振動工具の安全な取扱いを考える(PDF:1MB)

健康診断と健康管理
No.
36
振動業務に常時従事する作業者には、特殊健康診断が義務づけら
れております。雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び振動業
務に応じ、1年(冬期)又は6ヵ月(うち1回は冬期)以内ごとに
1回、定期に行うことになっております。
建設業における振動業務に携わる作業は、専門工事業者の作業者に
振動障害の発症には個人差があり、季節と寒さに関係した地域差等も考えられます。工具の選定、保護具の
36
ます。
No.
多いといわれます。健康診断結果をふまえ、適切な事後措置を要し
確認のほか、作業場で考慮するべきこと、自覚した個人が平素心がけるべきことを確認致しましょう。
■ 防寒・保 温
安全・技術部
発行日/2004年 12月 1日
寒い季節をひかえて
振動障害を防ぎ、振動工具の安全な取り扱いを考える
本格的な寒さを感じる時季を迎えるにあたって、寒さの中での取扱いに注意を要する「振動工具」を中心に、
振動障害の防止と安全な取扱いの確認を内容と致します。
■ 職場以 外 での 振動 の回 避
寒い時期に、防寒服、防寒手袋は良いか。
雨の中など、身体を冷やす作業を努めて避ける。
編集・発行/レンタルのニッケン
通勤などでオートバイに乗る、日曜大工などで
振動工具を長時間使用するなどを制限し、振動
にさらされる時間を少なくする。
かかられている木の伐採は、かかり
木がいつ落ちてくるかわからず、大
変危険です。
立木を伐倒するときは、立木の樹高
の1.5倍の距離の範囲を危険区域とし、
他の作業者を立入らせないこと。
草刈り作業中、
刈刃が伐根に当たり、
キッ
クバックが起きたため、
刈刃が跳ね返り、
近くで作業していた同僚に当たった。
丸鋸で板を切断作業中、キャブタイヤ
コードが引っ掛かっており、
丸鋸がコー
ドに引っ張られて指を切傷した。
「振動障害」は一般的に振動病などとも呼ばれ、手の血管が収縮して中を流れる血液の量が少なくなるため
■ 体操の 実 施
骨や関節、筋肉に関係する症状など、振動が原因で起こる、身体に異常が起き、手指や腕にしびれ、冷え、こ
・質と量のバランスのとれた食事を常に心がける。
・血管を収縮させて、血液の流れを悪くする原
因となる喫煙に注意。
! 全第
す
売
具
お
ま
て
り
し
販
保護
一
安
編集・発行/レンタルのニッケン 安全・技術部
体操は、全身の緊張をほぐし、血液の循環をよく
し、関節の動きをなめらかにします。特に手、肩、
腰などの運動を考慮して。
各種
に起こり、手の指が白くなる「レイノー現象(白ろう病)」が一般的に知られておりますが、その他にも神経、
■ その他
わばりが間けつ的に又は持続的に現れる等を主な症状とする疾病とされております。
振動障害の労災新規認定の状況をみると、建設
業種別・年度別振動障害労災新規認定状況
(平成10年度∼平成14年度)
業におけるそれは他の産業に対する比率が圧倒的
(単位:人)
平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
に高く、平成11年からは年々その比率が高くなる
486
569
510
471
417
(62.9%) (62.4%) (65.1%) (65.7%) (66.0%)
林 業
189
218
160
135
126
鉱 業
28
27
14
15
13
採石業
