http://www.almedio.co.jp/ 7859 アルメディオ 飯沼 芳夫 (イイヌマ ヨシオ) 株式会社アルメディオ社長 緊急対応策を継続し、単年度黒字回復を目指す ◆営業損益の赤字幅が圧縮 平成 22 年 3 月期の経済環境としては、各国の経済対策効果、中国、インドなど新興国需要を中心とした生産・ 輸出の増加により、景気の悪化が底打ちから持ち直しへ転じている。上期は在庫調整の色合いが強かったが、下 期には一巡し、正常な生産活動に落ち着きつつある。また、自動車・電子部品などの生産・輸出も回復した。一方 で、デフレ、欧米経済の下振れ懸念などもあり、景気の自立回復への道筋は依然不透明な部分も多い。個人消費 については、雇用情勢、所得環境が依然厳しい状況となっているものの、経済対策効果によって耐久消費財を中 心に持ち直しつつある。設備投資については、企業収益の回復で下げ止まり基調にある。欧米経済については、 高い失業率の継続や一部の国の財政不安など、依然として大きなリスクを抱えている。 当社を取り巻く事業環境として、デジタル情報家電業界については、エコポイント制度の効果を追い風に、地デ ジ対応薄型テレビの需要が堅調である。薄型テレビは 2008 年が 955 万台、2009 年が 1,358 万台と大幅な成長を みせているが、薄型テレビ需要に牽引され、ハイビジョン対応のブルーレイディスク(BD)レコーダーも 2008 年が 157 万台、2009 年が 289 万台と堅調に推移している。また、PC 関連製品についても、新 OS の発売で需要が喚起 された。しかし、光ディスク関連市場にフォーカスすると、車載機器関連が停滞し、BD が好調の AV 機器も DVD と の置き換えレベルにとどまっていることから、市場は縮小傾向にある。 音楽映像ソフト業界については、大きなヒット作がない中、急速に伸びていたネット配信に一服感が出てきた。 音楽 DVD の需要は増加しつつあるが、音楽ソフト全体では年間 5~10%の売上減少が続いている。映像コンテン ツで BD タイトルが増加しているものの、まだ光ディスク全体に与えるインパクトは、小さい。以上により、音楽映像 ソフト業界全体では需要減少が続いている。 こうした状況の中、当期の営業損益はマイナス 44 百万円となったが、売上高が期初予想を上回り、コスト削減も 進展したため、期初予想のマイナス 2 億 42 百万円から赤字幅を圧縮することができた。 ◆テストメディアの売上高が減少 連結売上高は 27 億 38 百万円となり、期初予想を 6.2%上回った。営業利益はマイナス 44 百万円、経常利益は マイナス 29 百万円、当期純利益はマイナス 33 百万円となり、期初予想比では改善したが、採算点には届いてい ない。当社の柱のひとつであるテストメディアの受注については、低水準が続いているものの、期初予想を上回る 推移となっている。ディスク事業全体の売上高については、在庫調整などが徐々に回復し、第 1 四半期から第 3 四 半期まではおおむね売上微増傾向を維持することができたが、第 4 四半期は横ばいとなった。前期との比較では、 売上高が 8.8%減となっている。テストメディアの売上高は前期比で 71%規模となったが、リーマンショックの影響 がなかった平成 20 年 3 月期との比較では 51%規模と極めて低水準である。 事業別売上高については、ディスク事業が 24 億 94 百万円となっている。内訳として、テストメディアは 10 億 43 百万円(前期比 28.7%減)となっており、一部製品でシェアが高いこともあって、業界動向の影響を大きく受けた。 本著作物の著作権は、社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 クリエイティブメディアは、音楽映像関連のプレス受託となっており、業界全体では縮小しているが、製販一体とな った顧客サービスの充実により 14 億 28 百万円(同 5.2%増)となった。テスティングは 21 百万円(同 32.3%減)と なっており、テストメディアと顧客が共通していることもあって厳しい結果に終わっている。その他事業は 2 億 44 百 万円となっており、このうちアルセラの売上高は 2 億 42 百万円(同 61.3%増)であった。 テストメディアの四半期売上高の推移を見ると、リーマンショック以前は 5 億円程度で推移しているが、リーマン ショックが発生した平成 21 年 3 月期の後半には急速に落ち込み、第 4 四半期は 1 億 66 百万円まで減少している。 その後、徐々に回復しているが、当期の第 4 四半期も正常時と比較して 63%程度のレベルとなった。 当期のアイテム別売上高の状況として、テストメディアについては、すべてのアイテムが前期比で減少している。 主な内訳として、テスト CD では車載機器向け需要が停滞しており、テスト BD も新製品の先送りが発生した。クリ エイティブメディアについては、CD、DVD ともに前期比で増加しており、音楽 CD および DVD の大型タイトルを中心 に受託が好調となった。また、DVD では、音楽 CD の初回限定 DVD 付きタイトルなども受託している。その他につ いては、BD が伸び悩み、付加価値商品も不調であったことから、前期比で減少した。 