家庭生活と家族のコミュニケーションに関する 調査研究報告書

家庭生活と家族のコミュニケーションに関する
調査研究報告書
平 成 17 年 度
兵
庫
県
(財)21 世紀ヒューマンケア研究機構
家
庭
問
題
研
究
所
はじめに
近年、家族の小規模化や共働きの増加、長時間労働、子どもの塾通い、個室の付与等、様々な理
由から、家族のコミュニケーション機会が減少傾向にあります。児童虐待やDV、高齢者虐待、子
どもの凶悪犯罪など、家族・家庭をめぐる様々な社会問題が顕在化していますが、この背景の一つ
には、家族内のコミュニケーションの不足があるように思われてなりません。
情報化社会の進展により、携帯電話や電子メールなど、家族のコミュニケーションを支援できる
便利なツールが普及してきていますが、これも、家族のコミュニケーションを増やしていると肯定
的に評価される一方で、家族の顔と顔とをつきあわせたコミュニケーションを一層減少させている
という否定的な評価もなされているところです。
こうしたツールを上手に使うことができれば、面と向かっては言いにくいことまでさりげなく伝
えられるツールとなりうる反面、もともと顔を合わせたくないような意識が強い家庭では、さらに
家族の関係を希薄化させる傾向を強めることにつながっているのかもしれません。
こうした状況があるなかで、家族関係が良好な家族とそうでない家族との分かれ目はどこにある
のでしょうか。言い換えれば、家族の関係性を良好に保つコミュニケーションの秘訣はどこにある
のでしょうか。
こうした問題意識の下、兵庫県では、「家庭生活と家族のコミュニケーション」について家庭問
題研究所に調査をお願いしました。
県では、この調査結果を受け、家族が良好な関係性を築き、家庭の持つ力を向上するための施策
等の検討をすすめて参ります。
最後になりましたが、この調査研究に携わっていただいた関係者の方々をはじめ、ご協力をいた
だきました多くの方々に厚くお礼申し上げます。
平成 18 年3月
兵
庫
県
まえがき
この報告書は、平成 17 年度において家庭問題研究所が兵庫県の委託を受けて実施した「家
庭生活と家族のコミュニケーションに関する調査研究」をまとめたものです。
家族の中のコミュニケーションについては、生活時間のすれ違いなどによる希薄化が指
摘される一方で、携帯電話(とくにメール機能)の普及によって、これまでなかった親子
のコミュニケーションが生まれるという論など、その変化が社会の注目を集めているとい
ってよいでしょう。
価値観や規範が誰にとっても明らかなものとして存在しているときには、
「阿吽(あうん)
の呼吸」や「以心伝心」によって、意思の疎通が図れるかもしれません。しかし、さまざ
まな環境で育った人同士が家族を作り、さらに各成員が、人生のさまざまな時期において、
また日々の生活において、それぞれ異なる(場合によっては複数の)組織に参加するよう
になると、価値観や規範は自明のものではなくなり、家族を円滑に運営していくためにコ
ミュニケーションが重要な役割を果たすようになると考えられます。
こうしたことから本調査研究では、対象を家族における諸関係のなかで比較的対等で自
立した個人同士の関係が成立しやすい夫婦の関係に絞りました。そして、アンケートにお
いて、規範や価値観など家族に関わる意識、夫婦のコミュニケーションのありかた、家族
内外のネットワークやその満足度についての設問を用意し、その状況を明らかにするとと
もに、それらの諸要因が個人の孤独感に与える影響についても分析しています。またイン
タビューでは、選択式のアンケートではうかがい知れないような、コミュニケーションの
あり方と夫婦関係の満足度との間の複雑な関係を描き出しています。
概してコミュニケーションやネットワークの豊かさが孤独感を低くしていることは男女
を問わず示されていますが、なかには興味深い男女差も見られます。男性には見られない
傾向として、女性では一人で過ごす時間が少ないほど家庭で感じる孤独感が高いという一
見矛盾するようであるが、家庭内で妻のおかれた立場について非常に示唆的な結果も示さ
れています。また、若い世代であっても夫婦が、個人と個人のパートナーシップとしてで
はなく性別による役割分化によって、一対となった社会的存在として日常生活を営んでい
る兆候が読み取れることも重要な点です。詳細は本文をご参照ください。
最後になりましたが、アンケートにお答えくださった皆様、それに加えて長時間にわた
るインタビューにご協力くださった皆様、そして調査にあたってさまざまな面からご協力
いただいた皆様に、厚くお礼申し上げます。
平成 18 年3月
家庭問題研究所
所長代行
中
里
英
樹
研究体制
研究責任者
研究者
野々山
久
也
家庭問題研究所所長
甲南大学文学部教授
中
里
英
樹
家庭問題研究所所長代行
甲南大学文学部助教授
高
山
育
子
家庭問題研究所主任研究員
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程
齋
藤
優
子
家庭問題研究所特別研究員
生活協同組合コープこうべ
加
藤
慎
吾
家庭問題研究所特別研究員
竹中工務店
目次
序
調査研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第Ⅰ部
1
アンケート調査編
調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
第1節
調査の目的と方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
第2節
分析対象者の基本属性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
第1章
調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
第2章
第1節
現代の家族のありかた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
第2節
夫婦の勢力関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
第3節
「家庭での孤独感」と夫婦のコミュニケーション・・・・・・・・・・・・・ 34
アンケート調査のまとめと考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
第3章
第Ⅱ部
インタビュー調査編
調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
第1章
第1節
調査の目的と方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
第2節
調査対象者の属性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
第2章
インタビュー事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
第3章
インタビュー調査のまとめと考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
結語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
引用・参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
第Ⅲ部
資料編
アンケート用紙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 70
基礎集計表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
序
調査研究の目的
新聞やテレビでは、毎日のように、児童虐待や高齢者虐待、ドメスティックバイオレンス
など、家庭を舞台とする事件や事故が報道されている。あるいは子どもや高齢者、女性自
身が加害者となる事件も少なくない。また、フリーターやニート、ひきこもり、未婚化、
熟年離婚などが社会問題として語られる。こうした家族をめぐる「問題」が日常的に生じ、
語られているということは、家族の人間関係が変容しているということだけではなく、変
わりゆく社会状況のなかで、社会にとって、また、個人にとって「家族」という存在がも
つ意味そのものが変化しつつあることを示しているだろう。
平均初婚年齢が上昇する「晩婚化」や、生涯を未婚で過ごす人の割合が増える「未婚化」、
婚姻を解消する人が増える「離婚率」の上昇、また、夫婦 1 組あたりが産む子どもの数の
減少・・・。これらの現象は、「家族」というものをそもそも形成していくのかどうか、ま
た、形成するとして、いつ、どのような家族を形成するのか、そしてどのように家族を営
んでいくのかといった、家族をめぐるさまざまな決定が個人の選択に委ねられるようにな
ってきているということ、またその選択の幅が増大している結果とみなすことができる
(「家族の本質的個人化」山田 2004:341)。
本調査では、現代社会を、このような個人化の進展する社会として認識し、家族を構成す
る基礎的な単位の 1 つとしての夫婦に着目する。当たり前のこととして結婚し、何らかの
モデルや規範に従って家族を営んでいるのではなく、個人は意識的にパートナーを選択し、
家族に関する意識や社会的規範、性別役割に関する社会的慣習などを共有したり、修正し
たりしあいながら、日常的にコミュニケーションをとりあうなかで、夫婦の関係性を築き
上げ、家族や配偶者に対する満足度を高めていると考えられるからである。
本研究では、アンケート調査とインタビュー調査の 2 種類の調査をおこなった。アンケー
ト調査では、現在の兵庫県における家族や夫婦関係の全体的特性や変化を把握することを
主眼としている。インタビュー調査では、個々の夫婦の日常生活におけるコミュニケーシ
ョンのありかたの理解を目指している。
-1-
第Ⅰ部 アンケート調査編
第1章
調査の概要
第 1 節 調査の目的と方法
1.調査の目的
「序」でも述べたように、本調査では、家族関係のなかでも、特に夫婦間のコミュニ
ケーションに焦点をあてる。現代の夫婦のパートナーシップと、夫婦間のコミュニケーシ
ョンの特質、そして、夫婦間のコミュニケーションと家族関係の安定性について検討する。
家庭問題研究所ではこれまでにも「家庭の機能・役割に関する調査」
(1994 年)
「夫婦
の勢力関係に関する調査」(1995 年度)、「家族の多様化に関する調査」
(1997 年度)
、「家
族の共有時間の確保と活用に関する調査」(1997 年度)、「家族行事に関する調査」
(1998
年度)、「家族のきずなに関する調査」(2001 年度)、「成人期の親子関係に関する調査」
(2004 年度)など、家族のあり方に関する調査を継続的におこなってきた。本調査を設
計するにあたってはこうした調査を参照した。兵庫県民を母集団とするこれらの貴重な調
査の結果について、比較可能なものは比較し、家族関係についての変化の早い側面や、変
化の遅い側面について考察を加える。
2.調査の方法
調査はアンケート(質問紙)調査法とインタビュー調査法の 2 つの方法でおこなった。
アンケート調査の実施概要は以下のとおりである。なお、インタビュー調査の概要につい
ては本報告書第Ⅱ部 インタビュー調査編(pp.49-66)に記している。アンケート調査は高
山が、インタビュー調査は齋藤と加藤が主として担当した。
3.アンケート調査の調査設計
3-1. 調査地域
兵庫県全域
3-2.調査対象
35 歳から 64 歳までの男女
『住民基本台帳』にもとづき、2005 年 12 月末日現在において 35 歳から 64 歳までの
男女をサンプルとして抽出した。
3-3.アンケート配布数
3-4.抽出方法
3,000 票
層化二段無作為抽出法
地域(10 地域)と人口規模(6 種類)の 2 つの基準で兵庫県全体を層化し、兵
庫県全域から無作為にサンプルを抽出した。
υ 抽出の手順
①兵庫県内の市町村を、県民局を単位とした 10 地域に分類(表 1-1-1 参照)。
-5-
表 1-1-1 地域区分
地域
該当市・郡
神戸
阪神南
阪神北
東播磨
北播磨
中播磨
西播磨
但馬
丹波
淡路
神戸市(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、北区、長田区、須磨区、垂水区、西区)
尼崎市、西宮市、芦屋市
伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、川辺郡
明石市、加古川市、高砂市、加古郡
西脇市、三木市、小野市、加西市、美嚢郡、加東郡、多可郡
姫路市、飾磨郡、神崎郡
相生市、龍野市、赤穂市、揖保郡、赤穂郡、佐用郡、宍粟市、宍粟郡
豊岡市、養父市、美方郡、朝来市
篠山市、丹波市
洲本市、南あわじ市、淡路市、津名郡
②各市、郡を人口規模により 6 層に分類(表 1-1-2 参照)し、各世帯数1に応じ
て 3,000 票を配分した。
表 1-1-2 人口規模別市・郡
人口規模
①100 万人以上の市
②30 万人以上 100 万人
未満の市
③20 万人以上 30 万人未
満の市
④10 万人以上 20 万人未
満の市
⑤10 万人未満の市
⑥郡
該当市・郡
サンプル数
神戸市
900
姫路市、尼崎市、西宮市
790
明石市、加古川市、宝塚市
440
伊丹市、川西市、三田市
240
高砂市、芦屋市、三木市、赤穂市、加西市、小野
市、豊岡市、篠山市、龍野市、洲本市、西脇市、
相生市、養父市、丹波市、南あわじ市、淡路市、
宍栗郡、朝来市
川辺郡、美嚢郡、加東郡、多可郡、加古郡、飾磨
郡、神崎郡、揖保郡、赤穂郡、佐用郡、宍栗郡、
美方郡、津名郡
410
220
③調査地点の抽出とサンプル数の決定
調査地点を無作為に抽出し、各調査地点の世帯数に応じてサンプル数を決
定した。
④調査対象者の決定
『住民基本台帳』から調査対象者を無作為に抽出した。
調査地点の人口
抽出間隔=
調査地点のアンケート配布数
1
2005 年 5 月 1 日現在の推計世帯数を使用。
-6-
3-5.調査内容
① 家族に関する一般的な意識
② 家族との共有行動や家族関係について
③ 個人的状況、コミュニケーションの志向性
④ 夫婦間のコミュニケーション
⑤ 子どもの教育
⑥ 個人属性・家族構成
⑦ その他(自由回答)
3-6.調査方法
郵送法によるアンケート調査(自計式)
3-7.調査時期
2005(平成 17)年 8 月上旬
3-8.実施機関
(財)21 世紀ヒューマンケア研究機構
家庭問題研究所
3-9.回収数・有効回収数・回収率
総回収票は 711 票(回収率は 23.7%)。回答者の属性を示すフェイスシート項目が
すべて無回答であるもの、および全質問項目の半分以上に対して無回答であるものを
無効票とした結果、有効回収票数は 692 票(有効回収率は 23.1%)となった。
地域別および男女別のアンケート配布数および有効回収数、有効回収率は、表 1-1-3
に示すとおりである。地域別では、丹波地域の回収率が低く(16.0%)、但馬地域の
回収率が高い(36.7%)が、おおむね県内の地域別の世帯分布と、有効回収票の回答
者分布は一致している。
表 1-1-3 地域別回収状況
アンケート
有効
有効回収率
地域別
地域別
地域
配布数
回収数
(%)
回答者分布(%)
世帯分布(%) *
神戸
900
193
21.4
27.9
30.0
阪神南
590
119
20.2
17.2
19.8
阪神北
370
89
24.1
12.9
12.3
東播磨
370
92
24.9
13.3
12.2
北播磨
130
26
20.0
3.8
4.4
中播磨
290
77
26.6
11.1
9.7
西播磨
130
38
29.2
5.5
4.4
但馬
90
33
36.7
4.8
2.9
丹波
50
8
16.0
1.2
1.7
淡路
80
16
20.0
2.3
2.5
合計
3,000
692
23.1
100.0
100.0
注)「地域別世帯分布」は、2005 年 5 月 1 日現在の推計世帯数にもとづく。
3-10.
分析手続き
統計処理は、SPSS for Windows ver.13.01J を用いておこなった。
分析に用いた統計的検定の手続きについては、以下の通りである。
-7-
2 つの変数(離散変数)間の関連を調べる場合はカイ二乗(χ2)検定をおこない、
「母集団において関連がない」という仮説を有意水準α=0.05(*)または 0.01(**)
および 0.001(***)で棄却できる(有意確率 p<0.05、p<0.01、p<0.001)場合に
有意な関連があるとした。ただし、2 つの変数を用いてクロス表を作成した際に各セ
ルにおける期待度数が 5 未満になる場合には、検定を施さなかった。また、グループ
間での平均の差の検定には分散分析を行ない、これも同様に有意水準α=0.05(*)
または 0.01(**)、0.001(***)とした。これらの検定の結果は、それぞれの図表中
に示した。
なお、百分率で集計した結果を示す際には、まるめのため合計が 100.0%にならな
い場合がある。また、複数回答形式(M.A.)の項目については、回答者全体(または
男性回答者全体、女性回答者全体)を 100.0%として集計した。
第2節
分析対象者の基本属性
有効回収票 692 ケースを分析の対象とする。以下、分析対象となる回答者の基本属性を
確認しておく。
1.性別
アンケートは、男女同数になるよう配布したが、回答者は表 1-2-1 に示すように、女性
が 61.0%、男性が 39.0%である。2005 年 5 月 1 日現在の 20 歳以上の推計人口は女性 52.1%、
男性 47.9%であるから、分析対象は母集団にくらべて男性が少ない。このような母集団と
サンプルの男女の構成比のずれについては留意を要する。
表 1-2-1 回答者の男女比
回答者
人
422
270
692
女性
男性
合計
%
61.0
39.0
100.0
推計人口
2005.5.1 現在(%)
52.1
47.9
100.0
2.年齢層
つぎに、表 1-2-2 に示すように 35 歳から 10 歳きざみで 3 段階に分けてそれぞれの割合
をみると、女性、男性ともに 35-44 歳の比較的若い世代の回答者が少ない。平均年齢は、
女性 50.2 歳(標準偏差は 7.9 歳)、男性 50.8 歳(同 8.5 歳)であった。
表 1-2-2 回答者の性別年齢層
35-44 歳
45-54 歳
55-64 歳
不明
合計
女性
人
116
152
151
3
422
%
27.5
36.0
35.8
0.7
100.0
男性
人
70
89
111
0
270
%
25.9
33.0
41.1
0.0
100.0
合計
人
186
241
262
3
692
%
26.9
34.8
37.9
0.4
100.0
注)「不明」を除く平均年齢:女性 50.2 歳(S.D.=7.9)
、男性 50.8 歳(S.D.=8.5)
-8-
3.配偶者の有無
現に配偶者がいるかどうかをみると、表 1-2-3 に示すように男女とも約 85%に、現に配
偶者がいる。配偶者がいない人の内訳をみると(表は省略)、女性は高齢世代ほど多く、逆
に男性は若い世代ほど多い。設問の設計上、無配偶者が未婚者であるのか離死別者である
のか区別できないが、年齢や子どもがいるかどうかから推測すると、無配偶者の内訳は男
女で異なっており、女性は離死別者が多く、男性は未婚者が多いと思われる。
表 1-2-3 性別・配偶者の有無
有配偶
無配偶
合計
女性
人
354
68
422
%
83.9
16.1
100.0
男性
人
234
36
270
%
86.7
13.3
100.0
合計
人
588
104
692
%
85.0
15.0
100.0
4.子どもの有無
子どもの有無ついては、表 1-2-4 に示している。男女とも回答者の約 8 割が、現に配偶
者と子どもがいる人である。
表 1-2-4 性別・配偶関係別子どもの有無
子どもあり
子どもなし
人
%
人
%
有配偶
324
77.0
30
7.1
女
無配偶
39
9.3
29
6.9
性
小計
363
86.2
59
14.0
有配偶
215
79.6
18
6.7
男
無配偶
8
3.0
28
10.4
性
小計
223
82.6
46
17.0
注)表中、子どもの有無が不明の 1 ケースは省略している。
合計
人
353
68
421
234
36
270
%
83.8
16.2
100.0
86.7
13.3
100.0
5.就業状況
まず、収入をともなう仕事に就いているかどうかをみると、女性の 62.1%、男性の 84.1%
が、現在、何らかの仕事をしている。
回答者本人の職業についてみてみると、表 1-2-5 に示すように、女性では「無職」がも
っとも多く、全体の 35.8%である。収入をともなう仕事に就いている人でもっとも多いの
は「臨時雇用者」(全体の 27.0%)で、「常時雇用者」(同 16.8%)よりも多い。一方、男
性は回答者全体の約 6 割(59.3%)が「常時雇用者」で、
「無職」は 13.0%である。女性の
有職者でもっとも多い「臨時雇用者」は、男性では全体の 3.7%にすぎない。
表 1-2-5 には、回答者の配偶者の職業も示しているが、男女別の職業構成比は、回答者
本人の職業構成比とほぼ同じであることが確認できる。
-9-
表 1-2-5 性別仕事の状況
経営者・役員
常時雇用者
臨時雇用者
派遣社員
嘱託社員
現在就い
内職
ている
自営業主
家族従業者
自由業
その他
無回答
小計
無職
無回答
合計
女性
回答者本人
配偶者
(422 人) (234 人)
3.1
1.3
16.8
13.7
27.0
29.5
0.9
0.4
1.9
1.3
0.7
0.0
3.1
1.3
4.3
4.3
1.7
1.7
1.9
1.7
0.7
0.0
55.1
62.1
35.8
41.5
2.1
3.4
100.0
100.0
(%)
男性
回答者本人
配偶者
(270 人) (354 人)
7.4
8.8
59.3
56.8
3.7
5.1
1.5
0.8
2.6
1.4
0.0
0.0
7.8
8.5
0.7
0.6
0.4
0.6
0.7
1.4
0.0
0.6
84.1
84.5
13.0
11.0
3.0
4.5
100.0
100.0
6.世帯の種類
表 1-2-6 は、2000 年に実施された『国勢調査』の世帯分類にもとづく「一般世帯人員」
と、本調査回答者の世帯構成別人数を比較したものである2。国勢調査と本調査では年齢構
成が異なるため大まかな比較になるが、本調査回答者の家族構成に、それほどゆがみはみ
られない。
2
世帯の分類については、以下の 2 点に留意する必要がある。第 1 点は、
「世帯」は現に一緒に
暮らしている家族成員にもとづいて分類されるため、進学や単身赴任などで家族と離れて暮らし
ている家族成員は含まれない。そのため、日常的に当事者が抱いている「家族」の概念と「世帯」
の概念とは異なっている。表 1-2-7 は、本調査の回答者を国勢調査における「世帯」と同様の定
義に従って分類した(問 1 による)結果である。2 つめは、本調査における世帯分類に際して、
「夫婦」が指しているものが、調査回答者本人夫婦、親夫婦、子ども夫婦の 3 種類あるという点
である。国勢調査の世帯分類は、夫婦を基本とする分類様式となっている。そのため、回答者が
配偶者と一緒に暮らしておらず、かつ、両親と暮らしているか、あるいは一緒に暮らしている子
どもに配偶者がいる場合は、そのどちらかの世代の夫婦が「夫婦」として分類の基礎となる。た
とえば回答者の両親と回答者、回答者の子どもが一緒に暮らしている場合、普通にイメージする
のは三世代同居であるが、この分類では、「夫婦と子どもとその他の親族」という分類になる(こ
の家族構成に回答者の配偶者が含まれていれば、「夫婦、子どもと両親」になる)。
- 10 -
表 1-2-6 世帯の分類
A親族世帯
Ⅰ核家族世帯
(1)夫婦のみ
(2)夫婦と子供
(3)男親と子供
(4)女親と子供
Ⅱその他の親族世帯
(5)夫婦と両親
(6)夫婦とひとり親
(7)夫婦,子供と両親
(8)夫婦,子供とひとり親
(9)夫婦と他の親族(親,子供を含まない)
(10)夫婦,子供と他の親族(親を含まない)
(11)夫婦,親と他の親族(子供を含まない)
(12)夫婦,子供,親と他の親族
(13)兄弟姉妹のみ
(14)他に分類されない親族世帯
B非親族世帯
C単独世帯
不明
総数
兵庫県(2000 年)
一般世帯
構成比
人員
90.5
4,953,656
3,863,330
70.6
824,849
15.1
2,650,365
48.4
58,417
1.1
329,699
6.0
1,090,326
19.9
31,035
0.6
84,340
1.5
287,956
5.3
403,554
7.4
15,694
0.3
62,310
1.1
17,668
0.3
92,296
1.7
25,125
0.5
70,348
1.3
13,376
0.2
507,753
9.3
5,474,785
100.0
注)兵庫県の値は、2000 年の国勢調査より引用。
- 11 -
本調査
人数
656
488
125
321
8
34
168
8
23
47
38
4
14
3
9
4
18
1
32
3
692
構成比
94.8
70.5
18.1
46.4
1.2
4.9
24.3
1.2
3.3
6.8
5.5
0.6
2.0
0.4
1.3
0.6
2.6
0.1
4.6
0.4
100.0
差
4.32
-0.05
3.00
-2.02
0.09
-1.11
4.36
0.59
1.78
1.53
-1.88
0.29
0.88
0.11
-0.39
0.12
1.32
-0.10
-4.65
0.43
第2章
調査結果
第 1 節 現代の家族のありかた
1.家族に関する意識
1−1.夫婦関係の尊重
家族に関する一般的な意識として、親子関係や、夫婦関係、結婚などについて、合計 14
項目を挙げ、賛否を尋ねた。各項目に対する回答は巻末の基礎集計表(巻末表:問 8)に掲
載しているので、ここでは、35-44 歳、45-54 歳、55-64 歳の 3 つに分けて世代別の回答傾
向をみておこう。
表 2-1-1 は、選択肢に賛成=1 から反対=5 までのスコアを与えて年代別平均を求め、一
元配置の分散分析をおこなった結果である。F 値は、その値が大きいほど、世代による回答
傾向に差があることを示すものであり、また、
「その後の検定」では、3 つの年代のどこに
格差があるかを示すものである。「その後の検定」欄の、「n.s.(no significance)」はどの
年代の間にも有意な差がないことを、*(アスタリスク)が上段ある場合は、「35-44 歳」
と「45-54 歳」のあいだに、中段にある場合は「35-44 歳」と「55-64 歳」のあいだに、下
段にある場合は「45-54 歳」と「55-64 歳」のあいだに差があることを示している。なお、
*の個数は統計的有意性の水準を示しており、*<0.05、**<0.01、***<0.001 である(以
下、本報告書では同様に用いる)。
「(4)結婚しても、自分の生き方を大切にするべきだ」、「(7)女性も職業をもつべきだ」、
「(11)子どもは親の恩に報いるべきだ」、「(12)夫婦は、二人でいる時間を大切にするべき
だ」、「(13)子どものいる夫婦は、自分たちのことよりも、子どものことを第一に考えるべ
きだ」、「(14)たとえ夫婦でもプライバシーは尊重するべきだ」の 6 項目については、年代
による差はみられない。
このうち、
「(4)結婚しても、自分の生き方を大切にするべきだ」(「賛成」+「どちらか
とえいえば賛成」:63.6%)、「(7)女性も職業をもつべきだ」
(同:58.8%)には約 6 割が、
また、「(12)夫婦は、二人でいる時間を大切にするべきだ」(同:74.0%)、「(14)たとえ夫
婦でもプライバシーは尊重するべきだ」(同:82.2%)には約 8 割の人が賛成しており、多
くの人が、夫婦関係の対等性を支持し、夫婦関係を尊重していることがわかる。また、「(13)
子どものいる夫婦は、自分たちのことよりも、子どものことを第一に考えるべきだ」は約 5
割(同:46.5%)が賛成しており、「どちらともいえない」を選択している人も約 4 割(41.2%)
いる。夫婦 2 人の関係を重視していても、夫婦にとって子どもは特別な存在である。
1−2.家族規範からの距離
上記 6 項目を除く 8 項目では、年代による差がみられた。なかでも、「(5)子どもは家を
継ぐべきだ」については、3 つの世代で明確な格差が確認されており、若い世代ほど、はっ
きりと反対する人が多い(「反対」:35-44 歳 18.3%、45-54 歳 10.8%、55-64 歳 6.1%)。
そのほか、「(3)家族は血のつながりが大事だ」(「反対」+「どちらかといえば反対」:35-44
歳 17.7%、45-54 歳 10.0%、55-64 歳 4.2%)、「(6)子どもが 3 歳くらいまでは、母親は仕
事をもたず育児に専念するべきだ」
(同:35-44 歳 14.6%、45-54 歳 4.6%、55-64 歳 5.8%)、
「(10)結婚したら子どもをもつほうがよい」(同:35-44 歳 1.6%、45-54 歳 0.3%、55-64 歳
- 12 -
1.5%)、「(2)家族を(経済的に)養うのは男性の役割だ」(同:35-44 歳 11.8%、45-54 歳
6.2%、55-64 歳 2.7%)に対しては、若い人ほど反対する傾向があり、「(9)夫婦が別姓を
選択できるようにするべきだ」(「賛成」+「どちらかといえば賛成」:35-44 歳 32.3%、
45-54 歳 20.4%、55-64 歳 18.3%)は、若い世代ほど賛成する人が多い(以上、年齢別回
答表は省略)
。
表 2-1-1 家族意識における年代差
一元配置の
その後
分散分析
の検定
F 値
(4)結婚しても自分の生き方を大切にするべきだ
35-44 歳
184
2.20
0.86
45-54 歳
237
2.18
0.88
0.118
n.s.
55-64 歳
255
2.16
0.85
合計
676
2.18
0.86
(7)女性も職業をもつべきだ
35-44 歳
184
2.21
0.84
45-54 歳
237
2.21
0.85
0.240
n.s.
55-64 歳
255
2.16
0.93
合計
676
2.19
0.88
(11)親の恩に報いるべきだ
35-44 歳
183
2.69
0.99
45-54 歳
236
2.59
0.96
0.550
n.s.
55-64 歳
253
2.62
0.85
合計
672
2.63
0.93
(12)夫婦の時間を大切にするべきだ
35-44 歳
184
1.95
0.83
45-54 歳
237
1.88
0.84
1.205
n.s.
55-64 歳
254
1.82
0.79
合計
675
1.88
0.82
(14)夫婦間のプライバシーを大切にするべきだ
35-44 歳
184
1.76
0.75
45-54 歳
236
1.69
0.80
1.487
n.s.
55-64 歳
256
1.82
0.79
合計
676
1.76
0.78
(13)夫婦のことより子どものことを第一に考えるべきだ
35-44 歳
184
2.46
0.86
45-54 歳
237
2.54
0.94
0.890
n.s.
55-64 歳
256
2.57
0.95
合計
677
2.53
0.92
(1)生涯独身は望ましくない(反転)
35-44 歳
184
3.32
1.06
n.s.
45-54 歳
236
3.50
1.04
12.680***
***
55-64 歳
257
3.82
1.12
***
合計
677
3.57
1.09
(3)家族は血のつながりが大事だ
35-44 歳
184
2.82
0.94
*
45-54 歳
237
2.58
0.91
14.770***
***
55-64 歳
254
2.33
0.91
***
合計
675
2.55
0.94
度数
平均値
標準偏差
- 13 -
度数
平均値
標準偏差
一元配置の
分散分析
F 値
その後
の検定
(5)子どもは家を継ぐべきだ
35-44 歳
183
3.31
1.06
***
45-54 歳
237
2.95
1.04
24.454***
***
55-64 歳
256
2.60
1.06
***
合計
676
2.91
1.09
(10)結婚したら子どもをもつ方がよい
35-44 歳
184
2.07
0.87
***
45-54 歳
235
1.77
0.80
13.004***
***
55-64 歳
254
1.66
0.86
n.s.
合計
673
1.81
0.85
(2)経済的扶養は男性の役割だ
35-44 歳
184
2.57
1.05
*
45-54 歳
237
2.35
0.91
8.592***
***
55-64 歳
256
2.19
0.87
n.s.
