヒー生豆
レギュラーコーヒー
インスタントコーヒー
コーヒーエキス・エッセンス
合 計
数量ベース
平均単価
金 額
101,052
4,507
7,227
構成比
85.6%
3.8%
6.1%
前年比
146.6
117.1
121.2
数 量
413,264
4,776
7,778
構成比
94.1%
1.1%
1.8%
前年比
103.1
115.1
101.9
2004年
172
927
781
2005年
245
944
929
5,214
118,000
4.4%
100.0%
121.5
142.1
13,398
439,217
3.1%
100.0%
110.4
103.4
353
195
389
269
単位:金額=百万円、数量=トン、前年比=%、平均単価=kgあたり円 出所:財務省「貿易統計」
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
192
C-3. コーヒー・茶類
【茶類】
輸入茶類は、正味重量が3㎏以下の直接小売容器入りで輸入されるものと原料用の茶としてバルクで輸入される形態の
ものとがある。さらにインスタントティーとエキス・エッセンスがある。緑茶、紅茶、部分発酵茶とも輸入の大半はバルク原茶
で、それぞれの輸入量の8~9割を占めている。
茶類全体での輸入総額は2001年をピークに減少し、2004年にやや回復したものの2005年には再び対前年比で90.7%
に減少した。輸入数量も金額と同様、2003年までは減少が続き、2004年にいったん回復したが、2005年は対前年比で
90.7%に減少した。
品目別では、2001年における茶類の輸入金額でトップであった部分発酵茶は減少が続き、2003年以降、紅茶が輸入
金額のトップとなっている。輸入数量では、部分発酵茶が2万トン台で最も多く、全体の4割近くを占めている。以下紅茶、
緑茶と輸入数量は拮抗している。
緑茶以外の茶類は国内需要のほとんどを輸入でまかなっているため、輸入動向は国内の需要動向の影響を受ける。特
に飲料用の工業需要の動向に影響を受ける。緑茶は2003年以降、緑茶飲料が急激に伸びたことから、それに連動して緑
茶の輸入も増加した。半発酵茶の代表であるウーロン茶は、近年の緑茶飲料に押され、ウーロン茶飲料の2005年におけ
る生産量は、2001年のおよそ70%に落ち込んでいる。そのため、2005年の部分発酵茶の輸入量も2001年の76%に留ま
った。ただし、小売用容器入りの部分発酵茶だけで見ると、2001年以降漸増しており、2005年の輸入量も対前年比
108.8%と増加した。反面、部分発酵茶のバルク原茶の輸入量は対前年比88.4%と減少し、明暗を分けた形となっている。
紅茶は、紅茶飲料の生産量の変動が少ないため、紅茶の輸入量の変動も比較的少ない。(⇒図表9、10)
図表9 茶類の輸入の推移
【輸入総額の推移】
【品目別輸入金額の推移】
(百万円)
(百万円)
30,000
12,000
25,000
10,000
20,000
8,000
15,000
6,000
部分発酵茶
10,000
4,000
緑茶
5,000
2,000
0
紅茶
0
2001
2002
2003
2001
160
5,535
4,498
4,951
923
9,333
24
991
1,283
27,698
緑茶(容器入り)
緑茶(バルク原茶)
紅茶(容器入り)
紅茶(バルク原茶)
部分発酵茶(容器入り)
部分発酵茶(バルク原茶)
マテ
インスタントティー
エキス・エッセンス
合 計
単位:金額=百万円、数量=トン
2004
2002
216
3,631
4,128
4,928
1,054
8,486
18
888
1,126
24,475
2005
2001
(年)
金 額
2003
226
2,429
3,671
4,707
849
6,736
12
1,800
1,333
21,762
2004
295
4,503
3,857
4,794
798
6,702
13
2,986
1,296
25,244
2005
342
4,082
3,881
4,786
857
6,063
9
2,024
854
22,898
2002
2001
215
17,525
2,123
13,058
1,857
25,279
58
782
1,179
62,074
2003
2002
257
11,533
1,940
13,089
2,287
22,381
54
590
735
52,867
2004
数 量
2003
373
9,869
1,845
13,655
2,160
19,229
21
1,059
907
49,119
2005
2004
754
16,241
2,016
14,283
2,372
20,531
28
1,821
1,024
59,070
(年)
2005
1,062
14,125
2,164
13,281
2,581
18,149
21
1,420
758
53,561
出所:財務省「貿易統計」
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
193
C-3. コーヒー・茶類
図表10 2005年における品目別輸入動向(茶類)
金額ベース
数量ベース
平均単価
2004年
2005年
391
322
金 額
342
構成比
1.5%
前年比
116.1
数 量
1,062
構成比
2.0%
前年比
140.9
緑茶(バルク原茶)
4,082
17.8%
90.7
14,125
26.4%
87.0
277
289
紅茶(容器入り)
3,881
4,786
857
6,063
17.0%
20.9%
3.7%
26.5%
100.6
99.8
107.3
90.5
2,164
13,281
2,581
18,149
4.0%
24.8%
4.8%
33.9%
107.3
93.0
108.8
88.4
1,914
336
336
326
1,794
360
332
334
9
2,024
854
22,898
0.0%
8.8%
3.7%
100.0%
66.5
67.8
65.9
90.7
21
1,420
758
53,561
0.0%
2.7%
1.4%
100.0%
74.8
78.0
74.1
90.7
460
1,640
1,266
427
409
1,425
1,126
428
緑茶(容器入り)
紅茶(バルク原茶)
部分発酵茶(容器入り)
部分発酵茶(バルク原茶)
マテ
インスタントティー
エキス・エッセンス
合 計
単位:金額=百万円、数量=トン、前年比=%、平均単価=kgあたり円 出所:財務省「貿易統計」
(2) 対日輸出国別内訳及びASEANのポジショニング
【コーヒー(全体)】
2005年における国、地域別の輸入シェア(金額ベース)は、ブラジル(327億円、27.8%)、コロンビア(280億円、
23.8%)、ASEAN(127億円、10.8%)、EU(38億円、3.2%)で、数量ベースでは、ブラジル28.7%、コロンビア22.0%、
ASEAN20.1%、EU0.6%となる。ASEANのシェアは数量で2割、金額では1割となり、単価の安い製品が入っている。
コーヒーの対日輸出国は、総数では40ヵ国以上に及ぶ。日本におけるコーヒー全体の輸入量はブラジル、コロンビア、イ
ンドネシアの順に多く、この3ヵ国で全体の60%以上を占める。一方、2005年の輸入金額ではブラジル、コロンビア、グア
テマラ、インドネシアの順で、ブラジル、コロンビアの2ヵ国で全体の50%を占めている。平均単価の安いインドネシアが金
額では4位に下がり、単価の高いグアテマラの輸入額がインドネシアを抜き3位に浮上している。
コーヒー全体のASEANからの輸入推移は、数量ベースでは、2001年の10万トンをピークに2003年まで減少が続いた
が、2004年以降は8万8千~9千トンで推移している。金額ベースでは、2004年まで100億円台でほぼ安定していたが、
2005年には127億円と急増した。しかし、2005年の輸入数量はほぼ前年並であることから、単価の上昇による輸入金額の
増加と考えられる。(⇒図表13)
ASEAN諸国のうち、2005年のインドネシアとベトナム2ヵ国のシェア(数量ベース)は19.5%で、ASEAN全体のほとんど
を占めている。マレーシア、フィリピン等からも若干輸入されているが、シェアはいずれも1%にも満たない。
ベトナムの2004/05年期におけるコーヒー生産量はブラジル、コロンビアに次いで世界第3位で、90年代後半からコーヒ
ーの輸出を拡大させている。ベトナムの主な輸出相手国(2004年金額ベース)は、ドイツ、米国、英国で、この3ヵ国で全輸
出額の44.5%を占める。日本におけるベトナムからの輸入数量は2万5千トン~3万トンで推移しており、急激な増減は見ら
れない。輸入されているのは単価の安いロブスタ種(インスタントコーヒーや缶コーヒーに使用される品種で、上級品でレ
ギュラーコーヒーに使用される南米産のアラビカ種と区別される)である。ベトナムコーヒーの知名度が低いことや技術力の
不足による品質の不安定さ等のために、日本ではあまり普及していない。
インドネシアの2004/05年期のコーヒー生産量は、ベトナムに次いで世界第4位である。近年、ベトナムがコーヒー生産量
を伸ばしたのに対し、インドネシアはここ数年、40万トン前後で安定的に推移している。日本におけるインドネシアからの輸
入は数量ベースで13.1%を占め、日本にとって主要な輸入相手国のポジションに位置している。しかし、金額ベースでは
7.3%と数量ベースに比べてシェアは低い。これは単価の安いロブスタ種が主に輸入されているためである。(⇒図表11)
図表11 コーヒー(全体)の主要対日輸出国・地域
【主要国からの輸入金額推移】
【2005年の輸入金額構成】
(百万円)
35,000
ASEAN
10.8%
ブラジル
30,000
25,000
コロンビア
20,000
15,000
10,000
EU
3.2%
グアテマラ
インドネシア
