基本設計資料

配布資料3 基本設計資料
基本設計資料
(1)熱供給システムの検討
熱供給システムの検討については、全ての薪ボイラーから蓄熱タンクに熱交換器を介し
て温度管理し、蓄熱タンクから給湯回路とプール負荷回路(昇温・暖房)へそれぞれ熱供
給を行う。既存のチラーについては、バックアップ用として利用を行う。基本的に熱交換
器以降の配管及びポンプ類については、既存のシステムを利用する。具体的な熱供給シス
テムについては以下の通りです。
新設機械室
貯湯タンク
15 m3
設定50℃
蓄熱タンク
6 m3
80 ℃
蓄熱効果
120,000 kcal
140 kW
薪ボイラー
146,200 kcal/h
170 kW
2台
無圧開放
3方弁などを利用して、チラーと薪ボイラーと完
全に分離できるようにする。
HR2
チラーヘ
3回路
熱供給
ヘッダー
需要先へ
床暖房
ファンコイル(冷暖房)
プール昇温
エアハン
帰り側
ヘッダー
つなぎ込みの位置は、循環ポンプの吐き出し
側へ行う。
HR1
チラー
新設配管
HR2
チラー
既設配管
1
配布資料3 基本設計資料
(2)各種条件整理(厳守する事)
基本仕様書を作成するために必要な各種条件を以下にまとめます。
①燃料(薪)
・製造元:町内木の宿場プロジェクト
・原料:町内山林原木(広葉樹・針葉樹)、バーク 10%未満(灰の含有量最大 1%)
及び町内製材所から出る端材
・サイズ:φ100 ㎜×L1000 ㎜
以下
3
・かさ比重:0.5t/m
程度
・含水率:30%w.b.以下
・低位発熱量:3,000kcal/kg 以上
②運転条件
1)搬入方法(薪)
・投入方法:手動投入
・投入サイクル:1 回/4 時間程度(熱需要によって異なる)
・投入重量:250 ㎏/回程度(含水率によって異なる)
2)原料保管
・原料調達:薪の消費量に応じて原木調達
・保管方法:メッシュパレット
・容量:1m3 程度
・特記事項:
3)薪ボイラー設備
・ボイラー定格能力:170kW×2 基(同等能力可)
・原料投入量:4 時間分/回程度
・熱効率:80%以上
・排出ガス煤塵濃度:0.15g/Nm3(酸素濃度 6%換算)
・運転時間:16h/日
程度
・燃焼灰の処理:定期的に清掃し、BOX 保管。容器を標準 2 つ以上設置する事。
③電力・配管条件
1)電力
・商用電力を利用。
・周波数:60Hz
・1 次側配線:キューピクルから操作盤
2
配布資料3 基本設計資料
・2 次側配線:操作盤から各機器
2)配管
・1 次側配管:既存水道立上げから新設機械室内
・2 次側配管:熱供給システムに必要なすべての配管
・排水管:必要となる排水管
・保温:気温条件などを基準として必要となる保温全て
④現地設計条件
・設置場所:〒689-1402 鳥取県八頭郡智頭町智頭 1070-2
智頭温水プール隣接地内
・気温:最低-5、最高 35℃(気象庁データより)
・特記事項:景観に配慮した場所に設置する事。
⑤建築工事
・設置場所:智頭温水プール隣接地
・工事範囲:基礎・建屋・既存建屋改造、薪製造土場、薪乾燥建屋など必要な工事一式
・設置面積:
・その他:消防法などの法律に順守する事。
⑥適用法規及び規格
・機器類は、関係諸法規を厳守して設計、製作する。
・機器類は、関係国内規格及び基準を遵守して設計、製作する。
⑦試運転調整
・設備据付後、現場作業員にて運転が可能となるまで、機器の試運転・調整及びオペレータ
ー教育を行う。※試運転に必要な薪は業者負担とする。
⑧各種書類の提出
・薪ボイラー導入に必要な申請書類の作成
・補助事業上必要となる書類の作成
・公共事業上必要となる書類の作成
・その他、町役場の指定する書類の作成
⑨その他特記事項
・特別な休館日が発生しない工事日程を組む事。
・設備更新や原木搬入に配慮した配置計画を提案する事。
3
配布資料3 基本設計資料
(3)基本仕様(参考)
今回整備する機器の仕様は下記のとおりである。
①薪ボイラー設備
概要:対象施設の熱需要に応じて、自動的に燃焼量を変動させる事により過剰な熱供給を抑
制し、安定・最適な熱供給を行う。
1)薪ボイラー本体
・性能:対象施設の熱負荷に応じて、熱供給の自動調整が可能であること。
・定格熱出力:170kW(146Mcal/h)
・熱効率:80%~92%
・原料消費量:最大 61 ㎏/h(3,000kcal/kg の時)
・構造:耐火キャスタなど
・動力:1.5kW
・材質:SS 製・耐火キャスタ
・耐熱温度:1200℃
・燃焼制御など:ラムダセンサーによる空気比制御、負荷に合わせた燃焼量制御
・付属:計装機器(熱電対など)、誘引ファン、制御盤など
・数量:2 基
2)循環ポンプ
・性能:熱交換に必要な温水などを必要量循環させる。
・方式:ラインポンプ方式
・各種流量:
薪ボイラー⇔蓄熱タンク
244 L/min(Δt=10℃)×4 基
蓄熱タンク⇔給湯系統
100 L/min(Δt=10℃)×1 基
蓄熱タンク⇔暖房・昇温系統
272 L/min(Δt=10℃)×1 基
・材質:SS 材
・動力:
kW
・数量:6 基
3)熱交換器
