先端医学領域知的財産ディレクター養成講座 (4)藤井 淳(非常勤) 実施予定期間:平成 15 年度~平成 19 年度 (5)平野 惠稔(非常勤) 実 施 機 関:京都大学大学院医学研究科 (6)室田 浩司(常勤) 代 (7)早乙女 表 者:塩田浩平(京都大学大学院医学研究科長) (8)吉川 周子(常勤) 清次(常勤) 1. 人材養成ユニット又は再教育システム設置による目標 b. 養成対象者について(選考方法等) について 知的財産分野の公開セミナーの開催等に関心を寄せた学 先端医学領域を中心とする自然科学系及び知的財産権 生や企業を含め、医学・生命科学系、法学系、経済学系学 の活用を中心とする人文・社会科学の基礎理論の修得と実 生にまで対象を広げて、本養成講座に興味を持つ人材を選 務的なスキル修得の教育を行い,経済産業省が提唱する 考する。 「大学発ベンチャー1000 社創出」に向け,バイオテクノ c.人材養成の実施内容について ロジー特に先端医学領域での知的財産の発掘・管理・活用 (1)知的財産経営学領域科目の開講 を担える人材(知的財産ディレクター)を養成する。 「アントレプレナーシップ」、「産業財産権法」、「著作権 基礎研究の成果を社会へ還元するために,知的創造サイ 法・不正競争防止法」、 「契約実務演習」、 「特許法特論・演 クルの活性化が求められている。とりわけ進歩の著しいゲ 習」 、 「技術経営学概論」、 「知的財産法演習」、 「実務英語演 ノム科学を基礎にした先端医学分野は知的創造の機会の 習」、「創薬技術・ビジネス概論」、「ゲノム科学と医療」、 宝庫であり,ここからくみ出される新しい知識を,知的財 「知的財産経営学 産として確保し,その上で社会に還元できるように価値の 題研究」を開講する。 向上を図ることがその第一歩である。この知的創造サイク (2)医学領域科目の開講 ルの効率を上げるために必要な先端医学領域の基礎知識 「医学基礎Ⅰ、Ⅱ」、 「病理学総論」、 「薬理学」、 「分子細胞 の収得,技術情報の流通及び,実用化へのコンセプト(発 「生理学」、 「医療情報学」、 「臨床医学 生物学」、 「発生学」、 見から発明へ)創造等,知的財産の取り扱いを中心とした 概論」、を選択必修科目として受講する体制とする。 技術経営の基礎知識と実務的スキルを教育する。 (3)公開授業など情報公開の実施 基礎」 、の 11 科目 22 単位、及び「課 そのために生命科学領域における知的財産経営,技術経 知的財産経営学領域科目の講義から選択しての公開講義 営を担える人材の養成を目的としたカリキュラムを開講 の実施、産学連携セミナーの開催、学会における発表、HP する。コアとなる教官 8 名を中心に,各専門分野の人材を での情報公開を実施する。 非常勤講師として招聘し,これらの講師陣で教育を実施す (4)調査研究の実施 る。またバイオテクノロジーに関連した知的財産分野の現 「知的財産の利用と成果の権利化の制度のあり方に関す 状把握や将来に向けた制度設計に関して調査研究を実施 る調査研究」 し,これらの成果を人材養成に寄与させる。人材養成開始 「バイオ・創薬・医療分野の産学連携に関する調査研究」 後 3 年目には知的財産発掘・管理・活用を担える人材 10 「大学研究者の技術顧問としての活動のあり方に関する 名の養成,開始後 5 年目には知的財産発掘・管理・活用を 調査研究」 担える人材 25 名,知的財産担当 COO(chief operating を実施する。 officer)を担える人材 5 名の養成を目標とする。 3. 機関における当該人材養成ユニットまたは再教育シス 2. 人材養成の内容 a. 養成業務の従事者について(常勤、非常勤、新規採用 テムの位置づけについて 京都大学医学研究科では本養成講座が、大学の研究成果を 社会に還元するために必須 等) の新興分野人材養成と位置 づけている。 (1)寺西 豊(常勤) (2)熊谷 健一(客員) 京都大学大学院医学研究科では、平成 14 年度、 「先端領 (3)田中 秀穂(常勤) 域融合医学研究機構」が5年間の年限でスタートし、若手 研究者をリーダーとする 20 のグループが選抜された。