「曙の理念」を持続的に実現していくために

コーポレートブランド経営と CSR
「曙の理念」を持続的に実現していくために
コーポレートブランド経営と CSR の位置づけ
コーポレートブランド
(CB)バリュエーター
akebono は
「曙の理念」と
「 akebono21 世紀宣言」に基づ
コーポレートブランド 経営を効率的に実 践するために、
き、コーポレートブランド経営を 2005 年から導入しています。
akebonoでは一橋大学 伊藤 邦雄教授と日本経済新聞社が共
akebono のコーポレートブランド経営は、事業を通じて接す
同開発したコーポレートブランド価値測定モデルである
「 CB バ
る重要なステークホルダーを、お客様、株主様、社員という
リュエーター」を 2002 年より採用しています。CB バリュエー
視点で捉え、そのバランスを取りながら企業価値を向上させ
ターでは、企業イメージデータと財務データを統計的に解析
「目指す
ようという考えに基づいています。2005 年 10 月には
し、総合的にコーポレートブランド価値を評価・算出します。
企業像」を表した
「ブランドステートメント」を制定し、コーポ
akebonoでは、CB バリュエーターの主要構成要素である
「 CB
レートブランド推進活動を本格的にスタートさせました。こ
スコア」という指標に着目して、コーポレートブランド価値を
の活動は
「曙の理念」を実現し続けていくために、自社ブラン
高めていこうという取り組みを行っています。akebono の
ドへの誇りに支えられた社員の自発的行動により akebono
2009 年 CB スコアは 2008 年のリーマンショック後の経済環
の個性を研き、akebono が社会から選ばれ続ける存在とな
境の悪化の影響を受けた収支の落ち込みにより、2008 年比
ることを狙いとしています。2008 年度には社外の方々から
5.6%減の 540 ポイントとなりました。今後は業績回復による
の評価を効果的に上げるため、ターゲットイメージを
「製品・
財務実績の改善とともに、
「製品・サービスの質が良い」
「技術
サービスの質が良い」
「技術力がある」の 2 つに絞り込み、今ま
力がある」というターゲットイメージを高めることで CB スコ
で以上に企業としての魅力や実力を高めることで、akebono
アのポイントを向上させていきます。
ブランドのさらなる飛躍をめざしています。
CB スコア
akebonoでは企業の社会的責任
( CSR )を、企業としての
存続条件そのものであり、まさにブランドを語るうえで同
(ポイント)
600
時に推進していかなければいけない要件と考え、コーポレー
「基盤整備」として位置づけて
トブランド経営において CSR を
います。
「理念の実現・実践をめざして、安全と安心を社会に
572
CBスコア=ブランドの魅力
500
業界内における企業ブランド力の
相対的ポジション
427
400
540
538
395
389
2002
2003
444
405
「当たり
提供し続ける」を方針とし、CSR で求められる内容が
前」に達成できる体制を構築していきます。
300
コーポレートブランド経営におけるCSRの位置づけ
200
「曙の理念」の持続的な実現
100
企業の社会的責任を果たす
(社会で持続的に活動する資格のある会社)
#
"
︵戦略的︶
凄い会社/良い会社/好きな会社/選びたい会社
(圧倒的な存在感を持つ強いCB確立)
自発的活動
「品質・サービスの質が良い」
「技術力がある」
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009 (年)
CSR 社内推進状況
akebono は、コーポレートブランド経営における「基盤整
備」として、昨年、
「 AKEBONO REPORT 2009」にて言及した
マテリアリティ・マップ準備版の活動項目を CSR 社内推進状況
︶
#
3
2 安全・品質 人権・労働
環境
社会貢献
リスク
マネジ コンプ
メント ライアンス 情報開示
卓越分野
基本分野
存続条件
基盤整備︵
におきかえてとりまとめました。初年度は、社団法人日本自
CSR方針:理念の実現・実践をめざして、
安全と安心を社会に提供し続ける
発行の
『 CSR ガイドブック』に基づき、
動車部品工業会
( JAPIA)
akebono の CSR 活動を全社横断的に体系化・見える化するこ
とに主眼を置き、一覧表を作成しています。今後は既存の社
内の委員会、プロジェクト、業務のなかで現状を把握し、自社
の問題点を明確化するとともに、不足している部分を強化し、
CSR 活動ロードマップの作成につなげるなどの改善を行うこと
により、基盤整備を進めていきます。
4
AKEBONO REPORT 2010
曙ブレーキ工業株式会社
CSR 社内推進状況
大項目
1
.
安
全
・
品
質
2
.
