. . ( . ): ∼ 一般講演 2 心周期の変化に伴う心室貫壁性の 不応期分布の変化と心室性不整脈の誘発性 ―アミオダロンとドフェチリドの犬実験モデルでの比較― 笠井 英裕 池主 雅臣 鷲塚 隆 保坂 幸男 阿部 晃 古嶋 博司 田川 実 相澤 義房* を37℃に維持し,8Frenchおよび6 Frenchのカテー はじめに テルをそれぞれ右大腿静脈と右大腿動脈に挿入し,薬 Ⅲ群抗不整脈薬は,カリウムチャネルを抑制して外 剤の投与および血圧モニターを行った. 向き電流を減少させて,心電図上の QT間隔の延長を 高周波カテーテル焼灼法で完全房室ブロックを作成 1) もたらす .Ⅲ群抗不整脈薬の副作用として過剰な QT し た 後 に,右 心 室 か ら の ペ ー シ ン グ で 心 周 期 を 間隔延長に伴う torsade de pointes (Tdp) があるが,こ 10 ,0 0,750,60 0,500,4 00 msecに調節した. の頻度は I Kr チャネル遮断を主な薬理作用とする薬剤 3.心内貫壁性電位の記録と心内不応期分布 (ドフェチリド,E―4 0 3 1,ソタロール,MS―5 51, etc.) 電極間距離1 mmの8極針電極 (3∼5本) を左室自 に比して,IKs チャネルと他のチャネルを抑制するアミ 由壁心基部の心外膜側から心内膜側に向けて挿入し, オダロンで少ないことが報告され,両者の差は逆頻度 貫壁性の心筋各層の局所電位 (心内膜側:End, 心筋中 依存性で説明されている2―5). 層:Mid, 心外膜側:Epi) を単極誘導で同時記録し,体 今回,アミオダロンとドフェチリドの犬実験モデル 表面心電図のⅢ,aVF,V1誘導とともに記録した11,12). で,心周期の変化が左室貫壁性の不応期分布をどのよ 電気信号は, 1kHzでデジタル化した後(MacLab Sys- うに修飾するかを検討した. tem)にパーソナルコンピュータに取り込んだ.局所の 不応期評価には,activation―recovery interval(ARI) 方 法 を測定して用いた13,14).ARIは既報のごとく,それぞれ 1.実験モデルの作成 の単極誘導記録の QRS波形の一次微分値が最小とな ビーグル犬(97 . ∼1 13 . kg)に1 0 0mg/日のアミオダロ る点と,T波の一次微分値が最大となる点の間隔とし ンを30日間経口投与して,アミオダロンモデルを3頭 た13,14).8極電極の遠位端の電位を End, 近位端を Epi 作成した6―8).他の5頭のビーグル犬 (98 . ∼117 . kg) に, とし,中間の他の電極で10 , 00msecの基本周期で ARI ドフェチリドを20μg/kgで静注した後に01 . μg/kg/min が最長な部位をM細胞領域 (Mid)とした11).また,各針 9, 1 0) で持続静注してドフェチリドモデルとした 電極での ARIの最大値と最小値の差を ARI dispersion . (ARID)として求めた11). 2.手術方法 硫酸チオペンタールナトリウムの静注麻酔下に人工 呼吸管理を行い,胸骨正中切開法にて開胸した後に心 1 1) 膜切開を行った .実験中は保温マットを用いて体温 4.検討項目 ① ARI:各刺激心周期における心室各部位の ARIを 5心拍の平均として求めた. なお, 同一ペーシング周期 では,各心拍ごとの ARIの差は1 0 msec以内であった. * H. Kasai, M. Chinushi, T. Washizuka, M. Tagawa, Y. Hosaka, A. Abe, H. Furushima, Y. Aizawa:新潟大学大学院医歯学総合 研究科循環器学分野 :ドフェチリド投与前の ARIをコ ② ARIの変化率(%) ントロールとし,ドフェチリド投与後およびアミオダ ― ( 555)― . 表1 コントロール,ドフェチリド静注後およびアミオダロン内服後の心内各部位の activation− recovery interval(ARI(ms))および ARI dispersion 心 周 期 コントロール (n=22) 400 ms 50 0 ms 60 0 ms End 230±17 26 1±36 27 3±33 28 7±35 29 1±45 Mid 239±23 27 1±40 28 1±36 297±3 9* 30 3±47* Epi 223±22 25 2±40 26 4±34 27 9±37** 28 5±45** 16±5 16±6 17±6 ARI dispersion ドフェチリド 静注後 (n=22) 10 , 00 ms 18±5 19±8 End 270±21 32 1±52 35 2±61 37 8±71 39 0±82 Mid 276±24 33 7±56♯ 36 4±68♯ 389±7 7♯ 41 0±89† Epi 263±28 30 8±57♯♯ 32 6±66♯♯ 34 3±70♯♯ 34 8±81†† ARI dispersion アミオダロン 内服後 (n=10) 75 0 ms 14±5 30±8 38±8 46±1 5 59±1 6 End 288±17 31 7±16 34 6±18 36 4±17 38 0±16 Mid Epi 292±18 279±16 13±5 32 2±17 30 9±17 13±5 34 9±19 33 4±17 15±5 37 0±19 35 5±17 15±5 38 4±20 36 8±18 15±6 ARI dispersion End= endocardial site, Mid= midmyocardial site, Epi= epicardial site, * vs. **:p<00 . 