5,000
コロンビア
23.8%
0
2001
2002
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
194
その他
34.4%
2003
2004
2005(年)
ブラジル
27.8%
C-3. コーヒー・茶類
2004
2005
2001
2002
2003
ブラジル
金 額
20,942
金 額
17,752
金 額
18,403
金 額
19,386
数 量
109,019
コロンビア
16,359
19,512
15,722
19,245
93,770
28,077
23.8%
96,827
22.0%
290
グアテマラ
6,355
6,827
5,694
6,083
27,561
10,172
8.6%
33,307
7.6%
305
インドネシア
7,275
7,012
7,151
7,326
61,795
8,568
7.3%
57,490
13.1%
149
エチオピア
4,785
4,894
4,761
6,277
37,934
7,849
6.7%
30,476
6.9%
258
ベトナム
1,943
2,000
1,913
2,183
25,803
2,918
2.5%
28,322
6.4%
103
タンザニア
1,889
1,401
1,825
1,796
8,610
2,760
2.3%
10,011
2.3%
276
金 額
32,775
27.8%
平均単価
数 量
125,855
28.7%
260
米 国
2,908
2,953
2,756
2,373
2,536
2,519
2.1%
2,559
0.6%
984
コスタリカ
1,420
1,575
1,849
1,714
8,438
2,144
1.8%
7,305
1.7%
293
その他
19,370
19,410
18,393
16,669
49,430
20,218
17.1%
47,064
10.7%
430
合 計
( E U)
83,247
83,337
78,465
83,054
424,897
118,000
100.0%
439,217
100.0%
269
3,946
3,727
4,023
3,288
2,735
3,814
3.2%
2,841
0.6%
1,342
( ASEAN)
10,443
10,124
10,155
10,299
89,147
12,701
10.8%
88,477
20.1%
144
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円 出所:財務省「貿易統計」
【コーヒー生豆、レギュラーコーヒー】
2005年におけるコーヒー生豆の輸入(金額ベース)を見ると、ブラジル、コロンビアの上位2ヵ国で全体の53%を占め、以
下グアテマラ、インドネシア、エチオピアの順であるが、シェアはそれぞれ10%未満である。ASEAN全体でのシェアは
11.0%で対前年比121.0%と伸びてはいるものの、上位3ヵ国の伸び率(ブラジル183.6%、コロンビア149.1%、グアテマ
ラ167.9%)と比べると低い。これは、近年、本物志向を背景としたレギュラーコーヒーの需要が高まっており、レギュラーコ
ーヒーの原料となるアラビカ種の生産国である中南米からの輸入が増加しているためである。
ASEAN全体の輸入金額の74%はインドネシアで占められている。インドネシアからの輸入金額は対前年比117.2%と
伸びているが、インドネシアはインスタントコーヒーや缶コーヒーの原料に使用される単価の安いロブスタ種を主に生産して
いるため、金額ベースでのシェアは数量ベースと比較すると低くなる。
一方、レギュラーコーヒーの2005年における主要対日輸出国(金額ベース)は米国、イタリア、英国、ブラジルの順である
が、トップの米国だけで45.0%を占める。ASEAN全体の輸入金額は2億円で、シェアはわずか4.5%である。対前年比で
は116.6%と他国と同様に上昇したが、上位5ヵ国の中にASEAN諸国はランクインしていない。ASEANのうち、レギュラー
コーヒーの対日輸出実績のある国はインドネシアとベトナムの2ヵ国のみで、他のASEAN諸国の実績はほとんどないのが
現状である。
【インスタントコーヒー、コーヒーエキス・エッセンス】
2005年のインスタントコーヒーの輸入(金額ベース)は、ブラジル、ドイツ、コロンビアの上位3ヵ国で68.5%を占める。4位
以下の国はシェアが10%未満とわずかである。インスタントコーヒーの輸入金額は、いずれの国も対前年比が100%を超
えている。また、ドイツ、スイスの欧州諸国の平均単価が、他国の単価の2倍~3倍も高いのが特徴的である。
2005年におけるASEANのシェアは7.6%と少なく、対日輸出実績国はフィリピン、インドネシア、タイ等である。
一方、2005年のコーヒーエキス・エッセンスの輸入は、トップのブラジルだけで約50%を占め、以下オランダ、マレーシア、
コロンビア、インドネシアの順であるが、そのうち、上位4ヵ国で95.4%を占めている。
ASEAN全体のシェアは16.1%と、コーヒー4品目中、最もシェアが高い品目となっている。2005年は、ASEAN全体で
対前年比200.5%と倍増しており、上位5ヵ国の中にマレーシアとインドネシアが食い込んでいるのが目を引く。この2ヵ国
だけでASEAN全体の輸入金額の96%を占めている。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
195
C-3. コーヒー・茶類
図表12 コーヒーの品目別主要対日輸出国・地域(2005年、金額ベース)
コーヒー生豆
国 名
レギュラーコーヒー
第1位 ブラジル
金 額
27,253
シェア
27.0%
第2位 コロンビア
26,244
26.0%
第3位 グアテマラ
10,027
9.9%
167.9
第4位 インドネシア
8,221
8.1%
117.2
第5位 エチオピア
7823
7.7%
125.0
11,105
11.0%
121.0
(ASEAN全体)
前年比 平均単価
国 名
183.6
242 米 国
149.1
278 イタリア
国 名
金 額
2,655
シェア
36.7%
第2位 ドイツ
1,183
16.4%
前年比 平均単価
108.8
865
482
10.7%
112.0
1,168
445
9.9%
100.1
2,141
281
6.2%
152.9
544
257 オランダ
130
248
5.5%
4251.0
1,096
203
4.5%
116.6
706
コーヒーエキス・エッセンス
前年比 平均単価
国 名
119.9
754 ブラジル
127.0
1,656 オランダ
第3位 コロンビア
1,116
15.4%
117.4
第4位 エクアドル
611
8.5%
149.6
第5位 スイス
609
8.4%
136.8
551
7.6%
104.5
(ASEAN全体)
シェア
45.0%
302 英 国
145 ブラジル
インスタントコーヒー
第1位 ブラジル
金 額
2,028
899 マレーシア
696 コロンビア
2,867 インドネシア
722
金 額
2,586
シェア
49.6%
1,123
21.5%
前年比 平均単価
120.6
282
100.7
1,597
696
13.3%
234.4
380
572
11.0%
106.2
503
112
2.2%
112.2
317
841
16.1%
200.5
368
単位:金額=百万円、前年比=%、平均単価=kgあたり円
出所:財務省「貿易統計」
図表13 ASEANからの国別/品目別輸入の推移(コーヒー)
【金額推移】
【数量推移】
(トン)
(百万円)
120,000
15,000
12,701
10,443
10,000
10,124
10,155
101,199
100,000
91,275
82,833
10,299
89,147
88,477
2004
2005(年)
80,000
60,000
40,000
5,000
20,000
0
0
2001
2002
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
196
2003
2004
2005(年)
2001
2002
2003
C-3. コーヒー・茶類
2001
2005
2001
2002
数 量
2003
2004
2005
平均単価
2005
8,653
8,723
9,178
11,105
98,450
88,728
80,498
86,908
85,139
106
177
143
174
203
99
182
155
247
288
706
622
616
851
527
551
630
569
1,033
752
763
722
758
678
437
419
841
2,020
1,795
1,147
1,240
2,287
368
合 計
10,443
10,124
10,155
10,299
12,701 101,199
91,275
82,833
89,147
88,477
144
全体でのシェア
12.5%
12.1%
12.9%
12.4%
10.8%
24.7%
21.3%
20.6%
21.0%
20.1%
6,922
6,658
6,828
7,016
8,221
67,399
58,177
58,039
61,149
56,851
145
885
レギュラーコーヒー
ASEAN インスタントコーヒー
合計 コーヒーエキス・エッセンス
コーヒー生豆
レギュラーコーヒー
インスタントコーヒー
コーヒーエキス・エッセンス
合 計
130
95
171
130
150
154
91
175
134
186
174
242
147
155
60
80
321
195
256
80
111
725
15
36
37
100
112
40
102
115
380
354
317
7,275
7,012
7,151
7,326
8,568