人
権
・
労
働
中項目
担当組織
1-1. お客様ニーズの把握
営業系部門
1-2. 製品情報の適切な提供
営業系部門
品質保証部門
・開発段階の技術情報をお客様に提供する際の業務フローを規定し、運用している。
・万一、商品化後に不具合が発生した場合は、不具合の内容と重要度の分析から措置に至るまでの手
順を定めた業務フローを規定し、運用している。
1-3. 製品の法・安全基準
開発部門
品質保証部門
・商品化前の製品において安全性の検証手順を規定している。
・法規制や安全性の適合確認、市場・お客様ニーズとの適合などを研究開発過程で確認、審査する仕
組みを構築し、運用している。
・万一、商品化後に不具合が発生した場合は、不具合の内容と重要度の分析から措置に至るまでの手
順を定めた業務フローを規定し、運用している。
1-4. 品質確保の仕組み
品質保証部門
・ISO9001、ISO/TS16949 などの品質マネジメントシステムを運用している。内容の見直し項目を規
定することで、定期的な見直しを行っている。
2-1. 社員との対話・協議
人事部
・労働協約のなかで、労使協議の開催頻度や協議項目について規定し、運用している。
2-2. 雇用機会の均等化
人事部
・性別区分のない給与体系および評価制度を運用している。
・昇給、昇格審査の審査書類に性別を表示・記載する欄を設けていない。
2-3. ハラスメント防止
人事部
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・コンプライアンス研修を部門別・階層別に行い社内啓発を図っている(2009 年度 合計 13 回)
。
・コンプライアンスに関する社内相談窓口を設置し、社内周知している。
・情報提供者保護の社内規程を制定し運用している。
2-4. 児童・強制労働排除
人事部
・年齢が確認、証明できる書類を入社時の提出書類に含めることを就業規則において制定し、運用し
ている。
2-5. 労働基準の遵守
人事部
・基本条項枠を超える時間外労働は事前届出制とすることを労使協定内で規定し、運用している。
・勤怠管理電子システムの導入により、労働基準との適合を検証できるシステムを運用している。
2-6. 法定最低賃金の遵守
人事部
・各都道府県の最低賃金と給与データベースの照合を行い、最低賃金に抵触していないことを確認し
。
ている(1 回 / 年)
2-7. 人材(人財)育成
人事部
・階層別、職務別のマトリックス体系で教育研修プログラムを策定し、運用している。
2-8. 社員の安全衛生管理
安全環境委員会
安全衛生委員会
・安全衛生委員会において、機械装置の安全対策や職場施設の衛生管理など、年間活動計画を定めて
運用している。
・FRESH センター、健康管理室などの施設を設け、健康管理に関する年間活動計画を定めて運用している。
3-1. 環境活動推進の仕組み
地球環境委員会、ほか
・ISO14001 国内 6 拠点、海外 7 拠点で認証取得済み。
・グリーン調達ガイドラインにより購入部品の環境負荷物質低減の運用フローを規定している。
・購入部品における SOC4 物質(カドミウム、水銀、六価クロム、鉛)使用量が基準値以内であること
を満たしている。
地球環境委員会
(CO2 削減プロジェクト)
1990 年度を基準に 2008 年度か
・設備のユニットを省エネ・高効率タイプへ変更、コンプレッサーや圧送ポンプのインバーター制御へ
ら 2012 年度の 5 ヶ年平均 7 %削
の切り替えなどにより、2009 年度は 20%削減(1990 年度 / 基準年比)を達成。
減を目標(JAPIA 目標値 準拠)
地球環境委員会
(物流環境分科会)
輸送効率改善 エネルギー消費
・トラックの積載率向上やリターナブル資材の活用により、2009 年度は原単位 2.3%削減( 2008 年度
原単位 前年度比 1%以上削減を
比)を達成。
目標(改正 省エネ法 準拠)
3-2. 温室効果ガスの削減
開発部門
VOC 排 出 量:2010 年 度 ま で に
・VOC を排出しない工法(仕様)の確立に取り組み、摩擦材の接着工法の仕様確立を行った。
2000 年度比 30% 以上削減を目
・VOC 使用施設の管理運用の見直しなどにより、2009 年度時点で 31%削減(2000 年度比)で推移。
標。
(改正 大気汚染防止法 準拠)
開発部門
PRTR 法対象物質使用量 年平均 ・対象物質の使用を抑えた摩擦材配合設計の推進などにより、2009 年度は 0.07wt% を達成。
0.25wt% 以下を目標。
・新規開発摩擦材のなかで PRTR 法に該当する物質を集計し監視している。
3-3. 法令指定物質管理
3-4. 最終廃棄物の削減
会
貢
献
5
.