合計
677
2.35
0.94
(6)子どもが 3 歳くらいまでは母親は育児に専念するべきだ
35-44 歳
184
2.49
1.13
***
45-54 歳
237
1.95
0.96
24.677***
***
55-64 歳
255
1.82
1.02
n.s.
合計
676
2.05
1.07
(8)高齢者介護は家族でおこなうべきだ
35-44 歳
184
2.97
1.03
n.s.
45-54 歳
236
2.85
0.85
3.064*
*
55-64 歳
257
2.74
0.95
n.s.
合計
677
2.84
0.94
(9)夫婦別姓選択制を制定すべきだ
35-44 歳
184
2.87
1.14
**
45-54 歳
235
3.20
1.15
8.917***
***
55-64 歳
255
3.34
1.18
n.s.
合計
674
3.16
1.17
注)平均値は、賛成=1 ∼ 反対=5 として算出。ただし、(1)は賛成=5、反対=1 と
反転して算出。
その後の検定は上段:35-44 歳と 45-54 歳、中段:35-44 歳と 55-64 歳、下段:45-54
歳と 55-64 歳の平均値の差に対する検定結果。
1−3.家族意識の類型化
−「家族」の自明視と、主体的選択としての家族−
主成分分析をおこなって、上述の 14 項目にわたる家族に関する意識を決定する成分を抽
出すると3、固有値が 1 以上の成分が 4 つ抽出された(表 2-1-2)。項目別に、固有ベクトル
(表 2-1-3)の絶対値がもっとも大きい項目を挙げると、第 1 主成分の値がもっとも大きい
項目は「(2)家族を養うのは男性の役割」、「(10)結婚したら子どもをもつほうがよい」、
「(5)子どもは家を継ぐべき」、「(3)血のつながりが大事」、「(8) 高齢者介護は家族が行う
べき」、「(6)3 歳までは母親は育児に専念するべき」、「(9)夫婦別姓選択制に賛成」(−)、
「(1)生涯独身は望ましくない(反転)」(−)などの8つである。これらの項目を統合する
3
賛成=1、どちらかといえば賛成=2、どちらともいえない=3、どちらかといえば反対=4、反
対=5 として計算。ただし、「 (1)生涯を独身で過ごすのは望ましい生き方ではない」は賛成と
反対の数値を逆転させた。
- 14 -
と、結婚をして子どもをつことや夫婦間での役割分業を自明視ししているだけではなく、
世代の継承も重視するような家族意識が浮かびあがってくる。そこで第 1 主成分を「家族
の自明性」と名づける。
表 2-1-2 固有値・寄与率・累積寄与率
成分
1
2
3
4
固有値
寄与率(%)
3.663
1.599
1.048
1.012
26.2
11.4
7.5
7.2
累積寄与率
(%)
26.2
37.6
45.1
52.3
表 2-1-3 固有ベクトル
第 1 主成分 第 2 主成分 第 3 主成分 第 4 主成分
家族の
恋愛結婚
個人志向
血縁重視
自明性
主義
(2) 家族を経済的に養うのは男性の役割
0.70
-0.13
-0.10
0.17
(10) 結婚したら子どもをもつほうがよい
0.69
0.16
-0.03
-0.23
(5) 子どもの 1 人は家を継ぐべき
0.67
-0.03
0.33
0.11
(3) 家族は血のつながりが大事
0.66
0.13
0.22
0.30
(8) 高齢者介護は家族の役割
0.59
0.13
0.16
0.03
(6) 3 歳までは母親は育児に専念すべき
0.55
-0.02
-0.29
0.28
(9) 夫婦別姓選択制に賛成
-0.50
0.30
0.23
-0.11
(1) 生涯独身は望ましくない(反転)
-0.61
-0.06
0.12
0.22
(7) 女性も職業をもつべき
-0.19
0.68
0.14
-0.18
(14) 夫婦でもプライバシーは尊重すべき
-0.08
0.66
-0.38
0.19
(4) 結婚しても自分の生き方を大切にするべき
-0.08
0.65
0.12
0.45
(11) 親の恩には報いるべき
0.47
0.14
0.52
-0.27
(13) 夫婦のことより子どもを第一に考えるべき
0.38
0.04
-0.39
0.01
(12) 夫婦でいる時間を大切にするべき
0.32
0.32
-0.31
-0.58
注)賛成=1、どちらかといえば賛成=2、どちらともいえない=3、どちらかといえば反対=4、反対=5。
表中では、項目ごとに固有ベクトルの絶対値がもっとも大きい主成分を
で囲っているが、各主成
分の特性はすべての項目の固有ベクトルから総合的に読み解くものであり、
で囲われた項目のみ
が、各主成分を構成しているというわけではない。
第 2 主成分は、「(7)女性も職業をもつべきだ」
、「(14)夫婦でもプライバシーを尊重す
るべき」、「(4)結婚しても自分の生き方を大切にするべき」の 3 項目の固有ベクトルの絶
対値が大きい。これらは、家族を形成するのか、また、家族をどのように営んでいくのか
といった「家族」そのものとは関係なく、個人のライフスタイルを重視したものと考えら
れることから、「個人志向」と名づける。第 3 主成分は「(11)親の恩に報いるべきだ」、
「(13)
夫婦は子どものことを第一に考えるべきだ」(−)の 2 項目の値が大きく、そのほか、「(5)
家を継ぐべき」、「(14)夫婦でもプライバシーを尊重するべき」(−)、「(9)夫婦別姓選択
制に賛成」、「(3)血のつながりが大事だ」などの絶対値が大きいことから、「血縁重視」と
名づける。最後に、第 4 主成分を特徴づけているのは「(12)夫婦二人の時間を大切にする
べき」、あるいは「(4)結婚しても自分の生き方を大切にするべき」であるが、その他にも
多くの要素が混ざっていて意味の解釈が困難である。夫婦の役割や血縁など家族について
の自明性をもちながら、生涯独身でいることや結婚しても必ずしも子どもをもたなくても
- 15 -
よいなど、個人的選択も支持する傾向がある。これらは、理想の結婚生活をイメージして
いてかつすべての結婚は恋愛結婚であるべき(だからふさわしい相手に出会うまでは結婚
しない)という「近代的恋愛観」(山田 2004:116-134)に近いイメージを示していること
から、「恋愛結婚主義」と名づける。
主成分分析は、その分析上の特性により、第 1 主成分は家族に関する意識を総体的に決
定づける要因として抽出される。この第 1 主成分によって示される家族意識には、夫婦を
単位とし、性別役割分業をおこない、子どもを中心に考えるといった「近代家族」(落合:
2004:103)に相当する項目だけではなく、血縁に基づく世代間の関係性も重視する、「直
系家族制」に相当する意識項目も含まれている点が興味深い。
また、性別および年齢別に見ると(表 2-1-4)、若い世代と女性は、第 1 主成分である「家
族の自明性」から距離をおいていることが示されている。また、第 4 主成分「恋愛結婚主
義」も男女差があり、女性に強くみられる意識である。
ここで抽出された家族に関する意識の 4 つの主成分については、第 3 節で改めて分析に
用いる。
表 2-1-4 「家族意識」主成分スコアの基本統計量(性別・年齢別)
第 1 主成分
第 2 主成分
第 3 主成分
第 4 主成分
女性(407 人)
男性(253 人)
合計(660 人)
35-44 歳(182 人)
45-54 歳(231 人)
55-64 歳(244 人)
合計(657 人)
女性(407 人)
男性(253 人)
合計(660 人)
35-44 歳(182 人)
45-54 歳(231 人)
55-64 歳(244 人)
合計(657 人)
女性(407 人)
男性(253 人)
合計(660 人)
35-44 歳(182 人)
45-54 歳(231 人)
55-64 歳(244 人)
合計(657 人)
女性(407 人)
男性(253 人)
合計(660 人)
35-44 歳(182 人)
45-54 歳(231 人)
55-64 歳(244 人)
合計(657 人)
平均値
0.244
-0.392
0.000
0.368
-0.011
-0.270
-0.002
-0.049
0.079
0.000
0.051
-0.017
-0.013
0.003
0.031
-0.050
0.000
0.001
0.050
-0.050
-0.001
-0.065
0.105
0.000
0.127
-0.043
-0.056
0.000
標準偏差
0.988
0.891
1.000
1.055
0.888
0.978
1.001
0.985
1.020
1.000
0.977
0.921
1.088
1.000
0.971
1.046
1.000
0.997
1.081
0.922
1.000
1.077
0.853
1.000
1.032
1.051
0.924
1.002
- 16 -
最小値
-2.039
-2.531
-2.531
-2.308
-2.035
-2.531
-2.531
-2.365
-2.400
-2.400
-2.295
-2.365
-2.400
-2.400
-3.184
-3.773
-3.773
-3.184
-2.868
-3.773
-3.773
-3.962
-2.131
-3.962
-2.373
-3.739
-3.962
-3.962
最大値
4.548
4.334
4.548
4.548
2.904
4.334
4.548
3.503
2.639
3.503
2.717
2.409
3.503
3.503
3.268
4.175
4.175
2.808
4.175
3.268
4.175
3.325
2.335
3.325
3.295
3.325
2.277
3.325
F値
69.568 ***
22.555 ***
2.550 n.s.
0.287 n.s.
1.012 n.s.
0.583 n.s.
4.530 *
2.060 n.s.
2.現実の家族のありかた
2−1.親との関係−選択的別居・同居率、夫方同居と妻方同居の趨勢−
表 2-1-5 は、有配偶者 588 名について、現に父母と暮らしているかどうか(巻末表:問 1)
と、現在、父母がいるかどうか(巻末表:問 2)から算出した、妻、夫それぞれの父母との
同居率である。つまり、選択的に親世代と同居している割合を算出している。これによれ
ば、選択的夫方同居は約 30%、選択的妻方同居は約 5%である。
結婚後経過年数別に集計すると(表 2-1-6-①および表 2-1-6-②)、結婚してしばらくは
どちらの親とも同居しないで、夫婦を中心とする核家族を営むが、結婚後 10∼20 年経過す
ると親世代と同居する人が増えるという傾向を示している。日本では夫婦を基礎とする核
家族が増加しているものの、それは人口学的要因(きょうだい数が多い)や都市化による
一時的別居によるものであり、「直系家族制」そのものが崩れているためではないとする、
「修正直系家族制」を支持する観察結果(加藤:2003)と、また、先にみた「近代家族」
と「直系家族制」の規範意識が混在している家族意識とも一致する結果である。
表 2-1-5 性別・親との同居率
妻の父
a
b
妻の母
同居
率(%)
4.0
4.4
4.2
女性
149
6
男性
90
4
合計
239
10
注)a:親がいる人の数
b:親と同居している人の数
同居率:b/a×100
a
229
142
371
b
14
9
23
夫の父
同居
率(%)
6.1
6.3
6.2
a
117
86
203
b
32
25
57
夫の母
同居
率(%)
27.4
29.1
28.1
a
154
105
259
b
56
34
90
同居
率(%)
36.4
32.4
34.7
表 2-1-6-① 結婚後経過年数別・妻の親との同居率
妻の親
うち
生存
死亡
無回答
合計
選択的同居率
結婚後経過年数
92.7
0.0
7.3
0.0
100.0
0-9 年(41 人)
10-19 年(137 人)
86.9
7.6
12.4
0.7
100.0
20-29 年(177 人)
76.8
5.1
23.2
0.0
100.0
30-39 年(198 人)
47.5
7.4
52.5
0.0
100.0
40-49 年(20 人)
30.0
16.7
70.0
0.0
100.0
無回答(15 人)
53.3
12.5
46.7
0.0
100.0
合計(588 人)
68.2
6.2
31.6
0.2
100.0
注)妻の親:妻の父母のうち、どちらか 1 人でも存命であれば「生存」、2 人とも死亡していれば「死
亡」。
選択的同居率:妻の親が存命である人のうち、妻の親と同居している人の割合。
- 17 -
表 2-1-6-② 結婚後経過年数別・夫の親との同居率
夫の親
うち
生存
死亡
無回答
合計
選択的同居率
結婚後経過年数
87.8
13.9
12.2
0.0
100.0
0-9 年(41 人)
10-19 年(137 人)
80.3
18.2
19.0
0.7
100.0
20-29 年(177 人)
70.6
36.8
29.4
0.0
100.0
30-39 年(198 人)
39.4
35.9
60.6
0.0
100.0
40-49 年(20 人)
25.0
20.0
75.0
0.0
100.0
無回答(15 人)
26.7
50.0
73.3
0.0
100.0
合計(588 人)
60.9
28.5
38.9
0.2
100.0
注)夫の親:夫の父母のうち、どちらか 1 人でも存命であれば「生存」、2 人とも死亡していれば「死
亡」。
選択的同居率:夫の親が存命である人のうち、夫の親と同居している人の割合。
2−2.現代の夫婦のありかた
2−2−1.夫婦のパートナーシップ
結婚の類型(巻末表:問 14)、結婚までの交際期間(巻末表:問 15)、夫婦共通の友人(巻
末表:問 25)から、現代の夫婦のパートナーシップについてみてみる。
まず結婚の類型からみると、55 歳以上では、見合い結婚が 43.4%、恋愛結婚が 53.1%と
ほぼ同数であったのに対して、若い世代ほど恋愛結婚が多い(巻末表:問 14)。
「35-44 歳」
では、83.8%が恋愛結婚である。次に、結婚にいたるまでの交際期間は、各世代とも 1 年
未満が最も多いが、若い世代ほど交際期間が 6 ヶ月未満であった人が減り、4 年以上交際を
した人が増える(巻末表:問 15)。平均交際期間は 35-44 歳では約 2.7 年、45-54 歳では約
2.2 年、55-64 歳では約 1.7 年である(表 2-1-7)。長い恋愛期間のあいだにお互いのことを
よく知り、結婚する夫婦が増えていることが推測される。また、夫婦共通の友人がいると
回答した人も、わずかながら、若い世代ほど多い(巻末表:問 25)。
こうしたことは、夫婦の対等性や恋愛感情のもとづく「友愛結婚」が増加していること
を示している。
表 2-1-7 年代別・結婚までの交際期間
(年)
平均値
標準偏差
最小値
最大値
35-44 歳(150 人)
2.69
2.16
0.25
12
45-54 歳(197 人)
2.18
2.19
0.25
19
55-64 歳(217 人)
1.70
1.48
0.25
11
不明(3 人)
1.67
0.58
1
2
合計(567 人)
2.13
1.97
0.25
19
注)わからない、無回答はのぞく。
3 ヶ月未満=0.25、6 ヶ月未満=0.5、1 年未満=1、2 年未満=2、3 年
未満=3、4 年未満=4、4 年以上=各年数として計算。
年齢不明を除く F 値=11.811***
では、年齢や学歴、所得(就業状態)などといった変数について、夫婦間の対称性/非
対称性はどうなっているのだろうか。
年齢をみると、カップルの 73.6%は、夫が年長である。妻が年長のカップルは 10.2%で
- 18 -
ある。同年齢∼夫が3歳年長はそれぞれ1割強ずつで(同年齢 14.3%、1歳差 11.7%、2
歳差 13.8%、3歳差 12.2%)、夫が 5 歳以上年長のカップルも 26.2%いる。妻が年長の場
合を−(マイナス)としたカップルの年齢差の平均値は 2.88 歳で、年代による有意差はな
い。
表 2-1-8-① 夫婦の年齢差
人
妻が年長
(10.2%)
同年齢
夫が年長
(73.6%)
−3 歳以上
−2 歳
−1 歳
%
13
14
33
84
69
81
72
57
154
11
588
1歳
2歳
3歳
4歳
5 歳以上
不明
2.2
2.4
5.6
14.3
11.7
13.8
12.2
9.7
26.2
1.9
100.0
合計
注)「夫-妻」を年齢差として計算。
+は夫が年長であることを、-は妻が年長であることを示す。
表2-1-8-② 夫婦の年齢差(年代別平均値)
35-44 歳(153 人)
44-54 歳(202 人)
55-64 歳(222 人)
全体
平均値
2.96
2.88
2.83
2.88
標準偏差
4.07
3.28
2.82
3.34
n.s.
労働状態(表 2-1-9)は4、全体では、夫婦ともに仕事をしているカップルは約半数(51.0%)
で、男性のみが仕事をしているカップル、つまり男性が働き、女性が家庭にいるという性
別役割分業型のカップルは 32.3%、女性のみが仕事をしているカップルは 4.8%、2 人とも
仕事をしていないカップルは 6.0%である。女性の年代別にみると、44 歳までの世代は、
男性のみが仕事をしているカップルが多く(58.9%)、55 歳以上世代では有職同士のカップ
ルが相対的に少なく(34.5%)、無職同士のカップルが多い(15.0%)
。
また、ともに仕事をしている場合でも、夫の年収の方が多いカップルは 80.1%、妻の年
収の方が多いカップルは 7.3%、夫と妻が同程度の年収であるカップルは 7.8%である(表
2-1-10)。
学歴では(表 2-1-11)、夫と妻が同じ学歴であるカップルは 43.3%、夫の方が学歴が高
いカップルは 38.8%、妻の方が学歴が高いカップルは 16.5%である。年齢や年収にくらべ
ると学歴の場合は、比較的同質性(対称性)が高い。
4
回答者本人の労働状態と、配偶者の労働状態についての回答をあわせて、性別に集計。
- 19 -
表 2-1-9 夫婦の労働状態
44 歳以下
(168 人)
女性年齢
45-54 歳
(208 人)
55 歳以上
(206 人)
全体
(588 人)
男性労働状態
有職
無職
合計
58.9
1.2
60.1
38.7
0.6
39.3
98.2
1.8
100.0
61.5
4.3
67.8
27.4
1.4
30.3
89.4
6.3
100.0
34.5
8.3
48.1
31.6
15.0
47.6
68.9
23.8
100.0
51.0
4.8
58.3
32.3
6.0
39.1
84.9
11.1
100.0
女性労働状態
有職
無職
小計
有職
無職
小計
有職
無職
小計
有職
無職
合計
注)表中、年齢および労働状態への無回答ケースは省略。
表 2-1-10 夫婦の年収
(人)
男性
収入はない
100 万未満
100-200 万
200-300 万
300-400 万
女 400-600 万
性 600-800 万
800-1000 万
1000-1200 万
1200 万以上
わからない
無回答
合計
収入
はな
い
1
1
5
2
0
1
1
2
0
0
0
0
13
100 万
未満
3
4
0
2
1
0
0
1
0
0
0
0
11
-200
万
5
8
8
1
0
0
1
0
0
0
1
0
24
-300
万
15
11
11
10
1
1
1
0
0
0
2
0
52
-400
万
23
19
11
7
2
3
0
0
0
0
1
2
68
-600
万
36
44
13
5
4
9
0
1
0
0
0
2
114
-800
万
31
48
8
6
4
3
7
1
0
1
3
3
115
-1000
万
26
22
15
1
3
4
8
3
0
0
0
0
82
-1200
万
18
10
4
2
1
0
2
0
1
0
0
1
39
1200
万以
上
10
12
6
2
2
5
2
0
0
1
1
0
41
わか
らな
い
2
3
1
0
2
1
1
0
0
0
1
0
11
無回
答
1
4
2
3
2
0
0
0
0
0
1
4
17
注)濃い網かけ:男性の方が女性よりも年収が多い場合。
薄い網かけ:女性の方が男性よりも年収が多い場合。
表 2-1-11 夫婦の学歴
中学校
女
性
学
歴
中学校
高等学校
専門学校
短大・高専
大学
大学院
その他・無回答
合計
2.2
3.4
0.0
0.2
0.0
0.0
0.0
5.8
高等
学校
2.6
25.2
3.2
5.8
1.0
0.0
0.0
37.8
専門
学校
0.0
1.5
1.7
2.2
0.5
0.0
0.0
6.0
男性学歴
短大・
大学
高専
0.3
0.2
1.5
10.9
0.3
4.1
0.7
13.3
0.0
13.3
0.0
0.2
0.0
0.0
2.9
41.9
注)有配偶者 587 人に対する%。
網かけは夫婦の学歴の程度が同じ場合。
- 20 -
大学院
0.0
0.3
0.5
1.0
2.2
0.2
0.2
4.4
その他・
無回答
0.2
0.3
0.2
0.0
0.3
0.0
0.2
1.2
合計
5.5
43.3
10.1
23.2
17.4
0.3
0.3
100.0
合計
171
186
84
41
22
27
23
8
1
2
10
12
587
2−2−2.結婚当初の話し合いについて
結婚当初の「家事の分担」、「住居」
、「親との同居・別居」、
「夫婦の姓」の 4 つのことが
らについて、誰がどのように決め、どのような決定になったのか、また、その決定に対し
てどの程度満足したのかを尋ねている(巻末表:問 22)。
家庭内の家事分担(「自然に決まった」:女性 81.1%、男性 74.8%)や夫婦の姓(同:女
性 86.4%、男性 78.2%)などの夫婦に関することがらは、話し合いではなく、「自然に決
まった」とする人が約 8 割と多い。この 2 つのことがらについては、夫婦 2 人が共通して
抱いているイメージや価値観、あるいは慣習に基づいて決められるようである。その結果、
多くの人は、夫の姓を名のり(女性 93.2%、男性 91.4%)、妻が家事をする(女性 88.4%、
男性 89.3%)という生活を営んでいる。
家事の分担決定に対する満足感は男女で異なっている。女性は約半数の 51.1%が「どち
らでもない」と回答し、不満であった人は約 1 割(「とても不満」4.8%+「やや不満」8.5%)
いる。これに対して、男性は 7 割以上が満足した(「とても満足」25.2%+「まあ満足」40.2%)
と回答しており、不満であると回答した人は 2.2%であった。「家事は女性がするもの」と
思っていればこそ、「自然に決まった」と回答したのであろうが、そうした家事の分担に「満
足」しているのは、実際には負担のない男性の方である。
夫婦の姓にの決定について、「不満」と回答した人はごく少数である(女性 2.2%、男性
1.3%)。男性は「満足」と回答した人が約 6 割と多く(「とても満足」32.9%、「まあ満足」
26.9%)、女性は「どちらでもない」
(女性 47.2%、男性 36.3%)と回答した人と「満足」
(「とても満足」28.5%、
「まあ満足」18.9%)と回答した人がほぼ同数であった。
どのような住居に、誰と住むかについては、「夫婦で話し合って決めた」とする人がもっ
とも多い(女性 38.7%、男性 45.7%)。「話し合って決めた」と回答した人がもっとも多か
ったのも、この「住居」に関する決定である。ついで「住居」は夫が決めたとする人が多
い(女性 21.2%、男性 19.2%)。一方、妻が決めたとする人は少ない(女性 1.4%、男性 1.7%)。
親との同居・別居については、夫側の親と同居した人は男女とも 2 割程度(女性 22.7%、
男性 21.8%)おり、夫側の親との同居は「自然に決まった」と回答した人が多い(女性 58.8%、
男性 52.9%)。一方、妻側の親との同居は、絶対数が少ないものの(27 人)、「夫婦で話し
合って決めた」と回答した人が多い(女性 64.7%、男性 50.0%)。
男女とも、最も多いのは、「自然にどちらの親とも同居しないことになった」と回答した
人である(女性 41.8%、男性 37.6%)
。出生地と就業地が離れているなどの地理的要因や、
すでにきょうだいが親と同居しているなどの人口学的要因、および親との同居をはじめか
ら考慮しないという脱「イエ」規範という 3 つの要因により、親との同居・別居が選択肢
としてはじめから存在していない人も多いようである。
親と同居をするにしても、しないにしても、それが夫の親である場合、「自然に決まった」
と思うぐらい、家族の環境や家族成員の考え方・思いをお互いに推量しあうということが
「決める」ということなのであろう。
2−2−3.日常のコミュニケーションについて
アンケートでは、夫婦の 1 日の会話時間を尋ねているが(巻末表:問 26)、「ほとんど会
話をしない」と回答した人は 7.5%であった。30 分未満 21.9%、30 分∼1 時間 31.3%、1
- 21 -
∼2 時間 25.9%で、ほとんどの人が、1 日に 30 分から 2 時間程度は夫婦で会話をしている
ことになる。
「夫が退職して家にいるようになってからは、ほとんど一緒にいるので、ずっ
と話をしています」という回答がみられたが、1 日に 2 時間以上会話をしている人は高齢世
代に多い(35-44 歳 6.5%、44-54 歳 11.3%、55-64 歳 17.5%)
。また、会話時間を数値化5し
て平均値を算出すると 35-44 歳は 1.00 時間(S.D.=0.746)
、45-54 歳は 1.16 時間(S.D.
=1.377)、55-64 歳は 1.39 時間(S.D.=1.430)であり、高齢世代ほど平均時間も長い(F
値=0.364*)
。
夫婦関係に対する満足度(巻末表:問 7)と会話時間の関係をみてみると、おおむね、会
話時間が長いほど満足度が高い(表 2-1-12)。さきほどと同様に会話時間を数値化し、夫婦
関係に対する満足度を満足=1∼不満足=5 として、相関係数を算出しても、やはり、会話
時間が長いほど満足度が高いという関係が確認された(ピアソンの相関係数=−0.306***)。
夫婦関係が良ければ、それだけコミュニケーションの頻度が高まるから会話する時間が
長くなるのか、あるいは会話する時間が長いと夫婦の関係が良くなるのか、統計的な分析
で両者の因果関係を特定することはできないので、自由回答から夫婦のコミュニケーショ
ンと会話時間の関係について描き出してみよう。
表 2-1-12 夫婦関係への満足度と 1 日の会話時間
ほとんど
夫婦関係に対する満足度
しない
満足(220 人)
0.9
どちらかといえば満足(174 人)
1.7
どちらともいえない(116 人)
12.9
どちらかといえば不満足(45 人)
22.2
不満足(26 人)
53.8
合計(581 人)
7.6
30 分
未満
11.8
24.7
29.3
42.2
26.9
22.2
1 日の会話時間
30 分1-2
2 時間
1 時間
時間
以上
25.9
36.8
22.7
36.2
29.3
7.5
36.2
15.5
5.2
24.4
4.4
6.7
19.2
0.0
0.0
30.6
26.2
12.4
無回答
合計
1.8
0.6
0.9
0.0
0.0
1.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
ピアソンの相関係数=−0.306***
夫婦のコミュニケーションをうまくとるための工夫を、自由に記入してもらっている(問
24)。「あいさつや感謝の言葉を口にする」、「相手の様子をうかがって会話のタイミングを
はかる」、「相互に思いやる」、「共通の趣味や話題をつくる」、「自然体が大切」、などの回答
がみられたが、「一緒に過ごす時間を確保する」と回答した人が最も多かった(61 名)。一
緒に過ごす時間は、「食事を 1 日に 1 回は一緒にしてきた」(60 代女性)や「車で買い物に
出かけたときに話し合ったりする」
(50 代女性)など、毎日の食事や日用品の買い物など、
日常の活動をともにすることで確保しているようである。また、日常的に時間がとりにく
い場合は、休日に一緒に外出する(「休暇が同じ日はできるだけ 2 人で外出する」
(50 代男
性))、メモを活用する、電話やメールをする(「帰宅時間の連絡やスケジュール変更は携帯
メールでやりとりする」
(50 代男性)などの工夫をしているが、総じて、夫婦関係に対する
満足度が高いのは、一緒に過ごす時間があると思っている場合のようである。たとえば、
5
会話時間を「ほとんどしない」=0、
「30 分未満」=0.5、「30 分-1 時間未満」=0.75、
「1-2 時
間未満」=1.5、「2 時間以上」は具体的数値が記入されている場合はその値を、記入されていな
い場合は 2 として算出した。
- 22 -
「何でも話す」ことを心がけていると記述した人(16 名)や、「夫婦は自然体であることが
大切」と回答した人(21 名)の夫婦関係の満足度が高い。
一方で、「お互いに思いやることが大切」だと回答した人(17 名)や、「日々のあいさつ
や感謝の気持ちを言葉にして伝えている」と回答した人(17 名)の満足度もおおむね高い。
だが、「相手に合わせる」という記述には、「常に感謝し、相手の立場に立って考える」(50
代女性)など、相手の気持ちを尊重するという場合から、
「配偶者の言うことに対して反発
するとけんかになるので、ついつい言葉を飲み込んでしまう」(40 代女性)など、けんかや
対立をおそれて配偶者に従う場合までその内容はさまざまであると思われ、満足度とは必
ずしも一致していない。
2−2−4.家族の話し合いについて―非日常の重要性―
次に、どのようなことを、夫婦で話し合って決めているのかについてみてみよう(巻末
表:問 23)。夫婦の小遣い、子どもの教育、年末の過ごし方など合計 14 の項目について、
それぞれそれらについて話し合うかどうかを尋ね、つづいて夫婦のどちらが最終的に決定
するかを尋ねている。「話し合う」と回答した人が多かったのは「(1)自家用車の購入」
(90.0%)、
「(5)家族連れでの外出」(89.8%)、「(9)香典」(86.9%)などであった。「話
し合う」と回答した人がもっとも少なかったのは「(8)日常の家事分担」(19.4%)であっ
た。家事分担や夫婦の小遣い(自分 31.1%、配偶者の小遣い 38.8%)、貯金(44.6%)日
用品の買い物(44.7%)など日々の暮らしのなかのできごとはあまり話し合われず、日々
の暮らしの中ではあまり生じないこと、たとえば自家用車の購入や香典の額、あるいは家
族の長期的設計である「(14)子どもの教育方針」(83.0%)や「(13)子ども数」(70.1%)
などが話し合われている。
このようにしてみると、
「話し合う」と回答した人が 9 割にのぼる「(5)家族連れでの外
出」は、家庭生活のなかでは、非日常的な活動として位置づけられているように思われる。
家族連れでの外出の非日常性、あるいは家族連れで外出することが家族関係にもたらす意
義は、「ご家族での思い出に残る行事や出来事がありますか。その行事や出来事の内容と思
い出に残っている理由をお書きください」という質問への回答からうかがうことができる。
「年に 1 度の家族旅行です。行き先からスケジュールを家族で話し合い、行った後にテ
レビなどで旅先が紹介されると、家族で共通の思い出話になります。できるだけ続けてい
きたい行事です」(40 代男性)
「子育ての時期、夏休みなど長期休暇があると、家族全員で日程を合わせて、毎年 1 回
は必ず 1 泊(または 2 泊)旅行に出掛けていた。それは我が家の行事としていたので、上
の子が大学へ行くまで続けた。おかげで、配偶者が居なくなった今でも楽しい思い出とし
て時折思い出している。子等の成長をたのもしく見ることもできる」
(60 代女性)
「家族で毎年 1 週間くらい、いつも同じ場所に旅行に行っている。同じ場所だが子ども
が大きくなるに従い過ごし方が違ってきて、楽しみ方も多様になってきている」(40 代女
性)
「お互いの両親を連れて旅行に行ったこと。今までよりもお互いに親しみがわき、両家
- 23 -
の深いきずなができたと思う」(30 代男性)
家族全員のスケジュールを調整し、行き先や日程などを話し合うことそのものが、家族
のコミュニケーションの場となる。また、出かけた先では家族それぞれの考え方や性格を
再発見したり、子どもの成長ぶりに改めて驚いたりするなど、非日常の場面であればこそ
感じられる家族のきずなを再確認する。さらに、日常生活に戻ってからも、共通の記憶と
なり家族をつなぐ思い出となっている。また、新婚旅行や夫婦の親戚を交えた旅行、定年
退職を祝う夫婦の旅行などは、新しい家族の関係を築くための重要な契機となっている。
このように、家族づれでの旅行や外出は、平日ともに働いている夫婦や、一緒に暮らして
いない夫婦や家族、あるいは成長するにつれて、親の手を離れるようになった子どもと親
の関係などにとって、重要な役割を果たしている。
日常のコミュニケーションと非日常的なコミュニケーションとの関係については、イン
タビュー調査の事例についても参照されたい。
2−2−5.配偶者を「頼りにする程度」
「あなたは、次のようなことが起こったとしたら、主に、どのような人(機関)に相談
したり、頼ったりしますか」として、「介護が必要になったら」、「交通事故の加害者になっ
たとき」、「ペアで海外旅行に行くとしたら」、など 5 つのことがらについて尋ねた(巻末表:
問 4)。この設問への回答から、配偶者を「頼りにする程度」についてみる。
すべての項目において、配偶者を選択した人がもっとも多かった。そこで、配偶者/配
偶者以外/誰にも相談しないという 3 つに再コード化して、
男女差をみた(表 2-1-13)。「(1)
介護を必要とするようになったら」
(女性 68.5%、男性 81.5%)および「(4)ペアで行く海
外旅行に当選したら」(女性 67.8%、男性 82.8%)は、女性よりも男性に、「配偶者」を選
択した人が多い。逆に、
「(2)交通事故の加害者になってしまったら」は、女性 77.7%、男
性 66.3%と、男性よりも女性に、「配偶者」を選択した人が多い。
「(3)急にお金(100 万円程度)が必要になったとき」(女性 12.8%、男性 12.0%)およ
び「(5)宝くじ(1 億円)に当たったら」(女性 11.3%、男性 17.3%)の 2 項目は「誰にも
相談しない」と回答した人が総体的に多い。このような傾向は、本人の年収によらない。
まとめると、多くの人が、思いもよらないことが生じたときには配偶者をあてにすると
回答しているが、その生じた内容に応じて、また、性別によって配偶者に頼る内容が異な
っていることが示されている。
表 2-1-13 相談したり頼ったりする相手
(1)介護
女性
男性
(2)交通事故
女性
男性
(3)100 万円
女性
男性
(4)海外旅行
女性
男性
(5)宝くじ
女性
男性
(378 人) (243 人) (382 人) (240 人) (397 人) (251 人) (395 人) (250 人) (390 人) (248 人)
配偶者
68.5
81.5
77.7
66.3
61.7
65.7
67.8
82.8
64.6
配偶者以外
31.0
16.9
21.2
30.4
25.4
22.3
31.6
15.2
24.1
誰にも相談しない
0.5
1.6
1.0
3.3
12.8
12.0
0.5
2.0
11.3
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
注)有配偶者。(1)χ2=16.813***、(2)χ2=11.704**、(3)χ2=1.114 n.s.、(4)χ2=24.180***、(5)χ2=19.191***。
- 24 -
71.8
10.9
17.3
100.0
つぎに、「配偶者」を選択した項目数をカウントすると、5 つの項目全てで「配偶者」を
選択した人はおよそ半数にのぼる(女性 48.8%、男性 53.6%)。逆にいずれの項目でも配
偶者を選択していない人は 5%程度(女性 5.8%、男性 4.1%)いる。男女間に有意な差は
ない(表 2-1-14-①)。年代別に見ると(表 2-1-14-②)、高齢世代ほど 5 項目すべてに対し
て「配偶者」を選択した人が多い傾向があるが、統計的に有意な差はない。
表 2-1-14-① 配偶者に頼る項目数(性別)
女性
(342 人)
5.8
3.5
8.2
12.3
21.3
48.8
100.0
3.86
1.48
男性
合計
(222 人) (564 人)
0 項目
4.1
5.1
1 項目
2.3
3.0
2 項目
4.5
6.7
3 項目
15.3
13.5
4 項目
20.3
20.9
5 項目
53.6
50.7
合計
100.0
100.0
平均値
4.06
3.94
標準偏差
1.31
1.42
F値
2.706 n.s.
