ヘッジファンド関連データの 利用上の留意点

1
ヘッジファンド関連データの
利用上の留意点
年金運用コンサルティング部
俊野 雅司
【要約】
◇ 最近、国内外の年金資産運用の対象としてヘッジファンドの活用が増加している。収
益の源泉の多様化に加えて、リスク分散効果を主な目的としている。
◇ ヘッジファンドに関しては公式の統計が存在しないため、運用会社や投資家から任意
に提出されたデータを情報会社が集計したヘッジファンド・インデックスが参照される
ことが多い。
◇ ヘッジファンド・インデックスには、事後的データ提供バイアスや生き残りファンド・
バイアスなど様々な歪みが存在すると指摘されており、これらの「歪み」はかなりの大
きさに達することを示す計測結果も見られる。
◇ ヘッジファンド投資の際には、投資したファンドが経営破綻に陥ったり、ファンドの
閉鎖・新規立ち上げによる追加的なコスト負担を迫られたりする追加的なリスク要因に
も留意する必要がある。
◇ また、ヘッジファンドは個別性が強く、同一の投資戦略に分類される場合でも、ファ
ンドのリターンに関するばらつきが大きい。そのため、ヘッジファンド投資の際には、
適切な調査(デュー・デリジェンス)に基づくファンドの選択が非常に重要な位置づけ
を持つことになる。十分な調査体制を確保することがむずかしい投資家の場合には、信
頼のおける仲介者を通じて、ディスクローズのしっかりと行われるファンド・オブ・ヘ
ッジファンズ(FOHF)に投資することが望ましいケースが少なくないものと思われる。
1.はじめに
最近、国内外の年金資産運用の対象として、ヘッジファンドを活用するケースが増えて
きている。表1にはアメリカの大手年金基金、表2には日本の企業年金における資産配分
状況が示されている。
アメリカでは、オルタナティブ投資に関しては、従来からプライベート・エクイティの
採用頻度が高かったが、Pensions & Investments 社の実施した直近時点のアンケート調査
(2007 年9月時点)では、ヘッジファンドの構成比が 1.7%程度にまで上昇している。一
方、日本の場合には、流動性の面で相対的に優れているヘッジファンドが好まれる傾向が
ある
1)。企業年金連合会の実施したアンケート調査では、日本の確定給付型企業年金によ
1)
ある程度中長期的なコミットメントが必要なベンチャー投資や不動産私募ファンドへの投資などと比べ
ると、ヘッジファンドの流動性が相対的に優れているのは事実であるが、投資家の間では、ヘッジファン
ドの流動性リスクに対する懸念を示すケースが少なくない。新たな収益源を求めて、サブプライムローン
関連商品のように流動性の低い投資戦略を採用するヘッジファンドが増えている点が1つの要因であると
思われる。また、投資後一定期間は解約できない条件(ロックアップ期間)の存在、解約のタイミングの
限定(四半期末のみなど)、解約後現金化されるまでの経過日数など、ファンド組成上の要因も背景にある
可能性が高い。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
2
る 2006 年度末時点のヘッジファンド投資比率は、5%弱に達していると報告されている。
表1
確定給付型資産全体
プライベート・エクイティ
不動産
REIT
ヘッジファンド
オルタナティブ投資合計
(構成比)
プライベート・エクイティ
不動産
REIT
ヘッジファンド
オルタナティブ投資合計
株式
債券・現金
アメリカの年金基金における資産構成の推移
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
(億ドル)(億ドル)(億ドル)(億ドル)(億ドル)(億ドル)(億ドル) (億ドル)
33,583
28,548
25,445
28,999
32,003
35,697
38,694
44,037
1,137
1,028
921
987
1,040
1,176
1,234
1,632
933
1,083
1,049
1,021
1,069
1,156
1,501
1,703
138
144
119
149
193
225
291
252
-32
85
144
211
299
505
763
2,208
2,287
2,174
2,301
2,513
2,856
3,531
4,350
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
3.39
3.60
3.62
3.40
3.25
3.29
3.19
3.71
2.78
3.79
4.12
3.52
3.34
3.24
3.88
3.87
0.41
0.50
0.47
0.51
0.60
0.63
0.75
0.57
-0.11
0.33
0.50
0.66
0.84
1.31
1.73
6.57
8.01
8.54
7.93
7.85
8.00
9.13
9.88