・性能:熱需要に対して必要な熱供給が出来る事。熱交換の際に必要と判断される 3 方弁な
ど設置する事。
・方式:プレート式
・熱交換器能力:
薪ボイラー⇔蓄熱タンク
170kW×2 基
4
配布資料3 基本設計資料
蓄熱タンク⇔給湯系統
70kW×1 基
蓄熱タンク⇔暖房・昇温系統
190kW×1 基
・数量:4 基
4)蓄熱タンク
・性能:熱供給における熱負荷変動にある一定の熱ストックを行う。
・容量:6,000L
・材質:SUS 製
・数量:1 基
5)配管
概要:薪ボイラー運営に必要な配管を行うこと。
ア)既設施設⇔新設施設配管
・配管距離:適正距離
・耐熱温度:100℃、80℃
・材質:既存に準拠。
・付属:保温(凍結防止)
・数量:1 式
イ)1 次側給水配管
・配管距離:適正距離
・耐熱温度:常温
・材質:SGP 管
・付属:保温(凍結防止)
・数量:1 式
ウ)排水管
・配管距離:適正距離
・耐熱温度:100℃、80℃
・材質:
・数量:1 式
6)電気計装設備
概要:薪ボイラー設備運用に要な配線を行うこと。
ア)1 次側引込配線
・既存キューピクルから操作盤までの電気配線
5
配布資料3 基本設計資料
イ)2 次側引込配線
・新規機械室内機器運転に必要な電気配線
ウ)操作盤
・温泉熱供給に必要な操作パネルおよび制御回路。動力電源は AC200V、3 相、60Hz。
エ)計装設備
・ボイラー運転制御に必要な計装機器(検出器類等)一式。制御/計装電源は 60Hz とする。
電圧などの条件は特に問わない。
オ)警報システム
・機械室異常:既存配線を利用して事務所へ送る。
・火災報知機:既存利用とする。(既存機械室までは送信する)
カ)その他
・本電気計装設備に必要な配線材料(ケーブル、配管、ラック等)一式。
・メンテナンスに必要となる照明設備一式。照明電源は AC200V、1 相、60Hz とする。
・100V コンセントを必要に応じて機械室に設置する。
7)機械室(建物)
・新規機械室
・薪ボイラーシステム導入に必要な改造及び改良。
・景観を配慮した改造及び改良とする。
8)据付工事
ア)基礎工事
・予定される用地上に機器据付に必要な基礎工事を行う。
イ)建屋工事
・薪保管及び機器に必要となる建屋の工事を行う。
ウ)機器据付工事
・搬入された各機器を基礎上に据付ける。
・工事に必要な重機、車両等の手配・機器一式を準備する。
6
配布資料3 基本設計資料
エ)電気工事
・既存キューピクルから操作盤までの 1 次側配線工事を行う。
・制御盤から各電機設備までの 2 次側電気配線工事を行う。
オ)配管工事
・1 次側給水管工事を行う。
・薪ボイラー室内の 2 次側配管工事を行う。
・既設設備と新規設備間の配管工事を行う。
・排水管工事を行う。
カ)薪製造土場、薪乾燥建屋工事
・土場面積(ボイラー建屋等を含む):850 ㎡
・アスファルト舗装
・舗装厚:4cm 以上
・大型トラック(10t 程度)が進入できる通路を設け、
舗装はそれに耐えうる舗装とする
・乾燥した薪を保管できる屋根付の薪乾燥建屋を設ける
・薪乾燥建屋面積:24 ㎡以上(薪ラックが 1 段で 12 個以上置けること)
9)塗装
・塗装色は別途指示に従う。下地処理は、清掃、ケレン、脱脂等を完全に行う。
・錆止 1 回塗を行い、全乾の後、上塗を 1 回(場合によっては 2 回)行う。
・上塗塗装は工場にて施工し、据付及び運搬時に生じた傷の補修は現地でタッチアップ塗装
を行う。
10)試運転調整
・納入する設備、装置は現場にて想定する薪を使用して試運転を行う。
※試運転に必要な薪は業者負担とする。
・設備据付後、現場作業員にて運転が可能となるまで、機器の試運転・調整及びオペレータ
ー教育を行う。
11)特記事項
・荷役機械、作業工具、溶接機、ガス溶断機等、場内で必要な設備は準備すること。
・工事中に発生した工事残材は、全て速やかに場外に搬出し適正な処分すること。
・記載なき事項については別途協議の上決定する。
・その他必要に応じて既存施設の撤去を行う。
7
配布資料3 基本設計資料
12)保証
・機器の性能確認および引き渡し完了後 2 ヵ年とする。
13)関連法令の確認
今回の薪ボイラー導入事業において、関連のある法令についてのみ以下に示します。
ア)大気汚染防止法
・対象となる条件:伝熱面積
10m2 以上(メーカによって対象となる可能性あり)
・規制内容:年 2 回の排気ガス測定義務があります。
・規制値:0.15g/m3N(排ガス中の酸素濃度
6%換算)
・必要となる手続き:ボイラーの設置届
・提出先:保健所など県の出先機関(大気汚染防止の所管)
イ)消防法
・対象となる条件:ボイラーを設置する場合は必ず設置届を出す必要があります。
燃料保管容量が 10m3 以上の場合
・規制内容:特にありません。ただし指導によって消火器などの設置が必要となります。
・必要となる手続き:炉の設置届、指定可燃物の保管の届出
・提出先:消防署
ウ)建築基準法
・対象となる条件:ボイラー建屋が対象となります。(コンテナなど装置の一部となる場合
はこの限りではありません。)
・規制内容:特にありません。
・必要となる手続き:要
以上
8