注)有配偶者。χ2=5.856 n.s.
表 2-1-14-② 配偶者に頼る項目数(年代別)
35-44 歳
45-54 歳
55-64 歳
合計
(149 人) (196 人) (216 人) (561 人)
0 項目
4.7
5.6
5.1
5.2
1 項目
1.3
4.1
3.2
3.0
2 項目
8.7
7.1
5.1
6.8
3 項目
12.8
12.8
14.4
13.4
4 項目
25.5
18.9
19.9
21.0
5 項目
47.0
51.5
52.3
50.6
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
平均値
3.94
3.90
3.94
3.94
標準偏差
1.35
1.48
1.41
1.42
F値
0.159 n.s.
注)有配偶者。年代不明はのぞく。年齢を数値として求めたピアソンの相関係数=0.006 n.s.
「配偶者」を選択した項目数を 0∼4 個/5 個に分けて、夫婦関係に対する満足度との相
関をみると(表 2-1-15)
、5 つの項目全てで「配偶者」を選択している人ほど、夫婦関係に
満足していることが示されている。コミュニケーションの場合でも示されていたが、この
場合も、「何でも」相談できる、頼りにできるということが、夫婦関係の良好さや満足の源
泉といえるのかもしれない。
- 25 -
表 2-1-15 配偶者に頼る項目数×夫婦関係に対する満足度
満足
35-44 歳
45-54 歳
55-64 歳
全体
0-4 個(78 人)
5 個(70 人)
小計(148 人)
0-4 個(94 人)
5 個(101 人)
小計(195 人)
0-4 個(100 人)
5 個(112 人)
小計(212 人)
0-4 個(273 人)
5 個(285 人)
合計(558 人)
23.1
52.9
37.2
22.3
42.6
32.8
31.0
53.6
42.9
25.6
49.5
37.8
どちらか
といえば
満足
どちらと
もいえな
い
29.5
31.4
30.4
34.0
33.7
33.8
21.0
28.6
25.0
28.2
31.2
29.7
19.2
12.9
16.2
20.2
18.8
19.5
32.0
16.1
23.6
24.2
16.1
20.1
不満足
28.2
2.9
16.2
23.4
5.0
13.8
16.0
1.8
8.5
22.0
3.2
12.4
注)有配偶者。「不満足」=「どちらかといえば不満足」+「不満足」
- 26 -
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
χ2 値
24.391***
18.099***
25.737***
65.798***
第2節
夫婦の勢力関係
1.現代家族における夫婦
夫婦とは、新たな家族を形成するための基礎的関係であり、個人が生まれ育つ家族が運
命的であるのに対して、きわめて選択的な関係であるといえる。個人化が進展する社会に
あってパートナー選択や家族形成はますます自覚的におこなわれていくようになると思わ
れる。また、夫婦が産み、育てる子ども数が減少したことにより育児期が短くなっている
一方で、老親との同居・別居が必ずしも強い規範として意識されておらず、また、老親の
介護が社会化されつつある社会にあっては、子育てを終えた夫婦が 2 人だけで過ごす時期
が長くなることが予想される。そのようなライフコースを見据えて、夫婦はお互いの自律
性を尊重しつつ、人生をともにするパートナーとしての関係性を構築しているのだろうか。
この問に答えるために、本節では、
「夫婦の勢力関係」について分析をおこなう。分析対
象は、現に配偶者のいる 588 ケースである。分析対象者の内訳は女性 354 名、男性 234 名
であり、平均年齢は女性 50.0 歳(S.D.=7.97)、男性 51.6 歳(S.D.=8.21)である。また、
男女とも約 9 割の人(女性:91.5%、男性 91.9%)に子どもがいる。
1−1.夫婦の勢力関係に関する分析枠組み
夫婦間の勢力とは、「相手方との相互作用を経て、相手方との関係について行為者がいだ
いている選好を実現させる力」と定義される(片岡 2000:40)。このような夫婦の勢力関係
は、当該社会の夫婦関係に関する社会的意識と、年齢や収入、学歴などの「夫婦の資源」
が決定すると考えられている。兵庫県下では、これまで 1963 年と 1995 年の 2 時点におい
て、「夫婦間の勢力」のありかたに関する調査がおこなわれている(増田 1965、(財)兵庫県
長寿社会研究機構 家庭問題研究所 1996)。
これまでの知見では、日本社会においては夫の学歴、家計の担い手、結婚後の経過年数
などの「夫婦の資源」は「夫婦の勢力関係」に影響を与えず、「夫婦の勢力関係」のあり方
は、「夫婦関係は対等であるべき」という考え方の登場と浸透によって説明できるというこ
とである。
さて、「夫婦の勢力関係」を測定するためには、日常的な家庭生活の場面において、夫婦
で決定する必要があると思われる項目が指標として使われる。これら質問項目の具体的内
容や項目数については、社会経済的、あるいは文化的な差異を取り除いて、他国や過去の
日本の状況と正確に比較することは困難である。しかしながら、これまでの調査において
は簡便な方法が採用されており、各項目の合計値の1/2あるいは1/4を基準として夫
婦の勢力関係を分類している。本調査でも、これまでの方法をふまえて、夫婦の勢力類型
がどのような構成をなしているのかについての比較をおこなう。
夫婦の勢力関係を類型化する具体的手順は以下のとおりである。「貯金の額と方法」、
「夫の小遣いの額」、「家族連れでの外出の日程・行程」、「子どもの人数」など、日常的な
決定事項をいくつか挙げ、それぞれについての決定者が誰であるかを尋ねる。選択肢は「主
として夫」=1 点から「主として妻」=5 点までを用意し、項目全てに対する回答の合計得
点を夫と妻の「相対的権威の指標(RA=relative authority)」とする。一方、「夫と妻
がまったく同等に」という回答数を、夫と妻とが家庭内において共有する「権威の程度(D
S=degree of shared authority)」とする。この 2 種類の得点について、RAを横軸に、
- 27 -
DSを縦軸にとり、夫婦の勢力関係についての 4 つの類型、すなわち「一致型」、「自律型」、
「夫優位型」
、「妻優位型」を導く(図 1 参照)。
DS
一致型
1/2
自律型
妻優位型
夫優位型
RA
1/4
1/2
1/4
図 1 夫婦の勢力関係についての 4 類型
本調査では、日常の決定事項として、家計に関する決定事項(購買行動、貯蓄、小遣い、
香典)、家族の行動に関する決定事項(家事分担、外出、年末の過ごし方、里帰り)、子ど
もに関する決定事項(避妊、子ども数、教育)の 3 種類、合計 14 項目を設定した。これら
のうち 10 項目については、基本的に増田(1965)および(財)兵庫県長寿社会研究機構 家
庭問題研究所(1996)を踏襲している。
1−2.権威配分
まず 1995 年におこなった調査と一致する 10 の項目について女性の回答だけを取り出し、
それぞれの回答の分布および平均値を求めると、表 2-2-1-①のようになった。平均値は 1
から 5 までの値をとりうるが、3 より小さいほど夫が決めるケースが多いことを意味し、3
より大きいほど妻が決めるケースが多いことを意味する。
決定すべきことがらによって、主たる決定者が異なっている。夫が決定するケースが多
いのは、「夫の小遣い」と「自家用車の購入」であり、「子どもの教育方針」や「子ども数」
、
「家族づれの外出」、「香典・祝い」は夫婦が同程度に決めているケースが比較的多い。残
る「自分(妻)のものを買うとき」
、「自分(妻)の外出」、
「妻の里帰り」、「貯金」の 4 項
目は妻が決定するケースが多い。
回答者の年齢構成は異なっているが、参考までに 1995 年と比較すると、
子どものこと(「子
ども数」(3.2→3.2)、「教育方針」(3.4→3.3))および「香典や祝い」(3.2→2.9)は、平均
値が 3 程度で変わっておらず、夫婦の共同決定性が維持されている項目である。一方、妻
- 28 -
自身に関すること(「自分の物を買う」(4.4→4.6)、「自分の外出」(4.4→4.6)、「妻の里帰
り」(3.6→3.9))は、もともと妻が決めるケースが多かった項目であるが、今回の調査で
は、さらに妻の決定力が高まっている。そして、夫が決めるケースが多かった「自家用車
の購入」(1.7→2.3)は、やや妻の決定力が高まっているとはいえ、なおも夫の決定領域に
あることがらである。
表 2-2-1-① <最終決定者>項目別回答の分布と平均値
平均値
主として夫
妻というより夫
夫婦同程度
夫というより妻
主として妻
(人)
自分の物
を買うとき
2005 1995
4.6
4.4
0.7
4.9
1.4
3.4
8.5
7.0
8.8 16.6
62.6 68.0
346
668
自分の外出
2005
4.6
0.0
1.9
10.4
9.5
60.0
345
1995
4.4
3.4
3.0
11.2
17.6
64.7
669
貯金
2005
4.0
7.6
3.8
14.7
9.2
44.5
337
1995
3.6
16.6
5.2
19.0
19.2
39.9
667
妻の里帰り*
2005
3.9
1.1
1.5
28.9
21.9
28.9
222
1995
3.6
11.4
6.7
26.5
24.0
31.4
657
子どもの
教育方針
2005 1995
3.3
3.4
3.6
7.8
5.5
5.3
43.6 45.5
11.1 20.5
13.0 21.0
324
644
家族づれの
自家用車
子ども数
香典・祝い
夫の小遣い
外出
の購入
2005
1995
2005
1995
2005
1995
2005
1995
2005
1995
3.2
3.0
3.2
3.2
3.2
2.9
2.6
2.5
2.3
1.7
5.7
17.7
5.2
8.5
8.8
16.7
26.8
36.9
28.2
61.6
7.8
11.8
2.1
5.8
8.3
11.3
11.6
16.5
16.6
18.9
46.4
35.3
50.5
57.1
41.0
49.1
20.6
20.0
28.7
13.1
10.2
19.5
5.9
12.6
8.8
11.1
7.1
12.4
4.7
3.3
11.6
15.6
9.7
15.9
14.9
11.9
13.3
14.2
4.5
3.0
345
660
310
634
345
666
335
661
349
662
注)1995 年の数値は、(財)兵庫県長寿社会研究機構 家庭問題研究所(1996)、表 2.2.1 より引用。
1995 年は 20 歳以上の既婚女性、2005 年は 35 歳以上 64 歳以下の既婚女性の回答。ただし、2005 年調
査の「妻の里帰り」は男性(夫)の回答を参考値として記載している。
2005 年の選択肢を 1995 年調査に一致させて集計した。
表 2-2-1-② <最終決定者>項目別回答の分布と平均値
−自分の行動に関する決定について−
自分の物
自分の
自分の外出
を買うとき
小遣い
女性 男性 女性 男性 女性 男性
平均値
4.6
4.2
4.6
3.9
4.0
3.3
主として夫
0.7 58.3
0.0 44.4
7.6 33.2
妻というより夫
1.4 14.3
1.9 16.4
3.8
9.2
夫婦同程度
8.5 17.5 10.4 25.8 14.7 26.7
夫というより妻
8.8
6.3
9.5
7.6
9.2 19.8
主として妻
62.6
3.6 60.0
5.8 44.5 11.1
(人)
346
223
345
225
337
217
注)女性は表 2-2-1-①の再掲。
「平均値」は、回答者本人が決める場合を 5、配偶者が決め
る場合を 1 として算出。値が 5 に近いほど、回答者本人が決
定している人が多いことを示している。
- 29 -
本調査では、男性回答者にも同じ質問をしているため、自分の行動に関することがら(「自
分の物を買う」、「自分の外出」、「自分の小遣い」)について、男女の回答傾向を比較してみ
ると(表 2-2-1-②)、女性のほうが、
「自分が決めている」と回答している人が多い(すべ
て 0.1%水準で有意)。
これらのことから、総じて妻の決定力が高く、本調査で挙げた項目に関する限り、家庭
内の決定事項の多くは、妻の裁量範囲内にあるといえる。
つづいて、1995 年は 10 項目に、本調査は 14 項目に対する女性の回答から得られた、R
Aの分布について比較する(表 2-2-2)。本調査では、RAは 1995 年は 10 から 50 までの、
本調査は 14 から 70 までの値をとりうるが、スコアに応じて、表のように 8 つに分けると、
6 割∼7 割が第 5 分位と第 6 分位に集中している。本調査のRAの平均値は 3.5 であり、R
Aで見た場合でも、妻が決定するケースがやや多いことを示している。分布型は 1995 年調
査と大きく変化していないが、平均値は 0.2 ポイント大きくなっている。RAでみた場合
も、全体的に妻の決定力がわずかながら高まっている。
表 2-2-2 RAの分布
第 4 分位 第 5 分位 第 6 分位 第 7 分位 第 8 分位
平均
スコア 10∼14
1995 年
15∼19 20∼24 25∼29 30∼34 35∼39 40∼44 45∼50
3.3
(601 人)
%
0.7
2.0
8.5
15.0
35.1
28.1
8.2
2.5
スコア 14∼20
2005 年
21∼27 28∼34 35∼41 42∼48 49∼55 56∼62 63∼70
3.5
(264 人)
%
0.0
1.1
2.7
10.2
37.1
33.7
10.6
4.5
注)1995 年調査の数値は、(財)兵庫県長寿社会研究機構 家庭問題研究所(1996)、表 2.2.2 より引用。
2005 年調査は女性回答者に限定して集計。
1995 年調査は合計 10 項目、2005 年調査は合計 14 項目を用いて RA を算出した。
第 1 分位
第 2 分位
第 3 分位
本人(妻)の年齢、結婚年数、末子年齢、本人学歴、配偶者(夫)学歴、学歴差、本人
収入、配偶者収入、夫婦の年収差という 8 つの「夫婦の資源」を示す指標とRAとの相関
を求めた。統計的に有意であったのは、配偶者年収と夫婦の年収差の 2 つであった。配偶
者(夫)の年収が多いほど、また、妻の年収にくらべて夫の年収が多いほど、夫の決定力
が高くなる。その他の資源との相関係数は統計的に有意ではなく、絶対値はどれも小さい。
1995 年調査では、これら「夫婦の資源」とRAのあいだに有意な関連はなかった。2005
年は 1995 年にくらべて全体的に妻の決定力が高まっているが、夫の収入が多い場合は、妻
の決定力の高まりが抑制されているということを示している。
表 2-2-3 RAと夫婦の資源のピアソンの相関係数値
配偶者
配偶者
学歴差
本人年収
学歴
年収
1995 年調査
-0.0591
-0.0573
-0.0668
0.0251
-0.0346
-0.0656
0.0784
0.0622
2005 年調査
0.0016
-0.0259
-0.0009
0.0230
-0.0851
-0.0980
0.0952 -0.1371*
注)1995 年調査の数値は、(財)兵庫県長寿社会研究機構 家庭問題研究所(1996)、表 2.2.3 より引用。
2005 年調査は女性回答者に限定して集計。
2005 年調査の学歴、年収はカテゴリ変数をそれぞれ数値化して相関係数を求めた。
本人年齢
結婚年数
末子年齢
本人学歴
- 30 -
年収差
0.0061
-0.1735**
2.勢力類型の分布
本節 1-1 で述べた方法に従って、RAとDSの 2 つの指標により求めた勢力関係の分布
は表 2-2-4 に示すとおりである。「自律型」(45.5%)と「一致型」(38.3%)が多く、これ
に「妻優位型」(15.2%)がつづき、
「夫優位型」は 1.1%と少数である。
対象者の年代が異なっているが、参考までに 1963 年および 1995 年の分析結果を掲載し
ている。大きな傾向としては、「自律型」が半数に減り、「一致型」が増えている。
「妻優位
型」は徐々に増えており、「夫優位型」はもともと少なかったが、いっそう減っている。
表 2-2-4 勢力類型の分布(増田方式)
夫優位型
自律型
妻優位型
一致型
合計
2005 年(264 人)
1.1
45.5
15.2
38.3
100.0
1995 年(601 人)
3.8
74.0
10.6
11.5
100.0
1963 年(464 人)
3.7
69.6
7.6
19.0
100.0
注)1963 年の結果は、増田(1963:53)の第 2 表より再集計。対象者は有配偶女性で、年齢構
成は不詳。
1995 年兵庫は(財)兵庫県長寿社会研究機構 家庭問題研究所(1996)、表 2.3.1 より引用。
対象者は 20 歳以上の有配偶女性。
2005 年は 35-64 歳の有配偶女性に限って算出。
表 2-2-5 年代別勢力類型の分布
35-44 歳(81 人)
45-54 歳(99 人)
55-64 歳(81 人)
不明(3 人)
合計(261 人)
夫優位型
0.0
0.0
3.7
0.0
1.1
自律型
50.6
41.4
46.9
0.0
46.0
妻優位型
11.1
15.2
18.5
33.3
14.9
一致型
38.3
43.4
30.9
66.7
37.9
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
年代別では(表 2-2-5)
、若い世代ほど「夫優位型」も「妻優位型」も少ない。45-54 歳
で「一致型」がもっとも多い。「自律型」は 35-44 歳で半数を越えており、すべての年代の
なかでもっとも多い。
3.勢力関係の源泉
配偶者(夫)の最終学歴、妻の最終学歴、家計の担い手、結婚後経過年数、妻の年齢、
夫婦関係に対する妻の満足の程度という 6 つの変数と、勢力類型との関係についてみてみ
よう。これらは、1963 年調査および 1995 年調査においても検討されている。これによれば、
1.夫の学歴が低い家庭ほど「夫優位」に傾く。
2.夫の学歴が高い家庭ほど「妻優位」の傾向が強い。
3.家計の担い手が夫だけの場合、やや「夫優位」に傾く。
4.夫の学歴が高い家庭ほど「妻優位」の傾向が強い。
5.妻の勢力は、結婚後、年数がたつにつれて増大する。
6.家庭の対人関係に対する妻の満足度のうち、妻の満足度が最も高いのは「一致型」
の妻である。
7.「夫優位型」の妻の満足度はやや低い。
という結果が得られている(増田 1965:57 より引用)。
- 31 -
それぞれの変数について、適宜カテゴリを統合してクロス集計表を作成したのが、表
2-2-6-①∼2-2-6-⑤である。
表 2-2-6-① 配偶者の最終学歴別勢力類型
∼短大卒(128 人)
大卒∼(132 人)
合計(260 人)
n.s.
夫優位型
1.6
0.8
1.2
自律型
46.1
44.7
45.4
妻優位型
17.2
12.9
15.0
一致型
35.2
41.7
38.5
合計
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6-② 本人の最終学歴別勢力類型
∼高校卒(132 人)
短大卒∼(130 人)
合計(262 人)
n.s.
夫優位型
0.8
0.8
0.8
自律型
52.3
38.5
45.4
妻優位型
12.9
17.7
15.3
一致型
34.1
43.1
38.5
合計
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6-③ 家計の担い手別勢力類型
夫優位型
0.5
0.0
0.0
0.4
夫>妻(215 人)
夫=妻(21 人)
夫<妻(11 人)
合計(247 人)
n.s.
自律型
45.6
38.1
36.4
44.5
妻優位型
14.0
23.8
27.3
15.4
一致型
40.0
38.1
36.4
39.7
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6-④ 結婚後経過年数別勢力類型
0-19 年(83 人)
20-29 年(84 人)
30 年以上(90 人)
合計(257 人)
n.s.
夫優位型
0.0
1.2
2.2
1.2
自律型
43.4
46.4
47.8
45.9
妻優位型
15.7
10.7
16.7
14.4
一致型
41.0
41.7
33.3
38.5
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6-⑤ 妻の年代別勢力類型
35-44 歳(81 人)
45-54 歳(99 人)
55-64 歳(81 人)
合計(261 人)
n.s.
夫優位型
0.0
0.0
3.7
1.1
自律型
50.6
41.4
46.9
46.0
妻優位型
11.1
15.2
18.5
14.9
一致型
38.3
43.4
30.9
37.9
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6-⑥ 夫婦関係への満足の程度別勢力類型(2005 年)
夫優位型
満足(82 人)
3.7
どちらかといえば満足(82 人)
0.0
どちらともいえない(54 人)
0.0
不満足(44 人)
0.0
合計(262 人)
1.1
χ2=25.632***(「夫優位型」をのぞく)
自律型
39.0
51.2
35.2
59.1
45.4
妻優位型
8.5
11.0
18.5
29.5
14.9
一致型
48.8
37.8
46.3
11.4
38.5
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
表 2-2-6 の①∼⑥のクロス表について、回答者が少ない「夫優位型」を含めたχ2 検定と、
「夫優位型」をのぞいたχ2 検定の 2 パターンをおこなった。夫婦の学歴、家計の担い手、
結婚してからの経過年数、妻の年齢については、有意差は検出されなかった。有意な関連
が見出されたのは、「夫婦関係への満足の程度」のみであった(「夫優位型」をのぞく場合
- 32 -
のχ2=25.632***)。
夫婦関係に不満足な人は「一致型」(11.4%)で少なく、「自律型」(59.1%)および「妻
優位型」(29.5%)で多い。1954 年から 55 年にかけてアメリカでおこなわれた調査でも同様
の結果が得られている。ウルフはこの理由を、
「(この勢力構造が−引用者)社会規範に反
しているか、長いあいだ満足感を感じることができなかった結果として、妻が勢力を持つ
ようになった」(Wolfe 1959:115-6−引用者訳)からだと説明している。
一方、1963 年時点において増田(1965)が神戸市でおこなった調査では、「わが国の場合、
妻優位の家庭の妻に、比較的、不満が少ないということは、この(社会的に期待されてい
る勢力関係と現実の勢力関係のあいだの―引用者注)ギャップが少ないということであり、
従ってそれだけ夫に期待されている力(権威)が少ないともいえるのである」(59)と述べ
られている。
現在の日本社会においては「妻優位型」夫婦において妻は不満を感じている。このこと
を増田の説明にもとづいて説明するならば、「妻優位型」という夫婦の勢力関係が社会的に
支持された規範でなくなりつつあるということである。また、「夫優位型」がごく少数であ
ること、それから夫の収入が多いほどRAが小さくなる(表 2-2-3)、すなわち「夫優位型」
が多くなるという結果からも、社会的に夫に期待される権力が拡大したのではなく、夫婦
の対等性や平等性というものが規範として中心を占めるようになってきたのだと解釈でき
る。「一致型」の妻の満足度が高いのはこのためであろう。
妻が不満を感じることの多い「妻優位型」の夫婦は、1963 年および 1995 年にくらべて増
加している(表 2-2-4 参照)。そしてそれは、高齢の夫婦ほど多い(表 2-2-6-⑤参照)。夫
婦の勢力関係が、「長いあいだ(夫婦関係に)満足感を感じることができなかった結果」と
して形成されるものであると仮定すると、現在の 35-44 歳世代でも、年を経るにつれて、
現在「自律型」で不満を感じている夫婦(26 人。全体の 9.9%)が「妻優位型」へと移行
していくことになるかもしれない。さらに、さきほどみたように、現在の日本社会におい
ては、夫婦に関する規範意識として「一致型」の夫婦が支持されてきていると考えられる
ことから、「妻優位型」の夫婦は、今以上に社会規範と現状のあいだに「ギャップ」を感じ、
今以上に、「不満」を感じる人が増えることが予測される。
- 33 -
第3節
「家庭での孤独感」と夫婦のコミュニケーション
1.「家庭での孤独感」の測定
本節では、家庭や家族関係において孤独感を感じることと夫婦のコミュニケーションの
関係について分析をおこなう。分析には、未婚者と離死別者をのぞいて、現在、配偶者が
いるケースのみ(女性 354 人、男性 234 人)を用いる。
家族のなかで感じる孤独感やストレスを測定するために、以下に挙げた 7 つの項目を用
いた。これらの項目に対して「1.まったくなかった」、「2.月に 1∼2 回」、
「3.週に 1∼2 回」、
「4.ほとんど毎日」という 4 件尺度で得られた回答を合計し、「家族での孤独感」の指標と
した(巻末表:問 9)6。
「家族と心がかよい合わないと思ったこと」
「家族に自分の居場所がないと思ったこと」
「家族に自分にもっと関心を持ってほしいと思ったこと」
「家族に勇気づけられたこと」(反転)
「『毎日が楽しい』と思ったこと」(反転)
「ひとりぼっちで寂しいと感じたこと」
「なかなか眠れなかったこと」
注)「家庭での孤独感」スコアの算出方法については本文参照。
図 2 は、この「家庭での孤独感」のスコア分布を示している。この得点は 7∼28 までの
6
これとは別に、7 つの設問に対する回答に対して因子分析をおこない、因子得点を算出した。
この因子得点と、7 つの設問に対する回答の単純合計とのピアソンの相関係数は 0.791 であり、
きわめて類似性が高いことが確認された。本稿では、解釈が容易であるため、回答の単純合計を
「家庭での孤独感」指標として用いることにした。
- 34 -
値をとりうるが、値が大きいほど、家族のなかで孤独感やストレスを感じていることを示
している。平均値は 12.73 で、性別および年代による有意差はない(表 2-3-1)。このスコ
アを被説明変数として、
「家庭の孤独感」を決定づける要因について考察する。
表 2-3-1 「家庭での孤独感」(性別・年代別平均値)
女性(325 人)
男性(222 人)
合計(547 人)
35-44 歳(149 人)
45-54 歳(192 人)
55-64 歳(203 人)
合計(544 人)
平均値
12.78
12.65
12.73
12.74
12.79
12.65
12.73
標準偏差
3.15
3.15
3.15
3.53
2.92
3.08
3.15
最小値
7
7
7
7
7
7
7
最大値
28
28
28
24
28
28
28
F値
0.246 n.s.
