4 5 Visionary Leaders ① ホイジンガの「遊び」に刺激を受け、営業はストーリー作り と信じ、日本の愚直パワー見直しをという快リーダー じめは当然登る体力もないし技も 味で山に登ったのはよかったかも 切り替えようか」 というところが、非 ないので、大学 1 年のころに夏山 しれないですね。 常におもしろい遊びですよね。 から始めました。その年の冬には、 営業だと、お客様も人間です 先輩を巻き込んで「連れて行って ̶̶ 本をたくさん読んだ時期に、 から、 「この話をしたら、この人の くれ」 と。それで冬山に行って、病 新田次郎以外で感銘を受けた本 反応がこう動くか、さもなくば、こ みつきになりましたね。 はありますか。 う動くか」 。例えば、敵に変わるの アマチュア無線を楽しみ、新田次郎の『強力伝』に刺激されて山登りを始め 山がおもしろいのは、多分ヨッ 感銘を受けた本というのは、い か、味方に変わるのか。そういっ て、いまでは IT システム営業のプロ 。クライアント企業のお客様の立場 トなどもそうだと思うんですけれ ろいろあったんですけれど、結論 た人に対して、 「何をどう働きかけ からものを見ることに徹し、アップルとは違うドメインでの確固たるビジネス ど、ほかのスポーツと違ってスター から言うと、残っている本って、小 ると、この人はこちらを向くのか」 の構築を提唱する渡辺氏の視界には、カスタマーズ・カスタマーに徹する トしたら途中でやめることができま 説の中にはあまりなくて、 『葉隠』 というのを試してみて、そのとおり という明確なビジョンがある。日本の愚直さにこそパワーが宿るという、揺る せん。帰ってくるまでギブアップが とか、ホイジンガの『ホモ・ルーデ になるか、もしならなければ「じゃ ぎない信念もうかがった。 できないというのが、結構おもしろ ンス』でしょうかね。 あ、次の言い方はどうなんだろう いですね。 あの本には、 「遊び」 というもの か」 とか、そういうのが非常に楽 会社に入ったころは、SE(シス について、いろいろと書かれてい しい。そこで何かわかり合えること テムエンジニア)実習というのが 1 るんですね。 「人間の文明の根 があれば、より一層モチベーショ 経歴 1979年4月、 富士通株式会社入社後、 一貫して官公庁向け営業を担当。92年12月、 公企業営業 年間あって、先輩のSE が開発し 底は遊びである」 ということがあっ ンが上がります。 部課長。98年、 官公需営業本部担当部長。2001年4月、 公共営業本部第二統括営業部第一営業部長。 ているプログラムを、木曜日に徹 て、遊びの心の中から創造性が 「うまくいく、いかない」という、 夜で1 週間分、新人がバックアッ 生まれるということを読んで、 「あ そういう価値の順番よりも、むしろ、 プを取るんですね。その役をいつ あ、いいんだな、このまま一生懸 「自分が刺激したことに対する結 も買って出て、そうすると何がい 命遊んでいいんだな」 と、自信を 果がどう変わっていくか」 というこ いかというと、金曜日の朝に解放 持った記憶がありますね。 とに関心がありますね。 渡辺 豊彦 富士通株式会社 官公庁営業本部長 04年6月、 官公庁ソリューション事業本部第三統括営業部長。09年4月、 公営競技ソリューション事業本 部長。11年5月、 官公庁営業本部長。 3 次元でものを動かす ことへの関心 ような形ですね。我々が欲しいの ら、フライトシュミレーターなどを操 されますから、急いで家に帰って は、 「“ 現 場 ”とか“ 最 前 線 ”で る機会があると非常にうれしいで リュックサックを持って山に出かけ やっている人間が、本当にどう評 すね。マイクロソフトのゲームソフ ていました。 ると思いますが、仕事でもそうい 価しているか」 ということです。そ トを買ってきてやりましたけれどね。 仮眠はできませんが、夜 10 時 う意識を持っていらっしゃるので ぐらいからスタートすると、朝の5 すか? ̶̶ まず、社歴から教えていた れが、一番正しい情報だと考え だけますか? ていますので、そこのメンバーと 1979 年 に 入 社しましたので、 の議論が中心になる場合が多い 今 年で 34 年になります。