15
13
12
25
22
その他
55
85
88
71
54
合 計
773
912
784
717
632
厚生労働省「業種別・年次別振動障害の労災新規認定者数調」より
建設業
傾向にあります。身近な状況をふまえて、是非予
防したいものです。
振動工具の種類
建設業において、振動工具はとても広く利用されております。一般的に林業に多く利用されるエンジンチェー
ンソーや刈払い機についても、工事着工前などの草や立木の始末などにも使われ、多くの機種が巾広く利用さ
れております。種類は一般的に次のように分類されております。その特性に応じた安全な取扱いを要します。
保護めがね
防振手袋
簡易防塵マスク
安全靴
今年の暑い夏には熱中症が多く発症し、
台風の上陸が多く、
間をおかずに中越地震が起き、
その被害は大変なものでした。
被災者の皆様方へお見舞い申し上げます。
寒さに向う12月の今号では「振動工具」について取扱いました。振動障害につい
て、その発症は、ばく露時間の他に寒冷な中での作業が大きく係わることにより
ご意見ご要望はeメールをご活用下さい。
●e-mail:[email protected]
ました。振動障害による労災認定の件数が全産業の中で建設業が圧倒的に多いこ
ホームページでも最新情報を
お届けしています。是非ご覧下さい。
とをふまえ、その減少を願いました。新年をひかえた皆様のご健勝をご祈念申し
http://www.rental.co.jp
発行日/2004年 12月 1日
保護帽
ピストン内蔵工具(打撃工具)
エンジン内蔵工具
エンジンチェーンソー
ブ
レ
ー
カ
ー
削
岩
機
振動体内蔵工具
軽
便
バ
イ
ブ
レ
ー
タ
ー
草刈機
(刈払い機)
ピック
エンジンカッター
締付工具
回転工具
ジスクグラインダー
インパクトレンチ
上げ、変わらぬご指導をお願い申し上げます。
シャーレンチ
ベビーサンダー
ラ
ン
マ
ー
M
■ チェーンソー以外の振動工具
振動障害発生のメカニズムと振動障害の予防
カリキ ュラム
科 目
振動障害発生のメカニズム
振 動
振動の力
振動数
振 幅
加速度
寒 冷
ばく露時間
1日の時間
1連続の時間
累積の時間
騒 音
作業方法の不良
日常生活(タバコ・栄養等) 加 齢
重い負荷による筋の緊張
振
動
障
害
個人素因(体力・疾病・外傷等)
:振動の影響を加重する要因
ブレーカー
中災防「振動工具取扱い作業の知識」より
図からもわかるように、振動障害は振動の大きさと1日のばく露時間(振動工具の使用時間)のほか
に、寒冷対策、作業方法対策、日常での健康管理など総合的な予防対策が必要です。
a.工具の選定にあたっては、軽量で、振動が
身体に伝わることの少ないものとする。
業務ごとの使用時間に係わる管理基準の一部
振 動 業 務
1日
連続作業 休止時間
ピストンによる打撃機構を有する工具を取り扱う業務の内、
金属又は岩石のはつり、かしめ、切断、鋲打及び削孔の業務。2時間以内 10分以内 5分以上
さく岩機、チッピングハンマー、リベッティングハンマー、ハンド
ハンマー、コーキングハンマー、ベビーハンマー、コンクリートブ
レーカー、スケーリングハンマー、サンドラハンマー等
b.ばく露時間を考慮する。(右表を参照)
エンジンカッター等の内燃機関を内蔵する工具で
可搬式のもの(チェーンソーを除く)を取扱う業務。
(昭和50年10月20日付け基発第608号)
2時間以内 30分以内 5分以上
c.寒さに注意!!