67,851
58,650
58,545
61,795
57,490
149
8.7%
8.4%
9.1%
8.8%
7.3%
16.6%
13.7%
14.5%
14.5%
13.1%
1,938
1,991
1,890
2,160
2,870
29,727
30,533
22,446
25,743
28,210
102
3
4
13
23
48
5
6
21
60
113
423
3
5
9
-
-
6
11
23
-
-
-
合 計
1,943
2,000
1,913
2,183
2,918
29,738
30,551
22,489
25,803
28,322
103
全体でのシェア
2.3%
2.4%
2.4%
2.6%
2.5%
7.3%
7.1%
5.6%
6.1%
6.4%
全体でのシェア
コーヒー生豆
レギュラーコーヒー
ベトナム インスタントコーヒー
1
1
0
1
0
0
1
0
0
0
2,919
38
21
16
12
7
66
37
30
24
12
562
739
623
377
297
696
1,974
1,626
994
827
1,830
380
778
645
394
309
703
2,040
1,664
1,024
851
1,842
382
0.9%
0.8%
0.5%
0.4%
0.6%
0.5%
0.4%
0.3%
0.2%
0.4%
コーヒー生豆
-
-
-
-
3
-
-
-
-
1
1,831
レギュラーコーヒー
-
-
-
-
0
-
-
-
-
0
1,990
338
443
622
405
419
237
326
676
579
596
704
338
443
622
405
422
237
326
676
579
597
707
0.4%
0.5%
0.8%
0.5%
0.4%
0.1%
0.1%
0.2%
0.1%
0.1%
96
-
3
1
7
1,308
-
10
6
29
レギュラーコーヒー
1
-
-
-
-
1
-
-
-
-
-
インスタントコーヒー
-
-
45
33
31
-
-
41
53
30
1,030
649
レギュラーコーヒー
インスタントコーヒー
マレーシア コーヒーエキス・エッセンス
合 計
全体でのシェア
フィリピン インスタントコーヒー
合 計
全体でのシェア
コーヒー生豆
タイ
2004
8,957
コーヒー生豆
インド
ネシア
金 額
2003
2002
258
97
-
48
34
38
1,309
-
51
58
59
0.1%
-
0.1%
0.0%
0.0%
0.3%
-
0.0%
0.0%
0.0%
シンガポール
9
24
26
40
47
8
85
46
49
118
402
ミャンマー
2
-
-
-
-
17
-
-
-
-
-
ラオス
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
カンボジア
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
ブルネイ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
合 計
全体でのシェア
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円
出所:財務省「貿易統計」
【茶類(全体)】
茶類全体における主な輸入相手国は、中国を筆頭にスリランカ、インドが上位3ヵ国である。この3ヵ国で茶類全体の輸入
金額の79.3%を占める。特に中国は他国を引き離し、2005年の数量ベースでは3万6千トンでシェア67.2%、金額ベース
では117億6千万円で51.4%を占めている。そのうち、緑茶、半発酵茶が大半を占めている。一方、スリランカ、インドは紅
茶の輸入が主流である。この2ヵ国からの輸入金額は過去5年間安定的に推移し、大きな変動はない。(⇒図表14)
ASEANでは、インドネシアが金額ベースで4億1千万円、シェア1.8%と8位にランクインしている。数量ベースでは、1千
2百トン、シェア2.3%と5位に浮上する。インドネシアからは主に紅茶(バルク原茶)が輸入されている。
ASEANからの茶類の輸入は、2005年の金額ベースでは5億2千万円でシェア2.3%、数量ベースでは1千6百トン、シェ
アは3.1%である。2001年以降、ASEAN全体の金額ベースにおけるシェアは2~3%台で推移しており、大きな変化は見
られない。(⇒図表14、16)
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
197
C-3. コーヒー・茶類
【緑茶】
緑茶では、小売容器入りのものとバルク原茶とに大別できるが、2005年の金額ベースでは両者とも中国が圧倒的なシェ
アを占め、特にバルク原茶では93.3%とほぼ全量に近い。バルク原茶ではベトナムがランクインしているが、1.4%とわず
かである。緑茶輸入については、中国の独壇場といった状況である。(⇒図表15)
【紅茶】
紅茶の輸入では、小売容器入り、バルク原茶とも2005年の金額ベースにおけるトップはスリランカで、特にバルク原茶で
は23億円と約半数を占めている。バルク原茶では、以下インド、中国と続くが、スリランカとインドの2ヵ国で輸入額の
78.7%を占め、3位の中国以下を大きく引き離している。スリランカは、セイロン紅茶として日本になじみの深い紅茶生産国
であり、インドも世界3大銘茶の一つであるダージリン茶が栽培されている。
ASEANの中では、インドネシアがバルク原茶で1億5千万円、シェア3.2%で5位に食い込んでいる。ASEAN全体のバ
ルク原茶の輸入金額は1億6千万円、シェアが3.3%で、そのほとんどがインドネシアで占められている。ASEAN全体のバ
ルク原茶の過去5年間における推移(数量ベース)を見ると、2004年まで1千トンを上回る水準が続いていたが、2005年は
828トンと初めて1千トンを割り込んだ。2005年はベトナムからの輸入が47トンと前年より倍増したものの、インドネシアから
の輸入が781トンと大幅に落ち込んだため、ASEAN全体としては1,151トンから828トン(対前年比71.9%)と減少した。
(⇒図表16)
容器入り紅茶については、2005年の金額ベースで、スリランカ、英国、インドの3強が全体の75.6%を占める。以下、中
国、フランスと続く。対前年比(金額ベース)では、中国とインドの伸びが目立つ。容器入り紅茶では、ASEAN諸国は5位
以内にランクインしておらず、ASEAN全体の輸入金額は2億2千万円、シェアは5.8%である。ASEANが占めるシェアは
少ないものの、2003年以降、ASEAN全体の輸入数量は順調に伸びており、2005年は過去5年間において最多輸入量
の327トン(対前年比165%)と増加し、金額ベースでも2億2千万円(対前年比159.9%)と増加した。(⇒図表15、16)
【部分発酵茶】
2005年の輸入を金額ベースで見ると、部分発酵茶の小売容器入り、バルク原茶とも中国が圧倒的にトップである。小売
容器入りで85%、バルク原茶で91.6%と2位以下を大きく引き離している。容器入りでは以下、台湾、香港、バルク原茶は
台湾、ベトナムと続き、アジアからの輸入が大部分を占める。両者とも中国、台湾で98~99%を占め、ほぼ全量と言っても
よい。もともとウーロン茶の生産地は限られており、本場中国においても茶の中で5%程度しか生産されていない。また、ウ
ーロン茶以外の部分発酵茶(半発酵茶)に包種茶があるが、台湾で生産されている。
したがって、ASEANからは部分発酵茶はほとんど輸入されておらず、両者とも1%にも満たない。バルク原茶がベトナム
から3千万円(シェア0.5%)とわずかに輸入されているだけである。(⇒図表15)
【マテ茶】
マテ茶は南米産のマテの潅木から作られる茶であるため、輸入相手国は非常に限定的である。ブラジル、アルゼンチン、
パラグアイの3ヵ国のみである。マテ茶の輸入量は減少が続いている。(⇒図表15)
【インスタントティー】
2005年の金額ベースでは、ケニア、インド、中国が上位3ヵ国で、この3ヵ国で89.7%を占める。インスタントティー全体の
輸入量は年による変動が比較的激しい。
ASEANからは上位5ヵ国にランクインする国はなく、ASEAN全体の2005年の輸入金額は4千万円、シェアは2.1%であ
る。数量ではここ数年、100トン台で推移し、インドネシアとシンガポールの2ヵ国から毎年、輸入実績がある。 (⇒図表15、
16)
【エキス・エッセンス】
2005年における茶類のエキス・エッセンスの輸入を金額ベースで見ると、中国が4億8千万円、シェア56.9%でトップ、以
下、米国が3億円、シェア35.6%と上位2ヵ国で92.5%とほぼ独占状態にある。3位はフランスが顔を出すが、シェアは
4.1%と少ない。
ASEANからはほとんど輸入実績がなく、ASEAN全体のシェアはわずかに0.4%である。そのほとんどはインドネシアか
らの輸入である。(⇒図表15、16)
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
198
C-3. コーヒー・茶類
図表14 茶類(全体)の主要対日輸出国・地域
【主要国からの輸入金額推移】
【2005年の輸入金額構成】
(百万円)
20,000
中国
15,000
ASEAN EU
2.3%
7.3%
その他
11.1%
インド
12.1%
10,000
スリランカ
5,000
スリランカ
15.8%
インド
0
2001
2002
2003
2004
2005
中 国
51.4%
(年)
2004
2005
2001
2002
2003
金 額
15,940
金 額
13,489
金 額
10,682
金 額
13,296
数 量
40,059
スリランカ
3,377
3,279
3,364
3,861
9,442
3,607
15.8%
8,932
16.7%
404
インド
2,686