ずっと、 ですね。 高校時代は1日1 冊の 読書を続けたことも ̶̶ 小さいころ、例えば 10 歳く がありますが、例えば今日ですと、 らいの少年のころは、どんな夢を カスタマーズ・カスタマー に徹する 時ぐらいに終わります。ですから、 完璧に遊びですね。楽しみを ̶̶ お客様に対して、いろいろ 7 時か 8 時くらいに会社を出れば、 作らないと、やっていられないと な提案をする場合でも、ご自分 家に帰って、1、2 時間は出かけ のほうから先に働きかける? いうか。 る前に寝られますよね。その当時 同じ部 門で官 公 庁 系の営 業を やってきました。いろいろな仕事 ̶̶ 広い意味でおっしゃってい ̶̶ 高校生のころに一生懸命 は、間 違いなく体 力があるほう だったことは、何かありますか? だったと思います。特に持久力は いろいろ働きかけることが、そ ストーリーを自分で作る からこそおもしろい れ自体が営業の仕事だと思って います。待っているだけなら、営 クライアント企業向けに「社長を招 お持ちでしたか。 高校2年のころですかね、とに あったと思いますので、山で内省 くトップセミナー」 というものがある 自分でモノを作るのが好きで、 かく本を読んでみようと思って、1 的な時間を持つことはできたかも のですが、なかなかおいでいた 当時は「飛行機を作ってみたい 年間、毎日読んだこともありました。 しれないですね。 ̶̶「仕 事を遊びに変える」と だけていないお客様を、お誘いに な」と思ったりすることはありまし 土日を除いて1日1 冊のペースで 誰しも自分で言い訳して、自分 いうのは、例えば、どういうところ 行ってきました。 たね。 読みました。 自身に甘くなるところがあって、山 を工夫するのですか。 と」だと。 あともう1 つ、 「商談検討会」 と 自分が乗って飛べる程度の大 途中ではまったのが新田次郎 に登っているとき、一番それがよく やっぱり、自分でストーリーを 確実にそうですよね。それは比 いいまして、ある一定規模以上 。あの本に出会った きさの飛行機を作ってみたいなと。 の『強力伝』 わかるんですよ。「ああ、疲れた 作って、自分のストーリーのとお 較的シンプルで、私からすると、自 の商談について、 「この商談をや そういう気持ちは、やっぱり延長 ときに、 「これだ!」 と。それから『孤 な」 、 「もうそろそろ限界かな」 と思 りに物事が動くというのはおもし 分自身がお客様のお客様になっ るべきか、やめるべきか」を皆で 線上にずっとあって、いまでも機 高の人』、 『劒 岳 点の記』、 『アイ うけれど、実はそんなことはなくて、 ろい。つまり飛 行 機を操 縦する たつもりで考える。例えば、昔の日 検討し、判断するための会議が 械ものをいじって自作したり、いろ ガー北壁・気象遭難』などもあ 限界はまだ先にあるということを のと同じように、ストーリーが 1 つ 本たばこという会社がお客様だっ ありました。15 人くらいのメンバー いろしますね。 りました。そういうのを読んでいっ 頻繁に経験しました。社会人に だけだと、思うところにいかないの たときは、自分が喫煙者として、日 で、関連部署でいうと、営業とシ 何かこう、3 次元で動くって、お たときに、 「ああ、登山がおもしろ なると 「自分が一番怖いな」 という で、例えば 3 つ作って、状況を見 本たばこに何を求めるか。N H K ステムエンジニアの2部門でやる もしろそうじゃないですか。ですか そうだ」 と思ったんですけれど、は 感じはよく理解できます。その意 ながら「じゃあ、 ストーリーをどれに がお客様だとすれば、私が視聴 業じゃなくて、事務処理をやれば いいという話になります。 ̶̶「営業はストーリーを作るこ 4 5 Visionary Leaders ① ホイジンガの「遊び」に刺激を受け、営業はストーリー作り と信じ、日本の愚直パワー見直しをという快リーダー じめは当然登る体力もないし技も 味で山に登ったのはよかったかも 切り替えようか」 というところが、非 ないので、大学 1 年のころに夏山 しれないですね。 