(昭和50年10月20日付け基発第608号)
エンジンカッター、刈払機等
2時間以内 10分以内
振動障害の誘因として最も大きなものは、寒冷
(昭和45年2月28日基発第134号)
改正(昭和48年10月18日基発第597号)
刺激であるといわれております。特に冬季では、 チェーンソーの操作時間について。
(昭和50年10月20日基発第610号)
防寒・保温を第一に考慮する必要があります。
レンタルのニッケンで関係商品の月別稼動状況をみると、ハンドブレーカー、エンジンカッター、さく岩機な
どは2月が最高で、寒冷期に多く使用されることを示しており、使用する人の防寒・保温の必要性を強く感じます。
範 囲
時 間
振動工具に関する知識
振動工具の種類及び構造
振動工具の選定方法
振動工具の改善
1時間
振動障害及びその予防に
関する知識関する知識
振動障害の原因及び症状
振動障害の予防措置
2.5時間
関係法令等
労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令等中の関係
条項及び関係通達中の関係事項等
0.5時間
削岩機
昭和58年5月20日 基発第258号
*教育対象者の業務経歴等を勘案し、教育の全部又は一部について十分な知識、技能を有していると認められた
場合には、この内容についての教育の全部又は一部を省略しても可。
■ 刈 払 機 平成12年2月16日 基発第66号により、「特別教育に準じた教育」が示されました。
カリキュラム 学科
科 目
範 囲
刈払機の構造及び機能の概要
刈払機に関する知識
刈払機の選定
作業計画の作成等 刈払機の取扱い
刈払機を使用する作業に関する知識
作業の方法
刈払機の点検及び整備に関する知識 刈払機の点検・整備 刈刃の目立て
振動障害の原因及び症状
振動障害及びその予防に関する知識
振動障害の予防措置
労働安全衛生関係法令中の関係条項及び
関係法令
関係通達中の関係事項等
時 間
1時間
1時間
カリキュラム 実技
0.5時間
2時間
0.5時間
科 目
範 囲
時 間
刈払い機の取扱い
刈払機の作業等 作業の方法
刈払い機の点検・整備の方法等
1時間
「林業における刈払機使用に係わる安全作業指針」の徹底について(昭和60年2月19日基発第90号)
の中から、一般の作業に参考になるものを一部抽出致しました。
d.タバコを1本吸うと、数分後には指の血管が収縮し、皮膚の温度が低下し、その影響は1時間近く
続くといわれます。振動工具を取扱う人は注意しましょう。
8cm
以下
取扱い作業者に対する安全衛生教育カリキュラムなど
■ チェーンソー
安衛則第36条第8号にもとずき、昭和47年9月30日
労働省告示第92号による特別教育。
刈払作業中は、作業者から5m以内を危険区
域とし、この区域内に他の作業者を立ち入らせ
ないこと。安全作業上は15m以上離れて作業
する事が望ましい。
A. 胸高直径が70cm以上の立木の伐木、胸高直径が20cm以上で、かつ、重心が著しく偏っている立木
の伐木、吊り切りその他特殊な方法による伐木、又はかかり木でかかっている木の胸高直径が20cm
以上であるものの処理業務。ただし、チェーンソーを用いずに上記の業務に従事する者についてはチェー
ンソー、振動障害に関する知識、チェーンソ−の操作、点検及び整備の科目の教育を行うことを要
しない。
カリキュラム 学科
科 目
伐木作業に関する知識
カリキュラム 実技
範 囲
伐倒の方法 伐倒の合図 退避の方法
かかり木の種類及びその処理
チェーンソーの種類、構造及び取扱方法
チェーンソーに関する知識
チェーンソーの点検及び整備の方法
ソ−チェーンの目立ての方法
振動障害及びその予防に関する知識 振動障害の原因及び症状 振動障害の予防措置
関係法令
法、令及び安衛則中の関係条項
時 間
科 目
3時間
伐木の方法
2時間
2時間
1時間
範 囲
大径木及び偏心木の伐木の方法
かかり木の処理方法
時 間
科 目
範 囲