テスティングについては、ディスクのテスティングだけではなく、プレーヤーなどハード機器の検査、DVD ベリフィ ケーションラボとしての評価・検証受託、市場レポートの販売、BD 測定データの販売などを行ったものの、厳しい 結果に終わっている。その他事業のアルセラについては、前期の後半に一部設備を増強しており、高成長を維持 している中国経済の中で、耐火材料などセラミックファイバー関連製品の売上が堅調に推移した。 ◆ディスク事業の基盤を再強化 今後の景況感としては、景気の下押しリスクも多く、日本経済の自立回復には不確実性が高い。特に当社が関 係している業界においては、景気が回復しても、市場規模は世界同時不況前の 6~7 割程度で推移するとみてい る。 平成 23 年 3 月期の連結業績予想については、7 割経済、BD 普及期、光ディスク市場の成熟化がポイントとなる。 テストメディアについては、地デジへの切り替え完了に向けて、今年後半から最後の需要が拡大する薄型・大型テ レビとともに、BD レコーダー・プレイヤーなどの光ディスク機器が成長すると期待している。一方、クリエイティブメ ディアについては、厳しい状況が続くとみている。アルセラについては、中国市場での需要が旺盛となっているた め、さらなる売上増を見込んでいる。 当期は創業来初の赤字決算となったが、今期は黒字回復を見込んでおり、緊急対応策の継続によってコスト改 善・改革に取り組み、収益の柱となるディスク事業の基盤の再強化を図る。連結売上高は 28 億 95 百万円(前期比 5.7%増)、営業利益は 56 百万円、経常利益は 64 百万円、当期純利益は 27 百万円を見込んでいる。ディスク事業 については、第 1 四半期に厳しい状況が続くものの、下期以降は収益が改善するとみている。 事業別売上高については、ディスク事業で 26 億 19 百万円(前期比 5%増)を計画しており、内訳は、テストメディ アが 11 億 62 百万円(同 11.4%増)、クリエイティブメディアが 14 億 28 百万円(同±0%)、テスティングが 29 百万 円(同 38.1%増)である。テストメディアについては、車載機器関連を中心に需要回復に向かうが、従来規模は見 込めず、平成 21 年 3 月期の 8 割前後の規模を想定している。クリエイティブメディアについては、業界の再編・撤 退が続いているが、営業努力により前年並みの売上規模を確保したいと考えている。その他事業では 2 億 76 百万 円(同 13.1%増)を見込んでいる。 ◆グループ多角化率 30%を目指す アルセラは、5 年前に立ち上げたが、徐々に売上高を伸ばしている。平成 21 年 3 月期の後半に一部設備投資、 工場の拡張などを行ったことから、平成 22 年 3 月期は大幅な増収を達成した。今後も量産体制の整備を進め、製 品アイテムの拡充を図っていきたいと考えており、今月中には ISO9001 の認証が取得できる見込みである。高品 本著作物の著作権は、社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 質セッターについては、一部顧客への出荷を開始しているが、まだ微量であるため、顧客ニーズに合わせた開発 を行い、拡販を図っていく。 緊急対応策としては、ディスク事業のコスト改革に取り組む。テストメディア、クリエイティブメディア、テスティング を含めたディスク事業全体の損益分岐点の更なる引き下げを踏まえて、全体最適の考え方を取り入れ、従来より も一歩踏み込んだコスト改革を実現していきたい。確実に成長が見込まれる BD 関連製品については、製品の充 実と拡販を進めていく。また、多角化への取り組みも強化し、平成 26 年 3 月期にはグループ多角化率 30%を達成 したいと考えている。なお、現在のグループ多角化率は 10%前後である。役員報酬の減額については、前期と同 様に継続していく。 ディスク事業の取り組みとしては、テスト BD を中心とした拡販活動を行う。クリエイティブメディアについては、新 規顧客の開拓と既存顧客への拡販活動に力を入れる。テスティングについては、ハード機器試験の受託を含めて 拡大を図る。アルセラについては、当社の取締役が 1 名常駐し、サポートにあたっているが、今後も収益体質を維 持し、事業規模を拡大するとともに、量産体制の安定化を図っていきたい。 ◆質 疑 応 答◆ コスト削減の努力とは、具体的にどのようなことか。 一例として、製造工程の歩留り向上が挙げられる。ポリカーボネートを原料とする製品においては、プレス機を 一定温度に保ち、試し打ちを極力少なくすることが、ムダを減らすことになる。また、当社で取得している ISO14000 の省エネ問題という側面においても関係がある。 多角化のお話を前期からされているが具体的な進展はあるのか。 検討を進め、いくつか具体的なテーマを設定し社内でマーケティング等を含め、「どう展開していくか」を検討 しているところである。 窯業分野につきましては、中国での立ち上げが比較的順調にすすんでいるので、この分野が多角化の割合を かなり占めてくると思う。また、協業先の案件も数件あるので、そちらの方も検討をすすめていきたいと思う。 (平成 22 年 5 月 20 日・東京) 本著作物の著作権は、社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。
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