0.103 n.s.
2.家庭における「孤独感」と夫婦のコミュニケーション
2−1.さまざまな人間関係に対する満足度
最初に、夫婦関係、友人関係、職場関係など、さまざまな人との関係に対する満足度(巻
末表:問 7)との関係をみておく(表 2-3-2)
。人間関係に対する満足度に対して、不満足
=1∼満足 5 の得点をつけ、「孤独感」との相関係数を算出した。男女とも、相関係数がも
っとも大きいのは「夫婦関係」(女性-0.527、男性-0.515)であり、ついで「子どものとの
関係」(女性-0.407、男性-0.472)、職場関係(女性-0.405、男性-0.376)の値が大きい。
男女とも、夫婦関係や子どもとの関係に不満を感じているほど、家庭において「孤独感」
を強く感じている。
年代別にみると、「夫婦関係」と「子どものとの関係」への満足度が、「家庭での孤独感」
と強い関連をもつことは各世代に共通しているが、「友人関係」(-0.190)と「親との関係」
(-0.203)は「35-44 歳」世代は他の世代ほど強い関連はなく、また、「55-64 歳」世代で
も「親との関係」(-0.200)との関連はそれほど強くない。若い世代ほど、夫婦関係が生活
の中心を占めており、年を重ねると、夫婦以外の友人や親たちとの関係が重要になってく
るということである。結婚当初の夫婦の関係性の構築が重要であるということではないだ
ろうか。
表 2-3-2 「家庭での孤独感」と人間関係への満足度との相関
夫婦関係
友人関係
近隣関係
職場関係
親との関係
義親との関係
子どもとの関係
女性
-0.527
-0.302
-0.286
-0.405
-0.279
-0.317
-0.407
***
***
***
***
***
***
***
男性
-0.515
-0.336
-0.327
-0.376
-0.204
-0.357
-0.472
***
***
***
***
***
***
***
ピアソンの相関係数
- 35 -
35-44 歳
-0.541 ***
-0.190 *
-0.275 ***
-0.365 ***
-0.203 *
-0.311 ***
-0.421 ***
45-54 歳
-0.519 ***
-0.345 ***
-0.335 ***
-0.406 ***
-0.303 ***
-0.316 ***
-0.456 ***
55-64 歳
-0.504 ***
-0.389 ***
-0.280 ***
-0.461 ***
-0.200 *
-0.483 ***
-0.425 ***
2−2.夫婦のコミュニケーションと「家庭における孤独感」
夫婦のコミュニケーションとして、「情緒的サポート」(問 21、(1)∼(6))、「話題」(問
21、(7)∼(13))、「共有行動」(問 21、(14)∼(16))、「会話時間」(問 26)という 4 つの指
標を作成した。各指標は以下のようにして求めた。
「情緒的サポート」、「話題」、「夫婦の共有行動」はそれぞれ、「あなた方ご夫婦には、次
のようなことはどのくらいありますか」という問に対して、以下に挙げた項目それぞれの
回答について、よくある=4、時々ある=3、あまりない=2、まったくない=1、として、
因子分析をおこない、因子を抽出した。
①「情緒的サポート」
「私が、配偶者の心配事や悩みを聞く」
「私が、配偶者に助言やアドバイスをする」
「私が、配偶者に感謝のことばを言う」
「配偶者が、私の心配事や悩みを聞く」
「配偶者が、私に助言やアドバイスをする」
「配偶者が、私に感謝のことばを言う」
表 2-3-3 「情緒的サポート」の因子パターン
配偶者が、私の心配事や悩みを聞く
配偶者が、私に助言やアドバイスをする
配偶者が、私に感謝のことばを言う
私が、配偶者に感謝のことばを言う
私が、配偶者の心配事や悩みを聞く
私が、配偶者に助言やアドバイスをする
固有値
寄与率
第 1 因子
0.819
0.763
0.654
0.530
0.291
0.216
3.232
53.86
第 2 因子
0.260
0.200
0.196
0.237
0.789
0.790
1.051
17.51
共通性
0.519
0.483
0.328
0.622
0.569
0.409
主因子法、バリマックス回転。
固有値が 1 以上の因子は 2 つ抽出されたが、以下の分析では第 1 因子の因子負荷量を各
ケースの「情緒的サポート」を示す変数として用いる。「情緒的サポート」因子は、値が大
きいほど、夫婦間の情緒的サポートが多いことを示す。
表 2-3-4 「情緒的サポート」の基本統計量(性別・年齢別)
女性(344 人)
男性(227 人)
小計(571 人)
35-44 歳(152 人)
45-54 歳(200 人)
55-64 歳(216 人)
小計(568 人)
平均値
-0.01
0.01
0.00
0.01
-0.04
0.02
0.00
標準偏差
0.92
0.86
0.90
0.93
0.85
0.92
0.90
②「話題」
「親や親戚とのつきあいについて話し合う」
「地域とのつきあいについて話し合う」
- 36 -
最小値
-2.74
-2.31
-2.74
-2.31
-2.11
-2.74
-2.74
最大値
1.97
1.71
1.97
1.86
1.71
1.97
1.97
F値
0.101 n.s.
0.251 n.s.
「テレビや雑誌などの話題について話し合う」
「政治・社会問題について話し合う」
「私や配偶者のその日の出来事について話し合う」
「私や配偶者の趣味について話し合う」
「子どもに関することで話し合う」
表 2-3-5 「話題」の因子パターン
第 1 因子
0.662
0.626
0.751
0.749
0.766
0.673
0.627
3.893
55.61
親や親戚とのつきあいについて話し合う
地域とのつきあいについて話し合う
テレビや雑誌などの話題について話し合う
政治・社会問題について話し合う
私や配偶者のその日の出来事について話し合う
私や配偶者の趣味について話し合う
子どもに関することで話し合う
固有値
寄与率
共通性
0.522
0.496
0.555
0.549
0.528
0.414
0.358
主因子法、バリマックス回転。
固有値が 1 以上の因子は 1 つ抽出された。以下の分析では第 1 因子の因子負荷量を各ケ
ースの「話題」を示す変数として用いる。「話題」因子も、値が大きいほど、夫婦間の話題
が多いことを示す。
表 2-3-6 「話題」の基本統計量(性別・年齢別)
女性(312 人)
男性(216 人)
合計(528 人)
35-44 歳(132 人)
45-54 歳(186 人)
55-64 歳(207 人)
合計(525 人)
平均値
-0.09
0.12
0.00
-0.06
0.01
0.02
0.00
標準偏差
0.97
0.87
0.93
0.94
0.99
0.88
0.93
最小値
-2.89
-2.41
-2.89
-2.89
-2.69
-2.89
-2.89
最大値
1.66
1.66
1.66
1.66
1.66
1.66
1.66
F値
2.006 n.s.
3.241 *
③「夫婦の共有行動」
「一緒に趣味や娯楽の時間を過ごす」
「遊びや食事のために一緒に出かける」
「お互いの友人を自宅に招く」
表 2-3-7 「共有行動」の因子パターン
一緒に趣味や娯楽の時間を過ごす
遊びや食事のために一緒に出かける
お互いの友人を自宅に招く
固有値
寄与率
主因子法、バリマックス回転。
- 37 -
第 1 因子
0.771
0.763
0.362
1.785
59.52
共通性
0.362
0.360
0.097
固有値が 1 以上の因子は 1 つ抽出された。以下の分析では第 1 因子の因子負荷量を各ケ
ースの「夫婦の共有行動」を示す変数として用いる。「夫婦の共有行動」因子も、値が大き
いほど、夫婦間の共有行動が多いことを示す。
表 2-3-8 「共有行動」の基本統計量(性別・年齢別)
女性(344 人)
男性(230 人)
合計(574 人)
35-44 歳(152 人)
45-54 歳(199 人)
55-64 歳(220 人)
合計(571 人)
平均値
-0.04
0.06
0.00
0.15
-0.09
-0.03
0.00
標準偏差
0.90
0.81
0.87
0.83
0.90
0.86
0.87
最小値
-1.51
-1.51
-1.51
-1.51
-1.51
-1.51
-1.51
最大値
1.96
1.96
1.96
1.96
1.96
1.96
1.96
F値
6.594 *
0.326 n.s.
③会話時間
会話時間(巻末表:問 26)は、5 つのカテゴリ化された選択肢を数値化して7用いる。
表 2-3-9 会話時間の基本統計量(性別・年齢別)
女性(350 人)
男性(233 人)
合計(583 人)
35-44 歳(153 人)
45-54 歳(203 人)
55-64 歳(224 人)
合計(580 人)
平均値
1.27
1.10
1.21
1.00
1.16
1.39
1.20
標準偏差
1.62
1.07
1.43
0.75
1.38
1.77
1.43
最小値
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
最大値
16.0
10.0
16.0
4.5
10.0
16.0
16.0
F値
2.071 n.s.
3.640 *
男女別および年代別に、これら夫婦のコミュニケーションを示す 4 つの変数と「家庭で
の孤独感」との相関係数を算出した(表 2-3-10)。夫婦のコミュニケーションを示す変数は
すべて有意であり、「会話時間」(女性-0.226、男性-0.269)や「夫婦の共有行動」(女性
-0.378、男性-0.258)など、コミュニケーションの「量」も重要であるが、コミュニケー
ションの「情緒的サポート」機能(女性-0.418、男性-0.275)や「話題」(女性-0.482、男
性-0.314)などの「質」も大切であることも示されている。年代別に見ても、各世代で同
様の結果が得られている。
表 2-3-10 「家庭での孤独感」と夫婦のコミュニケーションとの相関
情緒的サポート
話題
共有行動
会話時間
女性
-0.418
-0.482
-0.378
-0.226
***
***
***
***
男性
-0.275
-0.314
-0.258
-0.269
***
***
***
***
ピアソンの相関係数
7
数値化の方法については、注 5(p.22)参照。
- 38 -
35-44 歳
-0.355 ***
-0.395 ***
-0.337 ***
-0.295 ***
45-54 歳
-0.384 ***
-0.487 ***
-0.326 ***
-0.289 ***
55-64 歳
-0.360 ***
-0.365 ***
-0.345 ***
-0.205 **
2−3.「家庭における孤独感」をもたらすその他の要因
家族に関する意識として主成分分析により抽出された 4 つの主成分(p.14-16 参照)、ネ
ットワークの広さ(問 5)、そして、回答者の属性として本人年齢、本人学歴、本人年収、
配偶者学歴、配偶者年収、結婚年数、子どもの有無という 8 つの項目と「孤独感」との関
係について、性別および年代別にピアソンの相関係数を算出した(表 2-3-11-①、②)。
まず性別に見ると、年齢などの回答者の属性は、それ自体では「家庭における孤独感」
とは有意な関係をもたない。人間関係の広がりを示すネットワーク変数では、女性は家族
成員(-0.165)以外にも、親族(-0.134)、友人(-0.155)、近隣(-0.159)の人々と過ご
す機会、また、1 人(-0.198)で過ごす時間が少ないほど、家庭で「孤独感」を感じている。
しかし、男性は家族と過ごす(-0.232)機会や近隣の人々とのつきあい(-0.151)が少な
いことが「家庭での孤独感」を高めるが、それ以外のネットワークは、「家庭での孤独感」
とは有意な関連を持っていない。
家族意識に関する 4 つの主成分は、男女で有意性をもつ成分が異なっており、女性は「恋
愛結婚重視」
(-0.145)が有意である。男性は「血縁重視」
(-0.155)が有意である。
表 2-3-11-① 「家庭における孤独感」との相関(性別)
属性
ネットワーク
家族意識
年齢
結婚年数
子どもの有無
本人学歴
本人年収
配偶者学歴
配偶者年収
家族と過ごす
親族とのつきあい
友人とのつきあい
近隣の人々とのつきあい
1 人で過ごす
第 1 主成分(家族の自明性)
第 2 主成分(個人志向)
第 3 主成分(血縁重視)
第 4 主成分(恋愛結婚主義)
女性
-0.002
0.014
-0.038
0.033
0.008
-0.062
-0.060
-0.165
-0.134
-0.155
-0.159
-0.198
0.057
0.032
-0.027
-0.145
**
*
**
**
***
**
男性
-0.009
-0.023
-0.098
-0.078
0.088
-0.038
0.131
-0.232 ***
-0.127
-0.013
-0.151 *
-0.034
0.101
0.064
-0.155 *
-0.077
ピアソンの相関係数
つぎに年代別にみると(表 2-3-11-②)、属性それ自体は、
「家庭における孤独感」とは有
意な関係がない。ネットワーク変数では、どの年代も「家族と過ごす」(35-44 歳-0.163、
45-54 歳-0.334、55-64 歳-0.145)機会が多いほど、「孤独感」を感じない。特に「45-54 歳」
でそうである。「親族とのつきあい」
(35-44 歳-0.079、45-54 歳-0.205、55-64 歳-0.147)
は若い世代では「家庭での孤独感」とは関係がなく、そのかわりに若い世代は、「近隣の人々
とのつきあい」(35-44 歳-0.204、45-54 歳-0.083、55-64 歳-0.085)が多いほど、「孤独感」
を感じないようである。落合は(1989)は、都市部の核家族は、親族ネットワーク(親や
きょうだいとの援助関係)の不足を補うために近隣の人々との「育児ネットワーク」を発
達させると述べている。本調査の結果も、若い世代にとって近隣関係が重要であることを
- 39 -
示しており、興味深い。
家族意識に関する 4 つの主成分は、
「恋愛結婚重視」が「35-44 歳」
(-0.161)と「45-54
歳」(-0.199)で有意である。「45-54 歳」では、ほかに「家族の自明性」
(0.167)と「血縁
重視」(-0.133)が有意である。
表 2-3-11-② 「家庭における孤独感」との相関(年代別)
属性
ネットワーク
家族意識
結婚年数
子どもの有無
本人学歴
本人年収
配偶者学歴
配偶者年収
家族と過ごす
親族とのつきあい
友人とのつきあい
近隣の人々とのつきあい
1 人で過ごす
第 1 主成分(家族の自明性)
第 2 主成分(個人志向)
第 3 主成分(血縁重視)
第 4 主成分(恋愛結婚主義)
35-44 歳
0.158
-0.038
-0.065
-0.130
0.048
0.056
-0.163 *
-0.079
-0.111
-0.204 **
-0.227
-0.073
0.015
-0.053
-0.161 *
45-54 歳
-0.067
0.036
-0.024
0.001
-0.127
-0.071
-0.334 ***
-0.205 **
-0.114
-0.083
-0.121
0.167 *
0.116
-0.133 *
-0.199 **
55-64 歳
0.025
0.078
0.022
0.036
0.034
-0.020
-0.145 *
-0.147 *
-0.122
-0.085
-0.016
0.051
0.102
-0.049
-0.045
ピアソンの相関係数
2−4.重回帰分析
これらの変数のうち、年齢と本人学歴を統制変数として、家族意識と夫婦のコミュニケ
ーションおよびネットワークを示す合計 9 変数を 1 つずつ投入した重回帰分析をおこなっ
た(表 2-3-12)。重回帰分析とは、被説明変数(この場合は「家庭における孤独感」)を決
定すると思われるさまざまな要因間の関係をコントロールすることにより、各要因のうち、
どの要因がより重要な決定因であるかを知るための分析方法である。表 2-3-12 では、各変
数のβ(ベータ:標準化偏回帰係数。−1 から 1 の値をとり、値の大小を比較することで、
各説明変数が被説明変数に与える決定力を比較することができる)と、各モデルの adjusted
R2(調整済み決定係数:モデルの説明力を示す。1 に近いほどモデルの当てはまりのよさを
示す。値の大小を比較することで、各モデルの説明力を比較することができる)に着目し
ながら、各変数の説明力について読み取っていこう。
ピアソンの相関係数でみた結果と同様に、年齢や学歴で示される属性よりも、夫婦のコ
ミュニケーションやネットワークといったものが、「家庭における孤独感」を決定する重要
な要因であることが示されている。
βの絶対値を比較すると、夫婦間のコミュニケーションでは、女性は、
「話題」(-0.479)、
「情緒的サポート」(-0.412)、「夫婦の共有行動」(-0.374)、「会話時間」(-0.222)の順に、
男性では「話題」(-0.294)、「会話時間」(-0.238)、「情緒的サポート」
(-0.236)、
「共有行
動」(-0.227)の順に大きい。おおむね女性にとって、男性よりも夫婦間のコミュニケーシ
ョンが重要であること、また、女性はコミュニケーションの「量」よりも「質」を重視し
- 40 -
ていることがわかる。一方、男性にとって夫婦間のコミュニケーションで重要なのは「話
題」である。
表 2-3-12 「家庭での孤独感」に関する重回帰分析結果
女性
β
年齢
0.063
学歴
0.034
第 1 主成分(家族の自明性) 0.078
第 2 主成分(個人志向)
0.043
第 3 主成分(血縁重視)
-0.032
第 4 主成分(恋愛結婚重視) -0.121 *
会話時間
-0.222 ***
情緒的サポート
話題
adjusted R2
0.054
F値
3.550 ***
男性
β
0.065
0.060
0.089
-0.010
-0.116
-0.040
-0.238 ***
女性
β
年齢
-0.027
学歴
-0.004
第 1 主成分(家族の自明性) 0.060
第 2 主成分(個人志向)
0.037
第 3 主成分(血縁重視)
-0.014
第 4 主成分(恋愛結婚重視) -0.052
夫婦の共有行動
-0.374 ***
家族そろった夕食
親族との会食・集まり
adjusted R2
0.136
F値
7.884 ***
男性
β
0.022
0.058
0.106
-0.005
-0.142 *
-0.024
-0.227 ***
女性
β
年齢
0.033
学歴
0.013
第 1 主成分(家族の自明性) 0.089
第 2 主成分(個人志向)
0.030
第 3 主成分(血縁重視)
-0.038
第 4 主成分(恋愛結婚重視) -0.163 **
友人との会食・集まり
-0.169 **
近隣とのあいさつ
一人で好きなことをする
adjusted R2
0.036
F値
2.635 *
男性
β
0.026
0.045
0.103
0.027
-0.147 *
-0.068
-0.031
女性
β
0.030
0.014
0.076
0.038
0.015
-0.070
-0.412
0.062
3.014
0.058
2.861
0.010
1.298
0.168
9.803
**
**
男性
β
0.000
0.058
0.103
-0.046
-0.171 *
-0.045
***
-0.236
***
0.083
3.674
女性
β
0.053
-0.012
0.079
0.036
-0.031
-0.140 **
男性
β
0.033
0.029
0.084
0.028
-0.125
-0.054
-0.176
**
-0.190
**
0.045
2.418
0.039
2.807
男性
β
0.034
0.101
0.099
-0.062
-0.097
-0.038
***
***
-0.479
0.227
12.685
***
***
-0.294
0.080
3.463
女性
β
0.019
-0.005
0.073
0.044
-0.039
-0.151 **
男性
β
0.031
0.040
0.099
0.021
-0.135
-0.062
-0.141
0.026
2.190
-0.135
0.020
1.604
*
男性
β
0.058
0.023
0.090
0.026
-0.160 *
-0.055
-0.150
**
-0.147
*
0.028
1.878
*
*
***
*
女性
β
0.078
0.018
0.071
0.047
-0.045
-0.143 *
男性
β
0.036
0.044
0.104
0.021
-0.144 *
-0.072
-0.199
0.046
3.139
-0.042
0.009
1.283
*
***
**
ネットワーク変数では、女性は家族から地域の人間関係まで、広いネットワークがある
ことが「家庭におけるやすらぎ」を高めてくれる。なかでも、「家族そろった夕食」(-0.176)
よりも「1 人で好きなことをする」(-0.199)頻度が高い人ほど、「孤独感」を感じていない
という結果は興味深い。また、「友人との会食・集まり」(-0.169)、「近隣とのあいさつ」
- 41 -
***
**
女性
β
0.018
-0.024
0.064
0.034
-0.018
-0.147 **
0.029
2.341
女性
β
0.045
0.024
0.069
0.046
0.021
-0.044
(-0.150)、
「親族との会食・集まり」(-0.141)も、それぞれ「家庭での孤独感」を感じな
いための重要な人間関係である。一方、男性は「家族そろった夕食」
(-0.190)と「近隣と
のあいさつ」(-0.147)のみが有意な関連を示しており、男性にとっては、「家庭における
孤独感」は、家庭における生活場面での人間関係により決められるものであることが示さ
れている。
- 42 -
第3章
アンケート調査のまとめと考察
アンケート調査は、①現在の家族に関する意識、②現実の家族のあり方、③夫婦の勢力
関係、④「家庭での孤独感」と夫婦のコミュニケーションという 4 つのテーマに分けて分
析してきた。本章では、これらの分析により得られた結果をまとめておこう。
1.家族に関する意識について
―家族に関する規範意識の不在―
アンケート調査では、家族に関する意識として、「イエ」の存続に関する意識や、婚姻に
関する意識、夫婦関係に関する意識、子どもに関する意識などについて尋ねている。これ
らの意識は、日常生活から社会規範まで多様なレベルでの意識が含まれていると同時に、
さまざまな家族成員間の関係に関する意識も含まれている。
こうした多様な意識について、まず、世代間の格差をみたところ、「夫婦は二人でいる時
間を大切にするべき」や「結婚しても、自分の生き方を大切にするべき」、「夫婦でもプラ
イバシーは尊重するべき」など、夫婦関係における男女の平等性や個別性を尊重する意識
は各年代に共通している一方で、若い人ほど、家の継承や夫婦の姓、夫婦の性別役割分業
など、家族の「あるべき姿」、「望ましい姿」というものから自由になっていることが明ら
かになった。
後者の、「あるべき家族」というものからの自由という結果は、ある程度予測された結果
であるが、夫婦関係における平等性や個別性を尊重する意識が 60 代も、30 代にも共通して
いるという結果は意外なものであった。夫婦の平等性や個別性を尊重する意識が世代を問
わず共通した意識であるということは、高齢になって夫婦の平等性・個別性を重視する意
識が高まったか、あるいは、若い世代で夫婦関係についての意識が変化していないかのど
ちらかである。前者の場合は、「夫婦が歳をとって子どもが巣立ち、夫婦 2 人の生活を営ん
でいく中でお互いの存在を尊重するようになった」など「年齢効果」
、あるいは「ライフコ
ースの変化」として解釈されうる。一方、後者の場合は、
「イエ」を存続させるために、あ
るいは子どもを産み、育てるために、あるいは家族を「形成する」ことが当たり前のこと
と考えられていた時代の家族意識は弱まったが、そうした意識にとってかわるほど、夫婦
を中心とするような家族意識や家族のイメージが現れていないことになる。
そこで、家族に関する意識について主成分分析をおこなった。その結果、若い世代は、「家
族の自明性」を失いつつも、新たな家族についての意識やイメージを確立できないでいる
ということが明らかになった。
2.現実の家族のあり方
―夫婦の選択性と自明性―
夫婦のパートナーシップについて分析を行った結果、長い交際期間を経て恋愛結婚する
夫婦は若い世代ほど多く、配偶者を主体的、選択的に決定している人が増えていることが
示された。
しかしながら、結婚当初の生活に関することがらについては、夫婦で(意識的に)話し
- 43 -
合うことで決められている場合よりも、自然に決まることのほうが多い。特に、
「夫婦の家
事分担」や「夫婦の姓」については、女性が家事を切り盛りし、夫の姓を名のるという決
定をしている人が約 9 割にのぼることから、結婚当初の夫婦は、性別に関する社会的慣習
や規範にもとづいてさまざまなことがらを決定し、家族を形成し始めていることが示され
た。さらに、労働状態や収入、学歴、年齢という「資源」を比較したところ、若い世代で
は、学歴は同等であるが、労働状態や収入、年齢という「資源」は、妻よりも夫の方が優
っている夫婦が多く、実際の夫婦関係においては、性別による非対称性がみられた。
これらの結果からも、1.で述べた 2 つの解釈のうち、「若い世代で夫婦関係を中心とす
る家族意識が強まっているわけではない」という仮説が支持される。現状では、日本の夫
婦は、パートナーとしての配偶者は主体的に選択するが、結婚後は、個人対個人の関係と
してパートナーシップを形成しているというよりは、主に性別による役割分化をおこない、
夫婦が一対となった社会的存在として日常生活を営んでいるといえる。
3.夫婦の勢力関係
日常的な決定事項についての分析から、夫婦の権力構造を、「夫優位型」、「妻優位型」、
「一致型」、
「自律型」の 4 つに類型化した。夫婦が同等に権威を配分している「一致型」
が増加している一方で、妻に強い権威がある「妻優位型」も増えていることが確認された。
これらの勢力類型と、学歴や収入などの資源との関係は見いだされなかった。
夫婦関係への満足度との関連をみると、「妻優位型」夫婦における妻の満足度が低く、
「一致型」あるいは「自律型」での妻の満足度が高い。現在の日本社会において、「一致型」
あるいは「自律型」の夫婦関係、社会的に支持される夫婦関係であるということであろう。
4.「家庭での孤独感」について
家庭で「孤独感」を感じないためには、裏返して言えば、家庭での「やすらぎ」を得る
ためには、夫婦関係が重要であることが示された。そして、その夫婦関係に対する満足度
を高めてくれるのは夫婦のコミュニケーションであるが、コミュニケーションは時間など
の「量」と、情緒的サポートなどの「質」という両方が満たされる必要がある。
男性は家族での団らんが重要であるのに対して、女性は友人や一人で過ごす時間がある
など、家族関係以外のネットワークがあることも、家庭でやすらぐために重要な要因であ
る。結婚した男性は、夫婦、あるいは家族を中心とした生活にやすらぎを感じている。し
かしながら、女性は家族を越えたネットワークの存在が、家庭でのやすらぎにも影響を与
えているのである。このような男女差が生じているのは、女性は、配偶者や家族に対して
も、「個人」にとってのネットワークと同じように接しているからであるのか、女性が日常
的に家庭以外の生活をもつためには、意識的にネットワークを広げる必要があるからなの
か、このどちらによるものであるのかによって、評価と対応が異なる。前者であれば女性
が主体的また選択的に家族を営んでいることになり、個人化が進展する社会において「家
族」が独自の意義や役割をもっていることを示唆してくれる。後者の場合であれば、女性
にとって家族はあるべきもの、あるいはもっと言えばメンテナンス(家事や育児)しなく
てはならないものであっても、やすらぎや充足感、満足感をそれ自体として与えてくれる
ものではないことになる。職業をもたない女性が多いこと、また、家内領域における性別
- 44 -
役割分業が存在している現状から判断する限りにおいては、後者の可能性が高いと考える
のが妥当であろう。
5.まとめ
これらの分析結果から、個人化する現代社会において、実際に夫婦を営んでいる人は、
個人対個人として夫婦関係を構築し、維持しているのではなく、夫婦を一対として考え、
そうした夫婦を中心として家族を営んでいる場合が多いといえる。
しかしながら同時に、夫婦関係は、個人の家族生活にとって核となる、重要な関係性で
あることも示されている。多くの夫婦はうまくバランスをとりながら、夫婦関係を持続さ
せている。
一方で、家族に関する規範意識が薄らぎ、一方で、男女が平等であることや対等である
ことの重要性が認識されつつある現代の日本社会にあって、夫婦を一つの単位として構成
される家族は親密性と孤独感を生み出す諸刃の剣のような存在であるといえる。そして、
そのような「家族」のあり方は、これから家族を形成する人々にとっては、そうした家族
を営むのか、それともはじめから家族をあきらめるのかという二者択一の選択肢を提示し
ているように思われる。
特定のかたちの家族を営むことが、ときに家族病理や家族問題を生み出してきたことも
確かである。
「ねばならない」家族意識から解き放たれたわたしたちは、主体的、選択的に
家族を営むことができるようになったはずである。少子化や未婚化など、家族と社会の接
点で「問題」が生じるのであれば、社会に求められているのは多様な個人、多様な夫婦、
多様な家族が暮らしやすい環境を整えることである。
- 45 -
第Ⅱ部 インタビュー調査編
第1章
第1節
調査の概要
調査の目的と方法
1.調査の目的
夫婦間のコミュニケーションの内容や、コミュニケーションをおこなううえでの工夫、
コミュニケーションと夫婦関係に対する満足度のあいだにどのような関連があるのか、ア
ンケート調査では把握しきれない、それぞれの夫婦にみられる具体的な状況やプロセスを
明らかにすることを目的として実施した。
2.調査方法
調査方法は、調査員が調査対象者に個別に直接面接し、あらかじめ決めておいた質問項
目に沿って、調査対象者に聞き取りを行なうという半構造化された個別インタビュー調査
である。インタビュー調査に要した時間は、平均 1 時間程度である。
3.調査対象の選出
アンケート調査のさいに、インタビュー調査にも応じることに同意した人の中から、世
代、夫婦関係の満足度、夫婦の会話時間、夫婦のコミュニケーションの強度などを配慮し
て選出した。
4.調査時期
2005 年 12 月
第2節
調査対象者の属性
事例を識別する仮名
本人職業
Aさん
(女性・30 代)
常時雇用されている
一般従業者
Bさん
(女性・60 代)
Cさん
(女性・40 代)
Dさん
(男性・50 代)
自由業
嘱託社員
常時雇用されている
一般従業者
- 49 -
家族構成
(同居)
本人
配偶者
長女
次女
本人
配偶者
本人
配偶者
本人
配偶者
長男
長女
大学
夫婦関係の
満足度
満足
短期大学
満足
短期大学
やや不満足
大学院
やや満足
本人学歴
第2章
インタビュー事例
①Aさんの場合
履歴
35 歳、女性。現在は、夫婦と 2 人の娘の 4 人家族。夫とは大学時代の同級生であり、現
在は、同じ市内の別々の病院の臨床医をしている。本来は異動の多い職場であるが、外科
医の中には子どもがいる人が少ないので、勤務地を配慮してもらい、長く同じ病院で働い
ている。結婚後も、子どもが生まれる前は、夫と別々に暮らしていたこともある。
日常生活
朝 7 時に保育園に子どもを送っていき、7時 15 分か 30 分には職場に到着。夫婦とも勤
務時間が不規則であるため、子どもを保育園に迎えに行くのは大変だが、ベビーシッター
を頼んで、なんとかこなしている。週 3 回は 18∼19 時頃ベビーシッターが保育園に迎えに
行き、子どもを寝かしつけ、夫婦のどちらかが帰ってくる 22 時頃まで待っていてくれてい
る。月曜日と水曜日は、保育園が開いている 21 時頃までに夫婦のどちらかが保育園に迎え
に行くことにしている。子どもたちは夕食を保育園ですませているので、帰ってからは、
迎えに行った方がお風呂に入れて子どもを寝かしつける。週 2 日なら何とか迎えに行くこ
とができる。迎えに行く回数は、夫婦で半々。その日の仕事の内容によって、しんどいと
思う場合とうれしいと思う場合があって、今から迎えに行って、家に連れて帰って、お風
呂に入れるのがしんどいなーという日もある。
現在、子どもが通っている保育園が見つかったことが幸運で、この保育園がなければ生
活が成り立たない。
平日の家事は、ほとんどをベビーシッターとシルバー人材センターに依頼している。朝
は、6 時半から 2 時間、シルバー人材センターの人がきて、子どもの着替え、掃除、洗濯を
してもらい、夕方は洗濯物の取り込みと片付け、夕食の準備を依頼している。
ベビーシッターも、近所の託児所から派遣してもらっている。大きな会社だと、前の日
の 17 時までに予約をしなければならなかったり、人がころころ変わる場合もあるが、今頼
んでいるところは、急なお願いも聞いてもらえたり、熱が出たときの対応などもしてくれ
る。いい人に関わってもらっていると思う。いなかったらどうしていたかわからない。