伐木作業に関す 伐倒の方法 伐倒の合図
る知識
退避の方法
チェーンソーの種類、構造及び
チェーンソーに 取扱方法
関する知識
チェーンソーの点検及び整備の方法
時 間
2時間
2時間
ソ−チェーンの目立ての方法
振動障害及び
振動障害の原因及び症状
その予防に関す
振動障害の予防措置
る知識
2時間
関係法令
1時間
法、令及び安衛則中の関係条項
科 目
保護具
チェーンソーの
基本操作 応用操作
操作
2時間
防ぐために、保護具の使用が大切です。防寒服、防寒手袋などに
チェーンソーの チェーンソーの点検及び整備の方法
点検及び整備
ソーチェーンの目立ての方法
2時間
かかり木とは
範 囲
胸高直径が70cm未満の
立木の伐木の方法
時 間
かかり木
2時間
かかり木は早期に
処理すること。
チェーンソーの
基本操作 応用操作
操作
2時間
チェーンソーの点検及び
チェーンソーの 整備の方法
点検及び整備
ソーチェーンの目立ての
方法
同時に二人以上で同一の材の
玉切りをしないこと。
2時間
伐木の方法
建設業において、新規入場者教育を行う場合には、振動障害防止に係わる教育も併せて行うよう
指導すること。 (平成5年3月31日 基発第203号)
振動工具を使用する作業で、振動障害を予防し、事故・災害を
カリキュラム 実技
かかり木でかかっている
木の胸高直径が20cm未
満であるものの処理方法
造材の1例
かん木等を刈払機で切り倒す場合は、切断部
の直径が8cm程度以下のものとすること。
■ 新規 入場 者 教 育 を行 う 場 合
4時間
B. チェーンソーを用いて行なう立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務で、上記 A の業務を除くもの。
カリキュラム 学科
急傾斜地では、斜面の下方に向って刈り進ま
ないこと。迂回移動を励行する。
も配慮致しましょう。
伝わってくる振動をやわらげる、防振ハンドルカバーや防振手
袋などがあります。振動工具を使用する作業には、ほとんどの場合、
耳覆い
耳せん
騒音や粉じんの発生があり、耳せん又は耳覆い、防じんマスク、
保護めがねなどを併用する必要があります。
刈払機を使った作業で
こんな事故がありました。
「保護めがね」を使用
しておりませんでした。
保護めがね
防じんマスク
刈払機で草刈作業中、草の
影にあった小石に刈刃が当
たり、小石が目を直撃した。
防振手袋
■ チェーンソー以外の振動工具
振動障害発生のメカニズムと振動障害の予防
カリキ ュラム
科 目
振動障害発生のメカニズム
振 動
振動の力
振動数
振 幅
加速度
寒 冷
ばく露時間
1日の時間
1連続の時間
累積の時間
騒 音
作業方法の不良
日常生活(タバコ・栄養等) 加 齢
重い負荷による筋の緊張
振
動
障
害
個人素因(体力・疾病・外傷等)
:振動の影響を加重する要因
ブレーカー
中災防「振動工具取扱い作業の知識」より
図からもわかるように、振動障害は振動の大きさと1日のばく露時間(振動工具の使用時間)のほか
に、寒冷対策、作業方法対策、日常での健康管理など総合的な予防対策が必要です。
a.工具の選定にあたっては、軽量で、振動が
身体に伝わることの少ないものとする。
業務ごとの使用時間に係わる管理基準の一部
振 動 業 務
1日
連続作業 休止時間
ピストンによる打撃機構を有する工具を取り扱う業務の内、
金属又は岩石のはつり、かしめ、切断、鋲打及び削孔の業務。2時間以内 10分以内 5分以上
さく岩機、チッピングハンマー、リベッティングハンマー、ハンド
ハンマー、コーキングハンマー、ベビーハンマー、コンクリートブ
レーカー、スケーリングハンマー、サンドラハンマー等
b.ばく露時間を考慮する。(右表を参照)
エンジンカッター等の内燃機関を内蔵する工具で
可搬式のもの(チェーンソーを除く)を取扱う業務。
(昭和50年10月20日付け基発第608号)
2時間以内 30分以内 5分以上
c.寒さに注意!!