常におもしろい遊びですよね。 から始めました。その年の冬には、 営業だと、お客様も人間です 先輩を巻き込んで「連れて行って ̶̶ 本をたくさん読んだ時期に、 から、 「この話をしたら、この人の くれ」 と。それで冬山に行って、病 新田次郎以外で感銘を受けた本 反応がこう動くか、さもなくば、こ みつきになりましたね。 はありますか。 う動くか」 。例えば、敵に変わるの アマチュア無線を楽しみ、新田次郎の『強力伝』に刺激されて山登りを始め 山がおもしろいのは、多分ヨッ 感銘を受けた本というのは、い か、味方に変わるのか。そういっ て、いまでは IT システム営業のプロ 。クライアント企業のお客様の立場 トなどもそうだと思うんですけれ ろいろあったんですけれど、結論 た人に対して、 「何をどう働きかけ からものを見ることに徹し、アップルとは違うドメインでの確固たるビジネス ど、ほかのスポーツと違ってスター から言うと、残っている本って、小 ると、この人はこちらを向くのか」 の構築を提唱する渡辺氏の視界には、カスタマーズ・カスタマーに徹する トしたら途中でやめることができま 説の中にはあまりなくて、 『葉隠』 というのを試してみて、そのとおり という明確なビジョンがある。日本の愚直さにこそパワーが宿るという、揺る せん。帰ってくるまでギブアップが とか、ホイジンガの『ホモ・ルーデ になるか、もしならなければ「じゃ ぎない信念もうかがった。 できないというのが、結構おもしろ ンス』でしょうかね。 あ、次の言い方はどうなんだろう いですね。 あの本には、 「遊び」 というもの か」 とか、そういうのが非常に楽 会社に入ったころは、SE(シス について、いろいろと書かれてい しい。そこで何かわかり合えること テムエンジニア)実習というのが 1 るんですね。 「人間の文明の根 があれば、より一層モチベーショ 経歴 1979年4月、 富士通株式会社入社後、 一貫して官公庁向け営業を担当。92年12月、 公企業営業 年間あって、先輩のSE が開発し 底は遊びである」 ということがあっ ンが上がります。 部課長。98年、 官公需営業本部担当部長。2001年4月、 公共営業本部第二統括営業部第一営業部長。 ているプログラムを、木曜日に徹 て、遊びの心の中から創造性が 「うまくいく、いかない」という、 夜で1 週間分、新人がバックアッ 生まれるということを読んで、 「あ そういう価値の順番よりも、むしろ、 プを取るんですね。その役をいつ あ、いいんだな、このまま一生懸 「自分が刺激したことに対する結 も買って出て、そうすると何がい 命遊んでいいんだな」 と、自信を 果がどう変わっていくか」 というこ いかというと、金曜日の朝に解放 持った記憶がありますね。 とに関心がありますね。 渡辺 豊彦 富士通株式会社 官公庁営業本部長 04年6月、 官公庁ソリューション事業本部第三統括営業部長。09年4月、 公営競技ソリューション事業本 部長。11年5月、 官公庁営業本部長。 3 次元でものを動かす ことへの関心 ような形ですね。我々が欲しいの ら、フライトシュミレーターなどを操 されますから、急いで家に帰って は、 「“ 現 場 ”とか“ 最 前 線 ”で る機会があると非常にうれしいで リュックサックを持って山に出かけ やっている人間が、本当にどう評 すね。マイクロソフトのゲームソフ ていました。 ると思いますが、仕事でもそうい 価しているか」 ということです。そ トを買ってきてやりましたけれどね。 仮眠はできませんが、夜 10 時 う意識を持っていらっしゃるので ぐらいからスタートすると、朝の5 すか? ̶̶ まず、社歴から教えていた れが、一番正しい情報だと考え だけますか? ていますので、そこのメンバーと 1979 年 に 入 社しましたので、 の議論が中心になる場合が多い 今 年で 34 年になります。ずっと、 ですね。 