5, ♯ vs. ♯♯:p< 00 . 1, † vs. ††:p<00 . 01 500 msec PCL=1,000 ms PCL=750 ms PCL=600 ms PCL=500 ms PCL=400 ms ECG (a√F) End Mid 296 293 271 251 233 300 296 271 257 236 301 298 276 254 234 296 291 270 249 233 294 287 269 250 228 281 280 264 247 225 20 _ 18 _ 12 _ 10 _ 10 _ Epi ARI dispersion 図1 コントロール状態での各心周期における心室内貫壁性の activation−recovery interval(ARI)分布 測定した ARIは各心電図に記録した.下線付き数字は ARI dispersion(ARID)を示す.ARI 波形中の縦線は,T波の一次微分値が最大となる点を示す.PCL=心室刺激周期,ECG=心電 図,End=心内膜側,Mid=心筋中層,Epi=心外膜側.コントロール状態での ARIは,心周期 10 , 00 msおよび750 msで Epiに比し Midで有意に延長していた(表1参照). ロンモデルの各心筋層の ARI延長率をコントロールと 頻回刺激により,心室性不整脈誘発性について検討し 比較して求めた. た.基本周期6 00 msecと4 00 msecに右心室心尖部から : ③4 00 msecのペーシングからみた ARIの延長率 (%) 単発, 2連発, 3連発早期刺激を加えて,心室性不整脈 msec周期のペーシン コントロールと各モデルで40 0 の誘発を行った.また,30 0bpmまでの頻回刺激を加 グでの ARIを基準として,その他のペーシング周期 えて心室性不整脈の誘発を行った. (50 0, 600, 75 0, 10 ,0 0 msec) での ARI延長率を求めた. ④心室性不整脈の誘発:プログラム早期刺激および 推計学的検討;数値は平均値±標準偏差で示した. 推計学的検討は分散分析法を用いた.p<00 . 5を有意と ― ( 556)― 第6回アミオダロン研究会講演集 control End control Mid control Epi 450 amiodarone End amiodarone Mid amiodarone Epi dofetilide End dofetilide Mid dofetilide Epi コントロールのARID ARI(ms) 400 ドフェチリドモデルのARID 59 ± 16 15 ± 6 アミオダロンモデルのARID 350 300 250 13 ± 5 19 ± 8 14 ± 5 16 ± 5 200 400 500 600 心周期(ms) 750 1,000 図2 コントロール状態および各モデルでの心周期変化に伴う ARI分布の変動 ドフェチリドまたはアミオダロンモデルでは,コントロール状態に比してすべての部位で ARI延長がみられた.ドフェチリドモデルでは ARIDは徐脈時により大きくなったが,アミオダ ロンモデルでは徐脈による ARIDの拡大はみられなかった (表1参照). 500 msec PCL=1,000 ms ECG (a√F) End Mid Epi ARI dispersion PCL=750 ms PCL=600 ms PCL=500 ms PCL=400 ms 406 377 357 330 273 413 381 360 332 273 415 383 362 330 283 388 375 357 324 272 381 365 352 320 273 356 343 330 308 269 59 _ 40 _ 32 _ 24 _ 14 _ 図3 ドフェチリド静注後の各心周期における心室内貫壁性の ARI分布 図の formatは図1と同様.ドフェチリド静注後,すべての部位で ARIは延長した.ARIの延 長は Epiに比して Midで大きく,その差は徐脈でより顕著となった.このため,ARIDは心周期 の延長に伴って次第に大きくなった(表1参照). した. msecへ順次短縮すると,19±8 msecから16±5 msec . へ縮小した (表1,図2) 結 果 ドフェチリド静注後に,すべての部位で ARIは延長 1.ARIの分布と ARID した (表1,図3) .