2,432
2,483
2,878
3,599
2,771
12.1%
3,229
6.0%
858
中 国
金 額
11,767
51.4%
平均単価
数 量
36,007
67.2%
327
ケニア
460
321
848
1,316
1,671
1,260
5.5%
1,653
3.1%
762
英 国
1,523
1,576
1,257
1,265
509
1,119
4.9%
476
0.9%
2,349
台 湾
741
865
950
636
829
601
2.6%
782
1.5%
768
米 国
1,137
1,104
665
423
202
457
2.0%
174
0.3%
2,629
インドネシア
387
287
391
370
1,442
410
1.8%
1,243
2.3%
330
フランス
680
615
631
662
182
341
1.5%
111
0.2%
3,074
その他
766
507
491
537
1,135
567
2.5%
954
1.8%
594
27,698
24,475
21,762
25,244
59,070
22,898
100.0%
53,561
100.0%
428
2,364
2,381
2,047
2,119
907
1,679
7.3%
841
1.6%
1,997
752
392
454
476
1,917
522
2.3%
1,644
3.1%
318
合 計
( E U)
( ASEAN)
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円
出所:財務省「貿易統計」
図表15 茶類の品目別主要対日輸出国・地域〈2005年、金額ベース〉
緑茶(容器入り)
国 名
第1位 中 国
第2位 英 国
第3位 フランス
第4位 インド
第5位 米国
( ASEAN全体)
金 額
269
シェア
78.7%
48
14.1%
緑茶(バルク原茶)
前年比 平均単価
国 名
114.7
257 中 国
112.2
5,779 ブラジル
16
4.8%
144.5
3
0.9%
-
1
0.4%
80.7
1
0.3%
-
3,557 ベトナム
1,953 オーストラリア
4,613 ケニア
11,440
紅茶(容器入り)
国 名
第1位 スリランカ
第2位 英 国
第3位 インド
金 額
1,171
シェア
30.2%
金 額
3,808
シェア
93.3%
102
2.5%
前年比 平均単価
89.4
281
101.1
744
57
1.4%
65.6
212
46
1.1%
290.8
5,431
33
0.8%
176.0
392
57
1.4%
61.7
212
紅茶(バルク原茶)
前年比 平均単価
国 名
107.8
1,214 スリランカ
87.1
2,893 インド
928
23.9%
833
21.5%
138.3
第4位 中 国
268
6.9%
164.7
第5位 フランス
260
6.7%
43.5
金 額
2,345
シェア
49.0%
前年比 平均単価
101.0
297
1,423
29.7%
103.2
551
3,471 中国
2,368 ケニア
303
6.3%
102.7
572
227
4.7%
95.2
223
4,293 インドネシア
152
3.2%
75.2
195
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
199
C-3. コーヒー・茶類
部分発酵茶(容器入り)
国 名
第1位 中 国
金 額
728
シェア
85.0%
第2位 台 湾
113
13.2%
第3位 香 港
8
1.0%
1
0.1%
(ASEAN全体)
部分発酵茶(バルク原茶)
前年比 平均単価
国 名
110.7
291 中 国
92.2
1,486 台 湾
95.6
2,816 ベトナム
76.6
金 額
5,554
853
マテ
国 名
金 額
シェア
91.6%
前年比 平均単価
89.7
319
468
7.7%
94.5
704
33
0.5%
468.5
490
33
0.5%
468.5
490
インスタントティー
第1位 ブラジル
6
シェア
63.3%
前年比 平均単価
国 名
50.2
903 ケニア
400.8
209 インド
第2位 アルゼンチン
3
34.0%
第3位 パラグアイ
0
2.7%
26.6
(ASEAN全体)
-
-
-
国 名
第1位 中 国
金 額
486
シェア
56.9%
第2位 米 国
304
35.6%
125.2
6,753
第3位 フランス
35
4.1%
122.4
1,079
3
0.4%
85.1
582
金 額
970
シェア
47.9%
495
24.5%
55.8
1,292
351
17.3%
67.9
1,940
42
2.1%
166.4
287
224 中 国
-
前年比 平均単価
94.0
1,867
エキス・エッセンス
(ASEAN全体)
前年比 平均単価
49.5
734
単位:金額=百万円、前年比=%、平均単価=kgあたり円
出所:財務省「貿易統計」
図表16 ASEANからの国別/品目別輸入の推移(茶類)
【金額推移】
(百万円)
800
【数量推移】
(トン)
752
3,000
2,500
600
454
476
522
2,477
1,917
2,000
392
400
1,615
1,668
2002
2003
1,644
1,500
1,000
200
500
0
0
2001
2002
2003
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
200
2004
2005
(年)
2001
2004
2005
(年)
C-3. コーヒー・茶類
2001
2004
平均単価
2005
2005
2
-
1
-
1
1
-
0
11,440
緑茶(バルク原茶)
37
93
57
863
300
150
446
270
212
紅茶(容器入り)
255
25
126
141
225
282
16
148
198
327
689
紅茶(バルク原茶)
207
240
242
205
160
1,046
1,156
1,214
1,151
828
193
4
1
-
1
1
2
0
-
0
1
853
11
2
9
7
33
34
13
8
11
67
490
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
46
30
39
25
42
239
125
147
105
146
287
9
2
-
4
3
11
4
-
7
6
582
752
392
454
476
522
2,477
1,615
1,668
1,917
1,644
318
2.7%
1.6%
2.1%
1.9%
2.3%
4.0%
3.1%
3.4%
3.2%
3.1%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
19
14
4
6
-
50
37
13
17
-
-
紅茶(容器入り)
119
9
124
135
219
143
7
147
193
324
675
紅茶(バルク原茶)
192
236
230
203
152
988
1,137
1,173
1,127
781
195
3
1
-
1
-
1
0
-
0
-
-
45
26
33
22
35
237
118
135
98
132
265
エキス・エッセンス
合 計
全体でのシェア
緑茶(容器入り)
緑茶(バルク原茶)
部分発酵茶(容器入り)
インスタントティー
エキス・エッセンス
合 計
全体でのシェア
緑茶(容器入り)
9
2
-
4
3
11
4
-
7
6
582
387
287
391
370
410
1,430
1,303
1,469
1,442
1,243
330
1.4%
1.2%
1.8%
1.5%
1.8%
2.3%
2.5%
3.0%
2.4%
2.3%
-
1
2
-
1
-
1
1
-
0
11,440
212
202
76
33
87
57
813
263
137
429
270
紅茶(容器入り)
2
202
1
-
-
2
-
0
-
-
-
紅茶(バルク原茶)
3
5
7
2
7
12
19
32
24
47
157
部分発酵茶(容器入り)
1
-
-
-
1
0
-
-
-
1
853
緑茶(バルク原茶)
部分発酵茶(バルク原茶)
合 計
全体でのシェア
8
2
9
7
33
17
13
8
11
67
490
216
286
51
96
99
846
295
179
464
385
258
0.8%
1.2%
0.2%
0.4%
0.4%
1.4%
0.6%
0.4%
0.8%
0.7%
緑茶(容器入り)
-
1
-
-
-
-
1
-
-
-
-
紅茶(容器入り)
121
8
-
-
1
133
7
-
-
0
3,985
紅茶(バルク原茶)
12
-
5
-
-
46
-
9
-
-
-
インスタントティー
1
4
6
3
7
2
6
11
6
13
507
557
合 計
全体でのシェア
135
12
11
3
8
181
13
19
6
14
0.5%
0.1%
0.1%
0.0%
0.0%
0.3%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
紅茶(容器入り)
12
9
1
6
6
4
2
0
5
3
2,245
インスタントティー
-
0
0
0
-
-
1
1
0
-
2,245
合 計
全体でのシェア
部分発酵茶(バルク原茶)
タイ
数 量
2003
2002
2
インスタントティー
マレーシア
2001
90
ASEAN
部分発酵茶(バルク原茶)
合計
マテ
シンガ
ポール
2005
-
部分発酵茶(容器入り)
ベトナム
2004
221
緑茶(容器入り)
インド
ネシア
金 額
2003
2002
12
9
1
6
6
4
3
1
5
3