高校時代は1日1 冊の 読書を続けたことも ̶̶ 小さいころ、例えば 10 歳く がありますが、例えば今日ですと、 らいの少年のころは、どんな夢を カスタマーズ・カスタマー に徹する 時ぐらいに終わります。ですから、 完璧に遊びですね。楽しみを ̶̶ お客様に対して、いろいろ 7 時か 8 時くらいに会社を出れば、 作らないと、やっていられないと な提案をする場合でも、ご自分 家に帰って、1、2 時間は出かけ のほうから先に働きかける? いうか。 る前に寝られますよね。その当時 同じ部 門で官 公 庁 系の営 業を やってきました。いろいろな仕事 ̶̶ 広い意味でおっしゃってい ̶̶ 高校生のころに一生懸命 は、間 違いなく体 力があるほう だったことは、何かありますか? だったと思います。特に持久力は いろいろ働きかけることが、そ ストーリーを自分で作る からこそおもしろい れ自体が営業の仕事だと思って います。待っているだけなら、営 クライアント企業向けに「社長を招 お持ちでしたか。 高校2年のころですかね、とに あったと思いますので、山で内省 くトップセミナー」 というものがある 自分でモノを作るのが好きで、 かく本を読んでみようと思って、1 的な時間を持つことはできたかも のですが、なかなかおいでいた 当時は「飛行機を作ってみたい 年間、毎日読んだこともありました。 しれないですね。 ̶̶「仕 事を遊びに変える」と だけていないお客様を、お誘いに な」と思ったりすることはありまし 土日を除いて1日1 冊のペースで 誰しも自分で言い訳して、自分 いうのは、例えば、どういうところ 行ってきました。 たね。 読みました。 自身に甘くなるところがあって、山 を工夫するのですか。 と」だと。 あともう1 つ、 「商談検討会」 と 自分が乗って飛べる程度の大 途中ではまったのが新田次郎 に登っているとき、一番それがよく やっぱり、自分でストーリーを 確実にそうですよね。それは比 いいまして、ある一定規模以上 。あの本に出会った きさの飛行機を作ってみたいなと。 の『強力伝』 わかるんですよ。「ああ、疲れた 作って、自分のストーリーのとお 較的シンプルで、私からすると、自 の商談について、 「この商談をや そういう気持ちは、やっぱり延長 ときに、 「これだ!」 と。それから『孤 な」 、 「もうそろそろ限界かな」 と思 りに物事が動くというのはおもし 分自身がお客様のお客様になっ るべきか、やめるべきか」を皆で 線上にずっとあって、いまでも機 高の人』、 『劒 岳 点の記』、 『アイ うけれど、実はそんなことはなくて、 ろい。つまり飛 行 機を操 縦する たつもりで考える。例えば、昔の日 検討し、判断するための会議が 械ものをいじって自作したり、いろ ガー北壁・気象遭難』などもあ 限界はまだ先にあるということを のと同じように、ストーリーが 1 つ 本たばこという会社がお客様だっ ありました。15 人くらいのメンバー いろしますね。 りました。そういうのを読んでいっ 頻繁に経験しました。社会人に だけだと、思うところにいかないの たときは、自分が喫煙者として、日 で、関連部署でいうと、営業とシ 何かこう、3 次元で動くって、お たときに、 「ああ、登山がおもしろ なると 「自分が一番怖いな」 という で、例えば 3 つ作って、状況を見 本たばこに何を求めるか。N H K ステムエンジニアの2部門でやる もしろそうじゃないですか。ですか そうだ」 と思ったんですけれど、は 感じはよく理解できます。その意 ながら「じゃあ、 ストーリーをどれに がお客様だとすれば、私が視聴 業じゃなくて、事務処理をやれば いいという話になります。 ̶̶「営業はストーリーを作るこ 6 7 者として何を求めるか。 それくらいのコミュニケーションが 昔でいうトリオのケンウッド、それ に戻らないと、 「ものを作る」 という 我々の中でも、 「な これを起点にして、 「自分自身 できる関係が築かれているという から日本のヤエスがスタンダード ところをベースに考えていかない ん で うち に は、ス がユーザーだ」 という意識で、お ことが前提なのでしょうね。 