61.5
56.6
54.6
62.0
61.1
62.6
60.8
59.8
29.8
33.3
34.8
29.6
28.2
26.9
26.9
26.9
(出所)Pensions & Investments
(注)各年の9月末時点に関するアンケート調査結果。アメリカの運用資産額上位 200 基金の確定給付資
産部分が集計対象。
表2
日本の年金基金における資産構成の推移
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
(兆円) (兆円) (兆円) (兆円) (兆円) (兆円) (兆円)
確定給付型企業年金資産総額
76
74
67
71
67
75
78
53
52
45
42
29
25
26
厚生年金基金
---8
22
33
37
確定給付企業年金
22
23
21
21
17
17
16
適格退職年金
(構成比)
(%) (%) (%) (%) (%) (%) (%)
52.1
51.6
41.9
43.3
43.3
49.1
46.8
株式
45.1
46.3
53.5
51.3
48.2
43.6
45.4
債券・現金(一般勘定を含む)
-----4.2
4.8
ヘッジファンド
(出所)企業年金連合会[2007](企業年金連合会「資産運用実態調査の解説(2006 年度)」2007 年9月)
(注)各年度末時点。株式と債券には、それぞれ国内資産と海外資産を含む。ヘッジファンドの「--」の時
期は、「その他」の中に含まれており、分別された数値が示されていない。
このように年金基金のような保守的な投資家の間でもヘッジファンド投資が拡大してき
た背景には、「ヘッジファンドは運用の自由度が高く、きわめて多岐にわたる投資戦略が
採用されており、収益源の拡大に結びつく」点に加えて、「そのような多様性のために、
投資リスクや他資産との間の相関の低いファンドが少なくない」点が高く評価されている
ものと考えられる。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
3
表3
1991年1月~2007年12月
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
ヘッジファンドの投資戦略別リターン特性
HFRI総合
FOHF
株式M/N 転社裁定 債券裁定 株式ヘッジなし 空売り
1.14
0.77
0.68
0.82
0.63
1.42
0.14
1.90
1.60
0.88
0.98
1.18
3.82
5.69
0.69
0.50
0.18
0.28
-0.03
0.77
-0.69
1.00
0.88
0.37
0.54
0.21
0.94
-0.79
イベント・ドリブン
エマージング
マクロ
テクノロジー
M&A裁定
ディストレスト
全 体
アジア
中南米
0.86
1.20
1.46
1.15
1.53
1.21
1.48
1.03
1.63
3.97
3.70
5.41
2.30
5.18
0.44
0.39
0.56
0.47
0.51
0.35
0.61
0.60
0.73
0.83
0.71
0.65
0.68
0.82
S&P500
0.98
3.88
1.00
全 体
1.19
1.73
0.63
0.88
(出所)Hedge Fund Research, Standard & Poor’s
(注)S&P500 は、配当を含むトータル・リターン・ベースの統計値。FOHF はファンド・オブ・ヘッジ
ファンズ、M/N はマーケット・ニュートラル。計測期間は 1991 年1月~2007 年 12 月。すべて月次
データに基づく統計値で年率換算等は行っていない。リターンは、成功報酬を含む運用報酬控除後の
数値。
表3には、代表的なヘッジファンド・インデックスの1つである Hedge Fund Research
社の公表している HFRI 指数のリターン特性(成功報酬等の運用報酬控除後)を S&P500
指数の配当込みトータール・リターンの特性と比較した統計量が示されている。ただし、
HFRI 指数に関しては、総合系列の他に、投資戦略別のリターンに関する統計量も示され
ている。
この表の数値を見ると、1991~2007 年までの間の HFRI 総合指数は、運用報酬分を控除
後でも S&P500 指数より平均リターン(月次ベースのため、年率換算すると約 12 倍にな
る)が高くなっている。また、標準偏差で示されたリスク水準は約半分に過ぎず、株式市
場との間の相関係数は 0.7 となっており、やや分散効果が期待できる内容になっている。
一方、ファンド・オブ・ヘッジファンズ(FOHF)に関しては、平均リターンは HFRI 総
合指数や S&P500 指数と比べると相対的に劣っているが、リスク水準は HFRI 総合指数よ
りもさらに低く、株式市場との間の相関係数は 0.5 前後に留まっている。さらに、株式マ