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
3
-
-
-
-
16
-
-
-
-
-
3
-
-
-
-
16
-
-
-
-
0.0%
-
-
-
-
0.0%
-
-
-
-
フィリピン
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
ミャンマー
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
合 計
全体でのシェア
ラオス
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
カンボジア
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
ブルネイ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
単位:金額=百万円、数量=トン、平均単価=kgあたり円
出所:財務省「貿易統計」
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
201
C-3. コーヒー・茶類
(3) 国内市場における輸入品のシェア
【コーヒー】
コーヒーの生豆は、国内ではほとんど生産されていないため、ほぼ全量が輸入されている。また、レギュラーコーヒー、イ
ンスタントコーヒー、エキス・エッセンスの輸入量は、コーヒー輸入量全体の1割以下である。したがって、コーヒー関係の製
品の輸入はほぼ生豆で占められている。
インスタントコーヒーの国内需給量は、2000年以降4万トン前後と一定しており、輸入品のシェアも20%前後で推移して
いる。輸入量だけで見ると、2003年をピークに増加傾向であったが、2004年には減少に転じ、シェアも18%台とわずかに
低下した。2005年も前年とほぼ横ばいでシェアも18.6%と20%台には届かなかった。
レギュラーコーヒーは輸入された生豆を使用し、ほとんどが国内で生産されているため、輸入品のシェアは毎年2%台と
少ない。(⇒図表17)
図表17 日本市場におけるコーヒー製品の輸入品のシェア
2000
2001
2002
2003
2004
2005
国内生産
33,764
37,012
37,060
36,593
35,794
35,189
インスタント
輸 入
7,177
8,387
8,465
9,057
7,633
7,778
コーヒー
輸 出
国内需給量
輸入品のシェア
国内生産
レギュラー
輸 入
コーヒー
国内需給量
1,898
4,363
5,094
3,133
1,779
1,193
39,043
41,036
40,431
42,517
41,648
41,774
18.6%
18.4%
20.4%
20.9%
21.3%
18.3%
145,701
150,052
154,813
149,055
165,153
-
2,749
3,630
4,070
4,292
4,150
148,450
153,682
158,883
153,347
169,303
-
1.9%
2.4%
2.6%
2.8%
2.5%
-
輸入品のシェア
4,776
単位:トン
出所:インスタントコーヒーの国内生産=農林水産省 食品産業振興課
レギュラーコーヒーの国内生産=全日本コーヒー協会「コーヒー関係統計2005年10月」
(注:缶コーヒー、菓子、その他用は含まない)
輸出入=財務省「貿易統計」 国内需給量=国内生産+輸入-輸出
【茶 類】
紅茶、ウーロン茶、マテ茶は国内での生産はほとんどなく、ほぼ全量が輸入されている。ハーブティーについては、国内
生産量及び輸入量に関して公的な統計がないため輸入品のシェアは不明であるが、市場に出ているハーブティーの大半
は輸入されたものと推察される。
緑茶については、国内生産が9万~10万トンと安定している。輸入量は1万トン台で推移しており、国内需給量における
輸入品のシェアは10%~16%と多くはない。また、輸入量の95%は中国で占められている。(⇒図表18)
図表18 日本市場における緑茶の輸入品のシェア
2001
2002
2003
2004
2005
国内生産
89,800
84,200
91,900
100,700
100,000
輸 入
17,739
11,790
10,242
16,995
15,187
輸 出
599
762
760
872
1,096
106,940
95,228
101,382
116,823
114,091
16.6%
12.4%
10.1%
14.5%
13.3%
国内需給量
輸入品のシェア
単位:トン
国内需給量=国内生産+輸入-輸出
出所:国内生産=農林水産省「茶統計年報」 輸出入=財務省「貿易統計」 3. 対日輸出における留意点
(1) 日本における輸入時の規制・手続き
コーヒー・茶類とも輸入時には「食品衛生法」の規制を受ける。さらにコーヒーの生豆、茶類のうち乾燥させただけのもの
については「植物防疫法」の規制を受ける場合がある。製茶のように加工されたものは検査を受けなくてよい。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
202
C-3. コーヒー・茶類
また、茶類のうち(ハーブティー等)、医薬品のみに使用することができる原材料が含まれている場合は、「薬事法」の適
用を受けることもあるため確認することが必要である。なお、いわゆるダイエット茶として輸入販売されている中国製品や一
部の米国製品が、医薬品成分であるセンナ葉を含有していたとして、薬事法違反(無許可販売)として摘発され、輸入元
に対して販売中止と製品回収が命令された例がある。また、2002年7月の薬事法改正により、製造販売業許可制度の創
設など、承認許可制度の大幅な改正が行われた。(2005年4月1日より施行)詳細は厚生労働省、あるいは都道府県薬務
主管課に問い合わせのこと。
その他、有名なブランド品の場合、模倣品・偽物品に注意が必要である。模倣品・偽物品は、知的財産権(商標権、意匠
権等)を侵害するものとして「関税定率法」で「輸入してはならない貨物」として輸入が禁止されている。
1)植物防疫法
海外からの植物の病害虫の侵入を防止するため、コーヒー豆(生豆)、茶類のうち乾燥させただけのもの(加熱加工され
ていないもの)を輸入する場合には植物検疫の手続きが必要となる。十分な植物検疫が実施できる特定の海港・空港のみ
が輸入港として認められており、貨物到着後、輸出国政府機関が発行する「植物検査証明書」等の必要書類を添付して
「植物、輸入禁止品等輸入検査申請書」を植物防疫所へ提出しなければならない(申請書は輸入予定日の7日前より受
付開始)。検査の結果、検疫病害虫が付着していなければ合格となり、「合格証明書」が発行され輸入することができる。
図表19 植物防疫法に基づく輸入検査 (検疫) 手続き
輸 入 検 査 の 申 請
(輸出国の植物検査証明書の添付)
輸入検査
検疫病害虫が付着している場合
検疫病害虫が付着していない場合
消毒実施
合 格 証 明 書
積戻し・廃棄
食品衛生法に基づく手続き
2)食品衛生法
販売または営業に使用する目的で食品を輸入する場合には、輸入者は「食品等輸入届出書」と必要書類(加工食品
の場合、製造工程表、原材料配合表など)を揃え、通関しようとする海空港を管轄する厚生労働省検疫所に届け出なけ
ればならない。届出書の審査の結果、衛生検査が必要とされたものは保税地域内で検査が行われ、輸入の可否が判定
される。手続きの流れは以下のとおりである。
図表20 食品衛生法に基づく輸入検査手続き
事 前 の 輸 入 相 談
事前の情報入手 (製造方法、添加物の使用等)
事前の検査 (輸出国公的検査機関、厚生労働大臣登録検査機関)
検 疫 所 へ の 届 出
(食品等輸入届出書の提出等)
審
検査を要する貨物
不合格
合 格
査
検査を要しない貨物
届出済証または
合格証の受取り
積戻し・廃棄・
食用以外の用途
税 関 申 告
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
203
C-3. コーヒー・茶類
2006年5月29日、食品中に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品(以下、農薬等)が、一定量を超えて残留
する食品の輸入・販売を原則禁止するというポジティブリスト制度が施行された。この制度では、使用、残留等が認められ
る農薬等について残留基準を設定し、それ以外のものについては一律基準(人の健康を損なうおそれのない量として
0.01ppmに設定)を適用することとしている。ポジティブリスト制度の対象は加工食品を含む全ての食品である。詳細は
厚生労働省に確認のこと。(⇒http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/index.html)
輸入時には当該食品が食品衛生法の規格基準等に適合するかどうか、食品の原材料配合表、製造工程表等の入手
や検疫所の輸入相談を利用するなど十分な情報収集が必要である。また、事前に厚生労働大臣登録検査機関あるいは
輸出国の公的検査機関で自主検査を行い、その検査成績書を添付すると、その項目についての衛生検査が省略され、
輸入手続きが迅速に行われる。
なお、コンピュータによる届出を希望する場合は、輸入手続きを電子化した「輸入食品監視支援システム (FAINS)」
を利用することができる。所要のハード、ソフトを備えて厚生労働大臣に申込み、暗証番号を取得することが必要である。
3)その他
国際コーヒー協定(ICA)では輸出割当制度を設け、加盟生産国の輸出量を制限することにより、コーヒーの国際価格
の安定を図っていたが、1989年10月以降、輸出割当制度は停止状態にある。現在は自由市場となっているが、今後、
国際コーヒー理事会における新協定の検討結果によっては再度所定の手続きが必要となる場合がある。