こ には、ここでの養成ユニットから巣立つ知的財産ディレク の機構では、これらの研究者が生み出す研究成果を知的財 ターが必須の人材であり、ベンチャー、大手企業及び公的 産として確保し、活用することで、産業創出に貢献する事 研究機関を含めて、社会的ニーズは極めて大と考える。 を社会貢献と位置づけている。また医学部附属病院「探索 大学においては、企業特にベンチャーを通して大学から 医療センター」では、平成 13 年度から流動プロジェクト の研究成果が社会に還流される姿を具体的に見せること がスタートしており、現在 4 プロジェクトが実施されてい が、基礎研究の重要性を社会に訴えるためには一番効果的 る。平成 15 年度も全国公募が開始された。これらのプロ であり、そのためには知的財産ディレクターの役割は大き ジェクトは、EBM(Evidence based medicine)での先端医 い。また産業構造改革を迫られている日本の企業が大学へ 療を目指すプロジェクトであり、そこから生み出させる研 の研究投資を積極的に行うためには、大学で契約や知的財 究成果のもつ知的財産としての価値は高い。これを日本の 産の展開・集約化を具体的に取り進める連携担当者の存在 財産としてまた国民の健康と生活を守るための tool とし が必要であり、一方企業側にも、大学発の知的財産を効率 て活かすためにも、知的財産を発掘・展開・利用するシステ よく集約化できるディレクターが必要とされる。両者にお ム構築と、そのシステムを担える人材の養成は必須である。 ける連携担当者としての役割も、今後の産学連携を進める 京都大学大学院医学研究科では、平成 14 年度に「医学領 上でのニーズとしては大きい。 域産学連携推進機構」を設置し、産学連携による研究成果 の社会への還元を目的とした実務的に知的財産発掘・管理 する体制構築はスタートした。この機構の質的拡充を図り、 5. 企業等との連携、協力等について 人材養成業務の專任従事者は、大学からの起用だけでは 先端医学研究の成果が大学内のみにとどまることなく、知 なく、民間企業からのリクルートが必要である。民間企業 的財産として活用され、社会貢献としての「大学発ベンチ の社員籍を持ったままでの出向派遣の形での協力を交渉 ャー1000 社創出」を具体化するためにも、知的財産ディ 中である。非常勤での講師としても、10 名程度民間の人 レクターの養成が必要である。知的財産の集約・融合の実 材を招請する予定である。 践の機会が数多く生まれると期待される「探索医療センタ さらにベンチャーでの internship の実施に当たっては、 ー」や「先端領域融合医学研究機構」をもつ京都大学医学 京都大学発のベンチャーの協力を得て派遣を予定してい 研究科に、この「先端医学領域知的財産ディレクター養成 る。米国のゲノム創薬ベンチャーやポストゲノムベンチャ 講座」を置くことは、On the job training を試みる上で ーからもトップマネージメントの講演を予定している。 は最適の環境であると考える。このような観点から、本講 座は研究成果の社会還元に必須の新興分野人材養成であ ると考える。 4. 社会的波及効果について 文部科学省が提唱する「大学発ベンチャー1000 社創出」 企業内の人材の活用の趣旨で、養成ユニットへの社会人 学生の参画を期待し、民間企業の協力を要請している。 6. 実施体制 氏名 寺西 豊 所属部局・職名 当該構想における役割 京都大学医学研究科科学振興教授 養成業務従事予定者の招聘、養成対象者の選考、教 育、研究 田中 秀穂 京都大学医学研究科科学技術新興助教授 養成対象者の選考、教育、研究、情報公開 熊谷 健一 京都大学医学研究科客員教授 教育、研究 藤井 淳 京都大学医学研究科非常勤講師 教育、研究 平野 惠稔 京都大学医学研究科非常勤講師 教育、研究 吉川 清次 京都大学医学研究科科学技術振興講師 教育、研究、情報公開 京都大学医学研究科科学技術新興助手 教育、研究、情報公開 京都大学医学研究科科学技術振興講師 教育、研究 早乙女 室田 周子 浩司 7. 各年度の計画と実績 ・公開授業を 2 回実施 a.平成 15 年度 ・国際セミナーとしてのワークショップを開催 ・計画 ・産学連携セミナーを 2 回開催 1.