仕事・家族・友人関係などの優先順位
ほとんどが仕事。意識的にというか、無理矢理に。仕事以外の時間ももう少し取りたい
と思うが、取れない。もっと子どもと関わりたいという思いや、関われないことへの不安
もあったが、保育士から時間の長さではないと励まされている。もう少し大きくなってき
てからの方が不安。いまは無邪気に、いろんな人に甘えられるが、もう少し大きくなって
くると、そういうわけにもいかないと思っている。
家事・育児の役割分担
ベビーシッターから、ここのお父さんはすごいといわれるほど、育児をしてくれるが、
その割に、子どもに相手にされていないのでかわいそう。同じくらい関わっているのに、
- 50 -
子どもは、私の方にくる。夫は料理が好きで、本を買ってきたり、珍しい食材を取り寄せ
たりしている。家にいる方がやる、というのが基本的な役割分担。でも、夫の仕事が休み
で、私が仕事のときなど、2 日続けて、子どもの面倒をみるのはさすがにしんどいと言って
いる。
夫婦のコミュニケーション
コミュニケーションの手段としては、携帯電話のメールをよく利用している。用事や、
今日子どものお迎えに行けるかどうかなどの確認をメールでしている。夫婦での話題は仕
事のことが多い。悩んでいるときなどは、夫はあまり話しかけてこない。
コミュニケーションを取る上で、特に気をつけていることはない。無意識にはしている
かもしれないが具体的には思いつかない。21 歳の時からつきあっているので、長い過程の
なかでできあがっている部分がある。たとえば、以前にけんかになってしまったことは、
しない、言わないというようなこと。
子どもが生まれたことで、お互いが大人になった。子どもがいないと言いたい放題で、
気に入らなかったら一緒にいなければいいが、子どもがいるとそういうわけにはいかない。
夫とは、友達のような関係。夫も同じように考えているのかもしれない。育った環境も
似ていて、価値観も似ていると思う。
夫との関係におけるストレス
ストレスに感じることは、家を汚されること。逆に夫は、私が家を片付け回ることで、
家を汚すとまた怒られると思って、いやだと言っている。私が曲がっているものをまっす
ぐに直しているのをみたら、私がいないうちに曲がっているものは直しておかないといけ
ないと思って、ストレスを感じているらしい。それ以外のところは、私はストレスを感じ
る部分はない。
お互いに仕事を持って、家事などを分担しているという現状が、バランスの取れた関係
をつくりだしていると思っている。
家族のコミュニケーション
家族がともに過ごす時間は少ないが、休日は、海やキャンプなどレジャーに出かけたり
して、家族のコミュニケーションを取っている。周囲からも元気だなといわれるくらい、
頻繁に出かけている。目的は、子どもを楽しませることと、自分たちのストレス発散。子
どもたちに自分たちと同じことを楽しんでほしいという思いがある。実際に子どもたちも
海が好きで、浮き輪でどこまでも行ってしまうようなところがある。
ただ、休みの日も、当直や呼び出しが不定期にある。夫婦でいかなければならないこと
もあるので、そのときには、保育所に頼んだり、友人に頼んだりしている。
親子のコミュニケーション
ばたばたしているときに、子どもが話しかけてきても無視しないようにしている。でき
る限り、要求をのむ努力をしている。一緒にいる時間が短いので、できる限り怒らないよ
うにしているが、放任しているわけではない。妹をしばいていても、娘に「お母さんもし
- 51 -
ばいとっやろー」と言われて、そうだなーと納得してしまうこともある。保育園にいる時
間が長いからだと思うが、女子高生かなと思うくらい、話すこと、考えていること、態度
などに大人っぽいところがある。上の子だけの時は、私の友達の家を転々としていたこと
があるので、そのときに体得したのだと思うが、周囲に対して、気を使ったりするところ
がある。自分の母親は、専業主婦だったので、自分にはそういった経験はない。
今は仕事があるので、子どもと関わる時間がうれしいが、産休中は、ずっと家にいて、
子どもの面倒をみるのは、しんどいという思いが強かった。産休期間は 1 人目のときは、
産前は 1 日、産後は 7 週間。2 人目の時は、産前が 1 週間、産後が 8 週間だった。
友人とのコミュニケーション
仕事関係がメイン。週末に、料理が趣味の夫が、病院の看護師などを多いときには 10 人
くらい呼ぶこともある。共通の大学の友達がいて、家に招いたり、遊びに行ったりするこ
ともある。
職場でのコミュニケーション
仕事場は、共通の用語が多く、職場の同僚が一番ツーカーの仲。仕事でのコミュニケー
ションのウェイトが高い。チームでないとできない仕事なので、コミュニケーションが必
須条件。コミュニケーションができない人とは仕事ができない。
子どもが生まれてからは、患者との接し方が変わってきたと思う。患者は、病状や治療
方法などについて、医師が説明したことを正確に理解しているということはあまりない。
言葉は悪いが、だましているというか、すれ違いのままということもある。そのすれ違い
が原因で、過剰にいい先生といわれる場合もあるし、その逆もある。正確に理解させたい
という思いが以前はあったが、最近はそう思わなくなった。患者とコミュニケーションを
取るときの、相手がすべてをわかっているわけではないという部分は、子育てと似ている
のだと思う。子育てを通して、許容力もついてきた。子どもができたら、我慢強くなると
思う。仕事の場面でも、以前だったら、我慢できなかったようなことも、子育てのことを
思ったら、楽勝だなと思えるようになったことがある。
思い出
結婚1年目に、先に夫がアメリカに留学し、半年位して同じ場所で仕事があったので私
も渡米した。そのときは研究職だったので、子どもを産むなら今しかないと考えて、上の
子をアメリカで出産した。そのときの一連のことが思い出に残っている。
家族という存在
自分の生活として仕事に関わっている。仕事がないとやっていけない。夫と自分をつな
げているものは子どもではない。病院も仕事の種類も違うので、仕事の仲間という意識で
もない。結婚する前から、相手がいるから仕事ができるという思いがあった。それが結婚
した意味でもある。
現在は、家族がいるから仕事がきちんとできる。仕事と家庭どちらが大事というわけで
はなく、両方があるからバランスが取れている。
- 52 -
②
Bさんの場合
履歴
62 歳、女性。短期大学を卒業してから、幼稚園の先生、保育士、エレクトーンの講師な
どをしていた。夫とはお見合い結婚。子どもが生まれてからも、5∼6 年間は、ピアノとエ
レクトーンの講師をしていた。夫から子どもが小さい間は、家にいるように言われていた
ので、下の子は、自分の母親に預けて、上の子を連れてレッスンをしていた。教えていた
子が中学生になったのでやめた。子どもが中学生になって部活で帰りが遅くなるようにな
ってから、パートタイムで働くようになった。夫は、結婚前は、何度か転職を繰り返し、
ブラジルで生活していた経験もあるが、結婚後は、結婚の 2 年前に就職した出版社で定年
まで働いていた。長男は、結婚して東京で生活。長女は、シングルマザーで、4 歳の長男が
おり、Bさん夫婦の家の隣で生活している。
日常生活
夫が定年してから、普段の食事の支度は、ほとんど夫がしてくれる。私は、タレントと
して活動していて、週に 1 回、大阪にレッスンに通っていて、時々テレビにも出演してい
る。事務所から電話がかかってきて、そのときに家にいないと、他の人に仕事が回ってし
まうので、外出もあまりしない。夫は、よく映画を見に行っていて、一緒に行こうと誘っ
てくれるが、仕事のことが気になるし、人混みがあまり好きではないので断っている。隣
に住んでいる孫の面倒を見ることも時々あり、保育園にお迎えに行ったり、お風呂に入れ
たりすることもあるが、ほとんどは長女が自分でやっている。
仕事・家族・友人関係などの優先順位
夫が定年後、タレントとして仕事がしたいと考えて、プロダクションに登録した。今は
その仕事が趣味。全然お金にはならないが、テレビに出ると言うことが楽しい。オーディ
ションを受けて通ったということが楽しい。仕事が一番。
家事・育児の役割分担
結婚当初より、休みの日は夫が家事をしてくれていた。平日はどんなに忙しくても私が
していた。話し合ったわけではなく、自然とそうなっていた。定年退職後は、料理を作る
ことが夫の楽しみ。毎日、時間をかけて食事の支度をしている。育児にも積極的に関わっ
てくれていた。夜中に起きてミルクを飲ませてくれたり、休みの度に外に連れて行ってく
れていた。「やって」と言わなくてもやってくれていた。夫の母(故人)を引き取って介護
したときも、定年後は、食事の準備も含めて、夫がほとんどしてくれた。
夫婦のコミュニケーション
若い頃から夫の方がよく話をしてくれていた。話題が豊富で、ブラジルにいたときのこ
となどをよく話してくれた。結婚した頃は、夫には亭主関白なところもあって、私の方は、
なかなか言いたいことを言えなかった。
子どもが生まれて一段階、外に出てパートタイムで働くようになって一段階と、私自身
が、だんだん強くなっていって、言いたいことが言えるようになってきたのだと思う。そ
- 53 -
れまでは、世間知らずだった。お寺の娘として育ち、お嬢様学校で男女交際は禁止だった
し、知っている男性は夫だけ。幼稚園の先生として働いていたときも周りは女性ばかりだ
し、ピアノの先生は子ども相手で、本当に世間を知らなかった。外で働くようになって、
他の人の情報を知るようになって、次第に夫に言いたいことが言えるようになった。
外で働いていることを最初は夫に黙っていた。夫に、秘密を持ったことがうしろめたく
て、しばらくしてから夫に打ち明けた。怒られたけれども、家にいるよりも外に出たいと
いう思いが強かったので、働き続けた。そのうちに夫も外で働くことについて理解してく
れるようになった。
今は、夫とは、どんなことでも包み隠さずに、率直に、素直に話をする。夫と話をする
ときに特別に何か意識をしているということはない。言ったことに対して、返事をしてく
れる。一番気を遣わないし、一番自分のことを理解してくれている。一番憎たらしいけれ
ど、一番の理解者。
夫は気難しいところもあるがやさしく大らかなところもある。けんかはしょっちゅうす
るが、言い合い程度で、2 人とも謝らない。それは以前から変わっていない。言い合ったら
終わり。夫に言いたいことが言えるので、1 人で悩んだりしなくてすんでいると思う。夫の
定年後も夫在宅症候群にならなくてすんでいるのも、言いたいことが言い合えるからだと
思う。片方がかっとなって怒っているときには、片方は冷静でいる。夫は、弁が立つが、
私の方が言葉でうまく言えないので、たたいたり蹴ったりすることがあるが、夫からたた
かれたことは一度もない。私の方がひどいことをやっているかもしれない。
結婚当初から、出かけるときは必ずキスをして出かけるようにしている。新婚の頃は町
中でキスをしながら歩いていた。夫は、よく、「愛している」と言葉に出して言っていた。
最近はあまり言わなくなったが、たまに言われると、「聞きたくない」と言ってしまう。出
かけるときのキスは、今も続けている。愛情表現が、挨拶になっていて、日常化している
が、あくまでも愛情表現であることにも変わりはない。
現在は、孫のことが話題の中心。姑が亡くなってからは夫婦 2 人になり、共通の話題が
なくなっていたが、今は、孫のことについてよく話をする。孫も、お母さんに怒られると、
「おじいちゃん、おばあちゃん」といってやってくる。
家族のコミュニケーション
子どもが小さい頃、3 年間、テレビなしで生活した。絵本を読んだり、読み方の競争など
をさせていた。テレビがないぶん、親がテレビ代わりで、元々私が幼稚園の先生だったの
で、折り紙をしたりしていた。
今は、長男は東京にいるので、長男の嫁とのメールでのやりとりはあるが、家に行った
りはしない。関西に来たときに、年に 1 回寄ってくれるくらい。長女は隣に住んでいるが、
長女と一緒に出かけたりすることはない。長女は、私に対して、いつも怒ったような返事
をするので、あまり話はしない。私がいつも夫に怒ったような返事をするので、それと同
じようにしているのだと思う。私が悪いのはわかっている。孫と一緒に、出かけたり、お
風呂に入れたりすることはあるが、ほとんどは、長女が自分でやっている。私の子育ての
時は、夫から家にいるように言われていたので、保育所に預けないで育てていたが、孫を
見ていると、保育所に預けていた方が子どもは成長すると思う。プロが見ているわけだか
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ら、保育所に預けている方が安心。一日中子どもと一緒にいるのはしんどいと思う。自分
は、若かったからできたと思う。今のお母さんは、働いてお金を貯めた方がよいと思う。
50 歳になったら、働くところはないし、いまのうちに子どもを保育所に預けて、働いてお
金を貯めて、後はのんびりしたらいいと思う。
地域とのコミュニケーション
近所づきあいは、挨拶をよくするし、あまりうわさ話をするようなこともない。自治会
のお祭りなどもたくさんあるし、コープの協同購入では、お互いに商品を預かったり、預
かってもらったりすることもある。
思い出
結婚後しばらくしてから行った四国巡礼が一番心に残っている。辛い思い出は特にない。
プラス志向なので逆境は自分をよりよくするチャンスだと思っている。逆に、いいことが
あったら、有頂天にならないように自分を押さえるようにしている。
③
Cさんの場合
履歴
53 歳、女性。子どもは男の子が 2 人いるが、それぞれ独立して生活しており、現在は夫
婦 2 人で生活している。夫とは高校時代の同級生で、Cさんが短期大学を卒業するのを待
って、21 歳の時に結婚。夫は公務員として働いていたが、3 年前に、50 歳で仕事を辞め、
現在は農業をしている。Cさんは、下の子が小学校 4 年生の時から仕事を持ち、現在は、
嘱託職員として週 4 日間勤務している。
日常生活
週 4 日仕事をしていて、1 日の平均勤務時間は 6 時間。夫は、家で農業をしているが、家
事は私が全部している。
仕事・家族・友人関係などの優先順位
今は仕事を一番一生懸命している。ただ、仕事だけを一生懸命していると言うと寂しい
気がする。今年(2005 年)の 3 月に、毎日の勤務から、週に 4 日の勤務に変更になって、
少し時間ができた。外に遊びに行ったりするわけではないが、家で友達と会う機会が増え
た。
家事・育児の役割分担
夫は家事を、一切手伝わない。私の具合が悪くても、ご飯を作るのは私だと思っている。
夫が仕事を辞めてからもそれは変わらない。他の夫婦の話を聞くと、家事を手伝う夫もい
て、結婚当初からの夫に対する教育が悪かったと言われている。夫は、子どもをお風呂に
入れたことも一緒に入ったこともない。1 人目の子どもが生まれた時は、うれしくてしばら
- 55 -
く関わっていたが、本当にしばらくの間だった。その当時は、もっと関わってほしいとい
う思いがあったが、今は、自分が育児をしてきたせいか、2 人の子どもが私の味方なので、
当時の不満は解消されている。
夫婦のコミュニケーション
夫は、元々あまりしゃべらない人で、結婚当初から、話をしないですませていることが
多い。私が 1 人でしゃべっている状態で、夫とは会話にならないので、子ども相手にしゃ
べっていた。話をしないことで、次第に話をすることが少なくなっていった。ただし、報
告事項は言わないとだめ。夫との会話が少ないことについては、特に不満はない。夫は聞
き役で、私も夫に対しては、必要なことしかしゃべらない。
3 年前から夫が家にいるようになり、以前よりは、少し話す機会が多くなった。仕事で時
間が束縛されていた間は、話をする時間が取れなかった。一般的に、夫が定年退職して家
にいるようになると、会話は増えてくるのではないかと思う。我が家の場合も、会話は少
なかったけれど、けんかをしていたわけではないので、夫が退職してからは、以前と比べ
ると 10 倍以上話をするようになった。夫婦で行動したことはあまりなく、子ども 2 人と夫
の母と私の 4 人で外出することが多かった。
夫は仕事が忙しくて家にいないことが多かった。相談する機会を待っていると決められ
ないので、よほどのことでない限りは、自分で決める癖がついた。何でも自分で決める習
慣がついているので、元気なときは夫がいなくても気にならなかったが、ここ数年、自分
自身の体調が悪いことがあって、そういうときには、夫のことが頼りになる。都合の良い
話かもしれないが、誰かが病気になったときなどは、夫は、いてもらわないと困る存在。
夫は私のことを、ご飯・家事をするのに必要な存在とぐらいにしか考えていないと思う。
夫が仕事を辞める時は、それを止めたいと思ったけれど、相談されているというよりは、
すでに自分で結論を出してから言っていると思ったのであきらめていた。夫とは、けんか
はしない。けんかをするほど関わらない。若い頃は、帰りが遅いことがけんかの原因にな
っていた。今は、言い争いをすることはなく、謝ることもなく、不満に思うことがあって
も自然に解消されていく。
下の子が小学校 4 年生の時から、私も仕事を始めた。自分が仕事を持ってからは働いて
いる夫の気持ちがわかるようになった。仕事をしておらず、ずっと家にいたときは待って
いる生活だった。夫が連絡をくれずに、飲み会などで遅く帰ってくると、遅くなるときは
連絡をして欲しいと言っていたが、今では、同僚が飲み会の時に遅くなるからと電話して
いる姿を見ているとなんだか情けない感じがして、夫にも、連絡しなくて良いと言うよう
になった。
親子のコミュニケーション
上の子は、私に意見をするようなタイプ。下の子は、優しくて友達と遊ぶときでも私を
連れて行くようなタイプ。上の子との関係は、夫との関係と似ている。1 対 1 の自立した大
人としての関係。下の子とは会話が行き交う。25 歳になっても、私が友人と会うときなど
はついてくる。私がいなかったら、魚の煮付けの作り方を私の友達に電話して聞いたりし
ている。
- 56 -
2 人とも、私の意見を聞き入れていないようでいて、最終的には私の思うようにしてくれ
ている。子どもの進学などでの悩みに関しては、母から子どもへのアドバイスという形で
伝える。親の言葉を聞き入れてくれる。私は自分の考えていることがベストだと思ってい
るところがある。それを子どもが受け入れたり、反抗せずに意見を言ってくれる。夫もそ
れを理解してくれている。親子の仲はよいが、
「母子密着」のようなものではなく、子ども
は、それぞれ自立している。
友人とのコミュニケーション
夫とは、高校の同級生なので共通の友人がいる。なかでも、夫と私の仲の良い高校の同
級生が 3 人いて、それぞれの妻を含めた 4 家族での交流がずっとつづいている。子どもが
独立してからは、8 人で忘年会などをしている。妻グループで旅行に行くこともある。年に
3 回くらいは全員で会う。
高校時代からの友人なので、言わなくてもわかってくれる部分が多い。私が夫に対して
思っていることについて、友人の方がよくわかってくれる部分がある。夫の帰りが遅かっ
た頃も、友人が夫に早く帰るように話してくれていた。友人とはメールで連絡することが
ある。1 人にメールを送ると、8 人に一斉に送信されるようにしている。8 人の中には夫も
含まれているので、夫の悪口を友達にメールで連絡すると、夫にも届くようになっている。
10 年後、みんなが仕事を辞めたら、4 家族で一緒に暮らすのが夢かなと思っている。一
緒に住むかどうかは別にしても、8 人が一緒に過ごす時間は長くなると思う。
夫は、元の職場の友人とも連絡を取りあっている。友人たちは、転勤でいろいろな場所
にいるので、北海道や大分など毎年どこかで会っている。私も誘われるが、一緒には行か
ない。出かけようと思ったら、家のことをしていかないといけないから。夫は、自分から
話す方ではないが、聞き役で、人づきあい、人当たりがよい。だから仕事をしている頃も
帰ってくるのが遅くなっていたのだと思う。
思い出
結婚して 8 年目、下の子が 1 歳半くらいの時、子ども抜きで夫婦 2 人で神戸のホテルに
泊まった。夫が予約をしてくれた。子どもを夫の母に預けた。とても贅沢をしたが、下の
子がまだ小さかったので、子どもが離れていたことが気になって、くつろげなかった。子
どもと一緒に民宿でくつろいだ方が良かった。キャンセルして欲しいくらいだったが、夫
の私を思いやってくれる気持ちなので、一緒に行った。もったいないという気持ちと、子
どもと離れていることでの心配な気持ちの方が強かった。その気持ちがでていたのか、夫
には、「おまえには何をしても甲斐がない」と言われた。
④
Dさんの場合
履歴
51 歳、男性。勤続 20 数年の大学教員。昭和 57 年に恋愛結婚。専業主婦の妻と中学生の
娘と大学受験生の息子の 4 人家族。15 年前、上の子が 3 歳の時アメリカに 8 ヶ月滞在し、
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10 年前に、上の子が小学校 3 年生で下の子が幼稚園の時、イタリアに 1 年間滞在。
日常生活
以前は、朝遅く出勤して、夜遅くまで仕事をするいという生活をしていた。遅く帰って
きて、さらに家でも仕事をしていたが、効率が上がらないので、最近は、朝 8 時か 9 時頃
には出勤して、夜も早く家に帰るようにしている。ここ数年は、月 4∼5 回は夜の研究会等
に出席しているので、その日は家に帰るのが遅くなる。
仕事・家族・友人関係などの優先順位
家族が基盤だと考えている。それに一生懸命になって仕事をしないということではない
が、仕事一筋ではないと考えている。家族、仕事、趣味などは、時間を区切って考えてい
る。趣味はスローフード。週末は、自ら、家族に料理を作って、スローフードを実践して
いる。スローフードに関するグループの立ち上げメンバーにもなっている。最初は妻も一
緒にそのグループに参加していたが、場所が遠いので参加する機会がなく、今は自分だけ
が参加している。
家事・育児の役割分担
家事や育児に対する考え方については、団塊の世代よりも少し後の我々の世代が、境目
になっているような気がする。我々の世代は、ニューファミリーというか、男も女もでき
ることをやりましょうという風潮がある様に感じる。お互い自分のできることをやったら
得という感覚。家では、役割分担をしているわけではないが、妻が出かけるときなど頼ま
れたらやる。必要であればやるという感じ。
核家族なので、子どもが小さいときは、仕事が終わったら家に早く帰っていた。子ども
を風呂に入れるとなったら、自分の方が妻よりも手が大きくてやりやすいなど有利な部分
もあるので、積極的にやっていた。育児に関しては、おむつを替えるなど一通りのことも
やった。
現在は、土曜か日曜に一度、私が夕食を作っている。夫婦で一緒に台所に立つことはな
いが、妻も何品か作る。料理はやってみたら意外と簡単だった。結婚するまでは、自分の
母親が作ってくれていて、それが当たり前であった。結婚してからやるようになった。自
分で作った料理を、家族に「おいしい」と言われたらうれしい。
夫婦のコミュニケーション
趣味に関しては、夫婦がお互いに別々の趣味を持っているというわけではない。韓国ド
ラマなどが夫婦で共通の話題となっている。妻はよく夕方の情報番組を見ていて、その番
組の内容などを、いろんな知識の中の 1 つとして持っていたらいいのではないかというこ
とで、私に教えてくれる。妻の発言が情報源の 1 つ。私が、職場であったことなどを話し
て、妻がアドバイスをくれる場合もある。
自彊術という日本の体操を夫婦でしている。妻は、先生の助手のようなことをやってい
る。私も月に 2 回習いに行き、家でも、毎朝 30 分くらいやる。自彊術に関しては、妻の方
が先生で、いろいろと指摘される。
- 58 -
他人と話す場合だったら、相手がどう考えているかということを考えながら、言って良
いことと、悪いことを考えている緊張した部分があるが、家族だからこそ、好きなことを
言える。主従の関係というよりは、それぞれ主になったり従になったりしている。どちら
かといえば私が尻に敷かれている感じ。妻はそういわないと思うが・・・。
家族のコミュニケーション
決まった時間は取っていない。子どものクラブ活動などが忙しいので、小さいときと比
べて一緒に集まって何かをするという時間は少なくなった。日曜の夜は集まる。食事をし
ながらコミュニケーションを取っている。朝もだいたい集まって食べて、そのときにコミ
ュニケーションを取る。週末なども、子どもたちは、自分たちの時間に活動を費やしてい
る。時間が取れないということで寂しいということはない。時間が取れる範囲で、コミュ
ニケーションを取っている。父として、世間で言われているような、疎外されているとい
う感覚はないので、家族とのコミュニケーションはうまくとれている方なのではないか。
同じテレビを見ているときには、会話をしたり、自然に集まってきたりしている。
外出や行事などは、特に決めているわけではないが、下の子が、イベントをとても大事
にする。家族の行事として、どうしてもして欲しいことを言う。外食は月に 1∼2 回。上の
子はもう来ない。旅行については、最近は時間があわなくなって、遠出はしない。小さい
頃は、夏に 1 回海水浴に行ったり、妻か私の実家に行くなどしていた。最近は、実家にも
長くは行かない。妻も実家に戻ることは少ない。妻は独立心があるというか、実家には電
話もあまりしない。
家族の間で、携帯電話で簡単なことをメールでやりとりすることはある。妻と長男が持
っているが、長男は、昼間は電源を切っている。妻もあまり好きではない。本当に簡単な
ところだけ携帯を使う。ほとんどの場合、直接会話をしたり、家庭の中で自然に家事など
の役割分担をする中で、コミュニケーションを取っている。
地域とのコミュニケーション
45 歳あたりから、対外的な仕事、社会奉仕のような仕事の声がかかるようになった。去
年までPTAをやっていた。イタリアでの生活の経験から、家族が生活のベースであり、
その分、地域との関係が重要であることを意識するようになったこともあって、義務感と
いうよりは、社会に貢献できればよいと考えて引き受けた。
働いていることを理由にしてPTAの役員になりたがらない人がいる。家にいる人は、
働いていないかといえば、そうではない。家事をして、働いている。家にいる人が仕事を
していないというわけではない。平等に考えないといけない。
地域との関わりを求める部分が、自分自身にもある。コミュニケーションは大切。参加
できる、言える土壌を作っていくことが大切。新しいところがやりやすい。今住んでいる
ところは、新しい団地で、自治会を作ったところ。草刈りなど、集まってくる方が、とて
も熱心。私は関係ないという人が少ない。意識が高い人がたまたま集まっているのかもし
れない。
近所の子どもはあまり挨拶をしないので、挨拶をするまでおはようと言い続けている。
そのうち、渋々するようになる。そういうことが大切だと考えている。教育というのは、
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教える、はぐくむということ。体験する場面をもうけていくのがよい。スローフードのメ
ンバーの中に、農業をしている人がいて、学生を連れて作物の間引きにいったことがある。
学生たちは喜んで、次の年も参加していた。子どもたちには、体験の場が必要。その場を
提供することが必要。
まずは、家族が、特に子どもが、体験したらいいと思うことをできるようにしたい。そ
の次に、近所の子ども。最初は、自分の子ども。それぞれがその気持ちを持っていて、自
分の子どもに対する気持ちが、近所の子どもにも広がっていくのではないか。
海外生活
アメリカとイタリアで生活したことで、家族が基盤であるということを、より強く意識
するようになった。特に、イタリアという国は家族がベース。キリスト教などの影響があ
ると思うが、休みはきっちり休む。土曜日に職場にいる人もいるが、土曜日に出勤してい
ると自分のことは棚に上げて怒られる。家庭が基盤で、家庭があるからいろいろなことが
できる。喜びも分かち合える。家庭をベースにする分、地域とのつながりを大切にしてい
る。日本人は、他人に対して無意識なところがあるが、海外では、自分もこれだけしてい
るから人にも言える、というところがある。日本では、核家族というものが、迷惑をかけ
たくないというか、他人に対して予防線を張っているようなところがある。日本は、民族
が多くないので、あうんの呼吸でわかるところがある。たくさんの民族がいるところでは、
敵意がないところを示すことからはじめなければならないので、他人とのコミュニケーシ
ョンを意識的にとる必要があるのだと思う。
イタリアでは、お母さんが強い。良いか悪いかは別にして、お母さんが家できちんとし
ているから、自分は勉強もできるし、仕事もできるというスタンス。子どもは結婚しても、
自分の親の近くで暮らす。孫も祖父母を大切にしている。
- 60 -
第3章
インタビュー調査のまとめと考察
コミュニケーションと夫婦関係との関連について、より具体的な内容を把握するために、
4 名の方にインタビュー調査を実施した。
インタビュー対象者は、アンケートに回答してくれた人の中から、性別、年代および夫
婦関係とコミュニケーションの関係について考慮したうえで選定した。夫婦関係の満足度
とコミュニケーションの関連として、「コミュニケーションの時間が少ないけれども、夫婦
の満足度が高い事例」「意識的にコミュニケーションを取っていることで、夫婦関係の満足
度が高い事例」「コミュニケーションの時間も少なく、夫婦関係の満足度も低い事例」「家
族・地域とのコミュニケーションを重視している事例」の 4 つを指標とした。
しかしながら、インタビュー日程を調整した結果、インタビュー対象者の性別構成は、
男性 1 名、女性 3 名となった。また、実際にインタビューを実施してみると、「コミュニケ
ーションの時間も少なく、夫婦関係の満足度も低い事例」としてとらえていたCさんの事
例は、職場や友人関係、親子関係に対する満足度と比較すると相対的に夫婦の満足度が低
いというものであり、夫婦関係において特に不満があるというわけではなく、Cさんも含
めて、対象者は 4 人とも、夫婦関係について満足度の高い事例としてとらえ直すことが必
要になった。
アンケート調査の「夫婦間でのコミュニケーションの工夫」についての自由記述欄の回
答と夫婦関係の満足度の関連を見ると、「相手の顔色をうかがい、決める」「機嫌の悪いと
きには話しかけない」「タイミング、話し方に注意する」など、コミュニケーションを取る
際に、相手に気を遣わなければならない場合においては、夫婦関係の満足度について、「や
や不満」「不満」と回答しているケースが多い。コミュニケーションの時間の取り方を工夫
している場合や、コミュニケーションの取り方・内容(「聞くことを大切にしている」「思
いやりを持つ」「隠し事をしない」など)に配慮している、また、自然体である、と回答し
ている場合に夫婦関係の満足度の高い例が多いことと対照的である。
今回のインタビュー調査では、どの対象者も、友人や職場の同僚とのコミュニケーショ
ンと比較した際の、夫婦のコミュニケーションの特徴としては、「一番気を遣わない」、「最
も遠慮がなく、好きなことが言える」と回答している。アンケート調査で、夫婦関係の満
足度について、「やや不満」と回答していたCさんも、インタビュー調査では、夫とのコミ
ュニケーションの特徴について、「一番気を遣わなくて良い」と回答し、夫との関係そのも
のについても「特に不満ではない」と回答している。
アンケート調査の自由記述や、4 名のインタビュー対象者の共通項として、「夫婦間のコ
ミュニケーションに気を遣わなくて良い場合に、夫婦関係の満足度が高い」と考えること
ができる。しかしながら、インタビューを通じて、4 名のコミュニケーションの取り方は一
様ではなく、それぞれに特徴がみられることがわかってきた。今回のインタビュー調査の
まとめとして、夫婦間のコミュニケーションの特徴と夫婦の役割意識、夫婦の満足度との
関係についての分析を試みた。
1.夫婦のコミュニケーションの取り方
Aさんの場合は、夫婦ともに多忙を極める生活の中で、子どもの送り迎えを携帯電話の
- 61 -
メールでやりとりするなど、日常のコミュニケーションには、生活を円滑に進める上での
事務連絡的な要素がある。その一方で、休日は、平日にコミュニケーションの時間が取れ
ないことを補完するように、イベント的な要素の強い、レジャー等へ頻繁に出かけている。
必然的なコミュニケーションと意識的なコミュニケーションを組み合わせてバランスを取
っている事例として捉えることができる。
Bさんは、スキンシップや言葉による愛情表現という意識的なコミュニケーションを結
婚当初から取ってきた夫婦である。「スキンシップは、習慣化して、挨拶になっているが、
やはり愛情表現」と話しているとおり、結婚から 35 年が経過した今も、スキンシップや言
葉による愛情表現が、夫婦のコミュニケーションにおいて重要な要素になっている。また、
この夫婦は、コミュニケーションの内容について経年変化がみられる事例でもある。結婚
当初は、夫に対して、言いたいことが言えなかったBさんだが、出産と、仕事を始めたこ
とがきっかけになり、「だんだん夫に対して言いたいことが言えるようになってきた」と話
している。働いていることを内緒にしていたBさんが、周囲の影響もあり、仕事を始めた
ことを、夫に打ち明けた頃から、夫に対して対等な立場へと近づいていっている。夫から
の精神的自立の度合いの変化といえるかもしれない。現在は、「夫に対して、言いたいこと
が言えるので、悩んだりしなくてすむ。言いたいことが言えるから、夫在宅症候群になら
なくてすんでいる」と話しているとおり、経年変化に伴って、夫婦関係が平等性を高めた