と一緒になった会社と、日本のア と、日本人のよさが出てこないか ティーブ・ジョブズみ 客さんに対して、 「これはこうある そうですね。それに加えて「予 イコムという会社の、おおむね 3 もしれませんね。 たいな人間がいない べきですよね、そうすると、御社 算を預かったならば、それに匹 社くらいしかないんですね。世界 農業で1 次産業がベースとい んだ?」とか、そうい が儲かるはずですよね」、 「伸び 敵する価値のあるものを提案で 的にはもう残っていない。 うのも1つでしょうし、例えばアメリ う話になるわけです。 るはずですよね」 と。これが起点 きている」 ということだと思うんで けれど、その3社がものすごい カに行ってみると、 「ファニチャー」 なりやすいんですね。 になって、 「この話に説得性を持 すよね。 技術革新をして、当時からは考 と書いた大きな家具店が、お客 ところが、彼らはまっ えられないようなマシンを作って さんもいないのに経営できていま たく違うマーケットで たせるためには、途中にどういう 線を引いていけばいいかな」と、 さかのぼって線を引いていくよう なケースが多いかもしれませんね。 狭く、しかし深く極める ことで新たなニーズが 最 近、 「カスタマーズ・カスタ いる。そういう意味では、これか すよね。やはり国 力というのは、 あって、例えば三越 らも、ある分野においてはすごく ウォールストリートより、ものづくり デパートが個人商店 深めていくというニーズは多いよ に立脚しているんじゃないかなと。 と戦うことはないわけで、個人商 ̶̶ なるほど、インフラですね。 うな気がしますよね。 日本も、ウォールストリートでデ 店の社長が「うちが三越だった サイバーテロなどを、もっと未然 リバティブをやっているような金融 ら」 と考えるのは、あまり意味が に防ぐようにすることは可能で マー」 という表現をよく使います ̶̶ところで、これからの世の中 けれど、我々はもっと自然だっ はどうなっていくと思われますか? ̶̶ アマチュア無線をやって などに憧れたところがあったと思 ないことですよね、違うドメインで すか? たと思 います ね。そ 多分、二極化していくとすると、 おられたわけですか? います。それが悪いとは言わない 生きているわけですから。 サイバーテロ対策のためには、 れが当たり前だと。 昔の家 電であったり、パソコン ええ、中学から高校のころで けれど、やはり日本人の強さとい ところが、ITだとどこも似てい 本当は皆が使っているオペレー だ から、例えば 新 だったり、コンピュータだったりす すかね。いわゆるハムですね。 うのは、 「真面目に几帳面にもの るように感じて、十把一絡げにし ティングシステムを使わなければ 人のときに、同期の仲 る世界は、もう確実に日本の中だ そのころに欲しかった機械を を考える」 という、ある意味で「愚 てしまうところがあります。我々は いいんです。なぜ簡単にテロが 間と飲みに行ったとき けでは食べていけません。ない 集めて、いま、自分で修理してい 直」 とも受け止められるけれど、も 絶対にアップルにはならないと思 起きるかというと、ある時期、 「OS も、同期でビール会社 しは日本の中だけでは、技術的 る最中です。修理しないと、その のすごいパワーだと思うんですよ いますし、グーグルにもならないと は全部統一したほうがいい、そう を担当していた営 業 に非常に後ろ向きになってしまう。 当時の機械って使えませんから。 ね。そういう意味で、真面目にそ 思います。 するとハードは安くなる」 といって、 が、入 社 2 年目の 新 だから、そこは間違いなく世界 車でいうとビンテージ車みたいな れをもっとやる必要があるんじゃ 携帯とか、コンシューマー向け そっちの方向に動いた背景があ 的なものの考え方をしなければ ものを、ハンダごてか何か使って、 ないかなと。そこをしっかりやれば、 のものをたくさん作って、そこにい るわけです。 研 修から戻って営 業を始めて いけません。 オシロスコープで波形を見ながら。 