ーケット・ニュートラルや転換社債裁定、債券裁定など裁定取引系の投資戦略では、リタ
ーンの水準そのものは、概して他の戦略よりも劣るが、リスク水準は HFRI 総合インデッ
クスの半分程度、アメリカ株との間の相関係数は0に近い水準となっている。
さらに、表4には、IT バブルの崩壊後に大幅な株価下落の生じた 2000~2002 年を挟ん
で、3つの期間(1991~1999 年、2000~2002 年、2003~2007 年)について表3と同様
の統計量が示されている。これらの数値を見ると、ヘッジファンドの魅力は、株価下落期
に特に顕著であることが確認できる。2000~2002 年においては、株価水準が年平均 10~
15%程度下落したにもかかわらず、平均リターンがマイナスになったセクターは、株式ヘ
ッジなし、アジア、中南米、テクノロジー等、一部のセクターに限られている。また、こ
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
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の期間は、FOHF のリスク水準が株式市場全体の3分の1程度、S&P500 指数との間の相
関係数は 0.38 程度に留まっている。
表4
1991年1月~1999年12月
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
2000年1月~2002年12月
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
2003年1月~2007年12月
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
平均リターン(%)
標準偏差(%)
相関係数(対S&P500)
同(対HFRI総合)
ヘッジファンドの投資戦略別リターン特性(期間別)
HFRI総合
FOHF
株式M/N 転社裁定 債券裁定 株式ヘッジなし 空売り
1.53
0.97
0.86
0.99
0.74
2.01
-0.28
1.98
1.80
0.93
0.96
1.48
3.69
5.62
0.68
0.51
0.32
0.38
-0.09
0.73
-0.69
1.00
0.86
0.42
0.64
0.19
0.92
-0.76
イベント・ドリブン
エマージング
マクロ
テクノロジー
M&A裁定
ディストレスト
全 体
アジア
中南米
1.11
1.39
1.65
1.27
2.18
1.67
2.58
1.03
1.84
4.67
4.00
6.32
2.70
5.28
0.41
0.35
0.52
0.39
0.42
0.43
0.61
0.59
0.72
0.83
0.67
0.60
0.68
0.76
S&P500
1.66
3.67
1.00
全 体
1.51
1.73
0.59
0.87
HFRI総合
FOHF
株式M/N 転社裁定 債券裁定 株式ヘッジなし 空売り
0.24
0.23
0.59
0.97
0.50
-0.34
2.17
2.18
1.48
1.07
0.83
0.93
5.13
8.72
0.65
0.38
-0.19
0.21
-0.05
0.77
-0.64
1.00
0.92
0.01
0.40
0.17
0.97
-0.91
イベント・ドリブン
エマージング
マクロ
テクノロジー
M&A裁定
ディストレスト
全 体
アジア
中南米
0.52
0.58
0.13
-0.62
-0.45
0.45
-1.10
1.07
1.50
3.66
3.45
5.49
1.74
7.05
0.32
0.30
0.67
0.55
0.69
-0.02
0.53
0.40
0.71
0.88
0.74
0.78
0.53
0.91
S&P500
-1.16
5.43
1.00
全 体
0.40
1.99
0.58
0.88
HFRI総合
FOHF
株式M/N 転社裁定 債券裁定 株式ヘッジなし 空売り
0.97
0.75
0.42
0.42
0.49
1.40
-0.30
1.30
1.16
0.54
1.00
0.53
2.70
2.48
0.73
0.58
0.33
0.26
0.24
0.84
-0.86
1.00
0.94
0.69
0.54
0.40
0.95
-0.75
イベント・ドリブン
エマージング
マクロ
テクノロジー
M&A裁定
ディストレスト
全 体
アジア
中南米
0.62
1.21
1.93
2.00
1.53
0.85
1.05
0.92
1.16
2.31
2.88
2.69
1.50
2.45
0.63
0.59
0.59
0.56
0.60
0.43
0.73
0.80
0.76
0.90
0.87
0.63
0.80
0.86
S&P500
1.04
2.49
1.00
全 体
1.10
1.39
0.75