(2) 日本における販売時の規制・手続き
コーヒー・茶類の販売に際しては「食品衛生法」「JAS法」「計量法」「健康増進法」「不当景品類及び不当表示防止法」
の規制を受ける。また、茶類のうち、原材料によっては薬事法の規制を受ける場合がある。容器包装については「容器包
装リサイクル法」及び「資源有効利用促進法」の規制を受ける場合があり、対象となる容器包装、特定事業者の範囲、表示
方法など、詳細は所轄官公庁(⇒(6)所轄官公庁)に問い合わせのこと。
1) 食品衛生法
食品衛生法により、有害・有毒な物質を含有する食品や不衛生な食品を販売することが禁止されている。コーヒー・茶
類を販売する場合には、食品衛生法に基づく表示(使用した添加物など)が義務づけられている。(⇒(3) 表示規制)
2) JAS 法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)
JAS法では一般消費者向けに販売するすべての飲食料品が品質表示基準の対象となっている。コーヒー・茶類につ
いては「加工食品品質表示基準」に基づく表示が義務づけられる。
3) 計量法
コーヒー・茶類を包装または容器に入れた密封容器で販売する場合、計量法に基づく適正な計量と表示が義務付け
られている。(⇒(3) 表示規制)
4) 健康増進法
一般消費者向けに販売しようとする加工食品の容器包装や添付文書に、栄養表示をしようとする場合には、同法に基
づく「栄養表示基準」に従って表示(熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの含有量、他に表示しようとする栄養
成分の含有量の順に表示)することが義務づけられている。
5) 不当景品類及び不当表示防止法
販売する商品等の内容について、一般消費者に優良と誤認させる誇大広告や虚偽表示等は、不当表示として禁止さ
れている。また、商品原産国を判別することが困難な紛らわしい表示も不当表示として禁止されている。
なお、原産国とは、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国と定められている。緑茶及び
紅茶の場合、荒茶の製造が行われた国をいう。レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーについては、公正競争規約
により生豆生産国を表示することとしている。
公正競争規約 「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」
消費者の適正な商品選択を保護し、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するために「不当景品類及び不
当表示防止法」に基づき、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーについては、業界の自主的な表示に関する公正競
争規約が設けられている。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
204
C-3. コーヒー・茶類
6) 資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)
コーヒー・茶類の容器包装のうち、スチール製の缶、アルミニウム製の缶、ペットボトル、紙製容器包装(飲料用紙パッ
クでアルミ不使用のもの及び段ボール製容器包装を除く)及びプラスチック製容器包装については、識別表示(マーク)
を貼付しなければならない。(⇒(3) 表示規制)
7) 容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)
同法は容器包装廃棄物のリサイクルを促進することを目的とし、消費者による分別排出、市町村による分別収集、事
業者による再商品化(リサイクル)の役割分担を定めている。対象となる容器包装は、ガラス製容器、ペットボトル、紙製容
器包装(アルミ不使用の飲料容器を除く)、プラスチック製容器包装である。これらの容器を使用しているコーヒー・茶類を
輸入販売する事業者は、これらの容器包装を再商品化する義務がある。
なお、小規模事業者については、再商品化の義務は負わないが、識別表示義務は負うので注意が必要である。(⇒
(3) 表示規制)
(3) 日本における販売時の表示規制
1) 法律に基づく義務表示
① 食品衛生法、JAS 法、計量法
コーヒー・茶類を容器包装に入れて販売する場合には、「食品衛生法」、JAS法の「加工食品品質表示基準」並びに
「計量法」に基づき、下記の事項等を順に日本語で一括表示することが義務づけられている。
<一括表示すべき事項>
①名称
②原材料名、食品添加物(使用している場合)
③内容量
④賞味期限
⑤保存方法
⑥原産国名
⑦輸入業者の氏名又は名称、及び所在地
② 資源有効利用促進法
同法に基づき、飲料用アルミ缶、スチール缶、ペットボトルには消費者が容易に分別できるよう容器の材質を表示する
識別マークを付けることが義務付けられている。また、紙製容器包装(ダンボール、アルミを使用していない飲料用紙パッ
クは除く)とプラスチック製容器包装についても同様に識別マークを表示することが義務付けられている。
<本
正三角形に
「アルミ」の文字
<外箱やキャップ等>
体>
丸形に
「スチール」の文字
正三角形に
「PET」の文字
丸形に
「紙」の文字
四角に
「プラ」の文字
③ 条例
販売地によっては条例に基づく表示事項が定められている場合がある。 (京都市、大阪市の「インスタントコーヒー」
に対する「使用上の注意」表示)
2) 法律に基づく任意表示
① JAS 法
<有機加工食品の検査認証制度>
有機加工食品に関しては「特定JAS規格」が定められており、その規格に適合するかどうかについて格付けを受け、
有機JASマークを貼付したものでなければ、「有機○○」「オーガニック○○」と表示することができない。外国 (JAS制度
と同等の認証制度を有すると認められる国に限る)で生産された有機加工食品を輸入する場合、「有機○○」などの表示
をするためには、次のいずれかの方法により格付けを行い、有機JASマークを貼付しなければならない。(⇒図表21)
① 外国の製造業者等が登録外国認定機関から認定を受けて、自ら有機JASマークを貼付したものを輸入販売するこ
とができる。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
205
C-3. コーヒー・茶類
② 輸入業者が国内の登録認定機関から認定を受ければ、外国の公的機関が発行する証明書又はその写しが添付
されているものに自ら格付けを行い、有機JASマークを貼付して販売することができる。
③ 日本の登録認定機関から認定を受けた外国の製造業者等が製造した有機食品に有機JASマークを貼付したもの
を輸入販売する。
有機JASマーク
図表21 輸入有機加工食品の検査・認証制度
農林水産大臣
登録
登録申請
登録国内認定機関
認定
登録
[認定機関名]
登録申請
外
国
登録外国認定機関
認定
認定
認定外国製造業者、
認定外国小分け業者等
外国一般製造業者
自らJASマークを貼付
一般輸入業者
認定輸入業者
(公的機関の証明書)
自らJASマークを貼付
問い合わせ先: 農林水産消費技術センター 本部 交流技術課
TEL:048-600-2366
http://www.cfqlcs.go.jp
② 健康増進法
同法では、販売しようとする加工食品の容器包装又は添付文書に栄養成分・熱量を日本語で表示する場合には、 同
法に基づく「栄養表示基準」に従って表示をしなければならない。例えば、熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質及び炭
水化物、ミネラル、ビタミンなどが適用される。また、「カルシウム入り」「低カロリー」等の栄養成分や熱量に関する強調表
示を行う場合にも「栄養表示基準」に従って表示しなければならない。
③ 特定保健用食品の表示<保健機能食品制度>(食品衛生法、健康増進法)
「保健機能食品制度」とは、食品に関する適正な情報を提供し、自分に合った食品を選択するのに役立てることを目
的として作られた制度である。保健機能食品は「特定保健用食品」と「栄養機能食品」とに分類される。
特定保健用食品は健康増進法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けることが必要である。許可を受けた食品は許可
証が付けられ、次の事項を表示しなければならない。茶類では、「血糖値の上昇を緩やかにする」「身体に脂肪がつきに
くい」食品として許可されたものがある。コーヒーの分野では、整腸効果があるオリゴ糖を配合したインスタントコーヒーが
許可を得ている。
栄養機能食品とは、栄養成分の補給を主な目的として摂取する人に対して、その栄養成分の機能の表示をしている
食品である。特定保健用食品とは違い、厚生労働省の許可を受けている食品ではなく、マークもない。国が定めた栄養
成分の規格基準に一つでも適合していれば製造業者等が各々の責任で「栄養機能食品」と表示し、その栄養成分の機
能の表示をすることができる。
保健機能食品には、次に掲げる事項及びマークを必ず表示しなければならない。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
206
C-3. コーヒー・茶類
栄養機能食品
栄養機能食品である旨
栄養成分の名称及び機能
1日当たりの摂取目安量
摂取の方法
摂取する上での注意事項
(注意喚起表示)
6. バランスの取れた食生活の普及啓
発を図る文言
7. 厚生労働大臣の個別の審査を受
けたものではない旨
8. 1日当たりの摂取目安量に含まれ
る機能表示する成分の栄養素等
表示基準値に占める割合
9.調理又は保存の方法に関し、注意
を必要とするものはその注意事項
1.
