抗原特異的 T細胞研究∼刺激と生細胞の分離

試験研究用
Immunological Research with MACS Products
抗原特異的 T 細胞研究∼刺激と生細胞の分離
Application 1
末梢血中の抗原特異的 CD4+、CD8+ T 細胞の刺激と濃縮
MACS® PepTivator® ペプチドプールは、11 アミノ酸ずつオーバーラップ
する 15 mer のペプチドからなり、それぞれの抗原の全シーケンスをカ
バーしています。このような構成のペプチドは、エピトープ認識される
■ 抗原特異的 CD4+、CD8+ T 細胞の刺激に最適な試薬
■ 11 aa ずつ overlap するので、
ペプチド間ギャップによる問題が生じにくい
■ 水溶性で取り扱いが容易 (DMSO 等での前処理が不要 )
8-15 mer の連続シークエンスのほとんどをカバーし、効果的に CD4+ や
CD8+ T 細胞を刺激します。がん免疫、免疫疾患、感染免疫研究に役立つ、
抗原特異的 T 細胞刺激用の様々な抗原の PepTivator をご用意しています。
A
タンパク質の一次構造
15 aa length
CD137
11 aa overlap
CD137
A : CMV 陽性ドナーのヒト PBMC を、PBMC のみ ( 左 )、あるいは PepTivator CMV
pp65 添加(中央)で一晩培養した。PepTivator 刺激サンプルから、活性化マーカー
CD137+ となった細胞だけを、CD137 マイクロビーズキットで濃縮した ( 右 )。
peptide c
・・・
・・・
CD137 は活性化した CD4+, CD8+ T 細胞や活性化 B 細胞、NK 細胞等に発
現します。休止期の CD8+ T 細胞には発現しておらず、発現が刺激 24 時間
後に再現性よく誘導されることから、CD137 はヒト CD8+ T 細胞の抗原特
異的活性化マーカーとして適していることが報告されています。
活性化 CD4+ T 細胞においては、CD154 (CD40-ligand) が活性化後数時間
で一過的に発現がアップレギュレートされるため、CD154 マイクロビーズ
キット (#130-092-658) を抗原特異的 CD4+ T 細胞の分離に使用できます。
CD154 のダウンレギュレーションを阻害するため、刺激時に抗 CD40 阻害
抗体 (#130-094-133) を添加しておくことが必要になります。
*注意*マイクロビーズ試薬でサイトカイン産生細胞を濃縮する場合は、
別途専用カラムとマグネットが必要になります。
B
Unloaded
APCs
0.4%
0.6%
10.8%
17.7%
0.1%
IFN-γ
マイクロビーズキット , ヒト (#130-093-476)
TNF-α
● CD137
After separation
( はアミノ酸を示す)
PepTivator
peptide a
peptide b
Original fraction
CD8
[ 図 ] PepTivator の構造図
PepTivator(+)
Unstimulation
CD8
● PepTivator® ペプチドプール
8.6%
WT1-loaded
APCs
CD4
CD8
CD4
B: PepTivator WT1 添加で一晩培養した健常なヒト PBMC から、CD137+ 細胞を濃縮して、
feeder cells, IL-21, IL-7, IL-15 で増殖培養を行った。その後、autologous APC(上段)、
あるいは WT1 ペプチドをロードした autologous APC(下段)と 6 時間共培養し、flow
cytometry で解析した。WT1 ペプチド特異的に、TNF-α、IFN-γを産生する CD4 +, CD8+
T 細胞が観察され、この方法でヒト抗原特異的 T 細胞を増殖培養できることが示された。
*各プロット中の数字は CD4 +,CD8 + 各 fraction 内の TNF-α+ あるいは IFN-γ+ 細胞の存在率を示す。
PepTivator® の豊富な製品群
【がん関連抗原】WT1, NY-ESO-1, Survivin 1, Mucin-1, MAGE A3, MAGE A4 等
【感染症関連抗原】Influenza A (H1N1), AdV5, CMV, EBV, HCV, A. fumigatus 等
【自己免疫疾患関連抗原・その他】Insulin, MOG, Desmoglein, OVA 等
その他最新の製品情報は WEB
GMP grade
製品も展開
サイトからご覧下さい。
www.miltenyibiotec.co.jp
Immunological Research with MACS Products
Application 2
サイトカイン産生細胞の生きたままの検出・濃縮
(Cytokine Secretion Assay) ―サイトカイン産生細胞検出・濃縮キット
サイトカイン産生細胞は、
細胞内染色法(intracellular staining)で同定、
解析が可能ですが、この方法では細胞の固定が必要になるため、生きた
状態の細胞を得ることは出来ません。
弊社の開発した CSA (cytokine secretion assay) 法は、ヒトサイトカイン