(昭和50年10月20日付け基発第608号)
エンジンカッター、刈払機等
2時間以内 10分以内
振動障害の誘因として最も大きなものは、寒冷
(昭和45年2月28日基発第134号)
改正(昭和48年10月18日基発第597号)
刺激であるといわれております。特に冬季では、 チェーンソーの操作時間について。
(昭和50年10月20日基発第610号)
防寒・保温を第一に考慮する必要があります。
レンタルのニッケンで関係商品の月別稼動状況をみると、ハンドブレーカー、エンジンカッター、さく岩機な
どは2月が最高で、寒冷期に多く使用されることを示しており、使用する人の防寒・保温の必要性を強く感じます。
範 囲
時 間
振動工具に関する知識
振動工具の種類及び構造
振動工具の選定方法
振動工具の改善
1時間
振動障害及びその予防に
関する知識関する知識
振動障害の原因及び症状
振動障害の予防措置
2.5時間
関係法令等
労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令等中の関係
条項及び関係通達中の関係事項等
0.5時間
削岩機
昭和58年5月20日 基発第258号
*教育対象者の業務経歴等を勘案し、教育の全部又は一部について十分な知識、技能を有していると認められた
場合には、この内容についての教育の全部又は一部を省略しても可。
■ 刈 払 機 平成12年2月16日 基発第66号により、「特別教育に準じた教育」が示されました。
カリキュラム 学科
科 目
範 囲
刈払機の構造及び機能の概要
刈払機に関する知識
刈払機の選定
作業計画の作成等 刈払機の取扱い
刈払機を使用する作業に関する知識
作業の方法
刈払機の点検及び整備に関する知識 刈払機の点検・整備 刈刃の目立て
振動障害の原因及び症状
振動障害及びその予防に関する知識
振動障害の予防措置
労働安全衛生関係法令中の関係条項及び
関係法令
関係通達中の関係事項等
時 間
1時間
1時間
カリキュラム 実技
0.5時間
2時間
0.5時間
科 目
範 囲
時 間
刈払い機の取扱い
刈払機の作業等 作業の方法
刈払い機の点検・整備の方法等
1時間
「林業における刈払機使用に係わる安全作業指針」の徹底について(昭和60年2月19日基発第90号)
の中から、一般の作業に参考になるものを一部抽出致しました。
d.タバコを1本吸うと、数分後には指の血管が収縮し、皮膚の温度が低下し、その影響は1時間近く
続くといわれます。振動工具を取扱う人は注意しましょう。
8cm
以下
取扱い作業者に対する安全衛生教育カリキュラムなど
■ チェーンソー
安衛則第36条第8号にもとずき、昭和47年9月30日
労働省告示第92号による特別教育。
刈払作業中は、作業者から5m以内を危険区
域とし、この区域内に他の作業者を立ち入らせ
ないこと。安全作業上は15m以上離れて作業
する事が望ましい。
A. 胸高直径が70cm以上の立木の伐木、胸高直径が20cm以上で、かつ、重心が著しく偏っている立木
の伐木、吊り切りその他特殊な方法による伐木、又はかかり木でかかっている木の胸高直径が20cm
以上であるものの処理業務。ただし、チェーンソーを用いずに上記の業務に従事する者についてはチェー
ンソー、振動障害に関する知識、チェーンソ−の操作、点検及び整備の科目の教育を行うことを要
しない。
カリキュラム 学科
科 目
伐木作業に関する知識
カリキュラム 実技
範 囲
伐倒の方法 伐倒の合図 退避の方法