0.92
(出所)Hedge Fund Research, Standard & Poor’s
(注)表3と同様の統計値を 1991 年1月~1999 年 12 月、2000 年1月~2002 年 12 月、2003 年1月~
2007 年 12 月の各期間について計測したもの。
このように基本的な統計量を見る限りにおいては、ヘッジファンド投資は、投資家にと
って好ましい投資成果をもたらすことが十分に期待できる内容となっている。しかしなが
ら、ヘッジファンドは、行政上の規制が緩やかな点が大きな特徴の1つとなっており、活
動状況に関する公式の統計が存在しない。表3や表4の数値の基礎となっているヘッジフ
ァンド・インデックスも、情報会社がヘッジファンドの運用会社や投資家から任意に提供
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
5
を受けたデータに基づいて計算されている。そのため、データの正確性や信頼性の問題が
あるうえ、一般的にヘッジファンド運用会社が自発的にデータを提供する背景には、良好
な運用実績を示して、自分たちのファンドのマーケティング上、潜在的な投資家にアピー
ルしたいという狙いがあるものと思われる 2)。
以上のような状況を反映して、ヘッジファンド・インデックスの水準には、大きなバイ
アスが存在すると考えられている。本稿では、具体的なバイアスの内容とバイアスの大き
さに関する過去の分析結果を整理するとともに、その他、ヘッジファンド関連の統計を活
用する際の留意点を取りまとめる 3)。
2.ヘッジファンド・インデックスのバイアス
(1)バイアスの源泉
ヘッジファンド・インデックスにバイアスが発生する最大の原因は、データ提供の任意
性にある。敢えてデータを公開しなくても、ビジネス継続上、特段の問題はないヘッジフ
ァンドの場合には、データを公開することに対するインセンティブは非常に乏しくなる。
ヘッジファンドにとって、運用パフォーマンスやファンドの属性(運用開始時期や運用
資産額、最低投資金額等)に関するデータを専門の情報会社に提示する最大の目的は、潜
在的な投資家の目に触れる機会を増やして、顧客獲得の可能性を少しでも高めることであ
ろうと思われる。そのため、運用成績の振るわないヘッジファンドは、一般的に外部機関
にデータを提供する意欲が乏しい。一方、非常に良好な運用成果を達成するなどして、あ
まりにも多くの資金が集まり、新たな資金の受け入れは断っているような(ソフトクロー
ズ状態の)ヘッジファンドの場合にも、マーケティング目的でデータを提供するインセン
ティブは高くない。そのため、投資成果に関して両極端のファンドがヘッジファンド・イ
ンデックスのユニバースから抜け落ちる傾向がある。このような両方向のバイアスの中で
は、どちらかというとリターンの悪いヘッジファンドがユニバースに入ってこないバイア
スの方が大きいと考えられており、ヘッジファンド・インデックスのリターンには構造的
に上方バイアスがかかりやすいという問題がある。
世の中に存在するヘッジファンドが必ずしも満遍なくヘッジファンド・ユニバースに含
まれているとは限らないという問題は、ヘッジファンドへ投資した場合の平均的なリター
2)
情報会社は入手したヘッジファンドのリターン・データ等に基づいてヘッジファンド・インデックスの
計算を行うばかりでなく、個々のファンドごとの商品属性やリスク・リターン等の統計も開示することが
一般的である。
3) 本稿では、主として、Malkiel and Saha[2005](“Hedge Funds: Risk and Return,” Burton Malkiel and
Atanu Saha, Financial Analysts Journal, November-December 2005, p.80-88)を参考にしながら、過去
の実証結果の取りまとめを行った。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
6
ンをヘッジファンド・インデックスに基づいて判断しようとしている投資家にとっては無
視できないバイアスの源泉であることは事実である。しかしながら、投資成果の振るわな
かったヘッジファンドがユニバースに加わっていたら、どの程度インデックスのリターン
が低減するかを推計することは、(ヘッジファンドに情報開示義務がないことを考える
と)きわめて困難である。
一方、実際に推計可能であって、上述したマーケティング目的の情報開示と関連性の高
い「バイアスの源泉」として、事後的データ提供バイアス(backfill bias)が存在する。投
資戦略の有効性がまだ定かでない段階のヘッジファンドの多くは、いきなり大きな金額の
資金を獲得できることは少ない。シード・マネー(「種まき」のニュアンス)と呼ばれる
資金の提供を受けて、複数のファンドを実験的に運用することが多い。そのうちのいくつ