産生細胞を生きたまま同定、解析、分離できる唯一の方法です。
細胞内染色法では不可能であった、培養、再刺激、移植試験、また RNA
を抽出して遺伝子発現解析などのアプリケーションを可能にし、免疫学研
究を深める強力なツールになります。
Original
fraction
After Separation
+ Saponin
– Saponin
IL-17+
IL-17+
IL-17–
IL-17–
IL-17+
IL-17-
intracellular IL-17
Unstain
A : マウス脾臓ナイーブ CD4 +T 細胞から、Th17-skewing condition で Th17 を誘導し
た。CSA で IL-17 を染色した(左)後、IL-17+ および IL-17- 細胞をそれぞれのゲートでソー
ティングした。細胞を固定後、saponin による膜透過処理を行って、細胞内の IL-17
を染色した結果(右)、CSA の染色結果とよく相関することが明らかになった。
[ 図 ] CSA キットの原理
抗サイトカイン抗体で検出、
磁気細胞分離などへ利用
B
Original fraction
After enrichment
0.46 %
98.4 %
1.80 %
99.5 %
51.40%
CD8
CD4
▲
▲
[ CSA システムを利用したアプリケーション例 ]
■ in vitro で抗原刺激後、CSA で濃縮して抗原特異的 T 細胞を拡大培養
■ Th17、regulatory B cell などを分離後、移植や in vitro での再刺激
■ プライマリーの組織から特定のサイトカイン産生細胞を分取、
RNA を抽出して遺伝子発現解析 等
PepTivator
restimulation
PepTivator stimutaion ~ CSA Enrichment
CD4
分泌されたサイトカインを
catch reagentで捕捉
9-12 day
culture
secreted IFN-γ (CSA staining)
61.74%
CD8
白血球の細胞表面を
catch reagentでコート
A
Secreting IL-17
(CSA staining)
● CSA
intracellular IFN-γ
B : 健常人の PBMC サンプルを、ウイルス抗原 PepTivator(CMVpp65, IE-1, AdV
hexon, EBV EBNA-1, BZLF-1) で刺激後に混合して、CSA 検出・濃縮キットで IFN-γ産
生細胞を濃縮した ( 左 )。その後 IL-2、feeder cells と共に 9-12 日培養し、混合した
PepTivator で再刺激を行い、IFN-γの intracellular staining を行った(右)。
*各プロット中の数字は CD4 +,CD8 + 各 fraction 内の IFN-γ+ 細胞の存在率を示す。
[ 表 ] CSA キット展開
Cytokine
GM-CSF
IFN-α
IFN-γ
IL-2
IL-4
IL-5
IL-10
IL-12
IL-13
IL-17
TNF-α
検出キット(蛍光色)
検出・濃縮キット
ヒト (PE) new!
ヒト (PE) new!
ヒト (PE)
ヒト (PE)
ヒト (FITC, PE, APC) / マウス (PE, APC)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE, APC) / マウス (PE, APC)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE, APC) / マウス (PE, APC)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE, APC) / マウス (PE, APC)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE)
ヒト (PE)
ヒト (PE)
ヒト (PE)
ヒト (PE, APC) / マウス (PE, APC)
ヒト (PE) / マウス (PE)
ヒト (PE, APC)
ヒト (PE)
*注意*
MACS 細胞分離の特長
◆ 高い圧力をかけないので、細胞に優しい
◆ 短時間で多数の細胞を一度に処理できる
◆ 生物分解可能な磁気粒子ビーズ試薬
CSA 検出キットには、catch reagent 等の他に各蛍光色素標識の抗サイトカイン抗体がキットの中に含まれます。
CSA 検出・濃縮キットには、PE 標識の抗サイトカイン抗体、Anti-PE マイクロビーズもキットに含まれます。
マイクロビーズ試薬でサイトカイン産生細胞を濃縮する場合は、別途カラムとマグネットが必要になります。
*分離試薬とカラム、マグネットをセットにした、スターティングキットも
販売しております。詳しくは WEB サイトからご覧下さい。
2015年10月現在の情報に基づきます。MACS は Miltenyi Biotec GmbH の登録商標です。
記載されていない限り、Miltenyi Biotec 社の製品およびサービスは全て研究用です。それ以外の目的に使用しないでください。
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