かかり木の種類及びその処理
チェーンソーの種類、構造及び取扱方法
チェーンソーに関する知識
チェーンソーの点検及び整備の方法
ソ−チェーンの目立ての方法
振動障害及びその予防に関する知識 振動障害の原因及び症状 振動障害の予防措置
関係法令
法、令及び安衛則中の関係条項
時 間
科 目
3時間
伐木の方法
2時間
2時間
1時間
範 囲
大径木及び偏心木の伐木の方法
かかり木の処理方法
時 間
科 目
範 囲
伐木作業に関す 伐倒の方法 伐倒の合図
る知識
退避の方法
チェーンソーの種類、構造及び
チェーンソーに 取扱方法
関する知識
チェーンソーの点検及び整備の方法
時 間
2時間
2時間
ソ−チェーンの目立ての方法
振動障害及び
振動障害の原因及び症状
その予防に関す
振動障害の予防措置
る知識
2時間
関係法令
1時間
法、令及び安衛則中の関係条項
科 目
保護具
チェーンソーの
基本操作 応用操作
操作
2時間
防ぐために、保護具の使用が大切です。防寒服、防寒手袋などに
チェーンソーの チェーンソーの点検及び整備の方法
点検及び整備
ソーチェーンの目立ての方法
2時間
かかり木とは
範 囲
胸高直径が70cm未満の
立木の伐木の方法
時 間
かかり木
2時間
かかり木は早期に
処理すること。
チェーンソーの
基本操作 応用操作
操作
2時間
チェーンソーの点検及び
チェーンソーの 整備の方法
点検及び整備
ソーチェーンの目立ての
方法
同時に二人以上で同一の材の
玉切りをしないこと。
2時間
伐木の方法
建設業において、新規入場者教育を行う場合には、振動障害防止に係わる教育も併せて行うよう
指導すること。 (平成5年3月31日 基発第203号)
振動工具を使用する作業で、振動障害を予防し、事故・災害を
カリキュラム 実技
かかり木でかかっている
木の胸高直径が20cm未
満であるものの処理方法
造材の1例
かん木等を刈払機で切り倒す場合は、切断部
の直径が8cm程度以下のものとすること。
■ 新規 入場 者 教 育 を行 う 場 合
4時間
B. チェーンソーを用いて行なう立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務で、上記 A の業務を除くもの。
カリキュラム 学科
急傾斜地では、斜面の下方に向って刈り進ま
ないこと。迂回移動を励行する。
も配慮致しましょう。
伝わってくる振動をやわらげる、防振ハンドルカバーや防振手
袋などがあります。振動工具を使用する作業には、ほとんどの場合、
耳覆い
耳せん
騒音や粉じんの発生があり、耳せん又は耳覆い、防じんマスク、
保護めがねなどを併用する必要があります。
刈払機を使った作業で
こんな事故がありました。
「保護めがね」を使用
しておりませんでした。
保護めがね
防じんマスク
刈払機で草刈作業中、草の
影にあった小石に刈刃が当
たり、小石が目を直撃した。
防振手袋
健康診断と健康管理
No.
36
振動業務に常時従事する作業者には、特殊健康診断が義務づけら
れております。雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び振動業
務に応じ、1年(冬期)又は6ヵ月(うち1回は冬期)以内ごとに
1回、定期に行うことになっております。
建設業における振動業務に携わる作業は、専門工事業者の作業者に
振動障害の発症には個人差があり、季節と寒さに関係した地域差等も考えられます。工具の選定、保護具の
36
ます。
No.