まだまだこれからビジネスというの いアイデアを持ち込んで、個人に だけれど、その上で動いてい 数カ月というときに、 「今日はお 一方、もうちょっと小さい個人 中学時代に買えなかったものが、 は広がっていくだろうと思います。 提供しようということをベースに るデータとか業務の価値は安く 客さんを叱ったよ」 と言うわけで のマーケットならば、もっと何かこ いまは比較的買えますからね。 それができない国がたくさんある 考えると、アップルなどはすばら なっていないわけで、非常に重 す。 「なんだ、それは?」と。そう う、1 つひとつを深めれば、まだ あとは山小屋があるので、東 はずなんですよね。 しいかもしれない。 要なものが 動いているんです。 すると、お客さんは「それ、いいよ いくらでもニーズはありますよね。 京だと狭くてアンテナを上げられ 我々自身は、それをしっかり維 でも、例えばアップルが「警察 だから「安くしよう」と思ったプ うに処理しておいて」 という言い 高い時計を買ったり、非常に高 ませんから、富士山のほうですけ 持できれば、最低限の部分のシ のシステムを作ろうと思うか?」 と ラットフォームの上で、前と同じ重 方をしたと。 額のカメラを買う人もいるわけで、 れど、大きなアンテナを上げてやっ ステム開発のビジネスは、絶対に いうと、それは思わないだろうと。 要なものが動いている。そういう で、彼はそのお客さんに、 「例 だから幅を狭めて深めれば、可 てみようかなと。標高も高いので、 枯渇しないところがあると思いま だから「違うところで生きているん アンバランスがあって、それをど えば 100万 円 かもしれ ないし、 能性は非常に多くあると思うん 電波の飛びもいいでしょうしね。 す。そこを、 「簡単だからと、パッ だ」という認 識を、まず明 確に う守るかというところで、皆がせ 200万円かもしれないけれど、御 ですね。 ケージのほうに流れよう」 、 「パッ 持って動かないと、何か違う判 めぎ合っているところがあります 社が商品を売って稼いだお金で 昔、例えば免許を取ってアマ ケージだけで生きていこう」 とか、 断になってしまうんですね。 よね。 しょう? そんなに安易に使って チュア無線を始めたころは、アメ いいお金じゃないでしょう? あな リカにドレークとかコリンズという 人 のころ、つまりSE 日本の愚直パワーを 見直したい そういう意志が働いたとすれば、 我々自身の競争力がなくなってし ̶̶ ただ、グローバル化という まうと思うんですね。 か、 「海外にもっと積極的に出て たは、もっとあなたの会社を愛し 会社があったり、組み立てキット なさい」 と叱ったというんですね。 を出していたヒース社というのが 我々はそれに非常に感動しま ありました。 「どんなふうになるか」 、あるいは、 ̶̶ 例えばアップルなどの会 という感じはしますか。 して、 「よし、俺たちも次の目標は、 この前、久々に、30 年ぶりにア 「なってはいけないか」 ? 見通し 社は、アウトソースやオープン そうで す ね。そ れ は 例えば、 お客さんを叱る営業になろう」 と マチュア無線に復帰しようかなと はいかがですか。 ソースで、いろいろな会社に部 警察というのは日本という国にお 思いましたね。 思って、免許を出して「そういえ 我々の会社がメーカーだという 品を作ってもらって、 「まとめるの いては唯 一のものですけれど、 ばいまの機械はどんなのがある こともあるかもしれませんけれど、 は、うちです」と、そういうビジネ 世界で見ると各国にあるわけで のかな」 と思ったんですよ。すると、 やはり3 次産業に偏りすぎない形 スモデルですが? すから。 ̶̶ なるほど。言うまでもなく、 H いくことは、さらに必要だろうな」 ̶̶ 日本というのは、これから 渡辺氏の信条 「逃げるべからず」 「天知る地知る我知る」 「地上にはもともと 道はない」 西澤氏の信条 6 7 者として何を求めるか。 それくらいのコミュニケーションが 昔でいうトリオのケンウッド、それ に戻らないと、 「ものを作る」 という 我々の中でも、 「な これを起点にして、 「自分自身 できる関係が築かれているという から日本のヤエスがスタンダード ところをベースに考えていかない ん で うち に は、ス がユーザーだ」 という意識で、お ことが前提なのでしょうね。 