2.
3.
4.
5.
特定保健用食品
1. 特定保健用食品である旨(条件付き特定
保健用食品にあっては、条件付き特定保
健用食品である旨)
2. 許可又は承認を受けた表示の内容
→貼付文書への記載でも可
3. 栄養成分量及び熱量
4. 原材料の名称
5. 内容量
6. 1日当たりの摂取目安量
7. 摂取の方法及び摂取する上での注意事
項
8. 1日当たりの摂取目安量に含まれる機能
表示する成分の栄養素等表示基準値に
占める割合
9. 調理又は保存の方法に関し特に注意を
必要とするものはその注意事項
10.許可又は承認証票など
特定保健用食品のマーク
3) 業界自主表示
① レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約
同規約に基づき、下記の事項を表示するよう事業者に定められている。
①品名
②原材料名(生豆生産国名を含む)
③内容量
④賞味期限
⑤保存方法
⑥使用上の注意
⑦挽き方(レギュラーコーヒーのみ)
⑧事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地
⑨原産国名(輸入品の場合)
問い合わせ先:全日本コーヒー公正取引協議会
TEL: 03-5649-8366
② 緑茶の表示基準
(社)日本茶業中央会では「緑茶の表示基準」を定めている。表示事項としては、法定一括表示(JAS法、食品衛生法、
計量法等)の他、任意表示として「品種銘柄」「産地銘柄」「取扱上の注意」等の表示基準を定めている。その他、不当表
示の禁止に関する基準も定めており、茶の生産国、産地、品種、銘柄等において消費者に誤認される恐れのある表示や
商品の内容等について実際のもの又は他の事業者に係るものよりも著しく優良または有利であると消費者に誤認される
恐れがある表示等をすることを禁止している。
外国産の仕上げ茶(A 国で仕上げ包装されたものをそのまま輸入販売する場合)の法定一括表示例
①名称
煎茶
②原材料名
緑茶
③内容量
100g
④賞味期限
平成 16 年 9 月
⑤保存方法
高温多湿を避け、移り香にご注意下さい。
⑥原産国名
A国
⑦輸入者
○○商事(株) ○○県○○市○○○町
<任意表示事項>
任意表示事項に係わる表示項目は次のとおりとし、義務表示事項に係わる一括表示の欄外に記載する。表示項目別
の表示内容は実施細則に定めるところによる。
① 名称以外の茶種
② 品種銘柄
③ 産地銘柄
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
207
C-3. コーヒー・茶類
④ 企業銘柄
⑤ 包装形態
⑥ 取扱上の注意
<不当表示の禁止事項>
事業者は次のような表示をしてはならない。
① 茶でないものについて、茶であるかのように一般消費者に誤認される恐れがある表示
② 茶の生産国、産地、品種、銘柄等において、一般消費者に誤認される恐れがある表示
③ 他の事業者又は他の事業者に係る茶を中傷し、誹謗するような表示
④ 茶の内容物の保護又は品質保全に必要な限度を超えて過大な容器又は包装を用いることにより内容量が
誤認される恐れがある表示
⑤ 茶について、自己の取り扱う他の商品又は自己の行う他の事業について受けた賞、推奨等が当該商品に
ついて受けたものであるかのように誤認される恐れがある表示
⑥ 茶の取引に関し、当該商品の内容又は取引条件について、実際のもの又は自己と競争関係にある他の事
業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される恐れがある文字、絵、写真その
他の表示
問い合わせ先:(社)日本茶業中央会
TEL: 03-3434-2001
http://www.nihon-cha.or.jp
③ 飲料用紙パックについてのリサイクルマーク
容器本体にアルミ不使用の飲料用紙パックについては、法律では識別表示は
紙パック
義務付けられていないが、業界では自主的に識別マークを定めている。
問い合わせ先:飲料用紙容器リサイクル協議会
TEL: 03-3264-3903
(4) 新規参入時の留意点
【コーヒー】
コーヒーの生豆の場合は、一般的に輸入の最低量は約250俵(1俵=60kg)といわれている。貨物到着後、植物防疫の
検査等をクリアするまでの保税倉庫の料金も輸入者負担であり、運賃その他のコスト計算も大切である。日本では欧州や
米国のような国レベルの独自規格は存在しないが、大手コーヒーメーカーでは独自の規格を備えており、サンプル段階で
規格をクリアし、専門家によるカップテストに合格しても、実際の輸入時に規格に合格しない場合は受け入れを拒否される。
コーヒー豆の輸入に際しては、生豆についての知識を持つとともに、品質管理の確かな輸出者を選ぶ必要がある。
レギュラーコーヒーは、製品化と同時に香りと風味が揮発しやすく、空気に触れると酸化し品質が劣化しやすい特性があ
る。缶入りなどの密封状態では一般的に製造後1年半が賞味期間とされているが、輸入時の保存の状態に留意する必要
がある。
【茶 類】
茶類(コーヒーも同様)を新しく日本に輸出しようとする場合、まず食品衛生法の規格・基準に適合しているかどうかを確
認する必要がある。食品衛生法では残留農薬基準、食品添加物、汚染物質規制値が定められており、これに適合しない
ものは日本市場に入ることができない。
日本では近年、健康志向の高まりから農産物等に対して無農薬・低農薬栽培を求める消費者が増える等、自然志向、
天然志向が強まっている。そのため、生産地での品質管理、衛生管理が重要である。特に残留農薬については、2006年
5月29日より「ポジティブリスト制度」が導入され、規制が厳しくなったため注意が必要である。制度の施行後、中国産ウー
ロン茶から残留基準値を超える農薬が検出された事例も出ている。
また、食品の安全性を脅かす事件等も多いことから、食品がどこで、誰が、どのように作られたのかを店頭やHP等で消
費者に開示する「トレーサビリティ体制」を構築する動きも目立ってきている。このような動きにも対応できるような体制を整
えておくことも、商品に付加価値を生み出す上で重要なポイントとなる。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
208
C-3. コーヒー・茶類
(5) 関連品目の留意点
① コーヒー飲料、生のコーヒーの果実、カカオ豆
・ コーヒー飲料を輸入する際には食品衛生法の適用を受ける。表示に関しては食品衛生法、JAS法等の他、法律に
基づく業界の自主基準として「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」がある。
・ 生のコーヒーの果実は観賞用に持ち込まれることがあるが、植物防疫法による植物検疫をうけなければならない。
なお、同法により指定された国・地域(輸入禁止地域)からの輸入は禁止されている。
・ カカオ豆については、コーヒーの生豆と同様、植物防疫法と食品衛生法の適用を受ける。なお、日本は国際ココア
協定に加盟しているが、協定内容の一部変更(輸出割当制の停止)に伴い、以前必要であった所定の手続きは、
現在、不要となっている。
②緑茶飲料
・ 緑茶飲料を輸入する際には食品衛生法の適用を受ける。表示に関しては食品衛生法、JAS法等がある。
③紅茶飲料
・ 紅茶飲料を輸入する際には食品衛生法の適用を受ける。表示に関しては食品衛生法、JAS法等の他、農林水産
省の「紅茶飲料の品質表示ガイドライン」(任意)があり、表示の適正化が図られている。
④ウーロン茶飲料
・ ウーロン茶飲料を輸入する際には食品衛生法の適用を受ける。表示に関しては食品衛生法、JAS法等の他、農林
水産省の「ウーロン茶飲料の品質表示ガイドライン」(任意)がある。同様に半発酵茶(リーフ)についても「半発酵茶
等の品質表示ガイドライン」(任意)がある。
(6) 関連法規制の所轄官公庁
食品衛生法
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 監視安全課 輸入食品安全対策室
TEL:03-5253-1111 (代)
FAX:03-3503-7964 (直通)
http://www.mhlw.go.jp
植物防疫法
農林水産省
消費・安全局
植物防疫課
TEL:03-3502-8111 (代)
FAX:03-3502-3386(直通)
http://www.maff.go.jp
JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)