ことにより、遠慮なく何でも話すことができるようになり、結果として、夫婦間のストレ
スが軽減されていったという事例である。
Cさんの場合は、Aさん、Bさんの事例と異なり、夫とは、ほとんどコミュニケーショ
ンを取っていない。結婚当初より夫の仕事が忙しく、家事・子育てを 1 人で受け持ってい
たCさんが、
「夫の判断を待っていると決めるのが遅くなるので、1 人で決める癖をつけて
きた。必要なことは報告するが、それ以外は、ほとんど話さない。話さないことで、どん
どん話す必要がなくなる」と話しているように、Cさんは、夫婦間のコミュニケーション
について、「取る必要がなかった」と考えている。話し合わないから満足度が低いというこ
とではなく、話す必要がないから話さないという事例であり、コミュニケーションの有無
が夫婦関係の満足度と関わっているというよりは、配偶者の役割に対する意識や夫婦以外
の人間関係が夫婦の満足度を規定している。ただし、「自分や家族の具合が悪いときには、
夫が頼りになる」とも回答していて、平時以外の場合に、夫の存在や役割への期待が持ち
上がってくるようである。
Dさんは、他のインタビュー対象者が、日常生活における優先順位について、最も優先
しているものを「仕事」と回答しているのに対し、唯一「家族」と答えた対象者である。
今回のインタビュー調査では、Dさんのみが男性回答者であり、性別から見ると女性が優
先順位が高いと意識するものは、「仕事」であり、男性が優先順位が高いと意識するものは
「家族」であるという結果となっている。観点を変えると、女性が「家庭」のことをする
のは当たり前のことであり、女性が「仕事」を持つ場合には、意識的に、優先事項として
とらえる傾向があるのではないかと考えることができる。逆に、男性は、「仕事」をするの
が当たり前であり、「家庭」を優先事項としてとらえるためには、意識的に行うことが必要
であるのかもしれない。
イタリアでの生活経験から、「家族が基盤である」と考え、「イタリアでは、お母さんが
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強い。良いか悪いかは別にして、お母さんが家できちんとしているから、自分は勉強もで
きるし、仕事もできるというスタンス」「家族が基盤であるから、その分、地域とのつなが
りが重要である」など、家族のコミュニケーションや地域でのコミュニケーションについ
て、その重要性を強く認識している。また、妻が、専業主婦として家庭を守っていること
を重要であると考え、それを尊重している。その妻の専業主婦としての立場への理解が妻
とのコミュニケーションを良好に保っていると考えられる。妻とは、趣味を共有したり、
妻がDさんに、テレビ番組の情報を知識として伝えることを習慣化するなど、夫婦間でも
意識的にコミュニケーションの機会をつくっている。
2.夫婦の役割意識とコミュニケーション
では、夫婦間のコミュニケーションの違いをもたらしているものは何なのか。今回のイ
ンタビューから見えてきた要素の 1 つが、夫婦の役割意識とコミュニケーションの特徴と
の関連である。
夫婦の役割意識とは、具体的には、「家庭生活における家事・育児、また生活費の確保を
夫婦のどちらが担うべきだと考えているかという意識」であり、「実際にどちらが担ってい
るかという事実」と、必ずしも一致するものではない。
夫婦のどちらが生活費を確保し、どちらが家事・育児をするかが決まっていて、意識と
してもその分担を肯定している場合を、「役割意識が固定的である」状態として定義する。
実際の役割が流動的であっても、意識が固定されている場合もこれにあてはまる。逆に、
役割が固定されている場合でも、役割分担に対する意識が流動的な場合は、「役割意識が流
動的である」と定義する。
Aさんの場合は、共働きであり、かつ、夫婦ともに仕事が忙しく、日常の家事はシルバ
ー人材センターやベビーシッターに依頼し、子どもの保育所への送迎も、役割を固定して
いるわけではなく、行ける方が行くという流動的な対応をしている。休みの日も、料理が
趣味である夫が食事を作ったり、妻が仕事に行っている場合には、子育て・家事を夫が引
き受けるなど、夫婦としての平等性が高く、意識だけでなく、夫婦における役割そのもの
が流動的である。
Bさんは、夫の家事・育児への参加について、「育児については、やってと言わなくても
やってくれた。夜中に起きて、ミルクも飲ませてくれた。休みのたびに外に連れて行って
くれていた。
」と話しているように、土日祝日は、結婚当初から料理を作り、また、夫の母
親の介護も、夫がすべて受け持つなど、家庭の中で、家事・育児・介護に、夫が主体的に
関わっている。さらに、定年退職後は、夕食の準備は、すべて夫がしている。Bさんの夫
は、「しなければならない」「したほうがよい」という意識で家事・育児に関わっていると
いうよりは、家事をするのが「あたりまえ」、もしくは、家事・育児を「やりたい」という
気持ちを持っていたのかもしれない。結婚当初の妻が専業主婦であった、固定的な役割分
担の事実とは対照的にBさん夫婦の役割意識は流動的であり、妻が専業主婦であった時期、
後にパートタイムで働くようなってから、また、夫の定年後という状況の変化に伴う夫婦
における実質的な役割の変化を経験し、その意識の流動性は、経年変化によって、さらに
高まってきたと考えることができる。
Cさんは、夫が家事を一切せず、家のことに関しては、妻がほとんど一人で決め、重要
- 63 -
なところだけ報告するという形態の夫婦である。子どもが生まれてから手を離れるまでの
時期を仕事重視で忙しくすごし、家族とのかかわりが少なかった夫と、専業主婦として家
事・家政全般を受け持ち、精神的に自立していった妻、という夫婦関係を確立していった
過程がうかがえる。家事の一切は妻が切り盛りするという状態は、妻が働きだしてからも
変わらず、夫が仕事を辞めてからも変化していない。また、妻も、夫が家事に関わること
を強く求めているわけではなく、固定的な役割意識を持った夫婦であるといえる。
Dさんは、家族や地域のコミュニケーションが非常に重要であると考えている。また、
妻は専業主婦であるが、Dさんも家事に意識的にかかわっている。週末に料理を作るのは、
趣味であるスローフードを自宅で楽しむためであるが、「自分で作った料理をおいしいと
言ってもらったらうれしい」という回答や、「男だから女だからということではなく、やれ
る方がやったらいい、その方が得。
」という回答にみられるとおり、育児にも積極的に参加
し、妻が留守の場合には家事をするなど、家事に対する抵抗感が感じられない。
つまり、役割としては固定化されているが、Dさん自身は、その固定化された役割を当
たり前のことだとは考えずに、家事や育児も必要であればやる、できることはやる、とい
うスタンスであり、意識としては流動的であると考えることができる。
整理すると、今回のインタビュー調査の対象者では、Cさん以外の夫婦の役割意識は流
動的であると考えられる。
この役割意識を、それぞれの回答者のコミュニケーションの特徴と照らし合わせて考え
ると、Aさん、Bさん、Dさんという役割意識が流動的な夫婦においては、形式は違うが、
積極的なコミュニケーションが取られていて、逆に、役割意識が固定的なCさんについて
は、コミュニケーションはむしろ取る必要がないものと考えられている。
言い換えれば、役割意識が流動的な夫婦においてはコミュニケーションへの志向が高く、
役割意識が固定的な夫婦においては、コミュニケーションへの志向が低いと分析すること
ができる。
3.夫婦関係の満足度とコミュニケーション
今回のインタビュー調査においては、コミュニケーションの時間や志向と夫婦関係の満
足度についての因果関係を導き出すことはできなかったが、4 名の対象者が夫婦関係の満足
度を高く保っている要因として、以下の 3 点をあげることができる。
・ お互いの役割に対する尊重・理解
・ 夫婦関係の平等性
・ 夫婦が望むコミュニケーションと実際のコミュニケーションの特徴の一致
Aさんは、忙しい日常を、ベビーシッターやシルバー人材センター、保育所を上手に活
用することで、時間を作り出している。共働き夫婦の場合、夫婦のどちらか一方に、過重
に家事・育児の負担がかかると、負担を負っている側のストレスがたまりやすく、負担を
負わない側への不満が高まることは、容易に予測できる。それを、家事を外部化すること
によって、仕事に集中できる状況をきちんとつくり出し、また、子どもと向かい合う時間
をつくり出すことによって、日常生活における、家事や育児などのストレスが軽減されて
- 64 -
いるように見受けられる。日常の中で、最も優先されているのは仕事であるが、短い時間
の中で、夫婦ともに、子どもと向かい合って関わっている。それも、家事を外部化してい
るためにできた余裕である。夫婦の関係は、平等性が高く、かつ、お互いが精神的に自立
していることが感じられた。平日のコミュニケーションの時間は長いとはいえないが、休
日には、頻繁にレジャーなどに出かけ、意識的に、コミュニケーションの時間に充ててい
る。夫婦が協力して、仕事と家庭のバランスをうまく取っていることで、夫婦関係の満足
度が高いと考えられる。
Bさんの特徴は、結婚当初から続くスキンシップと、言いたいことが言えるという夫婦
関係に表れている。Bさんは、夫とのコミュニケーションについて、「包み隠さず、率直に、
素直に話をする。コミュニケーションの取り方について意識していることは別にない。言
ったことに対して返事をしてくれる。一番気を遣わなくていいし、一番自分のことを理解
してくれている。他人では、わかってもらえないことも、理解してくれる。一番憎たらし
いけれど一番の理解者。
」と話している。Bさんと夫の間には、お互いに対する理解と共感
があり、そのことが、満足度の高い夫婦関係と遠慮のないコミュニケーションにつながっ
ている。
Cさんは、夫婦関係において、夫から精神的に自立し、コミュニケーションをほとんど
取ってこなかった。もっと夫に関わってほしいという思いが強ければ、この夫婦のバラン
スは崩れてしまっていたかもしれない。インタビューからは、夫婦二人の生活を楽しんで
いると言うよりは、それぞれが、自分の世界を生きているという状況が伝わってきた。C
さんは、インタビューの中で、「今、一番優先しているものは何ですか?」という問に対し
て、「仕事」と回答している。「仕事が楽しいし、やりがいがある。でも仕事が一番という
と何か寂しい感じがする。」という回答にみられるように、仕事が、Cさんの生活の中で大
きな比重を占めている。さらに、仲の良い友人 8 人グループの中には、自分とともに夫も
入っていて、定年退職後は 8 人一緒に暮らしたいという希望からも、8 人グループの 1 人と
しての夫との結びつきが感じられた。夫の離職後も夫婦のコミュニケーションは、ほとん
ど取られていないものの、仕事や子どもとの関係、また、友人関係の満足度がCさんの夫
への依存度を低下させ、夫とは、夫婦関係だけではなく、仲の良い 8 人グループのメンバ
ーとして結びつき、夫との関係を良好に継続している。
Dさんの場合は、家族のコミュニケーションを重要なものとして意識し、また、妻の専
業主婦としての役割を尊重し、理解することで夫婦関係を円満に保っている事例として考
えることができる。
その背景にあるのは、Dさんがもともと持っていた、「男だから、女だからということで
はなく、できるほうがやったらいい」という考え方と、海外での生活経験からの、「家族が
基盤」という考え方のようである。Dさんの、「家庭にいる人も家事という仕事をしている、
外で働いている人と一緒で、平等に考えないといけない。
」という、家庭での家事労働に対
する評価と、また、妻・母が家庭にいることを尊重する考え方が、夫婦関係に影響をもた
らしていると感じられた。その意識が、夫婦関係の平等性と、妻への配慮につながってい
る。夫婦の形態としては、性別役割分業を維持しているように見えながら、内実は、夫婦
の関係は平等性が高く、むしろ、妻優位の部分もあるように見受けられる。家事に関して
も、妻が専業主婦であることもあり、自分の役割として関わっているわけではないが、家
- 65 -
事をすることに対する抵抗は感じられない。また、妻がやることが当たり前、妻がやるべ
きであるとも考えていない。結果的に、妻が家事労働を受け持っているが、それが当たり
前ではないという意識が、妻への感謝と理解につながり、夫婦関係を良好に保ち、コミュ
ニケーションへの志向の高さと結びついている。
4.まとめ
今回のインタビュー調査から見えてきたことは、それぞれの対象者において、夫婦間の
コミュニケーションには特徴があり、その特徴を規定している理由があるということであ
る。夫婦のコミュニケーションにおいて、みることのできるそれぞれの特徴は、夫婦間の
役割意識や平等性などに規定されるものであり、コミュニケーションは、夫婦間での意志
や情報伝達のツールでもありながら、その特徴は、夫婦関係の結果として表れてくるもの
でもあると考えられる。すなわちコミュニケーションの取り方や内容が夫婦関係を規定し
ているというよりはむしろ、夫婦関係がコミュニケーションの特徴に大きく反映されてい
ることがうかがえる。
コミュニケーションの特徴がそれぞれに異なっている一方で、4 名のインタビュー対象者
には、いずれも、夫婦の双方が自立し、夫婦関係のバランスがうまく取れていて、夫婦の
満足度が高いという共通点がある。今回のインタビュー調査の中では、夫婦関係における
役割意識が流動的なAさん、Bさん、Dさん夫婦においては、夫婦双方のコミュニケーシ
ョンへの志向が高く、コミュニケーションの時間が多い、もしくは内容の濃いコミュニケ
ーションが取られている。一方、役割意識が固定的であり、夫婦双方のコミュニケーショ
ンへの志向が低いCさん夫婦においては、実際にもコミュニケーションに消極的である。
といった形で、夫婦の役割意識と夫婦が望むコミュニケーション、そして、実際のコミュ
ニケーションの取り方がうまくかみ合っている事例である。その場合に、夫婦関係の満足
度が高いと考えられる。夫婦関係において、良好なコミュニケーションとは、夫婦間の役
割意識や平等性とかみ合ったコミュニケーションのことであり、夫婦関係の満足度の高さ
は、会話の時間の長さやコミュニケーションの志向の高さと単純に比例するものではない。
夫婦関係を良好に保っているのは、夫婦間の平等性であり、さらにそれを後押ししてい
るのが夫婦間の理解と尊重である。そして、その夫婦関係とかみ合ったコミュニケーショ
ンをとっている夫婦においては、高い満足度が継続されると考えることができる。
- 66 -
結語
本調査は、個人化が進展する社会における夫婦関係に着目し、分析をおこなってきた。
戦後の日本社会は、驚異的に高い婚姻率と驚異的に低い離婚率に示されるように、「家族」
を営むことが自明な社会であった。しかしながら、家族についての規範意識が薄れ、家族
に関する個人的選択の裁量の余地が大きくなるとき、いったい、「家族」を営むことが個人
にとってどのような意味を持つのであろうか、というのが当初の問であった。
本調査の結果によれば、現在の日本社会における個人化は、かつて強固であった「家族」
というイメージが薄らぐなかで、それにかわるような「家族」のイメージをもてないまま
進展しているようである。このため、「家族」の形成については、少なくとも人々の意識の
うえでは、多様な「家族」のありかたが模索されるというよりは、記憶の中に残っている
「家族」を形成するか/形成しないかという二者択一の選択肢しか用意されていないよう
に思われる。
すでに夫婦を形成している人たちの多くは、家庭内の分業やコミュニケーションについ
て、うまくバランスをとりながら夫婦関係、家族関係を作り上げている。しかしながら、
家族の規範意識のゆらぎ、個人化や男女の対等性・平等性が尊重される状況のなかで、夫
婦を一対とする家族のあり方はストレスを受けやすくなっている。
個人化が進展する社会であればこそ、多様な家族を受け止める社会的基盤が重要である。
- 67 -
引用・参考文献
兵庫県・(財)兵庫県ヒューマンケア研究機構 家庭問題研究所『家族のきずなに関する調査
研究報告書』2002 年。
井上忠司・サントリー不易流行研究所『現代家庭の年中行事』講談社現代新書,1993 年。
片岡佳美「夫婦ライフスタイルに関する個人的選好 その実現についての一考察」『ソシオ
ロジ』45(2),pp.39-54,2000 年。
加藤彰彦「『直系家族制から夫婦家族制へ』は本当か」,日本家族社会学会第 13 回大会テー
マセッション「戦後日本の家族変動」(2003 年)報告原稿より。
増田光吉「現代都市家族における夫婦及び姑の勢力構造−神戸市の場合−」『甲南大学文学
会論集 社会科学編』27 号,pp.49-66,1965 年。
落合恵美子「現代家族の育児ネットワーク」『近代家族とフェミニズム』勁草書房,1989 年,
pp.93-135
――――『21 世紀家族へ 第 3 版』有斐閣選書,2004 年。
施利平「家庭内の疎外感に影響を及ぼす要因についての考察−人間コミュニケーションか
性別役割か」
『兵庫県ヒューマンケア研究機構 研究年報』第 8 巻,pp.69-81,2003 年。
Wolfe, Donald M.”Power and Authority in the Family” in Dorwin Cartwright eds. Studies
in Social Power, University of Michigan, 1959.
山田昌弘「家族の個人化」『社会学評論』(216)
,pp.341-354,2004 年。
――――『近代家族のゆくえ』新曜社,1994 年。
(財)兵庫県長寿社会研究機構 家庭問題研究所『夫婦の勢力関係に関する調査研究報告書』
1996 年。
- 68 -
第Ⅲ部 資料編
兵
アンケート用紙
庫
県
(財)21 世紀ヒューマンケア研究機構
1.はじめに、あなたとご家族についてうかがいます。
家 庭 問 題 研 究 所
問1. 現在、一緒に暮らしている人全員に○をつけてください。あなたからみた続柄でお答えください。
一人暮らしの方は、
「0.一人暮らし」だけに○がつくことになります。
家庭生活と家族のコミュニケーションに関するアンケート
0.一人暮らし
1.配偶者(事実婚・内縁関係を含む) 2.父親
3.母親
4.配偶者の父親
5.配偶者の母親
6.息子 7.息子の配偶者
8.娘 9.娘の配偶者
10.兄
12.弟
14.配偶者の兄
11.姉
17.配偶者の妹
【あなたのご意見をお聞かせください】
近年の家族・家庭をめぐる様々な社会問題の顕在化に対し、兵庫県では、元気で安心な
家族・家庭を築くためにどのような支援が必要か、検討を行なっています。
このアンケートは、住民基本台帳をもとに無作為抽出した兵庫県内にお住まいの 35∼64
歳の男女 3,000 名の方にお送りしております。アンケートにお名前を書いていただく必要
15.配偶者の姉
16.配偶者の弟
19.配偶者の祖父・祖母
21.その他の親族(具体的に:
20.孫
) 22.親族以外の方(具体的に:
)
問2. では、一緒に暮らしているかどうかにかかわらず、現在、あなたには次にあげる方がいらっしゃいま
すか。全員に○をつけてください。あなたからみた続柄でお答えください。
そこで、今回、家族内のコミュニケーションのあり方と、家庭生活等の満足度や幸福感
についての調査を企画しました。
13.妹
18.あなたの祖父・祖母
1.配偶者(事実婚・内縁関係を含む) 2.父親
3.母親
4.配偶者の父親
5.配偶者の母親
6.息子 7.息子の配偶者
8.娘 9.娘の配偶者
10.兄
12.弟
14.配偶者の兄
11.姉
13.妹
はありません。また、ご回答いただきました内容はコンピューターで統計処理いたします
17.配偶者の妹
ので、あなたがどのような回答をしたか、外部に漏れることは一切ありません。どうぞあ
21.1∼20 にあげられた人はいない
18.あなたの祖父・祖母
15.配偶者の姉
16.配偶者の弟
19.配偶者の祖父・祖母
20.孫
りのままをお答えください。
お忙しいところお手数をおかけいたしますが、今後の県の施策のための基礎資料とさせ
ていただきますので、調査にご協力くださいますようお願いいたします。
ご不明な点やご質問がございましたら、下記までお問い合わせください。
問3. 現在一緒に暮らしているかどうかにかかわらず、お子さんがいらっしゃる方にうかがいます。お子さ
んは何人ですか。また、一番下のお子さんは何歳ですか。お子さんがいらっしゃらない方は問4にお
進みください。
1 番下のお子さんの年齢
人
<調査担当課>
兵庫県県民政策部地域協働局 男女家庭課
<お問い合わせ先(調査委託先)>
歳
問4. あなたは、次のようなことが起こったとしたら、主に、どのような人(機関)に相談したり、頼った
りしますか。
(1)∼(5)のそれぞれについて、自分が相談したり頼りにしそうだと思う人(機関)の
番号に 1 つだけ○をつけてください。
(財)21 世紀ヒューマンケア研究機構
誰にも相談しない
その他
職場の同僚
友人・恋人
その他の親族
自分の兄弟姉妹
(2)交通事故の加害者になってしまった
ら
(3)急にお金(100 万円程度)が必要に
なったら
(4)ペアで行く海外旅行に当選したら
(5)宝くじ(1 億円)に当たったら
自分の子ども
平成 17 年 8 月 15 日(月)までにポストにご投函願います(切手は不要です)。
(1)もし今、あなたが病気や高齢などで
介護を必要とするようになったら
配偶者の親
★ ご記入が終わりましたアンケートは同封の返信用封筒に入れ、
自分の親
★ アンケートは、ご本人がご記入ください。
配偶者
家 庭 問 題 研 究 所
(担当:高山・岸野・山本・齋藤)
電話:078-262-5579(直通)
FAX:078-262-5593
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通 1-5-2
人と防災未来センター・ひと未来館 6 階
[http://www.21human.jp/]
1
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10
10
-1-
問8. 家族について一般的にいわれることですが、あなたは次にあげるような意見に賛成ですか、反対です
か。
(1)∼(14)のそれぞれについて当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
反対
どちらかといえば
反対
どちらかといえば
賛成
賛成
全くしない
年に一回程度
年に数回
月に一回程度
週に一回程度
週に数回
ほとんど毎日
どちらともいえない
問5. あなたは、どのくらいの頻度で次のことをしていますか。
(1)∼(5)のそれぞれについて、当てはま
る番号 1 つに○をつけてください。
(1)家族そろった夕食
1 ……2…… 3 ……4 ……5 ……6 ……7
(2)親族との会食や集まり
1 ……2…… 3 ……4 ……5 ……6 ……7
(1)生涯を独身で過ごすのは望ましい生き方ではない
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(3)友人との会食や集まり
1 ……2…… 3 ……4 ……5 ……6 ……7
(2)家族を(経済的に)養うのは男性の役割だ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(4)近隣の人とあいさつを交わす
(5)平日の夕食後、ひとりで、自分の好きなこと
をする
1 ……2…… 3 ……4 ……5 ……6 ……7
(3)家族というものは、血のつながりが大事だ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
1 ……2…… 3 ……4 ……5 ……6 ……7
その通りではない
どちらかといえば
その通りではない
どちらかといえば
その通りだ
その通りだ
どちらともいえない
問6. あなたとあなたの家族の関係についてうかがいます。
(1)∼(12)のそれぞれについて、あなたの考
えにもっとも近い番号 1 つに○をつけてください。
(4)結婚しても、自分の生き方を大切にするべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(5)子どものうち一人は家を継ぐべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(6)子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事をもたず育児
に専念するべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(7)女性も職業をもつべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(8)高齢者の介護は家族が行なうべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(9)法律上、夫婦が別姓を選択できるようにするべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(10)結婚したら、子どもをもつ方がよい
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(11)子どもは親の恩に報いるべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(1)家庭内のことは家族で話し合って決めている
1………2………3………4………5
(12)夫婦は、二人でいる時間を大切にするべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(2)家族関係を良好に保つために気を配っている
1………2………3………4………5
(3)自分のことよりも家族のことを優先している
1………2………3………4………5
(13)子どものいる夫婦は、自分たちのことよりも、子ども
のことを第一に考えるべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
1………2………3………4………5
(14)たとえ夫婦でもプライバシーは尊重するべきだ
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
あいだがら
(4)家族とは別に、くつろげる間 柄 の友人や仲間がいる
1………2………3………4………5
(7)家族は一緒に苦労を乗り越えてくれる
1………2………3………4………5
(10)すべてを伝えないことも、家族関係をうまく保つ秘
訣だ
1………2………3………4………5
(11)家族に反対されても、自分のやりたいことをしたい
1………2………3………4………5
(12)家族に反対されても、諦めずに交渉するようにして
いる
1………2………3………4………5
問7. あなたは現在、次の(1)∼(7)の人間関係について、どのくらい満足していますか。それぞれ、当
てはまる番号 1 つに○をつけてください。
(1)夫婦関係
満足
不満足
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
(2)友人関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
(3)近隣関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
(4)職場関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
6.配偶者はいない
6.友人はいない
6.仕事に就いていない
(5)自分の親との関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
6.親はいない
(6)配偶者の親との関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
6.配偶者(の親)はいない
(7)子どもとの関係
1 ……… 2……… 3……… 4……… 5
-2-
6.子どもはいない
(1)家族と心がかよい合わないと思ったこと
ほとんど毎日
1………2………3………4………5
週に一∼二回
1………2………3………4………5
(9)家族が幸福でいられるかどうかは、自分の努力次第だ
月に一∼二回
(8)自分がいなくなっても、家族は困らないだろう
問9. この 1 ヶ月のあなたの体や心の状態についてお聞きします。以下のような気分やことがらをどのくら
い経験しましたか。次の(1)∼(12)のそれぞれについて当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
仕事についていない
1………2………3………4………5
(6)家族といるときの自分がいちばん自分らしい
まったくなかった
(5)家族と一緒に過ごす時間が十分にとれていないと思う
1 …… 2 …… 3 …… 4
(2)家庭に自分の居場所がないと思ったこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(3)家族に自分にもっと関心を持ってほしいと思ったこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(4)家族に勇気づけられたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(5)職場での仕事の負担が大きすぎると感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(6)仕事上で「自分が理解されていない」と感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(7)家族のために仕事の時間がとれないと感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(8)仕事が楽しいと感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4 …… 5
(9)近所づきあいが面倒くさいと感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(10)「毎日が楽しい」と感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(11)ひとりぼっちで寂しいと感じたこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
(12)なかなか眠れなかったこと
1 …… 2 …… 3 …… 4
-3-
その通りではない
どちらかといえば
その通りではない
どちらかといえば
その通りだ
その通りだ
どちらともいえない
問10. あなたの行動や考え方についてうかがいます。次の(1)∼(11)のそれぞれについて当てはまる番
号 1 つに○をつけてください。
(1)友人といるときは、話すよりも聞く方が好きだ
1………2………3………4………5
(2)自分の気持ちや考えを、言葉や態度で表すようにしている
1………2………3………4………5
(3)相手や状況に合わせて自分の行動を変えている
1………2………3………4………5
(4)自分の立場や位置づけを、誰か/何かに決めてもらうと安
1………2………3………4………5
心する
(5)他人に影響を与えたり、人を動かしたりしたい
1………2………3………4………5
(6)どんな場面でも自分らしさを貫きたい
1………2………3………4………5
(7)仕事で成功したい
1………2………3………4………5
(8)有名になりたい
1………2………3………4………5
(9)金銭的に裕福になりたい
1………2………3………4………5
(10)地域や社会に貢献したい
1………2………3………4………5
(11)趣味をもって、楽しく生きたい
1………2………3………4………5
問13. ご結婚されたのはいつですか。次の
の中に結婚された年月をお書き下さい。
1.昭和 2.平成 3.西暦
(*該当する番号に○)
年
月
問14. あなた方ご夫婦は、見合い結婚ですか、それとも恋愛結婚ですか。当てはまる番号 1 つに○をつけて
ください。
1.見合い結婚
2.恋愛結婚
問15. あなた方ご夫婦は、交際を始めてからご結婚されるまでにはどのくらいの期間がありましたか。当て
はまる番号 1 つに○をつけてください。
1.3ヶ月未満
2.6ヶ月未満
6.4年未満
7.4年以上(具体的に:
3.1年未満
4.2年未満
5.3年未満
年) 8.わからない
問16. 現在、あなたの配偶者は何歳ですか。
歳
問17. 現在、あなたの配偶者は収入をともなう仕事についていますか。産前・産後休業、育児休業中の人は
働いているものとみなします。
問11. この 1 ヶ月、収入を得る仕事をしましたか。
1.はい
2.次に、あなたとあなたの配偶者(事実婚や内縁関係、別居中の方も含む)についてうかがいます。現
在、配偶者がいらっしゃらない方は、問 27(9 ページ)にお進みください。
2.いいえ
問 12 にお進みください
付問1,2にお答えください
1.ついている
付問1.この 1 ヶ月の、1 週間あたりの労働日数および 1 日あたりの労働時間数をご記入ください(休日出
勤も含む)
。
1 週間あたり
問 18 にお進みください
3.仕事についたことはない
付問 その仕事は、
次のどれにあたりますか
(
「2.