かは、結果的に有効性を発揮できず、運用を中止してしまうケースも少なくないものと思
われる。中には、実際に有効な戦略であることがわかり、運用資金額を増やして、本格的
に投資を開始するものも出てくるであろう。このように、ある程度有効な戦略とそうでな
ようらん
い戦略の見極めができた段階で、結果的に有効性の高かったファンドについて、揺籃 期
(incubation period)のデータも含めて、事後的にリターンの提供を行うヘッジファンド
が少なくないようである。このようなデータの遡及的報告に伴うバイアスが事後的データ
提供バイアスである。後でデータを埋める(backfill)というニュアンスが含まれている。
揺籃期データ提供バイアス(incubation bias)と呼ばれることもある。
事後的に遡及してデータの提供を受けたケース(バックフィルあり)と1か月以上の遅
れなくデータが提供されたケース(バックフィルなし)の平均リターンを比較することに
よって、事後的データ提供バイアスの大きさを推計しようとする試みが見られる(Malkiel
and Saha[2005])。
実際に計測可能なその他の歪みの源泉としては、生き残りファンド・バイアス
(survivorship bias)がある。このバイアスは、事後的に生き残ったファンドだけがユニ
バースに含まれていることに伴って発生する。過去、投資ユニバースには含まれていたが、
ファンドの閉鎖等の結果、すでに存続していないファンドのデータが遡及してユニバース
から除外されることによって、ヘッジファンド業界全体の投資成果が実態よりも良く見え
るという結果がもたらされる。
この種のバイアスはヘッジファンドの特有のものではなく、たとえば株式関連のデータ
ベースに関しても存在する。しかしながら、ヘッジファンドの場合には一般的に新陳代謝
が激しく、短期間のうちにファンドが解消されるケースが多い。そのため、生き残りファ
ンド・バイアスは、ヘッジファンドへ投資した場合の期待リターンを推計するうえでは、
無視できないほどの影響を及ぼすと考えられる。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
7
表5には、1996~2003 年の各年末に TASS データベースに登録されていたヘッジファ
ンドのうち、2004 年4月末まで継続してデータを提供したファンド(存続ファンド)とフ
ァンドの閉鎖等の理由で1か月でもデータの提供が行われなかったファンド(退出ファン
ド)の割合が示されている。2001 年末から2年4か月の間に約 40%、2000 年末から3年
4か月の間に半数以上のファンドが退出していることがわかる。また、1996 年末から 2004
年4月まで7年4か月間、存続したファンドの割合は 20%未満に過ぎない。このように、
実際にヘッジファンドに投資した場合には、その後、比較的短期間のうちに、ファンドが
解消されてしまうリスクが大きい。そのため、事後的に生き残ったファンドだけで平均リ
ターンを計算しても、ヘッジファンドへ投資した場合の投資成果を客観的に評価すること
はむずかしいものと思われる。
表5
存在
ファンド数
1996
97
98
99
2000
01
02
03
331
555
751
913
1,030
1,119
1,747
2,065
ヘッジファンドの存続率
退出ファンド
ファンド数
構成比
(%)
273
82.5
417
75.1
519
69.1
552
60.5
526
51.1
441
39.4
474
27.1
295
14.3
存続ファンド
ファンド数
構成比
(%)
58
17.5
138
24.9
232
30.9
361
39.5
504
48.9
678
60.6
1,273
72.9
1,770
85.7
(出所)Malkiel and Saha[2005] Table 3、TASS データベースが元データ。
(注)各年末に TASS データベースに登録されていたヘッジファンドのうち、2004
年4月末時点まで継続的にデータを提供していたファンドが存続ファンド
(live fund)、何らかの理由(ファンドの閉鎖やパフォーマンスの悪化等)で
データの報告が1か月でも途切れたファンドが退出ファンド(defunct fund)
と分類されている。
(2)バイアスの大きさ
Malkiel and Saha[2005]では、TASS データベースを用いてヘッジファンドのリターン
を分析し、事後的データ提供バイアスと生き残りファンド・バイアスの大きさを実際に計
測しようと試みている。前者の計測期間は 1994~2003 年(表6)、後者の計測期間は 1996
~2003 年(表7)となっている。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
8
表6
1994
95
96
97