コントロールと比較した ARIの延長 コ ン ト ロ ー ル で は,周 期10 ,0 0msecと75 0msecの 程度は,Epiに比して Midで大きい傾向を示し,ARID ペーシングで Epiに比し,Midの ARIが延長していた は心周期の延長に伴い次第に大きくなった(表1,2, (表1,図1).ARIDは,刺激周期を10 ,0 0 msecから4 0 0 .一方,アミオダロンモデルの各心周期におけ 図2,3) ― ( 557)― . 表2 各心周期のコントロールの ARIを基準とした ARIの変化率(%) 心 周 期 400 ms 50 0 ms 60 0 ms 75 0 ms 10 , 00 ms ドフェチリド 静注後 (n=22) End 117±9 12 3±20 12 5±23 12 8±25 13 4±28 Mid 116±9 12 4±21 12 9±24 13 1±26 13 7±28* Epi 117±11 12 2±23 12 3±25 12 2±25 12 2±28** アミオダロン 内服後 (n=10) End 124±7 12 2±6 12 3±7 12 6±6 13 0±6 Mid 123±7 12 1±6 12 1±7 12 5±6 12 8±7 Epi 124±7 12 2±7 12 2±7 12 7±6 12 9±6 * vs. ** :p<00 . 5,略記号は表1と同じ. 500 msec PCL=1,000 ms PCL=750 ms PCL=600 ms PCL=500 ms PCL=400 ms ECG (a√F) 375 364 333 317 283 377 369 334 322 286 385 372 335 322 287 379 363 335 310 286 377 362 331 313 284 371 358 320 308 276 ARI dispersion 14 _ 14 _ 15 _ 14 _ 11 _ End Mid Epi 図4 アミオダロンモデルの各心周期における心室内貫壁性の ARI分布 図の formatは図1と同様.コントロール状態に比して ARIはすべての部位で延長していた が,各心拍数で ARIDに差はみられなかった(表1参照). る ARIは,コントロールに比してすべての部位で延長 頻回刺激で心室性不整脈は誘発されなかった. していたが,その延長程度は各心筋層で一様で,刺激 考 周期を40 0msecから10 ,0 0msecへ延長させた場合の 案 ARIDの変化は,1 3±5 msecから15±6 msecと小さ コントロールと両薬剤投与下で,心周期の延長に伴 かった(表1,2,図2,4) . い,心筋層のすべてで ARIは延長した.ドフェチリド 4 00msec周期での ARIと比較した各刺激周期での モデルでは,徐脈による ARIの延長が Epi/Endよりも ARIの延長程度は,コントロールとアミオダロンモデ Midで著明であったため,貫壁性の ARIDは徐脈時に ルでは各心筋層間に有意差はみられなかった (表3) . 増大した.一方,コントロールとアミオダロンモデル 一方,ドフェチリドモデルの ARI延長率は,Epiに比し では,心周期の変化に伴う ARI延長の程度は,各心筋 て Midで大きかった(表3) . 層で一様であり,徐脈時にも左室貫壁性の不応期の不 2.心室性不整脈の誘発 均一性増大は軽度であった. プログラム刺激では,ドフェチリドモデルで5頭中 ドフェチリド投与後は,心拍数が上昇すると主に IKs 2頭に心室細動が誘発されたが,アミオダロンモデル チャネルを介する外向きカリウム電流の増加のため, では心室性不整脈は誘発されなかった(図5) .また, 活動電位持続時間は短縮し,徐脈時に延長するという 頻回刺激では両モデルともに心室性不整脈は誘発され 逆頻度依存性ブロックが観察される9,15).一方,IKs チャ なかった.コントロールでは,プログラム刺激および ネルの遮断を主な薬理作用とするアミオダロンの慢性 ― ( 558)― 第6回アミオダロン研究会講演集 表3 各心筋層の400 ms周期の ARIを基準とした ARIの変化率(%) 心 周 期 5 00 ms 60 0 ms 75 0 ms 10 , 00 ms End 1 13±1 6 11 8±14 12 4±15 12 7±19 Mid 1 13±1 7 11 9±15 12 5±16 12 8±20 Epi 1 13±1 8 11 8±15 12 4±17 12 7±20 ドフェチリド 静注後 (n=22) End 1 19±1 9 13 0±23 13 6±27 14 4±30 Mid 1 22±2 0 13 2±24 14 1±28 14 9±32* Epi 1 17±2 2 12 4±25 13 0±27 13 2±31** アミオダロン 内服後 (n=10) End 1 10±5 12 0±6 12 7±6 13 2±6 Mid 1 10±6 12 0±6 12 8±7 13 3±7 Epi 1 10±6 12 0±6 12 7±6 13 2±7 コントロール (n=22) * vs. **:p<00 . 