リ
ス
ク
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
6
.
コ
ン
プ
ラ
イ
ア
ン
ス
7
.
情
報
開
示
運用の仕組み・取り組み事例・達成度
・お客様との打合せなどの機会を利用して、積極的に最新情報を入手する取り組みを行っている。
・引き合い、見積依頼情報を受けた際の業務フローを規定し、イントラネットワークシステムを用い
て社内関係部署へ展開される仕組みを構築し、運用している。
・市場情報収集後の分析作業と社内展開の手順を定めた業務フローを規定し、運用している。
3
.
環
境
4
.
社
目標値(数値目標がある場合)
ゼロエミッションの維持継続
地球環境委員会
(直接埋め立てゼロ・単純焼却
(ゼロエミッション分科会)
ゼロ)
・廃鋳物砂のセメント原材料化などにより、2009 年度もゼロエミッション(直接埋め立てゼロ・単純
焼却ゼロ)を継続達成した。
4. 社会貢献
総務部
・地域住民懇談会を実施し、地域住民の方々との意見交換の場を定期的に設けている( 2009 年度 全
。
拠点累計 6 回、参加者合計 143 名)
。
・地域清掃ボランティアを定期的に実施している(2009 年度 全拠点累計 8 回、参加者合計 377 名)
・寄付金などについては、利益の社会的還元の一つと捉え健全かつ透明性をもって実施することを基
本方針として取り組んでいる。ガイドラインを作成して、災害支援、教育・文化、福祉、環境など、
目的別に分類して継続的な計画を立てて実施している。
5-1. 企業全体リスク管理
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・リスクマネジメント・コンプライアンス委員会(会議体)を定期的に開催して、取り組み項目のフォ
ローアップを行っている。
5-2. 事業継続計画の策定
自然災害危機管理プロジェ
クト
・危機管理マニュアルを一次文書として策定。内容の改修により実用性を高め、実際に活用できるよ
うにレベルアップした。
・災害発生時の拠点間の連携訓練、および経営陣も交えた地震発生シミュレーションを定期的に実施
している。
6-1. コンプライアンス管理
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・リスクマネジメント・コンプライアンス委員会(会議体)を開催し、定期的なフォローアップを実施
している。
・コンプライアンス研修による社内啓発を継続的に実施している。
6-2. 独禁・下請法の遵守
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・リスクマネジメント・コンプライアンス委員会(会議体)を開催し、定期的なフォローアップを実施
している。
・コンプライアンス研修による社内啓発を継続的に実施している。
6-3. 賄賂・違法献金防止
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・リスクマネジメント・コンプライアンス委員会(会議体)を開催し、定期的なフォローアップを実施
している。
・コンプライアンス研修による社内啓発を継続的に実施している。
6-4. 個人情報の保護
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・リスクマネジメント・コンプライアンス委員会(会議体)を開催し、定期的なフォローアップを実施
している。
・コンプライアンス研修による社内啓発を継続的に実施している。
・人事情報データベースへのアクセス権限を設定し、事前申請制度を採ることで社員の個人情報の不
正流出も防止している。
6-5. 法定輸出規制の遵守
リスクマネジメント・コンプ
ライアンス委員会
・社内の安全保障輸出管理規程により管理体制や運用フローを制定し、その実施状況を内部監査等に
より自己審査している。
・
「安全保障輸出管理規程」は経済産業省に受理され、届出企業として登録されている。
・コンプライアンス研修による社内啓発および法改正時の周知を継続的に実施している。
6-6. 他者知的財産権の侵害防止 法務・知的財産部
・知的財産に関するデータベースを構築し、特許侵害などの検証を行えるシステムを構築している。
・商品化前の製品において、研究開発の過程で特許侵害の有無を検証する手順を設定し、他者特許侵
害を防ぐ仕組みを構築し、運用している。
。
・若手エンジニアの勉強会などを通じて社内啓発と人財育成を行っている(2009 年度 18 回実施)
7. 情報開示
・メディア、株主様、投資家、市場、社員などのステークホルダーに対して、適切と思われる内容やタ
イミングを考慮して情報を開示している。また、財務状況や業績・事業活動などについては TDnet,
EDINET などの情報開示ルールに則り適宜開示している。
・会社案内、CSR 報告書、アニュアルレポートの機能を統合した「 AKEBONO REPORT 」を発行( 1 回 /
年)
。当社の各種取り組みに関する情報を総合的に一冊にまとめることで、ステークホルダーの利便
性を高める工夫を行っている。
広報室
AKEBONO REPORT 2010
曙ブレーキ工業株式会社
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