98
99
2000
01
02
03
平均値
事後的データ提供バイアスの推計結果
事後的データ提供の有無
「あり」-
あり
なし
「なし」の
リターン ファンド数 リターン ファンド数 リターン
(%)
(%)
較差
0.42
1,076
-11.53
22
11.96
17.23
1,318
10.37
52
6.85
19.44
1,299
12.37
331
7.08
19.81
1,307
13.09
555
6.72
9.62
1,352
-2.04
751
11.65
31.50
1,408
28.19
913
3.32
14.69
1,463
2.08
1,030
12.62
8.24
1,522
2.81
1,119
5.43
6.10
950
0.88
1,747
5.22
19.49
936
17.20
2,065
2.29
14.65
7.34
7.31
(出所)Malkiel and Saha[2005] Table 2
(注)「あり」は、1か月以上遅れて遡及してリターン・データの提供があったケ
ース。「なし」は、1か月以上遅れずにデータが提供されたケース。両方とも、
該当するファンドのリターンの単純平均値。平均値は、計測期間中の時系列的
な単純平均値。
表7
1996
97
98
99
2000
01
02
03
平均値
生き残りファンド・バイアスの推計結果
存続
リターン ファンド数
(%)
17.27
58
19.41
138
2.18
232
34.09
361
9.39
504
7.11
678
2.48
1,273
17.98
1,770
13.74
存続+退出
リターン ファンド数
(%)
12.37
331
13.09
555
-2.04
751
28.19
913
2.08
1,030
2.81
1,119
0.88
1,747
17.20
2,065
9.32
リターン
較差
4.91
6.32
4.22
5.90
7.32
4.29
1.59
0.78
4.42
(出所)Malkiel and Saha[2005] Table 3
(注)集計対象は、表6における事後的データ提供のなかったケース。存続(live)
は、計測期間中継続してデータを提供したファンド。退出(defunct)は、閉鎖
やパフォーマンスの悪化などが原因で1か月以上データを提供しないことがあ
ったファンド。両方とも、該当するファンドのリターンの単純平均値。平均値は、
計測期間中の時系列的な単純平均値。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
9
表6を見ると、2001 年までのヘッジファンドのデータは、タイムリーに遅滞なく提供さ
れたケース(バックフィルなし)よりも、1か月以上遅れて、事後的に提供されるケース
(バックフィルあり)の方が多かったことがわかる。また、事後的に遡って提供されたケ
ースのリターンは、遅れずに提供されたケースのリターンよりも、平均して7%以上も高
かったことが示されている。
一般的に、平均値を用いた分析では、一部の異常に大きな値の影響を強く受けるケース
がある。そこで、Malkiel and Saha[2005]では、各年の該当ファンドの平均値ではなく、
メディアン(中位値)4)を用いた分析も行っている。その結果、「バックフィルあり」のケ
ースでは、「バックフィルなし」のケースよりも、メディアンにおいても 5.74%高い値で
あったことが報告されている。
一方、表7には、表6におけるバックフィルなしのケースについて、生き残りファンド・
バイアスに関する推計結果が示されている。計測期間(1996~2003 年)中、継続してデー
タの提供を続けたファンド(存続)の平均リターンは 13.74%、1か月でもデータの提供が
行われなかったファンドを含めた全ファンド・ベース(存続+退出)の平均リターンは
9.32%(「退出」のみの平均リターンは 5.39%)となっており、両者の間には4ポイント
以上の較差が見られる。そのため、データの提供を事後的に継続することのできた存続フ
ァンドにユニバースを限定してヘッジファンド・インデックスの計測を行ったような場合
には、実際のヘッジファンドの平均リターンを過大評価する可能性があるため、注意が必
要である。
3.ヘッジファンド関連データに関するその他の留意点
これまで、ユニバースを限定して計算したヘッジファンドの平均リターンには大きなバ
イアスがかかっている可能性が高いことを示唆する分析結果の整理を行ってきた。その他
にも、ヘッジファンドのデータを用いる際には留意すべき点がある。たとえば、一般的に
ヘッジファンドは個別性が強く、投資したヘッジファンドが業界平均並みのリターンを達
成できるとは限らないという問題が指摘されることが多い。
Malkiel and Saha[2005]では、ヘッジファンドと投資信託の月次リターンの標準偏差(各
