唐津の民謡(1/2) 分 野 文化 地 域 全域 ◎地図・写真・統計資料など 唐津には古くから伝承されてきた数多くの民謡がある。民謡はふるさとの 歴史や風土に根ざし、人々の生活心情や生業等の姿を伝える大切な民俗文化 財である。 民謡の種類は、1)「労作歌」 2)「祝い歌・祭り歌」 3)「踊り歌・ 舞踊」 4)「座興歌」5)「子守唄」 6)「わらべうた」 等に分類され る。 島の小学生を中心に活動する 「小川島鯨骨切り唄子供保存会」 労作歌には、かっての捕鯨基地呼子を中心とした捕鯨に関するものとして (唐津んもんだよりより) 小川島の「鯨骨切唄」、大漁を祝う唐房の「千越大漁祝唄」などが現在も歌 われている。 ほかに、鯨ロクロ巻唄、鯨大唄、櫓漕ぎ唄などがあったが、現在ほとんど 歌われていない。また、浜玉町五反田付近は、昔から冬の農閑期を利用した 和紙作りが盛んで、昭和中ごろまで続いていたが、冷たい水の中で紙をすく 作業はつらく、それをまぎらわせるため唄った「唐津紙すき唄」がある。同 じく浜玉町東山田の「がめつき唄」は大きな溜池七股堤の地固めをする作業 で、この歌を歌いながら総勢5,60人が力を合わせたといわれている。 祝儀に関するものの代表は、「タンス長持ち唄」と「釜ぶたかぶせ」があ り、共に嫁入りの際の歌で、かって唐津地区でも歌われていたが、現在ほとん ど歌われない。 玄海沿岸とその周辺部では、近年まで盆口説きが盛んに行われていた。櫓 ◎引用・参考文献(出典) を組んで、その周囲に円陣を作り、歌に間の手を入れながら踊ったが、現在の ◆『佐賀の民謡』福岡博著 盆踊りでは、口説きにつれて踊る形式はなくなった。浜玉町では、お通夜口 説きが歌われている所もある。 ~2/2ヘつづく~ 昭和62年 ◆『佐賀県の民謡』 ~佐賀県民謡緊急調査報告書 ~(佐賀県教育委員会) 昭和63年 ◆『佐賀県の民謡』 (財)日本民謡協会 佐賀県連合委員会 平成18年 ◎もっと詳しく知りたい方は 唐津市近代図書館へ お問い合わせください。 ■電話:0955-72-3467 ■ホームページ: http://tosyokan.karatsucity.jp/hp/cnts_lib/index.ht ml ◇唐津の魅力継承事業◇ 唐津の民謡(2/2) 分 野 文化 地 域 全域 ◎地図・写真・統計資料など ~1/2からつづく~ 祭り歌として有名なものに唐津くんちを歌った「唐津エンヤ節」がある。 座興唄としては、殿の浦の船宿と称される遊郭などで船出を待って歌われ た「呼子ハイヤ節」や佐賀の代表作である「梅干し」が高島や神集島でも歌 われている。 古来から歌い継がれてきた民謡とは別に、「新民謡」が大正後期から昭和 初期にかけて全国的に次々と創作された。「曳山囃子の唄」「呼子音頭」 「相知音頭」等の他、北原白秋作詞の「唐津小唄」「松浦潟」などが知られ ており、これらは作詞家作曲家によって作られたものであるが、広くその地 域の歌として親しまれることになった。 唐津の民謡は、労作歌や祝儀歌などの多くが他の地域同様に伝承を危ぶま れているが、祝い歌や祭り歌、座興歌、新民謡などが、今後も伝承されていく 可能性を持っているといえるだろう。 ◎引用・参考文献(出典) ◆『佐賀の民謡』福岡博著 昭和62年 ◆『佐賀県の民謡』 ~佐賀県民謡緊急調査報告書 ~(佐賀県教育委員会) 昭和63年 ◆『佐賀県の民謡』 (財)日本民謡協会 佐賀県連合委員会 平成18年 ◎エピソード・伝承・うんちく など ◎もっと詳しく知りたい方は ■佐賀県の民謡大会 唐津市近代図書館へ お問い合わせください。 ・佐賀の民謡まつり全国大会(佐賀市) ・佐賀タンス長持唄大会(多久市) ・岸川節全国大会(多久市) ・(財)日本民謡協会 民謡民部佐賀県連合大会(白石町) ■民謡の楽譜 民謡は、人から人へ伝承されてきたもので、楽譜はなく、あるとしても尺八譜と三味線譜の みであった。『佐賀の民謡』の著者福岡博氏は、佐賀県内を30年間かけてカセットテープで収 集し、当時の佐賀大学講師の筒石氏の協力で楽譜に収めることができた。 ◇唐津の魅力継承事業◇ ■電話:0955-72-3467 ■ホームページ: http://tosyokan.karatsucity.jp/hp/cnts_lib/index.ht ml
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