以前ついていた」
方は主なものについてお答えください)
。
1 日あたり
日
2.今はついていないが、以前ついていた
時間
分
付問2.この 1 ヶ月の、1 週間あたりの通勤日数および 1 回あたりの片道の通勤時間数をご記入ください(休
日出勤も含む)
。
1.経営者、役員
3.臨時雇い・パート・アルバイト
7.自営業主
2.常時雇用されている一般従業者(公務員を含む)
4.派遣社員
5.嘱託社員
6.内職
8.自営業の家族従業者
9.自由業者(著述家、作曲家、生花教授など)
10.その他(具体的に:
1 週間あたり
)
1 回あたり
日
時間
分
問12. この 1 ヶ月、次の(1)∼(3)のような活動をどのくらいしましたか。それぞれについて、1 週間あ
たりの平均の活動時間数をご記入ください。まったくしなかった場合は、
「0」をご記入ください。
(1)子どもの世話(食事や入浴の世 1 週間あたり
話、遊びの相手、つきそいなど)
(2)家事(食事の支度、片付け、掃 1 週間あたり
除、洗濯、ゴミ捨て、修理など)
(3)介護(高齢者や障害のある人の 1 週間あたり
食事や入浴の世話など)
-4-
問18. あなたの配偶者の、昨年(平成 16 年)の収入は、税込みでどの水準にあてはまりますか。臨時収入、
副収入、年金も含めてお答えください。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
1.収入はなかった
2.100 万円未満
3.100∼200 万円未満
4.200∼300 万円未満
5.300∼400 万円未満
6.400∼600 万円未満
7.600∼800 万円未満
8.800∼1,000 万円未満
9.1,000∼1,200 万円未満 10.1,200 万円以上
時間
11.わからない
分
時間
分
時間
分
問19. あなたの配偶者が最後に行った(または在学中の)学校は次のどれに当たりますか。中退・在学中も
卒業と同じ扱いでお答えください。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
1.中学校
5.大学
2.高等学校
6.大学院
3.各種専門学校
4.短期大学・高等専門学校
7.その他(具体的に:
)
-5-
問20. あなたの配偶者のここ 1 年間の健康状態は、おおむねいかがでしたか。当てはまる番号 1 つに○をつ
けてください。
1.良好
2.やや良好
3.どちらともいえない
4.やや悪い
5.悪い
まったくない
あまりない
時々ある
よくある
1………2………3………4
(3)私が、配偶者に感謝のことばを言う
1………2………3………4
(4)配偶者が、私の心配事や悩みを聞く
1………2………3………4
(5)配偶者が、私に助言やアドバイスをする
1………2………3………4
(6)配偶者が、私に感謝のことばを言う
1………2………3………4
(7)親や親戚とのつきあいについて話し合う
1………2………3………4
(8)地域とのつきあいについて話し合う
1………2………3………4
1………2………3………4
(10)政治・社会問題について話し合う
1………2………3………4
(11)私や配偶者のその日の出来事について話し合う
1………2………3………4
(12)私や配偶者の趣味について話し合う
1………2………3………4
6.その他(具体的に:
1.結婚当初は、夫婦別々の住居に住んだ
2.自分たち夫婦が所有する住居に一緒に住んだ 3.自分の親が所有する住居に一緒に住んだ
4.配偶者の親が所有する住居に一緒に住んだ
5.賃貸住宅に一緒に住んだ
6.社宅、公務員住宅などに一緒に住んだ
7.その他(具体的に:
)
2.まあ満足した
5.とても不満だった
1.自分が一人で決めた
2.配偶者が一人で決めた 3.
夫婦で話し合って決めた 4.自然に決まった
5.双方の親など、第三者を含めて話し合って決めた
6.その他(具体的に:
1………2………3………4………5
1………2………3………4
(15)遊びや食事のために一緒に出かける
1………2………3………4
(16)お互いの友人を自宅に招く
1………2………3………4
(17)もめごとや口げんかをする
1………2………3………4
1.自分の親と同居した
3.どちらの親とも同居しなかった
2.配偶者の親と同居した
4.その他(具体的に:
1.とても満足した
4.やや不満だった
2.まあ満足した
5.とても不満だった
3.満足でも不満でもなかった
問 22−4.結婚当初の夫婦の姓(どちらの姓を名のるか)について(いずれかの番号 1 つに○をつけてくだ
さい)
1.自分が一人で決めた
2.配偶者が一人で決めた 3.
夫婦で話し合って決めた 4.自然に決まった
5.双方の親など、第三者を含めて話し合って決めた
6.その他(具体的に:
付問1.婚姻届を提出しましたか。
問 22−1.結婚当初の家事の分担について(いずれかの番号 1 つに○をつけてください)
1.はい
2.いいえ(事実婚・内縁関係)
2.配偶者が一人で決めた 3.
夫婦で話し合って決めた 4.自然に決まった
6.その他(具体的に:
)
付問1.どのような分担になりましたか。
1.夫婦が平等に分担した
2.自分が主に家事を行なうことになった
3.配偶者が主に家事を行なうことになった 4.その他(具体的に:
)
付問2.あなたはその決定について、どの程度、満足されましたか。
2.まあ満足した
5.とても不満だった
-6-
)
付問2.あなたはその決定について、どの程度、満足されましたか。
問22. ご結婚された当時、
「家事の分担」
、
「住居」
、
「親との同居・別居」
、
「夫婦の姓」という 4 つのことが
らについて、ご夫婦でどのようにして決めましたか。それぞれについてお答えください。
5.双方の親など、第三者を含めて話し合って決めた
)
付問1.どのような住まい方になりましたか。
(14)一緒に趣味や娯楽の時間を過ごす
1.とても満足した
4.やや不満だった
3.満足でも不満でもなかった
問 22−3.結婚当初の親との同別居について(いずれかの番号 1 つに○をつけてください)
(13)子どもに関することで話し合う
1.自分が一人で決めた
)
付問1.どのような住居になりましたか。
1.とても満足した
4.やや不満だった
子どもは
いない
(9)テレビや雑誌などの話題について話し合う
2.配偶者が一人で決めた 3.
夫婦で話し合って決めた 4.自然に決まった
付問2.あなたはその決定について、どの程度、満足されましたか。
1………2………3………4
(2)私が、配偶者に助言やアドバイスをする
1.自分が一人で決めた
5.双方の親など、第三者を含めて話し合って決めた
問21. あなた方ご夫婦には、次のようなことはどのくらいありますか。次の(1)∼(17)のそれぞれにつ
いて、当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
(1)私が、配偶者の心配事や悩みを聞く
問 22−2.結婚当初の住居について(いずれかの番号 1 つに○をつけてください)
付問 1-1.ご夫婦はどちらの姓を名のりましたか。
1.夫婦とも、自分(あなた)の姓を名のった
2.夫婦とも、配偶者の姓を名のった
3.戸籍は配偶者の姓で、自分(あなた)は通称を名のった
4.戸籍は自分(あなた)の姓で、配偶者は通称を名のった
5.その他(具体的に:
)
付問2にお答えください
付問2.あなたはその決定について、どの程度、満足されましたか。
3.満足でも不満でもなかった
次のページにつづきます →
1.とても満足した
4.やや不満だった
2.まあ満足した
5.とても不満だった
-7-
3.満足でも不満でもなかった
)
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…2
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…2
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1…2
1…… 2…… 3 ……4 ……5
1
1
1
1
ぶん
(4)分をわきまえること
(5)他人のものを盗んではいけないということ
……
……
……
……
2
2
2
2
1……
1……
1……
1……
1.はい
問26. あなたは、平均して 1 日にどのくらいの時間、配偶者と話しますか(電話による会話を含む)
。
1.ほとんどしない
2.30 分未満
4.1 時間∼2 時間未満
5.2 時間以上(具体的に:
-8-
3.30 分∼1 時間未満
時間)
3
3
3
3
……4
……4
……4
……4
1 …… 2
1…… 2 …… 3 ……4
1
1
1
1
1
1……
1……
1……
1……
1……
(11)社会に貢献すること
(12)芸術(美術や音楽など)の素晴らしさ
(13)本など活字に親しむこと
1 …… 2
1 …… 2
1 …… 2
……
……
……
……
……
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
……
……
……
……
……
3
3
3
3
3
……4
……4
……4
……4
……4
1…… 2 …… 3 ……4
1…… 2 …… 3 ……4
1…… 2 …… 3 ……4
問28. お宅では、個室の使い方や携帯電話やパソコン、ゲーム機の使い方などに、ルールとして決めている
ことはありますか。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
1.ある
2.ない
付問.
「1.ある」とお答えになった方は、そのルールについて教えてください。
最後に、あなたご自身についてうかがいます。
2.いいえ
……
……
……
……
(6)人を殺してはいけないということ
(7)食事のマナーを守ること
(8)学校の勉強を一所懸命やること
(9)地域の行事や風習
(10)お正月やお盆など伝統的な家族行事
問24. あなたは、夫婦のあいだのコミュニケーションをうまくとるために、何か工夫していることはありま
すか。時間の取り方、話し方、タイミング、そのほか自由にお書きください。
問25. あなた方ご夫婦には、共通の友人がいらっしゃいますか。
2
2
2
2
社会で
1…2
(1)高齢者に対する思いやり
(2)親に対する感謝の気持ち
(3)目上の人に対する尊敬の気持ち
地域で
1…… 2…… 3 ……4 ……5
学校で
1…2
どこで教えるべきか…
子どもに教えることは…
家庭で
1…… 2…… 3 ……4 ……5
問27. 一般的に、次にあげることがらを小学生ぐらいの子どもに教えることは重要だと思いますか。
(1)∼
(13)のそれぞれについて、まず、重要であるかどうかに○をつけ、次に、
「重要だ」とお考えの項目
について、主に教えるべき場所だと思うものの番号 1 つに○をつけてください。
重要だ
1…2
ここからは、すべての方におたずねします。
重要ではない
主として配偶者
自分というよりは
配偶者
自分と配偶者が
同じ程度に
主として自分
話し合わない
話し合う
(1)自家用車を買うとした場合、どれにするかに
ついて
(2)あなたが3万円くらいの自分のもの(靴など)
を買いたいと思うとき、買うということにつ
いて
(3)貯金をするとした場合、
「どのくらい、どの
ような方法でするか」について
(4)あなたが買い物などで半日くらい外出したい
と思うとき、
「行く、行かない」について
(5)家族づれ(夫婦づれ)でデパートやハイキン
グなどに行く場合、
「いつ、どこへ行くか」
について
(6)自分の小遣いの額について
(7)配偶者の小遣いの額について
(8)日常の家事分担について
(9)親類にお祝いやお香典をおくるとき、その金
額について
(10)配偶者が里帰りをすると仮定した場合、
「い
つ、何日ぐらい行くか」について
(11)年末の過ごし方について
(12)避妊の方法やタイミングについて
(13)子どもの人数について
(14)お子さんがいるとして、子どもの教育方針
について
配偶者というより
は自分
問23. 仮に、お宅で次のようなことを決めるとしたら、ご夫婦で話し合って決めますか。また、最終的に決
めるのはご夫婦のうちどちらだと思いますか。次の(1)∼(14)のそれぞれについて、まず話し合う
か話し合わないかについて 1 つに○をつけ、次に、最終的な決定をすると思う人 1 つに○をつけてく
ださい。
最終的に決める人は…
問29. あなたの性別はどちらですか。
1.女性
2.男性
問30. 現在、あなたは何歳ですか。
歳
-9-
問31. 現在、あなたは収入をともなう仕事についていますか。産前・産後休業、育児休業中の人は働いてい
るものとみなします。
★ ご家族での思い出に残る行事や出来事がありますか。その行事や出来事の内容と思い出に残っている理由
についてお書きください。
1.ついている
2.今はついていないが、以前ついていた
問 32 にお進みください
3.仕事についたことはない
付問 その仕事は、
次のどれにあたりますか
(
「2.
以前ついていた」
方は主なものについてお答えください)
。
1.経営者、役員
3.臨時雇い・パート・アルバイト
7.自営業主
2.常時雇用されている一般従業者(公務員を含む)
6.内職
4.派遣社員
5.嘱託社員
8.自営業の家族従業者
9.自由業者(著述家、作曲家、生花教授など)
10.その他(具体的に:
★ このアンケートに対するご意見やご感想がありましたら、ご自由にお書きください。
)
問32. あなたの、昨年(平成 16 年)の収入は、税込みでどの水準にあてはまりますか。臨時収入、副収入、
年金も含めてお答えください。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
1.収入はなかった
2.100 万円未満
3.100∼200 万円未満
4.200∼300 万円未満
5.300∼400 万円未満
6.400∼600 万円未満
7.600∼800 万円未満
8.800∼1,000 万円未満
9.1,000∼1,200 万円未満 10.1,200 万円以上
11.わからない
アンケートはこれで終わりです。
最後までご協力いただき、ありがとうございました。
問33. あなたが最後に行った(または在学中の)学校は次のどれに当たりますか。中退・在学中も卒業と同
じ扱いでお答えください。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
1.中学校
5.大学
2.高等学校
6.大学院
3.各種専門学校
4.短期大学・高等専門学校
7.その他(具体的に:
)
問34. あなたのここ 1 年間の健康状態は、おおむねいかがでしたか。当てはまる番号 1 つに○をつけてくだ
さい。
1.良好
2.やや良好
3.どちらともいえない
4.やや悪い
5.悪い
★ 家庭問題研究所では、このアンケート調査のあと引き続いてインタビュー調査を計画しております。イン
タビュー調査にご協力いただける方は、下記に連絡先をご記入ください。よろしくお願い致します。
(ふりがな)
お名前
ご住所(〒
−
)
問35. あなたのお住まいはどの地域ですか。当てはまる番号 1 つに○をつけてください。
お電話番号
1.
神戸
2.
阪神南 (尼崎市、西宮市、芦屋市)
(神戸市)
3.
阪神北 (伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、川辺郡)
4.
東播磨 (明石市、加古川市、高砂市、加古郡)
5.
北播磨 (西脇市、三木市、小野市、加西市、美嚢郡、加東郡、多可郡)
6.
中播磨 (姫路市、飾磨郡、神崎郡)
7.
西播磨 (相生市、龍野市、赤穂市、揖保郡、赤穂郡、佐用郡、宍粟市、宍粟郡)
8.
但馬
(豊岡市、養父市、美方郡、朝来市)
9.
丹波
(篠山市、丹波市)
10.
淡路
(洲本市、南あわじ市、淡路市、津名郡)
最後のページに自由記述欄があります。
あなたのご意見をお聞かせください。
- 10 -
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家庭問題研究所とは・・・
家庭に関する諸問題を総合的かつ体系的に調査研究し、家庭の新しいあり方を考えること
を目的に、1984 年 4 月、兵庫県によって設立されました。
創設以来、家庭問題に関する調査研究を実施したり政策提言を行うほか、シンポジウムや
講演会の開催、啓発資料の発行などの事業を行っています。
詳しくは、ホームページ:http://www.21human.jp/ をご覧ください。
基礎集計
問1 (同居家族)・問2(家族)
(%)
問1
問2
同居率
(同居家族)A (家族成員)B
(A/B)
一人暮らし
4.6
0.3
(家族・親族はいない)
81.1
84.8
配偶者
95.6
7.9
40.5
父親
19.6
12.9
61.4
母親
20.9
5.2
30.5
配偶者の父親
17.1
9.5
50.7
配偶者の母親
18.8
41.3
60.5
息子
68.3
1.4
13.9
息子の配偶者
10.4
43.9
63.0
娘
69.7
1.0
15.3
娘の配偶者
6.6
0.7
26.4
兄
2.7
1.0
30.1
姉
3.4
0.9
28.8
弟
3.0
1.3
26.3
妹
4.9
0.0
22.7
配偶者の兄
0.0
0.1
23.1
配偶者の姉
0.6
0.0
23.1
配偶者の弟
0.0
0.4
24.7
配偶者の妹
1.8
0.4
7.2
祖父母
6.0
0.3
4.9
配偶者の祖父母
5.9
2.3
16.6
孫
13.9
1.3
その他の親族
0.3
親族以外
0.4
0.3
無回答
同居家族および家族成員の%は全回答者692人に対する割合。
家族形態
一人暮らし
一世代
二世代
三世代
四世代
五世代
無回答
合計
問1より作成。
人
%
32
4.6
135
404
112
5
1
3
692
19.5
58.4
16.2
0.7
0.1
0.4
100.0
問4 家族の範囲(助けを必要とするとき)
(1)介護
(2)事故
(3)100万円 (4)海外旅行
66.0
65.9
59.2
68.6
4.3
6.6
11.7
2.6
0.6
0.3
1.0
0.0
10.4
2.6
2.7
8.8
3.8
3.9
5.1
3.8
0.0
0.6
0.1
0.0
1.3
1.7
0.4
7.7
0.4
1.9
0.0
0.1
2.0
4.6
1.6
0.6
0.9
1.7
11.7
1.0
10.3
10.1
6.4
6.8
100.0
100.0
100.0
100.0
配偶者
親
義親
子
きょうだい
親族
友人・恋人
同僚
その他
相談しない
無回答
合計
%は合計 692 人に対する割合。
ほとんど毎日
週に数回
週に1回
月に1回
年に数回
年に1回
まったくしない
無回答
合計
(%)
(5)宝くじ
62.1
5.5
0.1
7.7
2.3
0.1
0.7
0.0
1.0
12.6
7.8
100.0
問5 共有行動
(%)
(1)家族と (2)親族と (3)友人と (4)近隣で (5)ひとり
夕食
の集まり の集まり あいさつ
の時間
47.0
1.4
0.6
51.9
39.5
25.9
1.6
3.6
29.8
26.3
13.6
4.6
9.5
9.4
11.6
4.0
12.3
28.6
3.9
2.6
4.6
45.4
35.7
1.4
5.9
0.7
22.4
10.3
0.1
0.9
2.9
10.3
9.7
1.7
11.8
1.3
2.0
2.0
1.7
1.4
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
%は合計 692 人に対する割合。
子どもの人数
0人
1人
2人
3人
4人
5人
6人
無回答
合計
人
105
86
346
125
22
6
1
1
692
問3 子どもの人数と末子年齢
末子年齢
%
%
人
15.2
67
11.4
6歳以下
12.4
74
12.6
7-12歳
50.0
49
8.4
13-15歳
18.1
61
10.4
16-18歳
3.2
70
11.9
19-22歳
0.9
188
32.1
23-30歳
0.1
71
12.1
31-40歳
0.1
6
1.0
無回答
100.0
586
100.0
合計
平均値=19.74歳、S.D.=9.46
最小値=0歳、最大値=38歳
(1)
59.2
28.3
8.2
2.0
1.4
0.7
100.0
(2)
45.2
41.6
10.1
1.2
0.6
1.3
100.0
(3)
28.9
40.6
23.7
4.0
1.3
1.4
100.0
問6 家族関係
(4)
(5)
34.2
9.8
30.2
16.5
17.9
21.4
6.6
20.5
9.4
30.3
1.6
1.4
100.0 100.0
(6)
31.1
30.6
27.6
5.8
3.6
1.3
100.0
(7)
43.1
34.7
14.5
3.8
2.5
1.6
100.0
(8)
8.1
9.8
26.3
18.9
35.1
1.7
100.0
(9)
27.2
34.0
29.6
3.8
3.9
1.6
100.0
(10)
21.4
38.2
26.4
8.5
3.6
1.9
100.0
(11)
7.4
17.5
39.7
18.4
15.9
1.2
100.0
(%)
(12)
5.9
22.7
40.3
16.8
12.6
1.7
100.0
その通り
どちらかといえばその通り
どちらともいえない
どちらかといえばその通りでない
その通りではない
無回答
合計
%は合計 692 人に対する割合。
(1)家庭内のことは話し合って決める (2)家族関係を良好にするため気を配っている (3)自分より家族を優先 (4)家族以外の親密な関係
がある (5)家族と十分に時間がとれない (6)家族といると自分らしい (7)家族は一緒に苦労を乗り越えてくれる (8)自分がいなくても家族
は困らない (9)家族の幸福は自分次第 (10)すべてを伝えないことも家族関係をうまく保つ秘訣 (11)家族に反対されてもやりたいことをす
る (12)家族に反対されても諦めず交渉する
問7 人間関係に対する満足度
(1)夫婦関係 (2)友人関係 (3)近隣関係 (4)職場関係
満足
どちらかといえば満足
どちらともいえない
どちらかといえば不満足
不満足
非該当
無回答
合計
31.8
25.1
16.8
6.5
3.8
15.0
1.0
100.0
26.6
35.5
28.6
3.8
1.9
3.0
0.6
100.0
16.2
23.8
47.3
7.8
3.9
1.0
100.0
11.3
25.0
25.4
4.6
3.5
28.2
2.0
100.0
(5)自分の親 (6)配偶者の
との関係
親との関係
21.0
12.4
27.3
18.2
20.1
21.2
3.0
6.5
2.9
5.5
24.3
34.1
1.4
2.0
100.0
100.0
(%)
(7)子ども
との関係
31.8
35.3
13.9
2.3
1.4
15.2
0.1
100.0
%は合計 692 人に対する割合。
問8 家族意識
(%)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
26.3 18.8 14.9 22.8 12.3 38.3 25.0
9.0 10.8 43.9 11.3 37.9 13.0 42.2
賛成
19.4 36.3 26.7 40.8 14.6 28.2 33.8 19.5 12.1 30.3 28.5 36.1 33.5 40.0
どちらかといえば賛成
41.8 36.8 46.5 29.6 51.4 24.0 35.8 54.0 41.8 22.4 46.8 22.7 41.2 13.9
どちらともいえない
6.1
2.7
6.8
4.2
8.8
3.9
2.6
9.5 17.1
0.1
6.8
1.0
7.5
1.7
どちらかといえば反対
4.8
3.6
3.0
0.7 11.0
3.8
0.9
6.2 16.0
0.9
4.2
0.3
3.0
0.3
反対
1.7
1.7
2.0
1.9
1.9
1.9
1.9
1.7
2.2
2.3
2.5
2.0
1.7
1.9
無回答
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合計
%は合計 692 人に対する割合。
(1)生涯独身は望ましくない (2)家族を養うのは男性の役割 (3)家族は血のつながりが大事 (4)結婚しても自分の生き方は大切 (5)子
ども一人は家を継ぐべき (6)3歳までは母親が育児 (7)女性も職業をもつべき (8)高齢者介護は家族がするべき (9)夫婦別姓選択制
導入に賛成 (10)結婚したら子どもはいたほうがいい (11)子どもは親の恩に報いるべき (12)夫婦の時間を大切にするべき (13)夫婦よ
り子ども優先 (14)夫婦でもプライバシー尊重
問9 ディストレス
(%)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
36.3
78.3
70.7
28.0
26.0
29.9
46.1
13.4
52.2
13.7
65.9
48.3
まったくなかった
42.6
13.4
18.6
38.0
19.8
23.8
14.2
19.1
32.1
26.2
22.1
29.5
月に1~2回
13.3
3.0
4.8
14.6
9.2
8.7
5.1
19.8
8.2
33.1
6.2
16.8
週に1~2回
4.3
2.5
2.5
14.5
12.7
5.1
2.6
15.2
4.6
24.1
2.9
3.8
ほとんど毎日
28.2
28.0
27.6
28.0
仕事に就いていない
3.5
2.7
3.5
4.9
4.0
4.5
4.5
4.5
2.9
2.9
2.9
1.7
無回答
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合計
%は合計 692 人に対する割合。
(1)家族と心が通わない (2)家庭に居場所がない (3)家族に関心をもって欲しい (4)家族に勇気づけられた (5)仕事の負担が大きい
(6)仕事で理解されていない (7)仕事の時間が取れない (8)仕事が楽しい (9)近所づきあいが面倒 (10)毎日が楽しい (11)寂しい (12)
眠れない
(1)
9.1
26.7
45.2
13.9
2.9
2.2
100.0
問10 コミュニケーション志向
(2)
(3)
(4)
(5)
19.8
16.9
4.5
6.2
44.8
52.2
19.2
17.8
24.1
22.4
36.0
38.4
6.8
4.5
18.8
19.8
2.5
1.9
18.4
15.2
2.0
2.2
3.2
2.6
100.0 100.0 100.0 100.0
(6)
21.5
36.6
29.2
6.8
3.8
2.2
100.0
(7)
21.0
28.0
30.2
5.6
11.4
3.8
100.0
(8)
4.8
7.9
36.1
18.6
29.6
2.9
100.0
(9)
37.7
38.7
16.0
2.2
2.5
2.9
100.0
(10)
17.5
41.0
32.5
4.5
1.3
3.2
100.0
(%)
(11)
56.1
33.4
6.8
0.7
0.7
2.3
100.0
その通り
どちらかといえばその通り
どちらともいえない
どちらかといえばその通りでない
その通りではない
無回答
合計
%は合計 692 人に対する割合。
(1)話すより聞く方だ (2)気持ちを表現するようにしている (3)相手にあわせて自分の行動を変える (4)立場を決められたい (5)他人を
動かしたい (6)自分らしさを貫きたい (7)仕事で成功したい (8)有名になりたい (9)裕福になりたい (10)社会に貢献したい (11)楽しく
生きたい
はい
いいえ
無回答
合計
問11 この1ヶ月、収入を得る仕事をしたか
女性
男性
%
%
人
人
250
59.2
225
83.3
154
36.5
36
13.3
18
4.3
9
3.3
422
100.0
270
100.0
合計
人
475
190
27
692
%
68.6
27.5
3.9
100.0
問11 付問1 1週間の労働日数
(%)
女性
男性
合計
(250人)
(225人)
(475人)
1日
3.6
0.4
2.1
2日
4.4
0.4
2.5
3日
9.6
3.1
6.5
4日
7.6
3.6
5.7
5日
49.6
58.7
53.9
6日
18.0
26.2
21.9
7日
4.8
5.8
5.3
無回答
2.4
1.8
2.1
合計
100.0
100.0
100.0
女性:平均=4.73 日(S.D.=1.33)、男性:平均=5.27 日(S.D.=0.83)
問11 付問1 週当たり労働時間
女性
男性
(250人)
(255人)
15 時間未満
13.2
0.9
15-34時間
35.6
5.3
35-39時間
10.4
8.9
40-48 時間
24.4
39.6
49-59 時間
9.6
13.8
60 時間以上
3.6
28.4
無回答
3.2
3.1
合計
100.0
100.0
(%)
合計
(475人)
7.4
21.3
9.7
31.6
11.6
15.4
3.2
100.0
問 12 生活時間(1)(子どもの世話/月平均1日当たり)
(%)
女性
男性
合計
(84 人)
(57 人)
(141 人)
0 時間
11.9
59.6
31.2
1 時間
10.7
8.8
9.9
2 時間
10.7
8.8
9.9
3 時間
6.0
10.5
7.8
4 時間
17.9
3.5
12.1
5 時間
9.5
0.0
5.7
6 時間以上
28.6
1.8
17.7
無回答
4.8
7.0
5.7
合計
100.0
100.0
100.0
子どもがいる人で、かつ 1 番下の子どもの年齢が 12 歳以下の回答者に限定して集計。
問16 配偶者の年齢
(%)
女性
男性
合計
(354人)
(234人)
(588人)
34 歳以下
1.7
5.6
3.2
35-44 歳
16.1
23.1
18.9
45-54 歳
33.3
34.6
33.8
55-64 歳
37.9
35.5
36.9
65 歳以上
9.0
0.0
5.4
不明
2.0
1.3
1.7
合計
100.0
100.0
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
女性:平均=52.98 歳(S.D.=8.74)、男性:平均=49.07 歳(S.D.=8.44)
問 12 生活時間(2)(家事/月平均1日当たり)
(%)
女性
男性
合計
(338 人)
(226 人)
(564 人)
0 時間
9.8
80.1
37.9
1 時間
7.4
8.8
8.0
2 時間
12.7
2.7
8.7
3 時間
16.9
0.0
10.1
4 時間
14.5
0.4
8.9
5 時間
13.3
0.9
8.3
6 時間以上
17.8
0.0
10.6
無回答
7.7
7.1
7.4
合計
100.0
100.0
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
問17
問13 結婚後経過年数
(%)
女性
男性
合計
(354人)
(234人)
(588人)
0-9 年
5.9
8.5
7.0
10-19 年
22.9
23.9
23.3
20-29 年
30.2
29.9
30.1
30-39 年
33.3
34.2
33.7
40 年以上
4.8
1.3
3.4
無回答
2.8
2.1
2.6
100.0
合計
100.0
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
女性:平均=25.24 年(S.D.=9.81)、男性:平均=23.82 年(S.D.=9.78)
問14 結婚の類型
見合い結婚 恋愛結婚
16.2
83.8
37.4
62.1
43.4
53.1
34.2
64.3
年代(人数)
35-44 歳(154 人)
44-54 歳(203 人)
55-64 歳(228 人)
合計(588 人)
無回答
0.0
0.5
3.5
1.5
配偶者の仕事 → 本文@ページ参照。
問 18 配偶者の年収
女性
男性
(354人) (234人)
収入はない
2.3
100 万未満
1.1
100-200 万
2.8
200-300 万
9.9
300-400 万
11.6
400-600 万
20.6
600-800 万
15.8
800-1000 万
16.1
1000-1200 万
6.5
1200 万以上
7.3
わからない
2.5
無回答
3.4
合計
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
(%)
合計
(588人)
29.1
36.3
11.5
7.3
4.3
1.7
3.4
2.1
0.4
0.0
2.6