5,略記号は表1と同じ. ドフェチリド S1S1 / S1S2 / S2S3 / S3S4 = 400 / 300 / 240 / 180 S1 S1S2S3S4 アミオダロン S1S1 / S1S2 / S2S3 / S3S4 = 400 / 270 / 240 / 220 S1S1S2S3S4 ECG (a√F) ECG (a√F) End End Mid Mid Epi Epi 1,000 msec 図5 プログラム刺激による心室性不整脈の誘発 略記号は図1と同一.プログラム刺激によりドフェチリドモデルでは心室細動が発症し た.一方,アミオダロンモデルでは心室性不整脈は誘発されなかった. 期では,この逆頻度依存性ブロックは小さい6,8,16). 今回のドフェチリドモデルでは心室早期刺激により 今回のドフェチリドモデルで,徐脈時に Mid領域の 心室細動が誘発されたが,アミオダロンモデルでは心 ARIが Epiよりも延長した理由は,本来 IKs 電流が少な 室性不整脈は誘発されなかった.これは,ドフェチリ い Mid領域で17),IKr チャネルを介する外向き電流が抑 ドモデルによる貫壁性の不応期分布が,心周期によっ 制されたためと思われる. て大きく変化したことに関係していると思われる.ア しかし,アミオダロンを1カ月間投与した状態で ミオダロンモデルでは,貫壁性の不応期分布の不均一 は,IKs チャネル抑制の他に,IKr チャネル,Caチャネル, 性は小さく,心室期外刺激によって不整脈は誘発され β受容体,Na/Kポンプなどが心筋の膜電位を多様に なかった. 8, 1 6, 1 8―2 1) 修飾することも知られている .アミオダロン治 結 療における I Kr チャネルなどのイオンチャネルの各心 語 筋層における発現や,心周期の変化に伴う心室貫壁性 心周期の変化に伴う心室貫壁性の不応期分布の変化 不応期の変化をさらに検討する必要がある. は,ドフェチリドとアミオダロンで異なった.ここで ― ( 559)― . のアミオダロンモデルでは,心拍変動に伴う左室貫壁 性の不応期分布の不均一性の変化は小さく,ドフェチ リドでは増大した.このことが,両薬剤の Tdpの誘発 性および臨床での合併の頻度差に関係する可能性があ る. 文 献 1)Cui, G., Sen, L., Sager, P. 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Ther. 28 4:75―82,1 ― ( 560)― 第6回アミオダロン研究会講演集 質疑応答 (山梨医科大学薬理学教授) 座長/橋本敬太郎 (新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器学分野) 演者/笠井 英裕 (座長) どうもありがとうございました.これ 橋本 チャネルについての詳しい分析は行っていません. も犬の実験で,アミオダロンの催不整脈作用が比較的 しかし,アミオダロンは多チャネルブロックの性格を 少ないことを示した検討ですが,どなたかご質問はあ 有していますので,IKs チャネルブロック以外の作用も りませんか. 慢性期では加味されるとは思いますが,主たるものは 神谷(名古屋大) きれいなデータをありがとうござ IKs チャネルブロックだろうと考えています. いました.先生の示された Midで M細胞の存在を考え 神谷 系によっては,慢性投与によるチャネル数減 ると,ARIはあまり長くなかったようですが. 少作用と,そこに薬物分子が存在するための直接的な 笠井 (演者) M細胞領域を含め,われわれのこれま 急性作用の両者があります.このため,慢性投与によ での検討によると,コントロール状態の各心筋層にお る I Ks チャネルブロックと,急性作用による I Kr チャネ ける ARIは表に示したとおりで個体差は少なかったと ルブロックの場合があることをコメントさせていただ 思います. きます. 神谷 コントロールの ARIは,それほど長くありま 中谷 (千葉大) 慢性投与でアミオダロンの作用を検 せんね.それは,どうしてでしょうか. 討なさっていますが,この実験系において急性投与で それから,アミオダロンの慢性効果は IKs チャネル抑 同じような実験をなさったことはありますか. 制と考えます.この系では,アミオダロンの血中レベ 笠井 急性投与では検討していません. ルはある程度に達するので,急性効果としての IKr チャ 中谷 検討されると,アミオダロンの IKr 抑制作用だ ネルブロッカーも加味されていると思います.そのあ けでドフェチリドと同様の結果になるのか,あるい たりの考察はいかがでしょうか. は,それ独自のイオンチャネルに対する作用で効果を 笠井 心室刺激周期を10 ,0 0 msと75 0 msとしたとき 発現してくるのか,より作用機序がはっきりすると思 に,Mid領域の ARIは Epi領域に比して有意に延長が います. みられておりますが,ARI値自体の個体差による変動 橋本 どうもありがとうございました. は先ほど申し上げたとおり少なかったと思います. ― ( 561)―
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