月の標準偏差の平均値)を比較することによって、ファンドの個別性の程度を評価しよう
と試みている(表8を参照)。その結果、ヘッジファンド間のリターンのばらつき(平均
5.56%)は、投資信託間のリターンのばらつき(平均 3.34%)よりも、5割以上、大きか
ったことを報告している。
4)
メディアン(median)は、対象となる係数をランキングしたうえで、順番がちょうど中間の値を表す統
計量。異常に大きな値や小さな値の影響を受けにくい。
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
10
表8
ヘッジファンドと投資信託のリターンのばらつきの大きさ
1996
97
98
99
2000
01
02
03
平均値
ヘッジファンド
標準偏差 ファンド数
(%)
5.82
331
5.39
555
7.04
751
6.36
913
6.83
1,030
5.17
1,119
4.26
1,747
3.58
2,065
5.56
投資信託
標準偏差 ファンド数
(%)
2.53
3,614
2.74
4,643
3.11
5,396
3.87
5,882
5.48
6,796
3.85
7,678
3.05
8,368
2.09
9,170
3.34
(出所)Malkiel and Saha[2005] Table 6、ヘッジファンドの元デー
タは TASS データベース、投資信託の元データは Lipper 社。
(注)ヘッジファンドの集計対象は、事後的データ提供のなかったケ
ースで、存続+退出。対象ファンドの月次リターンに基づいて各
月の標準偏差(月次ベースで年率換算はしていない)を計算し、
12 か月分の単純平均を行ったもの。
表9
1996
97
98
99
2000
01
02
03
平均値
FOHF
(%)
3.22
3.84
4.61
4.04
4.20
2.45
2.02
1.91
3.29
ヘッジファンドの投資戦略別リターンのばらつき度
株式M/N
(%)
2.88
2.48
3.32
3.13
3.20
3.45
2.69
2.43
2.95
転社裁定
(%)
1.62
2.01
2.43
2.10
2.73
2.11
1.97
1.65
2.08
債券裁定
(%)
1.96
1.85
4.32
2.26
3.36
3.38
3.14
1.79
2.76
株式L/S
(%)
5.44
5.28
6.78
7.19
8.57
5.98
4.28
3.49
5.88
空売り
(%)
5.27
3.84
7.06
5.84
5.18
6.68
3.70
2.85
5.05
イベント エマージング
(%)
(%)
4.33
5.89
2.85
6.22
3.71
9.82
3.69
8.63
4.48
7.30
3.37
5.45
2.71
5.30
2.28
4.59
3.43
6.65
マクロ
(%)
5.17
5.43
7.78
4.90
5.72
5.79
4.67
4.38
5.48
(出所)Malkiel and Saha[2005] Table 6、元データは TASS データベース。
(注)表8と同様の数値をヘッジファンドの投資戦略別に計算したもの(一部は掲載していない)。FOHF
はファンド・オブ・ヘッジファンズ、株式 M/N は株式マーケット・ニュートラル、転社裁定は転換社
債裁定、株式 L/S は株式ロング・ショート、イベントはイベント・ドリブン、マクロはグローバル・
マクロを表している。Hedge Fund Research と TASS では異なる投資戦略の分類が使用されている
ため、表3や表4の分類とは対応していない。
一方、表9には、表8と同様のリターンのばらつき度をヘッジファンドの代表的な投資
戦略別に計測した結果が示されている。ヘッジファンド全体では、投資信託よりもファン
ドの個別性が強く、リターンのばらつきが大きいという結果が見られたが、状況は投資戦
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
11
略によって大きく異なることがわかる。
転換社債裁定、債券裁定、株式マーケット・ニュートラルのような裁定取引系のファン
ドでは、平均標準偏差が2%台に留まっており、投資信託の平均値よりも、むしろリター
ンのばらつきが小さくなっている。ファンド・オブ・ヘッジファンズやイベント・ドリブ
ンでも、平均標準偏差は3%台の前半となっており、投資信託並みのばらつきとなってい
る。これに対して、株式ロング・ショート、空売り、エマージング、グローバル・マクロ
戦略では、平均標準偏差が5%を超えており、特にエマージング戦略では、この数値が6%
台後半に達している。これらの戦略では、裁定取引系の戦略とは異なり、かなり多様な運
用が行われているものと考えられる。そのため、出てくる投資成果のばらつきも、個々の