と一緒になった会社と、日本のア と、日本人のよさが出てこないか ティーブ・ジョブズみ 客さんに対して、 「これはこうある そうですね。それに加えて「予 イコムという会社の、おおむね 3 もしれませんね。 たいな人間がいない べきですよね、そうすると、御社 算を預かったならば、それに匹 社くらいしかないんですね。世界 農業で1 次産業がベースとい んだ?」とか、そうい が儲かるはずですよね」、 「伸び 敵する価値のあるものを提案で 的にはもう残っていない。 うのも1つでしょうし、例えばアメリ う話になるわけです。 るはずですよね」 と。これが起点 きている」 ということだと思うんで けれど、その3社がものすごい カに行ってみると、 「ファニチャー」 なりやすいんですね。 になって、 「この話に説得性を持 すよね。 技術革新をして、当時からは考 と書いた大きな家具店が、お客 ところが、彼らはまっ えられないようなマシンを作って さんもいないのに経営できていま たく違うマーケットで たせるためには、途中にどういう 線を引いていけばいいかな」と、 さかのぼって線を引いていくよう なケースが多いかもしれませんね。 狭く、しかし深く極める ことで新たなニーズが 最 近、 「カスタマーズ・カスタ いる。そういう意味では、これか すよね。やはり国 力というのは、 あって、例えば三越 らも、ある分野においてはすごく ウォールストリートより、ものづくり デパートが個人商店 深めていくというニーズは多いよ に立脚しているんじゃないかなと。 と戦うことはないわけで、個人商 ̶̶ なるほど、インフラですね。 うな気がしますよね。 日本も、ウォールストリートでデ 店の社長が「うちが三越だった サイバーテロなどを、もっと未然 リバティブをやっているような金融 ら」 と考えるのは、あまり意味が に防ぐようにすることは可能で マー」 という表現をよく使います ̶̶ところで、これからの世の中 けれど、我々はもっと自然だっ はどうなっていくと思われますか? ̶̶ アマチュア無線をやって などに憧れたところがあったと思 ないことですよね、違うドメインで すか? たと思 います ね。そ 多分、二極化していくとすると、 おられたわけですか? います。それが悪いとは言わない 生きているわけですから。 サイバーテロ対策のためには、 れが当たり前だと。 昔の家 電であったり、パソコン ええ、中学から高校のころで けれど、やはり日本人の強さとい ところが、ITだとどこも似てい 本当は皆が使っているオペレー だ から、例えば 新 だったり、コンピュータだったりす すかね。いわゆるハムですね。 うのは、 「真面目に几帳面にもの るように感じて、十把一絡げにし ティングシステムを使わなければ 人のときに、同期の仲 る世界は、もう確実に日本の中だ そのころに欲しかった機械を を考える」 という、ある意味で「愚 てしまうところがあります。我々は いいんです。なぜ簡単にテロが 間と飲みに行ったとき けでは食べていけません。ない 集めて、いま、自分で修理してい 直」 とも受け止められるけれど、も 絶対にアップルにはならないと思 起きるかというと、ある時期、 「OS も、同期でビール会社 しは日本の中だけでは、技術的 る最中です。修理しないと、その のすごいパワーだと思うんですよ いますし、グーグルにもならないと は全部統一したほうがいい、そう を担当していた営 業 に非常に後ろ向きになってしまう。 当時の機械って使えませんから。 ね。そういう意味で、真面目にそ 思います。 するとハードは安くなる」 といって、 が、入 社 2 年目の 新 だから、そこは間違いなく世界 車でいうとビンテージ車みたいな れをもっとやる必要があるんじゃ 携帯とか、コンシューマー向け そっちの方向に動いた背景があ 的なものの考え方をしなければ ものを、ハンダごてか何か使って、 ないかなと。そこをしっかりやれば、 のものをたくさん作って、そこにい るわけです。 