多いといわれます。健康診断結果をふまえ、適切な事後措置を要し
確認のほか、作業場で考慮するべきこと、自覚した個人が平素心がけるべきことを確認致しましょう。
■ 防寒・保 温
安全・技術部
発行日/2004年 12月 1日
寒い季節をひかえて
振動障害を防ぎ、振動工具の安全な取り扱いを考える
本格的な寒さを感じる時季を迎えるにあたって、寒さの中での取扱いに注意を要する「振動工具」を中心に、
振動障害の防止と安全な取扱いの確認を内容と致します。
■ 職場以 外 での 振動 の回 避
寒い時期に、防寒服、防寒手袋は良いか。
雨の中など、身体を冷やす作業を努めて避ける。
編集・発行/レンタルのニッケン
通勤などでオートバイに乗る、日曜大工などで
振動工具を長時間使用するなどを制限し、振動
にさらされる時間を少なくする。
かかられている木の伐採は、かかり
木がいつ落ちてくるかわからず、大
変危険です。
立木を伐倒するときは、立木の樹高
の1.5倍の距離の範囲を危険区域とし、
他の作業者を立入らせないこと。
草刈り作業中、
刈刃が伐根に当たり、
キッ
クバックが起きたため、
刈刃が跳ね返り、
近くで作業していた同僚に当たった。
丸鋸で板を切断作業中、キャブタイヤ
コードが引っ掛かっており、
丸鋸がコー
ドに引っ張られて指を切傷した。
「振動障害」は一般的に振動病などとも呼ばれ、手の血管が収縮して中を流れる血液の量が少なくなるため
■ 体操の 実 施
骨や関節、筋肉に関係する症状など、振動が原因で起こる、身体に異常が起き、手指や腕にしびれ、冷え、こ
・質と量のバランスのとれた食事を常に心がける。
・血管を収縮させて、血液の流れを悪くする原
因となる喫煙に注意。
! 全第
す
売
具
お
ま
て
り
し
販
保護
一
安
編集・発行/レンタルのニッケン 安全・技術部
体操は、全身の緊張をほぐし、血液の循環をよく
し、関節の動きをなめらかにします。特に手、肩、
腰などの運動を考慮して。
各種
に起こり、手の指が白くなる「レイノー現象(白ろう病)」が一般的に知られておりますが、その他にも神経、
■ その他
わばりが間けつ的に又は持続的に現れる等を主な症状とする疾病とされております。
振動障害の労災新規認定の状況をみると、建設
業種別・年度別振動障害労災新規認定状況
(平成10年度∼平成14年度)
業におけるそれは他の産業に対する比率が圧倒的
(単位:人)
平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
に高く、平成11年からは年々その比率が高くなる
486
569
510
471
417
(62.9%) (62.4%) (65.1%) (65.7%) (66.0%)
林 業
189
218
160
135
126
鉱 業
28
27
14
15
13
採石業
15
13
12
25
22
その他
55
85
88
71
54
合 計
773
912
784
717
632
厚生労働省「業種別・年次別振動障害の労災新規認定者数調」より
建設業
傾向にあります。身近な状況をふまえて、是非予
防したいものです。
振動工具の種類
建設業において、振動工具はとても広く利用されております。一般的に林業に多く利用されるエンジンチェー
ンソーや刈払い機についても、工事着工前などの草や立木の始末などにも使われ、多くの機種が巾広く利用さ
れております。種類は一般的に次のように分類されております。その特性に応じた安全な取扱いを要します。
保護めがね
防振手袋
簡易防塵マスク
安全靴
今年の暑い夏には熱中症が多く発症し、
台風の上陸が多く、
間をおかずに中越地震が起き、
その被害は大変なものでした。
被災者の皆様方へお見舞い申し上げます。
寒さに向う12月の今号では「振動工具」について取扱いました。振動障害につい
て、その発症は、ばく露時間の他に寒冷な中での作業が大きく係わることにより
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ました。振動障害による労災認定の件数が全産業の中で建設業が圧倒的に多いこ
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お届けしています。是非ご覧下さい。
とをふまえ、その減少を願いました。新年をひかえた皆様のご健勝をご祈念申し
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発行日/2004年 12月 1日
保護帽
ピストン内蔵工具(打撃工具)
エンジン内蔵工具
エンジンチェーンソー
ブ
レ
ー
カ
ー
削
岩
機
振動体内蔵工具
軽
便
バ
イ
ブ
レ
ー
タ
ー
草刈機
(刈払い機)
ピック
エンジンカッター
締付工具
回転工具
ジスクグラインダー
インパクトレンチ
上げ、変わらぬご指導をお願い申し上げます。
シャーレンチ
ベビーサンダー
ラ
ン
マ
ー
M