農林水産省 消費・安全局 表示・規格課
TEL:03-3502-8111 (代)
FAX:03-3502-0594 (直通)
http://www.maff.go.jp
計量法
経済産業省 産業技術環境局 知的基盤課 計量行政室
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
健康増進法
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 基準審査課 新開発食品保健対策室
TEL:03-5253-1111 (代)
FAX:03-3501-4867 (直通)
http://www.mhlw.go.jp
不当景品類及び不当表示防止法
公正取引委員会 経済取引局 取引部 消費者取引課
TEL:03-3581-5471 (代)
FAX:03-3581-1754 (直通)
http://www.jftc.go.jp
国際コーヒー協定
経済産業省 通商政策局 国際経済室
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
資源有効利用促進法/容器包装リサイクル法
経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課
TEL:03-3501-1511 (代)
http://www.meti.go.jp
環境省 廃棄物・リサイクル対策部 企画課 リサイクル推進室
TEL:03-3581-3351 (代)
FAX:03-3593-8262 (直通)
http://www.env.go.jp
農林水産省 総合食料局 食品産業企画課 食品環境対策室
TEL:03-3502-8111 (代)
FAX:03-3508-2417 (直通)
http://www.maff.go.jp
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
209
C-3. コーヒー・茶類
4. 日本の関税・消費税
(1) 関 税
コーヒー・茶類の関税率は図表22のとおりである。なお、事前に関税分類や関税率等を確認する場合、税関に対して口
頭・文書・Eメールで照会を行い、回答を受けることができる「事前教示制度」を利用すると便利である。
問い合わせ先:税関ホームページ
http://www.customs.go.jp
【特恵関税制度】
特恵受益国からコーヒー・茶類を輸入し、特恵関税の適用を受けようとする場合には、原則として特恵受益国の税関など
が発給する「特恵原産地証明書」(Form A)を添付する必要がある(総価額が20万円以下の場合は不要)。なお、コーヒ
ー・茶類については、特恵原産地証明書の提出を省略可能なものもある。詳細は財務省 関税局へ確認のこと。
【EPA (経済連携協定)】
日本とASEAN諸国との間ではEPA(経済連携協定)交渉が推進されており、農林水産分野においても関税の撤廃・削
減が進められている。日本・シンガポール新時代経済連携協定(2002年11月30日発効)、日本・マレーシア経済連携協
定(2006年7月13日発効)によって、シンガポール及びマレーシアを原産国とする対象品目については、EPAによる協定
税率が適用される。
ASEAN諸国の関税率適用状況は以下のとおりである。
適用税率
LDC特恵税率
一般特恵税率
日星協定税率
日馬協定税率
WTO協定税率
国 名
ミャンマー、カンボジア、ラオス
タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム
シンガポール(注)
マレーシア(注)
ブルネイ
注) EPAの対象品目に含まれない場合は、シンガポールを原産地とする物品にはWTO協定税率が、マレーシアを原産地とする物
品には一般特恵税率が適用される。
(2) 消費税
(CIF+関税)×5%
5. 関連業界団体
・(社)全日本コーヒー協会
TEL:03-5649-8377
FAX:03-5649-8388
http://coffee.ajca.or.jp
・日本珈琲輸入協会(伊藤忠商事㈱食料カンパニー食糧部門飲料原料部内)
TEL: 03-3497-6271
・日本グリーンコーヒー協会(ワタル㈱内)
TEL: 03-3503-8351
・全日本コーヒー商工組合連合会
TEL: 03-3431-3446
・日本家庭用レギュラーコーヒー工業会(UCC 上島珈琲㈱内)
TEL: 03-5400-5523
・日本インスタントコーヒー協会(ネスレ日本㈱内)
TEL:03-5437-3519
FAX: 03-5437-3514
http://coffee.ajca.or.jp/instant
・全日本コーヒー公正取引協議会
TEL: 03-5649-8366
・全国コーヒー飲料公正取引協議会 TEL: 03-3435-0731
・(社)日本茶業中央会
TEL: 03-3434-2001
FAX: 03-3459-9518
http://www.nihon-cha.or.jp
・日本紅茶協会
TEL: 03-3431-6509
FAX: 03-3431-6711
http://www.tea-a.gr.jp
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
210
C-3. コーヒー・茶類
・日本マテ茶協会、日本ハーブ協会連絡協議会(いずれも日本緑茶センター㈱内)
TEL: 03-5766-8201
FAX: 03-5464-1116
http://www.matecha-kyokai.gr.jp
・(社)全国清涼飲料工業会
TEL: 03-3270-7300
FAX: 03-3270-7306
http://www.j-sda.or.jp
図表22 コーヒー・茶類の関税率
税
品
HS番号
0901.11,12
名
コーヒー (いったものを除く)
0901.21,22
コーヒー (いったものに限る)
2101.11
1. エキス、エッセンス及び濃縮物
基本
WTO
協定
無税
(無税)
特恵
20%
12%
10%
*無税
24%
(24%)
15%
*無税
-100
(1) 砂糖を加えたもの
-210
(2) 砂糖を加えていないインスタントコーヒー
12.3%
8.8%
-290
(3) 砂糖を加えていないもの (その他のもの)
16%
15%
無税
24%
(24%)
15%
*無税
2. エキス、エッセンス又は濃縮物をもとにした調製品
2101.12
率
暫定
日星
協定
日馬
協定
無税
無税
7.7%
無税
-110
(1) 砂糖を加えたもの
-121
(2) 砂糖を加えていないインスタントコーヒー
12.3%
8.8%
-122
(3) 砂糖を加えていないもの (その他のもの)
16%
15%
20%
17%
15.9%
20%
17%
15.9%
20%
12%
ウーロン茶・包種茶等の部分発酵茶(正味重量が3キログラム以下の
直接包装にしたものに限る)
20%
17%
その他の紅茶(バルク)
5%
3%
その他のウーロン茶・包種茶等(バルク)
20%
17%
マテ
20%
12%
16%
10%
5%
*無税
無税
8%
*無税
7.0%
緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装
0902.10
にしたものに限る)
7.7%
無税
無税
0902.20
-200
その他の緑茶(バルク)
-010
紅茶 (正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る)
0902.30
-090
0902.40
-210
-220
0903.00
茶又はマテのエキス・エッセンス及び濃縮物並びにこれらをもととした調
2101.20
-110
-120
製品
*無税
10.9%
15.9%
2.5%
*無税
無税
15.9%
6%
*無税
5.5%
(1)インスタントティー
(2)その他のもの
12.8%
注1) 特恵欄の「*」は後発開発途上国(Least Developed Countries)にのみ適用されることを示す。
注2) 税率は原則として、特恵税率、WTO協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して採用される。ただし、特恵税率は法令で定
める要件を満たす場合に限られ、WTO協定税率はそれが暫定税率又は基本税率より低い場合にのみ適用される。
ASEAN 輸出業者のためのマーケティングガイド
211