研 修から戻って営 業を始めて いけません。 オシロスコープで波形を見ながら。 まだまだこれからビジネスというの いアイデアを持ち込んで、個人に だけれど、その上で動いてい 数カ月というときに、 「今日はお 一方、もうちょっと小さい個人 中学時代に買えなかったものが、 は広がっていくだろうと思います。 提供しようということをベースに るデータとか業務の価値は安く 客さんを叱ったよ」 と言うわけで のマーケットならば、もっと何かこ いまは比較的買えますからね。 それができない国がたくさんある 考えると、アップルなどはすばら なっていないわけで、非常に重 す。 「なんだ、それは?」と。そう う、1 つひとつを深めれば、まだ あとは山小屋があるので、東 はずなんですよね。 しいかもしれない。 要なものが 動いているんです。 すると、お客さんは「それ、いいよ いくらでもニーズはありますよね。 京だと狭くてアンテナを上げられ 我々自身は、それをしっかり維 でも、例えばアップルが「警察 だから「安くしよう」と思ったプ うに処理しておいて」 という言い 高い時計を買ったり、非常に高 ませんから、富士山のほうですけ 持できれば、最低限の部分のシ のシステムを作ろうと思うか?」 と ラットフォームの上で、前と同じ重 方をしたと。 額のカメラを買う人もいるわけで、 れど、大きなアンテナを上げてやっ ステム開発のビジネスは、絶対に いうと、それは思わないだろうと。 要なものが動いている。そういう で、彼はそのお客さんに、 「例 だから幅を狭めて深めれば、可 てみようかなと。標高も高いので、 枯渇しないところがあると思いま だから「違うところで生きているん アンバランスがあって、それをど えば 100万 円 かもしれ ないし、 能性は非常に多くあると思うん 電波の飛びもいいでしょうしね。 す。そこを、 「簡単だからと、パッ だ」という認 識を、まず明 確に う守るかというところで、皆がせ 200万円かもしれないけれど、御 ですね。 ケージのほうに流れよう」 、 「パッ 持って動かないと、何か違う判 めぎ合っているところがあります 社が商品を売って稼いだお金で 昔、例えば免許を取ってアマ ケージだけで生きていこう」 とか、 断になってしまうんですね。 よね。 しょう? そんなに安易に使って チュア無線を始めたころは、アメ いいお金じゃないでしょう? あな リカにドレークとかコリンズという 人 のころ、つまりSE 日本の愚直パワーを 見直したい そういう意志が働いたとすれば、 我々自身の競争力がなくなってし ̶̶ ただ、グローバル化という まうと思うんですね。 か、 「海外にもっと積極的に出て たは、もっとあなたの会社を愛し 会社があったり、組み立てキット なさい」 と叱ったというんですね。 を出していたヒース社というのが 我々はそれに非常に感動しま ありました。 「どんなふうになるか」 、あるいは、 ̶̶ 例えばアップルなどの会 という感じはしますか。 して、 「よし、俺たちも次の目標は、 この前、久々に、30 年ぶりにア 「なってはいけないか」 ? 見通し 社は、アウトソースやオープン そうで す ね。そ れ は 例えば、 お客さんを叱る営業になろう」 と マチュア無線に復帰しようかなと はいかがですか。 ソースで、いろいろな会社に部 警察というのは日本という国にお 思いましたね。 思って、免許を出して「そういえ 我々の会社がメーカーだという 品を作ってもらって、 「まとめるの いては唯 一のものですけれど、 ばいまの機械はどんなのがある こともあるかもしれませんけれど、 は、うちです」と、そういうビジネ 世界で見ると各国にあるわけで のかな」 と思ったんですよ。すると、 やはり3 次産業に偏りすぎない形 スモデルですが? すから。 ̶̶ なるほど。言うまでもなく、 H いくことは、さらに必要だろうな」 ̶̶ 日本というのは、これから 渡辺氏の信条 「逃げるべからず」 「天知る地知る我知る」 「地上にはもともと 道はない」 西澤氏の信条
© Copyright 2024 Paperzz