養成業務教育従事予定者の招聘 ・英文契約に関するワークショップを開催 2.養成対象者の選考 c.平成 17 年度 3.講義・研究 ・計画 (1)産学連携セミナー開催 1.養成対象者の選考 (2)特別講義開催 2.講義・研究 (3)契約関係マニュアル研修 (1)知的財産分野、その他講義、課題研究の実施 ・実績 (2)公開セミナー開催 ・各専門分野の人材を招聘 (3)知的財産分野調査研究 ・コース入学者を選考 ・実績 ・産学連携セミナーを 3 回開催 ・コース入学者を選考 ・知的財産経営ポリシー特別講義を実施 ・法律領域、経営学領域の講義 11 科目、計 22 単位分を開講 ・契約関係マニュアル研修を実施 ・インターンシップを取り入れての「課題研究」の指導を ・講義カリキュラム概要作成 実施 b.平成 16 年度 ・専門職大学院教育として、COE 拠点形成を目指したレベ ・計画 ル確保を目標に置き 1.養成業務教育従事予定者の招聘 産学連携、知的財産活用、技術経営などに関する研究を実 2.養成対象者の選考 施 3.講義・研究 ・公開授業を 2 回実施 (1)知的財産分野、その他講義の開講 ・産学連携セミナーを 3 回開催 (2)公開セミナー開催 d.平成 18 年度 (3)知的財産分野調査研究 ・計画 ・実績 1.養成対象者の選考 ・各専門分野の人材を招聘 2.講義・研究 ・コース入学者を選考 (1)知的財産分野、その他講義、課題研究の実施、 ・法律領域、経営学領域の講義 10 科目、計 20 単位分を開 (2)公開セミナー開催 講。また、来年度から実施する「課題研究」について、具 (3)知的財産分野調査研究 体的実施計画を策定 ・実績 ・専門職大学院教育として、COE 拠点形成を目指したレベ ・コース入学者を選考 ル確保を目標に置き、産学連携、知的財産活用、技術経営 ・法律領域、経営学領域の講義 11 科目、計 22 単位分を開講 などに関する研究を実施 ・インターンシップを取り入れての「課題研究」の指導を 実施 追加する。 ・公開授業を 2 回実施 3.養成人数 ・産学連携セミナーを 2 回開催 養成人数の目標は、知的財産発掘・管理・活用を担える人 ・専門職大学院教育として、COE 拠点形成を目指したレベ 材 25 名、知的財産担当 COO(chief operating officer) ル確保を目標に置き を担える人材 5 名としていたが、前者については 20 名、 産学連携、知的財産活用、技術経営などに関する研究を実 後者は 4 名の見込みとなった。 施 しかし、本研究科だけでなく他の生命系部局からの本ユニ e.平成 19 年度 ットへの教育評価は高く、継続すべく検討を行っている。 ・計画 なお、平成 20 年度卒業予定の学生を確保しており、当初 1.養成対象者の選考 の目標人数 25 名は達成できる見込みである。 2.講義・研究 4.実施期間終了後について (1)知的財産分野、その他講義、課題研究の実施、 本ユニットは、平成 15~19 年度においては社会健康 (2)公開セミナー開催 医学系専攻・専門職学位課程の特別コースとして実施し (3)知的財産分野調査研究 てきたが、実施期間終了後は正規課程として実施すべく (4)・知的財産経営学領域科目に「基礎分子生物医学」、 「ア 「医療技術経営学」 (入学定員 3 名)を平成 20 年度概算 ントレプレナーシップ特論」を追加し、13 科目 30 単位と 要求している。 する。(課題研究含む) また、「医療技術経営学」の担当教員については、法人 ・医学領域科目に「遺伝医学」、 「医薬品の開発と評価」を 本部の支援をも受け整備計画することとしている。 8. 年次計画 項目 1年度目 2年度目 3年度目 4年度目 5年度目 養成目標人数※ 0人 5人 10 人 10 人 5人 養成終了人数 0人 2人 9人 7人 6人 ディレクターレベル 0人 2人 9人 5人 4人 COO レベル 0人 0人 0人 2人 2人 a.養成業務従事 予定者の招聘 b.養成対象者の選考 c.教育、研究、情報公 開 (1) 教育 (2) 研究 (3) 情報公開 ※内訳を設定していないため合計を記入
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