MAC米穀情報

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水稲の
水稲の作況指数
㈱米穀データバンクより8月5日に公表された21年産米穀に関する7月31日現在の水稲
の作況予想が発表されました。全国の数値は96の「やや不良」となっており、特に東北、中国
地方、九州北部は作況が94以下の「不良」とされている県が多くなっております。
ただ、この数値は8月上旬の多雨・低温および8月中旬の天候回復による影響を反映しており
ませんので、農林水産省より8月中に公表が予定されている8月15日現在の作柄状況の発表が
待たれます。
(解説)
水稲の作況指数とは10a当りの玄米収穫量に関する平年値を100として、当年産の収穫量を
指数で表すものです。この作況指数は米穀の需給に関する経済的・政治的判断を行うための重要
な指標となっています。
概算金の
概算金の状況
7月の下旬から出荷が始まった九州の早期米については、20年産の未消化在庫の過剰感から
前年産から大幅な引き下げとなりました。出回り始めの宮崎コシヒカリ(~7/23出荷)の概
算金単価は13,600円/60㎏(前年比▲1,700円)をはじめ、徳島・高知コシヒカリ
なども出回り当初の概算金単価は前年より安くなっております。
しかし、三重・千葉・茨城など8月中旬から出荷される主な産地については、前年と同額を概
算金単価に据え置いております。
(解説)
概算金(仮渡金)とは、JAが農家に対して支払う米穀の買取価格のうち、農家が米穀を出荷し
た時に支払われるお金のことを言います。農産物の販売については、農家の手取りのうち概算金
が大部分を占めます。
出荷時においてJAは農家から売り渡しを受託した形になりますが、いくらで販売できるか販売
額が確定していません。
販売額が確定するまで、農家にお金を払わないことは農家にとって不便なことですので、JAは
販売見込み額から諸経費の見込みを差し引いた額の内から農家に概算金として支払い、委託され
た米穀の販売が完了した時点で精算額を農家に対し支払うことになります。
農家が米穀を売って得た所得は概算金と精算額の合計になりますが、①精算額の確定が長期にわ
たること②概算金に比べ精算金の金額は少ないことがあり、多くの農家の実感としては概算金が
農産物の販売額のメインとなっています。
以上の話をまとめると次のようになります。
概算金≦販売額の見込み額-販売諸経費の見込み
精算額=販売額―販売諸経費―概算金
農家の手取り=概算金+精算額
なお、最近ではJA側が最終販売額の変動についてはリスクを負担し、農家からの完全な買取と
する事例も出てきております。