ファンドによって大きく異なる可能性が高いことが、表の数値からうかがうことができる。
4.まとめ
最近、国内外の年金基金の間でも活発に投資されるようになってきたヘッジファンドに
関しては、複数のインデックスが算出・公表されており、業界全体の動向を判断するうえ
で参照されることが多い。表3や表4の数値を見ると、ヘッジファンドは、平均して株式
よりも低いリスクで高リターンをもたらしており、収益の源泉の拡大や分散投資効果など
の観点で、格好の投資対象であるように見受けられる。
しかしながら、これらのデータベースは、ヘッジファンドの運用会社や投資家から提供
された任意のデータに基づいて計測されており、表6や表7に示されているように、リタ
ーン水準には無視できない程度の上方バイアスがかかっていることが確認できる。そのた
め、ヘッジファンドへの投資から期待できるリターンの大きさを判断する際には、これら
のヘッジファンド・インデックスから導かれる平均リターンの水準をかなりの程度割り引
いて考える必要がある。また、これらのインデックスをベンチマークとしてヘッジファン
ドの投資成果を評価することは、避けた方が無難であると考えられる。
一方、表5におけるヘッジファンドの存続率の数値を見ると、ヘッジファンドは新陳代
謝が激しく、投資後にファンドの入れ替えに伴う追加的なコスト負担が発生する可能性が
高いことも示唆されている。運用が失敗して経営破綻に陥るケースでなくても、いったん
元本割れを起こしたファンドでは、成功報酬を受け取ることのできる可能性が低くなって
しまうため、いったんファンドを閉鎖して、新たに別のヘッジファンドを立ち上げたいと
いうインセンティブが存在する点にも留意する必要がある。
最後に、運用の自由度の高い投資戦略を採用しているヘッジファンドに関しては、個別
性がとりわけ強く、表9に示されていたように、同じ投資戦略のヘッジファンドの間でも、
ファンド間でリターンの較差が大きくなりやすい点にも注意が必要である。そのため、投
当レポートは、㈱大和ファンド・コンサルティングが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法上の書面または資料
ではなく、投資家に対する投資勧誘を目的とするものでもありません。投資等の意思決定は、読者ご自身の判断と責任のもとでなされ
るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
12
資すべきヘッジファンドを特定化する際には、デュー・デリジェンスと呼ばれる候補ファ
ンドの精査を念入りに行うことが不可欠である。十分な調査体制を確保することがむずか
しい投資家の場合には、信頼のおける仲介者を通じて、ディスクローズ体制のしっかりし
たファンド・オブ・ヘッジファンズ(FOHF)に投資することが望ましいケースも少なく
ないものと思われる。
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るよう、お願い申し上げます。なお、当レポートの無断転載・複写等は行わないよう、お願い申し上げます。
【重要な留意事項】
本資料に記載した情報に基づき当社とお取引いただく場合は、次の事項に十分ご注意く
ださい。
手数料等およびリスクについて
● お客様から当社が受領する報酬額は、投資一任契約に係る運用する資
産または投資顧問契約におけるご提供するサービス内容、投資顧問契
約に基づき当社が分析する運用機関の会社数、分析対象の運用資産の
種類等によりお客様と個別に協議させていただいた上、決定いたしま
す。
また、お客様のご依頼により遠隔地に出張する場合、出張旅費等の実
費を投資一任契約または投資顧問契約に基づきご請求させていただく
ことがあります。この場合、その他費用等の総額を事前に明示するこ
とはできません。
● 投資一任契約または投資顧問契約により運用または助言する有価証券
等についてのリスクは、次のとおりです。
・ 金利水準、為替相場、株式相場、不動産相場、商品相場、その他
の指標等の変動、有価証券等の発行者の経営・財務状況の変化等に
伴い、当該有価証券等の市場価格が変動し、また、その支払いを
受けられなくなることがあるため、投資元本を割り込んだり、そ
の全額を失うことがあります。
・ さらに、信用取引や有価証券関連デリバティブ取引を用いる場合
においては、委託した証拠金を担保として、証拠金を上回る多額
の取引を行うことがありますので、上記の要因により生じた損失
の額が証拠金の額を上回る(元本超過額が生じる)ことがありま
す。
当社とのお取引に際しては、必ず契約締結前書面等をよくお読みになり、
お客様のご判断と責任に基づいてご契約ください。
商号等
株式会社 大和ファンド・コンサルティング
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 843 号
加入協会
社団法人日本証券投資顧問業協会