1.3
100.0
12.9
15.1
6.3
8.8
8.7
13.1
10.9
10.5
4.1
4.4
2.6
2.6
100.0
問 19 配偶者の学歴
女性
男性
(354人) (234人)
中学校
5.9
6.4
高等学校
37.3
39.3
専門学校
5.9
9.0
短大・高専
1.7
26.5
大学
44.1
18.4
大学院
3.4
0.4
その他
0.6
0.0
無回答
1.1
0.0
合計
100.0
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
(%)
合計
(588人)
6.1
38.1
7.1
11.6
33.8
2.2
0.3
0.7
100.0
表中、年齢不明の 3 ケースは省略。
問 15 結婚までの交際期間
3 ヶ月未 6 ヶ月未
年代(人数)
満
満
35-44 歳(154 人)
0.6
5.8
44-54 歳(203 人)
3.0
14.3
55-64 歳(228 人)
3.1
17.5
合計(588 人)
2.4
13.3
表中、年齢不明の 3 ケースは省略。
(%)
1 年未満
2 年未満
3 年未満
4 年未満
4 年以上
27.9
31.0
36.8
32.5
27.9
19.7
19.3
21.9
8.4
12.8
7.9
9.7
7.8
5.4
5.3
6.0
20.8
12.8
6.1
12.2
わから
ない
0.6
0.5
0.9
0.7
無回答
合計
0.0
0.5
3.1
1.4
100.0
100.0
100.0
100.0
問 20 配偶者の健康状態
女性
男性
(354人) (234人)
良好
34.7
やや良好
41.5
どちらともいえない
12.1
やや悪い
8.8
悪い
1.4
無回答
1.4
合計
100.0
配偶者がいる人に限定して集計。
(%)
合計
(588人)
37.6
36.3
12.0
10.3
3.8
0.0
100.0
自分が
決めた
35.9
39.5
12.1
9.4
2.4
0.9
100.0
女性(354 人)
男性(234 人)
女性(354 人)
男性(234 人)
問 21 夫婦のコミュニケーション
よくある
時々ある
あまりない
まったくない
(1) 私が悩みを聞く
21.6
41.3
30.3
5.8
(2) 私が助言する
15.8
51.5
25.7
5.8
(3) 私が感謝する
18.2
44.4
32.5
3.2
(4) 配偶者が悩みを聞く
17.9
42.0
32.0
7.1
(5) 配偶者が助言する
17.3
48.3
26.9
6.0
(6) 配偶者が感謝する
17.9
39.3
32.0
9.7
(7) 親戚づきあいについて話す
18.0
45.4
29.8
5.8
(8) 近所づきあいについて話す
12.6
36.9
36.9
12.2
(9) テレビ・雑誌について話す
26.7
48.1
19.0
4.9
(10)政治・社会問題について話す
19.0
49.0
24.0
7.0
(11)その日の出来事について話す
37.6
39.3
17.7
3.2
(12)趣味について話す
18.2
39.1
32.0
9.2
(13)子どもについて話す
38.8
42.7
8.2
1.4
(14)一緒に趣味・娯楽をする
16.0
34.4
29.6
18.7
(15)食事に出かける
29.9
44.9
18.9
4.6
(16)互いに友人を招く
5.6
21.4
41.2
30.4
(17)もめごと・口げんか
10.9
41.0
35.5
11.6
配偶者がいる人(588 人)に限定して集計。
自分が
決めた
女性(354 人)
男性(234 人)
女性(354 人)
男性(234 人)
女性(354 人)
男性(234 人)
9.0
2.6
問 22(1) 家事分担の決め方
夫婦で話
第三者を
配偶者が
自然に
し合って
含めて話
決めた
決まった
決めた
し合った
0.3
5.4
81.1
0.6
8.5
12.0
74.8
0.4
平等に分担
4.0
6.4
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
無回答
1.0
1.2
1.7
1.0
1.5
1.2
1.0
1.4
1.2
1.0
2.2
1.5
1.4
1.4
1.7
1.4
1.0
(%)
その他
問 22(1) 付問 1 家事の分担割合
自分が主
配偶者が主
その他
88.4
0.8
4.5
0.9
89.3
2.1
問 22(1)付問 2 家事分担に対する満足度
とても
どちらで
とても
まあ満足
やや不満
満足
もない
不満
8.5
25.1
51.1
8.5
4.8
25.2
40.2
32.1
0.9
1.3
無回答
2.3
1.3
女性(354 人)
男性(234 人)
女性(354 人)
男性(234 人)
2.0
0.4
1.7
11.1
女性(354 人)
男性(234 人)
その他
問 22(2)付問 1 結婚当初の住居
親所有
義親所
賃貸
の家
有の家
住宅
社宅
5.9
21.5
44.6
11.3
23.9
3.4
36.8
15.0
夫婦所
有の家
11.3
18.8
問 22(3) 親との同居・別居の決め方
夫婦で話
第三者を
配偶者が
自然に
し合って
含めて話
決めた
決まった
決めた
し合った
8.5
15.3
56.8
5.4
0.4
24.8
50.9
5.1
親と同居
4.8
21.8
無回答
4.2
2.6
合計
0.6
0.4
100.0
100.0
(%)
その他
4.0
0.4
問 22(2)付問 2 結婚当初の住居に対する満足度
とても
どちらで
とても
まあ満足
やや不満
満足
もない
不満
16.9
36.2
33.1
9.0
4.2
25.6
39.7
29.1
3.4
1.7
自分が
決めた
100.0
100.0
(%)
合計
100.0
100.0
女性(354 人)
男性(234 人)
無回答
0.6
0.4
合計
100.0
100.0
(%)
無回答
合計
0.6
0.4
100.0
100.0
(%)
その他
無回答
5.1
3.0
問 22(3) 付問 1 親との同居・別居
義親と同居
別居
その他
22.6
64.4
1.1
4.3
68.8
1.3
合計
7.3
4.7
無回答
7.1
3.8
合計
100.0
100.0
問 22(3)付問 2 親との同居・別居に対する満足度
とても
どちらで
とても
まあ満足
やや不満
満足
もない
不満
26.0
24.0
31.9
5.6
4.0
23.1
35.5
33.8
2.1
0.4
自分が
決めた
(%)
無回答
別々に
住んだ
0.8
1.3
(%)
100.0
100.0
(%)
合計
100.0
100.0
合計
1.4
0.4
無回答
2.3
1.3
1.4
19.2
問 22(2) 結婚当初の住居の決め方
夫婦で話
第三者を
自然に
し合って
含めて話
決まった
決めた
し合った
21.2
38.7
24.9
9.0
1.7
45.7
21.4
9.0
配偶者が
決めた
女性(354 人)
男性(234 人)
0.0
6.4
問 22(4) 結婚当初の夫婦の姓の決め方
夫婦で話
第三者を
自然に
し合って
含めて話
決まった
決めた
し合った
2.5
6.2
86.4
1.1
0.4
12.0
78.2
1.3
配偶者が
決めた
(%)
無回答
合計
8.5
5.1
100.0
100.0
(%)
その他
1.4
0.9
無回答
2.3
0.9
合計
100.0
100.0
女性(354 人)
男性(234 人)
自分の姓
女性(352 人)
男性(233 人)
(%)
合計
100.0
100.0
問 22(4)付問 1-1 どちらの姓を名のったか
配偶者は
自分は通称
その他
通称
93.2
0.9
0.3
0.0
4.7
0.4
1.3
0.4
(%)
配偶者の姓
3.4
91.4
女性(354 人)
男性(234 人)
問 22(4)付問 1 婚姻届を提出したか
はい
いいえ
無回答
98.6
0.6
0.8
97.4
0.4
2.1
問 22(4)付問 2 夫婦の姓の決定に対する満足度
とても
どちらで
とても
まあ満足
やや不満
満足
もない
不満
28.5
18.9
47.2
1.4
0.8
32.9
26.9
36.3
0.4
0.9
問23 夫婦の話し合い<話し合うか>
話し合う
話し合わない
無回答
90.0
8.7
1.4
(1)自家用車
89.8
8.7
1.5
(5)家族づれで外出
86.9
11.9
1.2
(9)香典
83.0
12.1
4.9
(14)子どもの教育
79.9
17.0
3.1
(10)配偶者の里帰り
77.0
21.9
1.0
(11)年末の過ごし方
70.1
23.8
6.1
(13)子ども数
55.1
37.6
7.3
(12)避妊
52.7
45.9
1.4
(4)外出
44.7
54.3
1.0
(2)自分のものを買う
44.6
54.1
1.4
(3)貯金
38.8
59.7
1.5
(7)配偶者の小遣
31.1
68.0
0.9
(6)自分の小遣
19.4
77.0
3.6
(8)家事分担
各項目は、「話し合う」と回答した人が多かった順に並べている。
%は、合計 588 人に対する割合。
問 23 夫婦の話し合い<最終決定者>
どちらか
どちらか
主として
といえば
同程度
といえば
自分
自分
配偶者
(1)自家用車
女性 話し合う(307 人)
話し合わない(42 人)
無回答(5 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(222 人)
話し合わない(9 人)
無回答(3 人)
合計(234 人)
3.3
19.0
20.0
5.4
48.2
66.7
0.0
48.3
5.9
4.8
0.0
5.6
17.1
0.0
33.3
16.7
38.8
4.8
0.0
34.2
27.0
0.0
0.0
25.6
22.1
4.8
0.0
19.8
4.5
11.1
33.3
5.1
無回答
合計
2.3
1.7
100.0
100.0
(%)
無回答
合計
3.1
2.6
100.0
100.0
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(%)
主として
配偶者
29.6
61.9
40.0
33.6
1.4
22.2
0.0
2.1
無回答
0.3
4.8
40.0
1.4
1.8
0.0
33.3
2.1
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(5)家族づれの外出
女性 話し合う(319 人)
話し合わない(29 人)
無回答(6 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(209 人)
話し合わない(22 人)
無回答(3 人)
合計(234 人)
(9)お祝いや香典
女性 話し合う(309 人)
話し合わない(41 人)
無回答(4 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(202 人)
話し合わない(29 人)
無回答(3 人)
合計(234 人)
(14)子どもの教育方針
女性 話し合う(288 人)
話し合わない(45 人)
無回答(21 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(200 人)
話し合わない(26 人)
無回答(8 人)
合計(234 人)
(10)配偶者の里帰り
女性 話し合う(286 人)
話し合わない(53 人)
無回答(15 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(184 人)
話し合わない(47 人)
無回答(3 人)
合計(234 人)
(11)年末の過ごし方
女性 話し合う(267 人)
話し合わない(85 人)
無回答(2 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(186 人)
話し合わない(44 人)
無回答(4 人)
合計(234 人)
(13)子ども数
女性 話し合う(242 人)
話し合わない(88 人)
無回答(24 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(170 人)
話し合わない(52 人)
無回答(12 人)
合計(234 人)
主として
自分
どちらか
といえば
自分
どちらか
といえば
配偶者
主として
配偶者
11.6
41.4
0.0
13.8
9.6
31.8
33.3
12.0
12.5
6.9
16.7
12.1
8.1
4.5
0.0
7.7
59.2
24.1
0.0
55.4
43.1
18.2
0.0
40.2
9.4
10.3
0.0
9.3
27.8
13.6
0.0
26.1
6.6
10.3
0.0
6.8
9.1
18.2
0.0
9.8
0.6
6.9
83.3
2.5
2.4
13.6
66.7
4.3
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
11.7
65.9
0.0
17.8
9.9
31.0
0.0
12.4
10.7
9.8
0.0
10.5
14.4
3.4
0.0
12.8
54.0
14.6
0.0
48.9
52.0
6.9
0.0
45.7
10.7
4.9
0.0
9.9
13.4
10.3
0.0
12.8
11.7
2.4
0.0
10.5
7.4
44.8
33.3
12.4
1.3
2.4
100.0
2.5
3.0
3.4
66.7
3.8
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
11.1
46.7
4.8
15.3
5.5
3.8
0.0
5.1
13.9
15.6
0.0
13.3
8.0
0.0
0.0
6.8
62.8
6.7
4.8
52.3
61.0
26.9
12.5
55.6
6.6
6.7
4.8
6.5
18.5
26.9
0.0
18.8
3.1
13.3
0.0
4.2
4.5
38.5
12.5
8.5
2.4
11.1
85.7
8.5
2.5
3.8
75.0
5.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
11.9
17.0
0.0
12.1
1.1
2.1
0.0
1.3
7.7
7.5
0.0
7.3
2.2
0.0
0.0
1.7
53.5
11.3
0.0
44.9
41.8
2.1
0.0
33.3
13.3
20.8
0.0
13.8
26.6
21.3
0.0
25.2
12.6
37.7
6.7
16.1
25.0
66.0
33.3
33.3
1.0
5.7
93.3
5.6
3.3
8.5
66.7
5.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
7.1
25.9
0.0
11.6
8.6
29.5
0.0
12.4
10.5
9.4
0.0
10.2
10.2
4.5
0.0
9.0
66.7
24.7
0.0
56.2
57.5
34.1
0.0
52.1
8.2
8.2
0.0
8.2
14.0
4.5
0.0
12.0
6.4
17.6
0.0
9.0
6.5
15.9
50.0
9.0
1.1
14.1
100.0
4.8
3.2
11.4
50.0
5.6
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
9.1
21.6
0.0
11.6
4.1
5.8
0.0
4.3
7.9
6.8
0.0
7.1
5.9
5.8
0.0
5.6
76.0
33.0
0.0
60.2
66.5
46.2
8.3
59.0
2.1
4.5
0.0
2.5
11.8
5.8
0.0
9.8
3.7
14.8
0.0
6.2
8.8
19.2
0.0
10.7
1.2
19.3
100.0
12.4
2.9
17.3
91.7
10.7
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
同程度
無回答
合計
(12)避妊の方法やタイミング
女性 話し合う(205 人)
話し合わない(122 人)
無回答(27 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(119 人)
話し合わない(99 人)
無回答(16 人)
合計(234 人)
(4)自分の外出
女性 話し合う(159 人)
話し合わない(193 人)
無回答(2 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(151 人)
話し合わない(77 人)
無回答(6 人)
合計(234 人)
(2)自分の物を買う
女性 話し合う(110 人)
話し合わない(240 人)
無回答(4 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(153 人)
話し合わない(79 人)
無回答(2 人)
合計(234 人)
(3)貯金
女性 話し合う(136 人)
話し合わない(214 人)
無回答(4 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(126 人)
話し合わない(104 人)
無回答(4 人)
合計(234 人)
(7)配偶者の小遣
女性 話し合う(179 人)
話し合わない(169 人)
無回答(6 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(49 人)
話し合わない(182 人)
無回答(3 人)
合計(234 人)
(6)自分の小遣い
女性 話し合う(54 人)
話し合わない(296 人)
無回答(4 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(129 人)
話し合わない(104 人)
無回答(1 人)
合計(234 人)
主として
自分
どちらか
といえば
自分
7.8
23.8
0.0
12.7
3.4
16.2
0.0
8.5
10.7
8.2
0.0
9.0
9.2
5.1
6.3
7.3
51.6
88.6
0.0
71.5
26.5
75.3
33.3
42.7
15.7
7.8
0.0
11.3
19.2
9.1
16.7
15.8
どちらか
といえば
配偶者
主として
配偶者
69.3
32.8
0.0
51.4
59.7
38.4
6.3
47.0
5.4
6.6
0.0
5.4
10.9
11.1
0.0
10.3
4.9
14.8
0.0
7.9
12.6
19.2
6.3
15.0
2.0
13.9
100.0
13.6
4.2
10.1
81.3
12.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
27.0
0.5
0.0
12.4
35.8
5.2
0.0
24.8
5.0
0.0
0.0
2.3
11.3
0.0
0.0
7.3
0.0
0.0
0.0
0.0
6.6
3.9
0.0
5.6
0.6
3.1
100.0
2.5
0.7
6.5
50.0
3.8
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
同程度
無回答
主として
自分
合計
42.7
90.0
25.0
74.6
43.8
79.7
0.0
55.6
20.0
6.3
0.0
10.5
18.3
5.1
0.0
13.7
30.0
0.8
25.0
10.2
25.5
0.0
0.0
16.7
5.5
0.0
0.0
1.7
7.8
2.5
0.0
6.0
1.8
0.4
0.0
0.8
3.3
3.8
0.0
3.4
0.0
2.5
50.0
2.3
1.3
8.9
100.0
4.7
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
21.3
74.3
0.0
53.1
15.1
33.7
0.0
23.1
14.0
8.9
25.0
11.0
14.3
2.9
0.0
9.0
41.9
2.3
0.0
17.5
38.1
2.9
0.0
21.8
8.8
1.9
0.0
4.5
21.4
21.2
0.0
20.9
14.0
6.1
0.0
9.0
8.7
36.5
50.0
21.8
0.0
6.5
75.0
4.8
2.4
2.9
50.0
3.4
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
15.1
16.6
16.7
15.8
10.2
3.8
0.0
5.1
12.8
3.6
16.7
8.5
2.0
1.6
0.0
1.7
43.6
5.3
0.0
24.6
55.1
3.8
0.0
14.5
14.0
14.2
0.0
13.8
24.5
22.0
33.3
22.6
11.2
54.4
16.7
31.9
4.1
59.9
33.3
47.9
3.4
5.9
50.0
5.4
4.1
8.8
33.3
8.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
20.4
80.4
0.0
70.3
13.2
52.9
0.0
30.8
9.3
6.8
0.0
7.1
10.1
6.7
0.0
8.5
53.7
4.7
25.0
12.4
38.8
7.7
0.0
24.8
3.7
1.7
0.0
2.0
24.0
11.5
0.0
18.4
13.0
1.7
0.0
3.4
10.9
9.6
0.0
10.3
0.0
4.7
75.0
4.8
3.1
11.5
100.0
7.3
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
どちらか
といえば
自分
どちらか
といえば
配偶者
同程度
主として
配偶者
(8)日常の家事分担
女性 話し合う(61 人)
話し合わない(279 人)
無回答(14 人)
合計(354 人)
男性 話し合う(53 人)
話し合わない(174 人)
無回答(7 人)
合計(234 人)
16.4
27.9
45.9
3.3
62.4
14.0
11.8
2.5
7.1
0.0
7.1
7.1
52.3
15.8
17.5
2.8
9.4
5.7
41.5
28.3
5.2
4.6
19.0
21.3
14.3
0.0
14.3
14.3
6.4
4.7
23.9
22.6
(1)~(14)の各項目は、「話し合う」と回答した人が多かった順に並べている。
4.9
2.5
7.1
3.1
11.3
41.4
28.6
34.2
無回答
1.6
6.8
71.4
8.5
3.8
8.6
28.6
8.1
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
問 24 夫婦間でのコミュニケーションの工夫
(自由記述回答率)
女性
男性
%
36.2
46.1
37.7
66.7
N
24
32
39
0
合計
%
34.3
36.0
35.1
-
N
66
102
96
2
%
35.5
42.3
36.6
66.7
合計
171
40.5 95
35.2
%は、各性別・年代のサンプルに対する回答率。
266
38.4
35-44 歳
44-54 歳
55-64 歳
不明
N
42
70
57
2
問 25 夫婦共通の友人
いる
いない
無回答
60.4
39.0
0.6
57.1
42.9
0.0
54.8
43.4
1.8
57.3
41.8
0.9
表中、年齢不明の 3 ケースは省略。
年代(人数)
35-44 歳(154 人)
44-54 歳(203 人)
55-64 歳(228 人)
合計(588 人)
ほとんどしない
35-44 歳(154 人)
9.7
44-54 歳(203 人)
9.4
55-64 歳(228 人)
4.4
合計(588 人)
7.5
表中、年齢不明の 3 ケースは省略。
問 26 夫婦の会話時間(1 日の平均)
30 分未満
30 分-1 時間
1-2 時間
20.8
33.1
29.2
24.6
32.0
22.7
20.6
29.8
25.4
21.9
31.3
25.9
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
2 時間以上
6.5
11.3
17.5
12.4
無回答
0.6
0.0
2.2
1.0
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
問 27 子どもの教育としての重要性
重要
重要だ
無回答
ではない
(6) 人を殺してはいけない
98.8
0.7
0.4
(5) ものを盗んではいけない
98.7
0.7
0.6
(1) 高齢者に対する思いやり
98.0
1.6
0.4
(3) 目上の人への尊敬
96.1
3.0
0.9
(7) 食事のマナー
95.4
3.9
0.7
(2) 親に対する感謝
94.1
5.1
0.9
(13)活字に親しむ
91.9
7.1
1.0
(8) 学校の勉強
89.2
9.5
1.3
(4) 分をわきまえる
89.0
9.8
1.2
(11)社会貢献
87.3
10.8
1.9
(10)伝統的な家族行事
84.2
14.6
1.2
(12)芸術
81.6
17.1
1.3
(9) 地域の行事・風習
80.6
17.6
1.7
%は合計 692 人に対する割合。
各項目は、「重要だ」と回答した人が多かった順に並べている。
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
問 27 子どもに教育をするべき場所
(6) 人を殺してはいけない
N
683
家庭で
80.5
学校で
5.9
地域で
0.6
683
88.6
4.4
0.3
(5) ものを盗んではいけない
678
78.3
4.7
6.2
(1) 高齢者に対する思いやり
665
67.7
12.3
4.4
(3) 目上の人への尊敬
660
94.8
1.7
0.0
(7) 食事のマナー
651
78.0
12.9
0.8
(2) 親に対する感謝
636
50.9
43.6
0.8
(13)活字に親しむ
617
51.4
43.3
0.5
(8) 学校の勉強
616
79.9
6.8
2.3
(4) 分をわきまえる
604
36.8
24.7
11.1
(11)社会貢献
583
90.6
1.2
4.3
(10)伝統的な家族行事
565
35.8
50.3
3.5
(12)芸術
558
29.4
4.1
61.3
(9) 地域の行事・風習
(1)~(13)の各項目は、「重要だ」と回答した人が多かった順に並べている。
N は先の質問で「重要だ」と回答した人の人数。
問 28 個室の使い方、携帯電話、パソコン、ゲーム機の使い方に
関するルール(自由記述回答率)
(%)
35-44 歳
44-54 歳
55-64 歳
不明
女性
N
%
53
45.7
38
25.0
10
6.6
0
0.0
N
21
16
12
0
男性
%
30.0
18.0
10.8
-
合計
101
23.9 49
18.1
%は、各性別・年代のサンプルに対する回答率。
合計
N
%
74
39.8
54
22.4
22
8.4
0
0.0
150
問 29
回答者の性別 → 本文@ページ参照。
問 30
回答者の年齢 → 本文@ページ参照。
問 31
回答者の仕事 → 本文@ページ参照。
(%)
社会で
9.2
無回答
3.8
合計
100.0
3.5
7.7
11.7
0.8
5.2
1.3
1.5
7.8
24.0
1.0
7.6
2.5
3.2
3.1
3.9
2.7
3.1
3.5
3.4
3.2
3.5
2.9
2.8
2.7
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
子どもがいる
問 28 携帯電話やパソコンなどについてのルール
ある
ない
無回答
6 歳以下(67 人)
52.2
44.8
3.0
7-12 歳(74 人)
59.5
39.2
1.4
13-15 歳(49 人)
42.9
55.1
2.0
16-18 歳(61 人)
21.3
77.0
1.6
19-22 歳(70 人)
17.1
77.1
5.7
23-30 歳(188 人)
11.2
77.7
11.2
31-40 歳(71 人)
4.2
78.9
16.9
小計(580 人)
25.7
67.1
7.2
子どもはいない(105 人)
2.9
87.6
9.5
無回答(7 人)
0.0
85.7
14.3
合計(692 人)
22.0
70.4
7.7
子どもの有無、および末子年齢別に集計。
(%)
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
問 32 回答者の年収
女性
男性
(422人) (270人)
収入はない
100 万未満
100-200 万
200-300 万
300-400 万
400-600 万
600-800 万
800-1000 万
1000-1200 万
1200 万以上
わからない
無回答
合計
26.8
25.1
17.8
8.3
4.5
7.8
4.7
0.9
0.2
0.5
0.9
2.4
100.0
(%)
合計
(692人)
3.3
3.0
7.0
8.9
11.1
18.1
24.4
9.6
5.9
5.9
0.7
1.9
100.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
問 33 回答者の学歴
女性
男性
(422人) (270人)
4.5
6.3
中学校
45.0
37.0
高等学校
専門学校
10.4
9.6
21.6
4.4
短大・高専
17.5
36.7
大学
大学院
0.2
5.2
0.2
0.4
その他
0.5
0.4
無回答
100.0
100.0
合計
(%)
合計
(692人)
5.2
41.9
10.1
14.9
25.0
2.2
0.3
0.4
100.0
21.7
問 34 回答者の健康状態
女性
男性
(422人) (270人)
良好
やや良好
どちらともいえない
やや悪い
悪い
無回答
合計
32.0
43.4
14.5
8.1
1.9
0.2
100.0
(%)
合計
(692人)
32.6
35.9
14.8
11.9
3.7
1.1
100.0
32.2
40.5
14.6
9.5
2.6
0.6
100.0
問 35 回答者の居住地域
女性
男性
(422人) (270人)
神戸
28.9
26.3
阪神南
18.2
15.6
阪神北
14.7
10.0
東播磨
12.1
15.2
北播磨
4.0
3.3
中播磨
9.2
14.1
西播磨
4.5
7.0
但馬
4.3
5.6
丹波
1.2
1.1
淡路
2.8
1.5
無回答
0.0
0.4
合計
100.0
100.0
(%)
合計
(692人)
27.9
17.2
12.9
13.3
3.8
11.1
5.5
4.8
1.2
2.3
0.1
100.0
家族での思い出に残る行事・出来事(自由記述回答率)
女性
男性
%
44.0
44.7
42.4
66.7
N
24
23
28
0
合計
%
34.3
25.8
25.2
-
N
75
91
92
2
%
40.3
37.8
35.1
66.7
合計
185
43.8 75
27.8
%は、各性別・年代のサンプルに対する回答率。
260
37.6
35-44 歳
44-54 歳
55-64 歳
不明
N
51
68
64
2
アンケートに対する意見・感想(自由記述回答率)
女性
%
22.4
21.1
14.6
33.3
男性
N
19
15
15
0
合計
%
27.1
16.9
13.5
-
N
45
47
37
1
%
24.2
19.5
14.1
33.3
合計
81
19.2 49
18.1
%は、各性別・年代のサンプルに対する回答率。
130
18.8
35-44 歳
44-54 歳
55-64 歳
不明
N
26
32
22
1
家庭生活と家族のコミュニケーションに関する
調査研究報告書
発
行:
兵庫県
〒650-8567
神戸市中央区下山手通 5−10−1
電話(078)341−7711(代表)
調査研究:
(財)21世紀ヒューマンケア研究機構
家庭問題研究所
〒651-0073
神戸市中央区脇浜海岸通 1-5-2
人と防災未来センター・ひと未来館内
電話(078)262-5579
URL:http://www.21human.jp
(財)21 世紀ヒューマンケア研究機構家庭問題研究所は、
平成 18 年4月から下記のとおり、名称を変更します。
名称:(財)ひょうご震災記念 21 世紀研究機構
少子・家庭政策研究所
電話(078)262-5570
平成 18 年 3 月/印刷